第154回国会 財務金融委員会
第15号(2002/04/26) 抜粋○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
まず、基本的には、今回の政府系金融機関に対する金融庁の検査の導入ということは長年社民党も求めてきたところのものでありますし、本法案に基本的に賛成する立場から、しかしながら、幾つかの懸念もまだ残る部分これあり、本日の御質問とさせていただきます。
まず、先ほど申しましたように、これまで政府系金融機関に対する検査の権限が主務官庁にございましたところから金融庁に移すという今回の法案は、より透明性を増すという意味でも前進ではございますが、ただし、政府系金融機関と申しますものは概して、世でいうところのいわゆる天下り等々で、例えばですが、財務省に旧おられた方が関連の、日本政策投資銀行でもいいです、そういう機関にその後お仕事を移されて、そしてそこを、旧財務省におられて今は金融庁に移られた担当官の方が検査なさると、なかなかこれ、内々の検査になりはしまいか。また、民間の金融機関に対する検査とはまた違う面のなれ合い、悪く申せばそのような面も生じ得ることではございますが、そうした観点から見た場合に、柳澤金融大臣としてはどのような歯どめ策というかお心構えで臨まれますでしょうか。
○柳澤国務大臣 年来の構想がこういう形で実られるというお話を聞きまして、大変、何と申しますか、私どももこういう方法をとってよかったという感じがいたしました。
しかし、その上で、政府関係金融機関というところにはとかく財務省系統の人材が配されているということとの関連で、検査の客観性あるいは厳正さというものが確保できるだろうか、こういう御懸念がございました。
私は余り懸念をいたしておりません。というのは、確かに、頭の中で考えてみるとそういうことがあるのかなというふうにお考えになるのもわかるんでございますけれども、現実を見ますと、今ここで答弁に当たったような方は相当の年配者でございまして、実は我々の検査官として出かけていく人材とは相当もう年齢的にも開きがございまして、何というか、その先輩の人たちと何か仕事上のつき合いがあったり指導を受けたというような年齢ではもうほとんどないというのが実態でございます。それで、もうそういうようなことで全く影響なんというのは事実上ないということでございます。
むしろ検査官は、かねて私ここで申し上げているとおり、財務省から離れた、あるいは、何と申しますか、自分たちの存在はこの検査の厳正さというものをきちっとやることによってしか確保されないんだ、そういう気持ちは非常に強いわけでございまして、私は、委員の御懸念は御懸念として受けとめて、実際上の指揮監督においてそういう誤りのないようにするということを心がけてはいきたいと思っておりますけれども、まあ、実態を考えると、少し御心配のし過ぎではないかと思いまして、もう少し当初のお考えに自信を持っていただいたらよろしいんではないか、このように考えます。
○阿部委員 先輩後輩という関係でまいりますと、やはりなかなか物は言いづらいのが世の常でございます。それが逆にジェネレーションギャップとなって、公明性、公正性が出てきてくれることを願いながら、ただしかし、もう少しシステム的な歯どめも必要かなと思いますので、あえて御質問をさせていただきました。
そして、そのシステム的な歯どめとは、例えば民間の専門家の手をかりるとか第三者機関的なものをお考えになるとか、そういうことについてはお考えはいかがでしょうか。これは先回、何の質問の折でしたか、塩川財務大臣がこのことに関連するようなことを少し御発議なされましたので、今回は柳澤金融大臣にお願いいたします。
○柳澤国務大臣 債務者の財務状況を評価する、そしてそれを銀行の健全性の確保のために反映させたいろいろな引き当て等の措置を講ずるということは、かなり厳しい守秘義務が要る話だというように思っております。
私は、検査官なぞというのは、その職務上知り得た秘密ということを一般の公務員以上に気をつけて守っていかなければならないという立場の者であると思っておりまして、そういう意味で、もちろん今委員の御提案も、一たん守秘義務というようなものをかぶせた上で、そしてその職を離れた後もその義務をずっと課していくという構想のもとかと思いますけれども、しかし、なかなか現実問題、難しい面があろうというふうに私は考えるわけでございます。
もし技量というようなことでいけば、我々の方にも、公認会計士の資格を持ったり、あるいは公認会計士の事務所に勤めたことすらあるというような人間もおりますので、そういう人間が厳正に検査に当たるということで、委員の期待されるような機能というか、そういうものは十分確保できるのではないかと私は考えております。
○阿部委員 行政機関におります者が、その業務上知り得た個人の情報について……(発言する者あり)そうです、どのように保護してまいるかは、別途、法案の審議の中にも今ちょうどかかっておりますし、行政機関における情報保護法等々ございますので、またその面で審議を深めたいとは存じますが、やはりこれからはいろいろな分野からいろいろな目で見た方々を取り入れていくという方向に、官を開いていくという方向に御検討くださいますよう、これはお願いでございます。
先ほど柳澤金融大臣がおっしゃいましたが、若い人たちがどんどん金融の実際の検査現場に入ってこられる。私は、それ自身、非常に前向きに評価いたしますが、民間金融機関には、先日来、常駐体制に等しい体制がしかれる、そして、今度政府系金融機関でも新しく検査という業務が加わる。果たして、そのための金融庁の人材の配置なり増員なり、そしてそのことと、一方で総定員法という枠がございますから、そのことの兼ね合いの中で主務官庁としてどのようにやっていかれるか、お考えを伺いたいと思います。
○柳澤国務大臣 御心配いただいていることを感謝申し上げます。
まず、実質常勤というか常駐検査体制ということについてまでのところは、実は平成十四年度にいただいた定員でもって私どもも賄い得る、そういう体制をつくるという考え方でございます。
しかし、今回、新たに政府系金融機関の検査という業務が今度の法律で加えられる、それで十五年度からこれが実施されるということを考えますと、やはりそれに相応した人員の拡充をいただきたい、このように考えておりまして、これは率直に言って、この関係の、行政改革の一環として推進されている方々も、この点は十分御理解の上でこうした構想の実現を進められている、このように理解をいたしております。
○阿部委員 私も実際に人手が必要なことはよく理解しておりますが、くれぐれも金融庁だけが肥大するという形にならないように、いろいろな創意と工夫をして、そして厳正な検査で透明性が確保されるというふうにお願い申し上げたいと思います。
そしてまた、人員だけでなくノウハウというものも、新たに加わりましたこれらの政府系金融機関を検査していきます場合に必要になってくるのではないかなと思う事案が一つございますので、お答えをお願いいたします。
私が特に案じてございますのは、国際協力銀行、いわゆるJBICも今回こうした政府系金融機関の検査対象に加わっております。このJBICという機関自身、旧来の、財務省とそれから外務省、経済産業省等々いろいろな機関が寄り集まってできた一つの機関になってございますが、行う業務としては、かなり、他の政府系金融機関で今回検査に当たる機関とはやはり趣をちょっと異にしておると思いますが、このJBICの検査に当たっても、金融検査マニュアルというのは、今私どもの手元にいただきましたこの金融検査マニュアルをお使いになるのでしょうか。関連部署からの御答弁をお願いいたします。
○柳澤国務大臣 JBICの検査においてどういうマニュアルを使うんだということでございますけれども、基本的に現行のマニュアルで間に合うというふうに考えております。
これは後でもっと細かい御議論あるのかもしれませんけれども、ODAというのは、大体政府及び政府関係機関に対して援助の要素を加味した融資を行うということでございまして、その融資の査定というのは、一般にソブリンの査定ということ、つまり主権国家の信用度の査定ということが基本でございます。
これについては、実は、民間の金融機関の場合であってもそういう外国の政府及び政府関係機関に対する融資というものが現に存在しますので、それについての資産の評価という、債権の評価ということについては、検査マニュアルはつとに、これに対する評価のあり方ということがそこにうたわれておりまして、それが適用されるということで、基本的に間に合うというふうに思っているわけでございます。
○阿部委員 実はこの金融マニュアルの中には、旧輸銀関連の、財務省がこれまで主務官庁として財務状況を見てこられた輸銀について、輸出入銀行についてのマニュアルは約十五行ございますが、私が案じておりますのは、これまでやはり日本のODAと申しますのは、焦げつきも含めて、世界で一番のODA援助額を出しながら、果たして本当にある意味でそれが有効に活用され、また返済がきちんとなされているかということにおいて、これまでノーチェックであった。いわゆる輸出入銀行の行ってきた業務とまた一歩別にODA業務がございまして、このODA業務については、実は主務官庁は経済企画庁でチェックをする予定になっておりましたが、実は今まで一度もなされておりません。
これは、私が今回の法案の提出に関しましていただきました衆議院の調査局の財務金融調査室でおつくりいただいた資料の中に、例えば、平成十三年の五月から六月、国際協力銀行に関して政府系金融機関に対する主務官庁の検査が実施されたという記載がございますが、私がよく伺いますと、これは旧財務省関係の輸出入銀行関連の方のチェックだけでございます。
再度この場で確認させていただきますが、旧海外経済協力基金を管轄していた経済企画庁として、主務官庁による財務状況の検査が義務化されましてからODA関連の融資検査は行ったことがございますでしょうか、ございませんでしょうか。
○黒木政府参考人 お答え申し上げます。
国際協力銀行の海外経済協力業務及び同勘定につきましては、平成十三年一月より外務大臣が主務大臣となっておりますけれども、現在のところ、同業務及び勘定に関する事項については検査を実施しておりません。
また、平成十三年一月以前に同業務及び勘定の主務官庁でございました経済企画庁につきましても、検査を実施したことはないというふうに承知しております。
○阿部委員 私が昨日あらかじめこの質問に際しましてお伺い申し上げたときのお答えも、今のようでございました。私がちょっと言い間違えまして、十三年の一月以前が経済企画庁になりますか、その後が外務省、いずれもいわゆる主務官庁による検査が行われていない。ということは、今回、金融庁の検査がある意味で初めてのものになる。
そして、私は、冒頭申しましたように、こうした検査が行われるということは前向きに評価してございますし、特にこの間、鈴木宗男氏問題で、ODA疑惑、国会を揺るがし、さまざまなまだ未解決な問題が累積している中でございますから、ぜひともODAが本当に相手国にも感謝され、世界の経済発展とそして我が国の信頼を高めるもののようになってほしいと願う立場から、そういう立場から見ると、この金融マニュアルでも十五行しかないし、今までもやったことがないという分野に新たに検査に入るときの、それなりの心構えなり人的配置なり、あるいは、いろいろなノウハウをこれから得ていくための問題意識を喚起したいと思いまして、きょうは私はこの点を質問させていただきました。
まず、今私が申し述べましたような概念的な話でございますが、金融大臣にはどのようにお聞きあそばされたでしょうか。
○柳澤国務大臣 今度のJBICの検査というのは、旧輸銀の部分と旧海外経済協力基金の部分がございます。旧輸銀の部分というのは、これは基本的にODAではありません。ODAというのは、旧海外経済協力基金の部分でございます。
今、阿部委員の指摘されたこととの関係でいいますと、私は、ちょっとここは間接的なんだろうというように思います。間接的な部分が多いだろうというように思います。
つまり、私どもは、外国の政府、政府の例が一番わかりやすいので政府ということなんですが、政府に貸しまして、それがその当該政府の予算、多分国家予算の中に入っていくんだろうと思いますけれども、国家予算の決め方として、当該のプロジェクトにその予算の配分が行われるということになるだろうと思います。もちろん、私どもはそのプロジェクトにも関心がないわけじゃない、それどころではなくて、そういうプロジェクトがあってその援助が行われるということでございますけれども、基本的に、融資の対象である債務者はだれかといったら、その政府そのものなのでございます。
したがって、その政府の信用力というものが私どもにとって第一義的に大事だということになるわけでして、そういう意味では、ちょっと、委員が強く御関心を寄せておられる個別のプロジェクトの、何と申しますか、採算であるとか、あるいはその健全性であるとかというようなこととちょっと、間接的なものになるということは御理解いただいておかなきゃならないだろう、このように思います。
○阿部委員 検査がいわゆる相手国の信頼度に対して持たれるということは承知しておるつもりです。そして、確かに相手国に、例えば要注意債権国とかそういう名前がつかないのも、国が破産したりするという形も、普通は考えの中にそういう表現をとらないということも存じておりますが、逆に、国に対する援助でも、その国の中でメーンになるプロジェクトの行方によってはその国の経済を揺るがすような状況が生じてくるのも、またこれ事実でございます。
そこで、この間、問題になっておりますいわゆるケニアにおけるソンドゥ・ミリウという水力発電所の問題ですが、今、アフガニスタンのみならずケニアでも非常に干ばつがひどい、水の利用問題が問題であるし、また、水力の自国での発電がそれなりに充実すればまた経済も発展していくということで、このケニアのソンドゥ・ミリウのプロジェクトというのは、我が国が深く関心を寄せ、なおかつ、この間、非常にまた政治の違う俎上から問題になってきた問題でもございます。
そして、ちょっと個別の事案で恐縮ですが、事例のために幾つかお答えいただきたいのですが、実務者の方からで結構です。
実は、このケニアのソンドゥ・ミリウの水力発電所については、いわゆる第一期工事と第二期工事がございまして、第二期工事にかかわる部分といたしまして、まだ交換公文が締結されておりませんが、しかし実際に業者への入札等々はケニアと業者の間で行われた。この入札から交換公文までの間に、いまだまだ交換公文がなされておりませんので円借款は出ておりませんけれども、既に入札が行われて、約二年の時期が経過してございます。
このあたりの事情について、少し御説明をください。
○黒木政府参考人 お答え申し上げます。
ケニアのソンドゥ・ミリウ水力発電所計画につきましては、第一期分については、九七年一月に交換公文を締結しまして、約六十九億円の円借款を供与しております。また、この計画が所期の効果を発現するためには、先生御指摘の第二期分の事業が実施されることが必要であるとの認識を有しておりますけれども、第二期分に対する円借款の供与につきましては、環境、社会面の問題に対するケニア側の取り組み及びケニアの債務返済能力につきましてさらに確認を要するというふうに考えております。したがいまして、第二期分の円借款供与につきましては、引き続き慎重に検討を行っていくという考えでございます。
○阿部委員 ぜひとも、今の御答弁、二つの意味で前向きに行っていただきたいと思うのですが、先般、外務省から十四年三月四日付で、ソンドゥ・ミリウ水力発電所に関する調査結果報告書というのが出まして、これは、直接には鈴木宗男議員の関与がいかなるものかというふうなことを調査したものではございますが、その中に幾つかケニアの事情についての表現が、経済事情あるいは借款等々の状況についての報告がございます。
私が特にこの中で読みまして気になりますのは、二〇〇〇年度の一月、ケニアはみずからの責任において第二期分の調達に係る土木工事等の入札手続を開始したが、しかしその後、パリ・クラブ、パリで行われました世界のこういう債務の返済に関しまして、債務の削減は求めないが、パリ・クラブにおいて債務削減に至らない条件での債務繰り延べに合意していると。これが二〇〇〇年の十一月十五日でございます。
そうすると、こういう債務繰り延べに合意しているということは、先ほどのわずか十五行のマニュアルの中の二番目にも、債務返済の繰り延べに関する契約等が締結されているということに当たりまして、実はこれが、逆に言うと、我が国が借款を行っていいかどうかの判断の一つの基準になってございます。
実は、この案件に対しましては、既に一九九九年、鈴木宗男氏が官房副長官のころケニアにいらして、債務の削減は求めないから事業を進めていいだろうというお話をされたわけです。それに基づいてケニアと業者側は入札をなさいました。しかしながら、実際のケニアの財務状況、あるいは債務繰り延べを要求されてそれがパリ・クラブで実際に締結されているという事態にかんがみますと、我が国としてはやはり円借款ということに極めて慎重であっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○黒木政府参考人 お答え申し上げます。
本件計画の第二期の円借款につきましては、一九九九年九月に事前通報ということを行っておりますが、その後、先生御指摘のとおり、ケニア側におきまして入札手続を行ったという事実がございます。しかしながら、これはケニア側がみずからのリスクでもって実施した入札手続でございまして、日本側といたしましては、あくまでも第二期の円借款についての意思決定は今まだ行っていないという状況でございます。
したがいまして、第二期分の円借款につきましては、先ほど申しましたように、環境、社会問題についての配慮、及びケニアの債務負担能力、これを十分踏まえた上で検討していきたいというふうに思っております。
○阿部委員 そして、あえてもう一点つけ加えさせていただければ、私はいたずらにこのケニアへのODA援助をとめたいというのではなくて、逆に、九九年段階で既に我が政府として内々の、内諾を与えるような形になり、業者とケニアの間で入札が行われ、それが遅滞していることによってある種ケニアにも、負債状況といいますが、負担状況が生じておりますわけです。
例えば、JBICからいただきました資料の中にも、第二期借款の遅延によるコスト面への影響で、第一期施工工事者からのクレームと称しまして、おくれましたことによって、第一期の工事にかかわっておりました業者の人件費とか等々で約一億円・パー・毎月という支出をケニアからその業者側にしなくてはいけない、あるいは、先ほど申しました、ケニア経済が立ちおくれていく、電力の事情が改善されないで立ちおくれていくということがございまして、極めてこのODAというのは慎重に、かつやはり大切な役割を担うと思うわけです。
そこで、改めて、政治、外務省サイドのやはり姿勢と、それから実際にそのことを、ある意味で、個別の案件は評価しないとおっしゃった柳澤金融大臣のお言葉もよく理解した上で、しかしながら、他の政策系金融銀行とは異なる多面的な問題をはらんでいるという認識もぜひとも再度柳澤金融大臣に持っていただきたいので、今の私のこのやりとりを聞いての御感想を、最後にこれを質問といたしますので、お伺いいたしたいと思います。
○柳澤国務大臣 援助をする、そしてその援助で一定のプロジェクトを手がけるという場合に、国内的に言うとそれは投資ですけれども、投資の効果が上がって、所期の経済全体への影響が、いい影響が早く出るように、それに努めていくというのは当然であります。
この点については、別途、私の知るところでは、私の所管外ですけれども、実はODAの評価というのがこのごろ外務省でも行われておりまして、これはいわゆる第三者、部外の方がチームを組んでODAの具体的なプロジェクトについて評価をする、そして評価の報告書というのは毎年出ていると私承知をいたしておりますけれども、そういうような形で、援助が当初ねらった効果を上げて、それが経済全体に裨益していくということは、これはもう本当に厳格に追求していただきたいと思います。
ただ、その問題と債権の健全性の評価というのは、今委員も言われたような、パリ・クラブでリスケが起こった、それは債権としてどういう債務者区分になるかというようなこととは、ちょっとやはり切り離して考えざるを得ない。それはもちろん実質的には影響しているんでしょうけれども、しかし、それはほかのいろいろなプロジェクトとか国内の財政状況だとかというものと混然一体となった形で我々としては評価をするということであって、やはりプロジェクトとしての評価とはちょっと間接的なものにならざるを得ないということは、大変恐縮ですが、御理解をいただいておかなければいけない点だと思います。
○阿部委員 プロジェクトとしての評価は、もちろんJBICの方がそれなりにきちんとなさっているのだとは思います。ただしかし、先ほど申しましたように、いろいろな政治事情、あるいは入札疑惑等々もまたこれあり、非常に政治的な課題にもなっております。
しかしながら、実際に一番肝要なところは、どのような信頼性に基づいて我が国がお金をODAに出していくかというその根幹のところに、今回金融庁が、出す方のもちろんチェックではございません、正しく使われたかどうかの結果、あるいは相手国の状況がどうかという結果ではございますが、極めて重要なかかわりを持たれるということを再度認識していただいて、ぜひともきちんとした政治姿勢を持って評価に臨んでいただきたいということを申し添えて、私の質問とさせていただきます。
○坂本委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○坂本委員長 これより討論に入ります。
討論の申し出がありますので、これを許します。佐々木憲昭君。
○佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表し、政策金融機関に対する検査権限委任のための関係法律整備法律案に反対する討論を行います。
政府系金融機関の財務の透明性の確保は当然必要なことでありますが、財務内容を評価する場合、それぞれの金融機関の政策目的に照らして、中小企業支援などの役割の上に判断する必要があります。
しかしながら、現在政府が進めている政府系金融機関の財務内容の開示策は、リスク管理債権の内容などを民間金融機関と同じ基準で評価することを求めるものであります。
政府系金融機関へのこのような金融庁検査は、公的金融見直しの動きを推し進め、中小企業向け金融の縮小、合理化のてことなるものであり、認めることはできません。政府系金融機関を民間並みの水準で検査することは、現在でも貸し渋りの訴えが絶えない中小企業向け機関の貸し出し態度を一層硬化させるものであります。
また、公的金融の役割、存在を民業圧迫だとか金融市場活性化の阻害要因だとする銀行業界は、かねてから、政府系金融機関の整理合理化に向け、金融庁検査の導入を求めてきました。本法案は、みずからの収益力拡大のため公的金融の縮小をねらう銀行業界の要求にもこたえるものであり、容認できません。
以上の理由から、本法案には反対であることを述べ、反対討論とします。(拍手)
○坂本委員長 これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
○坂本委員長 これより採決に入ります。
政策金融機関に対する検査の権限の委任のための関係法律の整備に関する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○坂本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
―――――――――――――
○坂本委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、山本幸三君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び社会民主党・市民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を求めます。阿部知子君。
○阿部委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、案文を朗読し、趣旨の説明といたします。
政策金融機関に対する検査の権限の委任のための関係法律の整備に関する法律案に対する附帯決議(案)
政府及び各政策金融機関は、次の事項について、十分配慮すべきである。
一 民間金融機関について、いわゆる貸し渋り問題等の批判が依然としてみられる状況にあること等を踏まえ、政策金融機関にあっては、民間金融機関が行う金融の補完というその本来の使命を果たすこと。
一 政策金融機関の中小企業等に対する融資については、いたずらに貸し渋り等の批判を招くことにならないよう、金融庁による政策金融機関に対する検査の実施に当たっては、中小企業等の実態を踏まえ適正かつ的確に行い、一律的にならないよう留意するとともに、各主務省庁及び各政策金融機関においては、金融庁による検査の結果を踏まえた上で、政策金融の機能が的確に発揮されるよう努めること。
一 民間金融機関についても、中小企業等に対する資金供給の円滑化を図ること。
以上であります。
何とぞ御賛成賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○坂本委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○坂本委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。
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