第154回国会 財務金融委員会 第4号(2002/02/27) 抜粋 ○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
冒頭、質問予告はしてございませんのですが、先ほどの民主党の小泉委員の御質問を聞きながら、塩川財務大臣が大変いい御答弁でございましたので、健康問題、とりわけ健康保険問題、今、サラリーマンの自己負担三割が政府・与党方針として決まったということで、来年四月の三割負担上げを明記するというお話に関連して、一つだけ、あえて質問をさせていただきます。
先ほど小泉委員のお話の中にもございましたが、日本で三万人を超える自殺者数、そして、六十歳代の方が三五%、三十代から五十歳代で五〇%、大変に働き盛りの、それも男性の自殺者が多うございます。この現実に対して、せんだってアメリカのある学者が来日された折に、大変異常な事態である、これほど繁栄した国で三万を超す自殺者が、それも働き盛りに多いということに非常にショックを受けて、私にもお話をされましたけれども、先ほど塩川財務大臣のお話の中に、やはり非常にお心を痛めておられると。
あわせて、先ほど大臣もおっしゃいましたが、六十歳代に難病の方が最近多く発生しておる。そしてまた、いわゆる糖尿病なども国民病になっておる。五、六人に一人は、この中にももしかしてお持ちの方おられますでしょうか、そうした方々は、実は早期受診、とにかく一刻も早く受診していただければ、例えば失明せずに済む、あるいは腎臓の透析などに至らずに済むということで、まず、窓口負担と申しますのはアクセスの第一歩でございます。これが三割負担になりますと、実は国民の負担増四千三百億と試算されております。
私は、今の経済状況、いろいろかんがみましても、自殺者の数、そして医療へのアクセスがまず第一悪くなるということが、この国の体力を弱めるのではないか。もっと言えば、働く皆さん、私たちの極めて不幸な結果を生むのではないか、そのことをいつも案じて質問させていただいておりますので、塩川財務大臣として、内閣、与党のお一人として、この医療問題、さっき少しお話しいただけましたが、三割負担ということもかんがみて、どのようなお考えにあるのか。
私は、一言で申せば、医療問題はお金を絞り込めばよいということではないのだと思います。必要なところに必要な手当て、特に初期の、早期の受診を推奨するような方向に持っていっておかないと、結局、最後がきつくなる。そして、今の小泉構造改革の三十兆枠と言われる中で、聖域なき歳出の見直しということで、むしろぎゅうぎゅう締める形にすることがかえって傷を深くするのではないかと案じておりますので、一言お考えをお教えいただければ、それも財務大臣は極めて人間的なお言葉でお答えくださいますので、政治家としての御見識をお聞かせくださいませ。
○塩川国務大臣 それは、保険料も税金も安ければ安いほどいいわけでございます。それは私もその点には賛成でございますし、何も三割に引き上げたくないということでございます。しかし、昨年の八月の末でございましたか、概算要求のときに厚生労働省と交渉いたしましたときに、社会保障についての当然増というものが高齢化社会で当然起こってくる、自然増といいましょうか当然増といいましょうか、その分についての算定をいたしましたら、約一兆三千億円近くになるというお話でございましたので、その半分は気持ちよく私たち持とうということで、即決いたしたのであります。そして、そのあとの半分については、約七千億円近くについては、いろいろな諸制度、いろいろな行政との均衡をとって、それぞれの節約もしてもらいたい、こういうことで話し合いをいたしました。
ですから、政府としては、福祉事業というよりも社会保障に対しては特段の配慮を当初からしたということはひとつ、だれも言ってくれませんけれども、これだけは認識しておいていただきたいと思うております。
その上に立って、私たちは、この医療制度の抜本改正に今取り組んでおるわけでございますけれども、私の一番の主眼とするのは、この制度、いわゆる国民皆保険というこの制度をずっと持続していきたい、永久に持続していきたい、中身は非常に濃淡があるかもわかりませんけれども、この制度を持続したいということが一番の眼目なのでございます。
それは、今これだけ不景気になって、皆さん非常に生活は苦しいだろう。悲惨な暗たんたる話が多い。けれども、国全体、国民全体は、何か一抹の安心を持って、きちっと生活をしておる。外国の人が来られましたら、日本は不景気だと言うけれども割と秩序正しく生活を維持しているじゃないかとおっしゃるのは、私は、やはりこの保険制度があって、皆さんが病気をした場合、何とか面倒を見てもらえるだろうということ、そして、少ないけれども年金というものがあって、おばあちゃん、おじいさんが小遣いぐらいはあるということ、この制度、この社会保障が今の社会にとって非常に有効に働いておるということを、これをやはり考えないかぬ。そうすると、この保険を維持するためには、少しはお互い譲り合いをしてもらいたい、それが小泉総理の口から出ました三方一両損ということになってきたのであります。
そういうことがございますので、私たちは、この制度を維持したい、その一点から出たことで、これが永続的にどのような格好で負担を強制するかわかりませんけれども、とりあえず二割負担を三割に上げていただいて、御辛抱していただきたいということでございます。安くするのは、もう私たちも努力で、できることは何ぼでもしたいと思いますけれども、現在の財政状況では非常に難しいことも御理解いただいて、御協力をお願いしたいと思っております。
○阿部委員 塩川財務大臣の長い政治家としての御経歴の中で、社会保障の大切さということ、特に日本の国民皆保険制度の堅持という観点から、三割負担ということを今回打ち出されたということで伺いましたけれども、何度も申し上げますように、今時局は、大変にサラリーマン御本人にとって、失業の不安あるいは収入減、さまざまに問題が多うございます。私は、とにかく健康さえ維持しておれば、本当にまた花の咲く日もあるというくらいに考える。国民の命は政治の基本でございます。ここで約四千億円の受診抑制が考えられるような政策、逆に四千三百億円の負担増が考えられるような政策というのはこの国の体力を落とすということをどの場でも申し上げましたが、このことをあえて今この時点でやらなくてはならない必要性は、私は、予算案総体の中を見ても、まだまだほかに打つ手があると思いますので、私の見解も申し述べさせていただきました。
では、引き続いて、本来質問通告してございます質問に移らせていただきます。
昨日の予算委員会の集中審議でも、公的資金の注入問題が、各、塩川財務大臣あるいは柳澤金融大臣、そして日銀の速水総裁からもお考えを聞かせていただきましたが、私は、こうしたお考えを聞く中でも、ある意味で、いつまでも入れるか入れないか論議ばかりしておって、国民が一番不安な点、不満な点、知りたい点についてはどなたも言及しておられないという認識を持つに至っております。
二月十四日の日に、実は塩川財務大臣にこの件について私は予算委員会で同じ質問をいたしまして、そのとき塩川大臣のお答えが、公的資金の注入に関しては、三年前の金融再生法に基づく公的資金の注入とは効果もねらいも異なる、そして銀行に食い逃げされないようにする。効果もねらいも異なり、銀行に食い逃げされないようにする。私も、三番目の表現を余り繰り返したくはないのですが、でもまず、もし公的資金の注入をあり得る選択肢の一つと考えられるときに、効果、ねらいという点について、もう一度塩川財務大臣のお考えをお聞かせください。
○塩川国務大臣 公的資金の注入というのは、これは法律によりまして、たしか預金保険法ですか、百何条かだったと思うておりますけれども記憶は定かでございませんが、どういうときにできるかといったら、金融秩序が破壊される危機に瀕したとき、こう私は認識しております。
ですから、公的資金の注入ということはよく世間で言われますけれども、そういう事態に本当になっておるのかなっておらないのか、この認識は非常に大事な問題だと思いますし、下手にこれを、現状はそうだと言ったら、これは国民に大変な不安を与えることになる。
実態はまだそういうところに至っていないということでございますから、私は、そのときの答弁でも、予算委員会の答弁でも、必要な状態になればということを申し上げておると思うておりまして、その場合には、さっきおっしゃるように、しっかりとした、食い逃げされぬように十分な検査をした上で、必要の状態をちゃんと見届けた上でやるべきだということを言っておるのでございまして、今、それをやらなきゃならぬ状態でも何でもない。
そういう事態が起こってくる、それは何か。不良債権の処理の状況いかんによりまして起こってくるかもわからぬ。そのときには、先ほど言った注入の必要性がある。
そして、今回、注入する場合は、三年前の金融機関の早期健全化というものとちょっと意味が違ってきて、不良債権の整理ということの方に重点を置いた処理になってくるから、検査の状態とか何かそういうところに十分な手当てをした上で実行すべきだということを言っておるのでございまして、十分に御理解していただきたいと思います。
○阿部委員 国民が一番今知りたいと思っておりますのは、三年前の公的資金の注入、七兆五千億ですか、その際のお金がどのようにある意味では吸収されてしまったのだろうか、それを塩川財務大臣は、食い逃げと今もおっしゃいましたが、そういうお言葉で表現されたのかと存じますが、再度食い逃げ状態にならないために、何と何と何に注意なさると今お話しくださったのか、恐縮ですが、もう一度確認をさせてください。
○塩川国務大臣 私は、積極的に自分から食い逃げと言ったんじゃなくて、質問者の方が食い逃げをしたやないかと言うから、いや、食い逃げと違うで、こういうことを言うたので食い逃げとなったんですけれども。
結局、あの当時の注入というのは、私は、非常に大きい効果があって、それがために金融危機というものに本格的に取り組むようになったんです。これは、国会が発議されてあの法案を通されたということは、私は、国会は大変ないい仕事をされた、国民のために絶賛されてしかるべきだと思うほど、それほどいい結果になったと思うておりますが、しかし、それから、その数年たつ間に、いわば資産デフレが一層深刻になったことから、不良債権がふえてきた。いわゆる経済政策とかなんとかそれ以前の、いわば資産デフレがこういう事態をもたらしてきたということでございますので、今回、もし不良資産の整理を行うということになれば、金融の健全化とあわせた上で処理をしていかなきゃならないということを申し上げておるところであります。
○阿部委員 これも本日の質問の中で出ておりましたが、今、やはりデフレの中でも資産デフレ、土地、株などなどはまだまだ改善しておらないという御認識も、先ほど塩川財務大臣御自身がおっしゃったことでもあります。
そして、経済というものも、生き物でございますから、今大丈夫に見えても、あるいは、あすには何か起こるかもしれないという大きな動きの中で論じなきゃいけないことも存じておりますが、そうした場合に、恐らく、きょうの委員会全体通じて拝聴しておりましても、やはり事態に対しての診断が、見立てが大きく異なっておるのだろうというふうに私も印象を受けております。
そして、いつもこれはお伺い申し上げますが、柳澤金融大臣、自己資本比率は十分あるし、風評被害、おどろおどろしいものに踊らずに、しっかり、大丈夫とおっしゃるのは常のことながらでございますが、でも、例えば、フジタ、三井、住友、この三建設業界の合併問題をとりましても、背景に三井住友銀行のメーンバンクとしての問題、それがまたダイエーという企業の再建を抱えておる問題等々、国民の目から見ましたらば、今一番デフレの、そしてバブル期にいろいろな問題を抱えておった建設業界、流通業界での問題が、銀行とリンクしながら、やはり相絡まって物事が進んでおると見える方が、私は、普通の国民の感覚であり、決して、おどろおどろしく、余分なものに、いないお化けに驚いているのではないと思います。
そこで、しかしながら、あえて、柳澤大臣の、御見識も御経験もおありでしょうから、公的資金の注入は今ではないというお見立てになっておりますが、これも人間の体に例えますれば、例えば出血を既に来してから輸血をしても大量の血液が必要になります。出血の兆候、予兆的なもの、医学では血小板の減少と申しますが、減ったときに既に入れておけば未然にとめられるものもたくさんございます。
今の段階、もちろん、預金保険法の百二条は、予防的な投入ということを、読み方によってはそうもとれるというふうな御見解もきのう拝聴いたしましたが、現状の認識の中で、再度、柳澤金融大臣にお伺いいたしますが、公的資金の投入もあり得るチョイスと考えた場合に、何と何をまずしておかなければならないか、チョイスの一つとしてで結構ですから考えた場合に、何と何をしておかなくてはならないか。
私は、冒頭申しましたが、いつまでも投入するのかしないのかという論議をしておっても、実際にそのことが起こった場合に、少なくとも、国民が一番被害をこうむるのを少なく押しとどめるために、食い逃げが行われないようなために、何をしておく必要があるか、このことについても、まずもって模範解答を教えておいていただきたいと思います。お願いいたします。
○柳澤国務大臣 ちょっと、阿部委員の御質問の方向性というのが、私、正確にとらえられたかどうかおぼつかないわけです。
それは、ちょっと、手短に申しますと、金融の安定性というものが大事だということであれば、これは公的資金入れたらいいじゃないかという議論は簡単に成り立つと思います。特に、現在のように、本当は大問題なんですけれども、国民の負担になるかもしれないというものですけれども、それでも、もうほとんど野党の皆さんも、入れろ入れろの大合唱をしていただいているわけですから、非常に気は楽で、入れりゃいい、それで安定すればいいじゃないか、こうなるんです。
では、なぜ、そこのところで、我々がそこはちょっとそうはいかないんですよと言うかといいますと、実は、お医者さんはどうおっしゃるか知りませんけれども、副作用というか、このお薬には大変な副作用が伴っているということが現実にあるわけです。
今度入れたら、経営に対する国家の介入というのがもっと深まるでしょうということがあるわけですが、その前にまず、もう銀行の中でも、首を切られる上層部のちょっと下ぐらいからはかなりサラリーマンかたぎというか、職を失いさえしなければいいというような人たちもいることも事実で、そういう人たちは入れたらいいじゃないか、こう簡単に言うということもわかるんですね。それはもう本当に主体的にその企業をやるということじゃなくて、自分の職を失わなきゃいいというような安直な考え方をするわけですね。そういうような人たちも賛成ということですが、そういうところにあらわれているように、本当に今日本の金融機関がやらなきゃならない構造改革の痛みを伴う努力というものの緊張感、このドライビングフォースというのが一遍になえますね。
そこで、じゃ、どうしてなえさせないようにするかといったら、公的な介入でもってなえさせないようにすればいいじゃないかというのが、そのおっしゃる方々の大体の言わんとするところですね。つまり、そこで国家の介入が起こるんです。では、国家の介入が本当に日本の金融機関を民間企業として成り立っていくように、例えば戦略的なビジネスモデルを立てる、国家の人たちができますか、そんなことが。できないんです。国家の介入でやれるのはせいぜいリストラで、それも全くストラテジックでないリストラで、もう一律月給は何ぼにしたらいいじゃないか、こういうような話になっちゃうんです。なりがちなんです。
そういうようなことになって、日本の金融機関が本当に将来立派な金融機関として、国際場裏でなくても活躍するように、国民の経済の血液の供給を担うものになるか。私は悲観的なんです。私は、民の努力というものをぎりぎり追い詰めていってやった方が、それは実現の可能性は高いということを確信しているんです。ですから、私は、容易にここのところは動かすつもりはない。
収益も同じなんです。収益も、阿部委員、これを入れたら収益力が衰えるんです、負担になるんです。配当しなくてもいいという説もあるけれども、配当せざるを得ないでしょう、国民に返さなきゃならないでしょう。収益力も衰えちゃうんです。そういうことなんで、私は頑張れるだけ頑張る。
それじゃ、柳澤、絶対入れないのか、入れます。それは、そういうデメリットを補って余りあるような金融の不安定、動揺、これは、そんなデメリットがあるからできませんなんて言っていられないんです。だから、そのときには、今阿部委員が言われるように、阿部委員のような、名医のような見立てができるかどうかはあれですが、我々もベストを尽くして、入れなきゃならないんだったら入れなきゃならないタイミングというのをもう絶対に逃さない、しっかり見ている、こういう考え方なんです。ぜひ御理解賜りたいと思います。
○阿部委員 私は柳澤大臣の経歴や御見識をある意味で信頼申し上げていますから、むしろお伺いしたかったのは、デメリットがあることは存じております。輸血とてデメリットがあります。非常に副作用の強いものである。しかしながら、人の生命の危機とかがあるときには入れなくてはいけない。また同時に、副作用をきちんと抑えておくべき打つ手もあると思います。
私も金融に国家介入するのは最後の最後の最後の、ですから、RCCの、買い取り機構の折にも私は反対の見解を述べさせていただきました。しかしながら、日本が本当にこのままの経済状態、先ほど塩川財務大臣もおっしゃいましたが、非常に経済が空洞化した中で、本当に辛抱強く、粘り強く頑張らなきゃいけないときに下支えできるだろうかという状態に、金融の全体がうまく機能していない状態があるのではないかと思うゆえに、あえて劇薬である公的資金の注入もお考えくださり、なおかつそのときの副作用を最小限にするための手だてをお二方に私は伺ったつもりです。
私、あと一問質問が残してございますので、恐縮ですが、この件についてはまた柳澤大臣にも重ねてお考えを伺っていくつもりですので、最後の質問に移らせていただきます。
国内の銀行のことではなくて、国際協力銀行のことに関してでございます。
いわゆるケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電所の問題で、我が党の保坂展人が既に去年の六月六日の外務委員会とことしの二月二十一日の予算委員会でお尋ね申し上げたことですが、いわゆるこの水力発電所の円借款につきまして、第一期は九七年に六十九億三千三百万円の借款が既に供与決定されておりますが、引き続いて第二期についても、一九九九年の八月、実は鈴木宗男、その当時森内閣の官房副長官でいらしたでしょうか、ちょっと正確でなくて済みませんが、がケニアにいらしてモイ大統領と協議なさり、一九九九年の九月に事前通報という形で第二期工事分が決定されておりますが、この借款供与の額はお幾らでしょうか。
○溝口政府参考人 お答え申し上げます。
第一期分は九七年の一月に政府間で交換公文を結びまして供与をいたしておるわけでございますが、御指摘のように六十九億円でございます。
第二期につきましては、九九年の九月に、これは事前通報と申しますが、これから交換公文を政府間で結んでいきますよ、その話し合いをしましょうという手続をとるわけでございますが、それを九月にいたしたということでございます。金額は百億円程度でございますが、それは交換公文を詰めるまでの間に最終的に詰めるものでございまして、そこで決定されたとかそういう性格のものではないということでございます。
○阿部委員 その一九九九年の九月に一応概略百億円という形で決定されて、いまだに交換公文に至っていないところの事情は何でしょうか。
○溝口政府参考人 このプロジェクトは、ケニアの国境にあります、ビクトリア湖という非常に巨大な湖がありますが、そこに幾つもの川が流れておりまして、その流水を利用して発電をしようというプロジェクトでございます。
ケニア自身はアフリカの中ではかなり大きな国でございまして、人口三千万ぐらいでございまして、電力が恒常的に不足してしょっちゅう停電が起こるということで、九〇年代の初めぐらいから電力の開発ということがこの国の大きな課題であったわけでございます。
そこで、ソンドゥ川という川の水を少しとめまして、その水を使って発電するわけでございますが、九七年に一期分、これは発電のための水を確保する取水池をつくるとか、その水を流す導水路をつくるというような工事でございます。それをまず一期でやろう。二期は、今度は発電の施設を入れるということになるわけでございます。
それで、発電の施設を入れる分につきまして、九九年の九月ぐらいにこれからよく話をしましょうということをしたわけでございますが、御指摘のように交換公文に至っていないのは、その後、ケニアの方から日本のJBICに対する、円借款がかなりあるわけでございますが、その支払いの遅延が生じました。それで、支払いの遅延が生じますと、これはまた新たに貸しましても返ってくるものかどうかという心配があるわけでございますから、そういう遅延の状況、あるいは、広く言えば債務の返済状況をよく見なければいかぬという問題が出てきております。この問題は、まだ必ずしも確実に解消したということになっておりません。
それからもう一つは、今度、一期工事が始まりまして、いろいろな工事が始まりますと、住民の移転なんかがありまして、それはさほど多くの数じゃございませんが、九百人ぐらいおられたそうでございますが、移転の補償料なんかについて十分じゃないのではないかというような声があったり、あるいは、水が十分確保できるのかというような問題ができまして、そういう、環境、社会問題をケニア側でちゃんと処理をしなきゃいかぬということになりまして、これは、現地の政府、それからNGOの方々、住民の方々等々が入りまして、委員会をつくりまして検討しているわけでございます。この検討も二年ぐらいかけてやっておりまして、かなり進展したと聞いておりますが、まだ十分でない。
したがいまして、この二つの問題によりまして、正式に政府間で交換公文を結ぶという状況になっていないということでございます。
○阿部委員 先ほど私は質疑の中で森内閣と申しましたが、小渕内閣でございました。
この件につきましては、引き続き我が党の方で詰めさせていただきますが、やはり百億近いお金の使い方でございますから、もう既に三年以上経過をして、いろいろな問題が山積みしておる中で、予算の使い方でございますので、塩川財務大臣にあっても、ODA予算の見直しといったことも関連いたしますので、見識ある御対処をお願いいたします。
終わらせていただきます。
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