第154回国会 財務金融委員会 第8号(2002/04/02) 抜粋 ○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
きょうは三大臣におそろいいただきまして、ありがとうございます。
冒頭、各委員から御質問がもう既にございましたことですので、ごく簡略にお伺いを申し上げますが、いわゆる三月危機問題、日銀の短観を見ましても、あるいは二月の税収の減少を見ましても、引き続く不良債権の問題を見ましても、経済、財政におけるいわゆる危機の事態というのは今後もあり得ることとどなたもお考えではあると思います。
そこで、おのおのの三大臣に、塩川財務大臣、柳澤金融大臣、そして竹中経済財政担当大臣に、おのおののお立場から、どのようなことを最もリスクファクターとお考えになりながら、今後の各部署のお仕事を続けていくか。特にいわゆる三月危機と言われたようなこと、これは先ほども五十嵐委員でしたかどなたかでしたか、また五月危機とかいう形で、ずっと危機、危機と言われるような事態というのは国民にとっても幸福ではございませんので、おのおのの担当大臣に、何を一番おのおのの担当からリスクファクターと見られて、そしてそこに注目しながら運営をしていかれるかということで、御所見を伺いたいと思います。
○塩川国務大臣 私は、二月の末ごろだったかと思いますが、この委員会で三月危機のお話が出ましたときに、いや、そういうことはないと思いますと。あのときには、今、目下啓蟄の時代で、ちょっちょっと虫が動いておる時代、そういう春がやってくるという時代だ、こういうことを申し上げたと思っております。
まさに春になると同時にだんだんとようなってきたでしょう。ですから、経済というものは、そんなに数字でばかり判断するんじゃなくて、やはり世の中の動きが経済に映ってきておるのです、それは。ですから、私は、三月危機というのは初めから否定しておりました。
けれども、また、景気が非常に厳しいということは私は絶えず言っておることでございますので、景気が厳しいということと、危機だ危機だということとは、ちょっと違うと思いますね。
また、今度、四月危機、五月危機、ずっと危機続きますけれども、これはやはり、マスコミとか評論家は危機と言うていなければ論文の値打ちがないものだから言っておるのです。私は、しかし、厳しいということは否定しませんよ、これは大変だ、だから、それに対する対応はやらなければならぬ、危機だといって危機対策で追われていくという必要はないと思っております。
○柳澤国務大臣 私も今の塩川大臣と同じで、厳しい状況が続いているというふうに思っておりまして、そういう中で、私の担当であります金融機関あるいは金融機関の固まりとしての金融システム、このあらゆる面について、注意を凝らして適切に対応していかなければいけない、このように考えて仕事に取り組んでいるところでございます。
○竹中国務大臣 政府の月例経済報告におきましては、景気は依然として厳しい状況にあるものの、一部下げどまりの兆しが見られるというふうな判断をしております。
しかし、御指摘のように、幾つかの考慮しなければいけないリスクファクターが存在しているということも十分に認識しているつもりであります。
二点申し上げたいと思いますが、やはり、先ほどからさまざまな形で議論なされていますように、不良債権の問題、バランスシート調整の問題というのは、一つのリスクファクターとして今後とも注意をしていかなければいけない問題であると認識をしています。
もう一つ、あえて挙げるとすれば、循環的に日本の経済は少しいい姿が期待できる状況になっておりますが、これはアメリカの動向に依存している面も非常に強い。さらには、在庫調整等々が進展しつつありますが、国内で見ましても、設備投資循環、いわゆる資本ストックの調整が十分進んでいるとは言えないわけでありますので、やはり循環的な動きではなくて、日本の経済のファンダメンタルな部分をしっかりとさせていかなければいけない。
答えは、したがって、やはり構造改革をしっかり進めなければいけないということになるわけでありますが、今の二点が特にリスクファクターとして心しなければいけない問題であると思っております。
○阿部委員 では、塩川大臣と竹中大臣には後ほどまた質問を続けさせていただきますが、今の中で、竹中大臣からも御指摘であり、また柳澤金融大臣もきょうの御答弁で随所で触れておられました不良債権問題について、言及をさせていただきます。並びに、いわゆる金融庁による金融機関に関する特別検査のことも伺わせていただきます。
まず特別検査の公表時期でございますが、以前に森金融庁長官は、三月中の途中経過報告を示唆しておられたように記憶いたしますが、結果的にはまだ公表されておらないように思います。そして、その折に、金融庁といたしましては、銀行の三月決算を控えて、銀行自己査定にこの金融庁の検査結果を反映させるのがねらいというふうなコメントも聞かれておるやに思いましたが、果たして柳澤金融大臣、これから以降、可及的に早い時期と思いますが、特別検査の発表時期についてはいつとお考えでしょうか。
○柳澤国務大臣 これは、特別検査というものが、金融機関が決算を控えて一月から三月にかけて自己査定をします、そこに参加するというか、そういうことでやらせていただいておりますので、三月末までそうした作業が必要であったということでございます。それをこれから取りまとめて発表をするということになるわけでございまして、私どもとしては、半ばごろまでには取りまとめたい、このように考えていることは以前から申し上げているとおりでございます。
○阿部委員 では四月の半ばの御発表という前提に立ちまして、次に公表の形をどうなさるかということですが、例えば、不良債権を発生させた企業ごとに公表することはもちろん難しいと思いますが、建設、流通などの業界別という形でなさるのか。あるいは金融機関側は、銀行別あるいは銀行業態別などのいろいろな発表方式があると思いますが、柳澤大臣としては、どのような形で特別検査結果を御公表なさいますでしょうか。
○柳澤国務大臣 前から申し上げておりますように、特別検査の結果が、特別検査をやったかいがあった、効果があったということを、これは最終的には国民の皆さんに御判断いただくことですけれども、そういうものの御判断をいただくことができるだけ可能であるようにということ、こういう事柄と、もう一つは、検査対象になった企業にいわゆる風評による被害というようなものをもたらさないようにということで、今どういう形があるかということを取りまとめをしながら、また同時にその形も決めるという作業をしているものと承知をいたしております。
その場合に、対象になった企業あるいは銀行というような個別のものというのは全く難しいというふうに考えておりまして、しかし、できるだけ御評価をいただけるのに容易なようにということで努力をしてまいりたい、このように考えております。
○阿部委員 柳澤金融大臣が念願であったペイオフも、四月一日、順調に開始した、一応そういう事態にはなっておるわけです。では、はたまた国民の側に銀行というものを評価する目安があるかというふうに、国民の側に振りかぶって考えてみますと、今おっしゃったような公表の仕方で、果たして本当に国民が自己責任で自分の資金を運用していけるような、そのための判断基準になるかどうかということは、私は極めて心もとないように思います。
例えば、この特別検査の公表結果が、要注意先債権とか破綻懸念先債権とか破綻先債権がどれくらいあるという形で大ぐくりに一括されましても、果たしてそれが国民に本当に利用し得る、自分に還元し得る情報であるか否か、私は疑問に思いますが、そこのあたりまで踏み込んで、国民の知る権利ということも含めて、なおかつ企業にも余分な風評被害にさらされないという運営上の守られるべきものは私はあるとは存じますが、その微妙なバランスの中で、どこまで踏み込んで、どういう形でお考えであるか、もう一度国民の側にわかりやすく御説明いただけますか。
○柳澤国務大臣 特別検査というのは、これはもう銀行の融資先としては大きなところではありますけれども、極めて一部にとどまっております。したがって、今阿部委員がおっしゃられたように、ペイオフとの関係で、国民の皆さんが評価を、例えば自分の預金の預入先を評価されるのとは、ちょっとそこには距離があるのが考えられるところでございまして、そういう特別検査の結果もひっくるめて、決算というもので、あるいはリスク管理債権の公表といったようなもので発表される情報、これに基づいていろいろと預金者の皆様方等にはお考えいただくということになろう、このように考えております。
○阿部委員 もちろん直接にペイオフとの短絡的な関係はございませんと思いますが、しかしながら、やはり国民にとりましては、今の銀行というもののありようは、絶えずどこに預けておいても安心ができない、逆に言えば、そのような目に見えない不安感に覆われているような状況というのも、やはり政治に携わる者としては御認識いただきたいと思うのであります。
そこで、そうした大きな不安感のもとになるのがやはり先ほど述べました不良債権の問題かと思いますが、銀行の三月期決算が終わって、その後不良債権処理が果たして順調に進むのかどうか。先ほどどなたかの、速水総裁でしたかのお話にありましたが、今ある不良債権自身の問題もあり、はたまた今後不良債権が新たに発生してくることもいろいろな要因から考えられる中であります。
三月決算で大手十二行の不良債権処理の損は、昨年十一月時点で六兆五千億と言われていたものが、一兆円ふえて七兆五千億円にすると言われております。また、一年前に比べましても、四割増加して二十四兆円だというふうに言われております。
見通しを聞くのは、さまざまな要因がございまして必ずしも正確な御答弁とならないので、柳澤大臣はお嫌いかとも思いますが、しかし、やはりある程度の見通しを立てないと国民の側への安心のメッセージも出てまいりませんので、二〇〇二年度における不良債権の見通し、それはすなわち景気の問題でもあり、土地の地価の問題でもあり、株価の問題も総合的に判断された場合に、この不良債権問題の一年ということを、今後の一年、柳澤大臣としてどのようにお考えか、お教えください。
○柳澤国務大臣 非常に難しい問題であるというふうに考えます。しかし、処理損というものは、今度の特別検査によるものは、また再びそれの損が出るということでは、これは物の本質上そういうことにはならないわけでありますので、二〇〇一年度に比べて、二〇〇二年度はそこまでは行くまいというふうに考えております。
○阿部委員 行くまいであればよろしゅうございますが、新たな不良債権の発生というのも、先ほど日銀の短観でも雇用情勢、まだまだいわゆる企業の側から見ると人員増である、しかしながら、リストラされる側、首を切られる側にとっては職を失い、強いて言えば、所得税を納入する本人が消えるということでもございますし、また、今の経済の状況の回復も、冒頭御指摘のございましたように、アメリカの景気の回復につれたもの、あるいは円安という輸出に係ったものという、実体経済の側はまだまだ弱含みというところも私はあろうやに思います。
そこで、この一年の不良債権という問題は、なお緊張を持って対処していただきたくも存じますし、また、いつも柳澤大臣は、きちんとした対処をすることによって絶対に金融システム不安は起こさないというふうにお述べでございますので、その点について御留意をいただきますようにお願い申し上げます。
引き続いて、塩川財務大臣にお願いいたします。
先ほど私が、三月危機は去りましたが、はたまた税収の落ち込みも六カ月ずっと続いて減収でございますし、塩川財務大臣が冒頭御発言でございましたが、いわゆる塩川財務大臣が復員された当初のような鉄鋼業とか、目に見えて我が国が、リーディングインダストリー、これが我が国を導いていくんだというような産業が、あえて言えば、今のところはっきりとは見えてこない。そのことについて六月ごろまでにも、政府としてこれからの日本の産業の発展、復興についていろいろな意見を聞いていきたいし、また、きょうは三十兆円枠のことは、私はその枠にこだわるかこだわらないかというような、そこの形式的な論議をしたいのではなくて、やはり有効なところにどのように投資していくかということを論ずべき場がここであると思っておりますので、そのような趣旨に塩川大臣のお返事を伺いました上で、先ほど塩川大臣は公共投資、そのことはいわゆる施設物――箱物というと言葉が悪いので、施設物も含めて、道路だけではなくて考えていこうというふうに冒頭おっしゃいました。
私は、それはついせんだっての補正予算を見ましても、かなり施設の各地域への補正予算が組まれましたので、そのようなお考えはあろうかと思いますが、いま一つぜひとも指摘させていただきたいのは、実はいつもまた言うことですが、医療と申しますのも、道路や日常本当に必要とされるものと一緒で、いわゆる社会的な公共資本としてこれから位置づけて、道路にしてもそうです、必要がないのではなくて、国民の生活や命の安全のために必要なものをどのようにつくるか。私は、医療という分野も、今ひたすらに医療費抑制ということが前面に出ておりますが、果たしてそのような考え方でこの国を導いていいものかどうか。もちろん高騰、暴騰させてよいとは思っておりませんが、医療というのは社会的公共資本だというふうな本当の基本的な観点を組み直すことによって、さらに私は必要な投資の生じてくる分野と思いますが、塩川大臣の御所見を伺います。
○塩川国務大臣 何か一遍にぎょうさん質問されたので、ひょっとしたら漏れているかもわかりませんけれども、まず最初に、今リーディングインダストリーはどういうことになるんだというお話でございました。
私は、これはもっと早く政府がその方向を示すべきだったと思うんですね。ITにもちろん集約していっておりましたけれども、それだけではやはり国際競争力に勝っていく日本の産業体制にはならないと思う。
これは私自身としては、やはりこれからの新しい産業技術の動向を見ますと、一つは、ナノの分野における技術開発が一つ大事だろう、それからバイオテクノロジーの分野、そしてIT、特にソフトの分野というのは、私は勝手に、そんな分野が本当はこれからのリーディングインダストリーとしての活路を開いていくべきだ、また、政府もそちらの方に産業界と協力して方向づけをしていくべきだということをかねてから考えておるのでございますが、私自身の所管事項でもございませんので、経済財政諮問会議等に、機会がございましたら、こういう問題を議論してもらうようにひとつお願いしたいと思っております。
それから次に、三十兆円にこだわっておらないけれども、金の使い方をもっと有効に使えということはもう当然でございまして、私は、平成十三年度、十四年度を通じて、皆さんから隠し借金の、インチキな予算だということをさんざん言われましたけれども、これによって、一応は、予算の使い方、金の使い方というものを各省とも大事にしてきた。要するに、行政コストというものを考えてくれたということは、これなりに効果はあったと思っております。
したがって、十五年度、十五年度後年度におきましても、この三十兆精神でもって予算を編成していくというこのやり方は変えてはいかぬと思っております。
しかし、一方において、経済のいわゆる拡大、そして需要と供給とのアンバランスを是正していくための経済のいわば活性化、拡大の問題については、やはり、全体としてもっと政府が考えなければならぬ施策は何だろう、それに伴うところの財源はどうするかということは今後の問題として考え、六月をめどに、大体この両方におけるあらかたな方針、基本方針というものを提出できるようにいたしたいと思っております。
医療についてでございますけれども、昨日、日本医師会の総会がございまして、会長選任の行事もあったのでございますが、その間におけるところの、医師会総会での議論ということを見ました場合に、医療の一般平面的な対策ではなくて、地域医療はどうするか、研究医療はどうするか、また、病院における病院経営としての医療をどうするかというような、そういう医療における役割分担的な対策というものも考えるべきではないかという意見も相当あったと思っております。
私は、来年度の医療関係の予算等におきましては、この前の抜本改正がございましたので、この抜本改正の趣旨にのっとって編成することは当然でございますけれども、日本医師会が提案されておりますところの地域医療のあり方とかいうものにつきまして、役割分担について、やはり厚生労働省ですか、ここなんかと十分に相談して、地域の人たち、住民に医療の心配のないような体制をしていきたい。
いかに先端医療の先端技術が進んだといたしましても、そちらの方に資金を使ったとしましても、地域医療の方で国民が心配するようなことがあっては何の医療なのかということになってくる。私は、その点についてかねてから非常に大きい関心を持っておるものでございます。そういう点を十分勉強したいと思っております。
○阿部委員 御見識のある御答弁をありがとうございます。
地域医療は、一つには、根本的にはやはりそこで暮らす人々の安心という問題でもございますが、地域産業の活性化ということについても、雇用の創出ということについても非常に大きな意味を持ってございますので、ぜひ政府の中でも前向きに取り組んでいただきたいと思っております。
最後に、竹中経済財政担当大臣に二点お願いいたします。
今の塩川大臣のお言葉の中にもありましたが、いわゆるリーディングインダストリーになるかと思われていたIT産業、これはITバブルと言い切っていいかどうかは私自信がございませんが、しかるべくアメリカ等々の例をとりますと、ある程度限定的な側面もございます。
今、アメリカでは、バイオ関連の産業がかなり全体の経済の活性化に貢献をしておるということですが、我が国におけるバイオ産業の位置と見通し、期待するものは何であるか、また制約は何であるか、あるいは限界は何であるかが一点。
それからもう一点は、先ほど、政府の税調と経済財政諮問会議等で論議するときの差は、グローバルに税制のことを考えられることだとおっしゃいましたが、私は、特に医療における官民格差、官民と申しましても、医療は公的医療機関のほかに医療法人経営がございまして、この医療法人の税制と財務状況の公開ということが極めて重要な意味を持ってまいると思います。
その二点について、ごめんなさい、これは予告していないのですが、竹中大臣にあっては何でもオーケーですから、よろしく御教授ください。お願いします。
〔中野(清)委員長代理退席、委員長着席〕
○竹中国務大臣 まず、リーディングインダストリーについてのお尋ねがございました。
この問題は、要するに、インダストリーというのをどのようにとらえるかということなのだと思います。戦略的に産業を活性化するということを考えるわけでありますが、いわゆる一九六〇年代から七〇年代にかけて行われましたように、いわゆるチャンピオンインダストリーを政府が選んで、そのチャンピオンインダストリーに資源を集中投下する、私は決してそういうことではないのだと思います。
IT産業という言葉がありますけれども、ITというのは決して産業ではなくて、ITこそ一つのインフラであるというふうに思いますし、デジタル情報を自由に、ローコストで早くやりとりすることができるようになった中で、実はバイオ産業というのは出てきた。アメリカのバイオベンチャーというのは、だからこそシリコンバレーに多くが立地しているという事実もあるのだと思います。その意味では、インダストリーの概念そのものを含めて、産業に対する戦略的対応を考えていきたいと思うわけであります。
しかしながら、バイオは、技術フロンティアがデジタル技術の活用も含んで急速に広がっている大変重要な部門であるということは認識しております。日本の場合、本来、バイオに関しては、いわゆる醸造業等の非常に伝統的な技術の中で非常に強い面があるという部分と、しかし、医薬品の産業が、どちらかというと経営形態が同族会社が多いというようなこともあって、一つの制約になっている。その可能性と制約、二つがあるというふうに思っております。
そういったところで、研究開発等々に政府が果たすべき役割は当然のことながらあると思いますので、塩川大臣がおっしゃったような一種の集中と選択を、塩川大臣は傾斜生産とおっしゃったわけですが、集中と選択と同じ意味だと思います。そういうところに重点を置いた一つの戦略をぜひ考えていきたいと思っているところであります。
税制との絡みで、医療の分野とのお尋ねがございました。
これは非常に個別の議論でありますので、余り十分にお答えするべき見識を私持っておりませんが、医療というのは非常に重要なインフラであるという側面と、重要であるからこそ、そこにやはり、これは言い方によっては御反論もあろうかと思いますが、そこにやはり何らかのインセンティブが、もっといい医療をしよう、もっといい頑張った医療をして患者さんに貢献しよう、そういうものをいかに入れ込んでいくかという点が、私はやはり両方なければいけないのだと思います。
極めて公的なものである、しかし同時に、それを担っているのはやはり個人であり経営主体でありますから、そこでの兼ね合いをどのようにつくり出していくかというところが、税制の面でも一つの工夫が求められているのだと思います。
御指摘のように、経済財政諮問会議の場合は、グローバルな視点という御指摘がありましたが、他の制度との整合性、例えば補助金と税とどちらがいいのか、保険と税とどちらがいいのかということを総合的に考えるということが重要な使命だと思っておりますので、細部のところまではまだ議論ができませんけれども、方向としては、そういう心がけでもって対応をしていきたいと思っております。
○阿部委員 私の前者の質問の趣旨は、いわゆるバイオ産業といっても非常に幅広い分野で、ただし、これから本当にそれが日本において定着し、ある意味で人々の幸福につながるとすると、そのもとになる医療という分野の足腰がしっかりしていないとやはり宙に浮いたものになるという意味で、医療についての必要な投資もやはりきちんとなさっていただきたいという点が一点です。
それから、後者の質問に関しましては、いわゆる日本の医療の特性は、半分が官、公立、半分が民間でございまして、民間の多くは医療法人という経営形態をとっております。私もその医療法人を預かる院長でございましたが、何が一番困ったか。いわゆる初期投資、土地とか建物を取得する場合に、公立と違って非常に負担が強い。そして、残念ながら、税制上はほとんど優遇がない。その結果、人員を削減しないと、官立、公立とは違って少ない人間でやらないといけないというところが非常に制約でございました。
私は、これから医療に株式会社が参入するという、その株式会社という言葉にこだわるのではなくて、例えば、私の医療、公の医療とやった場合に、税制で差をつける、あるいは情報公開、経営状況をもっと公開させる、これは財政諮問会議の中でも指摘がございましたので、情報公開に向けてなお担当大臣として御尽力いただきたいというお願いではございました。
どうもありがとうございます。
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