国会よりBlog

国会質疑

4月21日厚生労働委員会議事録

○丹羽委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

私は、今回の医務技監という新しいポストの新設をもう待ち望んでおりましたし、遅きに失するくらいかと思いますので、これを前向きに活用していくために基本的に大臣に幾つか確認を求めていきたいと思います。

こうしたポストが必要とされる理由は、医療も含めた大きな技術革新、イノベーション等々がこれからもまた期待される、そしてもう一方が、国際的な分野で我が国が医療あるいは医療保険というところでもっともっと期待されるものが大きいという、この二つの大きな背景があると理解をしております。

そして、きょう、私の御質問は主に国際医療保健分野についてお尋ねをいたします。

大臣のお手元に資料の一枚目がございますけれども、これは平成二十七年九月十一日、健康・医療戦略推進本部決定で平和と健康のための基本方針というものが閣僚会議の決定を得ております。先立つ平成二十五年にも国際保健外交戦略というのが閣僚会議で決定されておりまして、その流れの一環と思います。

そして、大臣、今回の厚生労働省における医務技監の設置というものは、この流れの一環、これを充実、補強、実現していくものとみなしてよろしいでしょうか、一問目です。

 

○塩崎国務大臣 基本的にはおっしゃるとおりで、私も、次官級ポストをつくるということはもう三年越しで考えてきたことでございます。

政府の今の健康・医療戦略本部における平和と健康のための基本方針、これは、人間の安全保障を基本理念として、健康安全保障の体制の構築とか、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジであったりの達成、そして日本の保健人材などの活用など、各種の国際保健分野の政策目標が掲げられているわけでありますけれども、昨年、我が国はG7の議長国として、公衆衛生危機あるいは薬剤耐性問題、それからUHCなどの分野で国際社会の議論をさっき申し上げたとおり主導して、かなりのリーダーシップを安倍総理みずからが発揮したというふうに私は思っております。

今後も、基本方針に掲げられたこの国際保健分野の取り組みをさらに推進する上で、今回御提起申し上げている医務技監、これには、医学的知見を有する事務方のトップとして、行政職として部局の枠を超えて国際保健分野を統理して、一元的な施策の推進に力を発揮することを期待しているところでございます。

 

○阿部委員 先ほどの冨岡委員の御質疑の中で、この新たな医務技監の厚生労働省内の地位というものは、次官がおられて、審議官、その審議官と並ぶ役割であるというふうに理解をいたしております。次官級という、級がついておりますので、並びではございますけれども、省庁内、いろいろな役割分担もございましょう。

私が本日ここで確認したいのは、実は、国際医療保健分野、あるいは技術革新でもよろしいのですが、例えば外務省においても同じような分野がございます、国際保健政策室。それからJICAも関係する部署でしょうか。それから技術革新については、ついせんだってここでも論議されましたAMED、これは医療系の研究機関として新たに設けられて、そこには国際的なものも技術革新も双方求められる。

そういう他の省庁あるいは他機関との調整、これはぜひ国内で迅速にリーダーシップを持ってやらないと、国外にある意味で打って出ることができない。ここには当然、大臣とこの新たなポストとのきちんとした意思一致、そして大臣のリーダーシップ、並びにこの新たなポスト、次官級でありますから、これがきちんと働ける、ワークできる状況をつくらなければならないと思いますが、その点について大臣の御所見を伺います。

 

○塩崎国務大臣 主に霞が関でこのグローバルヘルスにかかわるのは、やはり外務省と、それから財務省が世銀を持っていますので、主に私どもはここと、役所同士という意味ではしっかりとやっております。

外務省に関しましては、おととしから室長クラスで人事交流、エクスチェンジをさせていただいて、こちらから医系技官を外務省に送り込んで、このグローバルヘルスの問題について担当してもらっています。外務省からはこちらに来てもらって国際課の方にいていただいて、やはり緊密な連携をとっている。財務省とも緊密に連絡をとり合ってやっておりますし、当然、JICAは現場を担っていらっしゃるので、ここには具体的に医療の知識のある医系技官の人たちが絶えずコンタクトをとってやっている。AMEDはもちろんのこと、厚労省からも出向者もおりますし、そういう意味で、連携はしっかりやらなきゃいけないというふうに思っております。

その他、私どもの方で新宿の国際医療研究センターの方に、ここで今回、国際人材を育てる場所を新たに設けまして、そこともしっかりと連携して、人材が民間との間でとまり木的にそこにいていただいて国際機関とも行き来をする、そんなようなことも含めてお願いをしていこうと思っていますし、海外の国際機関にも、やはり絶えず厚労省から人が出て、特に医系技官が多いわけでありますが、しっかりと連携をしていこう、こんなふうに考えております。

 

○阿部委員 この発足時における大臣のリーダーシップ、全体を俯瞰するリーダーシップは極めて重要と思いますので、ぜひよろしくお取り組みをいただきたいと思います。

そしてまた、同じ資料、一枚目に戻らせていただきますが、人間の安全保障という観点から日本が世界の安全保障の中にきちんとしたプレゼンスを見せるということはとても大事と思いますから、これは非常に重要な文章と思っております。

基本方針のところの一番目が、この「人間の安全保障の考えに基づいた保健協力」なのですが、その次が「強靱な保健システムの構築と健康安全保障の確立」となっておりまして、強靱というと何か国土強靱化が思い浮かびますけれども、大臣が思われる強靱な保健システムとは一体何であろうか。これは、こう書くのは簡単なんですけれども、強靱という言葉に込められた意味は一体何でありましょうか。もちろん、財務省からお金をとってくることかもしれませんが、強靱な保健システム、私の思うところはありますが、大臣は何をイメージされていますでしょう。

 

○塩崎国務大臣 グローバルヘルスで一番大事なのはやはり命を守るということでありますから、この命を守るということに関して、システム自体が強靱でなければならない。

つまり、例えばエボラ出血熱のアウトブレークが起きたときに、かなりいろいろな混乱がありました。そういうことがないようにしようということで、国際感染症危機対応の、いわゆるグローバル・ヘルス・アーキテクチャーというのをつくり直したわけでありまして、日本がこれについてもかなり貢献をしたと思っています。

それはやはり、ひとりWHOだけでは対応できない、他の国際機関、つまり、UNOCHAを中心に国連が一定程度以上の危機のときにはリーダーシップを発揮することになって、WHOが、オペレーション自体はWHOですから、そういうような連携がかっちりとできる、そういう中で人々の命を守ることができる、これがやはり強靱な、ここにも「健康安全保障の確立」と書いてありますが、これにつながるような保健システムではないかと。

それは、実は国内の一つ一つの国のシステムが強固でないとうまくいかないということですから、ふだんからの、よくプリペアードネスといいますが、そういったものをふだんからやっていくという意味においてUHCを確立することも大事であって、それぞれいろいろ連携をしながら、そして、つながりがある中で、それぞれが強くなることが強靱な保健システムになるのではないかというふうに考えております。

 

○阿部委員 大臣のおっしゃった点も大変重要で、WHO、国連などと緊急時も含めて迅速に対応できるだけの能力を持つということは、難民問題等々も多いですし、確かに重要と思います。

と同時に、保健のシステムが日常的に強固であるということの意味を私なりに考えますと、やはりジェンダー、女性の問題に目を向けることだと思います。

いろいろな統計が出る中でも、必ず男性、女性を分けて統計を処理していくこととか、あるいは女性を取り囲む社会経済的要因が生涯にわたる女性の健康の不利益により大きく影響すること、そして子供の性虐待、女児に多い性虐待が女性の健康に大変ダメージを与えて、それはその後の地域あるいはその方の健康にも大きく影響することなど、これから本当に着眼すべきはやはりジェンダーという問題だと私はこれを理解します。

あけていただいて一ページ、大臣のお手元に紫色のにぎやかな表紙のものがございます。これは二〇〇九年に出されたWHOからのエグゼクティブサマリーで、女性と健康、「ウーマン・アンド・ヘルス」というタイトルであります。

これのサマリーというか結論的なところだけ抜き書きをして、恐縮ですが、英語のまま持ってきてしまいましたが、前段の部分、前段のパラグラフの最後には、アテンションから始まりますが、下の二行、その置かれている環境、サーカムスタンシズの違いに着目しながら、女性たちがどう生きていくかということも含めた分析をすることとなっております。

後段の最後のパラグラフですが、このように、アドレッシング・ウィメンズ・ヘルス、女性の健康に着目して、そして効果的な施策を打つことは、ストレングスニング、強める、ヘルス・システム、要するに保健機構を強めて、結果として誰にもベネフィットが起きるであろうというのが二〇〇九年のアジェンダで出ております。

私は、高齢化問題でも、女性の方がより多い高齢者です。それから、先ほど申しました児童虐待も、この次の児童福祉法で取り上げますが、女児に対する性虐待、あるいは戦場におけるレイプ、いろいろな問題が本当に生涯にわたり、その人あるいは社会に影響を与えるなど、ぜひ大臣にあっても、女性と健康、女性と子供と言うと男の子はいいのかと言われますから、そうではありませんで、社会の中でより弱い立場に置かれたこういう人たちと一緒にやっていけるシステムにするために、そういうところに着眼してデータ分析、対策を打つということも含めてのこれは分析と見てよいかどうか、確認です。お願いします。

 

○塩崎国務大臣 ここに先ほど御指摘をいただいたストレングスニング・ヘルス・システムズ・オーバーオールにつながるようなアプローチのことが書いてありますが、最近、ヘルス・システム・ストレングスニングというのがグローバルヘルスで一つの大きなテーマということになっておりまして、これは言いかえるとユニバーサル・ヘルス・カバレッジを指していると我々は理解をしております。

これは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジという用語が余りお好きじゃない国もあるものですから、それは言いかえるとヘルス・システム・ストレングスニングだということになっているわけで、そういう中で、女性の健康についての重要性というものの位置づけを今お尋ねいただいた。

このWHOの「ウーマン・アンド・ヘルス」では、幼少期から全ての女性の健康、男女格差などのない保健システムの重要性等が強調されているわけでありますが、御指摘の平和と健康のための基本方針においても、今申し上げたユニバーサル・ヘルス・カバレッジの一環として、特に女性を対象とする保健分野支援は引き続き重視するということが書かれています。具体的な施策としても、栄養改善だったり母子保健、性と生殖の健康など、女性に関係の深い分野の取り組みを盛り込んでいるところであります。

先ほども申し上げたとおり、去年の伊勢志摩サミットの中でも、生涯を通じた保健サービスの確保、これはユニバーサル・ヘルス・カバレッジでありますけれども、そこに、母子保健、リプロダクティブヘルスということが明記をされていまして、そういうようなこと。それから、九月の神戸保健大臣会合でも、女性の生涯を通じた健康の推進の重要性を踏まえたユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進などを取り上げてまいりました。

そういう意味で、この「ウーマン・アンド・ヘルス」は、当然、保健システムそのものの強化の中で、女性に着目した強化も含んでやっていくべきだということではないかというふうに思います。

 

○阿部委員 済みません、定足数が足りていないということで、御調整をお願いいたします。速記をとめてください。

 

○丹羽委員長 では、速記をとめてください。

 

    〔速記中止〕

 

○丹羽委員長 速記を起こしてください。

阿部知子君。

 

○阿部委員 この間の委員会の運びは異様だと思います。私は、そもそも前回の介護保険法の採決もそうですし、そうやって急がせておいて、こうやって空席ができて、こんな大事な法案、確かに対立法案ではないかもしれないが、日本の将来に大変重要と思います。

委員長にあっては、ちゃんと理事会でこういう不始末の数々をお話し合っていただきまして、私ども本当に真剣に論議をしたいと思っておりますので、二度とこういうことの起こらないよう、たび重なる不祥事だと思いますので、お願いをしておきます。

引き続いて、質問に戻らせていただきます。

私は、今、塩崎厚生労働大臣が言及してくださった母子保健の分野で、特に、自分が大学におりましたころから取り上げております母子手帳のことを少しお伺いしたいと思います。

大臣、お子さんがおられるので、お子さんの母子手帳をごらんになったことがあるかと思いますが、母子手帳とは、昭和二十三年、一九四八年に日本で始まったオリジナルな仕組みで、他のどんな母子の保健にかかわるデータよりも充実し、先見性があったと私は思います。

恐縮ですが、大臣、お子さんの母子手帳をごらんになったことがあるか、そして何がすぐれているとお思いでしょうか。お願いします。

 

○塩崎国務大臣 もちろん私も、母子手帳、子供が私は二人おりますが、妻が一生懸命いろいろなことを書いたり、健診に行くたびに新たなデータが入ってくるわけでありますから、それを見ております。

何がよいかといえば、やはり、子育てに関連するワクチン接種から何から、もちろん身体的な発達ぐあいとか、いろいろなことが書かれていて、振り返ってみれば、本当に、ここでこういうことをした、こういうことが起きたということがよくわかる、子育てには不可欠なデータが幅広くカバーされている。そして、あと、どうしたらいいかという、若いお母さんに示唆に富んだやるべきことが書いてあって、最低限ここはやらなきゃいけないということを悟りながら子育てをされる際の、母親だけではなくお父さんも見た方がいいと思いますが、そういうものではないかというふうに思います。

 

○阿部委員 母子手帳のすぐれたる点は、子供側の情報だけでなく、お母さんの妊娠中の情報から、すなわち女性の健康管理の情報から一連になって子供にまでつながっていくものであります。ここが、本当にいろいろな国で利用されるようになった原動力であると思います。

大臣のお手元に、世界の地図がございまして、一体何カ国で母子手帳が利用されているかをお示ししてあります。三十九カ国になりました。そして上の写真は日本の古い母子手帳、最初は親子の鳥、それからミッフィーの絵、左側には、これは全部入り切らなかったのですが、各国の母子手帳をお示ししてございます。私が大学におりますころは、まずインドネシアからこの母子手帳の普及を、私の同僚の中村安秀、後に大阪大学の国際保健の教授になられますが、彼がやり始めまして、現在、今も続けて三十九カ国になっております。例えば、大臣、お気づきでしょうか。パレスチナでも、ここで母子手帳というものが普及をいたしました。大変子供を大事にする国なので、この仕組みが文化的にも非常に受け入れられやすかったと思います。

そして、今は、実は、パレスチナ空爆とかいろいろな出来事がありまして、これを電子化して保存しておけば、もしも紛失したり親子がばらばらになっても、子供の情報がそこに残るというメリットもわかり、今電子化を進めている。あるいは、三陸沖の津波のときに遠野でも同じように母子手帳がなくなったんですけれども、それを電子化してあったので、バックアップデータで利用できるというふうに、本当に日常的であり、なおかつお母さんと子供について大きな役割を持ったものでございます。

実はこの取り組みは、主にはJICAの皆さんがやっていただき、NGOも加わって普及に努めてまいりましたが、今般、医務技監ということができるに当たって、大臣には二点お願いがございます。

なおなおこういう草の根の活動やNGOの活動と連携をして国際医療保健に取り組むリーダーシップに、やはり厚生労働省は頑張っていただきたいというのが一点。そして、こうした分野でたくさんの若い人材が海外で働き、国内に戻ってきてまた医療者を続けたりしておりますが、この外と中を経験した医療者の活用ということを、これは文部科学省ともいろいろ調整しながら、医療国際人材にも当たるものですので、きちんと育てていく取り組みが不可欠であります。そうすれば、日本に来ている海外の方の診療や言語の問題にも役立ちます。

日本が国際化していくために、私は、とってもいいグッドスタートになることと思っておりますので、大臣への二点、この取り組みについて厚労省も協力をさらに深めること、そして、人材、国内でも国外でも活躍していけるような取り組みをやっていただくこと、この二点、お願いいたします。

 

○塩崎国務大臣 去年、TICAD6がありましたが、厚生労働大臣がこのTICADに参加するというのは初めてでありました。私、ケニアに行きました。それは、さっき申し上げたとおり、保健問題が初めて三つのアジェンダの一つになったということでありまして、そういうときには、ああいうTICADのような会議は、私も外務副大臣で、アフリカで、エチオピアでやったことがありますけれども、必ずNGOと一緒にやるというのが常識でございます。

そういう意味で、医務技監ができたときに、こういった母子手帳を含めて、世界にこういう貢献をしていく、日本のよさを知ってもらって採用してもらっていくという際の医務技監の役割というのは大変大事で、今もお話のあった、NGOなどシビルソサエティーとの連携、それから、今人材のお話を頂戴いたしましたが、さっき申し上げた国際保健人材につきましては、国立国際医療研究センターに設置予定のグローバルヘルス人材戦略センター、これを人材育成の司令塔として設置をする予定で、さっき申し上げたとおり、海外の国際機関と日本の医療の現場やあるいは行政、厚労省ですが、そういうようなところを含めて行ったり来たりしてもらうために中間でとまり木のようにいていただく、そこで研究してもらったり国際貢献してもらうというようなことで、人材を幅広く育成していきたいと思っています。

また、もちろん、JICAが、この母子手帳なんかは、今申し上げた国際医療研究センターの専門家として、JICAを通じて海外に派遣を今しています。セネガルを初めいろいろなところに行っておりますが、こういうようなことも、担い手として全体をオーガナイズするために、この医務技監が大きな役割を果たしてもらえればなというふうに思っております。

 

○阿部委員 私も、肝は人材育成で、そうした経験をした人を大切にして、そして国内でも国際的にも活躍してもらえるように、よろしくお願いします。

大臣の今御答弁にありましたケニアでも、実は母子手帳は普及しております。それから今、大きな課題は中国であります。ここでも母子手帳を検討しておられます。やはり、一人っ子政策から二人、そして本当に人口の多い国、子供たちをどう育てていくか、お母さんの教育、健康管理、子供たちの未来、全てかかわってまいりますので、ぜひこの点も大臣に覚えておいていただけたらと思います。

最後の質問になろうかと思います。

今回、この医務技監の設置は大変よろしいことと思うのですが、それに伴って省庁組織図が多少なりとも変更されておりまして、組織再編後の子ども家庭局の業務というものをつけさせていただきました。

現行、そして再編後という二つのチャート図がございますが、私がこの図を見たときに思いましたことは、これまでの家庭福祉課が社会的養育・虐待防止対策推進課、あるいは保育課と分かれて、ここに家庭福祉という概念を総括、統括する課が消えているように思います。

私は、大学時代、教授が、小林登さんといいますが、家庭はミクロコスモスだ、子供が育つ小宇宙だとよく教えられました。家庭の機能というのはあると思います。そして、大臣と非常に前向きにやっていただきました特別養子縁組も、そういう家庭としての機能を持って、血のつながりがなくても育ててくれる、慈しむ心を育てていこうということであります。

さて、大臣、この家庭福祉課が、消えたとは申しません、ばらけたんだと思いますが、家庭、家族政策というのは何だとお思いでしょうか。大臣の考える家庭、家族政策とは何か、お願いします。

 

○塩崎国務大臣 いわゆる人口問題としての家族政策とか人口政策とかそういうものの場合には、リプロダクティブヘルスやあるいは避妊とか、いろいろなことがあるんだろうと思うんですが、我々は、去年、児童福祉法の改正をやりました。その際の一番最初に、新たに子供の健全なる養育を受ける権利というものを、初めて権利というものを入れ込みました。

今回、雇用均等・児童家庭局ということで、児童という言葉はありますが、やはり、我々は、今、子供という言葉の方がふさわしいというので、やはり子ども家庭。

子供はやはり家庭で育つものだということで、去年のこの改正の際にも、子供が家庭において心身ともに健やかに養育されるように国や自治体が保護者を支援するというような、家庭養育の原則というのを明記したわけであります。

これは、言ってみれば、家庭で子供は育つのであって施設ではないねということを明確にしたつもりでございますし、また、より専門的な、難しい、専門的に扱わなきゃいけないようなケースの際に施設は意味があるのかなというふうに思っておりまして、一番の基本は、やはり家庭で子供は育つということで、今回、子ども家庭局というので単独の局を設けたということで、この家庭という言葉はまず局に入れ込んだというつもりでございます。

各課が連携しながら、当然、子育て支援、保育、それから子供の健全な養育、児童虐待防止、母子保健、こういった幅広い政策を通じて、家庭への支援というのをより一層推進しようということで、今お話しの、家庭福祉という言葉がなくなったということでありますが、まだ、課の名前はこれから法律が成立した後に検討しようというふうに考えております。

何しろ子供は家庭で育つものだということが基本の今回の組織改編で、私自身これは強く主張してきたところでありますので、今の御指摘は全く私と同じ考えではないかなというふうに思います。どういうふうに名前をつけたらいいのかということについては、また阿部先生の御意見も頂戴できればというふうに思います。

 

○阿部委員 済みません、今大きな問題は、家庭が家庭として機能し得ないような社会になっているということで、もちろん、先ほど申しました血縁だけではなくて、単位で生きるということを支援できるようなトータル支援、そして、願わくば、民進党が昔から申しております子ども家庭省のような大きなものに育てていただけたら、今いろいろな問題を抱えた社会が子供たちにとってより住みやすくなると思います。よろしくお願いしたいと思います。

終わらせていただきます。

 

○丹羽委員長 次に、岡本充功君。

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2017/05/25 国会質疑   abetomoko

4月12日厚生労働委員会議事録

○丹羽委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

先ほどの委員会の突然の一時間余りの中断、大変困惑をいたしました。せっかく、この委員会は、塩崎大臣も御自身の言葉で誠実に御答弁されていると思います。出てきていないのは、どちらかというと、厚生労働省側からのデータ等々で、それは、今の中島委員の御質疑にもありましたように、極めて不十分と思います。やはり介護保険は、二〇〇〇年に始まって、大きな転換期にありますので、よもよも採決を急ぐとかそういうことではなく、忌憚なく、本当に、生活されている皆さんによりよい介護、あるいは地域包括ケアシステムということを求めての論議を続けていただきたいことを冒頭、お願い申し上げます。

そして、データの問題というか、実態把握が大変おぼつかないという点で、私は二割負担問題でまず御質疑をしたいと思います。

大臣の手元にも、平成二十六年改正における一定所得以上の利用者負担の見直しというものを置かせていただきましたが、これが平成二十七年八月から施行されておるところのものであります。

このときの一定所得の方の自己負担二割というのは、合計所得金額百六十万、単身の場合、年金にすると二百八十万という方、その方が御家族、特に一号被保険者の奥様がおありであれば、この場合、お二人ということで三百四十六万円まで、それ未満は一割負担でよいでしょうという枠組みであります。

せんだって、私が、この二人以上世帯というものの中には、親御さんと、例えば障害のあるお子さん、あるいは収入のないニートなどのお子さんなどがお暮らしのケースはどうなるのですかと厚生労働省に伺いました。というのも、そうした親御さんと未婚の子供という類型が高齢者世帯の約二割に及んでいるという現状があるからです。

確認のために伺いますが、ここで言う二人世帯とは、障害があるお子さんと二人とか、収入のないお子さんと二人とか、そういう場合は勘案されないのでしょうか。これは役所の方で構いません。

 

○蒲原政府参考人 御指摘のとおり、今の二人以上世帯の三百四十六というところは、一号被保険者がいる場合ということでございまして、おっしゃっているように、ニートのお子さんとかそういう方の場合は、そこのところは勘案していない、こういうことでございます。

 

○阿部委員 私は、そのことを、やはり生活実態を見ていないというふうに思います。

そして、本来であれば厚生労働省の方で、例えば、この二割の世帯、特に収入のないお子さんとお暮らしの高齢者世帯がどのくらいあるのか、あるいは障害を抱えたお子さんをお育て、お子さんといったってもう四十、五十の方もおありと思います、そういうのがどのくらいあるのかを見た上で、それはこの二人世帯に入れ込むべきではないか等々の検討をするのが、介護保険の制度的持続性以上に生活の持続性の方が大事なので、私は、それであってこそ厚生労働行政だと思っております。

私の方で入手した資料をもとに、障害のある方々の収入と親御さんとの同居状況というものをお示ししたのが、資料の二ページ目と三ページ目であります。

大臣にも見ていただきたいですが、この調査をいたしましたのは、共同作業所全国連絡会という一九七七年から共同作業所の方々を中心につくられた連絡会で、現在は、グループホームや入所施設、あるいは相談支援センターなども含めて、千八百五十カ所のネットワークを持った団体であります。この団体でアンケート調査をいたしまして、表の十にございます、一万二千五百三十一人の有効回答を得ました。この方々は、ちなみに、生活保護は受給しておられない障害のある方々であります。

大臣、ごらんになっていただきますと、約四・二万円というところが一番多うございまして、四八・八%。障害のある方の収入の一番多いのはこのあたりであるというデータでございます。

下には分布図がございます。これは、一般の国民の収入、民間の事業所、会社などに勤めている方の給与と比較いたしましても、百万円以下というところの棒グラフが六一・一%、通常の国民一般では八・八%。大臣も重々御承知であろうと思いますが、障害のおありの方は年収が低くていらっしゃいます。

これは、例えば先ほどの、一号被保険者がもう一人一緒に暮らしていて年収要件で三百四十六万というふうにしている方よりも、実際にはこの方々の方が低いわけです。国民年金の一号というか、奥様であった場合に五・五万円でありますから、それよりも低い生活費で、収入の方とお暮らしの二人世帯が全く勘案されていないという状況にあります。

大臣、まずここで一言お願いしたいですが、どうしてこのような状態が把握もされず、そして、二人世帯といった場合に、六十五歳以上の御夫婦の二人世帯しか念頭にないのか、まず大臣に御答弁をお願いします。

 

○塩崎国務大臣 これは、制度のスタートのときに、六十五歳以上の一号被保険者の同居ということだけを前提にしたということについての問題提起であるわけでありますが、そのことは、制度がスタートするときに決め込んでいった幾つかの前提に含まれていたのが、この一号被保険者を勘案するということだったんだろうというふうに思うわけでございまして、一つの決めで、こういうことでスタートして今日に至っているということであります。

当然、今言ったようなケースがあり得るという御指摘もいただいておるわけでありますので、今後、先ほど来申し上げているように、今回の法改正が実際に施行に当たるまでにさまざま調査をしてみようということを申し上げているわけでありまして、今の問題点についても、確かに、障害を持っていらっしゃる子供さんを抱えている等々、あとはニートの方が子供さんでおられるケースを取り上げられたわけでありますけれども、そういうようなケースが一体どのくらいあるのかということについてもよく考えて、何のどういう工夫があり得るのかということは考えてまいりたいというふうに思います。

 

○阿部委員 引き続いて、大臣には三ページ目をあけていただきたいですが、ここには、障害のある方々の収入と、どなたと暮らしているかということが、この場合、年齢と同居者ですけれども、縦横のグラフがございます。そうすると、見ていただくとわかりますように、当然、十八歳から十九歳は九〇・三%が親御さんと同居でありますが、御本人が五十代、六十になれば、親御さんが御高齢ですし、同居率は減ってまいりますけれども、その下のグラフにございますように、百万円以下の収入の場合は、親御さんとの同居が、五九・三%、四千五百五人と非常に多いわけです。

大半は収入が低く、御高齢になっても親御さんと同居である。

私は、今回の二人世帯に見られる、本当に想像力の欠如、一体どんな人たちが二人世帯で生きているのかということを介護保険発足当時から全く考慮せず、そして二割だ、三割だと言っていたら、生活が壊れると思います。

先ほどの大臣の御答弁を受けて、老健局でしょうか、こういう実態を必ず数値で上げていただきたいが、いかがですか。これはたまたま私が入手したものです。でも、本来は、厚生労働省が上げて、そして配慮すべきものであります。いかがでしょう。

 

○蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

おっしゃるように、御高齢の方が二人いる場合と同じように世帯の中に障害のお子さんがおられる、まあ、お子さん自体の年齢はあると思いますけれども、おられるということでございますので、先ほど大臣から話がございましたけれども、どのような実態になっているかということについて、ちょっと全国的なデータ分析で今すぐ使えるのがあるかどうかわかりませんけれども、どのような工夫ができるかといったことについてはよく考えてみたいというふうに思っております。

 

○阿部委員 申し上げておきますが、このような状態は、単にお子さんが障害だけではありません。先ほど申し上げたように、ニート、あるいは、たまたまですが、離婚をされて戻ってきて親御さんと暮らしているというような御家族もたくさんございますから、ぜひ現実に合った制度にしていただきたい。

私は、この方々は、もし御高齢者の方に、ある一定の二割負担に相当する収入があっても、子供さんのことを考えたら、同居の方を考えたら暮らせない、ここで二割負担になったら。その深刻な状況、その家庭が崩壊するんですから、ぜひ、今回この審議の中で出していただきたいですけれども、本来こういうことは。二割負担にするする、三割にするすると言っているんですから、実態を見てからしかそういうことはやってはいけないということを重ねて申し上げます。

続いて、精神障害の方の問題もお尋ねをいたします。

せんだって大臣にお尋ねをいたしました地域共生型サービスについても、大臣もこれから力を入れてやるというお話をいただきましたが、さて、その中で一番立ちおくれているのはどんな分野だろうかというと、私は精神障害の方の地域生活移行だと思います。

現在でも、約三十万人近く、二十九万人が御入院で、そのうち一年以上が十九万人ということですから、この方々も地域の中に戻って生活ができるということが、ずっと流れてきた厚生労働行政の中心施策であるべきであります。

ところが、例えばですが、お手元の資料、平成二十七年十二月十四日、「障害者総合支援法施行三年後の見直しについて」というペーパーを、四枚目の資料ですね、上げさせていただいて、「障害者のニーズに対するよりきめ細かな対応」の三番目に「精神障害者の地域生活の支援」ということがわざわざ取り上げられております。二十七年の十二月ですから、一年半ほど前になりましょうか。

さて、このように書かれたことは、現実にこの間どのように進捗してきたか、お願いします。

 

○堀江政府参考人 お答え申し上げます。

今御指摘いただきました、二十五年に施行されました支援法の見直し規定に基づきまして、二十七年十二月に取りまとめられました障害者部会の報告書で、精神障害者の地域移行や地域定着の支援に向け、保健、医療、福祉の連携を推進するための協議の場の設置、ピアサポートを担う人材の育成などの取り組みを実施することとされました。

こうした中、厚生労働省としては、平成二十七年度より、長期入院されている精神障害者の地域移行を推進するモデル事業を実施いたしまして、保健、医療、福祉の関係機関の連携のもと、退院した方が入院者の方に対してピアサポートするなどの手法を用いて精神障害者の地域移行を支援するとともに、平成二十九年度からの新規事業といたしまして、精神障害者の生活支援に向けまして、実際に地域連携の調整役を務めておられる方がアドバイザーとなって都道府県や政令市に助言指導を行うことで、地域におけるケアの好事例の全国展開を図ることの取り組みを進めてございます。

 

○阿部委員 言葉はるる走るんですけれども、実態を申し上げると、モデル事業は、当初の年が三カ所、その次が、合わせて、三カ所プラス五カ所で八カ所で行われて、サポートを担う人材の育成や市町村に関係者の協議の場を設置することを促進する。たった八カ所ですよね。

では、一体、長期入院の方は、このモデル事業で何人退院され、地域に移行できましたか。教えてください、実績を。

 

○堀江政府参考人 先駆的に実施されておりましたこのモデルの前のところのデータを今お持ちしているんですけれども、このモデル事業のモデルにしたところでございますけれども、例えば兵庫県の但馬地域では、二十七年度に、事業としまして十三名の方が地域移行の利用をいたしまして、そのうちの四名の方が退院したというふうに聞いてございます。

 

○阿部委員 モデル事業のモデルにしたものの報告をするんじゃなくて、普通、こういうときは、モデル事業をやったんですから、その報告をしないと次に進めません。

モデル事業のモデルの報告はわかりました。四名くらい可能になったと。

大臣、先ほど私、申し上げましたけれども、現在、精神病院に入院の方は二十九万人なんですよ。四名移行できてよかったですよ。でも、圧倒的にこれは力を入れないと、本当に考える共生型サービスの中に、精神障害は置いてきぼりになってしまうのです。

去年の暮れに第五期障害福祉計画というものが立てられました。これは、二十九万人の御入院の方について、十九万人は一年以上、そのうちの十一万人は重度かつ慢性だから、これは手をつけないで、残る部分を、一年以上の長期入院を少しでも地域移行しましょうという計画です。

でも、私はこの計画も本当におくれていると思います。精神障害の方の長期入院をどうするんだということはもうずっと言われてきました。正直言って、私が学生のころからですから、四十年以上前からだと思います。それで、モデル事業に取り組めば、本当に、もう本当にちっちゃなモデル事業で、その検証すら何年とされていない。そして、上がってくる計画が、十一万人は重度かつ慢性だからもう地域に帰ってこなくていいというようなことでは、志も低過ぎるし、本来の精神障害の方々の地域ケアとは、私は異なると思います。

大臣にあっては、今回、次の資料に示しました、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築とございますけれども、これは絵ばっかりなんです、絵ばっかり。チャートばっかり。ポンチばっかり。何も進んでいない。その中で、大変懸念されますのは、今参議院で審議中の精神福祉法の改正で、措置入院部分だけが、この一番下の黄色い、都道府県ごとの保健、医療、福祉関係者による協議の場云々ができて、そこにまた警察も加わってと。私は、ボトムアップで自治体から精神障害者の安心して暮らせる場をつくっていかないと、精神障害施策は過つと思います。

大臣に、地域包括ケアに精神障害を含むとはどのような考え方でやるのか。やはり、自治体の関係者の協力、連絡、そして、例えば保健所にはソーシャルワーカーの、特に精神の専門家を置くなどがあって初めて患者さんたちは安心して地域で暮らせるんです。間違っても順番が逆ではいけないと思いますが、いかがでしょう。

 

○塩崎国務大臣 今回、精神保健福祉法の改正をするに当たりまして、実際に幾つか現地を見てまいりました。行政の、兵庫県とか、そういうのも見ましたが、都内の下町で診療所を拠点にして、そこに通えるデイサービスも一緒にございましたが、要は、退院をして、措置入院からの退院ももちろん含めてですが、そういった方を地域でもって医療、福祉、そしてそれ以外も、就労というのも大事で、退院はしたけれども若いのに働けないというのではいけないので、そういう意味で働く場も兼ねた、あるいはトレーニングも兼ねた、そういうところも見てまいりました。そこは先進的にやっているということを私の友人の精神科の医師が教えてくれて参ったわけでございますが、そういうネットワークがないとうまくいかないんだろうというふうに思います。

これからはそういうネットワークをやはり随所につくっていかないと、病院に入院したままであったり、あるいは、実は、措置入院から退院をしても、東京都の場合には八王子地域に多い措置入院でありますが、どこに誰が戻ってくるのか、おうちに帰ってきたかということは行政の方も一切わからないので、そういうネットワークが仮にあっても、そこにうまくひっかからないということではよくないなということも含めて、今回、さまざま考えた上での改正をさせていただきました。

今、この地域包括ケアシステムは精神障害にも対応するというのは、私は、それは理念としてはこれを追求しなければいけないということでありまして、そのためには、今言ったような、今までにない、やはりしっかりと、地域が大事だと思う精神科のお医者さんを中心に、PSWや、あるいは他のソーシャルワークができる方々、そして行政も一体となってやってもらわないといけないなというふうに思いました。

今の数、八つしかないじゃないか、実に寂しい話だなと私も思いますが、ぜひこういうのをふやしていき、なおかつ、正直言って、卒前、卒後の医師の教育においても地域が大事だということを精神科で学んでいるかというと、必ずしもそうではないというふうにも私は聞いておりますので、これは文科省にも伝えてありますけれども、これからのカリキュラムの中で地域を大事にする精神科の医療の教育もしっかりやってもらって、その他の職種とも連携をしながらやっていただくようにしてもらわないといけないなと。

そういう意味で、この美しい絵が絵に描いた餅にならないようにせないかぬ、これが本当に実行に移されるような、そういうケアシステムを構築しないといけないというふうに思います。

 

○阿部委員 私が申し上げたいのは、ふだんの、日ごろの精神医療と、それを受ける方々の日常における、地域におけるしっかりしたサポートがあって、先ほどの措置入院の問題などもその一部としてあればうまくいくと思います。ところが、措置入院のところだけあぶり出される形になると、やはり偏見もあるし、その方たちが暮らしづらくなるということもありますので、ここのかじ取りを大臣にはぜひよろしくお願いしたいと思いますし、また法案審議の折にこの問題も触れさせていただきます。

私のきょうの質問の最後は、スモンについてお伺いをいたします。

実は、スモンは、ちょうど昭和三十年代から四十年代にかけて集中的に発生した、整腸剤、おなかが下痢などのときに飲むキノホルムというお薬を飲んだら中枢神経障害、視力障害、もろもろの症状が出てきて、これが薬害であると判明をいたしまして、そしてその後、恒久対策というものが始まりました。

お手元の次の資料、終わりから三ページをあけていただきますと、スモン訴訟及び恒久対策の概要というものがございます。

実は、大臣にあっては、予算委員会の分科会で、民進党の横路さんが御質疑のときに大変細やかな御答弁をいただいておりますので、私は、きょう、大ぐくりなことを伺いたいと思います。

スモンの問題で、恒久対策には、医療的ケアとそのほかの日常生活支援というところ、一番下の段の丸でいうと、厚生科学研究費、特定疾患対策研究事業で行われている医療支援と、それから難病患者等居宅支援事業で行われている日常生活の支援がございます。

六十五歳になっても医療の補助の方は当然続いておりまして、医療系の介護保険、例えば訪問リハビリとか病院の通所リハなどを利用するときは、スモンの患者さんには自己負担がありません。ところが、生活系のものを利用されると、一割負担が生じてきます。私は、これは恒久という言葉にたがうと思います。

私の理解に間違いがなければ、水俣病などの患者さんでは、介護保険を御利用のときの御本人一割負担も、いわば補填をされておると思います。公害であればよくて、薬害であれば御自分でというのはおかしいんじゃないかなと思いますが、大臣、いかがでしょう。

 

○塩崎国務大臣 医療とそれから介護の場合のスモンの患者さんの扱いが違う、自己負担に差があるじゃないか、こういう御指摘をいただきました。

スモン患者の皆様方には、特定疾患治療研究事業の対象ということで、医療費の自己負担分を公費で負担するということをやっております。介護保険法の規定による訪問看護、訪問リハビリテーション等についても、その要した費用のうち、保険者が負担すべき額を控除した額について公費で負担をする、こういうことをやっておりまして、基本的には、ですから、医療系につきましては、研究事業の対象として医療費の自己負担に対する助成を行っているということであります。

それに対して介護保険の方ですが、昨年、障害者総合支援法を改正いたしまして創設をいたしました介護保険の利用者負担の軽減措置、これは、介護保険制度への移行に伴って新たに利用者負担が生じることによって生活や家計の見直しが大きく求められるという課題に対応するものでございます、障害者の場合ですね。そのため、その影響が大きいと考えられる、六十五歳に至るまで相当の長期間にわたって障害福祉サービスを利用してこられた方々に限って対象とするという扱いを導入したわけでございます。

スモン患者の皆様方に対しては、スモン患者であるということだけを理由として介護保険サービスの利用者負担をなくすということになりますと、他の利用者の方とのバランス、公平性の観点から難しいと考えておりまして、キノホルムの服用によって健康被害を受けて、長期にわたって苦しい闘病生活を送られているスモン患者の皆様方の高齢化が進む中で、検診の実施など、引き続き丁寧な支援に努めてまいりたいと思っております。

先ほど、水俣病の方々は免除されているとおっしゃったというふうにお聞きをいたしましたが、それは必ずしも正しくないのではないかというふうに、事実として申し上げておきたいというふうに思います。

 

○阿部委員 では、恐縮ですが、私の時間がもうないので、水俣病がどうなっているかについて教えていただきたいのと、それから、大臣には、私は、六十五歳までは日常生活支援が難病患者等居宅生活支援事業として保障されているんですね、もちろん無料で。六十五になったら払わなくちゃいけなくなっちゃうんですね。やはりおかしいと思うんです、恒久法だから。私は、水俣については確かに、朝からずっと問い合わせているんですけれどもお返事をいただけていないので、わかりません。でも、私が考える恒久とは、ずっとということです。六十五になったらそれが有料になるなんということはおかしいと思いますが、いかがでしょうか。

 

○堀江政府参考人 お答え申し上げます。

水俣病につきましては一般の障害者と同じ扱いということで、ですから、来年の四月から総合支援法改正が適用されますと、六十五歳に至るまで相当の長期間にわたり障害福祉サービスを利用してきた方ということであれば、同じように自己負担が軽減されます。

 

○阿部委員 人間ですから、状態がさらに六十二で悪くなるときも、六十七で悪くなるときもあるわけです。六十五を過ぎて悪化してきたらそれは自己負担というのは、本当におかしいと思います。それが、横出しサービスを今度、先ほどの法改正、平成三十年から障害者の方々の介護保険利用について考慮はされるとは聞いています。ただ、ずっと使っている人しかだめというのでは、生身の人間が障害を抱えていることに配慮がないと思います。

大臣とは引き続いて論議をしたいと思います。よろしくお願いします。

 

○丹羽委員長 次に、堀内照文君。

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2017/05/25 国会質疑   abetomoko

4月7日厚生労働委員会議事録

○丹羽委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

ただいまの長妻委員からの御指摘にもありましたように、この地域包括ケアシステムと介護保険、双方大変大きな課題であります。介護保険は二〇〇〇年に始まりまして、今はもう、正直言って、持続可能性、破綻するかどうかが問われているくらいに私は思っておりますので、しっかりと持続可能性を守りたい。また、地域包括ケアの方は、やはり地域、すなわち人々の暮らしの場、私どもは国政におりますけれども、おのおの議員は地元、地域の生活の場を抱えておりまして、そういうところでの地方公聴会などもぜひ必要なものと思います。委員長には重々お含みおきいただいているものと思って、私の質問に入らせていただきます。

前半の介護保険の方、これは前回も聞かせていただきましたが、塩崎大臣に改めてそもそも論をちょっと伺いたいと思います。

介護保険という仕組みが日本で五番目の保険として俎上に上ったのは、自社さ政権のときだと思います。私はまだ議員ではありませんでしたし、塩崎大臣は多分もう議員であったと思いますが、そのときに、これを保険にするか、あるいは税にするか、そういう論議も含めてなかなか、保険という制度をみんなに納得してもらって導き入れるというのは、大ごとというか、大わざだと思います。しかし、これを保険として成り立たせて、二〇〇〇年から始まったわけです。

大臣に、一問目ですが、そもそも介護保険の目的とは何でありましょうか。よろしくお願いします。

 

○塩崎国務大臣 御指摘のように、自社さ政権で九十回とか議論を重ねて決めたことだということを記憶しておりまして、私も実は途中から、先輩議員にかわってもらって、福祉PTというのがありまして、プロジェクトチームがテーマごとに自社さでできていて、そのときに私も入っておりました。安倍総理も入っておられて、衛藤晟一補佐官もおられました。堂本さんなんかもおられました。

そういうような中で私も参加をさせていただいて、さんざん議論して、あのときは、まさに介護地獄という言葉が一番よく聞かれて、これを何とかせないかぬ、つまり、お嫁さんに全部しわ寄せが行って、認知症の高齢者の方の家庭でのお世話は全部お嫁さんがやって、お嫁さんがそれこそ介護の疲労のために自殺をされるというようなこともたくさんありました。そういうことで、介護を社会化するということを言っておられました。

当時、ちょうどドイツが介護の保険を導入したところでありました。我々としても保険でいくかどうか、あるいは税でいくのかということで、随分ドイツに視察に行かれた方、我々はまだぺいぺいでありましたから連れていってくれなかったですけれども、かなり勉強に行った方々もおられて、やはりうまくいっている、いきそうだというので、我々もそうすべきじゃないかということになりましたし、民間事業者を入れるかどうかということも大問題。当時は社協が主にサービス提供をしていた、そういうことでありました。それと、四十歳以上に今負担を、現役にはしていただいていますけれども、二十からするのか、いろいろなことがありましたが、今の形になった、そういうことになっております。

この理念は何かということでありますけれども、まさに先ほどの介護地獄がそうであるように、やはり、高齢者の方々が尊厳を保持しながら、その有する能力、力に応じて自立をした日常生活を営むことができるように必要な給付を行うための制度であって、これは第一条に書いてあります。第二条に、保険給付は、要介護状態等の軽減または悪化の防止に資するようにということでございましたから、自立と重度化防止ということが大きな理念ということでスタートをいたしたところでございまして、現物給付でいくのか現金給付も入れるのか、こんなことも含めてたくさん議論があったことを今、先生の質問から思い出したところでございます。

 

    〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

 

○阿部委員 私も、このたびの論議はぜひ深い論議をしていただきたいと思います。日本は今、世界の中で断トツの少子高齢社会のトップリーダーになっております。我が国がこれを本当の意味で支え合って乗り越えられるかどうかということは、世界の範にもなることと思います。

その場合に、今大臣に御答弁いただきました目的のそもそもは、介護を受ける方の尊厳を保持しながら、あるいは御家族が介護地獄や介護殺人に至らないような、当事者も支え、支え手も支えるという仕組みであったと思います。

この介護殺人ということは、今、二週間に一件起こっていると言われるような状態になっております。一つは、高齢化が急速に進んでいる。それから費用の面でも、必ずしも今日本の社会は豊かになっていないから、所得が少ない中でどう実際にお金を払って介護を手に入れられるかなどの問題もある。また、家族の孤立もある。

その意味で、今回の見直しは、まずもってこの理念を共有した上で、そして、目的というところにある、その有する能力に応じて自立ということであって、介護度を三から二に軽減するとか、二から一に、いわゆるランクの軽減ということではない、その能力や程度に応じて尊厳と自立ということであると思いますし、また給付については、先ほど大臣は、要介護状態等の軽減または悪化の防止に資するようとお述べになりましたが、それももちろんありますが、その一方で、その有する能力に応じた自立する生活となっております。必ずここにうたわれているのは、その有する能力に応じたということであって、必ずしも悪化の防止や軽減のみに着眼されたものではないんだと思います。

大臣に二点目の質問は、今、要介護の一とか二とか軽いものは、正直言って、介護財政も厳しいし、ちょっと我慢してもらって、あるいは違う形にして、介護を重度の三、四、五に持っていこうというようなことも介護保険の理念とは反すると思います。それぞれの有する能力に応じた自立。例えば要介護の一とか二、多くは痴呆を抱えた方であります。その能力に応じて尊厳と自立ということですから、ここをたがえると私は介護保険は崩壊すると思いますが、大臣の御認識を伺います。

 

○塩崎国務大臣 先ほど、もう一つ、導入するかどうか介護保険のことを議論していたときにあった言葉が、老老介護という言葉でありました。老老介護とお嫁さんにとっての介護地獄、この二つが一番大きな問題で議論されていたのを思い出したので、ちょっとつけ足させていただきたいと思います。

要介護度の軽重のみに注目をしてサービス提供するのは本末転倒じゃないか、こういう御指摘かと思います。そのこと自体は、私はそのとおりだと思います。要介護度の軽重のみで支援の中身、必要性を判断するのではなくて、個々の利用者の状態に応じた丁寧なケアマネジメントによって、自立した生活のために必要な支援を行っていくということが大事なのは、そのとおりであります。

ただ、フレイル対策と最近よく言いますけれども、とめようと思えばとめられることをとめないということはないだろうということであり、また、少しの努力でかなりみずからの体調もよくなり、そしてみずからの能力発揮のための環境も整うということであれば、そういうことのお手伝いはしていくべきなんだろうと思いますけれども、ただ単に要介護度の数字だけを見るということではない、ですから、今回、アウトカム指標だけじゃなくて、プロセス指標、何をやるのか。当然、加齢によって運動機能などが低下していくということは避けられない事実でありますから、そういうことも割り引いて、その方々にとっての尊厳ある人生が、暮らしていけるようにしていくということが大事なのではないかと思います。

 

○阿部委員 私が申したいのは、あくまで主体は介護を受けられる御本人の選択で、「被保険者の心身の状況、その置かれている環境等に応じて、被保険者の選択に基づき、」というのが給付の二条の三項に出てございます。大臣は、今御紹介は、悪化の防止の二条の二項をおっしゃいましたが、私の方からは三項と四項をつけ加えさせていただいて、くれぐれも、本人のある意味での無理な圧力になったり、自分がよくならないことが家族にも負担をかけると思わせてしまうような状況に追い込まないこと、このことを行政としては念頭に置いていただきたい。

それから、認知症の御家族の会が今回の改正については強く反対をしておられます。大臣にもお声が届いているかもしれません。要介護一、二の方の多くが認知症、三、四、五となりますと身体機能の問題も抱えていらっしゃいますが、ただし、この要介護一、二というところ、認知症等を抱えた方を支える家族は、ある意味で動けない人よりも大変というところもあるわけです。ですから、くれぐれも、その程度、介護度じゃなくて、それぞれのニーズに応じた給付であるということを念頭に置いていただきたいと思います。

うなずいていただきましたので、確認をこれで終わらせていただきます。

次に、今回導入される新たな地域共生サービスについてお伺いをいたします。

地域共生サービス、地域でともに生きていくというのはとてもいいことで、先ほど長妻委員にも御答弁いろいろありましたけれども、障害、子供、御高齢、もろもろの困難を抱えた方がともに生きていくというときに私どもが第一に忘れていけないことは、いわゆる障害者について自立支援法という法律をつくったときに、障害当事者の皆さんから、自分たちの声を聞かずに自分たちにかかわることを決めるなということがあって、裁判にまでなり、その後、障害者総合支援法に名を変えていきました。この経緯というのは、私たち立法府にいる者は忘れてはならないことと思いますが、今回の地域共生サービスの発足に当たって、障害当事者の声はいかに聞かれたでしょうか。

 

○堀江政府参考人 お答え申し上げます。

共生型サービスを今回の法案に盛り込むに当たりましては、障害を有する方やさまざまな分野を代表する団体の方に委員として参画いただいております社会保障審議会障害者部会において、御審議をいただいてございます。

その審議の中で、障害福祉サービスを介護保険に統合するのではないかというような御懸念や、共生型サービスが創設された場合に、引き続き障害者のニーズに応じた、きめ細かな配慮をすべきという御意見があったところでございます。

こうした御意見に対しまして、障害福祉サービスを介護保険に統合するものではないこと、今後とも障害者一人一人の事情を踏まえて適切に障害福祉サービスを提供すべきであること、そして、これまでも介護保険サービス事業所において障害福祉サービス等を行うことができる仕組みがあり、今回の共生型サービスは、その仕組みを踏まえて、さらに指定を受けやすくする仕組みを整えるものであることを回答し、理解を求めたところでございます。

今後につきまして、共生型サービスは障害福祉サービスを介護保険に統合するものではないという説明を丁寧に行うとともに、共生型サービスの具体的な基準等を検討する際に、引き続き同部会、障害者部会のことでございますが、等で御意見を伺うこと、そして、引き続き個々の障害者のニーズにきめ細やかな配慮をすべきことを自治体に求めることなどを通じまして、御懸念にしっかりと対応してまいりたいと考えてございます。

 

○阿部委員 今、多々御答弁いただきましたし、そのようにあってほしいと思いますが、障害のある皆さんが一番懸念しておられるのは、実は、昨年の七月に政府で地域共生社会実現本部というものが立ち上がりまして、その後、我が事・丸ごと、大ごとと言われる地域共生の仕組みというのが出てきたのですが、七月に立ち上がってから、今御答弁のあった、多分、社会保障審議会の障害者部会、二月のものを、ペーパーをつけてございますが、そこに至るまでの間はコンタクトがないまま過ぎたということを障害者の皆さんは大変懸念しておられます。

確かに二月に、まあ、もう物が固まってから聞かれたんではないかと。それでもなお、言われましたように、障害者に対するサービスと介護保険を同一にするものではないというふうに御答弁くださいましたけれども、私は、そのプロセスそのものも絶えず、障害の方と意見を交換していくような日々の努力、本当に密な、丁寧な努力が必要と思います。大臣にその覚悟のほどを伺います。

共生サービスの実施に当たって、障害のある方からきちんと、今回のように七月にやって二月まで、できちゃってから見せるじゃなくて、その経過もいろいろ聞いていくということについて、大臣のお取り組みの覚悟を伺います。

 

    〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

 

○塩崎国務大臣 障害者自立支援法をつくる際に私は党にいて、それこそ村木前の事務次官が企画課長でありましたが、随分一緒にやって、そしてまた生の声を聞くタウンミーティングをやって、田村さんは今中座されておりますけれども、全国いろいろ回って、障害者から初めて直接お聞きをするタウンミーティングというのを福岡、札幌、東京、それから三重県でもやりましたし、私の地元でもやりました。そういうような形でやったときに障害者の皆さん方が言っていたのを非常に印象深く覚えているのは、初めて政治家にこうやって公開の場で意見を言う機会を得たということを言われておられました。そういう意味では、今のようなことがもし事実だとすればディスコミュニケーションですから、これは決して好ましいことではない。

したがって、今回は第一弾ということでやっておりますけれども、これからさらに話し合いをよくしながら、御意見をしっかり聞いて、いろいろ誤解があるということもだんだんわかってきて、大ごとだの言われるとはとても思わなくて、どこに行っても我が事・丸ごとに一番いい意味で反応していただいてきたことが多かっただけに、桝屋先生からお教えをいただいて、少し慎重に事を運ばなきゃいけないなという反省を少ししながら、これからしっかり皆さん方の御意見を賜って、もう既に自然発生的に起きていることを、言ってみればこれを普遍化しながら制度化するということにも近い動きでもあることはわかっていただければありがたいと思っておりますので、御懸念があれば必ずそれは解消しながら前に進めてまいりたいと思います。

 

○阿部委員 今大臣に大変いい御答弁をいただきました。

ぜひ、委員長、再度お願いいたします。地方公聴会で障害当事者の方も含めて御意見を聞いていただくのは本当に大事なことと思います。それは、政治の質を変える、本当に障害当事者が発言をし、自分たちで社会の一つの、つくり上げていく、その大事なパーソンになるということですので、ぜひ理事会でよろしくお願いいたします。

あと、桝屋先生の御見識には深く傾倒いたします。ありがとうございます。長年やっていらっしゃるから、さすがだと思います。

そして次に、私から、大臣は今、自然発生的に、例えば共生型サービスができていって、それでいい面もあるかもしれないとおっしゃいましたが、悪い面もあります。私がきょう御紹介したいのは、資料の二枚目を見ていただきますと、地域共生サービスの、例えば高齢、障害、子供、介護保険などを全部一緒にやりましょう、場合によっては資格も共通化しましょうということが共生型サービスの中で出ていますが、果たしてそんなイージーなことなのかということをお示ししたいデータであります。

めくって、三枚目を見ていただきたいと思います。ここには、放課後等デイサービスに対する今後の対応という、最近、厚生労働省から出された資料をお手元につけてございます。

大臣は放課後等デイサービスというのを御存じのことと思いますが、平成二十四年に始まりまして、これは、障害のあるお子さんが、普通の放課後の学童保育ではなくてデイサービスとしてお過ごしいただく。障害を持った御家族にとっては、子供が普通の放課後児童クラブ等々に行けないときに、大変にこれは、希望の光が見えたという意味で、ある意味で前向きにも捉えられるのですが、ところが、私は、この取り組みというのは最初大きな過ちを犯したと思います。

大臣に見ていただきますと、ここに給付費の費用の伸びが出ておりますが、現在、児童サービス、この放課後等デイサービスに千四百四十六億、大変な高額な費用がここにかかっております。

その費用に見合う良質なものならいいのですが、実はこの放課後等デイサービスには、御高齢者分野のデイサービスではなかなかこれから先、サービス利用料も二割負担になったりするし、デイサービスの単価は引き下げられるし、そこは金目にならないぞと思った事業者が、子供たちの放課後等デイサービスに雪崩を打って参入したということが現実としてございます。

なぜそんなことができるのかというと、ここにはつけてございませんけれども、実は、この放課後等デイサービスにかかわる、児発管といいますが、児童発達支援の方の資格を、介護施設に勤めて経験が五年あればいいとか、老人系のサービスを五年やっていればいいとか、そういう条件で始めております。

私は、小児科医としていたたまれない思いで事の成り行きを見ていました。もちろん、御高齢ケアにかかわってくださる方のとうとい経験はあります。ただ、子供の発達を見て、その子その子に応じた支援を行うのに、そうした高齢者のサービスにかかわる方がそのまま移行してよいとはとても思えないのです。

ここを、大臣、自然発生的に五年やりました。そして、今回やっと改正がされました。

その次のページを見ていただきたいのですが、指定基準等の見直しによる対応が平成二十九年の四月に出て、そこで保育所等の児童福祉に関する経験を持った人、あるいは障害児、児童、障害者支援の経験を必須化する。やっとです、やっと。五年間、御高齢者の経験者がそのまま横滑ってもいいとしてやられてきた資格が、ここで初めて、子供たちの発達を見るものに変えられていった。

私は、共生型サービスというのがこれと同じような安易な仕組みで始まることは、大きく懸念をいたします。大臣の御認識を伺います。

 

○塩崎国務大臣 放課後デイについては私もよくわかっておりまして、十八歳の高校三年生のときに、途中で十八になると自動的にかえなきゃいけないというようなことで、それを二十まで延ばしていただいた、議員立法で直していただいたことがございました。民主党政権のときでありましたが、あれの言い出しっぺは私でありまして、この問題についてはよくわかっております。

今、資格が安易に共通化されることの問題点について指摘をいただきました。

先ほど申し上げた、十八でかわらなきゃいけないときに、なぜかというと、一つは、なれているところに通いたいという障害児の特殊性というのがあると同時に、なれた人というのは、やはり資格を持ったような人々にずっとそのままお世話になりたいということがあるので、そういう意味で、能力担保がないままで資格が共通化されるというのは好ましくないし、特に障害の場合には非常に難しいケースが多々あります。最近は特に医療的ケア児がふえつつあるわけでありますから、そういうことも鑑みれば、資格についても丁寧に考えていかなきゃいけないというのは、そのとおりだと思います。

 

○阿部委員 私は、この事案は真剣に総括していただきたいんです。

児発管と申しますが、児童発達支援員は、例えば九百日以上の介護に関する直接支援業務の実務経験がある。九百日以上介護をやっても、やはり子供の発達支援には横滑りはできないと私は思います。でも、そのようにやってこられました。くれぐれも、大臣はよく御存じであるとおっしゃっていただいたので、子供たちのためにも。

そして、一千四百四十六億、あっという間に雨後のタケノコのように伸びました。今、各養護学校の前にはバスがとまって、子供が学校を終わって出てくるのを待って、もう争奪戦のような姿になり、それでも私は、その質がよければ、子供のためになるならいいと思います。でも、安易に子供たちに時間を過ごさせるようなサービスも、実は目に余るものもあります。今後の共生型サービスの中で、子供、障害者、御高齢者、それぞれに特性があります。それぞれに専門能力を持った人を大事に育てて、そして、その地域でいろいろな課題を共有できるというふうにしていただきたいと思います。

残された時間で、地域包括ケアシステムということについて伺います。今、もう一問実はあったのですが、時間が足りませんので次回にさせていただいて、地域包括ケアシステムということをぜひきょうは伺っておきたいので、移らせていただきます。

地域包括ケアシステムという言葉が使われるようになったのは、大臣も覚えておいででしょうか、二〇〇五年のことでした。今、森友問題はみんな国民は知っていても、地域包括ケアということについて、このワーディングすらよく伝わっていない。二〇一一年に、介護保険法改正で、法文の中に地域包括ケアということが明記されましたが、果たしてこの地域包括ケアはどこまで何が進んだんだろうかということを改めてきょうはデータでお示ししたいと思います。

今お見せした障害児のデイサービスの次のページ、地域包括支援センターの業務と課題というところで、これは、実際に地域包括支援センターに勤めていらっしゃる方にとったアンケートです。

地域包括センターには、それぞれの専門家、例えばソーシャルワーカーとか保健師さんとかケアマネさんとかがおいでですが、その三者がいてもなお職員の力量不足を感じるという回答が半数、そして、業務量が過大だというのが八一・六%。この一の表であります。自分たちの力量の足りなさと、降ってくるような業務にあっぷあっぷしております。

その次の、課題の二のところでは、総合支援事業にかかわる業務がもう大変多くて過大、あるいは指定介護予防支援にかかわる業務も過大であると。

次のページをおめくりいただきたいですが、今度は、力量が不足している上でやれない業務は何かというと、地域におけるネットワークの構築、もうこれをやっている暇がない、これが七六・七%ございます。あわせて、権利擁護にかかわる業務ができないという方が六六・三%。

大臣には、地域包括ケアはすごく大事ですから、何が大事って、それを担う人材が本当にやれる体制をつくることが大事だと思います。こういうデータをごらんになって、もっと財政的な、あるいは人材的な強化を図っていただきたいが、いかがでしょう。

 

○塩崎国務大臣 例えば私の地元の松山市であれば、十一、地域包括支援センターがあります。昨年も全部回りまして、存じ上げている方が保健師だったり社会福祉士だったりいろいろな方々がおられて、そして、先ほど来申し上げている我が事・丸ごとの特に丸ごとの部分で、実は、高齢者の話だけではなくて、いろいろな子供の問題あるいは障害者の問題、たくさん相談にあずかっているという現実を随分聞かせていただきました。

そういう意味では、今御指摘をいただいたようなデータに示されている問題を抱え込んで、大変厳しい状況だというふうに思いますが、高齢化が進む中で、地域住民の介護に関する相談などの業務を行っているこのセンターの機能を強化していくことは、当然のことながら大事だと思っています。

今回の法案においては、市町村等が地域包括支援センターを評価して、その結果に基づいて必要な措置を講ずることを義務づけるということにさせていただいております。

具体的な評価というのは、センターの業務の実施状況とか業務量などを把握して、これを職能団体や利用者などから成る運営協議会で評価、そして点検することを予定しておりまして、市町村で一つつくられる運営協議会で、評価の結果を必要な体制整備や研修の実施につなげて、今御指摘をいただいたような、何で困っているのか、そして何が必要とされているのかなどをつぶさに把握した上で、財政措置を行うということも、当然この運営協議会の中で検討していただかなければいけないわけですけれども、そういうことでセンターの機能強化を図っていきたいというふうに考えているところでございます。

地域によって拠点の置き方というのが随分違っていて、高松はたしか、地域包括支援センターとしては一つしかなくて、あとはブランチのような形が三十八カ所あって、非常にきめ細かくやっているところがあります。松山は、行ってみますと、七つ校区を持っているとか、これはとてもじゃないけれども、ワークロードとしてえらいことだなと思うようなケースがまま見られておりますが、そういうことを考えてみると、全国がどうなっているのか、よく私たちも注意をしていかなければいけないというふうに思います。

 

○阿部委員 お金と人が足りません、本当に圧倒的に。ぜひ、地方の声、現場の声を聞いていただけますようお願いして、きょう取り残しました精神障害にかかわる地域包括ケアは次回やらせていただきたく、よろしくお願いいたします。

終わらせていただきます。

 

○丹羽委員長 次に、初鹿明博君。

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2017/05/25 国会質疑   abetomoko

4月5日経済産業委員会議事録

○浮島委員長 次に、阿部知子さん。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

経産委員会で質問のお時間を頂戴して、感謝いたします。そして、ほとんどの質問を世耕大臣にですので、よろしくお願い申し上げます。

まず、きょうの論議、全体ではございませんが、幾つか聞かせていただきまして、今回の原子力損害賠償並びに廃炉機構法の改正に当たって、東京電力福島第一原発事故の後の賠償費用は一体幾らかかるんだろうかというところが、不確かというか見えづらい中で、そうはいっても世耕大臣も、とりあえず何かなければということで、有識者会議のを参照されたというような御答弁でありました。

きょうのお手元の私の資料を見ていただきましても、これはお役所からいただきましたものですが、わざわざ下の方に「経済産業省として評価したものではないことに留意。」と書いてありまして、下の段ですね、国民から見て、経済産業省としてクレジットしたものじゃないことを覚えておけよと言われましても、それでは、これから託送料金等々にかかわってくる費用のあらあらは経産省ではないんだ、どこかとあえて言えば有識者会議だというような曖昧なものでは、やはり国民に説明責任が果たされないと思うんです。かといって、六だ八だ十一だと数値だけをやりとりしても、これもまた豆腐ではありませんから、何兆何兆と言って済むわけではないので、私から大臣に提案がございます。

大臣は何でもよく御存じでありますから、日本経済研究センターというところが、三月七日に東電の福一の事故の費用について試算をしてございます。大臣はこれをどこかでごらんになったことがおありでしょうか。

 

○世耕国務大臣 報道で読ませていただいております。

 

○阿部委員 先ほど大臣は、有識者がおっしゃったものをそのまま利用されたとおっしゃいますが、この日本経済研究センター、これは一九六三年から非常に歴史のある、経済界では、もともと日経新聞の社長が理事長を務められて、経済全般について分析をされている。そういう意味で信頼性も高いものだと思います。ここの試算をごらんになりまして、有識者の試算に欠けているもの、なぜこれだけの差が出るのか。五十兆から七十兆です、ここの試算には。

例えばですが、今八兆円と言われております。これは、チェルノブイリ事故を参照して廃炉の費用を算定したと言われておりますものに欠けているのは、廃炉・汚染水対策、特にトリチウムの処理などにかかる費用、そして、薄めたとしても海に流したときにかかる費用、あるいは、三つの原子炉が放射化しておりますので、それがある意味で放射性物質として瓦れきになっておりまして、これを処理する場合には、今の六兆ではなくて十一兆かかるだろうという試算で、すなわち、廃炉・汚染水処理に今回八兆と見積もられたものは、この研究センターの試算では三十二兆となっております。

私は、ある程度の確からしさで、これとこれを積んでこのくらいだということが書いてあるものを見たのはこれが初めてでありますので、世耕大臣にあっても、ぜひごらんをいただきたい。

そして当委員会にあっては、そもそもこうした論議をするときに、共有するベースがないということは大変不幸だと思うんです。見えない敵に対してどうやって戦っていこうか、幾ら負担しようかというようなことですので、委員長には、ぜひこの日本研究センターから参考人として人を呼んでいただきまして、この委員会でお話を聞いていただきたいです。

ちなみに、この日本経済研究センターでお取りまとめになった方は、例えば鈴木達治郎先生、これは前の日本原子力委員会の委員長代理でありますし、あるいは小林辰男さん、そして理事長の岩田一政さんが執筆ということで、それなりの権威ある皆さんだと私は思うんです。

本来の論議は、エビデンスとは申しません、そういうある程度のバックグラウンドの数値を共有しないと成り立たないと思いますが、まず大臣、いかがですか。それから、委員長へのお願いはいかがでしょう。

 

○世耕国務大臣 民間の研究機関が試算されたもの、そのベースとかは私は報道でしか知りませんので、コメントは控えさせていただきたいと思います。

いずれにしろ福島の廃炉というのは、まだ、ボトムアップで、こういった資材が必要になるとかこれだけの人件費が必要になるとか、そういったことを積み上げて計算できる段階にはないわけであります。

しかし一方で、やはり東電改革を議論するときに、一定の規模感を示して、東電にこれぐらいの改革をしてもらわなきゃいけないということを、しっかりと議論として数字を置いていかなきゃいけない。

ということで、日本経済研究センターがどうやられたのか知りませんけれども、我々はあくまでもトップダウン方式で、スリーマイルアイランドを一つの参考にしながら、そして、実際に廃炉に関して具体的な知見のある内外の専門家の方々に、スリーマイルアイランドとこれを比べたときにどういうふうに置けばいいだろうかと言って御相談をして、御意見をいただいて、そして、大体五十倍から六十倍見積もっておけば保守的な数字と言えるんじゃないかというふうに言われた。

その数字をベースに、我々は今回、東電改革の道筋を示させていただいたわけであります。

 

○阿部委員 失礼しました。私がさっきチェルノブイリと申しましたのは、スリーマイルアイランドでした。

そして、何が違うかというと、やはり汚染水が違います。それから、三つの号炉が放射化したかどうかが違います。

確かにボトムアップで積んでいけない、これも一理あると思います。ただしかし、今の試算に抜けているものは明らかなわけであります。

失礼な言い方ですが、大臣もいこじにならずに、やはりあらゆる情報を得て、大臣なんですから、すごく責任があると思うんです。いい情報はお取り入れになって、もっと建設的な論議をした方がいいし、それは、もし国民が五十から七十兆という数値を言われたら大変不安です。でも、それでも覚悟しなければならないのかもしれません。だって、この間、二〇一一年の三月に起きた事故、その年の暮れには五兆から六兆、二〇一三年の暮れには十一・五兆、二〇一六年の暮れには二十一・五兆、どんどんだんだん、天井知らずに上がっているじゃないかと国民は実感しているわけです。

であれば、幾つかのそうした意見を集めて、ある程度の確からしさで試算する。失礼ながら、たった一つの有識者会議、先ほど大臣は民間が何を言ったか知らぬとおっしゃいましたが、私は同じだと思います。いろいろなその道の研究者を集めて出したものでありますから、そこはこの委員会のために申し上げたいと思います。お金がはっきりしないままで事が進んで、それは負担がどこまでいくか見えないということであります。

先ほど委員長にお願いしましたが、しかるべく理事会において、参考人のお話を聞くことを御検討いただきたいと思います。

 

○浮島委員長 理事会で協議いたします。

 

○阿部委員 その上で、実はそのよく見えないお金について、昨年の暮れの十二月二十日の閣議で、上限を二・四兆円とする上限額の国民の負担、これはいわゆる賠償にかかわる一般負担金と特別負担金の方についてでありますが、その上限だけは決めたわけです。

閣議決定で総額はどこにも出てこないで、国民負担は、二・四兆円の、賠償に係る部分だけ決めた。これは非常に奇異なことだと思います。普通は、全体のお金はこれくらいかかる、そのうち国民にはこのくらいを負担していただきたい、これ以上は何とか自分たちで、といったって、自分たちというのが、これが難しいのですが。

世耕大臣に伺います。閣議決定のこのあり方、逆に言うと、閣議決定で決めていけば、次の閣議決定で国民負担は五・八兆円だとか十兆円だとか決めれば、それで済むことなんでしょうか。お願いします。

 

○村瀬政府参考人 今御指摘の閣議決定でございますけれども、廃炉の部分を除く全体像につきましては、それぞれ、被災者、被災企業への賠償費用は七・九兆円程度、除染特措法に基づく除染の費用は約四・〇兆円程度、中間貯蔵の費用は約一・六兆円程度と見込まれるといった形で全体像を示した上で、これを踏まえて、支援機構に交付する交付国債の発行限度額を、現行九兆円を十三・五兆に引き上げるという全体像を示しているところでございます。

廃炉につきましては、先ほど来大臣から御答弁いただいていますとおり、現時点で合理的に試算できる状況にないものですから、別途の形で出した上で、その全体像を、それもあわせて、さまざまな場で提供させていただいているということでございます。

 

○阿部委員 今御答弁の除染についても、賠償は、さすが経産省が試算しているので、八兆と、ほぼ変わりませんでした。原子炉の廃炉・汚染水処理に係る費用も除染に係る費用も、この日本経済研究センターのものと大きくかけ離れております。

私は、きょう皆さんのお手元に示したこの一枚の確からしさ、何のクレジットもない、そんなもので閣議決定していいのか。余りにも国民をばかにしている。そして、先ほど申しました二・四兆円というところの上限額を出しているわけです。

先ほどからるる申し上げているのは、これらいずれの数値も、環境省が積み上げた数値、ただ、ここには除染とは書いてあっても、除染の後、中間貯蔵があって、さらに最終処分場が要るわけです、放射能は消えるわけではありませんから。そうした全体像がここには組み込まれていないので、大変心配をしています。

ぜひこの日本経済研究センターのをお読みになって、環境省もそうですし、経産省のは先ほどほぼ同じでしたから、研究をしていただきたい。閣議決定で使った数字にも信頼性が薄い。

大臣にはもう一つ伺います。閣議決定で国民負担は上限は二・四兆円と決めればそれでいいのか。そしたらまた次に閣議決定で五兆円と決めて、それが国民に付加されるのか。これはいかがでしょう。

 

○世耕国務大臣 閣議決定で二・四兆円というのはどういう意味でおっしゃっていますか。

 

○阿部委員 この閣議決定の文章をよく見ていただきますと、すごく変わった掲載になっていて、閣議決定の本文の下に細かな説明文がございまして、そこに二・四兆円という数字が入った閣議決定でございます。

私はこんなの初めて見たので、変わったことをするなと思いましたので、今大臣がおっしゃっていただいたとおりです。

 

○世耕国務大臣 わかりました。今おっしゃっている二・四兆円というのは、過去積み立てておくべきだった、こういう賠償に備えて積み立てておくべきだった費用を二・四兆円ということになります。これはもう上限であります。もう過去分でありますから、過去のものがふえることはありませんので、今御指摘の閣議決定したとされる二・四兆円については、これはふえることはないと考えております。

 

○阿部委員 そもそも、過去分という考え方も問題がございます。

でも私は、法律もなく何もなく、閣議決定で金の多寡を決めて、それを国民に付加するということは、この国の立法府のあり方をないがしろにしていると思います。きちんと法律をつくられるなり法改正をされるなりして国民の負担を明らかにする。そのために私たちの国の憲法があり、法律があり、課税があり、あるいは負担があるんだと思います。

これ以上上振れることはないとおっしゃいましたが、それについても、全体の費用がありますので、私はペンディングとさせていただきます。

そして、同じく世耕大臣にお伺いをしたいと思いますが、実は、先ほど来、全て託送料金のことが問題になっております。

その前にもう一つ伺いましょう。八兆円が十兆円とか十五兆円とかに上振れしてきた場合に、これはあり得ますよね、一応スリーマイルアイランドを例にやったけれども、除染、汚染水の処理もないですし、それが上振れした場合には、今、東電が託送料金で御自分の努力でもうけた、しかし、それを引き下げなくていいという年月はずっと延びていくんでしょうか。今の八兆円で何年で、もし十兆円になれば何年で、十五兆円だったら何年に果てしなく行くんでしょうか。

 

○世耕国務大臣 今御指摘の部分というのは、これは廃炉費用ですから、ということは、廃炉が何年かかるか、三十年から四十年と我々は見ていますけれども、その間、その費用が毎年幾らかずつに分かれた形で計上をされていくということ、それに尽きるんだろうと思います。

 

○阿部委員 それはやはり、非常に終わりが見えませんよね。廃炉が五十年か百年かもしれません。その間ずっと東電は、逆に、託送料金で自分が経営努力しても、それを弁済の方に、弁済というか、廃炉の処理のためにかけていかなければならないわけです。これというのは、本当に長引く、長い長い道を強いることになるわけです。

大臣、この前、ロボットで中を見て、デブリがどこにあるかわからない。やはり今思っているより長い年月がかかるということは、国民は誰も思っています。三十年、四十年で済むまいということも。だって、チェルノブイリだって石棺をもう一回新しくして、当初より長い年月になっているわけです。

そこをずっとこの託送料金を、営業努力して、経営努力してでも、それも全部廃炉のために入れなさいというのは、余りに過酷ではないですか。

 

○村瀬政府参考人 今、廃炉のための必要な資金についての御質問をいただいていると思うんですけれども、まず、託送料金かのように説明されていますが、廃炉の費用につきましては……(阿部委員「そんなことはわかっています、そんなこと言っていません」と呼ぶ)

 

○阿部委員 託送料金を本来引き下げるべきところを引き下げないで、それも充てなさいと言われていて、それが何十年、五十年、百年と続くんですかと聞いているんです。ほかのを入れるのはいいですよ。東電だって経営努力するでしょう、廃炉しなきゃいけないんだから。

だけれども、託送料金のその経営努力分を、料金の値下げに本来はすべきものをそうしなくていいという枠組みをつくるわけですよ。それはずっと続くんですか。

 

○世耕国務大臣 それは当然、廃炉の費用をどうするか、誰が負担するかという問題に尽きると思いますよ。

ですから、それを東京電力みずからが努力をして、少なくとも月々の一般家庭の電気代が上がるようなことにならないような形で合理化をして、経営改善をして、その分の資金を手当てをしていく。これをだめだとおっしゃると、ではどうすればいいんですかということになりますね。一F廃炉に係る費用は税金でやるんですかということになるわけであります。

いずれにしても、廃炉の費用というのは、これから三十年、四十年かけて、我々の試算ではトータル八兆円かかる。それを東京電力の合理化努力によってカバーをしていくというのは、私は一番ベターな方法だと思っております。

 

○阿部委員 事は東京電力にとっての負担のみならず、託送料金が高どまるということなんですよ。それは国民にも負担、産業にも負担。

大臣は今おっしゃいましたね、だったら税金にしたらいいんですかと。私は、どちらかの選択と言われれば、税金の方がいいと思います。そのかわり、まず政府は国民に謝罪すべきです。曖昧にしないで、東京電力も問題ですけれども、国策として進めた原子力政策なんですから、どうにももう立ち行かない、電気料金を上げるよりは税金でお願いしたいと言うべきですよ、もし今大臣が私に御質問いただいたことで言うならば。

世耕大臣にそもそも託送料金についての認識を伺いますが、昨年の五月二十日、内閣総理大臣の名で消費者委員会に対して、我が国の託送料金についての諮問がございました。七月二十六日に消費者委員会から内閣に対しての答申がございました。当時、大臣は消費者担当が河野さん、そして経済産業大臣は林さんでした。この一連の、内閣総理大臣が消費者委員会に諮問して、その答え、答申をごらんになりましたか。我が国の託送料のプロフィールです。ごらんになったか教えてください。

 

○世耕国務大臣 消費者委員会においては、託送料金は電気料金に転嫁をされて最終的には消費者が負担することになるから、料金の適正性、透明性及び納得性の確保が重要だという趣旨に基づいて、昨年七月に、電力託送料金に関する調査会報告書として、消費者の目線から御提言をいただいたというふうに認識をしております。

 

○阿部委員 そのとおりであって、消費者の目線には残念ながら今回のことはなっていないんです。我が国の託送料金は国際的に比較しても高どまり、おまけに、これから賠償も託送に乗せるんです。我が国の場合、託送料金は電気料金の約三割から四割を占めております。経済産業大臣としては、最もそこは注目、そこに傾注すべき部分だと私は思います。

企業も電力を使います。家庭も電気を使います。この託送料金が高どまりしている。そして、そこにさらにこれから賠償のための費用も乗る。あるいは、廃炉のためには、東電はそこを値下げしないで、高いまま国民の間接的な負担にするということがこの委員会で論議されるので、私は、それは日本にとって、産業にとって、国にとってよろしくないだろうということで御質問をさせていただいています。

大臣、そもそも、今おっしゃいました国民目線でということですが、託送料金にいろいろなものが乗っかっているのですが、電気は発電と送電ですが、送電が託送ですが、送電以外、送電の託送料金に乗っているものを御存じでしょうか。

 

○世耕国務大臣 まず、託送料金、国際的に高いという御指摘がありましたけれども、これは、託送料金の範囲、例えばメーターの検針コストは、我が国では託送料金に含まれていますが、英国などではこれは小売料金の方に入っているというようなこともありますし、地理的状況などにも差がありますから、単純に比較はできないんだろうというふうに思っています。

そうした中で、現行の託送料金というものは、電力・ガス取引監視等委員会において専門的かつ客観的な視点から厳正に審査が行われたものであって、日本にとって適正な水準であるというふうに思っています。

でも一方で、当然、送配電事業者の効率化に向けた努力というのは、これは今後も重要だというふうに思っています。

託送料金については、電気事業法、送配電網の維持管理にかかる費用などに加えて、例えば離島の発電費用を含むようなユニバーサルサービス料金など、全ての消費者が広く公平に負担すべき費用を含めることができる制度になっていると理解しています。

 

○阿部委員 それだけの理解では困ります。

大臣のお手元に、資料、終わりから二枚目を見ていただけますでしょうか。

ここには、現在、託送料金に乗っておりますものは、使用済み燃料の再処理等の既発電相当費用、それから電源開発促進税、そしてさらに、再エネの費用も乗っております。再エネは、料金表を見ると非常に見えやすいところに書いてございます。

ところが、この表を見ていただくとわかりますように、電源開発促進税が託送料に乗っていても、その記載があるのは東電だけです。東電を褒めてあげた方がいいかもしれない。ほかは全くない。さすがに使用済み燃料の再処理の方は、これはまだ近々のことですから、皆さん書いてはございます。電気料金の検針票が来たときに、裏側にこういうことが書かれています。

今の託送料にも、既に再処理の費用も乗っていれば、電源開発促進税も乗っていて、電源開発促進税の七割は原発関係費用であります。そして、今度、賠償のために、一般負担金と特別負担金の一般負担金における過去分、過去原発を使ったじゃないの、だからこれからの託送料で払ってもらいましょうよというところを新たに託送料に付加するということです。

そして、大臣のさっきの御答弁は、新たに託送料に付加する部分は、これらと同じように、電源開発促進税や再処理の費用と同じように、わかりやすく明示する、見ればわかるようにするという御答弁でしたか。確認です。

 

○世耕国務大臣 託送料が上乗せされた分は、請求書などの中でわかりやすく表示をしていく必要があると思っております。

 

○阿部委員 それは当然過ぎるほど当然で、でも、先ほどの、引き下げられなかった託送料についてはホームページで見ろとおっしゃいましたね。

では、ホームページというのはどんなになっているのというと、これも下から二枚目の資料で、各電力会社のホームページは、ホームページによる情報提供というのはこういう感じなんです、見ていただいて。託送料が値下がらないのはどこにどんなふうに書くんでしょうね、東電の場合は。言うはやすく、国民がわからない。

おまけに、何で過去の分を、一旦取引はもう終了した、過去に電気は買った、それが、事故分を入れていなかったからこれから払ってちょうだいね、これから使う子供たちよ、払ってちょうだいねというのは、物事の取引上、あり得ない発想と私は思います。

大臣いかがですか。見える化の点について、それから、過去分ということの考え方についてです。

 

○世耕国務大臣 結局、廃炉費用が東電の合理化の努力によって賄われていくということは、これはホームページなどでわかりやすく解説をしていく必要がある。国民に御理解をいただく必要がある。廃炉費用を負担するということは、東電が合理化努力で負担するということが福島のためにつながるということをしっかりお伝えしていく必要があるだろうというふうに思います。

そして、託送料に乗せる過去分については、これは、やはり国民全体が原子力に裨益をしてきた、その経緯を考えたとき、そして、積み立てていなかったということに関しては、やはり安全神話に乗っかっていたというところがありますから、そこは真摯に反省はしなければいけませんけれども、やはり福島のために国民全体で負担をする、二・四兆円分の託送料の上乗せについては明細票等で明確に書いていきたいというふうに思っております。

年齢が違ってとかそういうことになりますと、これは公共料金というのは、ある程度丸めてつくるというのが公共料金です。これを言い出したら、発電所のそばに住んでいる人が一番電気代は安くならなきゃいけないんです。

ですから、そこはある程度丸めた形だということは御理解をいただきたいと思います。

 

○阿部委員 そんなこと言っていないでしょう。まだ生まれていない子供まで何でそんなものを負担するんですか、過去分を。これからの子供まで、四十年、ゼロで生まれた子が四十歳まで負担するんですよ、過去分と言われて。そんなことあり得ないじゃないですか。近くに住んだか遠くに住んだかだけではないと思います。

大臣、もともと無理があるんです。きちんと総括して責任を明らかにして、税でやるなら税でやる、法律をつくる、クリアにする、以上、よろしくお願いします。

終わらせていただきます。

 

○浮島委員長 次に、木下智彦君。

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2017/05/02 国会質疑   abetomoko

3月30日消費者問題に関する特別委員会議事録

○原田委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

本日は、消費者委員会に質疑のお時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。

私からは、昔々から公共料金と言われております、ガス、水道、電気、国民の生活に非常にかかわりが深い部分でお尋ねをしたいと思います。とりわけ電気料金についてであります。

二〇一一年の三月十一日、東日本で起きました東京電力福島第一原発事故の後は、電気料金が、特に原発が動いていないから石油等々を輸入するために価格が高騰して、それに伴って電気料金も上がることの指摘はよくなされてまいりました。あるいはまた、再生可能エネルギー促進法が導入されて、再生可能エネルギーによる賦課金も電気料金が上がる要因であるということが指摘されております。

私は、この間全く指摘されずに、しかし、電気料金に大きく影響を及ぼしているのが、東京電力福島第一原発事故の賠償にかかわる部分を各電力会社が一般負担金という形で負担をするようになった、二〇一一年の原子力賠償機構法の成立以降の賠償にかかわる費用を電気料金に上乗せしている部分ということについて、本日明らかにしていきたいと思います。

まず、経済産業省にお伺いいたしますが、この間、経産省が出された資料の中には、この一般負担金が、各電力会社が負担するわけですが、各家庭の電気料金にどのくらい影響を及ぼしておるか、各家庭ごとに見たデータが全く見当たりませんが、この点について、まず政務官の方からお答えをいただきたいと思います。

 

○村瀬政府参考人 お答えさせていただきます。

今のお話は、一般負担金の負担についての開示の話かと思います。これは、料金査定のプロセスの中で、原価の中に入っているコストというのはそのプロセスの中で公表をさせていただいているところでございます。

 

○阿部委員 よく質問を聞いてくださいな。各家庭にどのくらい負担になっているのということを出していないでしょうと聞いているんですよ。ないなら、ないと言ってください。もういいですよ、時間を食うだけです。出していないでしょう。そのことがいかに問題かなんです。

皆さんのお手元に、これは朝日新聞の二月二十七日の記事ですが、既に、この一般負担金というのは電力会社に課せられますが、それによって各家庭の電気料金が一年間、年でどのくらい上がったかということの試算であります。これはあくまでも試算でありますが、幾つかの前提を置いて計算すると、例えば東電、東京電力では、一世帯、二〇一六年の負担額が千百五十九円。これは、事故が起きたための賠償の費用をこれだけ高く消費者は払ったということであります。

私は、経産省にはこうしたデータを、これは新聞社が試算しましたが、本来は国民にわかりやすく見せる、見える化する役割があると思いますし、特に、消費者行政を扱う松本担当大臣に伺いますが、このことが全く水面下、表に出てこない、この状態は消費者にとっていいことなのかどうかであります。

先ほど申し上げました、事故で原発がとまれば石油が高いから上がるよ、再エネも上がるよと言われますけれども、賠償だって電気料金を上げているわけです。事実として国民に伝えるべきですし、各家庭、消費者側から見た目がなければ、実は本当の姿は見えないと思います。

大臣はこういう実態について御存じであったか、あるいは、消費者行政から見ていかにお考えになるか、この二点、お願いします。

 

○松本国務大臣 昨年七月に取りまとめられました消費者委員会による電力託送料金に関する調査会報告書では、使用済み燃料再処理等既発電費用、電源開発促進税等の政策的観点からの費用について、本来、送配電事業に要する費用ではないが、託送料金の仕組みを通じて集めるものとして、料金制度上、原価算入されている、これについて、消費者に十分周知、納得されているとは見られないと評価されております。

また、報告書では、これらの政策的観点からの費用について、送配電事業に要する費用と区別して、検針票に記載するべきなど、消費者へのわかりやすい情報提供について提言をしているところでございます。

この報告書の内容につきましては、昨年七月に、消費者担当大臣から経済産業大臣に申し入れを実施しております。私も経済産業省に申し入れました。経済産業省において適切な対応が講じられ、今後、消費者に向けた情報提供が一層進むことを期待しているところでございます。

 

○阿部委員 済みません、松本大臣、質問が一つ飛びました。

お手元の資料の四枚目というか、裏表になっておりますので、資料四というのをごらんいただきたいと思います。ここには電気料金の構造が書いてございます。

今大臣が御答弁いただきましたように、電気料金には、発電にかかわる部分と送配電にかかわる部分がございます。電気料金と言われますけれども、大口のものは電力料金、そして家庭は電灯料金という分けがございますが、いずれにしろ、発電にかかわる部分と、送電にかかわる、この二つがあるということであります。

今、私が前段で御指摘いたしました一般負担金で、原子力賠償機構法ができてから上乗せされているのは、この上の各電力会社の発電の料金に上乗せを既にされておるということであります。今大臣が御答弁されたのは、プラス、送電部分にもこれから上乗せされていくということでありまして、丁寧に御答弁いただきましたが、一つ前の質問を私はさせていただきました。

 

〔委員長退席、河野(太)委員長代理着席〕

 

御答弁の中にもございましたが、実は、今座席に着かれた河野議員が大臣であられたころ、松本大臣がおっしゃった託送料金については、電気料金の中でも特に見えづらいので、内閣総理大臣から消費者委員会に対して、託送料金の実態がどうなっているのかということで諮問がなされました。託送料金についての諮問がなされた、内閣総理大臣から消費者委員会に対してです。

その中で、先ほどの電源開発促進税、これは電源立地のための補助金です、プラス、使用済み燃料の再処理に係る費用も全部この託送料金に上乗せをされておるという指摘と、それが国民から見えづらいということで答申が出されております。

お手元の資料の二でありますが、ここには答申書という形で、内閣総理大臣の安倍晋三殿に対して、消費者委員会の河上さんから答申書がございます。すなわち、「消費者利益の擁護・増進の観点から、経済産業省に対応を求めるなど、消費者庁において必要な取組を進めることが適当である。」

松本大臣がおっしゃってくださったように、ほとんどの国民が、電源開発促進税や再処理に係る費用が託送料にかかっておるということは、知られておりません。やはり、見える化、見せる化していく努力が必要と思いますが、大臣、改めてこの点について、河野大臣当時も、あるいは松本大臣も記者会見等々でこの託送料金の持つ見えづらさについては言及しておられますので、重ねて御答弁をいただけますか。

 

○松本国務大臣 昨年七月に消費者担当大臣から経済産業大臣に申し入れが実施され、私も同様に経済産業省に申し入れをしたとおり、今後、消費者に向けた情報提供が一層進んでいただかなければ、理解、納得をいただくことはできないと思っておりまして、さらに引き続き努力していきたいと思います。

 

○阿部委員 そういう消費者委員会の答申を受けて、松本大臣も含めて、経済産業大臣に対して、これはまだ、当時、河野大臣の時代ですが、「意見」というものが具申をされております。資料の三つ目であります。ここには、「消費者利益を擁護・増進する観点から、当該答申は重要な提言であり、速やかに当該答申の内容に対応することを要請する。」と経済産業省に要請がなされました。

さて、経済産業省としては、見えづらい、隠されている電源開発促進税や再処理費用について、かかる答申を受けてどのような対処をなされたかというのが、これは政務官がお答えいただけると思いますが、一点。

プラス、にもかかわらず、引き続いて、いわゆる電力自由化に伴う電力システム改革貫徹のための政策小委員会中間取りまとめというのを年末にかけて経産省はずっと行われて、その中でも、実は託送料金にさらに賠償費用を転嫁していくということを編み出しました。もうびっくりする、それまでもオープンじゃない、それにかてて加えて託送料金にまた乗せていこうかなんて、消費者委員会からの提言を何ら受けとめていないと思いますが、いかがですか。

 

○井原大臣政務官 お答えを申し上げます。

委員御指摘のとおり、昨年七月の消費者委員会の答申をいただきましたし、松本大臣また河野前大臣からも御指摘を記者会見でいただいているところでありまして、今後の託送料金制度のあり方につきましては、消費者の目線からしっかりしろ、こういう提言をいただいたものと認識いたしております。

この提言も踏まえ、経済産業省では、託送料金を含む電気料金制度についてわかりやすく解説するホームページを充実させるほか、電力・ガス取引監視等委員会において、託送の収支とかあるいは効率化の取り組み状況について事後評価を実施する方針を決定いたしまして、また、送配電網の維持、運用費用の負担のあり方に関して検討を進めていると承知いたしております。

また、電力システム改革貫徹のための政策小委員会の中間取りまとめに当たりましては、賠償への備えの不足分を託送料金の仕組みを利用して広く消費者から回収する際、消費者の負担の内容を料金明細書に明記するように求めていくことを報告書に盛り込むなど、消費者委員会の答申や松本消費者担当大臣の御発言を踏まえた対応をさせていただいていると認識をいたしております。

 

○阿部委員 今、政務官がお答えでありますが、ホームページはどうなっておるかというと、資料の四を見ていただければと、私の資料ではナンバー五であります、下に書いてございますが。

これは、いわゆる検針票に、例えば電源開発促進税が取られていることとか、使用済み燃料の再処理の料金が乗っかっていることが書かれているかというと、電源開発促進税については東京電力以外は書かれておりません。検針票を見ても、取られているということがわからない。下がホームページです。各電力会社のつくっているホームページによる情報提供ですが、電源開発促進税のところには、バツ、バツ、バツ、バツ、バツ、ほとんどが開示されていない。

それでいて、今回また託送料金に賠償費用を乗せようというのは、物の手順が違うし、消費者の納得は到底得られない。

実態をちゃんと提示して国民の合意を得ないと事は進まないと思いますが、はてさて、消費者庁にあっては、この消費者委員会からの答申を受けて、特に消費者庁に期待するところ大と思いますが、それはこの文面の中にも、「消費者庁において必要な取組を進めることが適当である。」と消費者委員会から答申されましたが、果たしてどんな取り組みをしたんでしょうか。今までのものも開示されていない、プラス、さらに転嫁される、これでは消費者は蚊帳の外ですよね。消費者庁、いかがですか。

 

○福岡政府参考人 御質問につきまして、先ほど委員からも御指摘がございましたように、消費者委員会から昨年七月、電力託送料金に関する答申をいただきまして、その答申につきまして、同じく七月に、消費者担当大臣から経済産業大臣宛てに、提言内容の速やかな対応につき申し入れを行ったところでございます。その後、消費者庁としては、継続して、経済産業省にその対応を求めてきているところでございます。

特に、委員からもお話がございましたが、昨年ございました、経済産業省の電力システム改革貫徹のための政策小委員会の中間取りまとめの策定につきましても、昨年十二月九日の時点で案が公表されたところ、廃炉、賠償費用の託送料金への算入について、十二月十三日の定例記者会見において消費者担当大臣から、託送料金は送配電に必要な費用に限定すべきであり、賠償、廃炉費用の上乗せは極力慎重であるべき、そして続きまして、仮にどうしてもやむを得ないという場合でも、消費者に丁寧な説明、周知をして納得を得られるよう、電気料金の請求書などで、廃炉、賠償費用の総額としての支払い相当額を区分して表示することなどを求める発言を行ったところでございます。

この大臣発言に基づきまして、消費者庁と経済産業省の間で調整を実施いたしまして、十二月十六日の中間取りまとめ案では、賠償への備えの不足分を託送料金の仕組みを利用して広く消費者から回収する際におきまして、消費者の負担の内容を料金明細票に明記するよう求めていくことを報告書に盛り込むなどの対応が図られた、そういった調整を行っているところでございます。

 

○阿部委員 賠償費用の上乗せを極力慎重にと言われましても、実は、過去に原発を使った、一九六六年から二〇一一年、機構法ができるまでの間、原発を使った過去の分を託送料に上乗せするんですね。これからじゃなくて、過去。

普通、物の取引で、一旦売買が成立した後に、昔もっと金がかかったんだから払ってくださいよなんていうのは、商取引の世界ではないんですよ。一旦そこで契約は終わっている。昔取りっぱぐれたからこれから払ってくださいなんていう商取引がまかり通ったら、今、価格を設定したり約束したりすることは何の意味も持たない。

極力慎重にじゃなくて、過去分をまず上乗せすることが倫理的に許されるのか、商取引から、消費者保護の観点から。売買をさかのぼって金を出せというルールはいいのですかということを、国民にわかりやすく合意を得るべきだと思いますよ。到底合意できません、そんなものは。もう払ったし、これからさらに昔のを出してよなんて言われた日には、私たちは何の買い物もできなくなりますよ。

松本大臣、いかがですか。私は資料の六につけましたが、これは経産省が編み出したからくりで、過去、賠償費用として積み立ててこなかったから、足りない分はこれからの人から取りましょう、生まれてもいない子供からこれから先四十年取りましょうというのは、本当に商取引でいいですか、消費者保護でいいですか。大臣、いかがでしょう。

 

○松本国務大臣 平成二十八年十二月二十日閣議決定の「原子力災害からの福島復興の加速のための基本指針について」では、「国民全体で福島を支える観点から、福島第一原発の事故前には確保されていなかった分の賠償の備えについてのみ、広く需要家全体の負担とし、そのために必要な託送料金の見直し等の制度整備を行う。」とされております。

今後、消費者の過度な負担につながらないよう、送配電事業者におきましては、これまで以上の合理化によるコスト削減を進めるとともに、経済産業省におかれては、引き続き、消費者に丁寧な説明、十分な周知を行い、納得を得られるように対応していただきたいと考えております。

 

○阿部委員 どんなに説明されても納得できない、商取引の原則から逸脱しているというのが私の指摘であります。

今、松本大臣もおっしゃったように、福島復興のための閣議決定の中でこれがぽんと決められるわけです。過去分も含めて消費者に負担してもらいましょうと。これじゃ消費者行政はないがしろ、本当に消費者は守られない。

私は、原発事故を、国全体として進めてきましたし、国民も何らかの形でこれはかかわっていかざるを得ないとは思っております。しかし、その場合であれば、例えば、それを税で負担すべきか、あるいはこれからの消費者に転嫁していくべきかなどは、しかるべく議論があって当然なことであります。今までもやぶの中、これからも知らないうちに転嫁される、これでは余りにも消費者は保護されない。

経済産業省に伺いますが、なぜ、こんな政省令の手のうちで勝手な賠償を乗せて、本来、原子力賠償機構法の改正や、どういう形でお金を、足らざるならば、ここで生み出していくかについて、もっと、どうして法改正やあるいは税による手当ても含めて考えないのですか。託送料で、政省令でやってしまえば、国会も関与できない、もちろん国民だって、今までも知らない、これからも知らない、でも負担はかさむ、この点についてどうですか。

 

○井原大臣政務官 お答えを申し上げます。

まず一つ目には、過去分について、商取引上いかなる理由をもって許されるんだろうか、また、しっかりと法でするべきではないかということであります。

規制料金のもとでは、一般的な商取引のように、将来に追加的な費用が発生するそのリスクを勘案し、もっと言えばリスクの範囲を想定するわけですが、あらかじめその費用を料金で回収することは認められておりません。料金の算定で、現に発生している費用等、合理的に見積もられたもののみを原価に算入するということが認められております。

このため、元来合理的に算定できない時点では回収してこなかったものの、費用の発生が明らかになった時点で、その時点の料金原価として算入をするということでございますので、今回の措置に商取引上の問題はないと考えております。

また、御指摘の過去分に関する議論でありますが、福島事故以前には、賠償に係る備えが、原子力賠償法に基づく賠償措置、千二百億円でございました。制度上、事業者がこれを超える備えを規制料金のもとで回収し、みずから資金を確保する自由は認められていなかったということでございまして、一つには、政府としては、制度の見通しが不十分だったということは素直に認めて、反省しなきゃならないことだろうというふうには思っております。

ただ、自由化の進展に伴いまして、これまで規制料金での回収が認められていた機構法による一般負担金を負担しない消費者がふえていくという環境のもとでございますので、この備えの不足分について、福島の復興を支えるという観点とか、あるいは原子力の電気を広く消費者が利用していた実態があること等を勘案すれば、消費者間の公平性の観点を考えると、託送制度を利用した公平な回収措置を講じることが適切というふうに考えております。

その料金上の扱いをどのようにするかという議論でございますので、原賠機構法の改正が必要とは考えておりません。むしろ、これは電気事業法の関係になるのではないかというふうに思っております。

託送料金については、電気事業法上、送配電網の維持管理に係る費用などに加え、ユニバーサルサービス料金など、全ての消費者が広く公平に負担すべき費用を含めることができる制度となっておりますので、今回の不足分については現行の電気事業法のもとで対応できると考えております。

以上です。

 

○阿部委員 これまで分じゃなくて、これからなんです。使ったのは過去、それをこれから料金を取るなんということはあり得ないのです。

こんな論理がまかり通ったら、さっき言いました、どんな商売も、いや、これからもっと払ってもらいましょうで、先ほどのいろいろな消費者保護という観点からは逸脱をしますし、最後に言わせていただきますが、ほとんどの国民が知らないんです。知らない中で経産省が勝手にやっていいことでもない。

松本大臣にはお願いがあります。

消費者庁並びに消費者委員会は、もっと積極的にこのことに関与していくべきであります。これからガス等々の、電力取引監視委員会等々にもかかると言いますが、それは全部経産省の手のうちなんです。誰が消費者の利益を守るか。プラス、託送料金が自由化されていないから、またそこから取るんです。

 

○河野(太)委員長代理 阿部知子君、既に持ち時間が経過しておりますので、質疑を終了してください。

 

○阿部委員 はい、済みません。

強制的に取れるところを狙って取るという方法は、私は非倫理的だと思います。

済みません、長くなりました。ありがとうございます。

 

○河野(太)委員長代理 次に、清水忠史君。

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2017/05/02 国会質疑   abetomoko

3月28日 本会議(法案提出趣旨説明)議事録

阿部知子が「将来にわたる質の高い介護サービスの提供の確保等のための介護保険法等の一部を改正する法律案」及び「介護・障害福祉従事者の人材確保に関する特別措置法案」(議員立法)の法案提出者の1人となりました。

 

〔阿部知子君登壇〕

○阿部知子君 続きまして、軽度者に対するサービスは現行制度を維持すべきとの中島議員のお考えに対する私どもの見解についてお尋ねがありました。

安倍政権は、軽度者に対する介護サービスを縮小することを検討しておられます。軽度者の生活援助サービスを市町村が行う地域支援事業に移行することや、軽度者の福祉用具貸し出しやあるいは住宅改修を原則自己負担とすることなどです。

議員御指摘のように、財政上の理由から軽度者向けの介護サービスを縮小すれば、軽度者の介護サービスの利用機会の減少や利用抑制を招き、要介護状態を悪化させかねません。その結果、悪化してしまった要介護者がふえて、かえって介護保険財政の逼迫に拍車をかけるおそれがあります。朝三暮四、中長期的視野に立って検討しなければ、本末転倒の事態が起こりかねません。

本法案では、軽度要介護者、要支援者に対する保険給付に係るサービスが、将来にわたってあまねく全国において十分な内容及び水準で提供されるようにする旨の規定を設けております。介護保険の空洞化につながる軽度者切り捨ての防止が、本法案の五本柱の一つとなっております。(拍手)

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2017/05/02 国会質疑   abetomoko

3月24日厚生労働委員会議事録

○丹羽委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

本日は、委員長初め与野党の筆頭理事の皆さんが一般質疑の場を設けてくださって、また感謝をいたします。

と申しますのも、先回も申しましたが、厚生労働委員会は、時に法案をめぐって与野党の対立が激しくなることもございますが、基本的には、国民の暮らしには政治の、政党の色もないんだと思います。命をしっかりと守って、本当によい医療やあるいは保育、子供たちのためのものを提供していくということにおいて、与野党を超えた論議が行われることをまず希望しますし、委員長にはこれからもそうした御采配をお願いいたします。

そして、さはさりながら、実は今、森友問題で昨日も証人喚問等々ございまして、私は、長年子供にかかわる者として、子供の問題、特に幼児教育、大事な幼児教育の問題が、時の総理やあるいは御夫人がそれに関与したか否かというような形で取り上げられるということは大変悲しいし、本来ではないと思っております。

また一方で、民主党時代に進めましたこども園、これは自民党政権、自公政権になっても続けておられますが、その中で、子供の給食の量まで減らしてやっているような園がある。一体子供たちを守るということをどう思っているのだと、本当に問われております。

ここで委員長にお願いがありますが、子供の保育とか、保育園不足もあります、保育の質もあります、内容もあります、そういうことでまた、理事とも御相談の上、集中審議等々をお考えいただきたいと思いますが、いかがでしょう。

 

○丹羽委員長 理事会で諮らせていただきます。

 

○阿部委員 では、以上二つ、一般質疑や集中審議の充実をお願いした上で、本日の質問に入らせていただきます。

きょうは、理学療法士、いわゆるPTの育成問題、養成問題を取り上げさせていただきます。

私はもともと医者でありまして、PT、理学療法士や作業療法士、OTは大事な仲間であり、その養成は、時代の、今のような少子高齢社会、御高齢者が大変ふえてニーズも高まっている中で極めて重要と思いますが、そうした背景の中で起きた事案であります。

きょう御紹介したいと思いますのは、実は、大阪府にございます理学療法士の養成学校において、資格取得のためには理学療法士さんには臨床実習というものが課せられておりますが、その臨床実習中にみずから命を絶たれたケースが二例続いております。平成二十年と平成二十五年ということで、一例目の事案、二十年の事案については、既に、実習先の担当者によるいじめとして裁判で判決が確定をしております。二例目の事案は、近畿厚生局によって事情聴取も行われていますが、現在係争中であります。

係争中であるということで、個別の事案についてはお答えづらいということは理解をした上で、しかし、リハビリにかかわる人材教育ということの中で、はっきり言って、見よう見まねの非科学的指導や、現代に合わない徒弟的な対応が大変多いということも浮かび上がってまいります。その点をぜひ是正していただきたく、質問いたしました。

きょう、お手元のチラシに、この亡くなった二例目の大野輝民さんの事実経過というものがございます。この事案は二〇一四年の十一月に奥様が提訴された。亡くなったのは一年前です。そして、そのとき新聞にも載りましたが、その後、裁判が進んでおりまして、その中でわかったことなども含めて、私の事務所で責任を持ってまとめたものであります。

この大野さんは、二〇〇九年でしょうか、三十六歳で近畿リハビリテーション学院に入学いたしまして、大変成績は優秀で、一年生の後半は学級委員も務めておられたという方です。

二〇一二年、三年次になったときに、総合研修というのを受けましたときに、この研修先で睡眠不足になり、この方が非常に強いストレスにあったということで、一回実習を中止しております。それゆえに、結果的に、就職も内定しておりましたが留年ということになり、翌年再び、再チャレということで、また実習にチャレンジいたします。ところが、この実習先が、ここに行きなさいというのは学生は選べないので、言われたところに行くことになるのですが、この病院が生徒間で極めて評判の悪い研修先であったので不安を漏らしておられたと。

ここに、十一月五日から二十五日余りの時系列がありますが、その実習先で、レポートを提出するために毎夜三時までかかるとか、指導者から激しく叱責され、もうやめて帰れと言われるとか、都度、リハビリテーション学院の方の教官とは連絡をとりましたが、うまく調整されないまま、最終的には、中間発表というのがあって、この実習が終わる終わらない、めどというのが出される日に、実はこの方は、その実習先から近くの公園に行って亡くなられたという事案であります。

実習というのは、マンツーマンに近い形、あるいは指導者は絶対的権限を持ってやるので、非常にストレスの起こりやすい現場であるということで皆さんにちょっと御紹介をいたしました。

引き続いて、二枚目の資料を見ていただきますと、この方が亡くなった年に大変近いのですが、この方は、先ほど申しました、平成二十五年に亡くなっておられますが、リハビリテーションの関係で一例目の死の事案が起きた平成二十年の後、関係諸団体においても実習のあり方を見直そうということで、リハニュースというのを取り上げて、ここにお示しをしております。

こうした事態が起こる背景には、実は、一九八九年からの二十年をとっても、リハのOT、PTなどの養成は約十倍以上の定員に膨れ上がっております。一番下段の図で、定員の増加がウナギ登りになっているのがわかると思います。

そういう中で、急増して、はっきり言えば粗製乱造になりかねないからということで、各所属団体が厚生労働省に対して申し入れをいたしております。これもお手元の三枚目につけてございますが、平成二十一年五月十四日の申し入れです。一例目の自殺が起きた一年後のことでございます。

ここでは、リハビリテーション学校協会や理学療法士協会、日本作業療法士協会、三者の連名で、厚生労働省の医政局、当時、外口さんでしたが、に対して要望が出ております。簡単に要約すれば、実習課程をしかるべく、例えばガイドラインをつくったりマニュアルをつくったりして向上させてくれ、臨床実習施設の要件を厳密にしてくれなど、当然の要望であります。

さて、こういう要望を受けた厚生労働省としては、いかなる対応をとられたでしょうか。一問目、お願いいたします、医政局長。

 

○神田政府参考人 お答えいたします。

先生御指摘の、平成二十一年五月に日本理学療法士協会などからいただいた要望書の扱いについてでございますけれども、その内容や背景、事実関係などを確認する必要があるということから、医政局の担当課におきまして関係団体と話し合いを進めておりました。平成二十二年の六月には、全国リハビリテーション学校協会の会長と当時の局長が面会いたしております。

その後、担当課において、要望内容を裏づける実態のデータの提出依頼や、今後の対応方針について、関係団体と継続的にやりとりを行ってきたところであります。

こうしたやりとりを踏まえまして、担当課におきまして、教育内容の改正に向けた理学療法士の養成施設の実態調査について、本年一月にその調査を実施したところでありまして、現在、その集計作業を進めているところでございます。

 

○阿部委員 今の御答弁を要約すると、一例目の自殺事案が起きて、平成二十一年に申し入れがあって、今年度からの調査。今、平成二十九年であります。その空白のというか、面接はしていた、あるいはお話を聞いていた、でも具体的なアクションは何もなかった中で、二例目の事案が、悲しいことに起きてしまっているということであろうと思います。

実は、この間にも、養成校の許認可にかかわることは厚労省から県におろされております。では、県におりる段階で、果たして、こういうバックがいろいろ起きていることで、要請も上がっていることで、厚労省としては、県に何か指導をなされたか、あるいは、こういうことが重要ですとかお伝えになったでしょうか。

 

○神田政府参考人 平成二十六年に制定されました第四次地方分権一括法に基づきまして、平成二十七年四月に、養成施設の指定ですとか、変更承認、届け出、報告徴収などの権限が都道府県に移管されたところでございます。

その際には、地方分権を進める観点から、これまで国が定めてきました指導要領を廃止した上で、実習施設における生徒に対する指導者の割合でございますとか、教育上必要な機械器具等に関する詳細な事項などを、指導要領と同様の内容をガイドラインとして平成二十七年の三月末に都道府県知事宛て通知によりお示ししているところであります。

これにあわせまして、それまで厚生労働省が行ってきた養成施設の指定や変更等の具体的な業務内容をまとめました事務処理マニュアルにつきましても、各都道府県に対して通知をしたところでございます。

 

○阿部委員 私が伺いたいのは、厚労省がやってきたことの中でいろいろな事態が起きた、このことも含めて、改善されたものとして手渡さなければ、それはよりよい養成にはならないということです。

厚生労働省に対して平成二十一年に申し入れがあって、二十九年まで、今日までほとんど何もせず、地方移管についても、少し書きかえた程度のものでお茶を濁してきた。もうはっきり言って、私は、この間の厚労省の不作為というものは、本当に日本にとって非常に大きなマイナスであると思っております。

さて、そうはいっても、何もやらないよりはこれからやっていただく方がいいので、皆さんがやろうとしている、平成二十九年、これから養成校にアンケートを発出しようということで、アンケートの中身をいただきました。

お手元のを開いて資料四の一ですが、ここには、理学療法士、作業療法士等の養成学校施設における実態調査ということがアンケートとしてこれから予定されております。

先ほど申しましたように、こういう事案があるので、何もやらないよりはやった方がいいんですけれども、果たしてこれが十分に、起きていることの事態を把握できるものであるかどうかということで、私は大臣にも提案をしたいと思います。

お開きいただきました四の一には、実は養成学校では退学者、中途退学が大変多いので、中途退学の理由を問うたものが、経済的、身体的、精神的、留年というふうにラフに挙がっております。

それから、一枚開いていただいて、では、先ほど申しましたようなパワハラ、あるいは実はセクハラが大変多うございまして、そういうものに関して、臨床実習施設を含んで指導側と学生側にあったトラブルについて聞かれておりますが、実は、セクハラ、パワハラ等はトラブルではございません。トラブルではなくて、加害側と被害側がある中で起こることで、トラブルはどうですかといって学院側に聞いたり養成施設側に聞いても、ほとんど、パワハラ、セクハラの実態は上がってまいりません。

厚労大臣に伺いたいと思いますが、そもそも、今ちょっと私の説明が長々して恐縮でしたが、こういう現状、そしてそこの中で、特にパワハラ、セクハラは、実は、学生と指導者の間のセクハラの比率は、学会などでは一六%と言われております。大変高いということで、きちんと把握して臨んでいただきたいが、こういうアンケートの改善などについて、大臣はどうお考えであるか。

 

○塩崎国務大臣 まず第一に、当然のことながら、教育現場、養成施設ですが、パワハラ、セクハラ等々あってはならないことはもう言うまでもないわけであって、そもそも、今御指摘のように、理学療法士の皆さん方にとって大もとになるのが、理学療法士及び作業療法士法という法律があって、これはもう既に五十二年たっています。直ったことはほとんどない。こういうことで、目的規定も不明確で、資格は書いてあるけれども、何のために何をするんだ、こういうことがやはり必要なんじゃないか。

私どもは今、医療の将来のあり方、働き方のビジョン、両方ともビジョンを考えようということでやっていますが、その中で、タスクシェアリング、タスクシフティング、つまり、チーム医療をする際に理学療法士の皆さん方には何を担っていただいたらいいのかというようなことを考えていくと、この理学療法士の皆さん方、あるいは作業療法士もそうですけれども、何を期待して、何をやっていただくかということをまずやはりきちっと据えることが大事なんじゃないか。それがあって初めて養成の中身が決まってくるということだし、また、他の関係医療職種との協調の仕方、協力の仕方も変わってくるのかなというふうに思っておりますから、そういうことも含めて考えていくべきかなということを、まず大きな話として申し上げたいというふうに思います。

理学療法士の養成施設の教育内容の見直しに向けて、本年一月に養成施設に対する実態調査を行っていますが、この中では、臨床実習時におけるセクハラ、パワハラを含むトラブルの件数について調査の対象となっているということで、現在その集計を行っているというのが、きょうお配りをいただいたものだろうというふうに思います。

一方で、養成施設からだけ聞いていたのでは不十分ではないかという御指摘は、そのとおりだと思います。やはり生徒さん、学生さんに対してもアンケートを行うということは、養成施設の現場の実態を立体的に、供給サイドじゃなくて需要サイドの方がどう思っているのかということを正確に把握することの上では大変重要なことだというふうに思いますので、今後、生徒さん、学生さんたちを対象とした調査を実施することも含めて、検討しなければならないというふうに思います。

平成二十五年十一月に、理学療法士の養成施設である、先ほど御指摘をいただいた大阪の専門学校における自殺事案、これは現在、養成施設や実習先の施設を運営する法人と御遺族との間で係争中であるということでありますから、個別のことは私も触れるわけにはまいりませんが、しかし、やはり健全な形で養成が行われるということ、そして新しい医療のビジョンにのっとって行われるということが大事でもございますので、そういうようなことで、アンケートについても改善を図っていきたいというふうに思います。

 

○阿部委員 極めて本質的で、かつ前向きな御答弁をありがとうございます。

理学療法士というのは大事なパートナーです。本当に、これからの時代、病院でも、地域包括ケアでも、あるいは私のやっている小児神経の分野でも、彼らを欠いていい医療はできない、いいケアはできないという大事な人材ですので、ぜひ、悲しい死、あるいは中途で退学などが起こることのないよう、よろしくお願いしたいと思います。

そして、きょうは文科省にも来ていただいていますが、実は、養成校には厚労省系と文科省系と両方ございまして、厚労省系ではない文科省系では、文部科学省全体にかかわることでもあるので。

文科省におけるセクシュアルハラスメントの防止に関する規程の制定というのを平成十一年にお出しであります。

昨日、あらかじめの段階で当局とお話を詰めた段階では、こういう指令は発出したけれども、実際、現場ではアカデミックハラスメントが多いわけですし、また、個別の指導になるようなこういうもので、どのような事案が上がってきているか、あるいは指導されているかなどについてお尋ねをいたしたいと思います。

 

○樋口大臣政務官 先生今御案内いただきましたけれども、十一年に、全国の大学に対して、ハラスメント防止のための啓発、相談体制の整備を行うようにまず通知をいたしました。

その後、文部科学省では、お尋ねの理学療法士の養成大学も含めて、全国の全ての大学でのハラスメント防止の取り組み状況を調査しております。

その調査結果によりますと、相談窓口の設置や調査、対策機関を設置するなどの取り組みが進んでおりまして、平成二十四年度以降は、全ての大学でハラスメント防止のための取り組みが実施されていることを把握しております。

また、大学の担当者が集まる会議がございますけれども、文部科学省から各大学に対しまして、ハラスメント防止の取り組みの充実を毎年促しているところでございます。

以上です。

 

○阿部委員 全般的状況はそうだと思うのですが、昨日お願いしたのは、特にこういう理学療法士の養成、作業療法士の養成、あるいは看護師の養成などで、文科系にかかわるところで実際はどうなっているのか。他の、大学のほかの部分とちょっと違うと思うんです。生身の人間同士の接触がすごく多い部分ですので、そういうことにも心を砕いていただけたらと思います。

引き続いて大臣にお願いをしたいと思いますが、実は、理学療法士の教育課程で、実習時間って、養成されるのは八百十時間もあるんですね。すなわち、養成の中で実地研修のウエートがすごく高いのが理学療法士であります。それをクリアしていかないと国家試験も受けられないということになって、非常にそこにプレッシャーが高まる構造がございます。

そして、この八百十時間という、過度のというか、非常に時間の多い臨床実習の中で、実は事故が多発をいたしております。ある関西の養成校では、百七十六人の学生の臨床実習で、転倒六件、骨折一件、転落一件、脱臼一件、痛みの誘発一件など。

やはり人を相手にやる実習なので、先ほど大臣もおっしゃいましたが、どんな理学療法士を求めるか、技量も高く、患者さんに接することができる理学療法士を求めるといいながらも、今、過度に、学生段階におろされた実習というのが多くて、何を学生段階にするか。

私たち医者は、例えば、卒後研修といって、学生時期にも研修しますが、卒後の研修カリキュラムというものも非常に厳密にチェックをされております。看護師さんもそうであります。理学療法士においては、実は、卒後教育というものはほとんど何の規定もなく、卒前教育のカリキュラムについても、具体的なものが明示をされておらないという状態であります。

このことについて、先ほど大臣は包括的にお答えくださいましたが、私は、特に、カリキュラムとか、何を身につけるべきか、どういう指導であるべきかなどにフォーカスを当てて厚生労働省として検討をしていただきたいと思いますし、なおかつ、先ほどのアンケートでは、どれだけ事故が起きているかということも養成校に問いかけていただきたいです。これは、起きてはならないことだけれども、また、隠してもならない、改善のためのものでございます。

医政局長には、ちょっと一問飛ばしましたが、時間の関係でお許しいただいて、大臣にお願いいたします。

 

○塩崎国務大臣 カリキュラムを中心に、どういう養成の中身をこれから詰めていくかということかと思いますが、理学療法士の養成につきましては、理学療法士作業療法士学校養成施設指定規則というのがあって、そこで学校または養成施設の指定基準を規定しておりまして、大学と同様に、教員の数だったりその質、あるいは必修とされる教育内容とその単位数などを定めているわけであります。

また、実習施設における生徒に対する指導者の割合、あるいは教育上必要な機械器具等に関する事項については、養成施設と大学に共通した、理学療法士作業療法士養成施設指導ガイドラインというのを定めております。

今後、高齢化の進展に伴って地域包括ケアシステムを構築する中で、リハビリテーションの専門職種の活躍というのが期待をされるわけでありますから、教育内容の充実を図るということは先生おっしゃるとおりだと思います。

理学療法士の養成施設のカリキュラムにつきまして、外部有識者を交えた検討会を立ち上げるということにしておりまして、この中で、議員の御指摘も踏まえて、総単位数の見直し、それから臨床実習のあり方、いろいろトラブル、事故があるということですが、そういうことも踏まえて議論してもらわなきゃいけないと思いますし、それから、御要望が既にかねてから来ておりました専任教員の要件であったり、能力担保をどうするんだ、そういうことだろうと思いますが、こういうことをしっかり議論していただいて、養成施設の指定規則とガイドラインの改善や、カリキュラムの具体的な見直しを検討しなければならないと思います。

さっき申し上げたように、五十年以上も前につくった法律にのっとってつくられるのではいかがなものかなとも思いますし、また、地域包括ケアシステムといっても、例えば、地域包括支援センターに必ずしも理学療法士は必置でもないし、特に触れられているわけでもないのかなと思いますが、そういうような、これから地域包括ケアシステムをつくるという新たに加わってきている私たちの大きなテーマ、これにふさわしいカリキュラムをつくっていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思いますので、さまざまなことを一緒に考えていきたいと思います。

 

○阿部委員 ありがとうございます。

実は、柔道整復師に関してもカリキュラムの見直しというのがもう既に進められていて、この次が理学療法士となっております。大臣が言われたように大変重要な職種ですので、カリキュラムをしっかりして、そして卒後の教育にウエートを置いていく。

そして、プラス、最後の質問になりますが、大臣が先ほど少しお答えいただきましたが、五十年前につくられた法律で、実は、この理学療法士は名称独占であって、業務独占じゃないんです。理学療法士という名前は独占なんだけれども、業務は他の人がやってもいいという。当時、業務独占にしなかった理由は、理学療法士が足りないから、はっきり言って手伝ってもらおうということで名称独占でした。

ここも含めて、大臣、ここはちゃんと理学療法士さんの地位を確立して、そして社会を支えていただくというふうに、業務独占ということも検討していただきたいが、いかがですか。

 

○塩崎国務大臣 今は、理学療法士というのは名称独占になっているわけでありますが、医行為として行われる理学療法、病院で行われるような理学療法については理学療法士の業務独占となっているわけであります。

一方で、医行為に当たらない、生活機能の維持を目的とした体操とかそういった類いの行為につきましては、介護予防等の現場で介護職員などによって広く行われている。これは理学療法士が指導した上で行われていることが多いんだろうと思いますが、そういう実態を考えてみますと、こういった行為自体を理学療法士の業務独占とするということになりますと、それについては少し、介護職員が行えなくなる可能性とか、そういうことも含めて、慎重に検討すべきなのかなというふうに考えております。

いずれにしても、これから自立支援介護ということを進めようという大きな流れがある中で、理学療法士の果たすべき医学に基づいた能力というものは最大限生かしていくべきではないかというふうに思いますし、今介護のデータベースをつくり直そうとしていますが、そのときにも、理学療法士の皆さん方の知見は非常に重要な貢献をしていただけるのではないかと私は思っております。

 

○阿部委員 ありがとうございます。

確かに、いろいろな人が介護にかかわってはくださっています。それを危険のないよう指導していく人がいないと大変不幸な結果も招きますので、ぜひよろしく御検討ください。

ありがとうございます。

 

○丹羽委員長 次に、初鹿明博君。

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2017/05/02 国会質疑   abetomoko

3月17日環境委員会(参考人質疑)議事録

○阿部委員 本日は、原子力規制のあり方について、おのおの深くそのことにかかわった人生をお過ごしの皆様の貴重な御発言をいただきまして、私は本来この委員会の所属ではございませんのですが、この機会を得て、きょうはラッキー、よかったなと思いました。そして、そういう観点から御質問をさせていただきます。
 三・一一、二〇一一年のあの原発事故の後、原子力と私どもはどう向き合っていくのかというのは、大きな国民的関心事でもございます。その関心事の中心はやはり安全性ということにあって、まず関村参考人に伺いますが、恐らく最も長く原子力規制のあり方にかかわってこられて、三・一一事故が起きた原因は、多様な、いろいろな組み合わせというか、複合的、あると思いますが、規制上、何が最も問題で三・一一に至ってしまったのか。多様ですけれども、一つと言われたら、一番肝の部分は何か、お答えをいただきたいと思います。

○関村参考人 ありがとうございます。
 一つということでは済まされないというのがまず第一、一つ目の重要な点になってしまうわけですが、規制という立場でということでございますので、やはり規制だけで安全性が向上するわけではなく、事業者がどのように物を見ているかということについてきちんと入り込んでいかなくちゃいけない、これは、検査制度という観点できょうはお話をしておりますので、そのような観点で申し上げさせていただかなくちゃいけないというふうに思います。
 もし安全性を向上するということが共通認識になっていかないのであれば、これは厳しく、どうしてあなたたちは安全性向上をできないのかということを指摘し、国民にもしっかりと提示をしていくという役割が規制側にあり、かつ、安全性を向上していくという意図があるのであれば、あなたたちはどうしてそういうことが気づかなかったのか、気づいたところはどうやって具体化しようかという問いかけ、それに対してちゃんと答えを出していくプロセス、このような、コミュニケーションという言葉で言うと非常に陳腐に聞こえるわけですが、このようなインタラクションをきちんと持っていくことによって安全性が向上するんだという考え方が決定的に不足をしていたという観点が極めて重要な一つのお答えになろうかなというふうに思っております。

○阿部委員 ありがとうございます。
 一九五五年に原子力基本法が制定されて、自主、民主、公開でしたけれども、おっしゃったように、コミュニケーションの前提には公開、情報が公開されてコミュニケートしていくということがあると思いますので、その点でいろいろな隠蔽体質と呼ばれるようなものも大きく影響していたのかなと思います。
 引き続いて、伴参考人にお伺いいたします。
 伴参考人が今所属、代表を務めておられる原子力資料情報室は、高木仁三郎先生が、市民とのコミュニケーションというか、国民と原子力ということをずっと考えて、そのための資料情報を提供しながらあり方を考えていこうという長い歴史のあるものであると思います。お取り組みにも敬意を表します。
 その上で、伴参考人から見て、先ほど関村先生はコミュニケーションの問題が大きかったとおっしゃいました。一番、一つ挙げるとすると、三・一一が起こった原因、何と思われますでしょう。

○伴参考人 規制との関係でいいますと、私は、規制委員会、以前は原子力安全・保安院になりますが、それがきちっと独立した活動をできていなかった、ちょうど国会事故調査委員会の報告書にもありますように、事業者の言いなり、規制のとりこになっていたということが規制の関係では一番大きな原因であろうかというふうに思います。
 その反省を踏まえて今の原子力規制委員会ができたわけですが、今般の改正案、定期検査の改正案は、むしろその流れに少し逆行しているのではないかというふうに受けとめています。
 というのは、やはり独立した規制としてそれをきちっと強めていかないといけない中にあって、事業者の善意あるいは自主性に任せてしまうというのはよろしくないというふうに受けとめていて、違うシステムをつくるべきだというふうに考えています。

○阿部委員 引き続いて、小倉参考人に伺います。
 先ほど、長年原子炉の技術分野にかかわられて、設計自身が、ベントをつくらなくちゃいけなかったり、あるいは水素を逃すような、圧を下げるようなものを付加しなければいけないということの構造的問題がそもそもあったということの御指摘はありましたが、それを踏まえた上で、さて、三・一一について、お立場から、最も原因と考えられることは何であるとお思いでしょう。

○小倉参考人 お答えします。
 先ほど私、冒頭にお話ししましたけれども、二〇〇七年の中越沖地震で、要するに、基準地震動を超える地震が起きる可能性があって、その大きな地震が、どのぐらいの大きさでどのぐらいの確率で起きるかがわからない、そういうことをお話ししました。そういう、非常に危険がある程度見えていたわけですね。
 それと、二〇〇六年に耐震設計新指針を安全委員会が策定し、それを保安院が各電力会社の社長さん宛てに送った手紙に、万一基準地震動を超える地震が来て大量の放射能が環境に漏れたときのその影響を定量的に検討し、速やかに報告しなさい、こういう文章が入っているわけです。ところが、その保安院の問いかけに対して、ちゃんと回答した電力会社はないんですよ。
 例えば、当の柏崎刈羽原発で、三・一一と同じような、三月という、季節風が北から吹いているときに同じような事故が起きたら、関東平野はもう全滅ですね。あの福島の経験を見ればわかりますね。ところが、その恐ろしさ、怖さ、そういうものを理解する想像力、これが私は電力会社の経営者に足りなかったんだと思うんですね。それだけのデータあるいは情報があれば、想像力を働かせれば、このままで運転したらどういうことが起きるか、それがどれほど恐ろしいかということは理解できたはずなんです。
 もしそれがあれば、わずか二年後にあれが起きたんですから、三年ぐらい安全かどうかを確認する、つまり、原発の運転をちょっと待って、三年ぐらい待って、そしてそれが確認できてから再稼働すればよかったんですよ。そこに私は原因があったと思います。

○阿部委員 御指摘ありがとうございます。
 ちょうど二ツ川参考人にお伺いしようと思っていたことなのですが、実は、三・一一の福島事故の後、私の後輩に当たる、東大のアイソトープ研究所の所長の児玉龍彦さんが、私も三月の下旬に福島に参りましたら、もう既に拡散してしまった放射能をどうやって人々の生活から取り去るか、特に子供さんの保育園とかそういうところで、既に一生懸命活動をしておられました。
 私も医者ですが、ここほどの、こんなに飛散する放射能の状態、特に霧のようになって飛んでいくというのはなかなか経験がなく、それまでアイソトープ管理というのは、厳重に閉じ込めて、逆に言うと隔離していくということを旨としてきたことから見ると、真っ逆さまの事態が起きてしまったと思うのです。
 先生の直接の御専門、医療分野で特に重要であったり、さまざまに今アイソトープは生かされますけれども、と同時に、これが事故により拡散する場合の問題も多々あると思いますが、先生は、この三・一一事故について、先生御自身のかかわりという意味ではなくて、どのような要因が問題であったと思っておられますでしょうか。

○二ツ川参考人 私が直接的に原子炉等の設備に関係していないので、その原因等はわかりかねるんですが、やはりおっしゃられたとおり、放射線というのは、本来、私どもは、規制された管理区域の中で放射性物質を通常取り扱っております。ですから、このように大量に飛散されたものについて、それをどう取り扱っていいかということは、通常我々は、施設の中で廃棄物が飛散した場合には除染という形をやるわけですけれども、それはごく限定されたものでやっておりますので、今回のようなものに対してどのように除染に取り組めば本当に原状回復ができるかというところには、ちょっと知見を有してはおりません。
 ただ、やはり我々としては、放射性物質を有効に利用するには、きちんとした、限定された中で安全に取り扱う、それが基本であろうというふうには思ってございます。

○阿部委員 では、引き続いて、主に関村参考人と伴参考人にお伺いをしたいと思いますが、お二方とも、事業者による規制と原子力委員会の規制がどうあるべきかというところで、それぞれのお考えがおありであると思います。
 関村参考人には、私は、今回、事業者が第一義的に定期検査を行うということは、それは必要ではあるのですが、と同時に、ある意味では、並行して規制委員会による検査がないと、やはり、小倉参考人もおっしゃいましたが、いろいろな複雑な重要系統も含めて、むしろ規制緩和になってしまうのではないか。
 NRCなどの陣容と比べますと、正直言って私は、今の原子力規制委員会が、人数もそうですし、スキルもそうですし、もっともっと直接検査にもかかわって、みずからも高めながら規制水準を上げていくべきで、今回の改正はそれにはちょっと後退してしまうように私は懸念しますが、いかがでしょうか。

○関村参考人 ありがとうございます。
 現状で、米国の規制委員会で四千人ぐらいの人員を有していらっしゃる。それに対しまして、現在の規制庁が、従前のJNESという組織をマージしましたので、千人という規模になっているということを考えますと、まだ十分な人材が確保できていないのではないかという御指摘はそのとおりであるというふうに考えております。
 しかしながら、それをカバーするような仕組みというのをこれからつくっていかなくちゃいけない。それが不十分であれば、原子力を進めるということに関して懸念が生じるのは当然のことであろうというふうに考えているところでございます。
 しかしながら、米国の、例えばROPというような検査にかかわる制度も、スリーマイル島の事故を経ていろいろな取り組みをした結果として、二十年間程度の取り組みが着実に実ってきた結果としてあのような仕組みができ上がってきたというふうに考えております。
 しかし、日本は、二十年間ということを待てばいいというわけではなくて、米国の例、それからIAEA等の基準をうまく取り込むことによって、人材の運用、これはベースとしては技術者等のベースがしっかりあるわけですし、我々も教育機関としての役割を果たしていかなくてはいけないというふうに考えていますので、現状を踏まえながら、そこをどうやって継続的に改善していくかという努力を傾けていく。そのために、いろいろな方々と議論をする場が必要であり、そのきっかけとなるような制度的なフレームワーク、これについては、今回の原子炉等規制法の改正がきっかけになるのではないかな、そのように考えております。

○阿部委員 私は、三・一一の直後、五月に、塩崎現在の厚生労働大臣と二人でアメリカのNRCに行かせていただいて、サイトごとに人を配置して、非常に精度高く、正直言って口もきかないほどの、独立性を持って検査しておられるというのを見てまいりました。
 それからすると、人材的にも、今の原子力規制委員会は、本当に、再稼働の審査のために残業も多くしておられて、もうきちきちの中で、果たして、今ここで事業者の監督、監視というふうに上げてしまってスキルも成り立つだろうかと、直截に私は不安であります。
 先ほど伴参考人のおっしゃったのは、そういうスキル、技術上の問題もあるけれども、勧告九に従っていけば、IRRSのもともとの要請が、この規制委員会の方にも独自に、事業者とは独自な管理監督をすべきだという観点からという御指摘がありました。
 もう一度、ここは本当に日本の規制行政の大事なところと思いますので、伴参考人に御意見を求めます。お願いいたします。

○伴参考人 アメリカの規制が、長い期間をかけて今日のようになってきて、それを日本は参考にするというふうなことのようなのですが、アメリカの規制が今日になってきたその背景としては、例えば、事故が起きたときに事業者に課せられるペナルティー、罰金といいますか、それが非常に高額な金額が、事故の程度にもよりますけれども、課せられているとか、あるいは事前通告なしの検査ということも可能になっているとか、そういう仕組みの中で今日の状態があるというふうに思います。
 日本がまねをしようとしているのは、何となくいいところだけをとってきて、厳しい部分について言うと、まだ導入していないというふうな、あるいは導入の計画がないというふうな状態ではないかというふうに受けとめています。
 そういう意味から、非常に厳しいシステムとして、罰金なら罰金はもっと厳しくするとか、あるいは事前通告なしの検査制度を導入するとか、そういったことが片方ではどうしても必要ではないかというふうに考える次第です。

○阿部委員 私も、今回の改正で、事前通告なしの検査の立ち入りの権限の付与というのは法定化されるべきだと思います。やはり、そこに向かう人たちを保護するためにも、例えば内部告発のような形で言わなくちゃならないような立場にも置かれかねませんし、検査上、これは担保された、あなたたちに付与された権能であるということを、私ども国会が意思として決めていくべきではないかと思います。
 きょうの参考人の御発言を生かさせていただきまして、またよりよい原子力規制の取り組みをいたしたいと思います。
 ありがとうございました。

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2017/04/06 国会質疑   abetomoko

3月3日厚生労働委員会議事録(阿部知子の質疑が記事になりました)

3月3日の衆議院厚生労働委員会における阿部知子の質疑が、翌日、3月4日の朝日新聞「認可外も報告義務化 厚労省検討 保育中の事故死」として掲載されました。

 

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阿部委員 民進党の阿部知子です。
 本日は、大臣所信に対する質疑の時間を頂戴いたしまして、ありがとうございます。
 実は、私は、先国会からずっと大臣の所信についての質疑を準備してまいったのでありますが、なかなか厚生労働委員会は対立マターが多くて、後回しになりまして、でも、私は、この厚労委員会に集う皆さんは、国民の生活をよりよく、少しでも改善できる、国民生活のために皆さんの思いは一つだと思いますので、きょう私が取り上げさせていただくテーマは、大臣を筆頭に総意をもって取り組んでいただける、そういう問題かと思いますので、よろしくお願いいたします。
 きょうお伺いしたいのは、実は、私は小児科の医者をやっております。一九七四年に医者になりましてから、もう四十数年やっております。今でも時々夜間救急はやっていて、でも専門医ではございません、塩崎さんに言われちゃうので。普通の小児科医をやってございますが、私ども小児科医にとって一番深刻で、防ぎたいのは、子供の死であります。
 大臣にお伺いいたしますが、今、我が国の子供の死の全体像、なぜ子供は亡くなっているのか、どういう状態で亡くなっているのかなどについて、把握されたものはありますでしょうか。一問目です。

 

塩崎国務大臣 子供さんが亡くなるということは、本当につらい、厳しいことだと思います。
 今、統計的にどうなんだというお話でありますけれども、お子さんが亡くなったことについて、その死因を把握する統計としては、人口動態統計というのがございます。
 この人口動態統計におきましては、子供を含めた全ての方々の死亡に関して、死亡届に添付をされた死亡診断書の医師の記載をもとにいたしまして、WHOが定めた国際疾病分類、いわゆるICDに準拠して死因を選択し、集計、公表を行っているところでございます。
 一方、その死因に至った傷病名以外の動機とかあるいは背景とか、こういったことにつきましては死亡診断書への記入を求めていないことから、人口動態統計ではこれらの事項は把握できていないということでございます。

 

阿部委員 今大臣にも御指摘いただきましたように、私たち医師が書く死亡診断書によって、子供たちの死亡統計、もちろん御家庭で亡くなって発見されたものは、警察等々の解剖、あるいは警察での死因究明になる場合もございますが、大半が医師の書く死亡診断書にのっとっておるわけです。
 ところが、この死亡診断書は、背景を見たものではございませんので、頭蓋内に出血があった、これは、診断書上は頭蓋内出血と書きますが、果たして虐待によって投げ飛ばされて頭にそうした事態が起きたのか等々は全くわかりません。
 おまけに、これから取り上げますチャイルド・デス・レビュー、前にも一回取り上げさせていただきましたが、子供の死を全て登録して、いろいろな検討を加えて分けていくと、実は、死亡診断書と異なる死因が見つかるものが三分の一あるというふうに、これはアメリカの統計でございます。死亡診断書でそう書かれていても実は違うというようなことが、このチャイルド・デス・レビューによってわかってきたということがございます。
 子供の死は、病死、一番これが私どもの目に触れやすいですが、虐待、事故死、交通死、交通事故を含む死亡、転落などなど、あるいは自殺というものもありましょうが、防ぎ得る死かどうかという観点が、実はすごく重要だと思います。
 大人の死でも当然なのですが、子供は本来、まだまだ長い命をいただいて健やかに育つべきものが中断されてしまう、もぎ取られてしまうということによって、まず防ぎ得る死かどうかというふうに視点を変えてみるためには、全体をもっと背景も含めて分析しなければならないという問題意識であります。
大臣のお手元に、見ていただきたい資料がございます。
 これは、チャイルド・デス・レビュー、子供の死の登録、検証が最も進んでいると言われるアメリカの事案で、アリゾナ州、一番症例の報告数が多かったので取り上げましたが、実は、チャイルド・デス・レビューは一九七八年にロサンゼルスから始まりまして、現在アメリカでは五十州のうち四十八州が、そこで起きた全死亡について報告し、分析し、そして防ぎ得る死かどうかを見ているという実態がございますが、特に進んだアリゾナ州について取り上げさせていただきました。
 ここに書いてある内因死、御病気が、一歳以上と一歳未満で分けてございまして、大体これは七、八割が、子供の死は病気関連であります。しかし、その中にも八%は防ぎ得る死がある。御病気であっても防ぎ得る死があるということは、救急医療が適切であったり発見が早ければ防ぎ得る、こういうデータが出ております。
 一方、外因死、ここに書いてあります自殺や他殺や虐待や溺死や交通事故死、こういうものを丹念に調べますと、実は九一%の外因死は防ぎ得る。例えば、虐待ですと未然の監視システムがあったり、交通事故では、最近出ておりますが、子供の巻き込まれが多くて、これもいろいろな配慮、子供を守るための取り組みによって防ぎ得るであろうなどを全部背景分析していくと、外因死の九割は防ぎ得るというデータになっております。
 母集団がアリゾナのものが一番多いので出させていただきましたが、四千八百六名の小児死亡の予防可能性について分析をいたしました。
 私は、日本の社会が本当に子供を守っていこうと思うならば、こういう視点、そして分析、これを改めてきちんと厚労省のリーダーシップのもとに、塩崎大臣のリーダーシップのもとに、まず物事は、視点を変える、どこに目をつけるかということが大事なので、大臣において、このチャイルド・デス・レビュー制度とその成果、意味などについてのお考えを伺います。

 

塩崎国務大臣 これは以前にもお取り上げをいただいて、私も、こういうことを海外ではやっているんだということを学んだ記憶がございます。
 これは去年の五月十八日、阿部委員から御質問をいただいたわけであります。その際に私は、例えば海外の事例を参考にしたモデル事業の検討など、予防可能な死亡から子供を守るために必要な取り組みを検討してまいりたいというふうに答弁をしているわけであります。
 これを踏まえて、まず、平成二十八年度から三カ年の調査研究、厚生労働科学研究、これを実施いたしまして、予防可能な死亡から子供を守るための医療分野における情報収集の方法であったり、あるいはその進め方について検討をしているところでございます。
 私は、三年というのはまた随分時間をかけるんだなと、正直、指摘をしたところでありますけれども、今まで日本でこういうことをやったことがない中にあって、少しじっくり研究をしたい、そういう動きのようでございますので、とりあえずこれを二十八年度から動かし出すということで、今ちょうど一年目が終わるところでございま
すけれども、ぜひこれを進めてまいって、今のように三分の一が予防可能死であったということであれば、予防するために何をすべきなのか。
 昨年の通常国会での児童福祉法の改正の虐待対応、今回もまた児童福祉法、さらに司法関与などについて御提起を申し上げたいと思っておりますけれども、これも、こういった予防することが可能な死をどうやって減らすかということで、もっともっと司法にも関与してもらおうということでもありますので、この分析をしていくということは大変大事ではないかというふうに思います。

 

阿部委員 大臣の基本的視点を大変に評価いたします。
その一方で、実は、このチャイルド・デス・レビュー制度については、厚生労働省の科学研究としては平成二十二年から既に始まっておりまして、少しずつタイトルが違いますが、目的は、防ぎ得る死、子供の死を防ごう、そして、そのための報告制度や検証制度はどうあるべきかという研究班は実は続いております。そして、平成二十五年度には、子どもの死亡予防のためのチャイルド・デス・レビュー創設のためのガイドラインまで研究班報告で出ております。
 三年は先行研究があって、次の二回目の研究でガイドラインが出されて、さて今さら、はたまた厚生労働科学研究で三年間かけてというのは、研究ばかりしている間にも子供は死んじゃうじゃないか。大臣、ぜひスピードアップ。
いい研究成果がたくさん出ています。特に、私の小児医療の仲間たちは、必死に、この国でこの制度をどう実現しようかということで取り組んでおりますので、都度報告書を出すんだけれども、また次も研究、次も研究となって、実行されないのであります。本当に私は歯がゆい思いで実は今回また改めてこの俎上に上らせていただきました。
と申しますのも、大臣は今の私のことを聞いて即々やってくださる大臣ですし、今度、児童福祉法の改正も司法の関与も含めてあるということも存じておりますので、あわせて、ぜひこの制度、とにかく全部の死を登録する。その登録からしか始まらない。
 実は虐待も、虐待として上がっている事案と同じ数だけ事故死の中に混入しておるというのが、先行のアメリカなどの事案でもあるところであります。今もちろん虐待死の研究もしていただいていますが、そこにはまってこない、その網に入ってこないものが同じだけあるとしたら、私たちの社会は随分損をしている、大事な子供たちを守れていないと思います。
 その事案に例示できるものを挙げさせていただきます。
 大臣も御承知のように、昨年の国会は、保育園落ちた日本死ねということから始まりまして、子供の保育所をふやそうと私ども野党は野党でまた主張をし、大臣にあっても御尽力をいただいていると思っております。当然ながら、受け皿の数の増加は第一でありますが、質はどうか。そこで安心して子供が預けられるか、不慮の事故で亡くなったりはすまいかということが一番問題であります。
 二ページをあけていただきますと、「これまでの保育施設等における死亡事故の報告件数等」というのが、平成十六年から平成二十七年までここに上がっております。
 この報告、全体で百七十四件になっておりますが、平成二十六年が十七件ですか、あったかと思いますが、いずれも、見ていただきますと、認可外の保育園の方が圧倒的に多いわけです。これも多々御指摘があるところと思います。
 保育園において起こる死亡事故については、内閣府の方で子ども・子育て支援制度にのっとって報告を義務化しておるのですが、無認可の保育園等々には義務がかかってございません。
 報告されたものはされるでしょうということであって、どういう仕組みになっているかというと、三枚目をあけていただきますと、「重大事故発生時の報告の仕組み」というのがございまして、上に具体的な根拠となる法令とか対象となる施設の区分があって、下に「報告の系統」というチャート図がございます。
 大体、認可外の保育園や、始まったばかりですね、居宅型の保育施設は都道府県の管理監督になっておりまして、死亡等々重大事故も都道府県に上がるようになって、これが義務ではないということです。
 上の保育園等々については、義務化されているのは認可保育園で、例えば学童保育、ファミリー・サポート・センター等は任意でありますが、上がるところが自治体であるというところで、まだ近いということであります。無認可では県に上がるということを、まず大臣、この図で御認識いただいて、そういう仕組みかということを、御存じかもしれませんが。
 そして、ここにどんな問題があるのか。一つは義務化されていないということと、県の立入調査は実は大変に間隔があるということもございまして、なかなかこれは俎上に上りにくいということがございますが、まず、これらの実態については、子ども・子育て支援制度は内閣府の担当だと言わず、子供を守るために各省庁連携してお願いしたいので、いかがでありましょうか。

 

塩崎国務大臣 今お話しのとおり、認可保育所での事故につきましては、内閣府の運営基準によって報告が義務づけ、こうなっているわけでありますね。
 一方で、認可外の保育施設で発生した事故については、国に設置された有識者による検討会の取りまとめを受けて、平成二十七年の四月から、割合最近であります、通知によって報告を求めているということで、義務化をされているわけではない。
 厚労省の事務方としては、この仕組みについて、保育の担当課長会議など全国会議の場などあらゆる機会を活用しながら周知徹底をして、認可外保育施設からの事故報告というのがしっかりと行われるようにしていきたいということであります。
 問題は、施設の問題ではなくて、子供の死でありますので、やはり、子供の死は認可外であろうと認可保育園であろうと同じだと思いますので、同様な扱いにする方がよいのではないかと私は思っておりますので、義務化をするということを厚労省としては考えたいなというふうに思っております。

 

阿部委員 おっしゃっていただいたように、報告を求めるだけだとなかなか上がってまいりません。
次に御紹介するのは、私は藤沢が選挙区ですが、隣が茅ケ崎、その隣が平塚なのですが、その平塚で起こった悲しい事例でございます。
 皆さんのお手元の四枚目の紙を見ていただきますと、「元保育士を再逮捕」という新聞記事が載ってございます。
この平塚のちびっこBOYという、認可外で夜間も預かっている保育園ですが、ここで二〇一五年の十二月に実は生後四カ月の赤ちゃんがお亡くなりになって、この子は病院に運ばれて、病院の方で、やはりちょっとおかしいかということを考えまして解剖いたしましたところ、頭の中に出血があったということで、これは、ただ保育園ですやすや寝ていて亡くなったものではないのではないか、暴行が加えられたのではないかということで、この角田という容疑者を逮捕して起訴するということを今やっております。
 実はこの角田という容疑者は、これまでその保育園に勤める前に児童ポルノの製造をしていたということで、二〇一五年の九月に、この保育園で預かっているお子さん、赤ちゃん、女の子の服を脱がせて裸にして、スマートフォンで撮影した、あるいは、彼はほかの保育園でも同じようなことをやっていたということが次々明らかになりました。それだけでなく、実刑判決を受けた過去もあったということで、これはどんな実刑判決だったかというと、幼児の体をさわった強制わいせつ罪で懲役三年の実刑判決を二〇一〇年の十一月に受けていた。
 思うだに、ぞっとすると思うんです。子供を預けているお母さんたちは、女の子であれば裸にして撮影し、男の子であれば暴行を加えて殺され、その保育者は実刑判決まで受けた人であった。何でこんなことが起こるのか。もちろんこの事案は、県に報告される前に医療機関から、これは疑わしいぞということで解剖もして、発覚をしたわけです。
 実は、この施設は県から三回勧告を受けております、保育士さんの数が足りないと。足りない、でも埋められない。こういう過去のある人と知ってか知らずか、保育士として雇って、究極的には子供が殺されたかもしれない。もちろん、まだ容疑です。でも、これまでの経緯を見ると、子供を預かるには極めて不適切な、最悪な方が保育士さんとして使われていたということであります。
 大臣には、この一例を検証するだけでも、私はいろいろな改善点が出てくると思います。本来は、そういう実刑判決を受けたら、二年間は保育士としての資格を取り消されます。なぜ取り消されなかったのか。本当に二年間でいいですか。再犯を繰り返し、子供たちを餌食にしています。
 大臣、きょうはこの事案を御紹介することで、厚生労働省としても、やはり国主導でこの検証を行っていただきたい。県任せでは、もちろん県はやらねばいけません、だって県に報告があったかどうかだって定かではありません、うやむやです。そうこうしているうちに次々事案が発覚をしております。
 私は、ベビーホテル、昔から問題でしたが、今、働くお母さんがふえて、勤務時間も長時間化して、子供を預ける、預けざるを得ないという方はふえていると思います。そうした中で、何の監視もない、この人はたった一人で子供たちを見ていた、そういう事案です。
 ぜひ、きょう、私が大臣に御紹介しただけに終わるかもしれませんが、問題意識を共有していただいて、子供にこういう人を近づけていいわけもない、起こるべくして起こっていると思いますので、大臣の御認識を伺いたいと思います。

 

塩崎国務大臣 今御指摘をいただいた平塚の死亡事案、そしてまたこの犯人の扱いでありますが、私もこれを見て、改めて、また仕組みを見て、知って、はねるには、こんなふうになっていてはなかなか難しいなというふうに思いました。
 保育士の欠格事由に該当した場合に、保育士本人がその旨を都道府県知事に届け出ることとなっております。つまり、自分は欠格事由に該当したということを、こういう犯罪を犯して懲役刑が確定したということをみずからが届け出る、こういうことになっているわけで、欠格事由に該当した保育士の登録の取り消しが適切になされるように、保育士証を発行する機会などを捉えて、届け出義務の徹底を周知しなきゃいけないというふうに、私どもは、とりあえず、できることは、そういうことでやらなきゃいけないと思っておりますけれども、本人からの届け出ということ自体が、やはり不可解なことだなというふうに思います。
 したがって、例えば、本籍地の市区町村が犯歴情報というのを最終的には持つようになっているようでありますけれども、これが生かされていないということでありますので、本人が届け出るという限りは。ということであれば、どういうような形にすれば、このような情報がしっかりと把握できて、実効性のある対策として、このケースであれば、保育士としての資格は登録できない、認められないということ、これが担保されるということにならなければ、次々とこういう犠牲者が出てきてしまうということになりますので、どういうようなことができるのか、実効性のある対策を、検討を至急やっていきたいというふうに思います。

 

阿部委員 ありがとうございます。
 先ほど申しましたように、認可外で起きた事案は、県には、基本的には報告を求めるということであって、それ以上でも以下でもない。それから、県に登録している保育士さんの資格等々で、本人が言ったか言わないかで、全くやぶの中になってしまう。そして、何回も県が監査に入っても、人手不足が指摘されながら改善もされない。これでは子供が守れない。
 問題点は多々あると思いますので、ぜひ、厚労省としても、きちんと焦点を絞って改善をお願いしたいと思います。
 引き続いて、虐待の問題に入らせていただきます。
 保育園で起きるさまざまな死も、ある意味で、十分な監視の目がなく亡くなる、あるいは、果ては、こういう暴力、縛って、子供を熱中症で死なせる等もありまして、それは虐待とも言えると思いますが、そういうもの以外にも虐待の事案というのはたくさんございまして、虐待ということは、二〇〇〇年に児童虐待防止法ができまして、あるいは、平成十六年になりますか、児童虐待防止について国が検証委員会を持つということが法改正され、さらに、平成十九年には都道府県に検証委員会を設けよう、今度、虐待問題でやらせていただきますが、そういう仕組みにはなっています。
 虐待という事案について、重篤な事例、死亡事例は国への報告、これが平成十六年改正、そして平成十九年の改正が、都道府県でそういうものをきちんと把握していくということをやった上で、大臣、次のページを見ていただきますと、これは、昨年度、第十二次と書いてあるのは、昨年度の集計の中で起きた、県に報告されているというか県が収集したいわゆる虐待事案についてどのくらい検証がなされているか。
 検証というのは、なぜ死んだのか、どういう事態が起こったのかということを見るということですが、ここに上の段、表がございますように、心中と心中以外を分けた場合に、検証が実施されているのは約半数であります。先ほど申しました、国が集約する情報を、そして県が検証する。でも、半数しか検証がなされていない、残ってしまうという実態がございます。
 時間の関係で、そのすぐ下へ行かせていただきます。
 ここは、では、医療機関に来たもののうち、虐待あるいは虐待を強く疑う、虐待可能性高度、これが3B、そして虐待確定的が4というこの二つ、虐待としてきた例がどのくらい解剖をされているか。解剖というのはやはりつらいことですが、死因を明らかにしていく大事なツールでございまして、虐待が確定的とされても、実は剖検率は半分であります。検証も半分、剖検も半分。不確実な、よくわからない不詳死群では、剖検は二割というふうになっております。
 こういう実態が全てをやぶの中に追いやり、再発防止の策も出されず、繰り返し子供が亡くなるということになると思いますが、大臣には、県における検証のあり方とその改善点など、そして、実は私は、これらは改善もされねばいけないけれども、先ほどの、全体の死を登録するものがないと、ここに来るのは新聞で報道されたものと
か明らかな、顕性なもので、実際それの二倍、三倍あるものはつかまりませんので、全体のチャイルド・デス・レビューのような登録制度に振りかえていくべきだと。
 国としては、国の虐待検証制度をやってきた、そして都道府県にもおろした。だけれども、実際半分くらいでとどまっているということを受けて、大臣の御所見を伺います。(発言する者あり)

 

丹羽委員長 ちょっと速記をとめてください。

 

〔速記中止〕

 

丹羽委員長 速記を起こしてください。

 

塩崎国務大臣 恐らく、都道府県別にかなり跛行性があって、虐待対応で、児童相談所も、あるいは専門性のある人の配置なども含めて非常にばらつきがございまして、今半分ぐらいのところしか解剖をやっていないじゃないかというお話を頂戴いたしましたが、確かにそのようなばらつきがあって、本来しっかりと原因を究明するということを果たした上で子供の健全な発育を確保していくというのが都道府県がそれぞれやらなきゃいけない責務なんだろうというふうに思います。
いろいろやっていて、死因がなかなかわからない、死亡と虐待の関係がどうなっているのかわからない、あるいは裁判中とか、いろいろな理由でやっていない理由があるんだろうと思うんですけれども、それも不統一でやっては、我が国の子供ですから、地方自治体が考えるにせよ、ある程度の目安を持って、徹底的にきちっとした解明がなされるようにしていくということが大事なんだろうというふうに思いますので、私ども厚生労働省としても、各都道府県がなぜ亡くなったのかということがわかるまでしっかりと検証するように指導していきたいなというふうに思います。

 

阿部委員 子供の死を防ぐために、国にあっても都道府県にあっても最大限努力していただきたいし、虐待あるいは保育現場での死、事故死、ばらばらにやっていては、なかなか能力が向上しません。そのためのチャイルド・デス・レビューですので、一括して集めて、振り分けて検証しながらトータル像をつくるということでありますので、大臣には念頭に置いていただければと思います。
 最後ですが、こういう死亡事案以上にもしかして深刻なのは、子供の性虐待だと思います。潜在化しやすくて、子供は何が起きたかわからない、でも非常に自己否定的な感情になりますし、そして離人感、子供は自分が誰なのということを自分で確定していけなくなる、深刻な事態が起きております。
 こういう子供に起きる性虐待を含めて、子どもの権利擁護センターというものが神奈川県にできております。伊勢原というところにございまして、日本で初めてですが、もしかして大臣には御視察に行かれたかもしれませんが、子供が性虐待等々を受けたときに、受けたのではないかということが疑われたときに、そこでいろいろな職種の人が協力し合いながら体の診察や司法面接をしていくための機関でございます。
 私は、虐待の中で一番隠れやすい性虐待、これが深刻だということを踏まえた上で、この子どもの権利擁護センター、大臣にもぜひ御視察をいただきたいし、今度、児童福祉法の中で、司法の関与ということがあるときに、司法面接の必要性も再度出てまいりますので、どんな取り組みがなされているか、御参考にもしていただきたいですが、いかがでしょうか。

 

塩崎国務大臣 これは中心的にやっていらっしゃるのは山田さん、私もよく存じ上げておりますし、今回、児童福祉法の改正の後につくりましたワーキンググループの中の司法関与と特別養子縁組のワーキンググループにも入っていただいて、積極的な貢献をしていただいている方でございます。
 このセンターについての趣旨は御本人からも聞いておりまして、診察を含め、そしてまた、いろいろな人が取っかえ引っかえ来て子供さんにさらなる心のストレスを与えるようなことはないようにというようなことで、配慮を行き届かせて立ち直るようにということをやっているのは、私としても大変大事なことだというふうに思っておりますので、こういうことを全国に周知して、やはり同様のことが、どこでもこういうことが行われるように、私どもとしても広めていきたいというふうに思います。

 

阿部委員 ありがとうございます。お金もかかります、よろしくお願いします。
 終わらせていただきます。

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2017/03/28 国会質疑   abetomoko

12月9日原子力問題調査特別委員会議事録

阿部委員 民進党の阿部知子です。

 本日は、三原委員長初め与野党筆頭理事の熱心なお取り組みで本委員会が開かれましたこと、心から私は感謝を申し上げたいと思いますし、また、先ほど来、田中委員長が日ごろから多様な業務に携わられて非常に御尽力いただいていることにも感謝申し上げたいと思います。

 あわせて、経産省からは高木副大臣にお越しをいただきました。高木副大臣には後半の質問をお願いしたいと思います。

 まず冒頭、田中委員長にお伺いをいたします。

 実は、十一月の二十二日に、ちょうどその日は福島県と茨城県でマグニチュード七・三の地震がございまして、津波も心配されている中、東京電力の福島第二原発の三号炉で冷却ポンプがとまるという出来事がございました。

 私は、十一月二十二日にそのことを取り上げさせていただきまして、当初の東電発表に基づいて質問をしたわけですが、プールの水温が二十八・七から一時間半余りで二十九・五となっているという発表がございましたので、予測されるより温度上昇が早いではないかというふうに質疑をいたしました。

 委員長にあっては、私の質問に対して、先生がどこで入手された情報かはわかりませんけれども、あるいは誤解を招くような報道があったのではないかというような御指摘を御答弁の中でされました。

 お手元に私が三つ資料をつけさせていただいておりますが、いずれも東電のホームページのものが二枚と、そして規制委員会のものからが一枚でございまして、私は、これらをもとに質問をさせていただいたものであります。

 ところが、その後、足立委員等々が、私の質問について、デマで、あるいは誤った情報で質問したというふうに大々的に取り上げていただきまして、議事録も残っておりまして、私としては、デマでも何でもない、東京電力の公式な発表に基づいたものである、このことは私の名誉のために言っておかないとならないと思いまして、前半、お時間をいただきます。

 まず、委員長に三つ確認をしたいと思います。

 お手元の資料にあるように、最終的に、測定場所の違いによって温度の誤差が出たという御発表があったのは、私の質問が終わった後の十六時四十分の規制委員会のホームページであるという点と、そして、御答弁の際に、冷却水二十八・七並びに二十九・五という水温が東電の発表であるということは委員長は御存じであったはずでありまして、これが二点目です。そして、最終的には、原子力規制庁も、御自身がまずこの水温の発表に疑問を持たれて、東電側に確認をされて、東電から訂正が発表されたというふうに私は理解しておりますが、この三点、事実確認、イエス・オア・ノーでお願いします。

田中政府特別補佐人 私が十一月二十二日の本委員会で阿部先生からの御質問を受けた時点では、東京電力がそういう発表をしているということはわかりませんでした。承知しておりませんでした。

 ただ、こちらに来る前に、〇・二度程度の温度上昇だから一週間ぐらいはもつということについては聞いておりましたので、それならそんなに心配することはないなということでここに参りましたけれども、そういった御指摘がありました。

 私がそういう情報をきちっと捉えていなかったということの不明についてはおわび申し上げたいと思います。

 結局、その後、先生の御質問もありましたし、私もちょっと気になりましたので調べてみましたら、やはり東京電力から、先生御指摘のような発表が当初なされました。

 その後、違った場所ではかっていてそういうことになったということはここでもお答え申し上げましたけれども、そのことについて東京電力は誤った情報を出してしまったということですので、それについてはきちっと注意をしまして、訂正を求め、その情報に基づいて、規制委員会の方の、規制庁の方のホームページにも掲載させていただいております。

阿部委員 委員長から謝罪をしていただきましたので、私は別に、これだけ頑張っておられる委員長を責めたいのではなくて、やはり東電発表というものが国民に与える影響の大きさですね。特に、事故の後は、水温がどうかとか使用済み燃料プールの状況というのは、国民も瞬間的に四号炉の問題を思い起こしますので、慎重なるが上にも慎重に、また、東電の発表もきちんと、測定する場所も同じにして発表していただかないと混乱を来します。

 委員長が善処していただきましたので、その後正しい報道になったことというのは、規制庁のお仕事としてありがたく受けとめております。

 そして、これからの、今後のこともございまして、ぜひ委員長のお考えをお伺いしたいんですけれども、使用済み燃料プールの持つ危険性というものは、東京電力福島第一原発事故の四号炉の問題でも、NRCからも一番先に指摘をされておりました。

 我が国では、今、使用済み燃料プールにおいて、一部は、ドライキャスク、ある程度粗熱がとれればというか、低下してくれば乾式貯蔵に変えてございますし、またそういう国も幾つかあると思います。

 特に、使用済み燃料が多くて、リラッキング、積みかえをしていくような場合は、やはり、非常に水の漏れ出てしまう、揺れて出るなどの影響も、なかなか私は予測しがたいものがあると思うので、委員長にあっては、今後の汚染水プール管理において、原子力規制庁としての基本的な方向性、認識などあれば、お願いをいたします。

田中政府特別補佐人 初めにお断りしなければいけないのは、プールに使用済み燃料を貯蔵するということについては、規制上許されていることです。ただ、一Fの事故の反省を踏まえれば、やはり、プールに無限に、無限にというのはちょっと語弊があるかもしれませんが、多くの使用済み燃料を貯蔵しておくというのは、潜在的リスクが大きくなるということが明らかになりました。

 一般的に、国際的に見ても、ある程度冷却が、原子炉から取り出した使用済み燃料は、五年から七年ぐらいたてば、乾式容器に入れてサイト内に貯蔵しておくというような方策がとられております。

 今回の一F事故でも、東京電力は、一部乾式容器に入れてあった燃料があります。建物は相当むちゃくちゃに壊れましたけれども、乾式容器の中に入っている使用済み燃料は、容器も含めて健全であったということが確認されておりますので、私自身が先日も規制委員会の中で規制庁の方に検討をお願いしましたけれども、できるだけ乾式容器に入れてサイト内に貯蔵できるような方法を検討していただくようお願いしたところであります。

 ただし、乾式容器に入れてサイト内に貯蔵することについては、地元も、そのままになるのではないかというような御懸念もあって、なかなかそういった点での難しさはありますけれども、よりよい安全を求めるという観点からは、乾式容器に入れる方がよいというふうに考えております。

阿部委員 今、委員長は災害などにおける安全性の問題で御指摘いただきましたが、同時に、テロとかいろいろな問題があるかもしれませんし、ぜひまたお地元の、受け入れてくださっている地域住民の皆さんにもいろいろお話をこれからいただきまして、より安全な管理ということでお願いをしたいと思います。ありがとうございます。

 では、引き続いて、高木経産副大臣にお伺いをいたします。

 けさの新聞は一斉に、東京電力福島第一原発事故の事故費用の見積もりがこれまでの倍近くに膨れ上がっておるという報道、各社ございましたと思います。この間、私は、先回この委員会でも取り上げさせていただきましたが、廃炉にしろ、除染にしろ、賠償にしろ、費用がかさみ、それをどのような形で負担していくのかということは、まず国民論議でなければならない。起きた事故自身は責任は東電にございますけれども、全体、巨額ですので、どのような形でこれを乗り越えていくかということは、国民の合意のもとで運ばねばならないと思っております。

 副大臣にあっては、本日発表の経産省からの数値ということで、まだ公式発表ではないのかもしれませんが、新聞紙上に言われております、二十一・五兆あるいは二十二兆という数値だけががさっとつかみで出ておりますが、これを今後どのような形で国民に伝え、事故が起きて、十分な賠償がこれでできるのかなどについて、どう運んでいくのかということについての経産省としてのお考えをお願いします。

高木副大臣 今御指摘いただきましたように、本日、けさ開催されました東京電力改革・一F問題委員会におきまして、復興加速化の観点から必要となる制度の整備、また資金の確保に資するように、福島第一原発事故に係る賠償、また、除染、中間貯蔵施設事業の費用の見込みについてお示しをさせていただきました。

 具体的には、被災者、被災企業に対する賠償ということで約八兆円、除染、中間貯蔵施設事業で約六兆円を見込んでおります。

 また、福島第一原発の廃炉に要する資金につきまして、現時点では、燃料デブリ取り出し工法が決まっておらず、合理的な見積もりはなかなか困難ではございますけれども、同委員会の中で、原賠機構の提出した資料において、有識者が、現時点で得られる福島第一原発事故の情報をもとに、過去の事例、これはスリーマイル等を参考にしておりますけれども、一定の仮定を置いた上で機械的に算出した結果、約八兆円と示されたというふうに承知をしております。

 その上で、今、国民議論というふうな御指摘もございました。やはりこれだけの巨額のお金でございますので、まずはこの東電委員会でしっかりと議論を進めていただいて、その中で提示をさせていただいた上で、最終的な決定をさせていただきたいと考えております。

阿部委員 東電委員会は基本的に非公開ですし、会議の後、数値が発表されたりはいたしておりますが、国民的には確認するすべがないわけであります。

 それのみならず、例えば今副大臣が御答弁いただいた数々の数値を、結局、どこからどなたに何を負担していただくかというときに、託送料金、これから電気をどなたの御家庭にも企業にも送りますが、その託送料金に上乗せしようというようなお話がもう既に先行して出ているんだと思います。確かに、国民から見ても、今までの言っている額ではおさまるまいなとは思います。こんなにかかるんだ、では、電気を使っているあなたたちねと言われても、これは到底納得できない。

 ちょうど、おとといになりますでしょうか、私ども、原発をゼロにするための政策提言をしている議員の会でも記者会見をやらせていただきまして、原子力基本法においても、自主、民主、公開、公開というところは非常に大事で、民主とは国民をきちんと入れ込んで論議しなければならないということですので、今回発表された今の数値がどこで検証され、そのどこで国民がかかわれるのかということも、今後しっかりと経産の中でも御検討をいただきたい。

 私は、国会にそういう場が実はほとんどないんだと思います。復興関係の会議の中でももちろん扱えるかもしれませんが、これは電力総体の、今後の日本の産業もかかわってまいります。また、賠償には将来の医療もかかわってくるかもしれません。本当はこういう東電問題の特別な委員会なりエネルギー特別委員会なりがふさわしく、きょうは三原委員長の御高配で、先回もそうですが、この場で取り上げさせていただいていますが、国民が多くこのことを理解し、どのような形で納得していくのかというプロセスについて、もう一回お願いいたします。

高木副大臣 委員の御指摘のことは至極もっともなことだと私も認識をしております。

 私も、この経産副大臣、そしてまた原子力災害の現地対策本部長に就任して三年目に入りました。福島にこれまで百九十五日通っておりますけれども、その中で感じたことは、例えば賠償一つとってみてもそれぞれ事情が違うなと。やはり、それぞれの被災者の皆様方に寄り添ってこの賠償の問題も解決しなきゃいけない。一方で、廃炉と汚染水の問題。これも、オンサイトの中も私も十回入らせていただきました。凍土壁の問題、または廃炉、デブリの取り出しということでさまざまな試みをさせていただいておりまして、やはり、今まで想定した以上の経費がかかることは事実だと思います。

 そういった中で、どれだけかかる、または、それをどうやって負担していただくかということについて、今、東電委員会の中で議論はしていただいておりますが、最終的には、委員御指摘のように国民の理解を得なければそれは実行できませんので、やはりまたこの委員会等でも、そういった問題、最終案という形で取りまとめた場合にはいろいろな形で御議論をいただく、そういう場面が出てくるであろうと思いますし、私たち経産省としても、やはりここのところは、ただ単なる、委員会で決定したから、ではそれで終わりですというふうな認識も持っておりません。やはり、一つ一つ丁寧に御説明をしながら、そして理解を得ていくという努力を最大限してまいりたいと思います。

阿部委員 私が改めて今の点を指摘させていただきますのは、前回も本委員会で取り上げさせていただきましたが、今後の費用のみならず、現状においても費用は多く国民が負担しております。それを私が整理したものを前回資料提出させていただいて、きょう、お手元の資料の六でございますが、これだって、ほとんどの国民は、ああ、今、電気料金に加わっているのね、あるいは、特に除染など国が立てかえているのね、いろいろな形の隠れた負担になっております。

 私は前回、井原政務官に、私が整理したこれでよいか、よければ、これの現状の額、既にですよ、これからじゃなくて、既にどれだけがここで費用発生しているか、項立てをして区分立てして国民に説明してほしいと申し上げましたが、これについてもいつごろ出していただけましょうか。

高木副大臣 今提出していただいているこの資料、また、前回これをもとに御質問されたというふうに伺っておりますけれども、今現在、例えば原賠・廃炉機構は交付国債を通じてやっております。これらについては、まだ、東京電力は長期の期間でもってこれを返済するということになっておりますので、現時点でどれだけかかっているかということについては、今御指摘をいただきましたので、なるべく精査をしながら御提示できれば、このように考えております。

阿部委員 ぜひお願いしたいと思います。

 先ほど申し上げましたように、今後託送料金に乗るというのは電力自由化の本旨からも外れておるということを申し上げましたが、既に計画の中でも、託送料金にという項目が余りに多過ぎます。これもお手元に資料をつけさせていただいたので、後ほど資料の四、五などを見ていただければと思います。

 そして、もう一つきょうは、これだけはちょっと、だけはというか、どれもやめていただきたいですが、この問題はどうかということで、いわゆる、今、電力業界、特に東電以外の電力業界が、起きました東京電力事故に対して一般負担金という形で賠償のための費用を負担しております。今後電力が自由化されました場合に、これがどのような形で電力会社が負担金を持っていくのかということも含めて、実は、これまで十分に総括原価方式の中で価格に転嫁してこなかった、事故があることを想定してこなかった過去分というものが発生をしております。

 お手元の資料七ページに「「過去分」のイメージ」という図がありますが、二〇一一年から二〇一六年、これは、この期間には今の原子力賠償機構法ができまして、今のような電力会社の負担の仕組みができましたが、それ以前というのは、残念ながら、事故はないという想定でありましたので、その分電力料金を安くして売っておった。ところが、事故があったら、足りない、どこからお金を取ろうか。もう既に売ってしまった人からは、本当はもっと高かったともう一回取るわけにもいかないだろうと言われて、では、これから電気を使う人に過去分を、未来の人に過去分を押しつけようという考え方であります。

 私は、電力料金を安く設定してきた、それで十分だと思ってきた国の責任、あるいは、東京電力を含めて株主などはその上がった利益で配当を受けてきた、企業が栄えてきた。まずはお金を出すべきはそうした部分ではないか。未来に乗せたら、責任が曖昧になると思います。一億総ざんげみたいなものになってしまいます。

 誰が責任があってこういう制度で来たのか。誰が安全神話の、国民全部といえばそうなのです、でも、やはりそれのもとに料金がつくられ今日まで来て、足りないからといって先に乗せるというのはいかがなものかと思いますが、高木副大臣の御見識を伺います。

高木副大臣 これは委員御存じだと思いますが、今回の廃炉と、さらには除染、または中間貯蔵、そして賠償、これはやらざるを得ないということの認識は共通していると思います。

 その負担をどういうふうにするか。お金が天から降ってくれば全然問題ないんですが、また、東京電力がまず第一義的に責任をとらなければいけないというのはもっともであります。しかし、ここで東電が破綻をしてしまう、そうしますと、その負担は全部国民負担ということになるのは当然であります。税金でやらざるを得ない。

 しかし、ここのところは、さまざまな議論がある中で、東電委員会でも一案、二案、三案、四案というふうに示しました。なるべく負担を減らしていこうじゃないか、こういう考え方のもとに今回は議論が進められているというふうに認識をしております。

 その一方で、御指摘もありましたように、一F、第一原発の事故において、政府及び原子力事業者、いわゆる安全神話に陥って十分な過酷事故への対応ができず、あのような悲惨な事態を防ぐことができなかったことへ深い反省をいっときたりとも忘れてはならないと私たちは思っております。

 そういった部分で、この審議会で今議論されているのは、福島事故以前には、原賠法第十六条に基づく国の措置を具体化するものとして機構法を整備していなかった事実を踏まえた上で、自由化が進展する環境のもとにおいて、受益者間の公平性等の観点から、負担のあり方をどのように考えるかについて検討を行っている。これは前回、井原政務官も答えたと思います。

 回収する額について、必ずしも過去分の全額ということではなくて、委員の御指摘のような責任のあり方等を総合的に勘案して検討していく必要があるとも考えております。

 いずれにせよ、現時点で何らかの方針がこれで決まったわけではございませんので、外部の有識者の意見をいただきながら徹底的に検討した上で、やはり最後は国民が納得をしていただくような解決策を見出していくべき、このように考えております。

阿部委員 国民は、新電力といって、原発以外の再生可能エネルギーなどを使った場合も、送電線を使ったというので託送料金で上乗せして、いや応なく取られてしまうという構造をとっておりますので、この託送料金問題は、またきっちりと論議の場を設けていただきたいと思います。

 いただきました時間が終わりますので、最後に委員長にお願いがございますが、前回のこの委員会の足立委員の質疑の中のデマという言葉は削っていただきたい。議事録訂正をしていただきたい。デマでも何でもなく、東電の発表でございますので、よろしく御検討のほどお願い申し上げて、終わらせていただきます。

三原委員長 理事会で話をして、正しい方向に持っていきましょう。

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2016/12/19 国会質疑   abetomoko