国会よりBlog

【続報・補足あり】11月22日の原子力問題調査特別委員会での阿部知子質問及び田中原子力規制委員長答弁について

【注】本件につき、12月9日の特別委員会で田中規制委員長が謝罪をしました

 

11月22日の原子力問題調査特別委員会で阿部知子は同日朝に福島第二原発3号機使用済み燃料プールの冷却が一時停止した件について取り上げました。

その際、プールの水温が「1時間半の停止で28.7度から、29.5度、0.8度上昇しておりました」と言及し、冷却停止時の東電発表における「冷却停止時の水温上昇率は0.2度/時」との予測値に比べて温度上昇の進行が早かったことを指摘しましたが、この数字は東京電力の発表に基づくものです(同じ東電発表に基づく報道も複数確認しております)。

 

○東電の初報 http://www.tepco.co.jp/press/mail/2016/1338502_8708.html

「6時10分頃、3号機使用済燃料プール冷却浄化系ポンプにおいて、スキマーサージタンク水位低警報が発生し同ポンプが停止しました。ポンプが停止した時点のプール水の温度は28.7度で、冷却系停止時の水温上昇率は0.2度/時であり、保安規定の運転管理上の制限値(65度)までは約7日間の余裕があります。」

○東電の「続報」 http://www.tepco.co.jp/press/mail/2016/1338504_8708.html

「本日(11月22日)午前6時10分頃、3号機の使用済燃料プールを冷却していた冷却浄化系ポンプ(A)が停止しましたが、午前7時47分頃、冷却浄化系ポンプ(B)を起動し、冷却を再開しました(冷却再開時のプール水温度は29.5度)。」

 

東電はその後、水温の測定地点が異なっていたことを公表しましたが、その公表は原子力問題調査特別委員会の開会後のことでした。

(阿部知子事務所が東電HPで知ったのは14時半過ぎのことであり、阿部知子の質疑直前で伝達は不可能でした)

 

○東電の「続報3」 http://www.tepco.co.jp/press/mail/2016/1338803_8708.html

「これまでに3号機使用済燃料プールの冷却停止・再開時のプール水温度についてお知らせしておりますが、冷却停止時のプール水温度としてお知らせした温度(28.7度)は、プール外側(下流側)の系統配管に設置されたポンプ吸込口での測定値となります

 一方、冷却停止中は同測定位置(ポンプ吸込口)ではプール水内の温度を正確に測定出来ないため、冷却再開時のプール水温度としては、プール表面での測定値(29.5度)をお知らせしておりました

 これに対応する温度として、冷却停止時のプール表面での測定値は29.3度であり、プール内の同じ位置(プール表面)で測定値を比較すると、今回の冷却停止に伴う温度上昇は0.2度となります。」

 

しかし、田中原子力規制委員長の答弁は、「先生がどこで入手された情報かわかりませんけれど」、あるいは「測った場所が違うのに、何かちょっとそういう誤解を招くような報道があったのではないかということでありますので、もしそうであればやはりきちっと間違いのない報道をするように私どもとして注意したいと思います」などと述べただけであり、東電の当初の発表が測定地点の違いを明らかにせず、28.7度(冷却停止時)と29.5度(冷却再開時)という2つの水温のみが公表されていたことについては言及しませんでした。

 

このような田中委員長の不用意な答弁によって、「阿部知子が不正確な情報に基づき質問した」、「誤解を招く報道がありそれを阿部知子が不用意に取り上げた」という受け止められ方がされていることは大変遺憾です。

東電の発表そのものに問題があったことについては一般にほとんど知られていないようで、田中委員長の答弁からもその事実は一切読み取れません。

なお、22日午前に原子力規制庁に質問通告した際には、「0.8度の水温上昇」について指摘をする可能性があることを明確に伝えておりましたが、その後規制庁より特段の連絡はありませんでした。

現在、田中委員長に発言訂正または補足説明を求めることを含め、対応を協議しているところです。

 

なお、当然ながら、阿部知子の質問や報道の一次資料であった東京電力の発表が不正確であったことについては、事後に事実上の訂正がなされたことは了としますが、今後このようなことがないよう発表内容には十分に注意して頂きたいと思っております。

 

【続報】原子力規制庁によると、東電の当初のプール水温の発表については規制庁も疑問を感じ、東電に対して確認を求めたとのことです。その結果、「続報3」の通りの事実関係について報告があり、田中委員長にも原子力問題調査特別委員会に向かう直前に伝えられたとのことです。そうであるならば、田中委員長は「水温上昇については私たちも疑問に思って東電に確認したところ、当初の発表は測定地点が異なっており、同一地点での比較では0.2度の上昇とのことでした」などと答弁すればよかったところ、「先生がどこで入手された情報かわかりませんけれど、私どもが得たところですと……」と述べ、東電の発表に問題があったことも、それに対して規制庁自身も照会をしていたことも明らかにしませんでした。

【補足】東電公表の水温情報が不正確だったことが原子力規制委員会の「緊急時情報ホームページ」で初めて説明されたのは「16:40更新」の「第3報」でした。

http://kinkyu.nsr.go.jp/kinkyu/2016/11/3.html (【追加情報】欄)

2016/11/24 お知らせ   abetomoko