第154回国会 厚生労働委員会 第21号(2002/06/14) 抜粋 ○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
きょうは、六人の公述人の皆様方には本当に唐突に、先週の後半にアレンジをお願いしてこの場に臨んでいただきました。無理無体な要求ということで本当に失礼と存じますが、にもかかわりませず、皆さんにあっては貴重な御提言もいただき、私も国会に身を置く者として、ぜひともきょうの皆さんの御発言を生かせるような方向に、今後の国会審議、全力をかけて臨んでいきたいと思っております。
私は、実は今週火曜日には委員会での参考人質疑、そしてきょうが日本全国二カ所の公聴会ということですが、医療費の今回の改正問題、窓口三割負担、あるいは政府管掌保険の保険料率のアップ、そしてこの秋には御高齢者の窓口負担増大ということ、どれをとりましても、国民の統計に上っております六、七割、アンケート調査でも圧倒的に反対の声が強い。この事実を見ますと、この法案を推し進めようとする皆さんは、国民というのはいつも負担増が嫌なんだからということで今回も流そうとしておられますが、私は、今回この法案に対しての国民の意思表明というのはもっと奥深いものがあるように思います。
なぜならば、今、国民はこの医療費の費用負担の問題以上に医療の質に納得しておらない。このことをやはりきちんと政治に携わる者が受けとめるか否か。ひたすらに負担増だけ強いて、これで納得、我慢しなさいなということがもういかようにも通用しない時代なんだと思います。その意味で、きょう森公述人が、抜本改革というよりも根底から変えなくちゃいけない、本当に根底なのだと思います。
そうした観点からお伺いしたいと思いますが、既にこの法案に先立つこと、診療報酬改定という形で、先ほど瀬古委員からも質疑いたしましたように、六カ月を超す長期入院の方のある意味で社会的退院、お金が払えなければ医療機関から出ていきなさいというようなことも現実に進んでいます。では、この診療報酬改定を論議する中医協に国民の声は反映される仕組みになっておるかというと、全くございません。厚生省、そして一部の健康保険者の代表、そして医師の代表。では日本の医療政策の中に国民はどこにいるのか、全く見えない、そしてこのことが一番悲劇のもとであると思います。
そこで、きょう齋藤英彦公述人が冒頭におっしゃってくださいましたことに関連してまず一点お伺い申し上げますが、日本は、国民は医療をただ受けるものと思っておるという御指摘でした。私は、一部当たっておると思いますが、仕組みがそうさせているところもあると思うのです。と申しますのは、いわゆる医療にかかりましたときの明細書あるいはレセプトと申します、自分の医療がどれくらい、お薬が何種類出て幾ら、手術料が幾ら、診察代が幾らというものを全く知らされない買い物を国民はするわけでございます。
レセプト開示ということ、委員会でも参考人に来ていただいて公述していただきましたが、なお齋藤先生のお考えも一点お聞かせください。
○齋藤英彦君 私も全く同じ意見でして、やはり情報をどんどん開示して透明性を高め、レセプトに限らず医療成績についても、それで最終的には患者さんあるいは国民が選択するという開かれた社会にしていくことはぜひ必要だと思います。ですから、それはどんどん、そういうものを進んで開示するべきだ、そういう立場です。
○阿部委員 先ほど電子カルテのお話もございましたが、よりレセプト開示も容易になると思いますので、また随所で御提言のほど、よろしくお願い申し上げます。
引き続いて、橋本参考人にお伺いいたします。
きょうお話しくださいました中で、従業員を息子と思い、若いうちからいろいろな症状あるいは成人病の予備軍になるような方たちも抱えて企業としてはやっていきたいというお話で、大変に勇気づけられますが、一方、若者を子供と思うと同じように、御高齢者はある意味で親でございます。そのときの拠出金問題が確かに各企業にとって重いということも、私も理解しないではございません。ただし、社会的連帯という中で、ある程度のものは拠出していかれようというお心もあることもきょうのお話でわかってまいりましたが、今の比率はいかようにも高いというお話ではありました。
では、橋本公述人にあっては現在どの程度のところで、私は、残る部分はやはり国庫負担をきっちりすべきであると考えておりますが、企業サイドから見たこの拠出金問題、もう一歩進めて、もしコメントがあればお願いいたします。
○橋本玄次郎君 当然今の老人というのは我々の先輩でございますので、現従業員、それからもとの従業員、これは先輩でございますから、両方面倒を見ていくというのは企業の責任だろうというふうに思っております。
ただし、どんどん拠出金がふえていく、そこにどこかやはり歯どめがないと、例えば愛知県でいきますと、拠出金がもう五〇を超えているというところの健康保険組合というのは、これに表がございますけれども、百七社のうち、経常収支の黒字なんというところは三社か四社しかないんですね。これは毎年赤字なんです。毎年拠出金が上がっていく。
だから、どこかにやはり歯どめというのが必要なんじゃないですか。絶対負担しないというわけではないので、一定の負担はしたいと思いますけれども、やはりそのめどというのは、例えば三割ぐらいとか、そんなものじゃないだろうかというふうに思いますね。
○阿部委員 拠出金の算定方法等も明確化すべきだというさっきの御意見でもありましたし、引き続き検討を私どもとしてもさせていただきたいと思います。
引き続いて、加藤梅雄公述人にお願いいたします。
先ほど高齢な皆さんへの町としてのいろいろなお取り組みのお話がございましたが、一方、私は、やはり今若年層にどうやって社会保障システムに参加していただくか、もう緊喫な課題と思います。もしも町として若者の国保参加なり健康増進参加について何らかのお考えがあればお願いしたいのと、と申しますのも、今、フリーターとか、必ずしも組合健保や政管健保に吸収されない若い層もふえてございます。もしこの点、御見解がおありになればお願いいたします。
○加藤梅雄君 特に若い人に対する特別な健康対策というようなことは実は行っておりません。
先ほど来申し上げておりますように、若い人たちもぜひ参入する、いわゆる生産性のある年齢の方が、ちょっと御質問にそれるかもわかりませんが、この医療負担という問題に参画してもらう。これは、いわゆる被用者保険と国民健康保険との、いわゆる所得の面、負担の問題、大きな差があるわけですから、この辺を十分考えていただきたい。それは一元化につながる。一元化につながるけれども、そういうことでないと、今の国民健康保険は最大なピンチに陥っているということは皆さん御案内のとおりですが、若い人たちもそういう意味で御理解をいただく方向でぜひ国会審議等もしていただきたいなということを思います。
若者はもう自分らで、今はよき時代ですから、どんどん活躍しておりますので、さほどそういう面の心配はないような気が私はします。
○阿部委員 私どもが見聞いたしますと、やはり若者に、三無主義といって、無年金、無保険、医療保険も入っておられないし失業保険も入っておられないという層が非常にふえてきて、国保にしても一回払えば払ったことになっておりますが、その後未納という方も比較的おられるようですので、むしろ四十歳以下の年齢が半数を占めております国民の現在、そのあたりでまた町としても御見識があれば、また提言等もいただければと思います。
引き続いて、加藤良夫公述人にお願いいたします。
私は、きょう加藤さんが配っていただきました資料の中のいわゆる被害者救済のための第三者機関、センター構想ですね、このことに強く強く関心を持ってございまして、厚生労働委員会でも私なりの案を述べさせていただいたことがございます。
やはり現実に医療被害に遭った方たちを救済していくことが、先ほど加藤公述人は非常にいいことをおっしゃいましたが、医療事故の防止は救済システムと不可分だと。発生を集約するにも、救済システムがないときちんとした元数が上がらないと思いますので、特に第三者機関というところのセンター構想の財源、どこがどういうふうに財源負担するかということもあわせて御紹介いただけますか。
○加藤良夫君 この黄色いパンフレットの十二ページを見ていただきたいと思います。
現在、薬に関する薬害被害に関しては、いわゆる医薬品機構というものがございます。それには製薬会社の拠出金が含まれております。この医薬品機構の分割再編というようなことも視野に入れながらこのセンター構想を考えているわけですが、十二ページの2のところに、国からの補助金、それから健康保険の患者も、被害者を互助の精神で皆の力で救うという気持ちから一部負担をしていただく。それから、医療関係者、医療法人等も何がしかの拠出をする。そして、製薬会社や医療機器メーカー等も拠出金を支払う。そして、非常に問題のあったケースについては、センターがその加害した立場のところに対して、求償といって損害賠償の請求をするという道も残しておりますので、そこへの求償をしたときに得られた求償金も充てる、その他寄附金、こういうことで財源を考えております。
○阿部委員 非常に先見的な御提言ですので、ぜひともまた私どもも詰めさせていただきたいと思います。
最後に、森参考人にお願いいたします。
この国会でも研修医の教育問題、何回か論じましたが、やはり財源の問題、国がきちんと手当てするかどうかということが医療の質を決め、結局国民の幸不幸を決めると思いますが、財源問題についての御提言があればお願いいたします。
○森功君 国民に対していい医療を保障するというのは国家の責務でありますから、国が、まず何よりも研修医に対する、少なくとも研修を全うできるだけの報酬は保障すべきだと思っています。それ以外のところから出す以上はいろいろなバイアスがかかってしまいますので、これはぜひとも、国家が臨床研修指定ということでやられるのなら、やはり報酬においても出していただきたい。それは公的支援から考えると微々たるお金でございますから、国民の健康のためでございますから、ぜひお願いしたいと思います。
○阿部委員 よくアメリカとの比較が各所で論ぜられますが、アメリカでは若手医師の教育にきちんと国が資金を出しておるということもございますので、私もきょうの森参考人のいろいろな御提言を受けて大変勉強になりましたし、いわゆる質の改善において、やはり若手医師を育てるということを課題にして論議していきたいと思います。
きょうはどうもありがとうございました。
○森座長 これにて委員からの質疑は終了いたしました。
この際、一言ごあいさつを申し上げます。
意見陳述者の皆様方には、御多忙の中、長時間にわたりまして貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。ここに厚く御礼を申し上げます。
また、この会議開催のため各段の御協力をいただきました関係各位に対しましては、深甚なる謝意を表する次第であります。
これにて散会いたします。
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