第154回国会 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 第7号(2002/06/06) 抜粋 ○阿部委員 私の質問でもう最後ですから、いましばし御協力をお願いいたします。
ただいまの中井野党提案者の御発言で、与党提案と野党提案の差が非常に明確になったかと思いますが、私ども野党は、この場で審議していることが本当に抜け道なく実効性を持つことを願って、きょう三日目の審議に入ったわけです。
冒頭、まず保利与党の提案者にお伺いしたいんですが、きょうお話を伺いまして、保利先生は三つのことをおっしゃいました。今回の改正案でも、犯罪の主体は公設秘書であるが、実態に合わせて私設秘書も入れることにした、私設秘書も公的性格を帯びている、この三つをきょうお話しになりました。その三つの確認点に基づいてお伺いいたしますが、きょう審議しておりました中で、実態で私設秘書に問題が起きたから、今回は法案もそこまで踏み込んだと。
では、今後、実態において、地方議員の秘書あるいは地方議員の親族の方がかかるあっせん利得にかかわった事例があれば、さらに法案の改正を重ねられるのでしょうか。明確にお願いいたします。
○西川(太)議員 それは、先生、仮定のことであります。今後そういうことがないように、まず国会が身を正して、この法律を立法することによって模範を示していく、こういうことを地方議会に対しても明確にしていくわけでありますし、それから、今お触れになりました私設秘書以外の親族も加えていくというようなことは範囲を広げ過ぎる、こう思っております。
したがいまして、仮定のお尋ねでありますので、それはやはり実態を踏まえながらやっていかなければいけない、こう思います。
○阿部委員 そこが私どもの野党案との違いだと思うのです。私どもは想定し得るから入れているのであります。
そして、きょう、保利与党の提案者はおっしゃいました、実態が私設に及んでいるから法案改正をしたと。私どもは、そのようにびほう策を重ねていくような仕組みでは本当に抜け道だらけになるということでお伺いいたしました。再度、保利提案者に御確認いたします。
○保利議員 先ほども御答弁をさせていただきました、先生いらっしゃったかどうか記憶がございませんが。実態とおっしゃっておられますが、私ども、法律をつくる場合には、実態面のことを頭に入れるということは当然のことでありますが、それ以上に、やはり法理論的な問題として考えていかなければならない問題がある、そのように考えまして、公設秘書というのを国会議員は持っておる、その公設秘書と並べたときに、私設秘書というのは、あくまでも形の上では私人でございますし、公的性格というのはないのかもしれませんけれども、ただ、よく見てみるというと、公設秘書と並んで議員の影響力を行使し得る立場にいるという点から国会議員の私設秘書に拡大をした、こういうことで御理解をいただきたいと思うのであります。
○阿部委員 私は、先生の発言をしっかりと聞いてさっきの三点をまとめました。実態に合わせると、私設秘書に今回拡大することにした、私設秘書も公的性格を帯びている、先生はきっちりそのようにおっしゃいましたし、私も聞きました。
それゆえに、私どもは、地方議員の実態、彼らもまた国民に対しての政治の信頼性、この法律で守られるべき法益を持って存在しております。そして、その実態が、例えば家族であるとか私設秘書であるとか、そういうものも含めて政治活動にかかわらざるを得ない状況がある中で、私どもは、そこまで含めて、今回、法の規制を拡大すべきだというのが野党提案です。
恐縮ですが、野党提案の趣旨、やはりこの場で明確にしていただく必要が再度あると思いますので、野党提案者の方にお願いいたします。
○保坂議員 お答えします。
与党の側の我々野党案に対する反論としていろいろなされておりますけれども、公職にある者、つまり、政治家そのものがあっせん利得行為の犯罪主体の中心の核でありまして、公設秘書が核にはなりません。公設秘書が核であってこの法律があるのではなくて、公職にある者、国会議員の場合は、政治家と不可分一体で動いている公設秘書、公設秘書と今区分がつかない私設秘書ということが、すべてこれを包括してやっていこうというのが、ようやく今たどり着いた思いをそこに、与党の案がそこに気がついていただいたということですけれども、そこを地方にきちっとスライドさせれば、当然、公職にある者、政治家を不可分一体に支える私設秘書が含まれてくるのは当然で、論理的にはもうほとんど説明がつかない論理ではないかと思います。
我々野党の方は、自由濶達な政治活動は大いにやっていただきたい、しかし、自由濶達なあっせん利得行為は厳しく禁じたい、こういうことでございます。
○阿部委員 もう一つ、抜け道をつくらないために、ぜひとも野党案の中で審議を深めていただきたい点がございます。
いわゆる第三者供与というんでしょうか、その処罰規定がないために、政党支部や政治資金管理団体、また親族や秘書が受け皿となり、見返りの収受が行われ得る。特に、企業、団体、政治家の資金管理団体への献金が禁止されて以来、とある政党は、政党支部七千を数えておりますし、お一人の政治家が複数の支部を影響下に置くケースも多いと言われております。
政党支部を政治家個人の財布として悪用するものという批判もございますが、今回、この第三者供与を入れなかったことにつきまして、与党側の御提案者の見解を伺います。
○町村議員 平成十三年末、自民党の全国の支部は、七千百二十三の支部を持っております。あたかも、先生のお言葉をかりますと、すべてが政治家の個人の財布の支部であるかのごとき御発言でございましたが、とんでもない誤解でございまして、きちんと我が党の支部の実態というものをよく把握した上で御発言をいただきたい。
私ども、支部をつくるに当たっては、必ず、党員を求めたり、規約を求め、そして総会を開き、その中で予算、決算の監視を行いということをきちんとやっておりまして、国民、地域住民のための政党支部という実態を兼ね備えたものでなければ、そういうことができないという実態にあるということをまず御認識いただきたい。
ぜひ、社会民主党さんも、全国に七千余の支部をおつくりいただくように御努力を賜ればと、こう思っております。
ちなみに、共産党さんは、二万とも三万とも言われる支部をお持ちであるという情報も得ているところでございます。
そういう中で、第三者供与のお話がございました。政党支部あるいは資金管理団体、これと議員個人との関係というのは、基本的にはこれは第三者、別個の人格を持っておりますから、第三者であります。ただ、政治家個人とその個々の支部の関係というのは、これまたいろいろあろうかと思いますので、もしこれが、ある政党支部が、私、自民党の支部にそういうのはないと思いますが、完全にある政治家個人の事実上の支配下にある、実質的処分権も持っているという場合には、本人が収受したものとみなしていいわけでありますので、これは第三者供与の処罰規定を設けなくても、本法の保護法益というものは十分に保護されるという考え方になっているわけでございます。
○保利議員 先ほど御質問がありました点についてちょっと補足をさせていただきたいと思います。
私設秘書ということについて、先生いろいろ御議論なさいましたけれども、我々は、国会議員の私設秘書と地方議員の私設秘書とは厳密に分けて考えております。その点をごっちゃにされますと、理屈がわからなくなってくるということがございますので、その辺はひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○阿部委員 決してごっちゃにはしておりませんで、地方議員にはいわゆる公設の秘書というものはないのでございます。しかしながら、実態において、その議員の活動を支えているたくさんの私設秘書がおられます、ないところももちろんございますが。
そのことも含めて、野党案の意味を先ほど野党提案の方で申し述べさせていただきましたので、今、町村議員が御回答くださいましたので、その点について、いま少し私ども野党サイドの提案の趣旨を明快にしたいと思います。
確かに、自民党の支部七千百二十三、社民党もつくればよろしいとおっしゃってくださいましたが、私どもは、やはり政党支部の数の問題、非常にさまざまな問題をはらんでいると社民党としては考えております。
しかし、本日、この場は野党提案という形でくくっておりますので、そのことも含めて、この第三者供与の処罰規定を強く埋め込みました野党案についての、再度御提案の確認をお願いいたします。
○堀込議員 先ほど先生と町村先生の議論を聞いておりまして、どうも誤解をしているなと。
私ども、ここ数年かけて与野党で話し合いまして、政治資金規正法の改正を何度もやってまいりました。その中で、企業・団体献金を政治家個人に禁止しようということで一致をして、現在はそうなっているわけであります。したがいまして、かつては政治家個人の資金管理団体のみ、実はこれも一つだけ、企業・団体献金はいいだろう、しかも、その上限は五十万円であったわけであります。しかし、それを禁止した途端に、今、政党支部が企業・団体献金の受け皿になって、しかも、五十万円という枠も取っ払われてしまいましたから、事実上政治家個人の財布がわりになっているだろう。
私どもは決して、政党の支部を幾つつくる、制限するとか、そういうことを言っているんではありません。企業・団体献金禁止の、この間の、政治資金規正法を与野党を通じて協議をしてきた流れの中で、その受けられる支部だけはちゃんと選管なり総務省に届け出をして、それは抑制的にやっていこうではないか、こういうことを言っているわけであります。先ほど町村先生は、政治活動の自由を縛るとか、幾つあってもいいんじゃないかというお話でございましたが、私どもも幾つあってもいいと思っています、ただ、企業・団体献金を受けられる支部の制限をしたい、こういうことを一つ申し上げておきます。
第三者供与の話をいたしますと、きのうも御質問がございましたが、この法案、もし先国会で野党案が通っていれば、幾つか起きた事件について、この法律で取り締まることも可能ではあったのではないかという印象を持っています。相次ぐ不祥事に対して、脱税だとか政治資金規正法記載漏れだとか、そういうことで今捜査が行われているようであります。そういう意味では、私どもは、せっかく、政治公務員の廉潔性、それに対する国民の信頼を得る、こういう法律でありますから、そういうものにこたえた法律にすべきだろう、こういうふうに思っております。
○阿部委員 本日のこのあっせん利得法の改正案とあわせて、私ども四野党、政治資金規正法等改正案を、やはり今、町村先生から返されたような御意見があるゆえに、早急に与野党で審議に入りたいと思っております。与党側もぜひ御尽力いただきまして、審議の俎上に上るようによろしくお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○保利議員 今の点は、議運で御協議なさることかと思います。
最後に、私、一言だけ御発言させていただきたいと思いますが、大変、四日間にわたりまして真摯な御論議をいただいたことに対して、私、心から感謝を申し上げたいと思います。
この議論を通じて、国民の間にあるいは有権者の皆様方に、政治家には高い倫理性が求められるんだということをまず御理解いただきたいなということを思います。
それから同時に、我々政治家も秘書に対して大変大きな監督責任を持っているんだ、秘書が、秘書がということで逃げ道をつくるとかそういうことではなくて、秘書のやることに対しては政治家が厳然として責任を負わなければならないということについて、私は、国民の皆様に御理解をいただきたい、このように思う次第でございます。
ありがとうございました。
○赤城委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○赤城委員長 これより両案を一括して討論に入ります。
討論の申し出がありますので、順次これを許します。望月義夫君。
○望月委員 私は、自由民主党、公明党及び保守党の与党三党を代表いたしまして、ただいま議題となりました公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に対し、与党案に賛成、野党案に反対の立場から討論を行うものであります。
いかなる政策の実行も、国民の信頼、国民の高い信任を得られなければ成り立ちません。今、政治に対する国民の信頼を裏切る行為が相次いで生じ、厳しい政治不信を招いていることは、極めて残念なことであります。
このときにおいて、深刻な政治不信を重大に受けとめ、信頼回復への第一歩として、与野党が、いわゆるあっせん利得処罰法を見直し、その改正案を提出したことの意義は高いと評価するものであります。
まず、与党案と野党案の最大の違いを挙げるとするならば、法律の導入によって何を目指すのかという基本的な理念、考え方において大きな食い違いがあることであります。言いかえれば、法案の法的性格ないし保護法益において根本的な隔たりがあるということであります。
与党案は、主権者たる国民から国政等に関する権能を信託された代表である公職にある者は、みずからの良心と責任感を持って政治活動を行わなければならないとの観点から、公職にある者の政治活動の性質に着目し構成されており、その保護すべき法益を、公職にある者の政治活動の廉潔性、清廉潔白性及びこれに対する国民の信頼としているのであります。したがって、与党案の罪は、公務員の職務自体の性質に着目し構成されている刑法のわいろ罪とはその趣旨を根本的に異にしているのであります。
しかるに、野党案は、野党の構成要件にあるわいろという概念規定から見て、あっせん利得罪を刑法のわいろ罪の一類型あるいはあっせん収賄罪の延長線上でとらえようとしていると言わざるを得ません。そうであるとすれば、刑法体系の中で、刑法の一部改正として汚職の罪の中に規定されるように組み立てるのが本来の筋だと考えますし、また、なぜ私設秘書と親族を対象とすることができるのか、理解に苦しみます。
私は、野党案の法的性格、法的位置づけに根本的な疑念を抱くものであります。
次に、政治活動の自由への配慮について申し上げます。
私は、国政においても地方議会においても、何物にも拘束されない自由な政治活動が保障されていてこそ、政治の進運が図られると考えております。この点について、与党案では十分な配慮がされていると考えますが、野党案の構成要件を見ても、このような観点からの検討が十分にされているのか疑問であります。
今回、与党案では、議員秘書あっせん利得罪の犯罪主体に、公設秘書のほかに、衆議院議員または参議院議員に使用される者で政治活動を補佐するもの、すなわち、いわゆる国会議員の私設秘書を追加することとしておりますが、構成要件の明確性の観点から十分に吟味されているものであり、評価するとともに、国外犯の規定の整備、施行期日においても妥当なものであると考えます。
以上、与党案につきまして賛意をあらわし、したがって、野党案については反対であることを表明いたしまして、討論を終わります。(拍手)
○赤城委員長 次に、阿久津幸彦君。
○阿久津委員 民主党の阿久津幸彦でございます。
私は、民主党・無所属クラブを代表し、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党並びに社会民主党・市民連合の四会派共同提案の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に賛成し、与党共同提案の同改正案には、その余りに不十分な内容から反対する討論を行います。
そもそも、現行法が審議された一昨年の第百五十回国会において、我々野党は、与党案は抜け道が多く、法の実効性に乏しいことを厳しく指摘しました。また、私たちがあれほど口を酸っぱくして私設秘書問題等の重要性を訴えたにもかかわらず、与党は全く聞く耳を持たず、私設秘書を犯罪の主体に含めない現行法の制定に至ったわけです。
しかし、その後も政治と金をめぐる事件、疑惑が後を絶たず、公設、私設を問わず秘書による公共事業等への口ききの不祥事が相次いで発覚し、三権の長までが議員辞職する事態となりました。図らずも我々の主張の正しさが証明されてしまったわけで、与党各党は猛省と国民への謝罪をまず行うべきであります。
にもかかわらず、与党は、本委員会質疑においても、第百五十回国会で繰り返していた罪刑法定主義に反するから私設秘書は加えないとの詭弁を撤回しないまま、今回みずからの改正案に私設秘書を加えることの自己矛盾、それも、国会議員の私設秘書に限定するという不合理、どれもこれも論理的な説明をなし得ておらず、到底国民の理解を得られるものではありません。
また、与党の改正案は、我々野党が改正案で示しているその他のさまざまな抜け道をふさぐ手だてには一切手をつけておりません。
野党四党が法案をもって強く主張していることは、第一に、処罰の対象に私設秘書並びに父母、配偶者、子及び兄弟姉妹を加えること、第二に、「権限に基づく影響力を行使して」という構成要件を削除すること、第三に、請託を要件から削除すること、第四に、公務員の職務全般を対象とすること、第五に、第三者に供与させる場合も処罰すること、第六に、収受のほか、その要求、約束も処罰の対象とすること、第七に、報酬の範囲を財産上の利益に限らず、これをわいろに改めることであります。
我々野党は、国民の政治に対する信頼を回復したい一心でみずからを律し、徹底的に抜け道をふさぐ努力を重ねてまいりました。なぜなら、そのことが政治体質の抜本的改革につながるものと確信するからであります。
我々は、国民の信頼を取り戻せるならと考え、与党に再三修正協議を呼びかけてまいりました。しかし、与党はこれをはなから拒否するだけでした。国民にわびることもせず、できるだけ抜け道を残しておきたいという与党の相も変わらぬ姿勢を、国民は決して許すことはないでしょう。
国民の政治不信は、今や極限に達しております。まさに、口きき政治との決別こそ強く求められているのです。国民の信は我が野党案にあることを最後に申し上げ、野党案に賛成し、余りに不十分な与党案には反対する討論を終わります。(拍手)
○赤城委員長 次に、東祥三君。
○東(祥)委員 私は、自由党を代表して、ただいま議題となっております民主、共産、社民、自由党提案の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に対して賛成、自民、公明、保守党提案の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に対して反対の立場から討論を行います。
そもそも、我々野党は、百五十回国会でこの法律が審議されたときから、この法律には重大な欠陥があると主張してきました。さらに、百五十一国会において、野党が共同提案で、このあっせん利得処罰法の処罰の対象に私設秘書を含める等の内容の修正案を提出しましたが、与党は審議すら拒否した経緯がありました。
しかし、元自民党の鈴木宗男議員、加藤紘一前議員、井上裕元参議院議長の本人や秘書等の疑惑が噴出し、社会的批判が高まると、小泉総理は慌てて、あっせん利得処罰法の処罰対象に私設秘書を含めることを検討することを表明し、その内容の修正案を与党で提出したのであります。
小泉総理、政府・与党が、あっせん利得処罰法の処罰の対象に、私設秘書を含めるべきであるとの野党の主張には耳を傾けずに拒否しながらも、いざマスコミが騒ぎ立てると過敏に反応して前言を翻し、すぐに私設秘書も対象とするべきだとの指示を出したのであります。まさに、口先だけの場当たり的無原則、無責任政治と言わざるを得ません。
また、与党提出の修正案には、これまでの審議で明らかになったように、新たに犯罪の主体となる私設秘書について首長、地方議員の秘書が対象外となっている、犯罪の主体に父母、配偶者、子、兄弟姉妹が含まれていない、犯罪の構成要件に請託が含まれており、しかも「その権限に基づく影響力を行使して」という文言があるため立証が極めて困難である、対象となる行為が契約、行政庁の処分に限定されている、第三者供与の処罰規定が明記されていない、罰せられる行為が収受のみである等の問題点が多々あるため、法律の実効性は著しく低くなると考えられます。
なお、我々野党は、この法律の実効性を高めるため、与党に修正協議を求めましたが、与党は全く耳を傾けませんでした。それのみならず、実情をさらに深く理解するための首長あるいは地方議員の参考人招致を提案しても、前向きな対応を全く示されませんでした。全く残念でなりません。このことは、政府・与党は政治と金の問題に対して真正面から取り組もうとする意思すら持っていないことを証明すると同時に、国民の期待を裏切る行為であるということを申し添えて、私の討論を終わります。(拍手)
○赤城委員長 次に、吉井英勝君。
○吉井委員 私は、日本共産党を代表して、野党四党共同提出の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に賛成、与党提出の同一部改正案に反対の討論を行います。
今国会最大の課題の一つは、鈴木宗男議員、加藤元自民党幹事長、井上前参議院議長らの、本人と秘書のかかわった不正腐敗に端を発した政治と金の問題に徹底したメスを入れ、その解決のために抜本的な対策を講じることでありました。その解決策の一つとして、昨年三月に施行されたあっせん利得処罰法の抜け穴をふさぐ野党改正案を提出したのであります。
野党案は現行のあっせん利得罪の抜け穴と言える請託や職務権限を犯罪構成要件から外すこと、対象を国会議員の公設秘書を私設秘書に広げるにとどまらず、政治的公務員の私設秘書、父母、配偶者、子、兄弟姉妹を加えること、さらに、第三者供賄の処罰規定を盛り込むことなど、本法を真に実効あるものにするための改正案であり、すべての国民の期待にこたえる内容となっており、賛成するものであります。
これに対して与党案は、国会議員の私設秘書を対象に加えるというだけのものです。しかも、野党の建設的修正提案さえ一顧だにせず全面拒否するというものであり、国民の声にこたえるものになっておりません。今日、横行する口きき利権政治を根絶するためには、野党案を実現するとともに、加えて、野党共同提案の公共事業受注企業等からの献金の禁止を中心とする政治資金規正法等の一部改正案の実現こそが必要であることを強調して私の討論を終わります。(拍手)
○赤城委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、民主、自由、共産、社民四党提出の野党案に賛成、自民、公明、保守党提出の与党案に反対の立場で討論を行います。
残念なことに、昨年発足した小泉政権のもとでも、郵政選挙違反事件に始まり、加藤紘一自民党元幹事長秘書の脱税、口きき事件や鈴木宗男氏事件、井上裕前参議院議長秘書事件と、政官業の癒着構造、金まみれの口きき政治は相変わらず横行しており、国民の政治への信頼は地に落ちた状態と思います。
本来、口きき政治に大きくメスを入れ、政治倫理の確立と国民の政治に対する信頼の回復のきっかけとなることが期待されておりましたのがあっせん利得処罰法でした。しかし、与党が成立を強行した現行法は、立証困難な請託や事実上の職務権限規定を構成要件としており、また、第三者供与規定がない、対象行為が限定されている、何よりも公設秘書に限っているということなど、多くの抜け道、限界があるものとなっています。このことは、これまでに適用例が一例しかなかったことや、当時、この委員会の鈴木宗男筆頭理事の疑惑、事件に何ら効果が見られなかったことからも明らかではないでしょうか。
国民の期待する改正のかなめは、法の抜け穴をふさぎ、実効ある手だてをとることです。これは、党派を超えて国民から求められていることであるとも思います。しかし、今回、与党は、みずからの案に拘泥し、法の実効性を高めるための野党の修正要求を真っ向から拒否して、単に国会議員の私設秘書を加えるだけの、抜け道を許すものとしようとしています。このような与党の対応は、決してこの間の政治と金にまつわる事件を真摯にみずからのこととして受けとめたものではなく、小手先の改正でお茶を濁そうとするものであり、極めて残念です。
最後に、またまた不祥事が続発し、何年か後に再びあっせん利得処罰法の改正問題が必要になるといったことが極めて高く案じられる今日、私ども四野党の提案をやはりこの際皆さんで議決していただきたく申し上げて、私の反対討論、そして野党案への賛成討論といたします。(拍手)
第154回国会 国会活動コーナーに戻る 阿部知子のホームページに戻る