第159回国会 憲法調査会統治機構のあり方に関する調査小委員会 第2号(平成16年3月11日(木曜日)) 抜粋 案件: 統治機構のあり方に関する件(人権擁護委員会その他の準司法機関・オンブズマン制度)
○阿部小委員 社会民主党・市民連合の阿部知子と申します。
本当に、今山口委員もおっしゃいましたが、私にとっても大変に有意義なお話をいただきまして、まず冒頭、お礼を申し上げます。
私は、まず第一に、きょうの参考人の基本的な御趣旨である議会オンブズマン、立法府の定めるオンブズマン制度について、さらに充実させていくためにどうすればいいかということでお伺い申し上げます。
一九九八年に参議院の方では行政監視委員会、それから九七年、衆議院では決算行政監視委員会となりましたこの委員会というものも、参考人がおまとめいただきました文章等々を拝見いたしますと、まだまだその意味で、本来的な議会オンブズマンとして目指すべき理想とのギャップといいますか、まだいろいろな点で問題があろうというふうに、これを拝読しながら思った次第であります。
そこで、私は、一点目は、いわゆる会計検査院の機能ということに関しまして、行政監視委員会でも、かつて、ODAの支出に関しまして会計検査院に命じてチェックをさせてという事例がございましたが、先ほど福島委員のお話しになりました、例えば年金積立金の現状での問題がどうであるか等々も、本来は、会計検査院の機能が、さらに行政からも、ある意味で内閣からも真に独立してチェック機能が働いておれば、もうちょっと違ったのではないかと思う次第であります。
そこで、例えばアメリカ等の会計検査院は、これは国会に附属するものとなってございますし、会計検査院の我が国におけるあり方と、それから、これ自身、オンブズマン制度そのものというよりは、広い意味でのオンブズマン制度の意味するものとも関連すると思いますが、会計検査院のありようの充実と、一方、もしもそれ以外に、このオンブズマン制度を現在議会に設置された場合に、特に予算執行状況等において国民に利するところがどのようにありやということを教えていただけますでしょうか。
○宇都宮参考人 会計検査院のあり方の問題でございますけれども、アメリカではGAOというのがありますね、会計検査院というのが。GAOの役割というのは、プログラムレビューの評価なども非常に細かく吟味をしておりまして、日本で言う会計検査院よりももっと広い範囲の役割を果たしてきている。そういう意味からも、もう少し、日本の会計検査院というのは、GAOのような体制に確立することも検討に値するのではないかなという意見を持っております。
それから、議会にオンブズマンを置いた場合にどういうようにして拡充をするかということですけれども、オンブズマンというのは職権調査があるんですね。だから、会計検査院の決算というだけではなく、オンブズマンの調査というのは、行政行為全般にわたってそれをウオッチしているという役割がありますので、いざ必要であれば、みずからの意思で調査に入ることができるということで、例えば、静岡県で、市民オンブズマンが、警察の食糧費の関係で最高裁まで行って、開示しろということになりましたけれども、もし静岡県でオンブズマンというのがあれば、非常に迅速に解決されていたと思うんですね。オンブズマンはすべての資料を見ることができますから、警察情報でも見ることができますので、解決できるのではないかなと思う。そういうような効果があるのではないかなと思います。
○阿部小委員 あと、先生からちょうだいいたしました中に、議会に議会オンブズマンを設けるときのことに引き続いて伺いますが、現在ある行政監視委員会で、一、二、三と小分けしてございます第二に、行政監察計画ということなどについての調査であると書かれておりますが、この行政監察計画ということは、現在の行政監視委員会で十分になされておりますでしょうか。
○宇都宮参考人 私は、行政監察計画について今十分フォローしておりませんので、それはちょっと……。
○阿部小委員 申しわけありません。
あと、情報公開制度がたしか一九九九年からできまして、これを逆に、鬼に金棒と申しますか、こうしたオンブズマン制度とリンケージさせて、さらに国民にとって、市民にとってよりよい行政のあり方というのを求めていけると思いますが、まだ情報公開制度も十分に活用されていないし、例えば、市民として情報公開請求すると真っ黒けになって出てくるものもございますのです。
参考人がお考えになる、さらに一歩、情報公開とこのオンブズマン制度をリンケージして進めていくということについて、何か御示唆がございましたらお願いします。
○宇都宮参考人 情報公開制度とオンブズマン制度というのは、私は、公正な行政と開かれた透明な行政というのを確立していくということが二十一世紀の重要な課題だろうと思うんですね。開かれた透明な行政というのは、アカウンタビリティー、説明責任の問題もあるんですが、情報公開制度というのは、私はもう一歩進めていくべきではないかなと。
アメリカにおきましては、六六年に情報自由法ができて、一九九六年に電子情報自由法というのができた。アメリカはもっと先に行っておりまして、要するに、情報公開制度というのは、開示請求をしてから、そういう手続をしてから、それを開示するかどうかを検討して、適用除外条項が適用されなければ開示してもいいということになって、国民は情報を得られるんですけれども、非常に手間と時間がかかる。
私は、政府情報のほとんどは開示してもいい情報だと思うんですよ。適用除外情報というのは非常に限られたものだと。それで、ほとんど開示できるものを、公開手続で非常に手間暇かける手続をやってやっと公開できる、情報が開示されるということでは、この二十一世紀の民主主義の深化に対応できないんではないかなということで、アメリカはもうとにかく、情報公開制度というのは非常にコストもかかるわけですから、公開できる大半の情報はすぐ見られるようにしようということで、そういう開示手続はしなくても提供して、閲覧して、利用可能にしようというように進んでいっております。そういう方向に日本の情報公開制度も進めていくべきだろうと思います。
そういうことで、公正な行政の確保と開かれた透明な行政の確立というのは、両方とも二十一世紀の非常に重要な装置だと思いますが、連携することによって、より国民の権利利益とか国民の要求にこたえていくことができる、こういうような意見を持っております。
○阿部小委員 大変示唆に富むお話で、ありがとうございます。
最後に、お礼を兼ねて、私は藤沢市でございますが、先生がかかわってくださった行政のオンブズマンのおかげをもちまして、市もより開かれた行政になっておりますので御報告を申し上げます。
【中略】○阿部小委員 私も、参考人の御意見を拝聴しながら、衆参両院で行政監視委員会というものができた経緯も、また改めて学んだ気がいたします。
そして、そうした前提に立ってなお、きょうの参考人が何回も御指摘なさいましたように、議会型のオンブズマン制度というのは、さらにこういう公平性、透明性が要求される政治の中ではつくられてしかるべしと思いますし、その場合に憲法改正等の手続をとるか否かについても、参考人は、その方が望ましい形態ではあるが、なお現状でも努力が可能であるというお話でしたので、その点に関しても、また皆で論議していきたいと思います。
そして、現在ある行政監視委員会については、私も寡聞にして実情を余り知りませんので、例えば参議院では、ここに持ち込まれたいろいろな請願と申しますか上げられた案件、苦情処理が受理されていない状況もあるようですし、こちらは院は衆院ですが、このあたりも、もしかして周知徹底というところが、知名度がゼロということで限界があるのであれば、現状でもその点は取り組んで、周知させるということもできるのではないかと思います。
それから、そういう議会型のオンブズマン以外のことで、先ほど辻委員からも一般オンブズマンあるいは特別オンブズマンの御質疑があった中で、参考人が医療のオンブズマンについて触れておられました。
私は、この間ずっと医療被害問題で、中山太郎先生を会長として議連もつくっていただき、何とか、国民的要請の強い医療被害ということに、やはり立入調査権を持ったオンブズマンが絶対に必要だと。先ほど、行政相談委員制度を充実させてはどうかとおっしゃっておられましたが、例えばカルテを見せていただく、あるいは現場に出向くということも含めて制約がございますから、これは議会型のオンブズマンではございませんが、そういう一般並びに特殊なオンブズマンとして、また皆さんの御意見も拝聴しながら、より国民の利益と安心、安全にこたえられる国会でありたいと思います。
以上です。
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