第154回国会 財務金融委員会 第23号(2002/07/09) 抜粋

議事録全文(衆議院のサイト)

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 まず、私の質問に入ります前に、きょう実は私は、法務と厚生労働委員会の合同審査で十六委員室に出入りしておりましたので、この委員会、午前中からずっと欠席というか、なかなか参加できなかったのですが、そして急に自分の質問の段になってこういうことを言うのは恐縮なのですが、ざっと見渡したところ空席ばかりということで、これは、委員長にあっては、大変恐れ入りますが、私は質問は続けますが、もう少し参加者を調えていただいて、よろしくお願いします。

坂本委員長 努力いたします。

阿部委員 さっきまで自分もいなかったのに申しわけありません。本当にずうずうしいと思います。でも、実はきょう塩川大臣から大変いい御答弁をいただきたいと意気込んできましたので、それを自民党、与党の皆さんにもぜひ聞いてほしいので、勝手なお願いですが、よろしくお願いいたします。

 まず、道路特定財源についてお尋ねを申し上げます。

 この間、道路公団をめぐっての論議が活発に行われておりますが、その論議の中身も、民営化するか否かということにやや論点が集中しておる嫌いがございますように思います。実は、道路公団問題の最大の問題点と申しますのは、道路特定財源をどのように一般財源化するかということとプール制にあると思いますが、この委員会では特に、財務金融委員会だということもあって、道路特定財源についてお伺い申し上げます。

 私は、この問題をこの委員会で取り上げさせていただくのは恐らく三度目になると思いますが、塩川大臣にお伺いいたします。

 小泉総理も、六月七日の経済財政諮問会議で、道路等の特定財源については、長期計画や今次税制改革と一体的に、そのあり方、見直しを行う、可能なものは平成十五年度から具体化するというお考えでありました。

 私の拝聴するところ、道路特定財源の一般財源化を念頭に置かれたものと思いますが、塩川大臣にあっては、昨年私がこの委員会で質問をさせていただいたときを初めとして、随所の報道に対しての御意見の表明にあっても、一般財源化ということを御発言されていたように思いますが、現時点で二〇〇三年度に向けてどのような基本的スタンスをお持ちでしょうか。一問目、お願いします。

塩川国務大臣 私は、今でも道路特定財源は、いわば使命というものは終わったと思っております。これからもますます道路の整備は必要でございますけれども、特定財源をあえて充てなければ、という感じを持っております。

 けれども、特定財源は、御承知のように、本則と特例法と合わせまして現在の税収になっておるのでございますから、この財源は非常に貴重な財源でございますので、有効に使いたい。したがいまして、一般財源化してもらって、もっと有効な使い方をいろいろと考えていただいたらと思っております。

 もちろん、道路にも中心的に使うことは当然でございますけれども、道路以外にも使える、そういう財源にしていただいたら財政上非常に好都合であると思っております。

阿部委員 大変御見識がある、また国民の要求というか考えに沿った御答弁だと思います。

 余り新聞記事を引くと、新聞ばかり見て質問してとこれも塩川大臣にしかられますが、でも、ちょうどタイムリーに七月五日の読売新聞で、いわゆる道路問題で、政策転換を望む声が国民の中にも非常に強い、高速道路の建設の抑制や道路財源の見直しということで、今大臣のお答えにあった、道路以外にもという声が六一%と。ある新聞社の統計ではございますが、かなり国民の声を反映したものかと思います。

 では、そのプロセス、具体的にどう進めていくかということでございますが、実は、二〇〇二年度の予算で、自動車重量税のうち二千二百四十七億円を一般財源として使えるようにという形になってございます。自動車重量税の方はもともと法律で明確に使途を限定したものではございませんが、しかしながら今までは道路建設財政に使われてきた、そのうちの一部なりとも一般財源として入ってくるということは一歩前進と思っておりますが、二千二百四十七億円というのは、自動車重量税六千七百二十億円のわずかまだ三三%、三分の一でございます。この額を、先ほど大臣の御答弁にございましたが、一般財源化していくようにさらに進めていくところのお考えはいかがでございましょうか。

塩川国務大臣 この二千数百億円というのは、要するに、平成十四年まで道路五カ年計画というのがございまして、それが有効に作動しております。その計画の中でやりくりをいたしまして、最大限、一般財源に使える金というのが二千数百億円であった、それを一般財源的に使ったということでございます。

 したがいまして、十五年度以降におきましては、もう少し拡大した、制約のない拡大した方向で一般財源化に使っていきたいと思っております。

阿部委員 今の御答弁と重ねて、今の大臣の御答弁の中にも出てまいりましたが、道路計画、道路整備五カ年計画の五年五年の節目が、ちょうど次年度というか次に当たる計画になっていると思います。

 その際に、今御指摘のありましたこの自動車重量税からの一般会計へのさらなる移行とあわせて、これまで、道路五カ年計画に合わせて暫定税率で、ある程度計画に合わせて税収を取るということをなさってこられたかと思います。ちなみに、揮発油税を例にとりますと、本来の税率が一リットル当たり二十四・三円であったところが、暫定税率を上乗せして二倍の四十八・六円だというふうに私も聞いております。

 このような、ちょうど道路五カ年計画も見直しの時期である、そして一般財源化に方向づけるということとあわせて、この暫定税率のことも、もし、まず道路建設ありき、それから暫定税率を決めていくという手法をおとりにならないとすれば、当然見直されると思いますが、この点についてはいかがでございましょうか。

塩川国務大臣 暫定税率、特例的な税率でございますが、これを予定した計画で現在予算の編成の検討を進めておるところでございますので、でき得れば、というよりもぜひ暫定税率をこのまま存続させていただいて、要するに、いただいた税金はむだにしないで使うということが大事でございますので、その点を御理解いただいて御協力いただきたいと思っております。

阿部委員 もちろん暫定税率をやめると税収が減ってまいりますので、財務省としてはなかなか前向きには言いがたいところかと思いますが、しかしながら、税というものには国民の理解と納得と、骨格がなければなかなか合理的と言えないと思います。

 先ほど大臣がおっしゃられたような、全体的に道路特定財源のそのもののあり方は歴史的使命を終えつつあると。確かに日本の中で、インフラ整備として、社会的共通資本として、道路が計画的につくられていかなければいけない時代はあったと思いますし、そのことの果たした役割も大きいと思いますが、現時点では、従来、大臣の御指摘されるような生活道路とか環境面への配慮した使い方とか、さらには、私がいつも要望しております医療や福祉、そういう部門への使い方により広く一般財源化する、そしてあわせて暫定税率の決め方も、道路建設ということの目的、一、それに合わせて収入これこれとしなければ、当然これから見直されると思いますので、きょうの御答弁ではなかなかそこまでいただけませんでしたが、これは全体の流れの見直しの中でぜひもう一度お考えいただきたい。国民にわかりやすい税の仕組みということでお考えいただきたいと思います。

 関連して、三点目、お伺いいたしますが、いわゆる揮発油税や石油ガス税は、これはもうもろに道路整備財源ということでございまして、これを一般財源化するとなると法改正が必要になってまいりますが、その点については、私の意見は、やはり明確に先ほど来申しますように、法改正を伴ってでも一般財源化して、より時代のニードに合った行政をしていただきたいと思いますが、この法改正という点について、今は例えば御無理と判断されれば、ある時間展望はお持ちであるのか否かも含めて、御答弁をお願いします。

塩川国務大臣 一般財源化へ法改正は必要であるということは当然認識しておりますので、今、どのような改正をお願いするかということ。おっしゃるように、世論をわきまえなきゃならぬということが最大のポイントでございますので、そういうことを十分に配慮しながら作業を進めていきたいと思っております。

阿部委員 世で言われる少子高齢社会で、聞き及びますところ、来年度もいわゆる社会保障関連の費用は抑えていかざるを得ない、税収等もかんがみましてというお話ではございましたが、やはり我が国が新しい少子高齢社会にどのような形で立ち向かっていくのか、本当に岐路で、私は、世で小泉総理が構造改革とおっしゃっておられるところには、基本的に理念の改革、本当に国民にどういう時代を生きたいかという理念の改革を提示することが政治の役割と思いますので、そして、税というのはみんなが納めることによってその理念が具体的に自分の関与するところとして自覚される部分ですので、あわせて大臣には御尽力をいただきたい。できればもう、すぐと言っていただきたいけれども、まあ、前向きな御答弁ありがとうございます。

 続いて、柳澤金融大臣にお願いいたします。

 アメリカのワールドコムの粉飾決算に関連することで、三点お伺いいたします。

 この間、アメリカの株価の暴落が、このワールドコムの粉飾決算ということとその監査法人であったアンダーセン、これはエンロンの監査法人でもありましたが、会計は粉飾する、監査法人はきちんとそのことを監査しないということで、市場の信頼が揺らぎ株価が低迷するということが続いておりまして、同社は三十八億ドルの粉飾決算を行ったということに報じられております。

 巨額債務三百億ドルがあることも明らかになっておりまして、アメリカではこういうことをきちんと監査法人が監査できなかったことについても、例えばSECの機能について議会で改正することも含めて踏み込んで論議されていると思いますが、柳澤金融大臣は、このアメリカでの一連の事態、どのように御認識、御感想をお持ちでしょうか。

柳澤国務大臣 アメリカは非常に先進的な会計、それから市場、そういう仕組みを持った国だということで、私どもも多くの点でこれを見習わなきゃいけないということで努力をしてまいりました。ところが、そのアメリカにおいて、今委員の御指摘のような不正経理というか、あるいはまた不適切な監査だとかということが明るみに出まして、やや私も失望をしたというのが正直な感想でございます。

 ただ、しかし、だからといって私どもは、アメリカだってそうではないか、日本だけがそういう不正であるとかあるいは不適切な処理というようなことを言われるのは筋違いだみたいな開き直りだけは絶対してはいけない、このように考えておりまして、むしろ、これを他山の石とするということと同時に、また、こうしたことが明るみに出たときにこれにどう彼らが対応しているか、このスピードの面、あるいはさらにいろいろなこれに対する善後処置の面、こういったことについてむしろ学んでいかなければならない、こういうように考えているところでございます。

阿部委員 アメリカでは、ブッシュ大統領みずからこうした粉飾会計についてのきちんとした刑事処分並びにSECの機能強化ということで臨んでございますが、従来、このアメリカの監査法人のあり方と我が国の監査法人のあり方を比べて、むしろアメリカ側から日本の監査法人のあり方の不備を指摘されるような事態もあったと思うのです。

 私は、ここで柳澤金融大臣に一点お伺いしたいのは、今回いろいろに法整備も必要と言われるアメリカでありながら、なおかついわゆる日本の証券取引等監視委員会の人数と比べますと、アメリカは三千人、日本は百八十三人と、かなり規模においてもまだまだ我が国の質、量の改善向上が必要と思われますが、このアメリカの事象に学びながら、金融庁として、大臣として、我が国においてどのような方向性にこの監査法人のあり方、補強していけるか、その点についても御認識をお願いします。

柳澤国務大臣 監査法人の監査業務の質を向上させようということで、いろいろな取り組みも行われておるところでございます。

 ルールについても、先般パブリックコメントの後にこれを正規のルールとさせていただきました例のゴーイングコンサーンの問題等、そういったようなことで、ルールをより適切なものにしていこう、こういう努力も一方ございます。

 それからまた、これに実際的に携わるところの公認会計士の質もよくしようということで、品質管理というか、一つのチームが監査法人等をめぐるということで品質の向上を企てているというようなこともございます。

 そういうことであるわけですけれども、日本の監査法人と米国の監査法人を比べたときに少し助かるなと思うのは、実は、アメリカの監査法人については監査と同時にコンサルタント、コンサルティング業務というのをやっておりまして、例えばアンダーセンなんかも今回そのことが非常に問題視されておるわけでございます。

 これは、コンサルティングといって財務処理の方法についてコンサルタントとして相談に乗っていく、それでそのことが適正であるかどうかを今度は監査法人として監査する。こんなものは、監査するときに、自分の別部門、別部隊がコンサルで推奨したスキームでございますから、監査をして、それが不適切であるなんということは言いっこない。こういう利害の衝突というものがあったと言われております。

 私、お会いして、けいがいに接しまして非常に人格的にも立派だと思ったレビット前SEC委員長、この人が非常に強くそのことは主張されたんだけれども、議会でこれがつぶされてしまった。しかし、今議会の人たちは何と言っているかというと、レビットさん、あなたの言ったとおりでした、我々が不明でしたといってレビットさんに謝っているというようなことがあるようでございます。

 そういうことですが、その面については、私どもの監査法人においては、それほど、つまりアメリカほどコンサルティング業務と監査業務とが力が拮抗するほどコンサルティング業務をしているというわけじゃない。しかし、質的にはやはりしているのですね。ですから、これもやはりどう考えるかというのを、我々は今鋭く問題提起を受けているというふうに受けとめておりますが、そこが大きな弊害になるほどではないというのは一つの救いかな、こういうように思っております。

 いずれにせよ、しかし、監査法人のルールそれから実際の業務の品質の向上というのは、これからまたさらに我々は努力をしていかなきゃいけない分野である、このように心得ております。

阿部委員 私もいつもこの場で質問いたしますときに、今の日本の政治とか経済とか金融において恐らく一番欠けてしまったものというのは信頼、信じていく、金融などは信じなければ成り立たないわけで、そうしたことにかかわる監査、そして業界団体としての公認会計士の皆さんの業務の遂行の仕方をさらに金融庁が監視していくというシステムですので、ぜひとも金融庁の本来的な活動をきちんと強めていただきたい。

 特に、日本で、監査法人の調査についてというのをこの前資料請求で、これは理事会で出していただきましたが、日債銀と山一証券、そごう、ヤオハンと続きました倒産問題で、やはり監査法人に問題がありとされたところもございますし、また裁判係争中のものは、金融庁としてもそれを傍聴しながら対処策を考えておられるということで、極めて重要な事態と思いますので、よろしくお願いいたします。

 また、もう一点、このワールドコムに関しまして、日本の銀行がいわゆる海外融資という形で融資をしておることと思いますが、これは、銀行から金融庁がお聞き及びのところ、額としてどれくらいになっておるのか、つかみで結構ですのでお願いいたします。

柳澤国務大臣 主要行のワールドコムに対する融資の状況でございますけれども、主要行十二行のうち、ワールドコムに融資等を行っている四行の与信残高の合計は、最近の、平成十四年六月の時点で約三億六千五百万ドル、一ドル百二十円換算で約四百四十億円、このように承知をいたしております。

阿部委員 あらかじめ資料請求いたしましてもそのように報告されておりますし、また新聞紙上もそのように報道しておりますので、約四百四十億円と。

 この場でも銀行の不良債権問題はよく論じられておるところでございますし、ワールドコム自身今倒産したわけではございませんが、こういう海外融資というものが一つの、ある種の不良債権、今後のワールドコムのありようによっては不良債権化してくるということもございますし、それから、これだけ経済がグローバル化しておれば、当然日本の銀行の何がしかの融資、直接融資も、あるいは証券の取得等も含めていろいろなものが日本の銀行の運営形態、経営形態に影響してくるということは多々ございますように思います。

 一般論で恐縮ですが、こういうグローバル化した経済のもとで、金融庁として、海外融資ということも含めて、どういう監視行政といいますか指導行政を行っておられるのか、最後にこの一点をお願いいたします。

柳澤国務大臣 最近の新聞を阿部委員もごらんになっていただいているかと思うのですが、日本の海外融資は、残念ながら今縮小しているわけですね。これは、リスクをなかなかとれないというような現在の金融機関の状況をある意味反映しているというような報道もありまして、我々も、それはそれなりに首肯しないわけではないという状況でございます。

 いずれにせよ、しかし、今後を展望するときに、経済がボーダーレス化していきますので、当然金融もそうした傾向を示していくだろう、このように思っております。

 そこで、私なぞ、外国に行きまして金融監督当局と意見をすり合わせるところが多いわけですけれども、その際にはいつも、この間の協力をしっかりしようよということを言っております。

 現在私ども、金融検査では、我々の国籍があれば、つまり支店であればすぐ行けますし、場合によっては、現法についても、相手方の監督当局の了解を得てそういうところにも行ける。これは相互に双務主義でやるわけでございますけれども、そういうようなことをやっておりますし、それからまた検査の技法等についても、やはり郷に入れば郷に従った融資等も行いますので、それに対してどういう検査をすればいいかというようなことでノウハウの交換みたいなものも必要で、お互いに研修員を送り合ったりしております。

 いずれにせよ、そういうようなことで、海外だから検査の目が行き届かない、監督の目が行き届かないというようなことのないように、監督当局の間でも連携を密にして、この点について万全を期していきたい、こういう姿勢でもって取り組んでいるところでございます。

阿部委員 確かに、時代の状況というものが大きく変わってきた中で、特に一番足の速いのが金融というふうに思います、世界じゅうを駆けめぐる。

 その駆けめぐる金融ということが、どのような実体経済との相互関連を持ちながらということも、まだまだ私たちの経験していない分野も多々あると思いますので、ぜひとも金融庁にあっては、これからのそうした分野にお取り組みをいただきたいと思います。

 私にあと三分残されましたが、最初に文句を言った分で三分早くやめさせていただきます。ありがとうございました。

坂本委員長 以上で本日の質疑は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

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