第159回国会 本会議 第30号(平成16年5月11日(火曜日) 抜粋
○議長(河野洋平君) 阿部知子君。
〔阿部知子君登壇〕
○阿部知子君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となっております国民年金法等の改正にかかわる三法案並びに修正案に反対の立場から討論を行いたいと思います。(拍手)
およそ三十時間に及ぶこの国会、衆議院での年金論議を通じて、これがまず何よりも国民不在、そして国民の政治への信頼を大きく損なうものであったことに、まず政治にかかわるすべての者が真摯に反省の念を持つべきと思います。
この法律の提案者である閣僚諸氏、そして各国会議員の年金の未納・未加入問題の陰で、実は、さらに深刻な国民年金の空洞化や厚生年金の空洞化という実態には一歩も踏み込まれることなく、本日の三党での修正合意に基づく衆議院採決がここに行われようとしております。私は、このことが国民に与える本当の意味での年金不信が、今後、さらにさまざまな改革の足を引っ張るものとなることを心から懸念するものであります。
そもそも、今回の改正案が将来の我が国の社会保障の根幹を突き崩す改悪案であることを、私ども社会民主党は、この間一貫して指摘してまいりました。
急速な少子高齢化の進展を隠れみのに、厚生労働省内での数値の操作によって、ひたすら二〇一七年度までノンストップでの保険料のアップ、そして給付の引き下げという本法案によって、私どもの働き方はますます不安定となり、老後の生活保障のための年金は、基礎的年金部分も含めてどんどん給付が削減されようとしております。
少子化のみならず、非正規雇用の増大は、とりわけ若年層や女性たちに重くのしかかり、私どもの二十一世紀の日本社会そのものを空洞化させていくでしょう。まして、本法案の骨格であるところの現役世代の五〇%を保障するはずの厚生年金というモデルすら、六十五歳の給付開始時点での約束事にすぎず、その後はどんどん目減りするということがこの間明らかになり、政府も認めるところであります。
三党合意で示された、今後の医療、介護との一体的見直しも、現金給付としての年金がかくも不安定では、その土台そのものが成り立ち得ません。それは、御高齢者お一人お一人の生活を保障するのではなく、せいぜいが財政削減論議に終始するものになることは、火を見るより明らかです。
加えて、この間種々の形で明らかとなった年金積立金の運用に関しても、これまでの負債や株式投資による多額の損失にはだれも明確な責任をとることなく、今後は第三者機関に丸投げされ、国会の承認すらないというありさまであります。巨額な企業代行の返上を合わせれば現在でも総額百八十五兆に上る年金積立金の市場運用は、我が国の財政・金融規律を根本から揺るがしかねません。
○議長(河野洋平君) 阿部君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単にお願いします。
○阿部知子君(続) 人としての真に豊かな社会保障という価値に裏打ちされた二十一世紀の年金政策のために、社民党は、国民に開かれた論議を今後も継続することをお約束して、反対の討論といたします。(拍手)
○議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。
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