国会よりBlog

国会質疑

6月12日原子力事故調査特別委員会議事録

○阿部委員 ありがとうございます。民進党の阿部知子です。

まず、今回アドバイザリー・ボードをお引き受けいただいた黒川先生には、国会初の事故調、そして国際社会への発信、本当に敬意を表します。

きょう、私は、残るお三方、初めてですので、短く一つずつお願いいたします。

まず、石橋参考人には、私は、あの「わかりやすいプロジェクト」ってすごくおもしろくて、高校生がいっぱい見てくれるといいなと思いましたが、若い世代への波及というか、実際どのように活用されていますでしょうか。

そして、藤垣委員には、ドイツは、いわゆる倫理委員会をもって原発の廃止を決めていきました。そこには、科学技術と、それを受けての人間という、そこの間に起こることを一番重要に、すなわち、市民参加、住民参加ということを第一に、その意見を酌んでという形を行ったと思いますが、今後、我が国がそのような形になっていくために、まず何をやるべきか。

最後に、桑子委員には、先ほどお隣の木内さんも言われましたが、東電の事故にかかわる費用も試算もばらばら。原発、安いのか高いのかもばらばら。データをどう読むか。国民が共有できるデータのあり方はどうか。

お願いいたします。

 

○石橋参考人 ありがとうございます。

「わかりやすいプロジェクト 国会事故調編」では、国会事故調の報告書、今でも、先ほど御紹介した衆議院のホームページからもアクセスできる国会事故調のホームページから、委員会の動画も見ることができます。それを活用して、いろいろなことを考えるということをやっております。

例えば、事故調の委員会を見て、当時、黒川先生が、委員長コメントというのを、委員会の最後に、三十分後にやるということをやっておりました。そのコメントを実際につくる、記者会見のようなものをしてみるというふうな取り組みをしたりしています。

また、先ほど、私の前半のお話の中で一番最後に御紹介した共同コメントというのがありましたけれども、福島原発事故を取り巻くさまざまなステークホルダーになり切って、過去を振り返って、今何をどう思うのかということを発言してみる。その中で、自分の本当の心の中と、自分の口から出てくる言葉のずれはなぜ起こるのか。そこから、何をどう考えるのかというふうなことをみんなで議論して考えるということをしております。

その結果、これは福島高校の生徒ですけれども、何が大事なのか、自分の頭で考えること。自分の頭で考えたふりをして、自分の外側にある権威に寄り添って、それをそのまま口に出して言ってしまうことをいかに防ぐのかということが大事だという気持ちになっている人がたくさんいます。

以上のような活用をしております。ありがとうございます。

 

○藤垣参考人 御質問ありがとうございます。

ドイツには、確かに、安全なエネルギー供給に関する倫理委員会というものがございまして、そこが、日本の事故を受けまして、ドイツでも二〇二二年までに原発を全廃するということを決めました。

この倫理委員会にはどういう人が入っていたかというと、科学技術社会を考える人、社会学者、それから倫理学者、人類学者、社会科学系の人が多いんですけれども、日本が倫理という言葉を使うときに込める倫理という意味と、この倫理委員会の倫理の意味は少々違っておりまして、それこそ、市民参加も含めて、科学技術ガバナンスを考える委員会と考えていいんじゃないかと思います。

それで、御質問は、まず、そういうことを考えるときに、それと同様のことを考えるとき、日本は何をすべきかという御質問だったと思いますけれども、それこそ、市民参加も、市民の議論も含めた形で規制委員会を改組するのか、あるいは、規制委員会と並行して、原発ガバナンスを考える国民会議みたいなものを、さまざまなステークホルダーなり、あるいはドイツの倫理委員会を模擬してつくるのか、両方の道があるかと考えます。

 

○桑子参考人 ありがとうございます。

費用とデータのあり方というとても重要なポイントだと思います。黒川先生の方からアカウンタビリティーというお話がありました。アカウンタビリティーのとても大事な意味は、アカウンティングといいますか、会計についての情報をしっかり開示して、それに基づいて、関係者がきちんとした判断ができることというふうに思います。

原発の問題をめぐっては、東電の財政状態、それと、例えば東芝も関係しているでしょうし、大きな企業、あるいは、ゼネコン等の関係する、そういう財政的な問題がさまざま入りまじっていると思います。あるいは、国民がどういうふうな形でこれを負担しなければいけないかということが、国民にわかるような形で示されていないと思いますね。

これは、どういうふうな形で、会計のあり方、財政のあり方を示すのかということも含めて、やはり制度をしっかりしていかなきゃいけないんじゃないかというのが私の考え方でありまして、会計というのは、もともと司馬遷の史記にある由緒ある言葉なんですね。治水をやった禹という王様が、その事業について、関係した人たちの事業評価をきちんとして、それに対する報酬を考えるというのが会計の考え方ということで、そういう意味で、原発の問題は、会計、財政、費用、このデータをどういうふうに整理して、またわかりやすいやり方で国民に情報を共有してもらうかということが非常に大事なポイントだと思います。

ありがとうございます。

 

○三原委員長 そろそろ理事会で決定した時間になりましたので、今回の会議は、これにて参考人に対する質疑を終了させていただきたいと思います。

この際、一言御礼を申し上げたいと思います。

参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、本当にありがとうございました。委員会を代表いたしまして、厚く御礼申し上げます。(拍手)

次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

≫ 続きを読む

2017/06/29 国会質疑   abetomoko

6月9日厚生労働委員会議事録

○丹羽委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

近年、子供の出生数が減少しておりますが、その中でも、わけてもやはり悲しい事案というのは、せっかく妊娠した赤ちゃんを、分娩時に、お母さんが亡くなるあるいは赤ちゃんが亡くなる、あるいは脳性麻痺など重い障害を負うという事案が、今もなおございます。きょう取り上げたいのは、いわゆる無痛分娩における死亡事故であります。

無痛分娩と申しますのは、最近大変お母さん方の間でもふえてきております。一つは妊婦さんが高齢化をしておられること、そして、やはり痛いのは嫌だから、もし無痛で済むならそちらがいいなと思うお母さんもふえているのですが、しかし、そのはらむ危険性について十分認識されているかどうか不安がございますので、御質問をいたします。

まず、ことし一月に老木レディスクリニックというところで、いわゆる無痛分娩として腰椎麻酔を受けた妊婦さんが、その後急変して呼吸困難となり、一週間余りで亡くなってしまいました。また、二〇一五年八月、母と子の上田病院というところでは、無痛分娩の麻酔をかけて、プラス、どうしても、麻酔がかかりますと陣痛がちょっと緩い、緩く感じられるということもありますし、その上で、陣痛促進剤を投与されて出産されて大出血をして、緊急搬送されましたが、約一年間寝たきりで、その後亡くなられました。

こうした事態を踏まえて、四月の十六日に三重大学の池田教授が、医療機関に対して、急変時に対応できる十分な体制を整えた上で無痛分娩は行うべきだという緊急提言も発表しておられます。

皆様のお手元にあるものは、この池田教授が学会で発表されたときのものを示してございますが、二百九十八例中無痛分娩が十三例あって、これは妊産婦さんの死亡の二百九十八例中十三例あって、有床診療所、医療施設、大学病院など半々。その死因は出血死が多く、陣痛誘発剤は十三例中十二例で使用され、分娩も、吸引分娩や帝王切開に移行していくということをずっと書いたものでございます。

そして、下には、提言がございますけれども、無痛分娩は自然分娩と違った分娩経過をとることを十分認識する、陣痛促進剤が使われ吸引鉗子分娩が必要となる率が高い、そして、自然分娩のみを扱うときよりもより高いスキルとマンパワーが必要なんだ、さらには、クモ膜下麻酔などの合併症による知識を持っていないと一例目のように死亡するなどの提言をしてくださっています。

この一連の事件を受けて、産婦人科医会でも実態調査を開始すると聞いております。産婦人科医会というのは、開業医を中心とする全国一万二千人の産婦人科医が参加する専門職集団で、病院のお勤めの場合とか病院での出産を扱うところは基本的には産婦人科医会のメンバーではありませんが、この産婦人科医会の調査に協力して、医療界を挙げて、医会もそれから病院側もこの調査に乗り出すということが六月から始まろうとしております。

私が一点目に伺いたいのは、本来、こうした事案というのは、例えば、厚生労働省が率先して調査にかかり、そして学会やいろいろな医会のお力もかりながら、やはり、厚生労働省の関与というものが今のところまだはっきりいたしません。この点について、神田医政局長に伺います。

 

○神田政府参考人 お答えいたします。

無痛分娩に関しては、実施した際の死亡事例等が日本産婦人科医会に情報収集されていることから、日本産婦人科医会が主体となりまして、先ほど先生から御指摘ございましたように、無痛分娩の実施状況や合併症の発生状況等について近く実態調査を行うこととしているところであります。

厚生労働省といたしましても、日本産婦人科医会の調査を踏まえまして、関係する学会と連携して、無痛分娩とその他の分娩を比較した合併症の発生状況等について詳細な分析を行うなど、しっかりと関与していきたいというふうに考えております。

 

○阿部委員 私が今、厚労省の関与を伺ったのは、実は、今回の医会を中心とする調査では、そこに陣痛促進剤の使用実態というものがきちんと把握されるかどうかという問題がございます。

きのうのヒアリングで伺いますと、医会の方の調査項目にはない。でも、この池田先生の提言というところを見ると、陣痛促進剤、吸引分娩が必要となる率が高いという指摘もございまして、きちんと陣痛促進剤の使用というものもチェックリストの中に入れていかないと、だって十三例中十二例は使用しているわけですから、そのときにどんな注意が必要かなども浮かび上がってこないと思いますが。

この点は、厚生労働省の方から、学会の皆さんとも御相談の上、ぜひ調査の項目に加えていただきたいが、いかがでしょうか。

 

○神田政府参考人 お答えをいたします。

妊産婦が死亡した事案につきましては、日本産婦人科医会で情報収集しており、三重大学の池田教授らを中心に構成されます妊産婦死亡症例評価検討委員会で原因等について分析を行っているところでございます。

先ほど先生から御指摘ございましたように、二十九年四月十六日の日本産婦人科学会の学術講演会で池田教授が報告を行ったものの中では、妊産婦死亡例二百九十八例の分析をしたところ、無痛分娩が行われた十三例について、子宮収縮剤が十二例で投与されており、その十三例の死因について、一例が麻酔薬の影響によるもの、十二例については子宮破裂や羊水塞栓症を原因とする大量出血等であったというふうにされているところでございます。

この報告等を踏まえまして、日本産婦人科医会において、近く無痛分娩に関する実態調査が行われることとなっております。

御指摘の無痛分娩に関連した死亡事案における子宮収縮剤の使用実態や出血の原因について、日本産婦人科医会等とも連携しながら、どのような把握の方法があるのか、引き続き検討していきたいというふうに考えております。

 

○阿部委員 私がここで繰り返し子宮収縮剤の使用のことを問題にいたしますのは、実は、この十三例中十二例の出血死、大量出血死ですが、それが大量出血死という表現しかとられておりませんで、例えば、子宮破裂したのか、頸管裂傷したのか、弛緩出血といってお産の後の大量出血なのか、産道裂傷なのか。子宮収縮剤を使ったときに起こりやすい過収縮、ぎゅっと収縮したり、それによって分娩のときに子宮が破裂してしまったり、あるいはその後の弛緩出血という、非常に多い合併症であります。

繰り返しますが、十三例中十二例が使用されています、そして大量出血ですから、ぜひ、これをチェックリストの中に加えて、そして因果関係も含めてきちんとチェックされるようにということを、今、神田医政局長、御相談いただけるという御答弁だと思いますので、お願いをしたいと思います。

あわせて、いわゆる産科医療補償制度、脳性麻痺に子供がなった場合の産科医療補償制度というのは、大変に、いろいろな意味で、再発防止の提言をされたり、この間、子供の安全、お母さんの安全な出産ということに大きな役割を果たしておられると思いますが、この産科医療補償制度の二〇一三年度の報告書の中で、陣痛促進剤を使用したケースの約八割は、学会のガイドラインを守らずに、きちんとモニターがされたりせず、投与実態も決められたものとかけ離れておったというようなことが既に指摘をされております。

今回の調査に当たって、きちんとモニターがこういうことをされていたのか、亡くなった事案、もう既にこの産科医療補償制度の再発提言の中に入っていることが果たしてどこまで実施されていたのか、このこともあわせて検証されるべきと思いますが、神田局長の御答弁を伺います。

 

○神田政府参考人 お答えいたします。

産科医療補償制度では、再発防止委員会におきまして、再発防止に関する報告書として取りまとめられた提言について、その取り組みの状況の調査を行っているところでございます。

先ほど先生御指摘がございました、子宮収縮剤を使用した場合に分娩を慎重に監視することといったことにつきましても、平成二十七年九月に再発防止に関するアンケートを行っておりまして、御指摘の子宮収縮薬の使用に関する提言について、既に取り組んでいる、既に一部取り組んでいると回答した分娩施設は調査対象の約六〇%ということになっておりまして、さらなる遵守率の向上が必要であるというふうに考えております。

この点につきましては、これらの提言の認知を高めるために、診療ガイドラインを作成している関係学会、医薬品の添付文書の作成を行う製薬会社と連携してさらなる普及啓発に努めるとともに、日本医療機能評価機構とも連携いたしまして、遵守状況の把握に継続的に努めてまいりたいと考えております。

 

○阿部委員 神田局長、聞いたことにだけ答えてくれませんか。時間がもったいない。私は、今の十三例もちゃんとモニターされていたのかどうか、調査項目に入れなさいよと言っているんですよ。そこだけ答えて。

だって、私が言ったことを繰り返すんじゃ、質問時間を二倍もらわないとやれないですよ、申しわけないけれども。丁寧な答弁はいいけれども、確信のない答弁はやめてください。この十三例でどうだったのかと私は聞いているんですよ。

これは厚労省が自分で調査してないから、わざわざ厚労省が把握するために、学会の方と連携してやるしかないから今言っているんです。本当は厚労省がみずから調査研究班を設けてやるべきですよ。お母さんたちの妊娠の安全、本当にこれだけ子宮収縮剤が使われて事故が起きて、放置されることになりかねないからです。

さっきおっしゃった、アンケートを聞いて、六割やっているといっても、実はこの死亡例ではどうだったのかということが大事なんですよ。全般じゃないんです。起きた、本当に不幸な事態がそういうことがなされていなかったら、やはりそこを改善するのが医療事故をなくす道なんですよ。きちんと自分の役割を考えて御答弁をいただきたいです。

同じように、この無痛分娩というものは、麻酔を使用するため、先ほど申しました、本来の陣痛が感得されづらいということで、プラス陣痛促進剤の追加投与ということが非常に多々起こる。しかしながら、薬の使用の添付文書の中に、こうした事案は慎重投与すべきだということの中に、胎児の機能不全とか、妊娠の高血圧症とか、子供と骨盤の大きさが合わないとか、帝王切開の既往のある方、これは破裂しやすいですから、それから、高年初産の人、多胎妊娠、常位胎盤早期剥離などの人には子宮収縮剤の投与は慎重に行えと。

私は、ここに、慎重に行うということの項目の中に、無痛分娩というのを入れるべきだと思うんですね、添付書の。なぜなら、無痛分娩をするときに、促進剤が使われて、安易な監視のもとに使われると事故につながるというのがこの間の事態なんだと思います。

この件について、武田医薬・生活局長、御答弁お願いします。

 

○武田政府参考人 お答えいたします。

陣痛促進剤の添付文書の慎重投与の欄に、無痛分娩に関する記載を追加すべきという御指摘をいただきました。

私ども、この添付文書の改訂につきましては、陣痛促進剤と無痛分娩において発生した有害事象の関連性を医学、薬学的な観点から評価する必要があると考えておりまして、医療機関などからの情報を幅広く収集した上で、専門家の意見も聞きながら、この慎重投与の項も含めまして、添付文書の改訂の必要性について早急に検討してまいりたいと思います。

 

○阿部委員 幅広く検討するにも、自分たちの情報収集のための特別な方法を持たないんですよ。幅広く情報収集するなら、ちゃんと厚生労働省で研究班をつくるなり、本当に命がかかっているんです。今も、すごく無痛分娩、ふえています。そして、子宮収縮剤が使われます。私は、本当にお母さんたちを守ろうという気が厚労省にあるのかどうか、もし御自分の家族だったら、どうでしょうか。今、みんな使いたがっています、お母さんたち。そういう中で、でも、注意しておかないと危険があるよということで申し上げています。

塩崎厚生労働大臣に伺います。

今の武田局長の答弁を前向きととるかどうかは、私は、そういう独自の情報収集の手段を厚労省が今特に持っておられませんから、今の産婦人科医会と協力するなりなんなり、こういう項目についてはもっと丹念に調べてほしい、特に、大量出血、そして陣痛促進剤の使用などが非常に大きな影響を及ぼすのではないか、そういう視点を持って連携をしていただきたいですが、いかがでしょう。

 

○塩崎国務大臣 こういう特に新しい命が生まれてくるという大事なことで、このようなことが頻発するようなことでは困るわけでありますから、もちろん、専門家としての産婦人科の先生方の調査と私どもは連携しないといけないと思いますけれども、常時、やはりこういう問題についてもしっかり情報が入ってくるように、みずからも努力をするということも大事だというふうに思います。

 

○阿部委員 添付文書の慎重投与のところで、例えば、胎児機能不全のある患者さんの、なぜ慎重投与する理由かというと、子宮収縮により胎児の症状を悪化させるおそれがある、これだけのことで慎重投与になっているんですね。

無痛分娩は、妊婦さんの側の痛みの閾値を、上げてしまうというか下げてしまう、鈍感にするんですね。それ自身がやはり過剰収縮とかに、誘因になりやすい。私は、これくらいの項目が慎重投与だったら、当然、無痛分娩は慎重投与の対象だと思います。

慎重投与というのは、そのとききちんとモニターをするということでありますので、ここがなぜそんなにおくれているのか、事故がたくさん重なって、悲しい死が重なってなお慎重に検討では、とても納得ができない。塩崎大臣には、きちんとここをリーダーシップをとってお願いをしたいと思います。

引き続いて、今話題の愛媛県今治市、でも、きょうは加計学園ではなくて、昨年の十二月に、愛媛県今治市の丹産婦人科というところで、実は、この産婦人科は、死亡を含む重大な出産事故が複数、十一件と言われています、起きていたと。

二〇〇四年からは、先ほどの産婦人科医会が、全国の会員に重大事故の報告義務を課しているんですが、これは報告義務であって、義務と言われながら、産婦人科医会ですから、報告、必ずしもしなくても罰則はない。ただ、ここが余りにも妊産婦さん死亡や出血を繰り返しているので、近隣の産婦人科の先生も、あるいは医師会の会長も含めて、この産婦人科の先生のところに行って、一人でお産をしないようにとか、そういうことはお話しされていたようですが、だらだらずるずる続けられてきました。

大臣、これは、私は都道府県による医療監視が甘かったのではないかと思うんです。平成二十六年に監査が一回入っているようですが、実は、この院長は腰痛がひどくて、キシロカインというお薬を大量に使って足元がふらふらしていた、そういうことが周辺の患者さんにも漏れ伝わっていたようなところなんです。でも、この二十六年の監査が甘く、その後も二例出血死が起きています。

今、私は、自分も医者だから思いますが、医療界はそれなりに、事故とか質の整わない診療を放逐していこうと努力していると思います。一方、行政の方は、医療監視というものがなかなか、監査ですね、きちんとした質の担保がされているんだろうか、すごく不安です。

私は、この事案を具体例として、塩崎大臣にお願いがあります。やはり都道府県による医療監査のあり方、十分な情報収集がされ、そして、医療監査は、実際のクリニックの営業をとめさせることもできるんです。先ほど申しました産科医会の先生あるいは医師会の先生も、これは危ないよと、医師会の会長みずからずっとそこに行っていたんですね。でも防げなかった。やはり医療監査という行政の役割が大きいと思いますが、大臣、いかがですか。

 

○塩崎国務大臣 立入検査がこの診療所に対して、三年に一度定期的に行われてきているわけでありますけれども、いずれもこの問題について素通しをしてきてしまっているということでありますから、今御指摘のように、立入検査を充実すべきだということについては、私もそのように思うわけであって、これは厚生労働省としても、愛媛県に対して、厳しくしなければいけないということを申し上げなきゃいけないというふうに思っています。

そもそも、クロノロジーを見ますと、平成十七年から、死亡例だけでも四例もあり、それから一時重体という方がお二人おられ、なおかつ半身麻痺が残るというケースもある、こういうことでありまして、非常に残念な事案が連発をしている。そういう意味で、まず、亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げなければならないと思います。

愛媛県が立入検査をした際に、事故等の重大な問題が発生した場合に速やかな原因究明とか分析を実施されているかどうか、あるいは院内での再発防止策が遵守されているかといった医療安全管理体制の確保について、実態の把握ができていなかったと言わざるを得ないと思います。

平成二十八年の十二月に、この診療所に関する事案が発覚をいたしましたことを受けて、厚労省として、愛媛県に直ちに立入検査を実施するように要請をして、それを受けて、愛媛県が臨時の立入検査をいたしました。それから、全国の都道府県に対して、重篤な搬送困難事例とかあるいは母体死亡事例などが生じた場合には、各都道府県の周産期医療協議会というのがありますが、そこで地域の医療機関関係者で協議をするように、それを徹底するように周知を図ったところでございます。どうも、愛媛県にあっては、この周産期医療協議会が十分開かれてなかったというふうに理解をしております。

厚労省としては、今後とも、周産期医療協議会に報告がなされた事案とか、あるいは妊産婦御本人や御家族から情報提供があった場合、こういった場合に、速やかに自治体に対して、事実関係を把握した上で、必要に応じて臨時の立入検査を行って、特に医療安全管理体制に関する事項については徹底的に確認を行うということが大事だと思っています。

私は、この直後に愛媛県の産婦人科の先生方と勉強会をたまたま予定していて、大変皆さんショックを受けておりました。こういうことがないように、これは一人で帝王切開をやったりされていたということでありますが、病診連携も十分できてなかったということで、特に愛媛大学の産婦人科の先生方などは、やはりもっと病診連携を強化していかないと、診療所で一人でおやりになっている先生方のリスクをしょい切れないという話を私も聞いたところでございまして、こういうことが二度とないように、これはひとり愛媛県だけの問題ではないと思いますので、周知徹底を全国にしていかなければならないというふうに思います。

 

○阿部委員 今の大臣の御答弁のように、これを機に、全国的に必要なことと思いますので、行政の監視能力というか立入調査能力を上げて、緊急に、次の不幸が起こらないようにお願いをしたいと思います。

続いて、医療の情報提供、情報開示の問題に移らせていただきます。

実は、医療事故調査報告制度ができまして、それなりに病院からも情報が上がるようにはなっておりますが、果たして、市民、患者さんの側からこの医療事故調査報告制度がどのように理解されて周知されておるのかということでお伺いをしたいと思います。

大阪で、実は、医療相談、医療被害者を支援する民間団体がホットラインをいたしまして、その相談件数六十三件ございました。そのうち十八件が死亡事故であったそうですが。この民間団体が丁寧に電話対応をする中で、十八件中どなたも医療事故調査制度を御存じなかった。ああ、被害が起きて、どうしようかと思っている人も、医療事故調査報告制度を知らない。病院側は多分、知っているものと思いたいですが、そうすると、患者さん側への、こういう制度があるんだよという周知徹底はどのようになされるかというのが一点。

それから、大臣、続けて二つお願いします。

もう一つ、患者さん側が自分に起きたこと、家族に起きたことを知る場合にカルテやレセプトの開示ということを求めますが、この開示に係る費用は、手数料を徴収することができるとなっておりますが、病院側の手数料が一体幾ら徴収されているのか。実費を勘案して合理的であると認められる範囲で額を決めよとなっているのですが、ある大学病院では一万円、ある大学病院では、カルテの開示は医師の立ち会いがなければだめ、ある病院では、遺族が開示請求したところ、相続人全員の同意書を持ってこいなど、なかなかカルテの情報開示にも到達いたしません。実費とは、一体幾らで開示されているのかの実態調査もお願いしたい。

私の論点は、とにかく医療事故というのは、患者さん側も一緒に協力して、病院側も真剣によりよい医療を求めていかなきゃいけないときに、今、患者さん側からのアクセスがなかなかできないということで、二点お伺いをいたします。

 

○塩崎国務大臣 今、医療事故調査制度についてお話がありましたが、これは前にも申し上げたとおり、最近は世界ではペイシェントセーフティーと言うことが多くて、医療という供給側の目線でいう事故ということで扱われるのは私はいかがなものかなというふうに思っています。

その上で、医療事故調査制度は、医療事故の再発防止に向けての自主的な調査を行うことを委ねられた医療界の取り組みと、医療安全を願う国民と医療機関との間の信頼関係がなければ成り立たない、こういう制度です。

医療事故の、医療事故調査・支援センター、ここへの適切な報告とか院内調査が適切に行われるためには、一般の市民の方に制度そのものについて知っていただくということが大事であって、今御指摘のとおりであります。

では、国民がみんな知っているかというと、必ずしもそうではないのかもわからないということで、私どもは、周知を目的として、医療機関とか自治体等に対して、制度開始時に加えて、ことしの一月にリーフレット約六十二万部、ポスターも三十六万部配付をいたしまして、周知を依頼しております。

まずは、医療機関内の見やすいところにポスターの掲示、あるいは窓口へのリーフレットの配置について医療機関に指導を徹底していこうと思っておりますけれども、例えば国民健康保険を扱う市役所の窓口とか、こういうようなところにも広く張るべきではないかと私は思っているので、そのように徹底していきたいと思っております。

カルテの開示の費用とか条件、恣意的な条件づけの御指摘が今ございましたけれども、厚労省において情報提供の指針というのを策定しておりますが、費用は実費を勘案して合理的であると認められる範囲内の額としなければならないということでありますが、実費というのは何で、合理的というのは何だというところが、なかなか悩ましいところがあると思います。

患者等が補足的な説明を求めたときにどうするかですが、「担当の医師等が説明を行うことが望ましい。」というふうになっておりますが、必ずしもそうなっていないことが見受けられる、そういう問題があるのではないかと思っておりまして、高額な費用徴収を禁止するとともに、医師の立ち会いや説明の義務づけなどの過度な条件設定は行ってはいないわけではありますが、厚労省としては、やはり今御指摘のように、この実態をまず把握する、これが大事だと思いますし、指針に反している事例があれば、これはやはり修正していかなきゃいけないので。

いろいろ見ると、都内の誰でも聞けばわかるような大きい大学病院などで見ると、一つは五千四百円プラスコピー代とか、医師の説明三十分以内で五千円プラスコピー代とか、あるいは三千円台プラスコピー代、ですから、医師の説明が入っていたり入っていなかったり、こういうばらつきが、有名なところでもそうなっていますから、これについてしっかりと調べてみたいと思います。

 

○阿部委員 ありがとうございます。

しっかり実態把握して、患者さんにとって必要な情報が得られるよう、なおお願いいたします。

最後に、子育て安心プランについてお伺いをいたします。本当は、きょうはこれで長くやりたかったんだけれども、最後になりました。

子育て安心プラン、六月二日に出されておりますが、相変わらず、四月の締めでも待機児童が二万三千七百名ある。九月まで見れば、さらに待機児童はふえる。今回、待機児童の解消を三年先送りということで臨まざるを得ない状態と思いますが、私は、そこについてもやはり残念でありますし、しかし同時に、何が一番問題であろうかということで、これも、厚生労働大臣にぜひお願いがあります。

この間、政府は、ハード、受け皿づくり、施設づくりにかなりの精力を注いできましたが、実は、受け皿ができればふえるものというか、待機児童がふえ、そしてもう一つ、保育士不足が加速する。保育士さんのマンパワーが同じ中で、器がふえて取り合い合戦になる、あるいは派遣などにお願いせざるを得なくなる。では、どうすれば本当に、子供の大事な成育にかかわる保育士さんが確保できるんだろうかということで、大臣に見ていただきたいものがございます。

資料の終わりから二枚目でありますが、保育士さんの退職理由で一番多いのが、妊娠・出産、給料が安い、職場の人間関係、結婚、仕事量が多い、労働時間が長いなど、今、ワーク・ライフ・バランスとかM字カーブの解消といいますが、保育士さんほどワーク・ライフ・バランスのないものはない、結婚してやめざるを得ない人ばかり。

そして、下を見ていただきますと、もし再就職するならどんなことを希望するかですけれども、勤務日数を短くしたい、通勤時間の問題、あるいは勤務時間も長過ぎる、雇用形態、給与等々、ずっと並んでおります。

こうしたことを勘案すると、私は、保育士さんというものの働き方をもっと抜本的に見直していただく。

ちなみに、これは私の部屋で独自につくったデータで、最後のデータを見ていただきたいですが、ブルーのラインがM字カーブであります。黄色いラインは東京都における保育士さんの就労割合です。M字カーブというよりも、他の職種に比較して、圧倒的に来ない。他の職種は、例えば八〇・三%くらい、あるいはもうちょっと高い女性の就職率。これは六二。せっかく保育士さんの資格を取っても、はなから来ない状態が都市部では比較的ずっと顕著。ほかに仕事があるからだと思います。

さらに、中国地方のある保育関係学校のその後の女性たちをフォローしたデータですが、当初、二十から二十四歳は八割くらいの就労率なんですが、二十代の後半から三十代でがんと四八・四に落ちて、その後やや上がりますが、その後ずっと下がりっ放し。

私は、M字カーブどころか、地方では一度勤めるけれどもその後ほとんどやめちゃう、都会では最初から余り選ばないとなっていて、抜本的な保育士さんの労働の見直しが必要と思います。

そして、こういうデータも、これは自分の部屋でつくりましたが、政府にはないと思います。ぜひ、労働実態の把握、そして、例えば短時間でも正社員として働ける制度の活用などをお考えいただきたいですが、いかがでしょうか。

 

○塩崎国務大臣 保育士不足と、今お配りをいただいた資料の中で、保育士の働く環境の余りよくない状況について御説明をいただいたわけでありまして。

保育士の勤続年数を見ますと、平成二十八年の調査でも、平均勤続年数七・七年ということで、全職種の十一・九年に比べるとはるかに短いということであり、また、勤続年数別の保育士の数を見ますと、一年未満が一番多くて、勤続年数がふえるにつれて少なくなってまいりまして、特に、勤続年数三年から四年にかけてどんと保育士の数が減っている。つまり、三年が限界で、四年目はもういない、そういう方が多いということだと思います。

また、離職した保育士あるいは保育士の資格を持っていながら保育士として働いていない方々にお聞きをすると、保育士としての就業を希望しない理由は、一つは、賃金と希望が合わない、賃金が希望どおりではないということですね。それから、責任の重さ、事故への不安。やはり保護者との、なかなか難しい保護者もたくさんおられて、正規になると大変だから非正規でいこうとみずから思う保育士さんがおられるという話を私は地元で聞いております。それから、御自身の健康とか体力、かなり、体力を毎日使う、そういうのが上位に来ていまして。

正規、非正規にかかわらず、本来は高い使命感と希望を持って働いていただかなければいけない、長く続けていただかなきゃいけない、そういうお仕事だというふうに思いますが、それは必ずしも今まではそうではなかったということもあって、待機児童解消加速化プランをつくった際には、同時に、保育士の処遇改善についても取り組みを始めて、安倍政権になってから底を打って上がり始めるということになりました。

しかし、絶対水準を見ますと、私も地元で保育園を経営されている方に見せていただくと、なかなか、政治家の事務所並みだなという感じがいたしまして、私どもの方がまだよかったりするときもあるような数字を見て、正直言って、びっくりいたしました。

そういう意味で、特に、キャリアアップの仕組みがない職場で来ちゃった、だから、三年は我慢するけれども四年目はもうやめる、それから、七・七年ということは、もう限界が七年、八年ぐらいという感じもしないでもないので、私どもは、そういうことも考えて、まずキャリアアップの仕組みをつくってください、その上で、経験年数がおおむね三年以上の方には月額五千円、それから、おおむね七年以上の経験をお持ちの方には、中堅ですね、こういった方々には月額四万円の処遇改善を行うということで、頑張れば必ずキャリアは上がっていく、そういう社会をつくるということで、処遇改善も含めて、今回、子育て安心プランをつくらせていただいているということでございます。

保育補助者から保育士になるための雇い上げ支援も拡充をし、保育士の業務負担軽減のためのICT化の支援など、総合的な対策も必要であり、保育料を保育士さんがみずから歩いて集めていかなきゃいけないということを聞いてびっくりしました、これをカード決済にするとか、そういうIT化もやってみると、保育士さんが本来の仕事、つまり、子供としっかり時間を使う、このことにやれて、ますますやる気が出てくるというお話を経営者の一人から聞いておりまして、そういうことを含め、あらゆることをやって、やはり子供が将来の社会を担うわけで、その子供を育てる保育士さんには夢と希望を持ってしっかり働いていただきたいというふうに思います。

 

○阿部委員 民進党も提言させていただきますので、またよろしくお願いいたします。

終わらせていただきます。

 

○丹羽委員長 次に、岡本充功君。

≫ 続きを読む

2017/06/29 国会質疑   abetomoko

6月7日法務委員会議事録

○鈴木委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

本日は、この貴重な法務委員会の質疑のお時間を頂戴いたしまして、理事初め委員長に感謝をいたします。

私は、日ごろ厚生労働委員会に所属しておりますので、めったにはこの法務委員会の質疑に立たせていただくことがないのですが、冒頭、きょう、与党の御質疑の中にも野党の御指摘の中にも、この法案、百十年ぶりの改正に大きく動きをつくられたさまざまな関係者、被害者の皆さんのお声が反映されるようにという御指摘がありました。これは与党も野党も同じ思いだと思います。

もう一点、では、そのお声がどういう形で国会審議というものに残されるであろうか。私は、参考人の質疑と申しますのは、やはり、議事録に残り、日ごろの取り組みについても国会が共有できる貴重な場であるし、この性暴力を含めた刑法の改正にそうした場がないということに著しい違和感を覚えます。

事の発端が皆さんの運動であったにもかかわらず、引用することは容易だと思います、誰それがこう言ったと。でも、やはり、そうした活動してこられた方の声というものが議事録に残る、御自身の発表として残るということが大事と思いますが、委員長についてはなぜそういう行程がとられていないのか。また、委員長御自身は、国会審議のあり方として、こういう国民の声、取り組んできた声が、この場で、委員会質疑で取り入れられることの意味はどうお考えか。冒頭、伺います。

 

○鈴木委員長 理事、委員ともに同じ思いとは思いますが、国会の日程上、やむを得ずこういう日程になったことを御理解ください。

 

○阿部委員 委員長はちょっと早口で、よくわかりませんでしたが、私は、何度も申しますが、やはり、さまざまな御意見を議事録に残していくということは、歴史的な改正である分、絶対に不可欠なんだと思います。

きょう採決やに言われておりますが、引き続き与野党の理事並びに委員長にはぜひお考えを深めていただきたいと思い、私の質問に入らせていただきます。

今回の法改正は、主に四つの大きな柱になっておりまして、一番目が強姦罪の構成要件並びに法定刑の見直し、二番目が監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪の新設、そして三番目が強盗強姦罪の構成要件見直し、そして四番目に強姦罪等の非親告罪化という四点になっているかと思います。

私は、きょうは、特に四番目の非親告罪化ということについてお尋ねをいたします。

さきの質疑の中でも既に林局長からは御答弁があったと思いますが、改めて金田法務大臣に、今回この強姦罪が非親告罪化されたことのメリット、何が大きな前進なのだろうという点をお尋ねいたします。

 

○金田国務大臣 阿部委員の御質問にお答えをいたします。

現行法上、強姦罪、強制わいせつ罪等は親告罪とされております。その趣旨は、一般に、公訴を提起することによって被害者のプライバシー等が害されるおそれがあって、被害者の意思を尊重するためである、このように解されております。

もっとも、性犯罪被害者やその支援団体関係者等からのヒアリング等を踏まえて検討いたしました結果、現在の実情としては、犯罪被害によって肉体的、精神的に多大な被害を負った被害者にとりましては、告訴するか否かの選択が迫られているように感じられたり、告訴をしたことによって被告人から報復を受けるのではないかとの不安を持つ場合があるといったようなことなど、親告罪であることによりかえって被害者に精神的な負担を生じさせていることが少なくない状況に至っているものと認められたわけであります。

このような実情に鑑みました場合には、これを非親告罪化して、親告罪であることにより生じている被害者の精神的な負担を解消することが相当であると考えられたことから、今回の改正案において強姦罪等を非親告罪化するということにしたものであります。

 

○阿部委員 確かに、人を告訴、告発するというのは、大変に精神的にも負担が大きい。プラス、今大臣がおっしゃったように、しかし、非親告罪化されたときに、プライバシーというものがどうなっていくのか、自分が本当は望まない告訴という形になってはいけないということは、今の大臣の御答弁でも確認をされたと思います。

その上で、お手元の資料を見ていただきますが、ここには、いわゆる強姦あるいは強制わいせつなどで、告訴欠如という形で、その方が告訴をしないという形で不起訴になった件数の推移がございます。当然ながら、一般犯罪よりは、告訴欠如、告訴をしないということの比率は多いと思います、一般犯罪で二から三%ですから。

しかしながら、強姦とか強制わいせつ罪の特殊性で、あるいは相手から示談などがあって、結果的に告訴欠如となったもの、強姦では近々の資料で二四・八%、そもそも不起訴が六二・六ですから。また、強制わいせつ罪でも二九・八%。すなわち、四件に一件あるいは三件に一件は、告訴欠如という理由で告訴がされない。嫌疑不十分というものと並ぶほど、告訴欠如というものが強姦ではふえております。

先ほどの井出委員とのやりとりで、強姦と準強姦は、自由な意思による性交ではないという意味で、根本的に、本質的に同じものであると。私もそう思います。意思を奪われた上での性交あるいはわいせつでありますから、そこが起点、出発点と思います。

と同時に、いわゆる強姦と準強姦、意識がない状態、アルコールや薬物やいろいろな中で意識がない状態でそうした行為が行われた場合には、なおさらにこの事態を告訴するためのハードルが高いと思います。すなわち、告訴欠如に至る比率が高いのではないかと思います。これは、告訴しようにも、そのときの記憶等々が取り戻せないというのもあるやもしれません。

そこで、これは担当並びに金田法務大臣にお伺いをしたいと思いますが、なぜ、集計上、強姦と準強姦は分けられず告訴欠如という中でカウントされているのか。いろいろな資料を拝見しましたが、準強姦だけを分けたものが見当たりません。この点について、私は、分けてきちんと現状を把握すべき。普通の犯罪に比べて強姦は告訴をされていない率が高い、さらに準強姦では高いのではないかと思います。すなわち、自由意思が表明できない状態では告訴欠如になる率が高いのではないかと思いますが、これについて、大臣、お願いします。

 

○井野大臣政務官 先生の御趣旨は、準強姦事件に特有の分析を可能とするため、強姦罪と区別して統計をとるべきということだと思われますけれども、準強姦事件については、強姦事件と比較して立証が困難であるなどとは我々としては一概に考えてはおらず、また、検察当局においても、個別具体の事案に即して、法と証拠に基づいて適切に起訴、不起訴の判断をしているものと我々は承知をしております。

したがいまして、強姦罪と準強姦罪を区別して統計で把握することが必ずしも必要であるとは考えていないということでございますが、もっとも、法務省としても、今後とも、今回の法改正を機に、性犯罪の動向を注視してその実態を把握するよう努めることは重要なものであると認識をしているところでございます。

 

○阿部委員 立証が困難かどうか把握できるためのデータがないということだと思います。立証が困難かどうか把握していないというのは、個別の事案はさまざまであります、しかし、そのとき、意識がない状態下で起こる、告訴、告発には結びつきづらい、それが本当にデータ上そうであるのかそうでないのかも、分けられておらなければわからないわけです。

私は先ほど、法のというか刑の根本、何が問題なのかというと、自由意思によらない性交ということが犯罪の構成要件だと思いますが、それでもさらに薬物が使われ、あるいはアルコールが使われ、準強姦という事態が起きているという現実が多々ある中で、その方たちが果たして本当に妥当な捜査を保障され、告訴まで道がつながっているかというと、そうではないと思いますので、データがないということをもって、立証困難かどうか、差がないと言わず、データにのっとっておっしゃっていただきたい。それは物の理でありますから。

金田大臣、今後、この法律が成立したときに、準強姦罪におけるアルコールや薬物の使用というのは非常に深刻な問題。もちろん脅迫、暴行要件も重大です。でも、そもそも自由意思をなくさせられている中で起こることで、それがプラス薬物、アルコールをもって行われ、なかなか告訴に結びつかないと思いますから、そういう観点で分析をしていただきたいが、いかがですか。

 

○金田国務大臣 今委員御指摘の点につきましては、一般的に申し上げますと、今後とも性犯罪の動向というものをしっかりと注視してその実態を把握するように努力していく過程の中で非常に重要な御指摘の一つだ、このように思っております。

 

○阿部委員 ありがとうございます。

と同時に、今回、非親告罪化したことで、最も意思を表明できない子供の問題、未成年の問題は私は大きな前進をしていると思います。大臣にあっては、子供が被害者の犯罪、また子供たちへの支援ということについてはどんなお考えをお持ちか、お願いいたします。

 

○盛山副大臣 今、阿部委員が御指摘のとおり、子供が性犯罪の被害者となった事案におきましては、被害の認識あるいは表現の能力が乏しいという子供の特性を踏まえた対応が大変重要であると我々は考えております。

検察当局におきましても、このような認識に基づきまして、例えば児童相談所などの関係機関との十分な情報交換、あるいは親権者ほかとのコミュニケーションを行うなどして、その特性に配慮した対応に努めているところでございます。

 

○阿部委員 この件につきましては、後ほど民進党の山尾志桜里さんも取り上げられることと思います。

本来は、こうした場で、子供の性暴力の支援に当たっている方から私はぜひ御意見を賜りたいと思います。本当に潜在化して、親子の力関係の中で、性暴力を受けたとしても、それは自分が悪いんだ、あるいは、言ってしまえばお父さん、お母さんが罰せられる、だから自分が全部抱え込まなければと思っているのが子供の実情であります。今回の法改正からさらに本当に子供の人権の回復に向かうよう、この点については後ほど質疑の中で取り上げさせていただきたいと思います。

私は、きょう、ワンストップ支援センターと内閣府で言っておられる、私どもは性暴力被害者支援センターと名づけておりますが、被害者がそうした事態に出会ったときにまずそこに相談をして保護されるような仕組み。それは、今申し上げました子供たちにも、あるいは、なかなか警察に行って告訴というプロセスをとりがたい方々にとっても、いわゆる性暴力、性犯罪として警察が把握するものは、というか、警察に行くということ自身が一桁のパーセンテージだと思いますから、それ以外に、氷山の、海の中にあるような事態についてどういう受けとめをしていくべきかということで、このワンストップ支援センターについてお伺いをいたします。

内閣府にお願いしたいと思います。実は、ワンストップ支援センターは平成二十三年の第二次犯罪被害者支援計画の中に明文化をされておりますが、この経緯とお取り組みについて教えてください。

 

○大塚政府参考人 お答えをいたします。

ワンストップ支援センターでございますが、性犯罪、性暴力被害者の支援のため、いろいろな支援を一元的にそこで提供するということで、今お話のございました計画、さらには第四次の男女共同参画基本計画に基づきまして、今、全都道府県に一カ所を設置すべく、私どもの支援も含めて推進をしているところでございます。

現在、三十八都道府県、箇所数でいいますと三十九カ所で設置されているところでございまして、引き続き、この全都道府県設置に向けまして、私ども、支援を進めてまいりたいと考えております。

 

○阿部委員 恐縮ですが、これはとても重要なことなので、この設置の目的ということ、何を目的としているのかを明示していただけませんでしょうか。言葉で表現していただきたいと思います。目的とは何でありましょう。お願いします。

 

○大塚政府参考人 お答えをいたします。

設置の目的でございますが、これは、性犯罪、性暴力被害者に対しまして、被害直後からの総合的な支援、この総合的な支援と申しますのは、産婦人科医療、相談・カウンセリング等の心理的支援、さらには捜査関連の支援、法律的支援、こういったものを可能な限り一カ所で提供することによりまして、被害者の心身の負担軽減、健康回復、さらには警察への届け出促進、被害の潜在化防止を図る、これを目的とするものでございます。

 

○阿部委員 ありがとうございます。

私は、今回の法改正が、もちろん、起こした罪への刑罰を強化するという点は評価いたしますが、同時に、犯罪には被害者がいて、その方たちの人権回復というのは車の両輪で、その意味で、こちらの支援の側が薄いというか、現状において追いついていないという点を大変懸念しておりますので、今確認をさせていただきました。

そして、ワンストップ支援センターは、お手元の資料にございますように、いただきました資料ですと、現在三十九カ所という私の手元の表、そして、都道府県にするとたしか三十八であると思いますが、ずっと見ていただきますと、病院あるいは病院連携型というのは九つしかなく、いわゆる連携型と呼ばれるものがほとんどであります。

しかしながら、そもそも内閣府がつくられたワンストップ支援センター開設・運営の手引というものがありまして、これを見ますと、地域事情もあろうかと思いますが、病院拠点型や相談センター拠点型ということの方が望ましい、それは、病院機能とすぐにタイアップできる、あるいは病院そのものが支援センターになるということですが、しかし、でき上がってみると、確かに数はふえておりますが、相談連携型といって、各医療機関にはタコ足のように連携をお願いしながらやっていくというものがふえております。

この現状についてはどう改善していかれるおつもりでしょう。お願いします。

 

○石原副大臣 委員御指摘のとおり、性犯罪、性暴力被害者支援のためのワンストップ支援センターは現在三十八都道府県で三十九カ所設置されており、そのうち病院拠点型については九カ所というふうに承知しております。

内閣府では、個々の都道府県の詳細な状況については十二分に把握しておりませんが、病院拠点型が少ない主な理由としては、拠点となる病院の不足、医療関係者や支援者などの人材不足などが原因であるというふうに考えております。

一方で、病院がワンストップ支援センターの拠点としての役割、機能を担うことは難しい場合でも、委員が言われたように、協力病院や連携病院といった形で、支援のネットワークの中で一定の役割を担っているケースがあるというふうに考えております。

こうした状況は地域によりさまざまと考えられるので、都道府県の実態やニーズに応えられるように、今年度予算で設けた性犯罪・性暴力被害者支援交付金を効果的に活用して把握をしてまいりたいというふうに考えております。

 

○阿部委員 確かに今年度、支援交付金が出まして、医師の研修並びに看護師さんの研修等には多少の費用がつきますが、後ほど御紹介しますが、病院拠点型というと、医師が当直をしていて二十四時間対応ができる、そして夜の方が暴行事件は多いわけで、本当にいつでも即つながるという意味では、これは内閣を挙げて病院拠点型に持っていく必要があります。確かに、医師が不足している、あるいはもろもろ地域事情もあると思いますが、後ほど私がこういう案はどうだろうということを提案させていただきますので、またそのときに機会あれば御答弁をお願いいたします。

そもそも、先ほど、警察に駆け込んでいかれるというのは大変少ない、ハードルが高いということを申し上げましたが、その警察が、もしそういう被害者の方が助けを求めて来られた場合に、窓口の警察官の対応というのはどのように教育されているであろうか、これについて御答弁をお願いいたします。

 

○高木政府参考人 性犯罪被害者の精神的負担の軽減あるいは被害の潜在化防止といったことを図るためには、特に被害者に対する対応が適切になされることが極めて重要であるというふうに認識しておりまして、そういった観点から、捜査員に対する教育、研修の充実等に努めているところでございます。

具体的には、教育訓練の中では、被害者の心情に配慮した対応、初動捜査の具体的方法、被害者聴取のあり方等を具体的に教えているところでございまして、今後ともこういった指導教養をさらに充実してまいりたいと考えております。

 

○阿部委員 私が今、警察の初動というか警察が何をしているのかということでお尋ねいたしましたが、先ほど、司法の場でも必ずしも被害者の心情に配慮がない場合もあるということがあったと同じように、警察の場でも警察による二次被害ということが従来から言われております。犯罪の特殊性だと思いますが。

事例の紹介を一例だけさせていただきますが、私は神奈川で、選挙区は藤沢ですが、すぐ近くに横須賀があって米軍基地がございます。そこで二〇〇二年に起きたジェーンさんという女性の強姦事件であります。

この方は警察に行かれましたが、十時間近くも警察にとめ置かれ、アメリカ等々ですとレイプクライシスセンターというのがあって、犯人の証拠をとるために病院機関にすぐ連れていかれて、そして外傷があればケアを受けて、情況証拠を採取して、そして、そこからまたいろいろな取り調べに持っていくというところなのですが、このジェーンさんの件は十時間横須賀の警察署にとめ置かれたということです。

これはもちろん、二〇〇二年の事案ですから、その後、彼女は国賠訴訟を起こしまして、その対応がきちんと本当に自分の人権を守ったのかどうかということを起こされましたので、警察庁としても改善していると思いますが、ただ、さまざまな、犯罪捜査規範や被害者対応要綱、あるいは内部規律などの中に、本当に、被害者に迅速に医療が必要なんだということをちゃんと紹介して、道をつないでいるだろうかという点で、私は今も懸念が残ります。

というのは、被害を受けた当事者の女性は、もう本当に判断が不能な状態で、今すぐ医療的にやらなければいけないことがあるというふうには考えられない、とにかく何でもいいから助けてほしいとそこに行くわけで、そのときの初動の警察官に、医療の必要性から、その方の人権への配慮というのは極めて重要となりますので。

また、きのう、警察庁の中で何か使っているマニュアルとか本はないのですかと伺いましたが、各都道府県でやっておりますというので、どんな指導が具体的になされているかをいただけませんでしたので、これは心にとめていただきまして、二次被害が起こらないようにお願いをしたいと思います。

さて、私が先ほど来強調しておりますように、性犯罪の特殊性は、即医療が必要になるものが多いということで、一つ御紹介したいのが、大阪にございますSACHICOというワンストップ支援センターであります。

皆様のお手元に資料をつけさせていただきましたが、このSACHICO、性暴力支援センター大阪。セクシュアル・アソールト・クライシス・ヒーリング・インターベンション・センター・オオサカ、これを全部略すと、たまたまSACHICOといういい名前になるということです。

基本理念ということで、ここは病院型の支援センターですが、被害直後からの総合的支援ができる。二十四時間体制のホットラインと、支援員が常駐して心のサポートをすると同時に、二十四時間の産婦人科救急医療体制と継続的な医療を行い、警察、弁護士、カウンセラーなどの機関への連携を行っている。当事者が告訴するしない、あるいはその後どう生きていくかを自分で選べるような体制と、究極的には性暴力のない社会の実現を目指しているということです。

ここに、二〇一〇年から二〇一五年三月までの実績がございます。この五年間で、相談件数は九百八十三。ここを受診された、カルテの枚数であります。大体年間二百件くらい。正直言って、ワンストップ支援センター、他の支援センターで、ここほどたくさんの件数を受け入れて、実際の支援につなげているところはないと思います。

ちなみに、性虐待も二百十三件。これはとても警察に上がる数ではありません。また、DVあるいはレイプ、強制わいせつでは、未成年の比率が大変多い、五百七十七件中三百十六件となっております。今、もっと件数はふえていると思いますが。

このSACHICOの活動は、チャートで、次に絵がございますが、阪南中央病院という院内にあって、女性医師が二十四時間対応をしていて、そしてホットラインを持ってやっているというところでございます。

次に、また開いていただきますと、レイプ、強制わいせつ被害者の診療というのは、時間外が多くて、時間もかかる。被害者への診療は平均百十三分であります。状況を聞きながら、証拠を採取する。時間外の受診が六〇%、深夜帯が一三%。すなわち、拠点病院でないと、とてもこれだけはできない。

もちろん、警察が連携して、善意の先生方がいろいろ協力はしてくれる。レイプのときの証拠採取セットというのがあって、それを医療機関に渡しておくのですけれども、そういうやり方では、なかなか全体の、レイプに対しての対応が持ち上がっていかない。もちろん、お医者さん側は善意で一生懸命やってくれていますが、まだまだだと思います。

すなわち、時間と人員と場所が必要で、当然それを配置するにはお金が要るということです。入り口も別にします。普通の産科、出産の入り口と、夜中に生まれる赤ちゃんも多いですから、でも、こちらで起きた不幸に対応するときの窓口は変えて、裏からわからないようにしてなどの施設の改築も必要です。

その下に書いてありますが、レイプ、強制わいせつの被害者五百七十七人にどんな対応がされたか。緊急避妊薬の処方、性感染症の検査、そして犯人の精液などの採取。あるいは、少しおくれて来た方は、妊娠をしておられる方も五十三人。七十二時間以内に避妊措置をしないと本来はいけないのですけれども、なかなかたどり着かなくて、妊娠してからという方もございます。その他、弁護士紹介、カウンセリング紹介などとなっております。

ここで金田法務大臣にお伺いいたしますが、先ほど被害者の方とか支援団体とお話をされたことがありますかという質問がほかからもございましたが、私は、こういう現場で支援に携わっている、大変件数も多い、そして性被害とは何かということを理解していただくために、金田大臣にあってはぜひ視察もしていただきたいし、きちんとこれを定着化させるために御尽力いただきたいが、いかがでしょう。

 

○金田国務大臣 阿部委員から、ただいま、性暴力救援センター大阪、SACHICOの取り組みについてさまざまな御説明を賜りました。

私は、犯罪の被害に遭われた方々の声に真摯に耳を傾ける、そしてその保護、支援に取り組むということは非常に重要なことであろう、このように認識をいたしております。

このSACHICOのケースは、性犯罪、性暴力被害者に被害直後からの総合的な支援を可能な限り一カ所で提供するということによりまして、被害者の心身の負担を軽減し、その健康の回復を図るとともに、警察への届け出の促進、被害の潜在化防止を目的とするワンストップ支援センターである、このように認識をいたしております。

ワンストップ支援センターが一番初めに整備されたのは恐らくこの大阪のSACHICOなんだろうと思うんですね。ですから、そういう意味においても、先頭を切って頑張っておられるということに非常に感心をして拝聴しておりました。

そういう中で、私は、性犯罪や性暴力の被害者というのは、多大な精神的な苦痛あるいは身体的な苦痛を受けてさまざまな支援を要するんだということから、その心身の負担を軽減し、心身の健康の回復を図るというワンストップ支援センターの取り組みというのは極めて重要なものであるなという思いを抱いてお聞きしておりました。

犯罪被害者等基本法によります基本計画、その第三次基本計画においてはワンストップ支援センターの設置促進が施策として明示されておりますことからも、さらなる拡充が図られるということを私としては期待していきたい、こういうふうに思っております。

 

○阿部委員 私がぜひお願い申し上げたいのは、やはり医療型の拡充ということには人件費もかかりますし、病院の体制整備も必要であります。石原副大臣にお伺いいたしますが、これは内閣を挙げてそういう支援をしていただけることが大変重要だと思います。ことし、二十九年度からいろいろな交付金が始まっておりますが、まだほんのスタートで、ちっちゃな芽であります。しかしながら、これは本当に、こういう被害者にとっては、病院というのは不思議なことに、そこに駆け込めばちょっと守られるということも同時に感ずる場所でありますので、ぜひさらなる支援というかバックアップをお願いしたいですが、いかがでしょう。

 

○石原副大臣 お答え申し上げます。

当該交付金は、ワンストップ支援センターの全都道府県での早期設置とその安定的な運営を図るために、今年度予算に新たに設けたものであります。今、金額はまだ小さいというお話がございましたけれども、まずはこの今年度新設した交付金を適切に施行していくことが何よりも重要であるというふうに考えております。

その上で、今後のあり方については、各都道府県における取り組み状況などを勘案しながら、引き続き内閣府として検討してまいりたいというふうに考えております。

 

○阿部委員 ずっとモデル事業以来、必ずしもスピードアップした取り組みではない。ただ、これは緊急性のあるものですし、一方で法改正がされて非親告罪化されているわけですから、やはりもう一つの被害者支援ということは、私は並び走っていただきたいと思います。

引き続いて、最近大変に目にとまることが多い、学生あるいは医学部の学生並びに医師による集団の強姦事件についてお尋ねをいたします。

金田大臣にも最後のページをお開きいただきたいのですが、ここには、大学生等による主な集団暴行事件というのを新聞等々に出ている限りにおいて拾わせていただきました。

古くは、二〇〇一年、早稲田大学のイベントサークル、スーパーフリーというところの学生たちが起こした事件、それから、京都大学が二〇〇五年の十二月、京都教育大学が二〇〇九年の二月。おのおの特徴的なのは、女性を酒に酔わせて、飲ませて暴行を集団で働くという、ひきょう者のきわみだと思いますが、こういう事件が多く起きております。

特に二〇一六年は、立て続いて四件ですね。起きたところは、おのおの、東邦大学の医学部の卒業生である研修生が、千葉の船橋中央あるいは東京慈恵医大等々に勤めていて、研修をやっていて、これもお酒を飲ませて暴行した。専用のマンションの一室を借りてやっていた。東京大学でも、大学生と大学院生五人が、同じように、女性を酒に酔わせてわいせつ行為に及ぶ。慶応大学でも、神奈川県の葉山の合宿施設で、ミス慶応コンテストを主催して、そのときに被害女性を集団で強姦する。そして千葉大学、これも医師が関係していますが、千葉大学医学部の男子学生らが、飲食店で女性を酒に酔わせてトイレで暴行する。医学生三人と医師一人、東邦大学の方も研修医と現役学生一人ということで、どの事案を読んでも、大変に社会の風紀がもう本当に乱れていて、深刻な実態と私は思います。

ここでお尋ねですが、今回、集団の強姦あるいは準強姦などについては、集団強姦罪というものを廃止することになっております。

平成十六年に、集団で強姦するとは、共謀して強姦するわけですから、普通の強姦よりはやはり問題が大きいだろうということで、集団強姦罪と別途、やはり法律というのは国民へのメッセージですから、こういうものはやってはならない、より厳密に罰するぞということで、平成十六年に改正が行われました。

今回廃止となっておりますが、果たしてこれで国民へのメッセージを誤ることがないのか。これだけ事件が起きているときに廃止をして、例えば、強姦の実際の量刑が上がったから、わざわざ集団強姦罪だけ別にしなくてもいいんですという考え方かと思いますが、法律とは何か。国民へのメッセージだと考えれば、現時点で集団強姦罪をなくす意味は何でありましょう。

 

○盛山副大臣 阿部委員の御指摘のとおり、今こういうような事案が大分ふえているというのは、本当に残念なことだなと思います。私もいろいろ感想を述べたいわけでございますけれども、法務省として述べることではないでしょうから、ちょっとそれは残念ながら別の場でということにさせていただきますが。

お尋ねの集団強姦罪廃止の件でございますけれども、現行法におきましては、集団強姦罪の法定刑の下限が懲役四年でございます。今回の法改正では、強姦罪の法定刑の下限を懲役三年から五年に引き上げるということで、現行の集団強姦罪の法定刑の下限を上回るということになります。

ということでございまして、集団による強姦の悪質性については、引き上げられた法定刑の範囲内で量刑上適切に考慮することによって適切な科刑が可能であるといったことから、集団強姦罪を廃止することが相当と考えますし、また、集団強姦罪を廃止する以上、集団強姦致死傷罪についても廃止するのが相当と考えたところであります。

そして、阿部先生御指摘の、誤ったメッセージを発することになるのではないか、こういうことでございますけれども、集団的形態の強姦、準強姦については、暴力的犯罪としての凶悪性が著しく強度である点で悪質であるという点では私どもも同感でございます。

しかしながら、今回、強姦罪の量刑を引き上げるということとしたものでございますので、仮に、今般の強姦罪、強姦致死傷罪の法定刑の下限の引き上げに合わせてさらに集団強姦等の罪等を引き上げるとすれば、例えば、集団強姦罪の法定刑の下限を、通常の強姦罪の懲役五年を超える例えば懲役六年などとして、そして、集団強姦等に係る致死傷罪の法定刑の下限を、通常の強姦致死傷罪の懲役六年を超える例えば懲役七年といったことが考えられるわけでございます。

しかしながら、現行法上、集団強姦等に係る致死傷罪の法定刑の下限につきましては、酌量減軽をした場合において執行猶予を付することができる限界である懲役六年とされております。この趣旨は、犯行に加担した者の中でも関与の度合いが比較的軽微な者であって前科等のない犯人が、被害者に対して最善の慰謝の措置を尽くすなどしたにもかかわらず、酌量減軽をしても執行猶予を付し得ないことには問題があると考えられたからでありまして、この趣旨は現在も妥当することから、法定刑の下限を懲役六年を超えるものにすることは適当ではないといったようなことでこういった結論になっているということを御理解いただきたいと思います。

 

○阿部委員 今御答弁いただいたのは単に量刑の年数の問題であって、私が申し上げたいのは、法は社会へのメッセージ。その数量化されたものが何年という刑ではありましょう。しかしながら、これだけ集団の強姦事件が起きている中で、集団強姦罪そのものが廃止ということは、やはりその名前を残すことだってできるわけです。何がいいことで何が悪いことなのか、何をやるべきではないのかというメッセージがこれでは明らかにならない、法の持つ意味が後退をすると私は思います。

大臣、普通に常識で考えて、これら、今まで随分、強姦しても、確かに執行猶予がつくものが多いのです。懲役三年でも執行猶予がつくとか、現実には強姦しても罰せられないというメッセージにもなりかねないから、その法定刑を上げていくということはいいと思います。しかし同時に、集団強姦罪そのものがなくなるというものではない。その行為に対する考え方というものは明示されるべきだと思いますが、金田大臣、いかがですか。

 

○金田国務大臣 委員御指摘の点は先ほどから拝聴いたしておりました。

私どもがこのたびの改正に際しまして申し上げたいことは、ただいま副大臣から申し上げたとおりであります。

 

○阿部委員 この刑法改正に当たって、特に子供たちを性暴力から守るためにぜひ改正をと言っておられた方からの言葉なんですけれども、法律は大人から子供へのメッセージというふうに言っております。これを読みかえると、法律は時々の社会がどうあるべきかのメッセージであります。私は、大事なところが抜けているように思います。物事の軽重だけではかっていって、執行猶予になる年限がどこからかなどでやっていくということは、そもそも残すこともできたはずですから、今の御答弁については承服しかねますが、そうされたということは、御説明ですから、承りました。

そして、では、どうして私たちの社会はこうなってしまったのかということで、医学部教育のあり方ということも、特に東邦大学や千葉大学は、医師になる方たちが率先して強姦を起こすなんということは本当に厳しく罰せられるべきだし、また、教育課程でそういうことはきちんと、女性の人権、ジェンダーは教えられるべきですが、一体文部科学省はどう取り組んでおられるのかについてお伺いいたします。

 

○樋口大臣政務官 将来医師を目指す医学生には、とりわけ高い倫理観や人権意識が求められていると認識をしております。

医学教育において、学生が卒業時までに身につけておくべき必須の実践的診療能力の学修目標を提示いたしました医学教育モデル・コア・カリキュラムにおいて、医の倫理と生命倫理に関する規範に関する項目が盛り込まれているところでございます。

これらに基づきまして、各医学部において、一般社会倫理から医の倫理まで広く学び、これらを深く学んで理解する、倫理、心理、社会問題に対応できる能力を養うといった、医師として求められる倫理観や人権意識を涵養するための教育が実施されていると認識をしております。

さらに、平成三十年度から運用予定の医学教育モデル・コア・カリキュラム、平成二十八年改定でございますが、これにおいては、医師として求められる基本的な資質、能力として、新たに、医師としての尊厳と責任を自覚し人格を高めることや、法規範の遵守及び法秩序の形成に努めることが明示された日本医師会の医師の職業倫理指針に関する規範を概説できるといった項目を盛り込むなど、医の倫理にかかわる学修目標を充実しているところでございます。

文部科学省といたしまして、このような取り組みを通じて、医師としての職責や倫理に関する教育がさらに充実をするよう、各大学に対して促してまいりたいと思います。

 

○阿部委員 今の御説明を聞いても、やはり、女性の人権やこういう強姦ということについて、ほとんど具体的にそれでは教えられないと私は思います。そういう方がお医者さんになって本当に女性たちが安心してかかれるだろうかと、恐怖すら覚えます。

私の提案は、先ほど石原副大臣がいろいろこれから充実させるとおっしゃった、ワンストップ支援センターを各大学医学部に置くことです。二十四時間できるのですから。そして、そういうことが自分のそばにある、何がこれは問題なのかということを、OJTではありませんが、日々学ぶことであります。事態は非常に深刻です。

これは、次に、厚生労働政務官にお伺いいたしますが、多くの大学病院は同時に特定機能病院で、患者さんに対してハイレベルな医療を提供する、当然高い倫理性も求められる。例えば、特定機能病院にワンストップ支援センターの医療型を設置するとか、何らかの具体的なことがなければ、倫理規範といってこうやって読んでも、正直だめなのです。

本当にこういうことが根絶されるように、私は前、厚生労働委員会でこれを取り上げたことがありますが、ぜひ、文科省と協力して、特定機能病院ないしは大学病院、特定機能病院の八割以上は大学病院ですから、人材はおられるはずです、できるはずです、お取り組みいただきたいが、いかがでしょう。

 

○堀内大臣政務官 阿部委員御指摘のように、性犯罪、性暴力被害の支援を行うに当たって、医療機関の果たす役割は大変重要だと認識しております。

しかしながら、性犯罪、性暴力被害者のためのワンストップ支援センターは、先ほど阿部委員がお配りくださった資料の四にございますように、病院拠点型のみならず相談センター拠点型などの多様な形態がありまして、特定機能病院や医療機関以外の類型も含めどのような主体がその役割を担うべきかについては、地域の実情に応じて検討される必要があるものではないかと思っております。

厚生労働省といたしましても、引き続き、文科省、内閣府と連携しつつ、ワンストップ支援センターの設置に向けて、関係団体や都道府県に対する周知、協力依頼、そういったものを行ってまいりたいと思っております。

 

○阿部委員 国としてやるべきことを地域の実情に逃げたら私はだめだと思います。

私たち五つの野党で、ワンストップ支援センター医療型を設置してほしいという法案を実は提出しております。それは、やはりそこに政治の意思の優先順位を置けということであります。

被害者をきちんと受けとめられる支援センター、もちろん、相談型でも、ないよりはずっといい、連携型もそうであります。でも、絶対必要な産婦人科医療の部分がきちんとそこに常時確保され、そこで性暴力とは何かということを自覚した医師が育ち続けるということが、社会から性暴力を根絶していく大きな道だと思うし、同時に、学生たちが逆に言うと安易にこういう事件を起こさない、そうしたことを保障していくと私は思います。

ちなみに、私がこれだけ力説するのは、今、大変問題になっております、TBSの元記者が詩織さんという女性を準強姦したかもしれないと言われている事件がございます。これが、もしも病院拠点型に来ていただくと何が違うのか。

実は、先ほど申しました性感染症があるとかあるいは避妊措置をとるとか、いろいろありますが、それと同時に、血液を必ず採取して保存しておきます。そうすると、今多い、集団強姦も全部そうですが、酒に酔って、あげくに強姦をするわけです、血中のアルコール濃度、あるいはデートのときに相手の意識をなくすために使う薬物などの濃度も、きちんとそこがチェックできます。

医療は常に、例えばそれがいろいろな中毒ではないか、何が起きたのかということを検証するために冷凍保存を、このワンストップ支援センター、SACHICOに行っていただけばわかりますが、血液をとってやっております。恐らく、警察の窓口に行かれても、それだけの体制がある病院につながらないことも多いと思います。

私がわざわざ準強姦と強姦を分けたのは、そのとき女性に記憶がない、もちろん、同意によらない性交は一緒です、でも、情況証拠を固めていかないと、告訴にも結びつかない、結局不起訴になっちゃう。それでは本当に魂の殺人と言われるレイプの犠牲者は後を絶ちません。

金田法務大臣にもう一度伺います。

私は、そういうことをきちんと見てきていただきたいのです。病院拠点型の支援センターとはどんな体制で、ここは何が保障されているのか。最後に、金田大臣、私は、今これだけ世上騒がれている強姦の問題、女性たちの虐げられた人権の問題、どうやっても政治が意思を持って解決していかなければならないと思いますが、視察を兼ね、そして状況を見ていただいて、本当の充実、本当の支援のために先頭に立って御尽力いただきたいが、御答弁をいただきたいと思います。

 

○金田国務大臣 阿部委員の先ほどからの貴重なお話を伺っておりました。ワンストップ支援センターの設置促進は非常に重要であるということ、それに加えて病院拠点型が非常に意味があるというお話、そういう一つ一つになるほどなという思いを持って先ほどからお聞きしていたことを繰り返し申し上げたいと思います。

このたびのこの法案のことにつきましては、今までも可能な限り、たくさんの皆様の思いやお話や経験をお聞きしてこの改正に至ったわけですけれども、私たちの努力というものはこれで終わりとかいうものではありません。これからも、法案の成立を見た暁には、それをベースにした対応をやはりしっかりと行政としても考えていかざるを得ませんし、そしてまた、その法律に足らざることがあれば、それはまた次の機会を考えていく、そういう努力を続けなければいけないなという思いを改めて感じた次第であります。

 

○阿部委員 ありがとうございます。

最後に、この五年間の被害者とつき合って見えてきたことというSACHICOの取りまとめをお伝えしたいと思います。

一つ、警察に行けない被害者も多い。一つ、妊娠してからの来所が多い。一つ、アルコール使用、ネットでの接触、集団レイプが多い。一つ、障害を持つ人の被害の発見と対応がおくれがちである。一つ、子供の性被害が多い。

これらは全て潜在化しやすいもので、このワンストップ支援センター医療型が大きな役割を果たしたということであります。

大体、年間三千万から五千万の維持、運営、管理費が必要です。石原副大臣にも御尽力いただきますが、政府を挙げて、そして厚労省も文科省も御尽力をいただきたい。

以上で終わらせていただきます。ありがとうございます。

 

○鈴木委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

≫ 続きを読む

2017/06/29 国会質疑   abetomoko

6月1日原子力問題調査特別委員会議事録

○三原委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。
きょうは、原子力規制委員長の田中委員長にほとんど大半の御答弁をいただきたいと思います。
東京電力の福島第一原発事故という、我が国にとっても世界にとっても非常に衝撃のある事故の後を受けて、従来の経済産業省にあった保安院から、独立した形で、規制のための機関として原子力規制庁ができ、その初代のお役目をずっと一貫して、ある意味淡々とといいますか、本当に誠心誠意お務めいただきまして、その取り組みに敬意を表したいと思います。特に、IRRSのミッションなどを受け入れて国際的な水準に近づけようという御尽力についても英断というふうに思っております。
私が本日お伺いしたいのは、実は先日、我が党の初鹿議員がお尋ねを申し上げた柏崎刈羽の案件でございます。
私も今週月曜日、柏崎刈羽に行ってまいりまして、東京電力の方からもいろいろお話を聞いてまいりましたが、そもそも審査の過程で、いわゆる重要免震棟と言われて、東京電力福島第一原発事故の折にも大きな機能を果たしたということで高く評価されている重要免震棟が、本年の二月になりまして、この機能にたえられない、特に耐震機能にたえられないということで、それまで累次にわたって東京電力が申請してこられたことと、やはり事実がきちんと伝えられていない、審査書類の不備等々も含めて、田中委員長から厳しく廣瀬東電社長にも御注意が行ったものと思います。
私は、この間の経緯を見まして、また視察をして、本当に思いましたけれども、東京電力側は、もちろんデータを公表しなかった問題等、たくさん問題はあると認識いたしますが、非常に、耐震ということにこだわる以上に免震、耐震ということはもちろんだけれども、何とか免震という機能を持たせたいと思っておられたんだなと強く思いました。
その理由の一つは、東京電力福島の第一原発事故の免震棟の問題。実は、柏崎刈羽の免震棟は、中越沖地震を受けて、それを上回る地震にも耐えるようにということでつくられた免震棟で、その直後に東京電力福島がつくられたということで、二つ並んで来たものでありましたが、しかし、今回、耐震に足らざるものがあるということであったわけです。
原子力規制庁の方の規制の姿勢をちょっと拝見いたしますと、これは、実用発電用原子炉及びその附属施設の位置、構造及び施設の基準に関する規則の解釈第六十一条には、要求される機能として、「基準地震動による地震力に対し、免震機能等により、緊急時対策所の機能を喪失しないようにするとともに、基準津波の影響を受けないこと。」ということで、ここに「免震機能等により、」というふうに書かれておるということは、この指針というか、こうした規則がつくられたときに何らかの意味があった、免震ということに意味が込められたものであるのかどうか、この点を委員長にお伺いいたします。

 

○田中政府特別補佐人 基本的に、緊急時対策所については、免震構造にするか耐震構造にするかということについては、私どもは、どうすべきだということではありません。要するに、緊急時にきちっとした機能を果たせるかどうかということが最も重要なこととして求めております。
それで、「免震機能等」というふうに書かせていただきましたのは、当時、やはり、福島第一原子力発電所の事故の際に免震重要棟が非常に大きな役割を果たしたということがあって、わかりやすいという意味でそういうふうに書かせていただいたという経緯があります。
ただし、その後、実は、柏崎の地震以降、今回の要求の中では遮蔽性能とかそういったことも求めておりまして、実際に設計してみますと、非常に重量が重くなってきていて免震構造では耐えられないというところが出てきまして、ほとんどのところが、今、耐震設計で緊急時対策所の対策がつくられているという状況になっております。
将来的に免震でそういったことができるようになれば、免震のよさというのもございますので、そういうことになろうかと思いますが、当面は、耐震であろうが免震であろうが、私どもとしてはどちらでもよいということにしてあります。

 

○阿部委員 今の委員長の御答弁ですけれども、当面のところは、免震であろうが耐震であろうがよいであろうということで認めていくということでありましたが、確かに、今回、柏崎刈羽の免震棟を拝見しても、外力によって、七十五センチどころか、大きな、もう四メートル近いずれが生じてしまっては使えないということで、免震棟としてつくり上げていくにはまだかなり課題がある。特に長周期の地震に耐えられないということはよくわかりました。
その一方、私は、柏崎刈羽のみならず、東電の福一の重要免震棟に行きましても、改めて思いましたことは、柱がない構造で、中央司令部としては非常に情報が共有しやすい。緊急時の対応として広いスペースを持っているというメリットもあるように思いました。
これは、今後の方向性も含めてですが、やはり緊急時に迅速に対応できるということも要請される大きなファクターと思いますので、今、委員長の御発言は、当面はというふうにある意味おっしゃったやに思いますけれども、求める方向性として、耐震であっても免震であっても、そうした十分な地震対応、耐震対応ができるというふうな方向性を目指しておられるというふうに確認してよろしいでしょうか。もう一回お願いいたします。

 

○田中政府特別補佐人 免震構造というのは、先生御存じのように、下にいろいろな免震の治具が入りますので、そういったことで、本当に厳しい地震動に対して重い重量物を支えられるかどうかという、これは耐震というか、建築の方の一つの課題だと思います。そういったことができるようになれば、多分、電力の方もそういった方向に進むことはあろうかと思いますが、とりあえずは今、電力の方も、事業者の方も耐震構造でとにかく今の機能を果たそうということですので、とりあえずそういうことで私どもとしてはよしとしているところでございます。

 

○阿部委員 科学技術は日進月歩ですし、より適切な緊急対応ができるような施設のあり方について引き続き御尽力をいただきたいと思います。
それで、資料一枚目に、東京電力の動きというのを、この申請にかかわって、原子力規制庁の方から、いついつどういう申請をしてどういう検査が行われということを書き出していただきました。
今申し上げましたように、二〇一五年の二月には既に、長周期成分を含む一部の基準地震動に対して機能を満たさない場合があるというふうに報告して、しかし、これが一部ではなくて全部であったということで、二〇一七年の二月にこの免震棟は使わないということになり、これが、何でわかっていたのに長い年月言わなかったのだということにもなっております。
と同時に、それに先んじて東京電力側が、実は、この免震構造が十分に地震に耐えられないということで、既に三号炉の方に緊急の対策所を移転するということを試みておられたという経緯が二〇一四年の十一月です。
しかしながら、この三号炉については、二〇一六年の十月に、荒浜側の防潮堤が地面の液状化により機能喪失をする、すなわち、柏崎刈羽の立地構造は、一、二、三、四と五、六、七が少し分かれておりまして、一から四号機側につくった、荒浜側につくった防潮堤が、実は地盤が液状化することで、津波が来たら傾いてしまうということがわかったということで、この三号炉を今度緊急に五号炉に変えるということでありました。
私は、この経緯を見ても、少しこれは考えが足りないのではないか、失礼な言い方ですが、液状化という問題を甘く見ているのではないかなというふうに思いました。
もちろん、私とても、東日本大震災の前には、液状化ということは余り、言葉では知っていましたが、どういうふうな事態が来るかがよくわかっておりませんでした。
しかし、実は新潟というところは、一九六四年に新潟大地震というものがこの近くでございまして、建物が傾き、液状化がひどいという出来事、それから、二〇〇四年の中越地震においても液状化による被害、さらに、二〇〇七年の中越沖地震のときには、液状化によって、私もよく覚えておりますが、原子力発電施設の地面がうねっておりまして、何が起きたんだろうと思うような地層のあり方でありました。
すなわち、地歴、その土地の持っている歴史を見れば、非常に、液状化ということは慎重に、そして、恐らく不適格地ではないかと私は思い、では、どんな規制がなされているのかなということで、また規制庁の方の資料を拝見いたしました。
ここには、設計基準というものの第三条に、基準地震動による地震力に対する支持性能が確保されていること、地震が来て支持性能が確保されていること、そして、変形等々が、ある意味では起こらない、すなわち、支持地盤の傾斜及びたわみ及び、地震発生に伴う建物の構造、建築物の不等沈下、沈んだり、液状化及び揺すり込み沈下等の周辺地盤の変形を伴わないということであって、そうなると、あれだけ液状化してたわむということは、そもそもこの設計基準対象施設として不適切なのではないかと思いました。
この液状化という現象と地震、原子炉施設の立地、もちろん、炉だけじゃなくて、周辺のそれを固める施設も必要でありますが、このことについては、委員長はどのように、今回の三号炉の問題を含めて見ておられますでしょう。

 

○田中政府特別補佐人 少し正確に今回のいきさつを御説明させていただきますと、もともと中越沖地震のとき、液状化が起こって噴砂が起きて、かなり有名になりましたけれども、重油の火災が起こったりということがありましたので、私どもとしても、その点については十分注意深く見てきました。
特に、その基準地震動が厳しくなりましたこともありまして、それと、防潮堤というものの要求が、要するに津波対策ですね、そういったことで、東電側がつくった荒浜側の防潮堤については、液状化によって海水が敷地に押し寄せるのではないかと。そうすると、三号機、荒浜側にありますいわゆる緊急時対策所が水につかって機能できないのではないかということで、三号炉自身が傾くとかそういうことではなくて、水につかって実際には使えなくなるのではないかという指摘があって、それを受けた形で、五号機に、こちら側の、北側の原子炉の方に緊急時対策所を移すという提案がありました。
既存の免震重要棟については、もともと、緊急時対策所というよりは、それを補完する施設として、東京電力はせっかくあるから使いたいという御希望だったようですけれども、それも、実際に地震動の評価をしてみるとなかなか難しいということもありまして、今回は五号機の方に緊急時対策所を移すということになっています。
敷地全体について見ると、確かに決して望ましい地盤ではないということは以前から言われておりますけれども、当面、今そういった機能を果たせないかというと、そこについてはきちっと今審査中ですので、最終的な結論は出ておりませんけれども、きちっと評価をして、そこのところは見きわめていきたいというふうに思っております。

 

○阿部委員 私が指摘したいのは、そもそも立地においても不適格であったのではないかということであります。
お手元の資料の二枚目をあけていただきますと、今委員長がおっしゃった防潮堤の構造が出ております。これは、深いところ、二十メートルから五十メートル下の西山層というところにまでくいが打ち込まれて、その一番上の方に、黄色い部分ですね、液状化しやすい層があって、ここが水の流入などによって揺らぐことで、全体、防潮堤が恐らくこの形状が保持できないということであります。
では、この地盤自身は急にでき上がったものではなくて、もともと、地歴を見ますと、次の資料を見ていただきたいと思いますが、この柏崎、刈羽、西山地区の歴史というふうに、東京電力からいただきました資料で挙げさせていただきましたが、明治中期から昭和四十八年までは、この地域は油田が開発をされておりました。もともと砂のあったところと思います。それが、その後、昭和四十四年から、油田はもう終わることが目に見えておりまして、それにかわって、柏崎市や刈羽の村議会が誘致を決定して、次々とつくられていったということであります。
しかし、そもそも、こうした地歴、地盤、今、活断層の問題、どのくらい古い年代の断層かということも言われておりますが、私は、支持基盤になるところの地盤そのもの、もっと表層の部分も不安定で、非常に液状化しやすい、そこに七基もつくられてきたということは、大きな問題であろうと思っています。
この点は、委員長の時代ではないことですし、当時、保安院が含めて立地指針で見てきたものかとは思いますが、今、改めて、こういう事態で、この防潮堤がかしぐことが心配されたりする事態、あるいは中越沖地震のあの経験を見ますと、非常に、そもそもの不適格地であったというふうに私は思っております。
これから規制委員会が、特に今、六、七号機の審査が始まっておって、委員長がおっしゃったように、五号炉を緊急対策所にして、六、七の再稼働を審査していくということでありますが、地盤自身の持つ問題も大きかろうと思いますので、重ねて念頭に置いていただきたいと思います。
また、ちょうどけさのNHKの報道で、柏崎の市長の桜井さんが、一号炉から五号炉までについては、津波に対する対策なども今とれておりませんし、また、いろいろなこの間の立地の問題も含めて思っておられると思いましょうが、柏崎市と原発との距離が、市役所と原発は六キロしかない、非常に近いわけであります、人口密集地でもあるわけで、一号炉から五号炉の廃炉ということを東京電力に提案されていて、桜井市長はそれも含めた計画を二年間のうち、六、七号の再稼働を東京電力が求めておられるわけですが、出すことを東電に対して求めておられます。
規制委員長のお立場でそれをどうこう、廃炉をしなさいとかいうことではないと心得た上で、私は、そもそも不適格地ではないかということを重く見ますので、ちょっと、委員長の御所見というか、私が今指摘した点についての感想といいますか、お考えを伺いたいと思います。

 

○田中政府特別補佐人 感想ということですが、私の立場から感想というようなことは申し上げることはできません。
それで、廃炉するかどうかということも、これは事業者の判断ですので、私どもの立場としては、申請があれば、新しい規制基準に基づいて地盤も含めましてきちっと評価をして、その上で耐えられるかどうかということの確認をする。確認が得られなければ、もちろんそれは稼働できませんので、認めるわけにいきませんので、そういったことはきちっとやっていきたいと思います。
先生御指摘のように、ここの地盤は決して望ましい地盤ではありませんので、いろいろな意味で相当きちっとした対策が必要だろうということは想像できますけれども、いずれにしても、申請があって、それについてきちっと評価する。
そういう意味で、六号機、七号機の方は、ちょっと、地盤は一号機から四号機の方とは大分違いますので、そういった点も含めて今評価を進めているところでございます。

 

○阿部委員 大分違うといっても、すぐ続いておりますので。
一号機から四号機の方は、液状化しやすい地盤にくい打ちをしているところにさらに砂を詰めたりしようということで、東京電力の皆さん必死でありますが、これはそもそもちょっと私は難しいものと判断をいたしました。
あわせて、ここは非常に地下水が多いところで、設置の時点から日量にして二千トンから四千トンのくみ上げを行っております。先ほど、どなたかの委員の審議の中にも、東京電力福島第一原発、もともとあそこも八百トン日量くらいをくみ上げていたところですが、実は、この地下水位の問題がいろいろな意味で東電の福一の処理に非常に大きな影響を持っておると。
私は、原子力規制委員会としても、この地下水の問題、非常にくみ上げ量が多いところでありますので、この柏崎刈羽の審査に当たって念頭に置かれる、特に事故を経験しておりますので、これが福島のように、事故を起こした原子炉に水をかけて、その水と地下水がまざらないように、海側から山側にドレーンを置いたりいろいろして、本当に苦慮しておられますので、私は、こうしたところで事故が起きたときの地下水の大量くみ上げとの関連等々について、運よくそこに当たらなければいいですが、それだけの水の豊富な液状化しやすい地盤であるということもぜひ念頭に置いて審査を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

 

○田中政府特別補佐人 御指摘のように、柏崎刈羽の原子炉というのは、半地下構造と言った方がいいぐらい地下にかなり入っているというふうに理解しております。地下水も多いということで、サブドレーンといいますか、そういうことで、日常的に大量の水をくみ上げております。
一F事故のようなことが起きたときにもということで、今審査の中では、そういった場合のくみ上げのためのバックアップ施設ということも要求しておりますので、そういったことを含めて厳密にきちっと評価していきたいというふうに思います。

 

○阿部委員 では、柏崎刈羽関係はここまでにいたしまして、せんだっての委員長の冒頭の、この間取り組んできたいろいろのお話の中で、特に私がぜひお願いしたい点がありますので、最後の質問とさせていただきたいと思います。
この間の原子力規制庁の発足並びにその機能強化の中で、放射線審議会の役割というものもまた、これはIRRSミッションを受けた結果ですが、放射線防御についてより指導的な役割を原子力規制庁も果たしていただくことが期待されていると思います。
その中で、放射線審議会がこれまで一旦持っていたけれどもなくなってしまった調査や提言機能というものを、放射線審議会を通じて行っていくということになったと思います。原子力規制庁としてのこの放射線審議会の取り組み、そして、私は願わくば、福島の事故ということを経験して日本から発信すべき点も多いと思いますので、委員長の御所見を伺います。

 

○田中政府特別補佐人 先生はお医者さんだからよく御存じだと思いますけれども、放射線というのは、悪者だけではなくて、我々の健康とかいろいろな意味で非常に重要な役割を果たしております。注射器の滅菌とか、そういうことで、なくてはならないものになっています。
そういったことで、複数の省庁がいろいろなかかわり合いがあって、いろいろな基準が決められております。しかし、それを横串で見ますと、放射線防護の考え方、実際の具体的な状況というのが、国際的に見ても相当ずれているところもあるし、整合性がとれていないというところがあります。
これは長期的に見ると我が国の国民にとっても非常にマイナスの面もありますので、合理的で整合性のある放射線防護基準をきちっともう一回見直していただきたいというのが今回の放射線審議会の法律改正に至った経緯であります。
ですから、放射線審議会では、そういった技術的基準を国内法に取り入れるということについて、新しい知見とかを積極的に取り入れる、そのためにいろいろな各省庁に考え方をそろえていただいて、それを、どんな形になるかわかりませんけれども、いろいろ提案するということであります。
こういうことができるようになることによって、我が国の放射線防護の体系、それから利用もきちっと進むようになるだろうということを期待しております。
ただ、この審議会は八条委員会で、独立性を持っていますので、私どもの期待は述べる機会はあろうかと思いますけれども、独自にいろいろな活動をしていただきたい、我が国のためにきちっとしたいい仕事をしていただきたいというふうに思っております。

 

○阿部委員 審議会の独立性というものは承知しておりますので、その中で、原子力規制庁と共同しながらやれることもまたあろうかと思います。それと、何よりもやはり、福島事故の経験というものは放射線防御にも生かされるべきですし、その点について、またよろしくお取り組みをお願いいたします。
以上にて終わらせていただきます。ありがとうございました。

 

○三原委員長 次に、伴野豊君。

≫ 続きを読む

2017/06/20 国会質疑   abetomoko

5月17日厚生労働委員会議事録

○丹羽委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

質疑を続行いたします。阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

本日午前中に、法務委員会におきまして、金田法務大臣の不信任ということが提出をされております。国会の審議のあり方、政治家同士がきちんと国民の代表として論議を重ね、国民に説明責任を果たすということが十分でないという点だと思いますが、私は、この間、さまざまな法案の審議において、やはり非常に審議がある意味では次々と加速をされておりまして、十分に果たしてこれで審議が尽くされただろうかと思うことが多々ございます。

きょうの医療法の改正につきましても、性格の異なる四つないし五つの部分が一緒に改正にかかっております。検体検査、特定機能病院、あるいは医療の広告規制、そして持ち分なしの医療法人制度、それぞれに私は重要な点を含んでいると思いますが、特に特定機能病院の見直しという点に関しては、これは、今回の改正は前向きなものと思いますゆえに、これがきちんと定着していくような、深みのある審議をしていただきたいと思うものであります。

先ほどの柚木委員の御質疑で取り上げられました東京女子医大の問題も、実は二回にわたって特定機能病院の取り消しが起きて、そうした事態というのは、患者さんたちから見ても、果たして、本当に信頼できる医療機関が特定機能というブランドを持っていながら繰り返し起こるということで、医療の信頼を大きく損ねるものであると思います。

まず冒頭、塩崎大臣に伺いたいと思いますが、先ほど柚木議員とのやりとりの中でも、この再承認というか、取り消しの後の再承認ということに瑕疵はなかったのか、問題はなかったのか、二度にわたって取り消されるような事態になった理由というものを大臣はどうお考えであるか、一問目、お願いいたします。

 

○塩崎国務大臣 先ほど柚木委員に対しても回答を申し上げましたけれども、平成十三年に東京女子医大病院で心臓手術を受けた女の子が術後に死亡した事故につきまして、院内の医療事故等の報告制度が機能していなかった、安全管理委員会への報告も行われていなかった、そして、遺族からの御指摘があるまで、医療事故に関する事実関係等についての原因究明や遺族等に対する説明すらなされていなかった、こういうことを初めとして病院の運営管理上の問題が数々明らかになったわけでございまして、厚生労働省として、平成十四年に、社会保障審議会医療分科会の意見を聞いた上で、この病院の特定機能病院の承認を取り消したわけでございます。

その後、同病院の改善策として、病院長権限の強化、そして医療安全管理の充実、チーム医療の推進、こういったことなどに取り組んできたということで、再度、医療分科会で御審議をいただいて、実地調査も行って、その上で、平成十九年に承認要件を満たしているという判断をして、特定機能病院として再承認をしたものだというふうに思っております。

今回、改めて承認取り消しとなったことはまことに遺憾なことでありまして、我々としては、今回、この病院もそうでありますし、もちろん群馬大学附属病院、ここにも大きな問題が横たわっているというふうに思いますので、今回、医療法の改正でもって、医療安全というよりは、私は患者の安全と言いたいところでありますが、それを徹底する、そういうことを特定機能病院の承認要件にも追加をした上で、ワンランクアップの、この病院の、特定機能病院という病院の、言ってみれば存在意義を裏打ちしてまいりたいというふうに思っているところでございます。

 

○阿部委員 今大臣のお話にもございましたが、二〇〇一年、女子医大で起きた平柳明香さんの問題をこの委員会で取り上げさせていただいたのは私であります。また、先般、先ほど二歳の坊やの御両親が来られておりましたが、これについてもこの委員会で取り上げさせていただきました。

結局、一回承認取り消し、そしてまた再承認となった分だけ、逆に、一体承認って何なんだ、本当にこれで大丈夫かという思いが、患者さんに大きな不信をまた与えていると私は思います。

大臣のお言葉の中で、ペーシェントセーフティー、本当に大事な視点です。私は、これまでの見直しの中で一番欠けているのは、恐らく、患者さんもあるいは被害を受けた方も参加した上での再承認のあり方なんだと思います。

実は、この女子医大が再承認されるときに、先ほど柚木さんもお触れになりましたが、平柳さんのお父さん、歯科医でいらっしゃいますが、やはり体制は変わっていないのではないかととても懸念をしておられました。また今回、同じようにプロポフォールの問題が起きて、いまだに御両親は納得ができないままだと思います。

私は、この前の再承認が何が一番欠けていたかといえば、そうした患者さんたちの目から見た病院の安全のあり方、何をどこまで共有されているのか、まさに患者サイドがどう思っているかということを第一にしないと、ペーシェントセーフティーはないんだと思います。

私自身も医療者ですから、医師はどうしてもパターナリズムに成り立ちます。すなわち、よくしてあげているんだから、私たちが安全を確保しているんだというふうに思いがちですが、実は、当事者である患者さんや御家族は患者さんの状態、容体の変化を一番実感していて、あのプロポフォールの事件もそうですが、何でずっと使い続けているんだろうと一番最初に思ったのは親御さんでありました。

大臣には、ぜひ、今回の改正に当たって、私はいろいろ評価するものは多々あります、その肝の部分に、患者さんたちの意見表明や、あるいは本当にどう思っておられるか、その気持ちを受けとめるという部分を重要に考えていただきたいと思います。

大臣がおっしゃるペーシェントセーフティーとはまさにそういうもので、今度日本で開かれる会合においても、日本がこれまで患者さんと医療の間の不信が大変強いと言われた国であることを逆に乗り越えていけるような、患者さんとのしっかりしたコミュニケーションを大臣にも図っていただきたい。

そして、委員長にはお願いがございますが、実は、今回の医療法の改正は、昨年、二十八年の六月の改正の折にも、大きな素地はそのときに打たれたものであります。だがしかし、いろいろな法律を一緒くたにやるので、一つ一つ押さえられないまま次々流れていっているというところで、本来は、今回の医療法改正も、私はぜひ参考人をやっていただきたい。あした、私どもは女子医大に行かせていただきますが、患者さんサイドの、別に女子医大の患者さんという意味ではないです、声が酌み上げられるようなシステムにするため何が必要かなども含めて、参考人ということもお考えいただきたいので、理事会で御協議をいただきたいと思います。

では、もう座らないで、うなずいていただきましたので、よろしくお願いをしたいと思います。

二番目ですが、実は、先ほど申し上げましたが、今回の改正は、お手元の資料の一枚目で見ていただきますと、ここの赤字の部分は、昨年、平成二十八年の六月十日に既に改正がされておりまして、例えば、医療安全管理責任者の配置、副院長を想定とか、専従の医師、薬剤師、看護師の配置を原則義務化とか、これはもう既にでき上がった骨格でございます。

今回加わったのは、病院の院長、管理者も合議体で選ぶということが新たに加わりましたが、実は、ベースは既に二十八年六月の改正ででき上がっていると私は理解しておりますし、この改正の最も評価されるべき点は、病院の管理の第一は安全である、安全性こそ管理の一義的な大きな目標であるということが改めて確認をされたという意味で評価をいたします。

その上で、大臣にお伺いいたします。

この専従の医師、薬剤師、看護師の部分でございます。副院長は、学校でいえば教頭先生のようなもので、全体を見渡している。実動するのはここの医師であります。この医師にはどういうことが期待されるかというと、例えば、各病棟を回って、ヒヤリ・ハット事例とか、あるいは、その目の前で、麻酔薬が長く使われ過ぎているよねなどの問題を違う目でチェックする機能、非常に密に病棟の安全管理を担う機能が医師、薬剤師、看護師に要請されております。

ところが、医療というのは、例えば、手術をした、投薬をした、検査をした、そうすると診療報酬で収入が入ってまいりますが、医療安全に幾ら心を砕いても、それ自身は収入を生むものではございません。すなわち、この医師の手配は、通常、私どもの業界では、医師はお一人約一億円以上、年間に収入を病院に持ってきてくださる役割と思っておりますが、そうした診療にかかわらないということにおいて報酬でいただくということはないわけです。

その分、この方たちの評価をきちんとしていかないと、結局、お金はこの方の行為について出るわけではないわけでありますから、塩崎大臣にお伺いしたいのは、これは大変よいことですが、この方たちが安定して、そして十分な能力を発揮できる、特に、現場にフットワーク軽く行ける医師、これの処遇についてどのようなお考えを今後持っておられましょうか、お願いいたします。

 

○塩崎国務大臣 診療報酬の話に入る前に、去年の六月で省令改正を行って、今お話をいただいたような、お配りをいただいているこういうことが決まっているわけであります。しかし、今回、特に、特定機能病院の承認要件に安全というのが入っていなかったというのはやはり私は問題だと思いますので、医療の高度の安全の確保ということを明示するということはとても意味があることではないかと思っております。

もう一つは、やはりガバナンスがきちっときく組織でないと、安全のいろいろな手だてをつくってみてもそれが機能しない、みんなが余りそれに重きを置かないようではだめであって、そのことによって、今回、管理者の選び方、そして、管理者が責任を持っている患者安全、医療安全を、本当にその安全のために全てをかけてやるかどうかというためには、やはりきちっとしたガバナンスの改革をしなきゃだめだということでありますし、また、開設者が、大学の場合、特に大学の理事会がいろいろな形で責任をとらなかったり、あるいは安全に反するようなことをやるというようなことがないようにしていかないといけないということで、選挙で選ばれるような、言ってみれば、次の選挙を考えて安全を後回しにするということが絶対にないようにするということで、特定機能病院の八割ぐらいは大学病院ですから、そこがほとんど選挙で病院長を選んでいるということを知って、私は、やはりこれは絶対にやめさせないといかぬということでありますし、マネジメントをきちっとやれるというのは安全を含めての話なので、他の病院の院長を経験した人がやるということにしようということで、省令でそれは書き込むことになっているわけでございます。

その上で、今お話がありましたように、医療安全管理部門に専従の医師、薬剤師、看護師などの配置を義務づける省令改正を行っております。

医療機関の医療安全対策については、特定機能病院も含めて、医療安全管理者として、医師を含む医療従事者を専従で配置している場合を診療報酬で今も評価をしているわけであります。

また、特定機能病院については、高度の医療の提供など、特定機能病院に求められる機能を踏まえて、入院基本料を一般の病院よりも高く設定しているわけでありますので、特に、特定機能病院の医療安全対策に関する診療報酬上の評価のあり方につきましては、こうした現在の診療報酬の評価や昨年六月の省令改正の影響等も踏まえて、関係者の意見も伺いながら検討してまいりたいと思っております。

いずれにしても、しかし、安全を含めて病院をきちっと運営していくというのが当然であろうかと思いますので、本当は、今までそういうものが、診療報酬をつけないと安全のことを考えないというのでは本末転倒でありますので、このことはよく考えた上で、しかし、そうはいいながら、今までの供給サイドに立ったような安全の取り扱いを、患者側、つまり需要者側の論理でも考える、両方の論理で考えるということをするために、インセンティブとしてどういう診療報酬体系が必要なのかということは、検討をしっかりやっていきたいと思います。

 

○阿部委員 先ほど申しましたように、医療は、やった行為について報酬が払われるという基本的体系を待っております。

でも、考えようによっては、実は、ある方々の統計によれば、医療事故による死亡事故者数は四万人で、それは肺炎に次ぐ五番目の死因になる、そういう統計を出す方もおられます。すなわち、死亡に至らせない、有害事象を減らしていけば、死亡も減るし、ある意味、コスト、お金も正しく削減できるんだと思います、やみくもではなくて。

すなわち、これまで医療の問題は、常に、医療事故、被害、その後をどうするというふうに論じられてきた。患者さんの抱える悲しみと、そして病院サイドでは、やろうと思ってやったわけではない、だけれども不幸な結果を生んでしまった結果、非常にぎくしゃくしている。

私は、このたびの改正は、起こす前の、未然防止という体制をどこまで実現できるかだと思うんです。病院には理念もあり、ガバナンスもあります。しかし、実際に起こさないためには、緻密に、ふだんから点検し、大ごとに至らないための体制が必要で、その部分を担う行為をどう評価するかということであります。

診療報酬上の多少の加点あるいは入院基本料での手当て、それも否定はいたしません。でも、もっと大きな目で見たときに、こういうことに積極的に国費を使っていくということはあっていいと私は思います。それは結果的に医療費の抑制につながります。結果的です、目的にするんじゃなくて。不幸な事故が減れば、必ず悲しみも、そして、何よりも医療者も疲弊いたします、自分で、事故冷や冷やでやっている、私もそういう経験がありますから、そこを未然に防止するために、十分な人材配置と、お金の面もあると思います。

私は、今どうやったらというのはまだ提案できません。でも、大臣には、今回の改正で、ここの人材をどう遇するか、やはりお金の面もどう考えていくかということだと思っていただければ、これからさらに実りあるものとなると思います。

大臣にそうしたことを御理解いただくために、名古屋大学病院の事案を少し御紹介したいと思います。

これはよい例です。今まで、何とか病院の事案というと、東京女子医大、群馬大学、どこそこで起きた事故ということで絶えずお話をしなきゃいけない、悲しむべき実態がありますが、名古屋大学では、一九九九年に実は横浜市立大学病院が特定機能病院で事故が起きて、あそこから特定機能病院のあり方が問題になって、二〇〇〇年、学長みずから、逃げない、隠さない、ごまかさないという理念を掲げて、それを担保するために、二〇〇二年に医療の質・安全管理部というものを設置いたしました。そして、二〇一一年の四月には、医療安全のための専門の科を設けて、専任教授を置いて、教授以下、専従医師、看護師、弁護士、事務職員から成る総勢十一人の組織で、病院の中に医療安全文化をどう定着させるかということをずっとやってこられました。

ここでの特徴は、起きた事故の後じゃなくて、日ごろからクオリティーとセーフティーを両方チェックして歩くということを常時行うようにして、クオリティー・セーフティー・チェック・マネジャー、医師四十八人、看護師四十二人、コメディカル二十三人。全部が専属とは申しません、でも、そういう面を持ったヘッドクオーターに十一人、実動部隊は今私が申し上げた数だけいるくらい、病院を挙げた取り組みがございます。

私は、日本の大学病院こそ、こうした医療の質を変える最先端の取り組みをやっていただきたいと思いますが、きょうは文科省から審議官に来ていただいておりまして、さて、日本の大学の中でこういう医療安全講座、そこに専任教授を置いておられるようなところはどのくらいあるでしょう。

 

○松尾政府参考人 お答えいたします。

先生御指摘のとおり、医学教育におきまして医療安全を学ぶことは、極めて重要だというふうに認識しております。

医療安全に関する講座でございますけれども、医療安全を冠した講座は八大学でございます。東京大学、今先生の御指摘の名古屋大学、大阪市立大学、北里大学等々初め八大学でございまして、医療現場における医療の安全性、信頼性の確立を目指しまして、医療機器や病院設備、ヒューマンファクターなど、相互に関連したトータルシステムのリスク解析などの取り組みが実施されております。

そして、医療安全に関する専任教授の配置状況でございますが、これは全体を網羅して把握してございませんが、例えば医学教育モデル・コア・カリキュラム、これは卒業時に学生が身につけておくべき必須の実践的診療能力の学修目標を提示したものでございますけれども、この中で、医療における安全性の確保に関する項目が盛り込まれており、先ほどの八大学に限らず、全ての医学部において、担当教員のもとで医療安全に関する教育が実施されております。

また、このモデル・コア・カリキュラムでございますが、二十八年度に改訂をいたしました。そして、これは三十年度から運用予定でございますが、医師として求められる基本的な資質、能力として、新たに医療の質と安全の管理の項目を盛り込みまして、学修目標の内容や項目の充実を図っているところでございます。

そして、さらに文科省では、大学を対象とした補助事業、これは課題解決型高度医療人材養成プログラムというものがございますが、これにおきまして、例えば名古屋大学などに対しまして、医療安全を踏まえた医療の質の向上をリードする人材育成に係る取り組みを支援しているところでございます。

こういったことを通じまして、講座の設置等を含めて、医療安全に係る教育がさらに充実するよう大学に対して促してまいりたいと思っております。

 

○阿部委員 今御答弁いただきましたが、現実にはこのモデル・コア・カリキュラムというのはお勉強なわけです。一つの勉強内容なわけです。本当は、オン・ザ・ジョブ・トレーニングではありませんが、実際に体を動かして、医療というのは本当にフットワークです、みずからの体で学んで、臨機応変に察知してという人材をどこまで育てていくかにかかっております。

塩崎大臣には、今度ここに専従医師を置くという、この専従医師の供給源は、今大学の中でそういう教育を受け、もっと言えばOJT、そういうトレーニングも受けた医師たちがたくさんできてこないと、実は今回の特定機能病院の現実の質の向上は不可能だと思います。一つは文科省とよく連携をしていただくこと。先ほど私が御紹介した名古屋大学では、文科省の科学研究費というか補助事業で、二〇一四年から一九年の三月まで、あすの医療人材をどうつくるかという補助事業で先ほど御紹介したようなこともやっておられます。

大臣からは、いつも医学教育について、非常に興味というか深い認識がおありと思いますが、医療安全文化が、文科省における教育分野と厚労省がつかさどる医療現場との間でどう橋渡しをしていけるか、そういう観点を強く持って今回の特定機能病院の実地を担う人材をお育ていただきたいと思いますが、いかがでしょう。

 

○塩崎国務大臣 全ての医学部において医学生に対して基礎的な医療安全に関する教育が実施されているというのはそのとおりだと思いますけれども、一方で、例えば、今お話が出ました、名古屋大学の例をお取り上げいただきましたけれども、医療安全学の講座が設置をされているということで、もう中身についてはお話をいただいたとおりでございます。

こういうようなプログラムを履修した医療安全に関する専門的な知識を持っていらっしゃるお医者さんが、大学にとどまらず、市中病院などでも活躍をして積極的な医療安全の取り組みが拡大していくことが重要だというふうに思います。

また、医療安全の資質を有する医師を医療現場に充足させて医療安全への取り組みを一層活発化させるためには、今後とも、基礎的な医学教育や、高度な医療人材養成を通じた医療安全教育に取り組んでいる文部科学省と緊密に連携をしてまいりたいと思っております。

ただ、例えば、今回、群馬大学の問題、病院の問題を見てみても、やはりどういうガバナンスになっているのか。つまり、安全ということがどの辺にこのガバナンスの中で価値として置かれているのかということが私は大問題だと思って、ですからこそ、去年の省令改正にとどまらず、このガバナンスの体制を変えて、そもそも、ふだんからの物事の決定をたった一人の院長が、おまけに群馬大学の場合は二代続けての病院長が次の学長選挙に出ているんですね。ということは、病院の院長をやっているときに票を減らそうと思う人はいないと思います。

それは安全とのコンフリクトがあるというケースが間々あると私は思ったからこそ、病院長を選挙で選ぶということは少なくともやめてほしいし、本当は私は大学の学長も学部長も選挙はやめるべしということを強くずっと言ってきた人間でありますから、そういうことでないと、やはり大学病院は、特に先端医療をやるとなれば安全が優先するか新しいことをやることが優先するか、必ずコンフリクトがあるはずですよ。ですからこそ、安全文化を大事にする、供給サイドの論理だけでやったら安全は後回しになる、それで本当にいいのか。だからガバナンスを強化することが絶対に私は必要だと思って、なおかつ、ふだんの重要事項も合議体で決めるというのは、初めてこれは特定機能病院だけに限って導入をしようということにしています。

ほかの医療法人は、院長が全部一人で責任を持ってやることになっています。さあ、果たして本当にそんな大きい病院で全てを一人でやれることになるだろうか。そんなことも含めて、ですから、教育は教育で医療安全をしっかりやる、あるいはペーシェントセーフティーで患者中心に安全を大事にする文化をしみ込まされた先生方が先端医療をやっていただくということになることが大事なんだろうと思います。

しかし、日々の運営も含めて、安全がきちっと守られていく中で先端医療も同時に発展をするということをやれるようにどう知恵を出してこのガバナンスを機能させていくかということは、よほどよく考えないと、今までのようなことではうまくいかなかった、何で繰り返されるのかというのは、私はそこにあると思ったからこそ、ガバナンスの問題にこだわってこれを今回提案しているんです。

 

○阿部委員 私は、今回の改正は評価しています。大臣がよくそこまで踏み込まれたなと思います。

と同時に、その理念やガバナンスを実行していくには人が必要なんです。物事は下から支えていかないと、砂上の楼閣になってしまってはいけないなと思います。その下とは何かというと、支えは何かというと、一つは患者さんたち、一つはそこで働く医師たちが常日ごろそういうフットワークを持つというこの二つで、今回大臣が提案された合議体による院長の選出というのはきっと実を結ぶと思います。私は、これがうまくいっていただきたいので質問をしているので、そこは大臣と思いは同じであります。

今のお話にある特定機能病院、この間、医療事故の報告、調査、医療事故調査報告制度が平成二十七年に始まっておりますが、これまで二百二十六件あった。この中には特定機能病院のものもあり、そうでないものもございます。なかなか報告に上がっておりませんのは残念ですが、加えて、事故の真相究明のために解剖がどの程度なされているかということで、少し問題を、新しい視点に行きたいと思います。

二百二十六件の報告のうち、解剖されたものは四十三件。解剖とAi、画像診断、両方が三十二件、一四・二%。画像診断のみ五十五件、二四・三%。解剖もAiも実施していないのが九十六件、四二・五%。報告された死亡事故の事案でも、半分は基本的な解剖がなされておりません。もちろん解剖は患者さん、御家族の同意が必要ですけれども、私は、この点に関しても、特定機能病院として率先して改善していただきたい点がございます。

そもそも、特定機能病院の報告された事故における解剖率はどのくらいでしょうか。

 

○神田政府参考人 特定機能病院におけます解剖の割合についてのお尋ねでございますけれども、医療事故調査制度が開始しました平成二十七年十月から二十八年十二月までの十五カ月間に医療事故調査を実施し、特定機能病院で院内調査を終了したものは二十八件ということでございます。そのうち、解剖のみを実施したものが六件、死亡時画像診断のみを実施したものは五件、両方を実施したものは四件ということでございますので、全部合わせますと、二十八件中十五件ということで、実施率は五四%ということでございます。

 

○阿部委員 今の数値だと、ほとんど一般病院と変わらないのですね。

特定機能病院は、基本的には、解剖のための陣容もお持ちだし、ガバナンスというのは大事だし、上からの改革も大事です、重要なことの改革で。でも、実際の現場を、より、解剖一つ、あるいは医師のそうした処遇一つ、そしてミスに早く気がつく体制など現実の動きが大事と思います。

大臣には、今即答できないかもしれません、せめて特定機能病院では剖検を義務づける。私は、やろうと思えばやれる体制、事故の事案だけであります、全例ではありません。せめて事故の真相解明に率先して特定機能病院が働くような仕組みのためにも、解剖の実施率を基本的に全例としていただきたいが、いかがでしょう。

 

○塩崎国務大臣 これも、恐らく先ほど申し上げたガバナンスの問題に深くかかわることではないかなというふうに思います。

お互い供給側の立場にある、医師の中でどう決めるのかという難しい問題かと思いますので、先ほど申し上げたように、名古屋大学は非常にいい安全の文化をお持ちだというお話でありますが、そういうこともやはりガバナンスの中で、今度、院長の選考だけを合議体にするんじゃなくて、重要事項、ふだんの運営の重要事項も全部合議体でやろうと私は今回の医療法で御提起を申し上げているのは、まさにそういうことについても合議で決めていく、一人で決めて、その人が次の選挙のことを考えているようでは医療の安全は、患者の安全は守られないだろうという思いがあるので、私はそう思っておりますので。

医療事故調査制度では、その報告対象となる事案が発生した際に、解剖を行わなくても臨床診断によって死因を明らかにすることができないか、あるいは、遺族が解剖に同意をしているか否かなどを考慮した上で解剖実施の必要の有無を判断しているわけであります。

特に、解剖につきましては、医療機関それから遺族とも後になって実施をしておけばよかったということがないように、解剖実施の必要性については常に検討を行っていただきたいと考えているわけでありますから、新しいガバナンスの仕組みの中で、合議体の中で決めていっていただくということが大事なのかなというふうに思っております。

特定機能病院は、病理診断を適切に実施する体制を持っているではないかというお話がございました。承認要件となっていますから、一般の病院と比較して解剖を選択しやすい環境にもあるというふうに思います。特定機能病院における医療事故調査対象となった事例の解剖の推進については、制度の実施状況も踏まえながらも、関係者とも十分に意見交換を行ってまいりたいと思いますが、一義的には、やはり一つ一つの病院がどう意思決定をしていくかということかなというふうに思います。

 

○阿部委員 大臣は御存じだと思いますが、実は、女子医大の二歳の坊や、亡くなった子は、最初は自然死、病死といっておうちに帰されて、火葬が終わってから、現実にはプロポフォールの問題だとわかったわけです。親御さんは後からあのときと思っても、私は、事故はまず未然に防ぐのが第一です、起きた結果で云々というのは本当に避けたい、だけれども、結果からも学ばないと医療というのはよくならないので、そういう観点で申し上げました。やはり解剖というのは医学の基本ですから、それはもちろん、合議体で了解を得ないと、実際、命令してやれるものではない。ただ、安全文化の重要な一角だと認識していただきたいと思います。

さて、こうした病院に外部監査をかけるということも昨年、二十八年六月、決まっております。この外部監査を患者さん、市民から見やすい形にするための工夫、私は二つ見ましたけれども、千葉大学と藤田衛生大学、千葉大学のホームページに出ているものは、比較的、患者さんからも、ああ、こういうことをやっているんだとわかりやすいと思います。

今、事故報告調査制度も、ほとんど患者さん、家族、知りません。そうすると、病院が何をやっているのか、患者さんの声を聞いているのかというようなことをもっと上手に発出、発信してほしいと思いますが、外部監査の発信の仕方、時間が終わって済みません、一言、お願いいたします。

 

○塩崎国務大臣 大学附属病院などにおいて医療安全に関する重大な事案が相次いで発生をしたことを受けて、去年の六月に省令改正を行って、特定機能病院の承認要件の見直しを行った中で、医療安全に関する監査委員会の設置、これを全ての特定機能病院に義務づけまして、監査委員会は委員の過半数について病院と利害関係のない外部の者から選任をするということで、監査結果については当然公表をするということであります。

その公表の方法は、ホームページで公表することが望ましいということを示しておりまして、患者の方々など一般の方々がわかりやすい内容として入手しやすい方法で公表されるように特定機能病院に対して働きかけてまいりたいと考えております。

 

○阿部委員 まだ残りがございます。またよろしくお願いいたします。

 

○丹羽委員長 次に、大西健介君。

≫ 続きを読む

2017/06/13 国会質疑   abetomoko

5月16日 本会議(代表質問)議事録(児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑)

○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。阿部知子君。

 

〔阿部知子君登壇〕

 

○阿部知子君 民進党の阿部知子です。

ただいま議題となりました児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律の一部を改正する法律案について、民進党を代表して質問いたします。(拍手)

冒頭、この間の国会運営には大きな瑕疵があることを指摘したいと思います。

民進党として、五月九日、政治家同士の真摯な討論を妨げる法務委員長の解任決議案を提出、数において否決はされましたが、今後とも、立法府のあり方について常に問題提起を続けてまいります。

さて、過日、千葉県松戸市において、登校途中に暴行殺害、遺棄されたベトナム国籍の少女、レェ・ティ・ニャット・リンさんと御家族に、改めて心よりお悔やみを申し上げます。そして、五月五日の容疑者の再逮捕を機に、一日も早く真実が解明されることを祈ります。

また、リンさんの祖国ベトナムに対しても、このいたいけな少女を守ることができなかった日本社会の非力について深くおわびを申し上げるとともに、事件の全貌解明、厳重な処罰と再発防止に全力を注ぐ決意をお伝えすべきと思いますが、岸田外務大臣はどのような行動をとられたでしょうか。

民進党は、こうした悲劇を一日も早く終わらせるために、法務省から提出された性犯罪に係る刑法の一部を改正する法律案の早期成立を強く求めております。

そもそも国会の提出順序でいえば、刑法改正案が共謀罪に先行しておりました。今回の改正案は、性暴力の被害の当事者の方々が苦しみの中から声を上げ、あるいはみずからがその事実を言い立てることすらできない幼い被害者、さらには暴行の果てに殺害されていった犠牲者など、無言の被害者に寄り添い、手弁当で支援に当たってこられた関係者の方々の長年の努力の結実です。

明治時代から百十年ぶりの改正へとつながった今回の刑法改正案は、立法背景も法案の構成要件もろくろく説明できない共謀罪法案とは全く質が異なるのです。繰り返しますが、早期に成立が必要なのは、共謀罪ではなくて刑法改正案です。

刑法改正案では監護者わいせつ罪及び監護者性交等罪が新設されます。

平成二十七年度における児童相談所の児童虐待相談数十万三千二百八十六件のうち性的虐待は千五百二十一件、また、市町村における虐待相談九万三千四百五十八件のうち千七十七件で、おのおの全体数の一・五%から一・二%とされておりますが、それらは氷山の一角であり、まだまだ潜在する事案は山ほどあるはずです。

本改正案が成立すれば、本人や保護者からの申告や暴行脅迫要件を満たさなくても、保護者、監護者による性的虐待に対して刑事罰を問うことができます。

実の父親に性的虐待を受けた当事者として、現在、刑法改正を訴える山本潤さんが、書籍「十三歳、「私」をなくした私」を上梓し、その本の中では、家庭という閉ざされた世界で繰り返される性暴力は、私の認知をとてもゆがませてしまった、被害を受けることで自分は価値がない人間だとも思った、大事にしてもらえる人間だと思えなくなる、人間とかかわり合いながら生きていくための感覚が壊されるということと、性的虐待がどれほど人間の奥深くに影響を及ぼすかが描かれております。まさに魂の殺人とも言われるゆえんです。

今も、どこかで、声を出せずにいる幼い被害者、強姦の果てに殺されていく被害者がいます。それらを許さないためにも、一刻も早い刑法改正案の成立を重ねて求めます。

また、そうした性暴力被害者支援として、緊急の医療的ケアも含めたワンストップ支援センター設置を強力に推進するための法案も昨年の暮れに五野党で共同提案いたしております。あわせて、この法案につきましても御審議いただくことを強くお願いを申し上げます。

以下、本題である児童福祉法並びに児童虐待防止法の改正案について質問いたします。

先ほど申し述べましたように、平成二十七年度における児童相談所の児童虐待相談対応件数は十万三千二百八十六件と、児童虐待防止法成立以前の平成十一年度から約九倍弱まで増加しております。

平成二十六年度の厚生労働省が把握した虐待による子供の死亡事案は七十一例。一年間に七十一名もの子供が心中をも含む虐待によって命を落としています。

虐待から子供たちを守ること、子供を虐待する親をつくり出さないこと、これらは社会全体の課題です。一刻の猶予もない喫緊の課題です。

本改正案では、昨年の児童福祉法改正で検討規定になっていた要保護児童のより適切な保護措置のために、裁判所の関与が強化されることになります。すなわち、親の同意が得られず二カ月以上経過した一時保護を行う場合に、従来であれば各県に置かれた児童福祉審議会の意見を聞くという仕組みから、家庭裁判所の承認という司法関与に変更をされます。

子供の権利擁護を第一とする児童福祉審議会にかわって裁判所が関与するには、家庭裁判所が児童虐待に関する専門性を十分に持っていることが不可欠となります。例えば、身体的外傷といった目に見える証拠がない場合に、その加害性を認識、把握できるだけの専門性、さらに、不安や不信によって閉ざされがちな子供の心をキャッチできる技量も要求されます。

現在、家庭裁判所において、児童虐待についての専門的な知見を有する調査官はどの程度いるのでしょうか。また、その専門性を養成するためにどのような研修が行われているのでしょうか。さらに、子供の心に寄り添い支援するための専門職や、民間団体も含めた取り組みとの連携はどう考えておられるのか、金田法務大臣にお聞きいたします。

また、現在でも難しい保護者教育や親子の再統合は、家裁の判断が介入することによってさらに困難となることも十分考えられますが、厚生労働省としては、家庭支援の継続性はどう担保するのでしょうか。今回の改正が親子を引き離すお墨つきに終わっては、司法介入はかえってマイナスになります。厚生労働大臣にお尋ねをいたします。

報道によりますと、四月二十三日に、離婚した父親のもとに一人だけで行った初めての面会交流の日に、四歳の女の子を巻き添えに父親が心中を図るという非常に痛ましい事件が起きました。親の動機のいかんにかかわらず、子供の命を奪うこと、これ以上の虐待はありません。

今回の事件でも明らかなように、個々の親子の心のうちまで見抜くことには限界があり、面会交流を一律に義務化することは慎重であらねばならないと考えます。優先すべきは、親の気持ちではなく、子供の命であり、子供の心です。果たして、離婚時に面会交流を条件とした家裁の判断にこうした視点はあったのか、法務大臣に伺います。

また、面会交流の義務化は一律な義務化ではなく、まず、子供の状態への十分な支援と配慮が必要と考えますが、厚生労働大臣のお考えを伺います。

平成十六年十月の児童虐待防止法の改正により、配偶者間の暴力を子供に見せること、いわゆる面前DVが心理的虐待に含まれることが明確化されました。面前DVは、子供に直接暴力行為はありません。しかし、子供の目の前で片方の親がもう一方の親に暴力を振るう、その光景を見るだけで、子供にとっては心理的虐待に当たります。これが厚生労働省の見解です。

ところが、裁判所では、面会交流の審判で、面前DVがあったことは確認できても、未成年者らへの直接の暴力があったことは確認できない、申立人との直接の面会をすることが未成年者らの福祉を害するとまでは言えないとの判断がなされることがあり、厚生労働省と裁判所との判断にずれが散見されます。

いま一度、政府に確認いたします。

面前DVは、児童への心理的虐待に当たり、一時保護の対象となること、また、面会交流を認めない事由に当たり得るという、今までの厚生労働省の立場に相違はありませんでしょうか。厚生労働大臣に確認をいたします。また、法務省側にも同様な認識があるかどうか、法務大臣に答弁を求めます。

そもそも、現在、児童相談所職員一人当たりの担当件数は平均何件でしょうか。政府は、児童相談所強化プランを決定し、児童福祉司、児童心理司、保健師の増員を計画しております。しかし、まだまだ足りません。

昨年の児童福祉法改正、本法案、この後、児童相談所の業務のあり方、要保護児童の通告のあり方、児童福祉業務の従事者の資質向上の方策を検討することとなっており、児童福祉法の改正が続きます。

虐待児童数の増加に制度と体制が追いつかず、虐待以外の業務、障害児支援、発達支援、家族再統合支援や特別養子縁組等に取り組めないのが児童相談所の実情でもあります。

今回の司法関与の強化によって、書類作成等の児童相談所の負担が過重となる結果、かえって児童相談所のケースワークがおろそかになることがないようにしなければなりません。二カ月という期間に必ずしも十分な親子とのコミュニケーションが図られないケースは多々あり、その後の長期にわたる親子との信頼関係を築くためにも、現場の裁量にも十分配慮した運用が必要と考えます。

まずは、今も虐待に苦しむ子供たちを救い出すこと、そのために児童相談所などの既存の体制を強化し、子供の命を守るために、そして親子支援チームなどの家庭への支援もさらに充実させるために、政府には十分な予算と人員を配置することを求めてまいります。この点、財務大臣、厚生労働大臣はどのようにお考えでしょうか。

最後に、児童虐待防止のために、社会全体の子供の育ちを見守る機能を強化する必要があります。育児を個々人の問題として扱う限り、核家族化した現代では、親が孤立し、育児の負担が重くのしかかります。育児には喜びもつらさもいっぱい詰まっています。保護者が子供を育て切ることができるような環境を整えることは社会の役割です。

ちなみに、人口四千人余りの神奈川県清川村では、児童虐待として児童相談所に寄せられる通報は一件もなく、むしろ、日常の保健師さんの巡回指導や近隣住民の支え合いが親子の孤立を未然に防ぎ、児童虐待を予防しているのではないかとも伺いました。

そうした観点から、社会のあらゆる場で、虐待の疑いがあれば、早期の通報、介入が当たり前となるよう、さきに民進党が提案した学校健診にかかわる歯科医師の役割が加えられた今回の改正を評価いたします。

かつて江戸から明治へと時代が変わるころ、日本を訪れた多くの外国人は、日本の各地で市井の人々の子供を大切に守る姿に出会い、また、日本の美しい自然に出会い、限りない称賛を与えたと言われております。

児童虐待は、個別の家庭の問題ではありません。社会全体の課題です。社会全体で子供を守る、そして育てる、保護者の負担と孤立を軽減し、親と子供が余裕を持って向き合い、暮らしていける社会を実現していくために、これからも民進党は全力を挙げて取り組んでまいります。

以上をもって、私の代表質問とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

 

〔国務大臣塩崎恭久君登壇〕

 

○国務大臣(塩崎恭久君) 阿部知子議員にお答えを申し上げます。

裁判所の関与を導入した場合の家庭支援の継続性についてのお尋ねがございました。

昨年の児童福祉法の改正により、子供が家庭において心身ともに健やかに養育されるよう、保護者を支援することが重要であることについて、法律上明記をいたしました。

今回の改正法案によりまして、児童相談所が行う保護者に対する指導に家庭裁判所の関与を導入することで指導の実効性が高まり、また、一時保護の手続に家庭裁判所の審査を導入することで、手続の適正化がより一層確保されるとともに、一時保護の長期化の抑制にもつながるものと考えております。

今回の改正事項も踏まえ、運用に当たっては、保護者指導や親子再統合に向けた支援が継続的に行われるよう、引き続き努めてまいります。

面会交流における子供への配慮等についてのお尋ねがございました。

面会交流は、離婚をした父母の協力のもとで、子供の利益の観点から適切に行われるべきものであり、DVや児童虐待の有無、子供の発達状況などさまざまな状況に応じた十分な配慮が必要であると認識をしております。

こうした認識のもと、面会交流が適切に行われるよう、引き続き、関係省庁とも連携しながら必要な支援を行ってまいります。

面前DVについてのお尋ねがございました。

子供の面前で配偶者に対する暴力が行われるいわゆる面前DVにつきましては、子供に著しい心理的外傷を与えるものであれば、児童虐待の防止等に関する法律第二条第四号に定める心理的虐待に該当し、子供の安全を迅速に確保し適切な保護を図る必要がある場合などには、一時保護の対象となります。

また、面会交流については、民法第七百六十六条に基づき、父母の協議で、また協議が調わないときなどは家庭裁判所が定めることとされております。

面前DVがあった場合に面会交流を実施するかどうかについては、子供の発達状況などさまざまな状況を踏まえ、子供の最善の利益の観点から適切に判断されることが重要であると考えております。

児童相談所の体制強化についてのお尋ねがございました。

児童相談所において、保護者への指導等を担う児童福祉司は、一人当たり平均約四十件の児童虐待相談事案を担当していると承知をしております。

児童相談所については、昨年の児童福祉法の改正により、児童心理司等の専門職の配置を新たに法律上に位置づけるとともに、職員に対する専門的な研修の受講を義務づけました。

さらに、昨年四月に策定をした児童相談所強化プランに基づき、児童福祉司などの専門職を平成三十一年度までの四年間で千百二十人増員することを目指すこととしております。

今後も、引き続き、児童相談所の体制や専門性を着実かつ計画的に強化してまいります。(拍手)

 

〔国務大臣金田勝年君登壇〕

 

○国務大臣(金田勝年君) 阿部知子議員にお答えを申し上げます。

まず、児童虐待についての専門的知見を有する家庭裁判所調査官の人数や、その専門性の養成のための研修、子供を支援するための専門職等との連携など、家庭裁判所の体制等についてお尋ねがありました。

全国の家庭裁判所には、心理学、社会学等の行動科学の専門的知見を有する家庭裁判所調査官が配置されており、その定員数は千五百九十六名と承知をいたしております。

家庭裁判所調査官については、任官するための研修や任官した後の研修におきまして、行動科学の最新の知識や、面接、心理テスト等の専門的技法を身につけるための研修が行われており、その中で、児童の虐待についても取り上げられているものと承知をいたしております。

御指摘の専門職等との間でも、必要に応じ、裁判所において連携が図られるものと承知をいたしております。

次に、面会交流に関する家庭裁判所の判断に、子供の命や子供の心を優先するという視点はあったのか、お尋ねがありました。

御指摘の事件の詳細は法務省としては把握をしておらず、個別の事件における家庭裁判所の判断に対して法務大臣としての見解を述べることは差し控えさせていただきます。

その上で、一般論として申し上げますと、民法上、面会交流の取り決めを行う場合には、子の利益を最も優先して考慮しなければならないものとされており、家庭裁判所においても、一般にそのような視点から適切な判断がされているものと承知をいたしております。

最後に、いわゆる面前DVが面会交流を認めない事由に当たり得るという認識を持っているか、お尋ねがありました。

離婚をする際に面会交流の取り決めを行うことは、一般に子の利益の観点から重要であると考えておりますが、一方の配偶者が子供の面前で他方の配偶者に対して暴力を加えることがあった場合など、子に対する心理的虐待があった場合には、面会交流をすることが子の利益に反するおそれがありますので、そのような場合には、面会交流をすることの当否を含め、慎重な対応が必要になるものと考えております。(拍手)

 

〔国務大臣岸田文雄君登壇〕

 

○国務大臣(岸田文雄君) 千葉県でのベトナム女児殺害事件についてお尋ねがありました。

御指摘の事件につきましては、私も大変心を痛めております。

私からは、四月十四日、訪日したベトナムのズン計画投資大臣に対し、また五月八日の日越外相会談においてミン副首相兼外相に対し、本件に日本国民は心を痛めていること、容疑者が逮捕され、捜査が進んでおり、早期の全容解明を進めていること等を述べつつ、心からのお悔やみをお伝えしました。

また、ベトナムでは、梅田駐ベトナム大使が、本事件の発生後、四月三日にリンさんの御実家を訪問し、御遺族に対し弔意を示し、また、容疑者逮捕後の四月十四日にも御遺族に対して御報告を行っております。(拍手)

 

〔国務大臣麻生太郎君登壇〕

 

○国務大臣(麻生太郎君) 阿部議員から、児童相談所の体制強化について一問お尋ねがあっております。

児童虐待相談への対応件数は、近年増加を続けております。増加する児童虐待相談に的確に対応し、子供の安全確保を迅速に行うため、厚生労働省においては、昨年四月に児童相談所強化プランを策定し、児童福祉司等の専門職の配置の充実や資質の向上を図るなど、児童相談所の体制及び専門性を着実かつ計画的に強化していくこととしているものと承知をいたしております。

いずれにいたしましても、児童虐待への対応は重要と考えており、その支援のあり方につきましては、関係省庁からの予算の要求を踏まえ、各年度の予算編成過程で検討してまいりたいと考えております。(拍手)

 

○議長(大島理森君) これにて質疑は終了いたしました。

≫ 続きを読む

2017/06/13 国会質疑   abetomoko

5月12日厚生労働委員会議事録

○丹羽委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

本日は、いただきましたお時間を全部、待機児童問題にかけさせていただきたいと思います。

私は現在、民進党の待機児童プロジェクトの座長を務めておりまして、きょうの冒頭の御質疑も子供の問題、待機児童の問題、自民党もお触れいただきましたが、今そこに生きる大事な子供たちに何がやれるかは、いつも申し上げますが、与党、野党を超えた、本当に、この国を将来担える人材をどうつくるかという問題ですので、私からも前向きに提案をさせていただきますので、ぜひ大臣にもお聞きをいただきたいと思います。

待機児童問題は、平成二十五年、杉並区で、お母さんたちが子供を連れて、私の子供が保育園に入れないじゃないの、どうしてくれるのという直接行動を起こしたときから政治の中でも大きくクローズアップされるようになりました。

もちろん、昨年ですか、保育園落ちた日本死ねもそうですけれども、とにかく、子供を抱えて、この子をどこに預けたらいいのか、仕事も続けられるのか、復帰できるのかと切実な思いが渦巻いておりまして、それに対して政府の方も呼応する形で、平成二十五年度から二十九年度末にかけての五年間で五十万人、本当は三十一年度まで四十万人だったのを前倒して、そして数もふやして、今お取り組み中であると思います。

ところが、数の増加と質の担保というものがどうなっているのかということにおいて、私は先回、平塚での夜間の保育園での死亡事故を取り上げさせていただきましたが、今回は、特にいろいろな不祥事として新聞等でも取り上げられますさまざまな形態の保育園の問題をきょう共有したいと思います。

大臣のお手元に資料を届けてございますので、ごらんいただきたいと思いますが、一枚目、ここには、厚生労働省からいただきました保育所の設置主体別認可状況というようなものが数値で上がってございます。

認可をふやそうということもございますし、ここで、平成二十六年から平成二十八年、全体数は、例えば二万四千四百二十四から二万三千四百四十三とふえていないように見えます。だがしかし、実質には保育園の数はふえておりまして、また、この数値を見るだけでも、株式会社立はこの三年で約二倍、また、社会福祉法人は横ばいですが、大臣も御承知のように、一つの社福がたくさんの園を運営するというような形で、社会福祉法人の大規模化ということも進んでおります。

この保育園について、実は、小泉政権下の二〇〇〇年から株式会社の参入ということをより容易にしようということもあって、右に書いてございますが、委託費、補助金の弾力運用というものもあわせ始まってございます。

二〇〇〇年には、一応、この株式会社の参入とセットで行われた弾力運用として、人件費、管理費、事業費をそれぞれに融通し合えるという仕組みに変えました。それまでは、人件費は人件費、管理費は管理費、事業費は事業費という区分をとっておりましたが、ここで一段目の規制緩和がございました。

そして、平成二十七年、ここは塩崎大臣のときですが、さらにこの規制を緩和して、同一法人が既に運営する施設で得た補助金をもとに二件目以降にもそれが使えるという形にして、賃貸料や土地の取得、整備を容易にする、これはふやしたいということでなさったことであります。

さらに、ことし四月、この緩和は、保育園の補助金の三〇%以内を、保育ではなくて他の介護施設等にも、もし保育にかかわる部分が健全であればという前提ですが、回してよいと。いわゆる多角経営が可能になるような、また、理事長などの人件費も補助金から出してよいと。

この規制緩和、私はちょっといかがかと思っておりますが、こうした大きな流れの背景を受けた中で、きょうは三つの案件を取り上げたいと思います。

一つ目は、この委員会でも既にお取り上げがありました、わんずまざーの問題で、兵庫県姫路市にございます、設置主体は個人の私立こども園、県が独自に認定するこども園でございまして、これは大臣も既に御答弁でありますので重なる部分はなるべく避けて、こども園が始まって以来の初めての認定取り消しケースでありました。二〇一七年の三月末、ことし末に取り消されております。

このわんずまざーは、一番有名になったのは、子供の給食の量をカットした、あるいは、働いている職員に遅刻したら一万円の罰金を取ったり、十日間ただで働くことを強要したり、とても労働基準法から見ても信じられないようなことをやっていた。そして、事業も、例えば、かけ持ちでシッターさんをやらせるとか学童の方にも派遣するとか、とにかく、あらゆる驚くような事態をやっていた。プラス、定員も四十六人のところ、七十人くらいを預かって完全に定員オーバーだ。もう目を覆うばかりの実態です。

塩崎大臣に伺いますが、このわんずまざーの事態を受けて、県は取り消しましたが、厚労省としては、改めて何を改善すべきと思っておられるか、またどういう取り組みをされたか、一点目、伺います。

 

〔委員長退席、高鳥委員長代理着席〕

 

○塩崎国務大臣 このわんずまざー保育園のケースでありますけれども、認可外保育施設の一つであるわけでありますが、この認可外保育施設の指導監督基準、ここにおきましては、立入調査などを行った場合に、労働基準法に基づいて保存することとされております例えば労働者名簿とか賃金台帳、それから雇い入れ、そして賃金などの労働関係に関する書類を活用して、職員の状況を各自治体の指導監督において確認するということとしております。

これは、わんずまざーが人件費の流用とかあるいは労働条件の違反というのを行っていたということがありました。今、食事の話もありましたけれども、それはそれとして、こういうことで確認をすることとしているわけでありますので、これは自治体がもちろん確認をするわけでありますので、こういった点についても、今回のようなケースがあるということで、適切な運用がなされるように指導をしていかなければならないということを改めて考えているところでございます。

 

○阿部委員 私からは、この件に関しては二点、大臣にお願いがあります。

この件は、県の独自の認定こども園ということで、約二年間にわたって毎年五千万円くらい県から補助で入ってございます。事態が発覚するまでに二年間ありました。そうすると、不適正な使用が二年間続く。この監査のいわゆる間隔があき過ぎている。せめて物事が始まって六カ月くらいしてから、開始される前の申請段階では書類審査いたしますが、やはりその事業が始まって、だって、子供の数が一・五倍もいれば、早い監査でわかったと思います。

そうした、事業がスタートしてからの初回の監査のあり方と、あるいはまた第三者委員会等々をきちんと県なりに設けて、今大臣がおっしゃった賃金とかあるいは労働契約がどのように結ばれていたかとか、実はこの園は、もともと県の認定こども園とされる前から就業規則における問題を持っておりました、いわゆる遅刻したらただ働きしなさいというような。

これはそもそもからわかっていたことだと思うのですが、これが県の認定を受けて、そしてこういう事態になっているということでありますので、やはり監査、特に自治体の監査、あるいは必要によれば第三者委員会などの設置を、これは有識者も勧めておられますので、大臣にはぜひ念頭に置いていただきたい。

また、御質問ですが、例えば、今の労働条件その他をチェックされるときに、その保育園の人件費比率についてはチェックをなさっているんでしょうか。

と申しますのも、規制緩和によって事業費、運営費、人件費は融通可能になりました。人件費比率がどのくらいかということは、この監査指導チェック項目に入っておりますでしょうか。それは自治体が行うもの、もし入っていなければ厚生労働省の方からも積極的にそういう働きかけをしていただきたいが、いかがでしょうか。

 

○塩崎国務大臣 人件費率自体は年齢構成とかいろいろなことで変わるので、人件費率自体が問題かどうかというのはケース・バイ・ケースになるので、それ自体を監査の指標として見るということはしていないわけで、むしろ、例えば加算をちゃんとやっているのかとか、そういうことは当然見るわけでありますけれども、人件費率自体が問題になるかどうかは必ずしも指標にならないわけでございますので、適正な給与かどうかというのは総合的に見ていかないといけないということでございまして、問題があるとすれば、総合的に見ているかどうか、何を見ているかということが問題になるんだろうというふうに思います。

 

○阿部委員 私は、残念ながらその認識が、この労働集約型産業という保育を扱う分野においては、やはり失礼ながら甘いと思うんです。

というのは、一定の人がいなければ成り立たない分野でありまして、それを人件費比率として外側からチェックをいたします。今のような御答弁ですと、大臣のお手元の、きょうの私の資料の終わりから二枚目ですけれども、ここには、株式会社立と社会福祉法人における人件費比率の差が、小さくですが載っております。

株式会社立の場合は、人件費比率が一番多いのが四〇から五〇%、そして、社会福祉法人の場合は六〇から七〇あるいは七〇から八〇というところで、もちろん社福でも三〇%未満というようなところもありますが、しかし、私は、一定の数の人がいなければ成り立たない保育という仕事の重要性、人手にかかるということを共有するときの非常にわかりやすい指標だと思っております。

これからもこの質問は続けますので、同じ質問が何回かあらゆる場面で出てまいりますので、ぜひ、大臣にはこの終わりから二枚目の人件費比率について試算されたものをまず念頭に置いていただいて、次の質問に移らせていただきます。

次の不祥事は、夢工房という、これは兵庫県の芦屋市に本拠地を置く社会福祉法人であります。

私の今の言葉を使えば、平均すれば株式会社よりは人件費比率を高く持ったところでありますが、しかし、この兵庫県芦屋市の社会福祉法人夢工房は、お手元にお示ししました資料のあけて二枚目を見ていただきますと、あらゆるタイプの不正をいたしております。

法人の本部は兵庫県芦屋市にございまして、この本部扱いの中で、理事長及び親族に、簿外債務、記帳されていない債務、これを六千二百七十万円払っておりますし、あと、保育にはとても不必要と思われる洋服や家具などの物品の購入も、これは親族への供与ということで百八十七万円上がっております。

同時に、県の管轄する中では姫路市で二つ、これは、労働実態のない理事長のお母さんが病気で御入院中に理事長給与を払うということで、タイムカードが押されていた。病院から出てきて押してきてもいいですが、やはりそれは仕事ができないでしょう。それだけでなくて、今度は勤務実態のない義理のお母さんを事務員として雇って五年間で一千万円、これも、全く架空の労働実態について一千万円が支給される。

同じように、東京都目黒区、品川区、港区などでもございまして、品川区は、実はことしの三月にこの保育園は業務委託の停止を受けております。

何だかんだで合算いたしますと、県並びに東京の区あるいは都などがこの法人に出したお金のうち、約一億八千五百四十四万円が不正に使われていたという事案でございます。

これは、実は年度も二〇一〇年くらいからことしくらいまでで非常に長いですし、なぜその間発覚しなかったのか、非常に問題が大きいものと思いますが、大臣は、まずこれについての御認識。

ちなみに、この社会福祉法人は七都道府県にまたがっております。なかなかチェックが突合されないということもあると思います。プラス、もしおわかりであれば、これは実務サイドで結構ですが、国からの補助金はこの夢工房に対して幾ら入っていたんだろうということを教えていただきたい。

私は、新聞記事を一生懸命拾って、都や区が返還要求をしているお金をここに合算いたしました。まだ抜けもあると思います。これをつくるだけでも大変でした。でも、果たして国はここに補助金を入れていないんだろうかということについては、申しわけございませんが、雇児局長かな、どなたに答弁していただくのか、わかれば、わからなければ次で結構です。

 

○定塚政府参考人 補助金については雇児局の所管でございますけれども、今確認もしましたところ、現時点で、国から出ている補助金について額は確認できていないということでございます。

 

○阿部委員 では、大臣にお願いがありますが、宿題にいたしますので、国から補助金はどのくらい出ているのか、これは私も計算できませんので。

と申しますのも、先ほどの新聞記事の、後ろから二枚目、また見ていただきますと、昨今のいろいろな社会福祉法人や株式会社の施設の現状を見ますと、大体一億七千百七十一万円規模の事業をやっておられるところで、補助金額というのは、国、県、市合わせて一億六百七十三万とか、これは東京なのでプラス東京都あるいは区の独自なものなどなど、結局、自前は四百四十七万くらいで事業ができる、大変いびつな形をとっております。

それがまた私は非常にルーズな運営を可能にしているという懸念をいたしますので、大臣には、宿題のお願いは、夢工房にはどのくらいの補助金が国から入っているのか、そしてお尋ねは、なぜこんなことが約七年間も放置されてきたんだろうか、この二点、お願いいたします。

 

○塩崎国務大臣 これは、社会福祉法人改革を先般やらせていただいて、本年四月から改正が施行になっているわけでありますけれども、その際に、評議員会を必置化するということ、それから法人に対する会計監査人の設置を義務づけるということをやるなど、組織のガバナンス強化を図って、自主性、自律性を高めるということをやりました。それから、定款あるいは会計書類等の公表や備え置きの義務づけ、そして、事業運営の透明性を確保するということをやってまいりましたけれども。

それに対して、所管庁が行う法人監査について、今御指摘がありましたが、その実効性を高めるために、指導監査事項を詳細に定めるなどの見直しも行っています。ただ、監査の周期については、改正前は二年に一回だったのを、監査の実施時期を原則三年に一回というふうにいたしまして、運営等に問題がある場合には特別監査を随時行うということで重点化を図っているわけであります。

社会福祉法人としては今のようなことでありますが、なぜ見つけられなかったのかということであれば、それは二つあって、一つは、みずからそれらを見つけ出すガバナンスが欠けていた、そしてもう一つは、この所管庁が行う監査でも見つからないということで、今申し上げたような指導監査事項を詳細に定めるなどの網の目を細かくするということをやっていますけれども、それがひっかからないような状態の監査であったということを反省しないといけないんだろうと思います。

一方で、保育園の場合は、保育園としては毎年一回、これは実地の監査を行うということでありますが、保育園としての問題があるということであれば、今のは多分、社会福祉法人全体としての問題点を御指摘になっているんだろうと思いますが、保育園に関しては実地監査を毎年行っているわけでありますので、一回以上となっていますから、これで見つからないということであれば、これの問題点についてもしっかりとレビューをしていかなければいけないというふうに思っております。

 

○阿部委員 まず、大臣のおっしゃった後者の御答弁から取り上げますと、実は、目黒区、港区、品川区などでも恐らく自治体の監査というのはあったと思うんですけれども、例えば施設長加算を本来そこにいない施設長に対して払われるとか、栄養士さんが非常勤なのに常勤に扱って補助金をとるとか、もろもろございます、実は運営上も。そして、これらはなかなか監査では浮かんできていないという実態があることは大臣も認識をしていただきたい。

それは、私は自治体を責めたいから言っているのではなくて、自治体も急増する保育園の監査になかなか手が回らない。細かなところまで、名簿上見れば施設長はいることになっているけれども、実態はそこで働いていないなどはなかなか見抜けないのであります。私が人件費比率のことを申し上げますのは、ちゃんと給与として払われて、そこで労働実態があれば、それはそこの会計に出てくると思いますので、それも明示化できる指標だろうと思うものです。

もう一つの法人監査について申しますれば、今、大臣がさきに御答弁されたのは、今年の四月から社福についての監査の二年を三年というお話でしたが、現状において、社会福祉法人にどのくらいの頻度で監査ができているかということも私は大変おぼつかないと思います。それをまたさらに二年を三年に延長していって、ざるの網目が大きくなる懸念がございます。

プラス、大臣にぜひ知っていただきたいのは、今は社福は、この社福もそうですが、七都道府県にまたがって運営をされておりまして、これらを、本当にその情報を集めて、社会福祉法人としての経営的健全性、運営的健全性をチェックするのがなかなか大変になっております。もちろん、そこに監査法人を社福が設けて、それを信じてやるということもある方法かと思いますが、逆に、こうした事態が次々起こっている現状の中で、社会福祉法人監査は果たして有効に機能しているのか等々、ぜひ大臣には念頭に置いていただきたいと思います。

加えて、子ども・子育て支援制度の中で、先ほど大臣もおっしゃいましたが、指導監査制度というのは、確かに通知をされております、平成二十七年十二月七日付で。そして、県と市町村が連携して、なるべく監査なども二重三重にならないように合理的にやりなさいということになっているんですけれども、幾つもの都道府県をまたぐような場合には、大変これは、本部のある法人の県とほかのところというふうに、もう股裂き状態になっているような社福の実態があるわけです。

果たして平成二十七年の十二月のこの通知で十分であるのか、そういうことを想定していたのかと私は懸念がございますので、大臣については、いかがでしょうか。今の社福のありようというのは、今御紹介したのは七都道府県をまたぐ実態がございます。社福としてきちんと監査できる体制があるのかどうかであります。

 

○定塚政府参考人 御指摘いただきましたとおり、社会福祉法人に対しての法人監査、それから、それぞれの施設に対しての、施設の運営についての監査ということと両方ございまして、これは相互に密接な関係にあるものですから、法人の監査を行うところと、法人の施設が所在する区域の行政庁が行う監査、両方の情報、資料提供、連携を十分にとっていくということが大変重要なわけでございます。

これまでも双方から通知を出して、施設監査、法人監査、両面を行っている複数自治体間で連携をとるようにということを通知を行ってきているところでありますが、今回、法人改革も行い、四月から新しくスタートしたばかりでございますので、御指摘のようなことについてしっかり連携をとれるように、こうしたこれまでの通知の趣旨について徹底をしてまいりたいと考えております。

 

○阿部委員 先ほど申し上げましたように、こういうものが七年間も放置されて、補助金が本当に生かされずに流用されているという実態が起きたという現状をもう少し私は緻密に検討していただきたい。先ほどの法人監査と施設監査で情報、資料提供をしていて、なおかつ起こっているんです。

一カ所で発覚すると、あっ、うちにも夢工房がある、もしかして、どうかなと各自治体は考えるわけです。よもや、その一つの、例えばですよ、目黒区のその保育園が、うちの法人は七つをまたいだところにあるから、そのどこで何があるかなんということはふだんは気にもいたしません、毎日のことで忙しいです。その結果、でも、不祥事が出たら芋づるで、あっちもこっちも、そっちもどっちもというようなことは、日ごろの、やはり私は、監査、連携、そして何よりも国が、またがるものについてはそういう注意を払うくらいの気概がなければね。だって、七つの都道府県の知事とかが集まってやるというわけにいかないわけですよ。よくよく国の主導権が必要となると思いますので、大臣にはテークノートをしていただきたいと思います。

引き続いて、まだまだありますので、次の問題に移らせていただきますが、お手持ち三ページ目を開いていただきます。

ここには、どろんこ会と申します社会福祉法人について、これは、平成十九年三月九日の設立でありまして、現在、百カ所以上を運営しております。あるものは株式会社などの設置もあるようでありますが、ここでも、実は、東京都の労働委員会に持ち込まれたり、あるいは、ここの場合は、実は、社会福祉法人といっても、その社会福祉法人の理事長が他の株式会社の社長、代表取締役をやっている、さらに複雑な構造をとっております。

夢工房の場合は、まだ社福は社福、単体でした。ところが、このどろんこ会というところは、社福プラス、その同じ方が社長を務める株式会社をお持ちであります。そして、百カ所と申しましたが、保育園が急増している中で、武蔵野市、西東京市の保育園の開設に当たっては、他の保育園で使っている備品を開設のときの審査のときだけ一時お借りして、転落防止柵なんですけれども、それを設置して、また終わったら戻しちゃう。では、これだったら、一体何を見ていけばいいのか。あるいは、社会福祉法人が株式会社から物品を購入して、これが随契であるとか。もうあらゆる問題が発生をいたしております。

もちろん、この労働問題については目下係争中でありますので触れるつもりはないですけれども、大体起こるときはみんな同じです。働く現場での、非常に労働基準法に抵触するような現状、そして、保育の質を担保できない使い回しなど、プラス、これが今は社福と株式会社も持ってやっているケースも決して少なくない、それが同一理事長であると。

そうすると、社福の場合、理事長報酬は大体一千万円くらいをめどとしても、ほかの株式会社で利潤を上げて自分に収入があれば、結局、その方は、収入はトータルで多くなるわけです。社福のところの規制でひっかかっても、ほかでお金が入ってくる構造になりかねないということで、大臣、今、累次にわたる規制緩和の結果、こういう事態も生じていて、その監視、監督がすごく難しい。

だって、社福と株式会社の法人監査はおのおの別々に入るわけです。頻度も違います、何年に一回というような。それは当然名寄せできるでしょうか。あの人はここでももらっていた、ここでももらっていた、ここでももらっていた。名寄せなんというのは本当に技術を要するというか、高等な技術だと私は思います。

まず、大臣、こういう実態について、今、社福が拡大をしている、そして多様な経営形態をとっている、これからは介護施設にも運営を広げるとなったら、本当にチェックし切れるのかと私は思いますが、大臣の御認識を伺います。

 

○定塚政府参考人 今回の社会福祉法改正による四月から施行されております社会福祉法人改革におきましては、御承知のとおり、社会福祉法人のガバナンスの強化ということで、さまざまな規制の強化も行っているところでございます。

先ほど御指摘をいただいたような、社会福祉法人の理事長が株式会社の代表取締役を兼務しているような場合には、こうした株式会社、関連企業との不適正な取引を禁止するという観点から、法律上、新しく、法人と理事との利益が相反する取引を行う場合に理事会の承認を得なければならないということ、また、法人が理事長やその親族などから、あるいはその経営する企業から不当に高い価格で物品を購入するなどの特別の利益の供与を禁止すること、これを新しく明文で法律上禁止しているというところでございます。

また、会計監査人の設置を義務づけているなど、関係企業との取引状況を含めてチェックを行うということとしているほか、理事長や親族が議決権の過半数を有するなど、法人が一定の支配権を有する関連企業等と一定額を超える取引を行う場合には情報開示を義務づけるということなどしておりまして、こうしたことで、財務規律の強化、事業運営の透明化を図るための見直しを行っております。

また、理事長の報酬につきましては、株式会社側の報酬というのはなかなか把握しがたいわけでございますけれども、社会福祉法人の理事長を含めた役員報酬等につきましては、これも、ことし四月からの改正施行によりまして、新しく民間事業所の役員報酬に準拠して、不当に高額なものとならないような支給基準を定めて、それを公表するということ、また、区分ごとの報酬総額を公表することなど明確にわかるようにしておりますので、こうしたことを通じて指導を徹底してまいりたいと考えております。

 

〔高鳥委員長代理退席、委員長着席〕

 

○阿部委員 社会・援護局長は、起きてしまったことに全く無関係に、こうやります、ああやりますと言って、私の一番聞いた、理事長の給与と株式会社の取締役の給与、これは名寄せできるんですかというところは、そこは答えないわけですよ。できないんですよ、今の仕組みでは。そういうことで、ざるがいっぱいあるでしょうと私は指摘したんです、大臣。

今のなんか、御丁寧な御答弁ですけれども、答弁じゃないんですよ。そして、こういう事態が起きているということに自覚がない、夢工房についても、どろんこ会についても。もちろん、どろんこ会はまだ全貌がわかりません、決めつけるつもりもありません。でも、すごくチェックが難しいでしょうと私は申し上げているんです。だって、今までそんな監査人を置いていないかもしれない、議決権だってどうなっているかわからないでここまで来ちゃったんですよ。そういうことにしらっとして、こんないいことも計画中、こんないいこともって言わないでくださいな。最も肝になる、名寄せできるんですかといったら、できないと答えただけじゃない。私、そういうのは答弁と言わないと思います。

大臣をかばおうとして手を挙げてくださったんでしょう。でも、私、これはちゃんと質問通告しているんです、三回にもわたって。こんなこと、わかりにくく、私だって、これを解明するまでに本当に大変でした。それだけ入り組んだ出入りがあるんですよ、人的にも金的にも。それがわからない形で進んでいくことを大変懸念しているので、きょう大臣に伺いました。

問題意識を共有していただけるか否かについて御答弁をお願いします。

 

○塩崎国務大臣 今回の夢工房については、夢工房は収益が三十七億、年間ありまして、当然のことながら、今回初めて導入する会計監査を受けなければならないという対象に最初からかかるわけでありまして、それも、都道府県をまたがって活動しているという問題による公的な所管官庁による監査が難しいという御指摘をいただいて、その点についての連携が不足をしているということに関しては工夫をしていかなければならないと思っております。

ただ、社会福祉法人としての適正性をどう確保するかということに関しては、ガバナンスの強化については私もとりわけ強くこれを進めることを推進してきたものでございますので、監査について随分後で抵抗がありましたが、やはり公的なものが、公的資金がたくさん入っているわけであります、社会福祉法人は。とりわけ老人福祉系は八割とかが公的資金であるわけでありますので、ますますもってガバナンスの強化をして、一つ一つが自律的に、やはり不正がないようにしていくようにしていかないと、全部公的なものだけで見ていくというのはなかなか人員的にも難しいわけでありますので、公的な所管部署の監督の強化と、また複数の都道府県にまたがる場合の連携と、そしてまさに自律的に不正をみずから暴くような仕組みを持つということが大事であって、だからこそ、評議員会もそうですし、将来、会計監査も導入するというのは、十億にまで下げていくということでやっているわけでありますので、とりわけ社会福祉法人に関しては公的な資金がたくさん入っているということも忘れてはならないと思っています。

一方で、株式会社を持っていて、そこと同じ代表者が社長をやり、理事長も社会福祉法人でやっていることについての問題点でありますが、社福は社福で、やはり税に至るまでのいろいろな恩恵があって、そのかわり縛りがあって、みずから株式会社をぶら下げることはできない、社外流出は許されないということになっているわけですから、それはそれとしてやるべきであって、倫理的な問題で、社長を株式会社でやり、理事長でまた報酬をもらうということについてどう考えるのかということについては、また別のレベルで問われることはあるのかもわかりませんが、少なくとも、法律として、法律上の問題があるのかどうかということに関しては、それぞれの枠組みの中で徹底して不正がないようにしていくということを私どもは見ていかなければいけないと思いますし、ましてや、補助金等、公的な資金の扱いについては、これは一切不正があっていいわけがないわけでございます。

 

○阿部委員 私も大臣のおっしゃるとおり思いますけれども、何度も申しますが、法人監査も、株式会社の監査と社会福祉法人の監査と突合はできないのですね。そうすると、なかなか情報は一つにはならない。もちろん、おのおのがちゃんとやっていればわかってくるものもあります。でも、わからないところもあるでしょうということをぜひ念頭に置いておいていただきたい。これからはこういう形態がふえると思います。というのは、厚生労働省側が随時規制緩和してきたからです。

これからは、大臣がおっしゃったように、介護事業にも子供に対しての補助金の一部が使われます。私はやはり、今、介護事業はどちらかというとお金をみんな引き揚げています、かわってその穴を子供の補助金が埋めるのでは到底納得できないんです。

本当に今充実させるべき子供たちのための保育の問題、でも、それを担保するのは、実は大臣、人件費なんです。ここの保育現場でどのくらいの人にどのくらいのお金が払われているか、これをベンチマークにするということを私はきょう提案しています。

時間の区切りで最後になると思いますが、実は、こうした補助金のほかに、社会福祉医療機構というところが貸し付けをいたしております。

これは、どろんこ会の例をとりましたが、大体、昨今の社会福祉法人は、こうやって二十カ所以上の保育園等々を担保にしながら総計三十何億とかの貸し付けをされている。社会福祉法人にとっては、補助金も入ってくるし、この貸し付けによって、実はこの貸し付けは初年度は利子だけ返せばいい、利子も自治体から補給されるので、非常に使い勝手がいいというか、手元にお金がある状態ができて、それが次の事業展開に役立てられているといえばそうですし、使われてしまうといえば、そういうことがございます。

私は、社会福祉医療機構とこの間何回もお話を重ねて、では、社会福祉医療機構がお金を貸すときのベンチマークに人件費をきちんと見たらどうですかと御提案しました。理由は、社会福祉医療機構が人件費については、平成のこの三年間にわたって、だんだん減ってくるんですけれども、七二%くらいから今七〇%に、貸し出している相手先の人件費率をデータでとっておられたわけです。そうであれば、これをベンチマークにしていただけば、より健全なところにお金が回ると思いますが、この点について、最後、御答弁をお願いいたします。どなたでもいいです。

 

○塩崎国務大臣 保育士の処遇改善が問題になって久しいわけでありますけれども、二十九年度の処遇改善については申し上げてきたとおりでございますけれども、今回、特に技能、経験に応じた処遇改善という新しい、四万円、五千円、それぞれ行うということをやるわけであります。

一方で、御指摘のような、保育士の処遇改善が確実に行われるかどうかについて、人件費比率を福祉医療機構の融資条件とするという御提起をいただいているわけでありまして、一般的には、さっき申し上げたとおり、人件費率は組織の年齢構成とか人員の年齢構成などによって変わりますから、固定的に人件費率を、先ほどのいただいた資料でも、組織形態によって大分違うようでありますので、そういうことで、一律に比較するということはなかなか難しいのではないかというふうに思うわけであります。

しかし、何らかの目安で、健全な経営を、何をしているのかということを見るには、当然、処遇が適正で、みんながやる気を持って、例えば保育園であれば、子供に伝播しますから、先生方がどうだということで。そのときにやはり希望を持って働いているということが大事なので、そのときに処遇についてどういう指標を見るのがいいのかということは考えていくべきではないのかということは私も考えます。

人件費率だけということではなく、今申し上げたように、一番大事なのは、子供にとってどういういい影響が出るかということは職員の処遇がどうなっているのかで決まるという発想を持てば、何らかの形で、処遇を見る目安をどう考えるのか、それについては考えていくべきかなというふうに思います。

融資の事前相談を受けた場合には、当然、個別に、今言ったようないろいろな要件を処遇改善を含めて確認する取り組みはさらにきめ細かくやっていかなきゃいけないというふうに思います。

 

○阿部委員 では、引き続き前向きに、そして一つの大きな指標になるようにお願いいたします。

終わらせていただきます。

 

○丹羽委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

≫ 続きを読む

2017/06/13 国会質疑   abetomoko

5月10日外務委員会議事録

○三ッ矢委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

本日は、外務委員会各理事並びに委員長の御配慮によって質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。

私は、先ほどの大変細かな、そして綿密な御質問と少し角度を変えまして、そもそも、今回の日印原子力協定が、我が国が長年歩んできた核軍縮並びに不拡散という基本的な枠組みから見てどうであるのかという点で質疑をさせていただきます。

冒頭、岸田外務大臣にお伺いいたしますが、先ほど公明党の岡本委員もお取り上げでございましたが、けさ方、韓国で新たな文在寅大統領が誕生をされました。いろいろな難題、慰安婦問題等々もございますが、大臣としてこの新たな文在寅大統領の登場に最も期待すべきこと、また、どのように大臣自身が今後の日韓関係を考えておられるかについてお伺いをいたします。

 

○岸田国務大臣 まず、文在寅大統領が選挙によって選ばれたことについては、外務大臣としても祝意のメッセージは発出させていただいています。

どういったところに期待するのかという御質問でありますが、これにつきましては、文在寅大統領は選挙期間中からさまざまな発言をされていますが、政府としてどういった政策をとられるかということにつきましては、今後、首相あるいは閣僚等が確定した後に具体的なものが出てくると思いますので、今の段階で、こういったものを期待するとか、具体的なことを申し上げるのは、我が国の立場から、これは控えなければならないと考えています。

ただ、いずれにしましても、韓国は戦略的利益を共有する大切な隣国であります。北朝鮮問題等を見ても、韓国と日本が連携協力するということは地域の平和と安定にとっても大変重要なことであると認識をしております。

この新政権ともしっかり連携協力をしていかなければならない、これは当然のことであると思っておりますし、ぜひ、新政権とも未来志向で両国関係を前進できるようにしっかり我が国としても努力をしていきたい、このように考えます。

 

○阿部委員 もちろん、内閣全体としてのさまざまな分野における日韓の協力等については、まだ論議のこれから始まるところとは了解をいたしております。

私があえて岸田外務大臣にお伺いをいたしましたのは、きょうのお手元の資料の多分四ページ目に当たると思いますが、ここに世界終末時計というものがお示しをしてございます。

これは、そもそも何を意味しておるかというと、第二次世界大戦、日本への原爆投下で日本が敗北を認めて終結していくわけですが、その直後にアメリカの科学誌に、日本の核戦争の悲惨も含めて世界が終末に近づかないように、核兵器の使用も含めて人類への大きな罪であるということで終末時計という考え方を発表いたしまして、これが一番時間的に短くなったのは、米ソが水爆実験を繰り返しました一九五三年から一九六〇年くらいはもうあと二分、終末まで二分と言われました。

昨今、トランプ大統領が登場して、シリアの攻撃をなさったときに、この終末時計、実は、長いときは十七分まで、核軍縮が進んで、世界の流れが少しずつ前向きになっていったときは十七分まで延長したのですが、これがまた二分半に引き戻されている。

国民の多くも、一触即発で、特に、核兵器の使用等々、絶対あってはならないことに向かいかねない危機を、私は今国民は抱いていると思うんです。

この間のトランプ大統領の行動は、一面においては、シリア攻撃等々もあって、私どもも不安を覚えておりますが、例えば、先ほどお取り上げの北朝鮮との直接対話も、これは、主には弾道ミサイルとか核兵器の廃絶ということを一義的に考えた上での交渉事をノルウェーでも近々行うような報道もございます、実際はどうなるかわかりませんけれども。

そうなりますと、私は、今、日本の外交、安全保障上、今度新たに文在寅大統領が誕生して、この東アジアにおける六カ国協議等々、これは、もともと北朝鮮の核武装について、これを行わせないための枠組みをつくってきた、それがある意味破綻して、二〇〇六年以降北朝鮮が核開発を進めているという中で、もう一度、韓国に新たに誕生した大統領のもと、また、ロシアのプーチン大統領も、せんだって安倍総理との会談で六カ国協議のことに言及をされておられますし、日本がリーダーシップをとって、ぜひ、東アジアの核をめぐる安全保障環境を韓国とともに話し合っていただきたい。私は、それは、恐らく岸田大臣だからできると信頼をしております。それは、大臣が広島の御出身であり、ずっと核軍縮についてもお取り組みであったからです。

今私が申し上げました、大臣は何を望んでおられますかというのは私の読み込み過ぎかもしれませんが、しかし、国民の願いでもあると思いますので、具体的には六カ国協議等々、とにかく、北朝鮮の核武装をとめていく、なくしていく、東アジアの安全保障環境を高めるということについての大臣のお考えを伺います。

 

○岸田国務大臣 御指摘の六カ国協議を振り返りましても、かつて発出されました六カ国協議の共同声明においても、共通の目的として、平和的な手法によって検証可能な朝鮮半島の非核化というものが掲げられていると承知をしております。

これは、北朝鮮は現状、別格なのだと思っておりますが、それ以外の、六カ国協議に参加している、北朝鮮に大きな影響力を持っている国々は、この共通の目標を今でも共有していると考えています。平和的な手法によって、検証可能な形で朝鮮半島の非核化を実現する、こうした目標に向けて引き続き努力をしていかなければならないと我が国も考えています。そして、韓国もその六カ国協議の一員でありますので、日本と韓国、こうした目標を共有しているということであります。

こうした地域の平和と安定のために、こうした目標を共有しながら日本と韓国が努力を続けていく、これは当然重要なことであると思いますし、日本もしっかり貢献をしていきたいと思いますし、韓国にもぜひこの努力をお願いしなければならない、このように考えます。

 

○阿部委員 ぜひ強力なリーダーシップをお願いしたいと思います。

あわせて、けさのニュースで、大変我が国にとっては喜ばしい、国際社会の、特に軍縮に関する人事の発表があったと思います。質問通告していなくてごめんなさい。私もけさ知りましたが、国連の軍縮担当上級代表に日本の女性が任命をされました。中満泉さんとおっしゃいまして、緒方貞子さんのもとで国連の仕事をされてきた。特に軍縮関係に強い興味をお持ちで、今度は軍縮担当上級代表という極めて重要な役職につかれております。

私は、この意味というのは、二重の意味で日本にとって国際社会に働きかけることができると思っております。

実は、これは大臣ともやりとりしたことがございますが、昨年暮れの核兵器禁止条約には、我が国は十二月の交渉には参加はいたしませんでした。また、反対の意も表明しておりますが、この国連の軍縮担当上級代表、当時キム・ウォンスさんでしたが、そこに行かれて発言をされたりと、今度は中満さんがそうした役割を担うことになる。すなわち、政府と密に連携しながら、やはり本当の意味で核兵器廃絶、核軍縮そして核拡散防止、このいずれもやっていかなきゃいけないということになると思うのですが、岸田大臣に、今回のこの人事の発表について、これも印象で結構です、お考えと、また決意のほどを伺いたいと思います。

 

○岸田国務大臣 御指摘の中満軍縮担当上級代表ですが、私も国連の場でさまざまな形でお会いし、お話をしてきました。大変優秀な方でいらっしゃいますし、こうした国際的な軍縮の議論において大変重要なポストに日本から選出される、選ばれるということ、これは日本にとっても大変歓迎すべきことであると思っています。

そして、ぜひ日本としても、今の国際状況を見るに当たっても、中満さんとしっかりと協力をしながら国際世論をリードしていかなければならない、これを強く感じています。

この間、二〇二〇年のNPT運用検討会議の準備委員会がスタートしました。御案内のとおり、二〇一五年の会議、成果文書もまとめることができない、核兵器国と非核兵器国の深刻な対立を改めて感じたわけでありますし、一方で、北朝鮮の昨今の挑発行動は、まさに国際的な核軍縮・不拡散体制に対する挑戦であると受けとめています。こうした厳しい状況にあるからこそ、我が国は唯一の戦争被爆国として、中満さんとも協力をしながら議論をリードしていきたいと強く感じております。

 

○阿部委員 繰り返しますが、非常に、今、日本の行動というのは重要な時期に来ておると思うのです。そういう中で、今回の日印原子力協定がどのように評価されるかということについての本題に入っていきたいと思います。

今の岸田大臣の御答弁にもありましたが、我が国は、核軍縮、核不拡散において、NPT体制の堅持と、その中で、核兵器保有国と非保有国、二つを分けて、そしてこの橋渡しをしようということで努力をしてこられた。非核兵器国と核兵器国。

さて、大臣、インドは核兵器国か非核兵器国か。これまでの我が国の定義にはないと思うのですが、いかがでしょう。

 

○岸田国務大臣 NPT上、核兵器国は五カ国に限定されています。そもそもインドはNPTに加入しておりませんので、インドはNPT上の核兵器国ではないということになります。

インドは、現実において、核ドクトリンというものを明らかにしていますが、その中で、信頼し得る最小限の抑止力の開発と維持、こうした政策を掲げている国であります。

 

○阿部委員 米印原子力協定が結ばれたときの、当時ライス国務長官、その方も、当然ながらインドは核兵器国ではないというふうに言っておられて、そのとき同時に、NPT体制について、これを見直すものでもないし、インドの加入も行われないということを述べておられます。

すなわち、ここが一番問題で、NPT体制というものが、そういうふうによくわけのわからないというか、もどきのようなものをつくってしまうと、次々とそれが行われかねない。非核兵器国というふうなものでもないですよね、大臣。だって核兵器を持っていますものね。

そして、次の質問ですが、実は、日本は非核兵器国として、オーストラリアなどとともにリーダーシップをとって、核保有国に対して軍縮・不拡散イニシアチブ、NPDIを提案して、核弾頭の数とか運搬手段とか核物質のフォローとか、そういうものを透明化、明示化、見える化しなさいということを提案しておるわけです、核兵器保有国に対しては。

インドは核兵器保有国ではないけれども、核兵器を持っているわけですね。このインドに対して、NPDIで当然核兵器保有国に求められるくらいの透明性すら求められていないということは、大臣はどうお考えですか。

 

○岸田国務大臣 核軍縮・不拡散を考える中にあって、核兵器に対する透明性を向上させるということは、核軍縮を進める上での重要な基礎であると思っています。こうした取り組みを進める上において、核兵器国そして非核兵器国を問わず、信頼関係を醸成するということが重要でありますが、信頼の醸成という意味において透明性の向上は基礎であると考え、御指摘のように、NPDIにおいても、二〇一五年のNPT運用検討会議にさまざまな基本文書を提出しておりますし、二〇二〇年のNPT運用検討会議準備委員会にも既に六本基本文書を提出していますが、その中の一つに、透明性の向上を求める作業文書が含まれているわけです。

二〇一六年の国連総会における核兵器廃絶決議についても、全ての国連加盟国に対して透明性の原則を適用するように求めている、これが我が国の立場であります。

全ての国連加盟国、インドに対しても透明性を求めているわけですが、現実問題、インドは核弾頭数等に関して公表はしていないと承知をしております。引き続き、インドに対しても、こうした透明性の向上については、我が国の立場から、しっかり働きかけを続けなければならないと認識をしております。

 

○阿部委員 私が懸念いたしますのは、こういう日印原子力協定を結ぼうとするときにも、そうした透明性を逆に担保にして、透明性をきちんと条件にして結んでいくということがなければ、実は、核兵器国でもない、非核兵器国でもない、中間的なところにいるのが一番、逆に、世界の監視の目を逃れられるというふうな誤解を生みやすいと思います。

大臣は広島御出身なので御存じと思いますが、広島県発行で、公益財団法人日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センターというところが出しております資料によれば、例えば、二〇一〇年から二〇一五年までの間に、これは公にされているもの、いないものがありますので信頼度は少し確定はできないものもあろうかと思いますが、核弾頭数がふえている国は中国とインドとパキスタンであります。逆に、フランス、ロシア、アメリカ、イギリス、イスラエルは微減か同じくらい。

核弾頭数のふえたのは、繰り返させていただきますが、中国、インド、パキスタンで、この広島県のひろしまレポートというものによれば、二〇一〇年は、インドは八十、パキスタンは九十。二〇一五年、インド百十、パキスタン百二十。すなわち、両方とも核弾頭数をふやしてきているという現状が、アメリカが米印原子力協定を結んですらあるわけです。

私は、核不拡散ということはなぜ必要かというと、当然ながら核軍縮を行うために不拡散をさせるということで、こうやって実際にはインドもパキスタンも弾頭数をふやしていくということは、結局、NSG、原子力供給グループで決めたけれども、でも、それにのっとって結ばれたアメリカとインドの間の協定があってなお軍縮には向かっていないと言うべきだと思いますが、大臣の御所見を伺います。

 

○岸田国務大臣 まず、我が国は、NPTの普遍化、これを重視しており、さまざまな形で働きかけを続けています。インドにも、首脳会談を初めさまざまな機会を通じてNPTへの加入の重要性について働きかけを続けているわけでありますが、残念ながら、NPTにはインドは加入をしておりません。

その中にあって、インドが、原子力の平和利用を考える際にさまざまな取り組みを行っている。そして、原子力供給国グループ、NSGはNPTを前提とする枠組みですが、その中にあって、厳しい条件を突きつけた上で、例外的にインドの原子力の平和利用を認めたということを行ったわけです。

これは、あくまでも、こうしたNPTを前提とするNSGが厳しい条件のもとで例外を認めた、これが議論のスタートであり、それに対して、NPTを重視する我が国として、厳しい規定を設けて、公文を設けて、そして実質的な不拡散体制にインドをできるだけ引き込もうという努力を続けてきたわけです。

NPTをめぐるこうしたさまざまな取り組みを考えますときに、インドは残念ながら今現在NPTには入っていませんが、NPTがいかに原子力の平和利用を考える際にも重要であるということはこの取り組みの中で再三強調され、そしてインドもその重要性については理解をしていると考えます。こういった取り組みを通じまして、ぜひNPT体制の普遍化に向けて我が国は引き続き努力をしていきたい、このように考えます。

 

○阿部委員 引き続き努力することはもう当然で、せねばならないと思いますが、私が指摘させていただいたのは、米印原子力協定、日本とほぼ同じです。お手元に米印原子力協定の資料をつけてございます。NSGグループの中で、まずインドを例外扱いにすることができる旨の規定をつくり、そしてIAEAの一部査察を受け入れ、包括的査察ではございません、そしてここまでやってきたけれども、何度も申しますが、核弾頭数はふえている、核軍拡である。パキスタンとの関係も、つい最近も緊張した場面がございましたし、そうしたことの中で、この体制では本当に核軍縮にならない。アメリカにおいてすらなんです。

日本がこれから結ぼうとする、ほぼアメリカと同等のこの協定は、そういう意味では核軍縮をかなえることができないと私は思うわけです。

その大きな理由は、次のページに、これはインドがみずから申請して、この原子炉はIAEAの検証下に置きますよ、これは軍事用ですよと、二極に分けてございますけれども、この図を見れば見るほど、どこで分けられているんだろうか。ずるずるとは申しませんが、監視下にあるものと下の軍事用とのところは密にネットワークしてございまして、大臣のお手元になかったらごめんなさい、こういう状態で実際の査察を受けていると言われても、やはり、核弾頭数はどんどんふえてきているというのが現状だと思います。

大臣は、原子力委員長代理の阿部さんが、二〇一六年七月八日、「私の視点」というので出された投稿論文は御存じでしょうか。原子力委員会の委員長代理を今お務めでありますが、この委員長代理ですら、原子力委員会というのは日本の原子力政策を中心的にやってきたところでありますが、インドに対して、例えばCTBT加入、あるいはほかの核物質のいろいろな扱いの規制、プラス、やはり何らかの担保がなければ今回のことは認めるべきではないという御意見でしたが、意見交換されましたか。

 

○岸田国務大臣 意見交換をしたかということでありますが、そういった意見交換は私は行ってはおりません。

 

○阿部委員 大臣はすごく正直な方ですから、私は、ぜひ、これからでも遅くないです、インドとの原子力協力は軍事転用を確実に防げという文章で朝日新聞、総理は読売新聞を出しましたが、これは朝日新聞への投稿でしたので私は朝日新聞を使わせていただきますが、二〇一六年七月八日に投稿された非常に重要な言及だと思います。

まず、NPTの各種義務、先ほど申しましたNPDIが求めているような義務を履行させるとか、核軍縮の追求、核技術の不拡散、そしてIAEAの保障措置のさらに拡大したカバーなどを条件として、プラスFMCTとCTBTの署名、批准を求めるべきだという御意見であります。

大臣はぜひ、この原子力委員会の皆さんとも、日本の大事な政策の積み重ねですから、意見交換していただきたいが、いかがですか。

 

○岸田国務大臣 そうした方々と意見交換をすること、これは意義あることであると思います。そういった機会を持てるかどうか、ぜひ検討したいと思います。

 

○阿部委員 よろしくお願いいたしたいと思います。

本来は、この場でも、ぜひ原子力委員会にもお越しいただきたいですが、きょう私は準備が間に合いませんでしたので、大臣にお願いして、また別途、意見交換の結果を聞かせていただきたいと思います。

さて、インドへの原発輸出という問題は、実は福島事故を経験した我が国が、一体その悲惨はどこまで広がるものなのか。それは、金額的な問題のみならず、受ける精神的な、あるいは生活のダメージ、いろいろ大きなものがございますが、大臣は、昨年暮れの閣議決定に御参加でありますから、この被害の総額、賠償、除染あるいは汚染水処理など、そこで話されたことも御存じかと思いますが、この被害の大きさについての認識はいかに持っておいででしょうか。

 

○岸田国務大臣 東日本大震災、発生してから六年の歳月がたったわけでありますが、御指摘のように、さまざまな方々がさまざまな形で、まだ引き続き大変な被害の影響を受け続けておられます。政府としては、そのことを深刻に受けとめなければならないと思います。

私も、政府の復興推進会議あるいは原子力災害対策本部会議、こうした組織の一員でありますので、こうした被害の深刻さ、重みをしっかりとこれからも認識しながら努力を続けていきたい、このように考えます。

 

○阿部委員 この被害額は、閣議決定の中では一応二十一・五兆円という数値が挙がってございますが、日経新聞のシンクタンクである日経の経済研究センターというところの試算では五十兆から七十兆という数値が挙がっております。

これは経済産業省にお伺いしたいですが、私が比較すると、廃炉・汚染水対策、特にトリチウム対策などが、今、海に放出、どうするかということも懸念されておりますし、あと、取り出したデブリあるいは放射化したいろいろな物質をどこで保管し、どこで最終処分していくかなどにかかる膨大な費用を試算すると五十兆から七十兆、これは倍以上の数値が出ておるわけです。

高木副大臣に伺いたいと思いますが、国民から見ると、ずっとこの被害額はどんどんウナギ登りでした。起きた年の暮れはたしか五・五兆、そして二〇一三年には十一・五兆、二〇一六年暮れには二十一・五兆、今回、あるシンクタンクが試算されると五十兆から七十兆。やはり国民もどれくらいかかるのか不安、恐らく世界もそうだと思うんです。この間、日本が原発輸出を試みた国、ベトナムなどもその懸念が大きかったと思います。インドとて同じだと思いますが、それが明確にされていない、検証もされていないことについて、副大臣の見解を伺いたいです。

特に、エネルギー基本計画の中で、第三者機関を設けて原子力にかかわる情報は透明化、国民からアプローチしやすい、そしてデータが比較、検証し得るということを、つい三年前のエネルギー基本計画二〇一四年では述べておりますが、全く実施されていないと思います。いかがでしょう。

 

○高木副大臣 今委員御指摘がありましたように、今回の福島第一原子力発電所の事故の損害また賠償を含めた費用について、御存じのように、原賠・廃炉機構法、今国会で二十一・五兆円という試算のもとで法案審議が行われておりました。

まず、今回の事故、御存じのように、私たちも経験したことのない未曽有の原子力災害でございました。そういった中で、廃炉、賠償、除染などにつきまして、これまで、限られた知見の中で、現段階では十分に見通せない不確定要素、これはあると思います。その中で、所要資金を相当な確度で具体的かつ合理的に見積もること、これはなかなか困難であるとは考えておりますが、ただ、やはり被災者の皆様方に対するさまざまな支援、賠償、そして中間貯蔵の問題、廃炉の問題を解決しなければなりませんので、その所要の資金の見通しということ、復興加速化の観点から必要となる制度の整備または資金の確保に資するように、政府の取り組み方針も含めて、現時点で最新の情報に基づいて、一定の蓋然性を有するものとして今回提示をさせていただいております。

そういった中で、御指摘がありましたシンクタンクの五十兆から七十兆、こういう試算でございますが、例えばトリチウムのことを言われました。これは、今の科学的技術におきましてトリチウムを分離することはほとんど不可能でございます。そういった中で、実は、この福島第一原発の事故以外でも、世界各国、原発を稼働しているところは、トリチウムをいわゆる海洋放水等しております。ただ、風評被害もございますので、科学的には安全であるけれども、なかなか海洋放出ができない、こういう実態のある中で、漁業者のお気持ち、またはそういう実態、それをしっかりと勘案した上で、これも今議論を進めさせていただいております。

委員御指摘のあった、これは前、ほかの委員会でも御指摘があったと思いますが、そういうオープンな、透明性の必要、これは私もそのとおりに思います。そういった中で、今回の二十一・五兆円も、東電委員会と第三者委員会で提示をさせていただいて、それを国会の場でも開示をさせていただきながらやってきた事実もございますので、今後もそういう透明性の確保については、経済産業省、エネルギーを担当する分野としても、努力を進めてまいりたいと考えております。

 

○阿部委員 二点指摘させていただきたいですが、今おっしゃったトリチウムの処理等々も含めてですが、この試算は、東電改革・一F問題委員会、この東電改革委員会はクローズドです、オープンではありません、国民は見えない、わからない。有識者会議は外部委員会ではありません、附属しています。そういう形でやればやるほど、国民は、どこかわからないところで計算したものを負担しなさいなと押しつけられる、そして、その全体像が見えないということでありますので、経済産業省として、ぜひこれはもっと透明性を高める取り組みをしていただきたい。

私がそういうことを申し上げますのは、これは続けて高木副大臣にお伺いいたしますが、今回、もしインドに輸出したもので事故等々があった場合に、損害賠償の補完的、CSCという条約は、二〇一六年にインドは批准いたしておりますが、二〇一〇年に既にインドが国内法でつくっている原子力賠償責任法においてはメーカー責任ということも問われるわけであります。

一つのメーカーで二十一兆、五十兆、七十兆、できないです。当然私は、そこまであることだから、今非常にこの問題は慎重であらねばならないと思いますが、そういう御認識はおありですか。

 

○高木副大臣 今御指摘ありましたように、インド政府は、インド国内法令で、事業者への責任集中を原則とした、両国が加盟する原子力賠償に関するCSC条約に適合、運用するとの解釈を示しておりまして、このような点も踏まえつつ、具体的にどのような契約をいわゆる原発メーカーが締結していくかは、これは企業が判断していくものだと考えております。

その上で、我が国といたしましては、核不拡散の枠組みを堅持しつつ、相手国の事情や意向を踏まえ、安全性の高い原子力技術を提供していくこととしておりまして、これはインドのみならず、原子力輸出に関する我が国の基本的な考え方でございます。

これは、メーカーがそういうような状況の中で、これは輸出をしよう、出していこうと、最終的な判断は国がするのではなくて、最終的にメーカーがする、こういうことになると思います。一方で、こういうような国内法があるということもそれぞれのメーカーはしっかりと判断していく、このように考えております。

 

○阿部委員 以前、原子力保安院があったときには、輸出に際してその安全性についても保安院で一応チェックしておりました。今の原子力規制庁になってその体制はなくなっております。メーカー責任と言われても、日本から輸出したもので膨大な被害が発生したならば、日本国として黙っているわけにはいかない。それこそ、インドとの国際的な信頼にもかかわってしまいます。

私がこれだけ申し上げて、ここは今回は終わらせていただきますが、担保もないし、大体被害額が今確定できないのですから、そういう重大事故もあり得るという前提で臨まないと、安易な輸出はとてもできないということだと思います。

最後に、JBICにお越しいただいていますので、お伺いいたしますが、原発等々あるいは鉄道等のインフラ整備にJBICがお金を融資していく場合に、特に原子力産業にあっては、原発建設は、世界各地で資金不足や住民の反対に遭っておりまして、遅延をいたしておるという現状がございます。

その中で、JBICがそのリスクを評価する中に、住民に対する情報公開と住民協議が極めて重要であるというふうに、関連閣僚会議を経て、JBICの方でも検討しておられると思いますが、特に、住民にどういう情報を提示するのか、住民合意のとり方などについてお考えを伺います。

 

○林参考人 お答え申し上げます。

今御指摘がありましたとおり、私どもJBICといたしましても、原子力関連プロジェクトにおいては、住民への情報公開や住民との協議が適切に実施されることはとても重要なポイントだというふうに考えております。したがいまして、私どもJBICとしましては、情報公開指針に基づいてこれを確認することを現在考えております。

JBICとしましては、二〇一五年の十二月以降、原子力関連プロジェクトにかかる情報公開指針の作成について、これまで五回にわたりましてコンサルテーション会合を開催しまして、NGOの皆様とか産業界の皆様などから幅広い参加を得て協議を進めているところでございまして、今後も、より一層幅広く意見を得ながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。

 

○阿部委員 ぜひその姿勢を後退させることのないよう取り組んでいただきたいと思います。

終わらせていただきます。

 

○三ッ矢委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

≫ 続きを読む

2017/06/13 国会質疑   abetomoko

4月21日厚生労働委員会議事録

○丹羽委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

私は、今回の医務技監という新しいポストの新設をもう待ち望んでおりましたし、遅きに失するくらいかと思いますので、これを前向きに活用していくために基本的に大臣に幾つか確認を求めていきたいと思います。

こうしたポストが必要とされる理由は、医療も含めた大きな技術革新、イノベーション等々がこれからもまた期待される、そしてもう一方が、国際的な分野で我が国が医療あるいは医療保険というところでもっともっと期待されるものが大きいという、この二つの大きな背景があると理解をしております。

そして、きょう、私の御質問は主に国際医療保健分野についてお尋ねをいたします。

大臣のお手元に資料の一枚目がございますけれども、これは平成二十七年九月十一日、健康・医療戦略推進本部決定で平和と健康のための基本方針というものが閣僚会議の決定を得ております。先立つ平成二十五年にも国際保健外交戦略というのが閣僚会議で決定されておりまして、その流れの一環と思います。

そして、大臣、今回の厚生労働省における医務技監の設置というものは、この流れの一環、これを充実、補強、実現していくものとみなしてよろしいでしょうか、一問目です。

 

○塩崎国務大臣 基本的にはおっしゃるとおりで、私も、次官級ポストをつくるということはもう三年越しで考えてきたことでございます。

政府の今の健康・医療戦略本部における平和と健康のための基本方針、これは、人間の安全保障を基本理念として、健康安全保障の体制の構築とか、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジであったりの達成、そして日本の保健人材などの活用など、各種の国際保健分野の政策目標が掲げられているわけでありますけれども、昨年、我が国はG7の議長国として、公衆衛生危機あるいは薬剤耐性問題、それからUHCなどの分野で国際社会の議論をさっき申し上げたとおり主導して、かなりのリーダーシップを安倍総理みずからが発揮したというふうに私は思っております。

今後も、基本方針に掲げられたこの国際保健分野の取り組みをさらに推進する上で、今回御提起申し上げている医務技監、これには、医学的知見を有する事務方のトップとして、行政職として部局の枠を超えて国際保健分野を統理して、一元的な施策の推進に力を発揮することを期待しているところでございます。

 

○阿部委員 先ほどの冨岡委員の御質疑の中で、この新たな医務技監の厚生労働省内の地位というものは、次官がおられて、審議官、その審議官と並ぶ役割であるというふうに理解をいたしております。次官級という、級がついておりますので、並びではございますけれども、省庁内、いろいろな役割分担もございましょう。

私が本日ここで確認したいのは、実は、国際医療保健分野、あるいは技術革新でもよろしいのですが、例えば外務省においても同じような分野がございます、国際保健政策室。それからJICAも関係する部署でしょうか。それから技術革新については、ついせんだってここでも論議されましたAMED、これは医療系の研究機関として新たに設けられて、そこには国際的なものも技術革新も双方求められる。

そういう他の省庁あるいは他機関との調整、これはぜひ国内で迅速にリーダーシップを持ってやらないと、国外にある意味で打って出ることができない。ここには当然、大臣とこの新たなポストとのきちんとした意思一致、そして大臣のリーダーシップ、並びにこの新たなポスト、次官級でありますから、これがきちんと働ける、ワークできる状況をつくらなければならないと思いますが、その点について大臣の御所見を伺います。

 

○塩崎国務大臣 主に霞が関でこのグローバルヘルスにかかわるのは、やはり外務省と、それから財務省が世銀を持っていますので、主に私どもはここと、役所同士という意味ではしっかりとやっております。

外務省に関しましては、おととしから室長クラスで人事交流、エクスチェンジをさせていただいて、こちらから医系技官を外務省に送り込んで、このグローバルヘルスの問題について担当してもらっています。外務省からはこちらに来てもらって国際課の方にいていただいて、やはり緊密な連携をとっている。財務省とも緊密に連絡をとり合ってやっておりますし、当然、JICAは現場を担っていらっしゃるので、ここには具体的に医療の知識のある医系技官の人たちが絶えずコンタクトをとってやっている。AMEDはもちろんのこと、厚労省からも出向者もおりますし、そういう意味で、連携はしっかりやらなきゃいけないというふうに思っております。

その他、私どもの方で新宿の国際医療研究センターの方に、ここで今回、国際人材を育てる場所を新たに設けまして、そこともしっかりと連携して、人材が民間との間でとまり木的にそこにいていただいて国際機関とも行き来をする、そんなようなことも含めてお願いをしていこうと思っていますし、海外の国際機関にも、やはり絶えず厚労省から人が出て、特に医系技官が多いわけでありますが、しっかりと連携をしていこう、こんなふうに考えております。

 

○阿部委員 この発足時における大臣のリーダーシップ、全体を俯瞰するリーダーシップは極めて重要と思いますので、ぜひよろしくお取り組みをいただきたいと思います。

そしてまた、同じ資料、一枚目に戻らせていただきますが、人間の安全保障という観点から日本が世界の安全保障の中にきちんとしたプレゼンスを見せるということはとても大事と思いますから、これは非常に重要な文章と思っております。

基本方針のところの一番目が、この「人間の安全保障の考えに基づいた保健協力」なのですが、その次が「強靱な保健システムの構築と健康安全保障の確立」となっておりまして、強靱というと何か国土強靱化が思い浮かびますけれども、大臣が思われる強靱な保健システムとは一体何であろうか。これは、こう書くのは簡単なんですけれども、強靱という言葉に込められた意味は一体何でありましょうか。もちろん、財務省からお金をとってくることかもしれませんが、強靱な保健システム、私の思うところはありますが、大臣は何をイメージされていますでしょう。

 

○塩崎国務大臣 グローバルヘルスで一番大事なのはやはり命を守るということでありますから、この命を守るということに関して、システム自体が強靱でなければならない。

つまり、例えばエボラ出血熱のアウトブレークが起きたときに、かなりいろいろな混乱がありました。そういうことがないようにしようということで、国際感染症危機対応の、いわゆるグローバル・ヘルス・アーキテクチャーというのをつくり直したわけでありまして、日本がこれについてもかなり貢献をしたと思っています。

それはやはり、ひとりWHOだけでは対応できない、他の国際機関、つまり、UNOCHAを中心に国連が一定程度以上の危機のときにはリーダーシップを発揮することになって、WHOが、オペレーション自体はWHOですから、そういうような連携がかっちりとできる、そういう中で人々の命を守ることができる、これがやはり強靱な、ここにも「健康安全保障の確立」と書いてありますが、これにつながるような保健システムではないかと。

それは、実は国内の一つ一つの国のシステムが強固でないとうまくいかないということですから、ふだんからの、よくプリペアードネスといいますが、そういったものをふだんからやっていくという意味においてUHCを確立することも大事であって、それぞれいろいろ連携をしながら、そして、つながりがある中で、それぞれが強くなることが強靱な保健システムになるのではないかというふうに考えております。

 

○阿部委員 大臣のおっしゃった点も大変重要で、WHO、国連などと緊急時も含めて迅速に対応できるだけの能力を持つということは、難民問題等々も多いですし、確かに重要と思います。

と同時に、保健のシステムが日常的に強固であるということの意味を私なりに考えますと、やはりジェンダー、女性の問題に目を向けることだと思います。

いろいろな統計が出る中でも、必ず男性、女性を分けて統計を処理していくこととか、あるいは女性を取り囲む社会経済的要因が生涯にわたる女性の健康の不利益により大きく影響すること、そして子供の性虐待、女児に多い性虐待が女性の健康に大変ダメージを与えて、それはその後の地域あるいはその方の健康にも大きく影響することなど、これから本当に着眼すべきはやはりジェンダーという問題だと私はこれを理解します。

あけていただいて一ページ、大臣のお手元に紫色のにぎやかな表紙のものがございます。これは二〇〇九年に出されたWHOからのエグゼクティブサマリーで、女性と健康、「ウーマン・アンド・ヘルス」というタイトルであります。

これのサマリーというか結論的なところだけ抜き書きをして、恐縮ですが、英語のまま持ってきてしまいましたが、前段の部分、前段のパラグラフの最後には、アテンションから始まりますが、下の二行、その置かれている環境、サーカムスタンシズの違いに着目しながら、女性たちがどう生きていくかということも含めた分析をすることとなっております。

後段の最後のパラグラフですが、このように、アドレッシング・ウィメンズ・ヘルス、女性の健康に着目して、そして効果的な施策を打つことは、ストレングスニング、強める、ヘルス・システム、要するに保健機構を強めて、結果として誰にもベネフィットが起きるであろうというのが二〇〇九年のアジェンダで出ております。

私は、高齢化問題でも、女性の方がより多い高齢者です。それから、先ほど申しました児童虐待も、この次の児童福祉法で取り上げますが、女児に対する性虐待、あるいは戦場におけるレイプ、いろいろな問題が本当に生涯にわたり、その人あるいは社会に影響を与えるなど、ぜひ大臣にあっても、女性と健康、女性と子供と言うと男の子はいいのかと言われますから、そうではありませんで、社会の中でより弱い立場に置かれたこういう人たちと一緒にやっていけるシステムにするために、そういうところに着眼してデータ分析、対策を打つということも含めてのこれは分析と見てよいかどうか、確認です。お願いします。

 

○塩崎国務大臣 ここに先ほど御指摘をいただいたストレングスニング・ヘルス・システムズ・オーバーオールにつながるようなアプローチのことが書いてありますが、最近、ヘルス・システム・ストレングスニングというのがグローバルヘルスで一つの大きなテーマということになっておりまして、これは言いかえるとユニバーサル・ヘルス・カバレッジを指していると我々は理解をしております。

これは、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジという用語が余りお好きじゃない国もあるものですから、それは言いかえるとヘルス・システム・ストレングスニングだということになっているわけで、そういう中で、女性の健康についての重要性というものの位置づけを今お尋ねいただいた。

このWHOの「ウーマン・アンド・ヘルス」では、幼少期から全ての女性の健康、男女格差などのない保健システムの重要性等が強調されているわけでありますが、御指摘の平和と健康のための基本方針においても、今申し上げたユニバーサル・ヘルス・カバレッジの一環として、特に女性を対象とする保健分野支援は引き続き重視するということが書かれています。具体的な施策としても、栄養改善だったり母子保健、性と生殖の健康など、女性に関係の深い分野の取り組みを盛り込んでいるところであります。

先ほども申し上げたとおり、去年の伊勢志摩サミットの中でも、生涯を通じた保健サービスの確保、これはユニバーサル・ヘルス・カバレッジでありますけれども、そこに、母子保健、リプロダクティブヘルスということが明記をされていまして、そういうようなこと。それから、九月の神戸保健大臣会合でも、女性の生涯を通じた健康の推進の重要性を踏まえたユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進などを取り上げてまいりました。

そういう意味で、この「ウーマン・アンド・ヘルス」は、当然、保健システムそのものの強化の中で、女性に着目した強化も含んでやっていくべきだということではないかというふうに思います。

 

○阿部委員 済みません、定足数が足りていないということで、御調整をお願いいたします。速記をとめてください。

 

○丹羽委員長 では、速記をとめてください。

 

    〔速記中止〕

 

○丹羽委員長 速記を起こしてください。

阿部知子君。

 

○阿部委員 この間の委員会の運びは異様だと思います。私は、そもそも前回の介護保険法の採決もそうですし、そうやって急がせておいて、こうやって空席ができて、こんな大事な法案、確かに対立法案ではないかもしれないが、日本の将来に大変重要と思います。

委員長にあっては、ちゃんと理事会でこういう不始末の数々をお話し合っていただきまして、私ども本当に真剣に論議をしたいと思っておりますので、二度とこういうことの起こらないよう、たび重なる不祥事だと思いますので、お願いをしておきます。

引き続いて、質問に戻らせていただきます。

私は、今、塩崎厚生労働大臣が言及してくださった母子保健の分野で、特に、自分が大学におりましたころから取り上げております母子手帳のことを少しお伺いしたいと思います。

大臣、お子さんがおられるので、お子さんの母子手帳をごらんになったことがあるかと思いますが、母子手帳とは、昭和二十三年、一九四八年に日本で始まったオリジナルな仕組みで、他のどんな母子の保健にかかわるデータよりも充実し、先見性があったと私は思います。

恐縮ですが、大臣、お子さんの母子手帳をごらんになったことがあるか、そして何がすぐれているとお思いでしょうか。お願いします。

 

○塩崎国務大臣 もちろん私も、母子手帳、子供が私は二人おりますが、妻が一生懸命いろいろなことを書いたり、健診に行くたびに新たなデータが入ってくるわけでありますから、それを見ております。

何がよいかといえば、やはり、子育てに関連するワクチン接種から何から、もちろん身体的な発達ぐあいとか、いろいろなことが書かれていて、振り返ってみれば、本当に、ここでこういうことをした、こういうことが起きたということがよくわかる、子育てには不可欠なデータが幅広くカバーされている。そして、あと、どうしたらいいかという、若いお母さんに示唆に富んだやるべきことが書いてあって、最低限ここはやらなきゃいけないということを悟りながら子育てをされる際の、母親だけではなくお父さんも見た方がいいと思いますが、そういうものではないかというふうに思います。

 

○阿部委員 母子手帳のすぐれたる点は、子供側の情報だけでなく、お母さんの妊娠中の情報から、すなわち女性の健康管理の情報から一連になって子供にまでつながっていくものであります。ここが、本当にいろいろな国で利用されるようになった原動力であると思います。

大臣のお手元に、世界の地図がございまして、一体何カ国で母子手帳が利用されているかをお示ししてあります。三十九カ国になりました。そして上の写真は日本の古い母子手帳、最初は親子の鳥、それからミッフィーの絵、左側には、これは全部入り切らなかったのですが、各国の母子手帳をお示ししてございます。私が大学におりますころは、まずインドネシアからこの母子手帳の普及を、私の同僚の中村安秀、後に大阪大学の国際保健の教授になられますが、彼がやり始めまして、現在、今も続けて三十九カ国になっております。例えば、大臣、お気づきでしょうか。パレスチナでも、ここで母子手帳というものが普及をいたしました。大変子供を大事にする国なので、この仕組みが文化的にも非常に受け入れられやすかったと思います。

そして、今は、実は、パレスチナ空爆とかいろいろな出来事がありまして、これを電子化して保存しておけば、もしも紛失したり親子がばらばらになっても、子供の情報がそこに残るというメリットもわかり、今電子化を進めている。あるいは、三陸沖の津波のときに遠野でも同じように母子手帳がなくなったんですけれども、それを電子化してあったので、バックアップデータで利用できるというふうに、本当に日常的であり、なおかつお母さんと子供について大きな役割を持ったものでございます。

実はこの取り組みは、主にはJICAの皆さんがやっていただき、NGOも加わって普及に努めてまいりましたが、今般、医務技監ということができるに当たって、大臣には二点お願いがございます。

なおなおこういう草の根の活動やNGOの活動と連携をして国際医療保健に取り組むリーダーシップに、やはり厚生労働省は頑張っていただきたいというのが一点。そして、こうした分野でたくさんの若い人材が海外で働き、国内に戻ってきてまた医療者を続けたりしておりますが、この外と中を経験した医療者の活用ということを、これは文部科学省ともいろいろ調整しながら、医療国際人材にも当たるものですので、きちんと育てていく取り組みが不可欠であります。そうすれば、日本に来ている海外の方の診療や言語の問題にも役立ちます。

日本が国際化していくために、私は、とってもいいグッドスタートになることと思っておりますので、大臣への二点、この取り組みについて厚労省も協力をさらに深めること、そして、人材、国内でも国外でも活躍していけるような取り組みをやっていただくこと、この二点、お願いいたします。

 

○塩崎国務大臣 去年、TICAD6がありましたが、厚生労働大臣がこのTICADに参加するというのは初めてでありました。私、ケニアに行きました。それは、さっき申し上げたとおり、保健問題が初めて三つのアジェンダの一つになったということでありまして、そういうときには、ああいうTICADのような会議は、私も外務副大臣で、アフリカで、エチオピアでやったことがありますけれども、必ずNGOと一緒にやるというのが常識でございます。

そういう意味で、医務技監ができたときに、こういった母子手帳を含めて、世界にこういう貢献をしていく、日本のよさを知ってもらって採用してもらっていくという際の医務技監の役割というのは大変大事で、今もお話のあった、NGOなどシビルソサエティーとの連携、それから、今人材のお話を頂戴いたしましたが、さっき申し上げた国際保健人材につきましては、国立国際医療研究センターに設置予定のグローバルヘルス人材戦略センター、これを人材育成の司令塔として設置をする予定で、さっき申し上げたとおり、海外の国際機関と日本の医療の現場やあるいは行政、厚労省ですが、そういうようなところを含めて行ったり来たりしてもらうために中間でとまり木のようにいていただく、そこで研究してもらったり国際貢献してもらうというようなことで、人材を幅広く育成していきたいと思っています。

また、もちろん、JICAが、この母子手帳なんかは、今申し上げた国際医療研究センターの専門家として、JICAを通じて海外に派遣を今しています。セネガルを初めいろいろなところに行っておりますが、こういうようなことも、担い手として全体をオーガナイズするために、この医務技監が大きな役割を果たしてもらえればなというふうに思っております。

 

○阿部委員 私も、肝は人材育成で、そうした経験をした人を大切にして、そして国内でも国際的にも活躍してもらえるように、よろしくお願いします。

大臣の今御答弁にありましたケニアでも、実は母子手帳は普及しております。それから今、大きな課題は中国であります。ここでも母子手帳を検討しておられます。やはり、一人っ子政策から二人、そして本当に人口の多い国、子供たちをどう育てていくか、お母さんの教育、健康管理、子供たちの未来、全てかかわってまいりますので、ぜひこの点も大臣に覚えておいていただけたらと思います。

最後の質問になろうかと思います。

今回、この医務技監の設置は大変よろしいことと思うのですが、それに伴って省庁組織図が多少なりとも変更されておりまして、組織再編後の子ども家庭局の業務というものをつけさせていただきました。

現行、そして再編後という二つのチャート図がございますが、私がこの図を見たときに思いましたことは、これまでの家庭福祉課が社会的養育・虐待防止対策推進課、あるいは保育課と分かれて、ここに家庭福祉という概念を総括、統括する課が消えているように思います。

私は、大学時代、教授が、小林登さんといいますが、家庭はミクロコスモスだ、子供が育つ小宇宙だとよく教えられました。家庭の機能というのはあると思います。そして、大臣と非常に前向きにやっていただきました特別養子縁組も、そういう家庭としての機能を持って、血のつながりがなくても育ててくれる、慈しむ心を育てていこうということであります。

さて、大臣、この家庭福祉課が、消えたとは申しません、ばらけたんだと思いますが、家庭、家族政策というのは何だとお思いでしょうか。大臣の考える家庭、家族政策とは何か、お願いします。

 

○塩崎国務大臣 いわゆる人口問題としての家族政策とか人口政策とかそういうものの場合には、リプロダクティブヘルスやあるいは避妊とか、いろいろなことがあるんだろうと思うんですが、我々は、去年、児童福祉法の改正をやりました。その際の一番最初に、新たに子供の健全なる養育を受ける権利というものを、初めて権利というものを入れ込みました。

今回、雇用均等・児童家庭局ということで、児童という言葉はありますが、やはり、我々は、今、子供という言葉の方がふさわしいというので、やはり子ども家庭。

子供はやはり家庭で育つものだということで、去年のこの改正の際にも、子供が家庭において心身ともに健やかに養育されるように国や自治体が保護者を支援するというような、家庭養育の原則というのを明記したわけであります。

これは、言ってみれば、家庭で子供は育つのであって施設ではないねということを明確にしたつもりでございますし、また、より専門的な、難しい、専門的に扱わなきゃいけないようなケースの際に施設は意味があるのかなというふうに思っておりまして、一番の基本は、やはり家庭で子供は育つということで、今回、子ども家庭局というので単独の局を設けたということで、この家庭という言葉はまず局に入れ込んだというつもりでございます。

各課が連携しながら、当然、子育て支援、保育、それから子供の健全な養育、児童虐待防止、母子保健、こういった幅広い政策を通じて、家庭への支援というのをより一層推進しようということで、今お話しの、家庭福祉という言葉がなくなったということでありますが、まだ、課の名前はこれから法律が成立した後に検討しようというふうに考えております。

何しろ子供は家庭で育つものだということが基本の今回の組織改編で、私自身これは強く主張してきたところでありますので、今の御指摘は全く私と同じ考えではないかなというふうに思います。どういうふうに名前をつけたらいいのかということについては、また阿部先生の御意見も頂戴できればというふうに思います。

 

○阿部委員 済みません、今大きな問題は、家庭が家庭として機能し得ないような社会になっているということで、もちろん、先ほど申しました血縁だけではなくて、単位で生きるということを支援できるようなトータル支援、そして、願わくば、民進党が昔から申しております子ども家庭省のような大きなものに育てていただけたら、今いろいろな問題を抱えた社会が子供たちにとってより住みやすくなると思います。よろしくお願いしたいと思います。

終わらせていただきます。

 

○丹羽委員長 次に、岡本充功君。

≫ 続きを読む

2017/05/25 国会質疑   abetomoko

4月12日厚生労働委員会議事録

○丹羽委員長 次に、阿部知子君。

 

○阿部委員 民進党の阿部知子です。

先ほどの委員会の突然の一時間余りの中断、大変困惑をいたしました。せっかく、この委員会は、塩崎大臣も御自身の言葉で誠実に御答弁されていると思います。出てきていないのは、どちらかというと、厚生労働省側からのデータ等々で、それは、今の中島委員の御質疑にもありましたように、極めて不十分と思います。やはり介護保険は、二〇〇〇年に始まって、大きな転換期にありますので、よもよも採決を急ぐとかそういうことではなく、忌憚なく、本当に、生活されている皆さんによりよい介護、あるいは地域包括ケアシステムということを求めての論議を続けていただきたいことを冒頭、お願い申し上げます。

そして、データの問題というか、実態把握が大変おぼつかないという点で、私は二割負担問題でまず御質疑をしたいと思います。

大臣の手元にも、平成二十六年改正における一定所得以上の利用者負担の見直しというものを置かせていただきましたが、これが平成二十七年八月から施行されておるところのものであります。

このときの一定所得の方の自己負担二割というのは、合計所得金額百六十万、単身の場合、年金にすると二百八十万という方、その方が御家族、特に一号被保険者の奥様がおありであれば、この場合、お二人ということで三百四十六万円まで、それ未満は一割負担でよいでしょうという枠組みであります。

せんだって、私が、この二人以上世帯というものの中には、親御さんと、例えば障害のあるお子さん、あるいは収入のないニートなどのお子さんなどがお暮らしのケースはどうなるのですかと厚生労働省に伺いました。というのも、そうした親御さんと未婚の子供という類型が高齢者世帯の約二割に及んでいるという現状があるからです。

確認のために伺いますが、ここで言う二人世帯とは、障害があるお子さんと二人とか、収入のないお子さんと二人とか、そういう場合は勘案されないのでしょうか。これは役所の方で構いません。

 

○蒲原政府参考人 御指摘のとおり、今の二人以上世帯の三百四十六というところは、一号被保険者がいる場合ということでございまして、おっしゃっているように、ニートのお子さんとかそういう方の場合は、そこのところは勘案していない、こういうことでございます。

 

○阿部委員 私は、そのことを、やはり生活実態を見ていないというふうに思います。

そして、本来であれば厚生労働省の方で、例えば、この二割の世帯、特に収入のないお子さんとお暮らしの高齢者世帯がどのくらいあるのか、あるいは障害を抱えたお子さんをお育て、お子さんといったってもう四十、五十の方もおありと思います、そういうのがどのくらいあるのかを見た上で、それはこの二人世帯に入れ込むべきではないか等々の検討をするのが、介護保険の制度的持続性以上に生活の持続性の方が大事なので、私は、それであってこそ厚生労働行政だと思っております。

私の方で入手した資料をもとに、障害のある方々の収入と親御さんとの同居状況というものをお示ししたのが、資料の二ページ目と三ページ目であります。

大臣にも見ていただきたいですが、この調査をいたしましたのは、共同作業所全国連絡会という一九七七年から共同作業所の方々を中心につくられた連絡会で、現在は、グループホームや入所施設、あるいは相談支援センターなども含めて、千八百五十カ所のネットワークを持った団体であります。この団体でアンケート調査をいたしまして、表の十にございます、一万二千五百三十一人の有効回答を得ました。この方々は、ちなみに、生活保護は受給しておられない障害のある方々であります。

大臣、ごらんになっていただきますと、約四・二万円というところが一番多うございまして、四八・八%。障害のある方の収入の一番多いのはこのあたりであるというデータでございます。

下には分布図がございます。これは、一般の国民の収入、民間の事業所、会社などに勤めている方の給与と比較いたしましても、百万円以下というところの棒グラフが六一・一%、通常の国民一般では八・八%。大臣も重々御承知であろうと思いますが、障害のおありの方は年収が低くていらっしゃいます。

これは、例えば先ほどの、一号被保険者がもう一人一緒に暮らしていて年収要件で三百四十六万というふうにしている方よりも、実際にはこの方々の方が低いわけです。国民年金の一号というか、奥様であった場合に五・五万円でありますから、それよりも低い生活費で、収入の方とお暮らしの二人世帯が全く勘案されていないという状況にあります。

大臣、まずここで一言お願いしたいですが、どうしてこのような状態が把握もされず、そして、二人世帯といった場合に、六十五歳以上の御夫婦の二人世帯しか念頭にないのか、まず大臣に御答弁をお願いします。

 

○塩崎国務大臣 これは、制度のスタートのときに、六十五歳以上の一号被保険者の同居ということだけを前提にしたということについての問題提起であるわけでありますが、そのことは、制度がスタートするときに決め込んでいった幾つかの前提に含まれていたのが、この一号被保険者を勘案するということだったんだろうというふうに思うわけでございまして、一つの決めで、こういうことでスタートして今日に至っているということであります。

当然、今言ったようなケースがあり得るという御指摘もいただいておるわけでありますので、今後、先ほど来申し上げているように、今回の法改正が実際に施行に当たるまでにさまざま調査をしてみようということを申し上げているわけでありまして、今の問題点についても、確かに、障害を持っていらっしゃる子供さんを抱えている等々、あとはニートの方が子供さんでおられるケースを取り上げられたわけでありますけれども、そういうようなケースが一体どのくらいあるのかということについてもよく考えて、何のどういう工夫があり得るのかということは考えてまいりたいというふうに思います。

 

○阿部委員 引き続いて、大臣には三ページ目をあけていただきたいですが、ここには、障害のある方々の収入と、どなたと暮らしているかということが、この場合、年齢と同居者ですけれども、縦横のグラフがございます。そうすると、見ていただくとわかりますように、当然、十八歳から十九歳は九〇・三%が親御さんと同居でありますが、御本人が五十代、六十になれば、親御さんが御高齢ですし、同居率は減ってまいりますけれども、その下のグラフにございますように、百万円以下の収入の場合は、親御さんとの同居が、五九・三%、四千五百五人と非常に多いわけです。

大半は収入が低く、御高齢になっても親御さんと同居である。

私は、今回の二人世帯に見られる、本当に想像力の欠如、一体どんな人たちが二人世帯で生きているのかということを介護保険発足当時から全く考慮せず、そして二割だ、三割だと言っていたら、生活が壊れると思います。

先ほどの大臣の御答弁を受けて、老健局でしょうか、こういう実態を必ず数値で上げていただきたいが、いかがですか。これはたまたま私が入手したものです。でも、本来は、厚生労働省が上げて、そして配慮すべきものであります。いかがでしょう。

 

○蒲原政府参考人 お答え申し上げます。

おっしゃるように、御高齢の方が二人いる場合と同じように世帯の中に障害のお子さんがおられる、まあ、お子さん自体の年齢はあると思いますけれども、おられるということでございますので、先ほど大臣から話がございましたけれども、どのような実態になっているかということについて、ちょっと全国的なデータ分析で今すぐ使えるのがあるかどうかわかりませんけれども、どのような工夫ができるかといったことについてはよく考えてみたいというふうに思っております。

 

○阿部委員 申し上げておきますが、このような状態は、単にお子さんが障害だけではありません。先ほど申し上げたように、ニート、あるいは、たまたまですが、離婚をされて戻ってきて親御さんと暮らしているというような御家族もたくさんございますから、ぜひ現実に合った制度にしていただきたい。

私は、この方々は、もし御高齢者の方に、ある一定の二割負担に相当する収入があっても、子供さんのことを考えたら、同居の方を考えたら暮らせない、ここで二割負担になったら。その深刻な状況、その家庭が崩壊するんですから、ぜひ、今回この審議の中で出していただきたいですけれども、本来こういうことは。二割負担にするする、三割にするすると言っているんですから、実態を見てからしかそういうことはやってはいけないということを重ねて申し上げます。

続いて、精神障害の方の問題もお尋ねをいたします。

せんだって大臣にお尋ねをいたしました地域共生型サービスについても、大臣もこれから力を入れてやるというお話をいただきましたが、さて、その中で一番立ちおくれているのはどんな分野だろうかというと、私は精神障害の方の地域生活移行だと思います。

現在でも、約三十万人近く、二十九万人が御入院で、そのうち一年以上が十九万人ということですから、この方々も地域の中に戻って生活ができるということが、ずっと流れてきた厚生労働行政の中心施策であるべきであります。

ところが、例えばですが、お手元の資料、平成二十七年十二月十四日、「障害者総合支援法施行三年後の見直しについて」というペーパーを、四枚目の資料ですね、上げさせていただいて、「障害者のニーズに対するよりきめ細かな対応」の三番目に「精神障害者の地域生活の支援」ということがわざわざ取り上げられております。二十七年の十二月ですから、一年半ほど前になりましょうか。

さて、このように書かれたことは、現実にこの間どのように進捗してきたか、お願いします。

 

○堀江政府参考人 お答え申し上げます。

今御指摘いただきました、二十五年に施行されました支援法の見直し規定に基づきまして、二十七年十二月に取りまとめられました障害者部会の報告書で、精神障害者の地域移行や地域定着の支援に向け、保健、医療、福祉の連携を推進するための協議の場の設置、ピアサポートを担う人材の育成などの取り組みを実施することとされました。

こうした中、厚生労働省としては、平成二十七年度より、長期入院されている精神障害者の地域移行を推進するモデル事業を実施いたしまして、保健、医療、福祉の関係機関の連携のもと、退院した方が入院者の方に対してピアサポートするなどの手法を用いて精神障害者の地域移行を支援するとともに、平成二十九年度からの新規事業といたしまして、精神障害者の生活支援に向けまして、実際に地域連携の調整役を務めておられる方がアドバイザーとなって都道府県や政令市に助言指導を行うことで、地域におけるケアの好事例の全国展開を図ることの取り組みを進めてございます。

 

○阿部委員 言葉はるる走るんですけれども、実態を申し上げると、モデル事業は、当初の年が三カ所、その次が、合わせて、三カ所プラス五カ所で八カ所で行われて、サポートを担う人材の育成や市町村に関係者の協議の場を設置することを促進する。たった八カ所ですよね。

では、一体、長期入院の方は、このモデル事業で何人退院され、地域に移行できましたか。教えてください、実績を。

 

○堀江政府参考人 先駆的に実施されておりましたこのモデルの前のところのデータを今お持ちしているんですけれども、このモデル事業のモデルにしたところでございますけれども、例えば兵庫県の但馬地域では、二十七年度に、事業としまして十三名の方が地域移行の利用をいたしまして、そのうちの四名の方が退院したというふうに聞いてございます。

 

○阿部委員 モデル事業のモデルにしたものの報告をするんじゃなくて、普通、こういうときは、モデル事業をやったんですから、その報告をしないと次に進めません。

モデル事業のモデルの報告はわかりました。四名くらい可能になったと。

大臣、先ほど私、申し上げましたけれども、現在、精神病院に入院の方は二十九万人なんですよ。四名移行できてよかったですよ。でも、圧倒的にこれは力を入れないと、本当に考える共生型サービスの中に、精神障害は置いてきぼりになってしまうのです。

去年の暮れに第五期障害福祉計画というものが立てられました。これは、二十九万人の御入院の方について、十九万人は一年以上、そのうちの十一万人は重度かつ慢性だから、これは手をつけないで、残る部分を、一年以上の長期入院を少しでも地域移行しましょうという計画です。

でも、私はこの計画も本当におくれていると思います。精神障害の方の長期入院をどうするんだということはもうずっと言われてきました。正直言って、私が学生のころからですから、四十年以上前からだと思います。それで、モデル事業に取り組めば、本当に、もう本当にちっちゃなモデル事業で、その検証すら何年とされていない。そして、上がってくる計画が、十一万人は重度かつ慢性だからもう地域に帰ってこなくていいというようなことでは、志も低過ぎるし、本来の精神障害の方々の地域ケアとは、私は異なると思います。

大臣にあっては、今回、次の資料に示しました、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築とございますけれども、これは絵ばっかりなんです、絵ばっかり。チャートばっかり。ポンチばっかり。何も進んでいない。その中で、大変懸念されますのは、今参議院で審議中の精神福祉法の改正で、措置入院部分だけが、この一番下の黄色い、都道府県ごとの保健、医療、福祉関係者による協議の場云々ができて、そこにまた警察も加わってと。私は、ボトムアップで自治体から精神障害者の安心して暮らせる場をつくっていかないと、精神障害施策は過つと思います。

大臣に、地域包括ケアに精神障害を含むとはどのような考え方でやるのか。やはり、自治体の関係者の協力、連絡、そして、例えば保健所にはソーシャルワーカーの、特に精神の専門家を置くなどがあって初めて患者さんたちは安心して地域で暮らせるんです。間違っても順番が逆ではいけないと思いますが、いかがでしょう。

 

○塩崎国務大臣 今回、精神保健福祉法の改正をするに当たりまして、実際に幾つか現地を見てまいりました。行政の、兵庫県とか、そういうのも見ましたが、都内の下町で診療所を拠点にして、そこに通えるデイサービスも一緒にございましたが、要は、退院をして、措置入院からの退院ももちろん含めてですが、そういった方を地域でもって医療、福祉、そしてそれ以外も、就労というのも大事で、退院はしたけれども若いのに働けないというのではいけないので、そういう意味で働く場も兼ねた、あるいはトレーニングも兼ねた、そういうところも見てまいりました。そこは先進的にやっているということを私の友人の精神科の医師が教えてくれて参ったわけでございますが、そういうネットワークがないとうまくいかないんだろうというふうに思います。

これからはそういうネットワークをやはり随所につくっていかないと、病院に入院したままであったり、あるいは、実は、措置入院から退院をしても、東京都の場合には八王子地域に多い措置入院でありますが、どこに誰が戻ってくるのか、おうちに帰ってきたかということは行政の方も一切わからないので、そういうネットワークが仮にあっても、そこにうまくひっかからないということではよくないなということも含めて、今回、さまざま考えた上での改正をさせていただきました。

今、この地域包括ケアシステムは精神障害にも対応するというのは、私は、それは理念としてはこれを追求しなければいけないということでありまして、そのためには、今言ったような、今までにない、やはりしっかりと、地域が大事だと思う精神科のお医者さんを中心に、PSWや、あるいは他のソーシャルワークができる方々、そして行政も一体となってやってもらわないといけないなというふうに思いました。

今の数、八つしかないじゃないか、実に寂しい話だなと私も思いますが、ぜひこういうのをふやしていき、なおかつ、正直言って、卒前、卒後の医師の教育においても地域が大事だということを精神科で学んでいるかというと、必ずしもそうではないというふうにも私は聞いておりますので、これは文科省にも伝えてありますけれども、これからのカリキュラムの中で地域を大事にする精神科の医療の教育もしっかりやってもらって、その他の職種とも連携をしながらやっていただくようにしてもらわないといけないなと。

そういう意味で、この美しい絵が絵に描いた餅にならないようにせないかぬ、これが本当に実行に移されるような、そういうケアシステムを構築しないといけないというふうに思います。

 

○阿部委員 私が申し上げたいのは、ふだんの、日ごろの精神医療と、それを受ける方々の日常における、地域におけるしっかりしたサポートがあって、先ほどの措置入院の問題などもその一部としてあればうまくいくと思います。ところが、措置入院のところだけあぶり出される形になると、やはり偏見もあるし、その方たちが暮らしづらくなるということもありますので、ここのかじ取りを大臣にはぜひよろしくお願いしたいと思いますし、また法案審議の折にこの問題も触れさせていただきます。

私のきょうの質問の最後は、スモンについてお伺いをいたします。

実は、スモンは、ちょうど昭和三十年代から四十年代にかけて集中的に発生した、整腸剤、おなかが下痢などのときに飲むキノホルムというお薬を飲んだら中枢神経障害、視力障害、もろもろの症状が出てきて、これが薬害であると判明をいたしまして、そしてその後、恒久対策というものが始まりました。

お手元の次の資料、終わりから三ページをあけていただきますと、スモン訴訟及び恒久対策の概要というものがございます。

実は、大臣にあっては、予算委員会の分科会で、民進党の横路さんが御質疑のときに大変細やかな御答弁をいただいておりますので、私は、きょう、大ぐくりなことを伺いたいと思います。

スモンの問題で、恒久対策には、医療的ケアとそのほかの日常生活支援というところ、一番下の段の丸でいうと、厚生科学研究費、特定疾患対策研究事業で行われている医療支援と、それから難病患者等居宅支援事業で行われている日常生活の支援がございます。

六十五歳になっても医療の補助の方は当然続いておりまして、医療系の介護保険、例えば訪問リハビリとか病院の通所リハなどを利用するときは、スモンの患者さんには自己負担がありません。ところが、生活系のものを利用されると、一割負担が生じてきます。私は、これは恒久という言葉にたがうと思います。

私の理解に間違いがなければ、水俣病などの患者さんでは、介護保険を御利用のときの御本人一割負担も、いわば補填をされておると思います。公害であればよくて、薬害であれば御自分でというのはおかしいんじゃないかなと思いますが、大臣、いかがでしょう。

 

○塩崎国務大臣 医療とそれから介護の場合のスモンの患者さんの扱いが違う、自己負担に差があるじゃないか、こういう御指摘をいただきました。

スモン患者の皆様方には、特定疾患治療研究事業の対象ということで、医療費の自己負担分を公費で負担するということをやっております。介護保険法の規定による訪問看護、訪問リハビリテーション等についても、その要した費用のうち、保険者が負担すべき額を控除した額について公費で負担をする、こういうことをやっておりまして、基本的には、ですから、医療系につきましては、研究事業の対象として医療費の自己負担に対する助成を行っているということであります。

それに対して介護保険の方ですが、昨年、障害者総合支援法を改正いたしまして創設をいたしました介護保険の利用者負担の軽減措置、これは、介護保険制度への移行に伴って新たに利用者負担が生じることによって生活や家計の見直しが大きく求められるという課題に対応するものでございます、障害者の場合ですね。そのため、その影響が大きいと考えられる、六十五歳に至るまで相当の長期間にわたって障害福祉サービスを利用してこられた方々に限って対象とするという扱いを導入したわけでございます。

スモン患者の皆様方に対しては、スモン患者であるということだけを理由として介護保険サービスの利用者負担をなくすということになりますと、他の利用者の方とのバランス、公平性の観点から難しいと考えておりまして、キノホルムの服用によって健康被害を受けて、長期にわたって苦しい闘病生活を送られているスモン患者の皆様方の高齢化が進む中で、検診の実施など、引き続き丁寧な支援に努めてまいりたいと思っております。

先ほど、水俣病の方々は免除されているとおっしゃったというふうにお聞きをいたしましたが、それは必ずしも正しくないのではないかというふうに、事実として申し上げておきたいというふうに思います。

 

○阿部委員 では、恐縮ですが、私の時間がもうないので、水俣病がどうなっているかについて教えていただきたいのと、それから、大臣には、私は、六十五歳までは日常生活支援が難病患者等居宅生活支援事業として保障されているんですね、もちろん無料で。六十五になったら払わなくちゃいけなくなっちゃうんですね。やはりおかしいと思うんです、恒久法だから。私は、水俣については確かに、朝からずっと問い合わせているんですけれどもお返事をいただけていないので、わかりません。でも、私が考える恒久とは、ずっとということです。六十五になったらそれが有料になるなんということはおかしいと思いますが、いかがでしょうか。

 

○堀江政府参考人 お答え申し上げます。

水俣病につきましては一般の障害者と同じ扱いということで、ですから、来年の四月から総合支援法改正が適用されますと、六十五歳に至るまで相当の長期間にわたり障害福祉サービスを利用してきた方ということであれば、同じように自己負担が軽減されます。

 

○阿部委員 人間ですから、状態がさらに六十二で悪くなるときも、六十七で悪くなるときもあるわけです。六十五を過ぎて悪化してきたらそれは自己負担というのは、本当におかしいと思います。それが、横出しサービスを今度、先ほどの法改正、平成三十年から障害者の方々の介護保険利用について考慮はされるとは聞いています。ただ、ずっと使っている人しかだめというのでは、生身の人間が障害を抱えていることに配慮がないと思います。

大臣とは引き続いて論議をしたいと思います。よろしくお願いします。

 

○丹羽委員長 次に、堀内照文君。

≫ 続きを読む

2017/05/25 国会質疑   abetomoko