第154回国会 予算委員会 第4号(2002/01/25) 抜粋

議事録全文(衆議院のサイト)

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 冒頭、本日の予算委員会のトップを務められました松本委員のさまざまな御質問の中で、いわゆる外務省の外交姿勢をただすというか問うものがございました。

 思い起こせばテロ対策支援法のときに、この場所にいわゆるNGOのペシャワール会という、パキスタンで医療活動をしておられる中村哲先生が来られていろいろな意見陳述をなさいましたが、やはりこれからの世界の中で、我が国がさまざまな外交問題あるいはテロ等に取り組んでいく場合に、NGOの活動ということをきちんと、いわゆる官の側も取り入れて、その立場を重要視して、お互いにすみ分けながら、相手を携えていくべきことと思われます。

 一番残念なのは、中東局長の御答弁もさることながら、外務省の事務方と外務大臣田中眞紀子さんとの間で取り交わされているさまざまな論戦に、もう席を立たれましたが、福田官房長官が、そのうちわかるでしょう、本当のことは、こういうふうに言うのが、私は、非常に政治家としては投げやりな、かつ無責任な放言であると思います。

 やはり今我が国にとって一番大切なのは、外交姿勢でございます。自衛隊を送るか否か以前にどんな外交をするかということが問われるときに、正直言って、外務省のさまざまなていたらく、不祥事、大臣とのあつれきは、我が国にとって本当に何の益もないことでございます。この事態にかんがみて、この時代であるからこそ、きちんとした内閣を挙げた対応をまず冒頭望みまして、本日の質問に入らせていただきます。

 竹中財政担当大臣にお伺いいたします。

 本日、「構造改革と経済財政の中期展望について」等の文書も出されており、また、昨日、本日の予算委員会を通しまして拝聴いたしましたところ、どう考えましても、竹中財政担当大臣のおっしゃる長期的な財政健全化展望と今回の約二・五兆円、NTTの売却益から、国債という形ではないにしろ、将来に負担を送った形での財政への繰り入れ、いわゆる危機を避けるためという表現を使うかどうかは別として、デフレスパイラルを避けるための今回の短期的な手当て、この間にそごはないのか。こういうことをして、本当に、長期的に見て、おっしゃるような二〇〇八年度から一〇年度、プライマリーバランスの健全化ということに資していくのか。その点について、再度お考えをお願いいたします。

竹中国務大臣 中長期的に財政を健全化させていきたい、しかし、足元の経済が底割れしてデフレスパイラルに陥ると、その出発点の経済が非常に傷んでしまう、そのジレンマの中で今回のような意思決定を行ったということでございます。

 そういうことを行って両立が可能か、矛盾はないかというお尋ねであるわけですけれども、まさにその中期展望というのは、プライマリーバランスを約十年をめどに回復させる、そういう財政運営をするということを閣議決定した。それをどのような形で行うかということに関しては、十四年度は三十兆というその収支差額を一つの目安にする、それ以降は支出をコントロールすることによってそれを行っていくという、そのこともまた閣議決定を行いました。

 一方で、そういったシナリオが現実に数値的に可能かどうかを見る一つの手段として、これは閣議決定の対象ではありませんけれども、内閣府の参考の試算としてこういうものを出した。

 先ほども申し上げましたが、年々、毎年毎年どのような政策をとるかということを今の時点で厳格に議論することはできないわけでありまして、その試算でも、御承知のように、今後五年ぐらいのところを大まかに試算して、それ以降は同じような財政健全化努力を続ければこうなるというシナリオを示して、数値的に、これは努力すれば、大変な努力であるけれども、それは可能なシナリオであるということを今の時点で申し上げているわけでありまして、委員御指摘のように大変難しい二つのジレンマの中で何とか狭い道を運営していくことは、そこに書いているような形をとれば可能であるというふうに考えています。

阿部委員 では、具体的に二点お伺い申し上げます。

 今回のNTTの売却益を組み込む予算の編成の中で、いわゆる公共投資、それも施設投資を中心にしたものにかなりの予算が補てんされております。果たして、竹中財政担当大臣はこのような施設型の投資を行うことが本当に我が国の足元の経済の補強になるとお思いか否かが一点。

 それから、大臣が任命されてからの月日の中で、いわゆる構造改革による需要創出効果などを、これは学者としてもそれなりの指標を持ってごらんになってきたと思いますが、構造改革、果たしてどこまで進んだか、何点か、政策評価をお願いいたします。

 以上、二点です。

竹中国務大臣 お尋ねの一点目が短期的な効果、足元の効果ということでございましたから、これは、政府がお金を出すということに関しては、それなりの需要創出は短期的には間違いなく行われるわけで、その意味で足元の効果はある。むしろ難しいのは、それが長期的な経済の構造の強化につながるような内容にするというところが実はなかなか難しいわけで、そのために今回、重点項目に絞って最大限の努力をしたということであります。したがって、お尋ねの足元の効果ということに関しては、我々の試算では、GDPを年ベースで〇・九%程度押し上げるということは可能であるというふうに考えております。

 構造改革は何点かということでありますから、これはいわば自己査定的な意味も持ちますからなかなか難しいのでありますけれども、私は、構造改革はまだ緒についたばかりである、しかし、正しい方向に向かっている、政策全体の方向を変えるのはなかなか大変であるけれども、財政の健全化への一歩、特殊法人改革への大胆な一歩等々、正しい方向にかなり大胆に踏み出したというふうに思っています。

阿部委員 大胆に踏み出されても、雇用情勢も一向に改善せず、経済の空洞化も防げないという事態の中での政権の運営ですから、やはり現実に厳しい評価をみずからの政策に課してみることも政治家としては大変重要だと思います。

 そして、今回、短期的に足元の効果はあると。これはいわゆるカンフル剤的な使用方法ですが、そのことが本来の蘇生、生きる道につながらなければ、これはやはり大きな目で見ればむだということになってまいりますし、私は、今回の補正予算、組むべきとは思っておりますが、このような形で、例えば既に土地も取得され、計画もされているものを、急に緊急的な課題としてこういう予算措置をしていくという考え方の自己撞着ということを、極めて政策的な問題が多いだろうと思います。

 その中にあっても、先ほど扇国土交通大臣は、一例をお挙げください、今回のいわゆる補正予算で、二次補正でどのようなメリットの策がありますかという御質問に対して、羽田空港の整備のことを挙げておられましたが、塩川財務大臣にお願いいたします。

 大臣の財政演説を拝読いたしまして、この中でも繰り返し、構造改革を推進しつつ、高い経済効果が期待できる施策について緊急実施するための編成であると。例えば、塩川財務大臣にとって、今回の補正予算で提案されたものの中で、これぞ目玉、これぞこの具体案だというふうなものがおありであれば、先ほどの扇大臣のようなものがおありであればお聞かせください。

塩川国務大臣 まず、今回の公共事業的な事業として、教育施設の改善というものに重点を置いて配分しておることが一つございます。それから、都市改造の中の一つとして、交通の渋滞を緩和するために、いわゆる右曲がり、左曲がりの交通点の整理ということを重点に置いております。それから、教育施設として、公立学校にIT関係の施設を充実さすというようなことをやっております。そういうものが多々ございますが、福祉の関係におきましても、特別養護老人ホームの増設あるいは認可保育所の支援というようなものも含まれておりますし、要するに、従来の公共事業でない公共事業的なもの、そういうものを入れております。

 それでは従来型の公共事業というものは一体何なのかといいますと、よく言われております長期計画でございますね、今、公共事業として十六本の長期計画がございますが、その長期計画に入っておらない公共事業、これを重点に今回配分したということでございます。

阿部委員 いわゆる平成十四年度の予算の中で、公共事業費が頭打ちないしは削減傾向にあります分を、むしろ補てんされたというところが現実的な案かと思われます。そして、本当にこれが緊急の二次補正であるべき正しいターゲットであるかどうかということについては再度お考えをいただきたいと思いますが、引き続く財務金融委員会も大臣とは御一緒いたしますので、ここではこれだけでとどめさせていただきます。

 引き続いて、坂口厚生労働大臣にお願いいたします。

 私は、小泉首相が掲げられる構造改革、中身において私とは違いますが、やはり今の現代社会、日本の困難性を次代に本当に展望していくためには、必要な構造改革があると思います。やはり、少子高齢化、子供たちの数が少なく御高齢な方がふえていき、生産年齢人口が減る、このことは大前提でございまして、果たして、私にとっては、この先みんなが本当に安心して、特に命の安心をきちんと保障されて暮らし得る社会が展望できるかどうかが一番大きな課題でございます。

 そのためにも、医療資本整備、医療提供体制の整備ということを、いわばこれは短期的にも中期的にも長期的にも本当に構造改革していくような形で国の予算が使われるべき。今は過疎と都市の医療格差も開いておりますし、世田谷の病院での先般のセラチア感染症を見ても、本当に、命の安全ということについて、今、国は揺らいでおると思います。

 その中にあって、ぜひとも坂口厚生労働大臣には御尽力いただきたいですが、今回の補正予算案の中で、長期的、中期的に見た医療の安全供給体制に寄与していけるような展望があるとお思いであるか、また、あるとすれば何であるか、お教えください。

坂口国務大臣 第二次補正という非常に限られた中ですべての展望があるかと言われれば、それは非常に限定されたものだというふうに言わざるを得ません。

 全体といたしまして、六百八十四億円、第二次補正の中で医療施設整備に使われております。電子カルテの導入の促進、それから療養病床への転換、そして国立成育医療センター、いわゆる小児科の中心病院でございますが、その研究所等の整備、こうしたことを中心にしてこの施設整備が行われているわけでございますが、これらはそれぞれの今後を目指します一端でございまして、今御指摘になりましたように、少子高齢化に対してどう対応をしていくか、それにつきましては、やはり小児科病院等が大変数も少なくなってきておりますし、先生の数も少なくなってきているというような状況にどう対応をしていくかといったことも含めて、総合的な対策が必要ではないかというふうに考えております。

 長くなりますから、また、このぐらいにしておきます。

阿部委員 今の御答弁とも関連して、私の方から二、三お願いがございます。

 世田谷のセラチア感染症でもそうですが、私立病院は、土地の取得、病院の建設に至るまで非常に負荷が強いものでございます。この世田谷の病院でも、例えばある個室に手を洗うような場所があれば、感染が看護者から広がっていくというふうなこともいかようにも軽減されます、絶対なくなるということはまた別でございますが。そのような、いわゆる医療業界における官民格差、これは小泉改革が民主導ということをうたっておられる中にあっても、医療は特に官民格差が強い分野でございますので、施設整備、特に安全性についての施設整備に国からの補助をしかるべく考えていただければと思います。

 もう一点。さきの厚生労働委員会で、いわゆる障害のある方たちが医師や看護師や薬剤師になれるという医師法の改正がございました。ただし、この改正には予算措置がついてございませんで、私の後輩で、やはり参考人でお話しさせていただきましたが、頸椎損傷の若者が今医者の研修を受けておりますが、その彼のための、さまざまな病院の機構というか病院の建物自身、彼が実際に診療したり宿泊したりできるようにはなってございません。バリアフリー化ということをあわせて予算措置していただければ、やはりさまざまな障害のある方が医療現場でも働くようになれる、そのことによって医療の質が優しくなれると思いますので、これは坂口厚生労働大臣の御見識で、きょうとは申しませんから、ぜひとも、私の方からの要望でございますので、お聞きおきくださいますように。

 引き続いて、武部農水大臣にお願いいたします。

 昨日、本日の予算委員会、雪印問題といわゆる狂牛病に関連したことがかなり論議されておりました。

 そして、私は従来から、武部農水大臣は、実は主観的にはとても誠実に御答弁なさっているのだと思います。こういう評価を私がするのは大変失礼と存じますが、しかしながら、私は、御答弁を聞いてそのようには思います。ただし、その主観と客観の間に生ずるずれがさまざまな問題を引き起こしておると思いますので、そのずれについて、きょうは、失礼ながら私の方から何点か指摘しました上で、どうやってこの事態を改善していくかということについて、幾つかの質問をさせていただきます。

 雪印問題、確かに雪印食品のこの間のさまざまな、武部農水大臣の言葉をおかりすれば、信じられない、あり得ないような偽装工作をもって発覚いたしておりますが、実は、輸入牛肉を和牛と偽る、この手法は今回に始まったことではございませんで、公正取引委関係では毎回のように、輸入牛肉を和牛と偽り高く売るということは、既に幾つもケースがあると言われております。

 そうした公取委の経験を踏まえました場合に、果たして今回のいわゆる検品体制が万全であったか。検品とは、保管されている牛肉を焼却に回すまでの間チェックをいたしまして、いろいろな意味でこれが本当に和牛であるのか、そして焼却にどの部分から回していくのかということを各倉庫別に行っていく作業ですが、この検品体制に問題はなかったのか。この点をやはりきちんと詰めないと、今、もちろん雪印食品は大変悪うございますが、逆に悪をはびこらせるような行政体制があったのではないかということも非常に重要でございます。

 検品体制について、特にこれは農水省の外郭団体といいますか、特殊法人の農畜産業振興事業団というところが行っておられる由ですので、その部分に実務的に詳しい方から、検品体制についての実際、そして問題点、改善点を伺います。

須賀田政府参考人 検品体制でございます。

 今回の事業は、事業主体が在庫証明で確認をしていたわけでございますけれども、事業団の方は昨年の十二月二十五日から一月二十四日まで、隔離牛肉を保管している二百五十九の倉庫のうち、三十二カ所で抽出の検品を実施したところでございます。

 その検品は、まず保管数量の多い倉庫を選びまして、次に倉庫ごとに保管数量に応じた一定の抽出数を確定しまして、必要箱数について証票等を確認する。それから、箱をあけまして中身を取り出して、在庫証明書の記載事項と同一であるということを目視によりまして確認するということでございまして、一倉庫当たり二人から四人でやっておりました。

 今般の不祥事の発生によりまして、このチェック体制にも問題があったんじゃないかとさまざまな御指摘を受けまして、そういう御批判にも率直に耳を傾ける必要があろうというふうに思いまして、まず手始めに、今後は検品を全倉庫に対して実施するということとしている次第でございます。

阿部委員 けさの朝日新聞の報道の中で、公取委関係の方が述べておられますが、最近の牛肉の生産の様子を見ると、目視で和牛か輸入かということを見きわめるのは極めて難しいというふうな記載もございます。果たして、御指導のとき、業務として検品を指導するときに、そのような留意点、改善点はございますでしょうか。もちろん、こんなことは次にあってよくないことですが、万全を期してなおということでございますから、その点について。

 それから、この業務にかかわる職員は一体何人でございましょうか。

須賀田政府参考人 確かに、一般的には国産牛肉と輸入牛肉は、赤身のぐあいでございますとかカットの仕方が異なっておりまして、よく判別ができていたわけでございますが、最近、豪州でございますとかアメリカでございますとか、日本向けの専門の輸出牛肉をつくる、カットも国産と同じようにするということで、なかなか、物を見せられて国産と輸入牛肉とを判別するのは難しくなっております。そこで、できる限りの、シールでございますとか伝票でございますとか、その周辺の状況でできるだけ確認、判別をしていくというふうにしております。

 なお、検品の職員数でございますけれども、約百八十名でございます。

阿部委員 昨日私がお伺いしたところ、事務方は十名という御答弁でしたので、どうしてそんなことでできるかなと思いましたが、今の御答弁を公式と伺います。

 そして、なお目視で難しいことは、やはり解体のその時点から牛の由来をきっちりして最後まで、ブロック化されたところまでそれをつけるという、逆に言えば、消費者のところまで生産がどこであるか、解体がどこであるかを明示するような体制をおとりになるべきだと思います。その辺が、先ほど武部農水大臣おっしゃいましたが、安全と安心の間には乖離がある、確かに乖離でございますが、その間の行政がきちんとしないと、やはり安全と安心の間には乖離ができて当然だと思います。特に、食品衛生法等も消費者への周知という視点が極めて薄い法律でございますから、やはりきちんとした生産管理、そして流通の仕組みを農水行政としてやっていただきたい。

 それからもう一点、やはり武部農水大臣にぜひともお考えいただきたいのは、せんだって三頭目の狂牛病が発生した群馬県の事例ですが、二千頭に及ぶ牛を牛舎で飼っているわけでございます。牛の波ですね。こういうふうに大量に牛を肥育する体制。そして、これは実は牛乳問題でもそうですが、酪農において生産調整、これも大量につくり、水と脱脂粉乳に分けてまた合わせるというふうな手法、工場様式を導入すると、どうしても個々の管理の安全性というものが保証されない。

 ですから、これからは食の安全性体制というのは極めて、逆に言うと小さな区分で確実に目配り、手配り、気配りがいくような体制に農水行政を改めるという、この決意とお覚悟を持っていただかないと、実は、安心と安全の間には乖離があり続けると思います。

 この点について御意見を伺います。

武部国務大臣 阿部先生のような方がスタッフにいて御協力いただければ、安全と安心の間の距離を縮めることができるのになと、先生のお話に大変恐縮しながら、そんなことを考えさせられた次第であります。

 まず、農林水産省としてトレーサビリティーを徹底してやろうということで、今その準備を進めております。もう実際にこれを進めております。

 また行政、農林水産省は、正直申し上げまして、やはり生産者に軸足を置いていたのじゃないか、こういうふうに言われても否定し得ないところがあったのではないか、このように思っております。食と農の一体化、生産者の向こう側には消費者がいるのだ、消費者と生産者の間に顔の見える関係というものをしっかり構築するということが私は大事だと思いまして、就任時には、我々は生産者と消費者の間に立って仕事をしよう、こういうことを訓示した次第でございます。

 なお、やはり行政上の構造的な問題を、このBSE発生で私は感じました。したがいまして、過去のことについても、客観的な検証、科学的な知見というものをもとに、今後の畜産・食品衛生行政のあり方というものを抜本的に見直す必要があるのではないか。縦割り行政の問題もございます。そういう意味で、微力ではございますけれども、そういう意識、認識に立って、しっかり農林水産省の大改革に取り組んでまいりたい、かように存じている次第でございます。

阿部委員 もう一点、いわゆる感染源、果たして何がこの狂牛病問題の感染源として考えられなければいけないかということについても、スタッフとしてくださるというので、一、二御提案がございます。

 先ほど農水大臣が、いわゆる感染経路について三つのことを挙げられました。この一、二、三のうち、国内で肉骨粉と他の飼料がまざる可能性がないか、この点について、ニュージーランドから輸入されたものがまだまざって起こしたかもしれない可能性がある。二点目が、イタリアから輸入したものが高温の処理を経ていない可能性がある。三点目は代用乳の問題で、この原料の中に、オランダから輸入の油脂が入っておったという三点を指摘されました。

 私も、実は、この狂牛病問題、どの時期に牛が何を食べればこのような事態になるかをずっと考えてまいりました。そして、私の経験からすると、かなり消化管、腸管が未熟な時期に取り入れたものが、三年、四年の潜伏期を経て狂牛病を発生するのではないかと医学的な見地から思っております。その場合に、私自身は、一番代用乳が問題と思っておりまして、質問主意書も出させていただきましたが、質問主意書の中でもお答えがいただけませんでした点が一点ございます。

 実は、油脂に関しましては、レンダリングの途中で生じてくる油脂以外に、牛を解体したときの脂身を油脂製造工場で処理いたします。この脂身にもしプリオンが付着していた場合、これはめぐりめぐって代用乳の中の添加油脂となる可能性がございますが、一点お伺いしたいのは、オランダの油脂については、どのような精製過程の油脂であったか。そして、なぜ日本の国内においては、肥料等の取り扱いの規制の中にこの油脂が含まれていないのか。二点。

 もし御存じがなければ、次回お調べいただいての答弁でも結構ですが、私は、原因究明をきっちりしない限り、消費者の不安も生産者の悲劇も解決しないと思います。購入したえさで、自分たちは気がつかずに、ある意味で与えさせられ続けていたわけです。牛もかわいそうですし、生産者は本当に今悲鳴を上げています。この意味からも、本当の意味で、農水行政のきちんとした原因究明ということは大事と思いますので、今お伺いいたしました、オランダでの油脂の由来、我が国はなぜ油脂類を規制しないのか、この二点、お願いします。

須賀田政府参考人 ちょっと知識のない部分はまた次回お答えをさせていただきたいと思いますけれども、油脂は背脂肪と腹の脂肪でございまして、まじる割合は〇・一五以内ということで規制をされているところでございまして、そういうものであれば安全だと言われております。

 オランダのものは、持ち帰った調査試料によって、その安全性が確認できるかどうか、今分析を行っていただいているところでございます。

阿部委員 では、日本でのこの油脂についてもぜひとも分析を行ってください。なぜこういうことを申しますかというと、これは成分規格等省令の規制の対象となっていないのです。もしそこの中に混入したものがあれば、これからも、牛は大体一週間目くらいから代用乳を与えられますから、感染は継続することがございます。

 そして、最後に、武部農水大臣にお願いというか、私なりの考えがございます。私は、冒頭申しましたように、農水大臣の個人的誠意は人後に落ちないと思います。ただし、物事がこういう事態を招いたときの責任体制ということは、これは政治家であれば構えなければいけないことが多々あると思います。私は、先ほどの農水大臣がきちんと農水省を指導するというお言葉、それは一つとても大事と思いますが、物事の節目、けじめもございますので、この点については、よくよくいつどのような判断で国民にきちんとした謝罪を最高責任者が行うべきかということをお考えいただきたいとお願い申し上げて、私の質問を終わります。

武部国務大臣 ただいま阿部先生から、非常に重みのあるお言葉をいただきました。私も、BSE発生以来、本当に今度のことではいろいろなことを体験しましたし、また感ずるところ多々ございますが、とにかく今なお消費がふえない、生産者にも消費者の間にも不満がうっせきしているというこのときに、対策の実をどう上げていくかということが今一番大事なことではないか、このように認識して努力をしている所存でございます。

 また、同時に、私の政治家としてのあり方と農林水産大臣としての責任ということも常々考えて、総理も、職責をしっかり果たし、国民の皆さん方に安心していただけるような体制づくりに全力を挙げるように、こういう御指示でもございますので、今阿部先生のお言葉も拳々服膺して、しっかり努力してまいりたいと存じます。

津島委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

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