国会よりBlog

11月18日厚生労働委員会議事録

阿部委員 民進党の阿部知子です。

 久しぶりの厚生労働委員会、質問のお時間をいただけて大変幸せです。

 まず、年金ということが論議になりますときには、今回もそうですが、表面上、与野党が激しく言い争うような場面ばかりが国民に伝わっていくということは、私は大変にマイナスであろうと思っています。

 では、それを避けるために何をすればよいかということですが、やはり共有できる客観的なデータというもの、今回も、年金審議、この問題の、いわゆる年金カット法案と野党、私どもが呼ぶ法案はきょうで二回目になっておりますが、ここまでずっと伺ってまいりましても、データそのものがお互いに合致しない。同じ土俵の上で話せないということは、私は大変不幸なことであると思います。

 そうしたことに向けて、データをきちんと整理していく第三者的な、それは厚生労働省内のものではなくて、もう少し第三者的な機関が必要で、それがないと、実は私は塩崎先生のおっしゃることもある程度理があると思います、そして、野党から指摘させていただいていることも私たちなりに真剣に考えて、どう見ても計算が合わないと思っておるわけです。

 そこで入れ違っていたのでは、実りが全くないまま、果ては強行採決などの言葉が飛び交って、国民は、一体国会は何をしているんだと思うと思いますので、ぜひ、特に塩崎大臣にお願いしたいですが、年金におけるデータの精度とか客観性というものをどう担保していくのか、これからまだまだ、長い長い、日本は世界一の高齢社会ですし、少子社会ですからもっと深刻になると思います。そこを、どういうものを共有しながらやっていくかということをお考えいただけることを、私から冒頭、お願い申し上げます。

 そして、実は、私はこの前の加入期間の十年への短縮のときも質問をしたかったんですけれども、なかなか時間が回ってまいりませんでしたので、積み残し分として、恐縮ですが、既に参議院で成立をいたしました加入期間の十年への短縮による受給権の発生ということで、特に担当部局の厚生労働省にお願いをしたいことがございますので、冒頭はその件を伺わせていただきます。

 今回、加入期間が十年でも受給権が発生するということは、特に女性を含めて低年金の皆さん等々には朗報であると思いますが、いわゆる空期間、その期間、加入はしているけれども年金の受給には結びついていなかった空期間も含めて加入の期間として十年の中に算定されていくわけです。

 昔、よく女性たちは、企業等に勤めて途中で退社されるときに脱退一時金というのをもらわれて、寿退社をする場合もありましょう、あるいはかえる場合もありましょう、とにかく、一時金をもらって、その間の年金加入期間はもう捨てたものと思っておられたと思います。ところが、平成二十二年の年金記録の回復の中で、実は一九八五年からこの空期間もきちんと算入されることになっておるということが普及をいたしまして、年金の記録回復ということが行われました。

 担当の役所に伺いますが、平成二十二年の多分九月に、脱退一時金をもらわれた方に対して、あなたの加入期間は回復、年限として数えられるものですよという処理をどのようになさったでしょう。

伊原政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問がございました平成二十二年九月の段階でございますけれども、脱退手当金の支給の記録があるにもかかわらず脱退手当金の支給日前に脱退手当金の計算の基礎とされた厚生年金の被保険者期間がある方、十四・三万件に対しまして、二十二年九月に、実際に脱退手当金を受けたかどうか確認するお知らせを送付いたしました。

阿部委員 もう少し続けて言っていただきたいですが、十四・三万人に送られて、処理をされたのが何件でしょう。御当人が、あなたはそういう対象者ですよと聞いて、その後のアクションについて教えてください。

伊原政府参考人 お送りしました方は、その可能性がある方にお送りしたわけですけれども、実際、その中で四千五百七十八件の方に、平成二十五年四月末までの間に、脱退手当金は私は受けていないという形で申し立てをいただいております。それを総務省の第三者委員会あるいは年金事務所で審査し、脱退手当金をお支払いするか、あるいは年金記録として記録を回復する、そういう取り扱いを行っております。

阿部委員 より正確に言えば、その四千五百七十八人についても、実際に年金を受給されるに至ったか、あるいは、その浮いている空期間がその後どのように記録化されているかが全くないんだと思います。理由は、第三者機関が解散をしてしまったからです。

 こういう一つ一つをとりましても、結局、年金の信頼性というのは、お手紙は行った、私はもしかして一時金をもらったけれども、その後の処理はどうなっているの、あるいは、加入期間にきちんと算定されるのかということを御本人は知らないわけです。

 今回、十年に加入期間が短縮されて、新たに受給権がこの空期間も含めれば発生する方が必ずおいでだと思うんです。

 大臣、ちょっと入り組んだ話で恐縮ですが、いわゆる空期間ということで呼ばれていて、しかし、今回、十年への加入短縮によって受給権が発生する人のフォローをどうやっていくか。

 何でこういうことを伺いますかというと、さきに、十月二十八日に、長妻さんとの御質疑の中で、そのとき出ていたのは、この空期間に相当するのはサラリーマンの配偶者である、あるいは学生である、海外居住であるなどの属性は出ておりましたが、一時金をもらって脱退の手続をして、しかし加入の期間はあるという方については、全く芽出しをされておりません。年金記録回復の第三者機関は解散してしまっている。宙に浮いているわけです。これをどうフォローするか、大臣にお伺いをいたします。

 あるいは、きちんと、この方たち、もし十年になれば受給権が発生するということを厚生労働省としてやっていくための体制についての覚悟をお話しください。

伊原政府参考人 お答え申し上げます。

 先生から御質問のありました脱退手当金の申し立てをされた四千五百七十八件ですけれども、これは第三者委員会に申し立てていただいていますので、御本人お一人お一人には結果を通知いたしております。

 それから、先ほど、受給資格期間短縮に当たりまして、十年に満たない方、この方々にしっかりと空期間の御連絡が行くのか、特に、こういう脱退手当金を受けていて、ひょっとするとこの空期間に該当する方に対してちゃんと説明が行くのかということでございますが、十年に満たない方、いわゆる一月でも年金記録をお持ちの方には全員通知をいたそうと思っております。その際、追納とか後納の可能性があることに加えまして、空期間、それも脱退手当金を受け取られた方でも、もし以前に納付した期間があれば、それも空期間になり得るということもあわせて御紹介しよう、このように思っております。

阿部委員 私が大臣に確認したいのは、この十四・三万人、うち、何らかのレスポンスがあったのは四千五百七十八人しかございませんので、まだまだ潜在している受給権者があり得るということで、今局長の御答弁でありましたから、きちんとこちら側から働きかける。

 大体、年金というのは申請主義ですから、知らないままに終わって、自分の受給権が発生しているのに、ないと思っているものが多いので、必ず今の御答弁のとおりにやっていただきたいと思いますし、大臣にもよろしくお願い申し上げます。

 では、引き続いて質問に入らせていただきます。今回の法案についてです。

 まず、今回、皆さん、盛んにモデル世帯の所得代替率ということをお取り上げになって、経済の成長の指標がいろいろ、Eであるとか、いや、Gであるとか、それの妥当性などをお話しでありましたが、そもそも、ここで多く論議されているモデル世帯とは、今の年金の保険者の何%を占めるのか、あるいは年金受給者のどのくらいの割合であるのか。モデル世帯、モデルは、年金全体のプールの中で、保険者と受給者ありますが、どのくらいの割合を占めているのでしょう。これも担当で構いません。

鈴木政府参考人 お尋ねのモデル世帯でございますけれども、これは、夫または妻が厚生年金に加入をして、男子の平均的な賃金の水準で四十年間就業する、そして、その配偶者の方は四十年間にわたって専業主婦などの国民年金の第三号被保険者である、こういう夫婦の世帯でございます。

 この世帯につきまして、その全数を具体的に把握しているというわけではございませんけれども、各種の調査でその状況を見てみますと、まず、厚生労働省で実施をしております老齢年金受給者実態調査、これによりますと、六十五歳以上の夫婦世帯の中で、夫が現役時代に正社員中心であった世帯の割合、そして、そうした世帯の中で、その妻が現役時代に専業主婦等であった、そういう状況が中心であった世帯の割合、これは推移も含めて申し上げますと、十九年の調査では、夫が現役時代に正社員中心であった世帯は全体の七二・七%でございます。その中で、それを一〇〇といたしまして、妻が現役時代に専業主婦が中心であった、これがモデル世帯に該当するような世帯でございますけれども、そのうちの五九%でございます。二十四年調査では、同じく七六・四%、そのうち五四%でございます。

 そしてまた、今後モデル世帯となり得るような世帯、いわば今現役でいらっしゃる方々の状況でございますけれども、これは国民生活基礎調査を引いてみますと、夫が二号被保険者で妻が三号被保険者である世帯、これは、夫が二号である世帯全体の約六割ということになります。

 それから、単身世帯と夫婦のみの世帯の割合でございますけれども、老齢年金受給者実態調査ですと、これは子供と同居をしている世帯も含めた全世帯の中での割合になりますが、単身世帯が十九年調査で一二%、二十四年調査で一六%、そこで、もう一方の夫婦のみ世帯は、十九年調査で三六%、二十四年調査で三八%という状況でございます。

阿部委員 今、ややちょっと、申しわけないけれども、意図してじゃないでしょうが、わかりづらい御答弁だったと思うんですね。

 例えば、夫が正社員で、そのうち妻が三号であろう人は、約半数、五四%とか五六%ですから、七〇%、七割のまた半分しかこのモデル世帯ではない。多く見積もっても三五%くらいがモデル世帯なんです、最大限見積もっても。そういうのは、四十年間その状態が続いたかどうかわからないからであります。皆さんがモデル、モデル、モデルと言っているのは、せいぜいが三割の半ば、せいぜいがです。

 私が、きょう皆さんのお手元に、今局長が御答弁のものと違う資料を用いまして、いただいた資料で、例えば共働き世帯数の推移とかを見ていただきますと、男性の雇用者と無業の妻から成る世帯が平成二十七年は六百八十七万に対して、共働き世帯は千百十四万という形で、明らかにもうトレンドは、夫が四十年正社員、妻が三号というのは非常に少なくなっている。これはもう塩崎大臣も日々、身の回りの御実感であろうかと思いますし、下のグラフ、三号被保険者は女性全体の中の三割であります。だから、大体三割、モデルとして一生懸命、口角泡を飛ばしているのは三割とみなしてもよいほどのものなんだと思います。

 もちろん、論議ですからモデルは必要です、架空ではできませんので。ただ、塩崎大臣、私が指摘したい点、今、全部の年金の財政検証の中で、あるいは与野党を激しく対立させているモデル世帯の所得の代替率というものは、年金の受給者全体の中の三割、多く見ても三五%程度のものであるということを共通の認識にしていただけますでしょうか。

塩崎国務大臣 おっしゃるように、家族構成というのは随分変わってきていますから、絶えず私たちはその実態に即した制度設計に努めていかなければならないというふうに思いますので、問題意識は共有をさせていただくところでございます。

阿部委員 私がこの点を申しますのは、これまでの民進党の各議員の質問の中にも、単身者はどうか、あるいは、きょうこれから私が問題にしたい女性の低年金はどうかなどが今、社会的には大変大きな問題になっていて、モデル世帯の所得の代替率がどうかという問題では語り切れない、それをはるかにはみ出したところに実態が、多く困難を抱えているということが共有されないといい解決策も出てこないと思うので、大臣にも確認をしていただきました。

 あわせて、いわゆる所得代替率ということにおいて、特に一九八五年の吉原年金局長とのやりとりが多く取り上げられて、そのときに、消費実態調査、あるいは生活扶助額、プラス、年金の保険料を払う側とのバランスでどうかという論議がずっと行われておって、そこを大臣が、野党側、民進党側が、果たして本当に基本的な消費の生活を賄えるものであるかというところを、あえて明確にお答えではありませんが、私はずっと答弁をお伺いしていて、当初の、実は社会保障制度審議会年金特別委員会、年金の特別委員会が一九五七年にできて、ここで次に国民年金法というのができ上がっていくのですが、このときの国民年金の概念は、いみじくも、農村部における生活扶助額と同じ額にするというところから始まっております。

 そこを引き継いで吉原局長も生活扶助ということも言葉に出しながら消費実態調査を挙げられたわけですが、今も、皆さん御指摘のとおり、これは逆転が既に生じていて、私は、そのことをやはり厚生労働省の最高の責任者である塩崎大臣はお認めになった上で、しかし、なおかつ、今私たちの持っている年金制度に意味があるとすれば、国民にその意味をどう伝えるのかというふうに考えていただいた方が、本当にそれで生活できるのかと思う国民の不安と、しかし、この制度は不可欠のものであって、それがどんな役に立つのかということをある意味で分けてでも伝えなきゃいけない時代になってきているんだと思います。

 ちなみに、結論的なことを申しませば、私は、賃金スライドを今の段階ではかけるべきではないという意味で、大串さんの先ほどおっしゃった立場と同じものでありますが、そして後ほど私なら何をするということもお伝えをしたいと思いますが、大臣には二点確認。

 一つは、モデル世帯が極めて限定的なものであること。それから、年金の長い歴史の中で、特に二〇〇三年のマクロ経済スライドが始まったときから基礎年金部分が毀損していく、生活を賄えなくなっていくことはある意味で避けられない、ある意味でです、おおむねと言いましたね、大臣は。その認識も私は共有していただいて、だったらどうするという次の論議に進みたいですが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 冷静な議論ができるのを大変ありがたいと思います。

 平成十六年の改正につきましては、現役世代の保険料負担がこのままいくとどんどん上がってしまうという危機感を皆さんがやはり共有したんだろうと思います。それがゆえに、上限を固定して、その範囲内で給付水準を調整する仕組み、いわゆるマクロ経済スライド、これを導入するということにして、高齢期の生活の状況等を参考にしながら給付水準の下限を定めるということで、いわゆる代替率の下限というものも考えられたわけでございます。

 その具体的な水準については、我が国が二〇五〇年に一・二人で一人の高齢者を支えるという未曽有の少子高齢化社会を迎えると予想される中で、給付と負担のバランスを考えて、一八・三という保険料の上限、所得代替率五〇%という給付水準の側の下限、これをセットで法律で通したということだと思います。

 その上で、五年ごとに実施をしている財政検証で、所得代替率が単に五〇%を上回っているか否かを検証するだけではなくて、報酬比例部分と基礎年金部分に分けて代替率を算出する、そして、その分析を通じて、政策として対応が必要な課題を明らかにしてきているわけでございます。

 したがって、基礎年金部分を分けて代替率を出しているということで今盛んな議論が行われているわけでありますから、それをどう考えるかということについては、冷静に議論をさせていただきたいなというふうに思うところでございます。

 今般の年金改革法案に盛り込んでおります賃金の変化に合わせた年金額改定ルールの見直しは、まさに財政検証において明らかになった将来世代の基礎年金の水準低下といった問題に対応するためのものでありまして、議員の問題意識にも通じるものではないかというふうに思いますし、繰り返し、基礎年金の将来の姿が随分、特に経済前提の悪いケースのところで示されて、こんなに下がってどうするんだ、どうするんだというお話がたくさん出ました。

 しかし、今回のルールをもし当てはめないで、今までのような形でデフレがもし続いたらその水準すら下がっていくということを捨象してその議論は成り立たないんだろうなというふうに思いますので、ぜひ冷静な御議論がいただければありがたいと思っております。

〔委員長退席、三ッ林委員長代理着席〕

阿部委員 今の大臣の御指摘を私なりに翻訳いたしますと、実は、基礎年金部分にもマクロ経済スライドがかかるので、その年月がなるべく短く終わらないと基礎年金の毀損も著しくなる、マクロ経済スライドでより多くダメージを受けるのは基礎年金部分であるのでという問題意識で、そうであるならば、年金の賃金スライドをここで導入せざるを得ないかというお考えなんだろうと思います。

 と同時に、いろいろ動いている経済、このことが予測できない面も確かにありますから、経済の状況が悪ければ当然五〇%も割ってしまうということもあるし、そのことは、実は、私ども政治家であれば誰しも、国民の生活がよくなるように経済の上昇を願うわけですが、私ども野党から見ますと、一方で、甘い見通しというふうに見えるんだと思います。

 では、そうではない見通しで物が解決できるのかどうかということは、また後ほど触れさせていただきます。

 モデル世帯の話に少しまた戻らせていただきますが、大臣のお手元の二ページ目、ここには「高齢者の配偶関係の将来見通し」というのがございます。

 これは、御高齢者を男性と女性に分けまして、例えば、二〇一〇年であれば、男性のうち、年金受給者の八割は配偶者がおられますが、一割はお亡くなりである。女性の方は、実は半数近くが配偶者が亡くなっておられる。すなわち、女性の方はお一人でお暮らしのケースが多いということです。

 これが、二一〇〇年になってまいりますと、男性でも配偶者のある方は五六・六。これは先ほどの稲垣さんがやってくださったシミュレーションで、「女性と年金」というところでお出しでありましたものを借用いたしました。一方、女性の方は、配偶者のある方は三割、死別をされている方が三割、そして未婚と離別が三割。シングル、あるいは御結婚されても、離婚をされた、あるいは死別をしている。すなわち、女性の高齢の年金受給者のうち、多数は、六割以上は、七割近くはお一人で、死別されたか、離別されたか、全く結婚されなかったか。

 ここに、膨大な数の女性の年金受給者があり、そしてこういうプロフィールを持っているということを、まず私はこの場で確認をさせていただきたいです。

 というのも、多く、御高齢期、女性の方が長い寿命をいただいておりますし、年金問題は、その女性たちが幸せに暮らすことができなければ、例えば、皆さんのお母さんの世代、おばあちゃんの世代を考えていただければ、いろいろなことで、私たちを育ててくださいましたし、社会をも支えていただきました。そういう方がおひとり暮らしで大変に厳しい状況になるということに、社会は、あるいは国は何をすべきか。すなわち、年金にはジェンダーの視点が不可欠であるということであります。

 そこで、大臣に、次の資料を見ていただきますとわかりますように、これは、年金の将来見通しを男性と女性と分けて、二一〇〇年までとって、そして、第三・四分位、第一・四分位、第一は少ない方、第三は多い方と、男女、男女、分けて考えますと、やはり、一番厳しい、常に男性より厳しいラインに女性が入る。女性の中央値を見ても、平均的な現役男子の手取り収入に対する比率、今の所得代替率に近しいものをいうと、実は十数%に落ちているわけです、この図から見ていただけることは。

 私は、ぜひ、これからの年金のいろいろな試算の中で、属性を分けて、もちろん、男女を分ける、それから女性の属性も分けて、一体どのくらいの所得保障率があるかということを分析の手法として取り入れていただきたいが、いかがでしょうか。

塩崎国務大臣 今お話しいただきましたように、特に女性の高齢者、ここの構成を見て、お一人の方が多いというお話をいただいたわけであります。

 もちろん、死別の中には遺族年金をおもらいの方々もたくさんおられるんだろうというふうに思いますので、全員が基礎年金だけということでもないのかもわからないということですから、そういうことになりますと、今御指摘のように、やはり、まず実態がどうなっているのかということをしっかりと押さえるということ。その上で、さまざまな光を当てる角度から、この年金の問題についても、そして、所得階層や年齢とあわせてしっかりと見ていくということも大事かなというふうに思います。

 財政検証の話が先ほど来出ているように、あと二年少々でそうなりますので、これについては、それに向けて、どういうものが一番実態に合って、年金をもらう立場から見て意味あるデータとなるかということを考えていかなければいけないというふうに思います。

阿部委員 今、いみじくも大臣がお取り上げくださいましたように、次のページを見ていただきますと、女性の年金の将来見通し、これはいずれも先ほどの稲垣さんが発表されたものですが、パートナーと死別された方、あるいは有配偶者の夫の年金の二分の一がある方は、まだそうはいっても、年金額において、年で七十数万円から八十万円、もっとある方も、もちろん、第一・四分位ですから、これよりもっと上の方もいらっしゃいます。一番低いところでもこれだけだという意味です、第一・四分位は。ところが、未婚、離別、あるいは妻の年金だけの方というのは、四十万円から五十万円のところにずっと張りついております。

 こうなってしまう理由が、実は、二〇一〇年から二〇四〇年あたりまでかかるマクロ経済スライド、これがどんどん下げている。それゆえに、私は、大臣と共有する認識は、早くマクロ経済スライドが終わるようにしなければならないというのは一緒なんです。

 と同時に、しかし、今現在でも、これだけスライドが今の案でもかかってしまうわけです。ここまで下がってしまう。プラス、年金の賃金スライドがかかったら、もっと下がる。これが非常に、今回の法案が、女性に厳しい現状の年金の受給実態をさらに悪化させる、女性の貧困防止ではなくて貧困加速法案になってしまうということを私は大変懸念します。

 大臣には、先ほどおっしゃっていただいたように、配偶者があって、その遺族年金があるケース、あるいは生涯お一人で、あるいは離別をされてというような属性の差でこれだけの差が出てきている現状、このことも踏まえての分析をお願いしたいし、果たしてこれ以上下がってしまう危険性はないのかということについても、今回の大臣たちがお出しになっている賃金スライドではどうなるのか見せていただかないと、今でも厳しいのにさらに厳しくなったら、多数の女性が暮らせない、生きられないと私は思いますが、いかがですか。

塩崎国務大臣 先ほど申し上げたとおりでございまして、今お配りをいただいているような、いろいろな立場の女性がおられ、そして、この方々の将来、まだ高齢になられていない現役の方々にとってみれば、例えば同一労働同一賃金の問題に今取り組んでおりますけれども、非正規であるがゆえに賃金が低い、そしてまた、厚生年金の適用になっていないというようなことがある場合とない場合で随分変わってくるわけでございますので、やはり、今回の法律の中にも入っていますけれども、適用拡大の問題についてさらに進めていくということをやっていくことは、こういう問題を解決する一つの手だてにもなるわけでございます。

 したがって、働き方の改革と、年金の改革と、そして全体の経済の成長を図ることで賃金と物価が上がる、そのことによって、今回のような、賃金が下がった場合のルールの変更でありますから、そのようなものが当てはまらないようなケースがずっと続いていくという経済政策をやっていくことがまた大事になってくるんだろうというふうに思います。

 いずれにしても、さまざま考えた上で、実態に合った制度となるように、絶えざる改革を進めていかなければいけないというふうに思います。

阿部委員 もう時間が限られていますので、少し続けて私が話をさせていただきます。

 次の次のペーパーは、「高齢女性の貧困率の将来見通し」で、先ほどの繰り返しになりますが、未婚と離別の方は半数以上が貧困、そして、死別は遺族年金があるのでそこほどではない、有配偶者であれば貧困率は低い、一般的にこういうプロフィールが出た上で、そして、高齢の女性だけじゃなくて、女性自身の貧困問題が一方にあり、シングルマザー等々、あるいは若い女性の非正規雇用等々で今、貧困問題が深刻であるということで、そういう中で、今回、唯一と言っては失礼ですが、評価できる改正は、国民年金に、女性の、特に出産前と後の休暇、これについて手当てがなされるようになった、十二週。

 皆さんのお手元の終わりから二ページ目の一覧に、これは実は、私が初当選してからずっと問題にしておりますところの、国民年金や国保の女性たちはこんなに不利である、もらえるものは出産一時金しかなくて、有給の産休もとれなければ、傷病手当もなければ、育児休業もなければ、おまけに、出産するときの保険料免除もなかったんだ。その最後の一つだけ、最後のバツだけマルになりましたけれども、本当に今、今回の法案で、約二十万人の国民年金一号の女性が保険料をその十二週間だけ払わなくてよくなる。いいことですが、突端ですので、さらに深めていただきたい。

 そして、最後のペーパーは、大臣がおっしゃったように、非正規雇用の方に今拡大をしておりますが、これを千二百万人まで拡大すると将来の貧困率の発生は大きく下がってくるというグラフで、実は、厚生労働省の二〇一四年六月三日の社会保障審議会の中でも、三つのオプションがあって、今回のような賃金スライドにするのか、あるいは非正規の皆さんへの保険の拡大にするのか、あるいは四十五年の加入期間にするのか、三つを比べると、実は、千二百万人に加入拡大したときの方がマクロ経済スライドの下がり率が少ないというデータが出ております。

 私は、これは、今、政府が出して……

三ッ林委員長代理 申し合わせの時間が経過しておりますので、御協力お願いいたします。

阿部委員 はい。

 出しておられることに対しての対案ですので、これをきちんと審議していただきたく、時間を延長して申しわけございませんが、ぜひ次の委員会で取り上げさせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

2016/12/13 国会質疑   abetomoko