第154回国会 経済産業委員会 第29号(2002/07/25) 抜粋

議事録全文(衆議院のサイト)

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。本来であれば私どもの大島令子がこの委員会担当ですが、きょうは私が譲ってもらいましてやってまいりました。日ごろは財務金融という委員会におりまして、きょうここに来て思いました、ああ天国と地獄だなと。どっちが天国でどっちが地獄かは言ってしまうと問題が起きるので。何せ私は、財務金融委員会で柳澤金融大臣に、議員になってのおよそ二年間で五回、ペイオフ問題はお尋ねを申し上げました。

 ほとんど私ほどしつこく聞く人間はいなくて、やはり現時点で、現経済状況下でペイオフを行うことが本当に我が国の経済、金融にいいことをやるのかどうかということも、これは本当にしつこく嫌な顔をされながらも伺いましたが、柳澤金融大臣はおかたい方で、石のような方ですから、表情も動かさず、やるんだというお答えでしたが、きょうは皆さんのお話を伺って、さらに六度でも七度でも八度でも十度でも繰り返し聞いてやろうという勇気をいただきましたので、まず一点、感謝を申し上げます。

 順次、参考人に御質問をさせていただきます。

 まず、服部参考人にお願いいたします。

 実は、私は服部参考人と同じ湘南地区でございまして、服部参考人の湘南信金の活躍というか個性ある活動については、この場に来る前から存じておりました。それもあって、きょうお願いして大島さんにもかわってもらったのですが。一つは茅ケ崎の信金の跡地に保育所をつくろうというお話とか、また逗子でもJRの跡地の利用で、駅前の保育所という問題等々に積極的な融資や地域の産業起こしということも組み込みながら信金活動をされているということで、敬意を大変に表しております。

 小泉さんと同じ地区なので、残念なのか、悪いのかいいのか、ちょっとよくそこは言わないことにいたしまして、その服部参考人にお尋ねがございます。

 先ほど来、ペイオフの延期とかダブルスタンダードの採用とか、時価会計はまだ時期尚早であるというお話等々ございましたが、そうしたことはいずれも、既に金融庁はやるんだ、やるんだで進んでおりまして、この間、税制を用いての合併も強力に塩川大臣は随所でおっしゃっております。

 こういう、まず最初に合併ありきという方向について、先ほど来御意見は承ったようには思いますが、あえて確認で、どのようにお考えかということと、やはりその裏には、各信用金庫、信用組合あるいは地域に近い金融機関の個性の出し方と、逆にこうした冬の時代の生き延び方についてのある種の知恵袋的な知恵の部分があると思いますが、その点についてはいかがお考えか。

 そして、公的資金の注入ということもこれあり、風評被害を伴わなければ、むしろ積極的にやってもらって足腰を強めるべきなんだというお考えか。信用金庫の立場から、以上三点、お願いします。

服部参考人 お答えになるかどうかわかりませんが、申し上げます。

 茅ケ崎では駅前保育をやっておりまして、預かっている子供が八十人に達しました。これは、私のところじゃなくて、地元の皆様にお力をいただいて会社をつくって始めたものであります。場所の提供は私の方の場所であります。ただ、役所の規制というのがありまして、三分の一以上貸しちゃいかぬということですから、極めて制限をされております。それから、逗子には間もなく着工いたします。これは、逗子の市長と葉山の町長から三年も前からお願いをされていることであります。

 これをどうして私たちが力を入れてやるかといったらば、女性に出産後も働いてもらいたい、こういうことであります。きょう傍聴人に来ている一人に、私のところの女性がおります。こういう連中を幹部にしていきたいという意味もありまして、駅前でいわゆる小さな子供を預かって、女性に働いてもらって、それで新しい金融機関をつくっていきたいという思いでの一環でございます。

 それから、合併の話がありましたが、今はもう合併ありきであります。

 私は、昭和六十三年に合併を一つ、それから平成三年に合併をまた一つ、平成七年に合併、それからつい三月の二十八日に事業譲渡を受けておりまして、ですから、それを含めると四回やっておるわけであります。最初に鎌倉と横須賀が一緒になった合併であります。そのときには四面楚歌でありました。もう今は合併しても新聞にも出ない。

 最初に合併ありきなんて、そんなばかな話はないんです。先ほどほかの参考人からも話が出ているように、地域金融機関は必要がないんだというようなこと、つぶれるところはつぶしちゃえということ、それに伴ってだめになる中小企業はしようがないんだ、これが前提にあってやっていることということは極めておかしい。私たちは、個性がおのおの全部違って、役割が全部違ってやってきているということを御理解いただきたい、こんなふうに思います。

 今後も個性あふれた金融機関になっていかなければ、これまた飯が食えないということもあります。全力を挙げて、役に立つ金融機関であり続けていきたいと思っております。

 以上です。

阿部委員 女性と子供ということをキーワードに頑張っていただきたいと思いますので、エールを送らせていただきます。

 次に、牧野参考人にお願いします。

 これは一言で、ちょっとだけ知りたいことですが、せんだって私が、やはりRCCへの買い取りのことで、信用保証協会の担保がついたものを買い取られるということをどうお思いかというふうに金融庁にお尋ねしましたら、金融庁にも企業再建のノウハウ、スキルがあるようになったので、必ずしも買い取ってもうだめなんだというんじゃなくて、企業を積極的に再生させるんだからこういうものもオーケーよというお答えだったんですが、そのあたり、金融庁の現状の能力と、それから信用保証協会としてのこういう考え方に対してのお考えを一言お願いします。

牧野参考人 先ほども別の先生にお答えしたかとは思っておるのでございますが、私どもの方としては、整理回収機構へ債権譲渡されるという問題、確かに持ちかけられております。そういう問題について、RCC側と、債務者から返済条件変更の要請があったような場合、中小企業者の実情に即したきめ細かな対応を行う、そういうように考えておりまして、連合会からそういう要請をしておりまして、RCC側もこれに柔軟に取り組む方向で覚書の締結を前提とした協議を行っている、これが現在の状況でございます。

 それでよろしゅうございましょうか。

阿部委員 もう少し踏み込んでと思いましたが、結構であります。

 次に、坪井参考人にお伺いいたします。

 私はたまたま子供の医者をしておりまして、特に、東京にございます東大病院というところには、福島県からすごく子供たちの入院が多いのです。福島の子供は日本一かわいいかと思うほど純情、素直、素朴、本当にいい子供たちです。

 せんだって、ある関係でいわきに参りましたときに、非常にあの地区、不況にあえいでおりました。外洋漁業が低迷する、林業も落ち込む、その前の炭鉱ももう既にない、いわば何にもないという形で胸がせつなくなるような状況ではありましたが、でも、そうであっても、やはりそこに住まう人がいて、再活性化をしていきたいと願う人の心があれば、また元気な子供たちの声も聞かれようと思いながら、福島に伺ったわけです。

 先ほどのお話の中で、中小企業の借り手側も意気をなくしておるというか、元気がない。このあたりについてどういう形の、いわば内からの活性化ということがおありか、この一点お願いします。

坪井参考人 やはり、だんだん元気がなくなってきて、借りて設備投資をやって再活性化を図ろうというような中小企業はほとんど少なくなってきたとさっきも申し上げましたが、その裏には、まず一つ、やはり大手企業と同じように十五、六年前に、地銀を含めまして大手銀行から、ともかく土地を買いなさい、あんたのところの力は三十億くらいの土地を買っても大丈夫だからというようなことで、どんどんノンバンクまでつくって土地を買わされたわけですね。

 そういうものがなかなか、土地が、その後バブルがつぶれましてからどんどん値が下がりまして、ここへ来まして、先ほども言いましたように整理の段階に入ってきました。そのときに土地を売りますと、十二、三億円という形で半値以下になっております。したがって、その部分の清算をされますとRCCに債権を売られると。そうすると、また、今たたき売りみたいな形で整理されますと、負債きり残らない。

 そういう現状が、今始末をつけるという形になってきたんですけれども、それをやっているのはほとんど都銀です。いわゆる大手銀行です。そして、二、三年で支店長がかわりますから、どんどん前の約束はほごにされまして、どんどん回収に入る。ところが、大手の方で倒産した場合には、青木建設とか佐藤工業とか、一千億、二千億、三千億というようなローンをおまけして、なお五百億、六百億の追加融資をする。

 そういう形で見たときに、現象は実は同じなんですよ。過去において同じように、土地をどんどん買わされる、不動産に投資しなさいということでやられる。そうすると、今に来て景気が悪いために、やはり本業でもその利息補てん、元金の返済ができなくなってきたところに整理が入ってくるということ。そのときに、例えばRCCに債権を売られちゃったような形で整理をされたら、まさに地方の中小企業にとっては泣きの涙もいいところなんです。借金きり残らない。何も、すべて整理しても、借金きり残らない。その原因は、しかし、やはり大きな金融政策の中にあったんじゃないかと思うんですね。

 だから、大手にそういうような措置をとれるのであれば、例えば信用保証協会でもいいんですけれども、何らかの形をとって、中小もしくは零細においても、例えば五億、六億の問題であっても、要するに十年、十五年延ばしてくれるような返済方法をつくってくれれば、まだまだ自分の自力を出して本業を立て直すことによって地域の活性化に私どもは貢献できると思うんですが、その辺の問題が今空虚な形になってきておることによって元気がなくなってきている。もう仕事なんかやめた方がいいじゃないかというような形で廃業が多くなってきている、そういう実情でございます。

阿部委員 確かに、この間大手銀行は、中小企業への金利も上げる、それから、住んでいる土地まで担保として取り上げるという形で、極めて冷たい政策が続いておりまして、さらに財務金融委員会でも頑張って今の御指摘を受けてやっていきたいと思います。

 最後に、村本参考人にお願いいたします。

 今、地域貨幣と申しまして、その地域で自分たちで、ある種信用ということを担保にお金をつくり出していくというか、私のいる藤沢あたりでは、善行で「善」というお金をつくったり、ほかにもいろいろなお金の考え方があると思うんです。

 逆に、今一番日本の国の中で信頼を失っているものは政治と金融だと言われていまして、信頼ということを目に見える形で受け渡すのが金融の心髄だと思うのですが、この地域マネーということについて、一言お願いいたします。

村本参考人 私も藤沢でございます。江ノ島に住んでおります。

 エコマネーというのは、先ほどアメリカでソーシャルキャピタルという議論があったと申しましたけれども、地域の活性化、再生化、あるいは地域のさまざまな福祉活動も含めたもののキーワードになっておりまして、日本でも今数十動き始めておりますが、これからの一つのキーワードで、多分大きな動きになっていくんだろうと思います。それがうまくいけば、ある部分の地域活性化には寄与するのではないかという評価で、もう少し事例がたまればうまくいくかなと思っておりますけれども。別な形で、市民バンクなんという動きもありますが、恐らく同じような動きになっていくのではないかと思います。

 以上でございます。

阿部委員 いずれにしろ、人間に例えれば血液循環と同じ金融ということが目詰まりして、日本の経済も地域の活性化もうまくいかないというのは大変不幸なことと思いますが、なお、きょう皆さんの御意見を承りまして大変勉強になりましたので、さらに頑張りたいと思います。どうもありがとうございます。

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