第159回国会 厚生労働委員会 第13号(平成16年4月20日(火曜日)) 抜粋

案件:  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  厚生労働関係の基本施策に関する件(日歯連及び中医協問題)

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阿部委員 社会民主党・市民連合の阿 部知子です。

 冒頭、まず、本日の委員会が、ここに掲げられております 日歯連及び中医協問題ということを論ずるには、余りにも参 考人の選定のされ方が偏りがあると思います。日歯連及び中 医協の、日歯連の方は歯科医師会の附属する医師連盟ですし 、中医協の方は、医療提供サイドとして日本医師会や日本歯 科医師会などがあり、ここの場にもぜひともやはり日本歯科 医師会の方にお出ましいただかないと、この中医協問題の改 革を語るにしても、極めて私は不十分だし、真実が浮かんで こないと思います。

 今、山口委員の方から委員長に、今後さらに参考人をお呼 びいただいて、きっちり国民の疑惑にこたえる、このことは 、強いて言えば、本当に私たちの日々の国民の医療費の問題 でもあり、また年金問題にも波及するという、ここでやって いることが本来の信頼を得られるかどうかの極めて重要な事 態ですので、ほんのこれだけの参考人招致でお茶を濁すこと のないよう、まず冒頭、委員長に強くお願い申し上げます。

 そして、私の質疑に入らせていただきますが、今、皆様の お手元に配らせていただきましたのは、本日、厚生労働省の ホームページを開きましたところにございます「中央社会保 険医療協議会委員名簿」というものでございます。

 大塚局長にお伺いしたいと思います。

 国民にとっては、きょう、例えば厚生労働省のホームペー ジにアクセスいたしますと、ここに既に贈収賄の疑惑の逮捕 ということをされました加藤氏、平井氏、誉田氏、そのまま 、何の変更もないままホームページ記載がございます。

 先ほど大塚局長は、支払い側も医療提供側も、各委員はそ のおのおのの団体の推挙によるものであるから、その推挙を 受けて人を選定しておるとおっしゃいました。そして、問題 がある方の交代をお願いしているということでありましたが 、私は、そうしたやり方では国民不在。

 本当にこれは、国民的疑惑が抱かれた中で、特に一号、二 号については、各団体がおのおの推挙してこられます。それ で、推挙してこられた方が逮捕されているという事態にあっ て、結局、国民サイドに立って厚生行政をつかさどる厚生省 が、今もって、きょう段階でこういうホームページのしざま であるということ、余りにも私は、第三者的、国民の側に立 っていない、事態の受けとめ方が甘いと思われますが、大塚 局長はこの日本歯科医師会に二人の委員の交代ということを どのように強く求められたでしょうか。

辻政府参考人 私ども、先ほど申しま したように、逮捕されました方につきましては、関係審議会 の運営が支障なく行えますように異動していただく、変更し ていただくということを要請する方針であるということでご ざいます。

 ただ、ちょっと言葉が荒いのでございますけれども、懲戒 といいましょうか、やめていただくということをやるときに は、事案の、いわば容疑の確定が要るということと理解して おりまして、私どもは自発的にやめていただくということが まず必要と思いまして、私ども、それぞれの審議会の委員に つきまして、それぞれの推薦元につきまして、辞職をしてい ただくように内々既にお伝えしているところでございます。

阿部委員 それは相手側から、みずか ら辞職するというのではなくて、例えば公益委員に関しては 、問題のある行動があったときは、私たちが国会で任命し、 そして罷免という手続をとるわけです。事こうした業界団体 にかかわることになると、途端に厚生省側は、お願いしてや めていただくと。

 これは、疑義が発覚した段階で既にやはりきちんとそこは 身を引かせるべきなんです、引いていただくべきなんじゃな くて。それくらい大きな、国民医療費の本当に大もとにかか わる問題なわけです。もちろんこの法律、昭和二十五年にで きた法律でしょうか、社会保険医療協議会の法律上には確か に何の記載もございません。しかし、これだけ国民の関心事 になったことについて、ひたすらお願い、辞退要求みたいな ことでは、厚生労働省として、国民の命を預かり厚生行政に 責任をとる省庁の役割が果たせないと思います。

 私は、やはりここが任命権者の大臣の責任と思いますので 、大臣の御見解をお聞かせください。

坂口国務大臣 先ほど答弁いたしまし たとおり、メンバーの変更を求めているところでございます 。

阿部委員 これは特にこうした公の発 表されているもの、きょうもこれは現段階でございます。二 十日の朝あけたものでございます。本当にそのまま何の、自 分たちの主体的な総括もなく、厚生労働省は出しているわけ です。大臣は今、求めていかれますとおっしゃいましたが、 迅速を旨としていただきたい。既に逮捕という事態が生じて から数日時間も流れておりますし、この間の遅い対応という ことが、極めて厚生労働省のこの問題に対する危機管理のな さだと私は思います。

 そして、皆さんのお手元にお配りいたしましたように、こ の中央社会保険医療協議会委員は、八人のいわゆる支払い側 の委員、それから八人の医療提供側の委員、そして公益を代 表する委員は、このたびお一方きっと交代なさるということ で三名でございまして、あと専門委員九名となっております が、坂口厚生労働大臣にお尋ね申し上げます。

 今、司法制度改革の中で、例えば裁判のような過程にも、 多くの国民参加、裁判官と同じ数の国民参加をさせていこう 、してもらおう、そのことによってよりオープンで私たちの 実感に近い司法のありようができるのではないかということ で改革が進んでおると思います。

 私は、医療問題もしかりだと思います。医療を受けるのは 、おのおの一人一人の個人でございます。そこにあって、こ の一号、二号と言われる委員のおのおのに生じた不祥事、こ のことについて、実は国民は全くらち外、あえて言えば三人 の公益委員の方がおいでですが、やはり国民の感覚に近く、 例えば歯科の初診料のことでもそうです、もっともっと国民 、患者団体の参加を私はこの機をきっかけに検討していただ くべきだと思います。

 実はこれも、先ほど他の委員の御質疑の中で、大臣が、こ の中医協のあり方について、きちんと考えなければいけない という御発言ではありましたが、その主なる方向性、私は、 密室の審議と言われて、それに、たまたま傍聴ができても、 その場で国民の声を出す人たちがいなければ、やはり最後の 最後は、国民が願う医療の形とは違う形で、医療のお金の点 数、一点幾らが計算されていくと思います。しかし、それは これからの少子高齢化の医療にとって不幸でございますから 、大臣が大幅に、いわゆる患者さん、市民団体、さまざまな 民間人をもっともっと積極的に入れていくという方向性を持 ってのお考えをお持ちいただくようにお願いしたいですが、 いかがでしょうか。

坂口国務大臣 中医協のあり方につき ましては、いろいろの御意見が多分あるんだろうというふう に思っております。こういう機会でございますから、ひとつ どういうふうに今後していくか、きょうはいろいろの提言も ございましたから、そうしたことも参考にしながらしていき たいというふうに思いますが、いずれにいたしましても、非 常に専門的なことを議論する場所でございますから、そうし た専門性の全くない方をそこに多く入れるということも、こ れもまた問題でございます。

 それから、公益委員の皆さん方の人数につきましても、い ろいろ御意見のあるところでございます。今後の問題として 、よく会長さんの御意見も私は拝聴したいというふうに思っ ておりますが、現在は、この一号側と二号側との間の合意が できなければ前へ進まない、いわゆる多数決で決めるという 形にはなっていないわけであります。公益委員の皆さん方に は、その調停役をやっていただいているということでござい まして、その調停役をやっていただく人数として現在が適切 かどうかということはあり得るだろうというふうに私も思っ ております。

 公益委員としてのメンバーにどういう人を選ぶべきかとい うことにつきましても議論はいろいろあるというふうに思い ますが、そうしたことも含めて、今後のあり方、どうしてい くかということをよく皆さんとお話し合いをしていきたいと いうふうに思っております。

阿部委員 私どもはこれまでも、いろ いろな審議会に患者、市民サイドの代表を入れるべきである と。それは、大臣がおっしゃられたように、そのことの専門 家であるかないかという考え方は、これは恐らく私と大臣が 異なる点かと思いますが、患者さんたちは、自分たちの体の こと、あるいは病気のことは本当に御自身で勉強されますし 、よく御存じだと私は思います。それから、今後は、そうし た患者さん自身が自分の身体や病や治療についてもっともっ と知って発言していくという流れに医療をやっていかないと 、とてもとても担えるものではないと思っておりますので、 その点については、私はもう一度大臣によく御検討いただき たいと思います。

 引き続いて大臣に御答弁をお願いしたいですが、実は今回 、贈賄、贈った側で逮捕されました臼田歯科医師会長は、厚 生省の設けます医道審議会の審議会委員でございます。現在 も医道審議会の審議会委員であると思います。

 医道審議会というのは、大臣もよく御承知のように、倫理 的あるいは医療の技術上、例えば医療ミスを起こしてしまっ た等々の問題で、医師が医師としての資格を欠いているよう な場合に、医道審にかけ、医道にもとるとして処罰する委員 会ですが、その医道審議会の委員として臼田さんがおられま した。はっきり言えば、捕まえる側の警察に本人が、何か事 件を起こした人がいたと同じ構造をとってございます。

 少なくとも、この医道審議会の委員から即刻おやめいただ く、このことを大臣の英断でやっていただきたい。そうでな いと、国民にとって、数多い医療被害、問題を起こした医師 の処罰、だれが処罰しているのと見たら、ああ、あの逮捕さ れた人ということになってしまいますので、一点目、大臣の 御決意をお願いいたします。

坂口国務大臣 事件の全容は、これは 司直の手に今ゆだねられているところでございますから、そ の推移を見る以外にないわけでございますが、臼田会長の場 合には、たとえそれが疑いであったとしても、この審議会に 籍を置いていただくことは適当でないと私は思っております 。おかわりをいただく決意でおります。

阿部委員 もう一つ、同じくその医道 審議会で、一昨年の十二月に、医師及び歯科医師に対する行 政処分の考え方という通達が出されております。この中で「 贈収賄」という一項目がございまして、贈収賄は、もともと 歯科医師としての業務に直接かかわる事犯ではないが、やは り信頼感を喪失せしめることから行政処分の対象とすること になっております。「特に医師としての地位や立場を利用し た事犯など」、これは日本歯科医師会の会長としての立場の 利用ですから、「医師としての地位や立場を利用した事犯な ど悪質と認められる事案は、重めの処分とする。」とござい ます。

 処分とは何か。例えば、青戸病院で患者さんを腹腔鏡の手 術で死なせてしまった医師は、刑事処分が出る前に既にこの 処分にかかり、今、医業停止を受けております。

 さっきの大臣の御答弁では、臼田さんについては、これか ら実際がどうなるかわからない。その後の判断となさるのか 、それとも、やはり医道審議会というものが極めて厳しく医 師の品格や行いをきっちり正すというその原点に立つのであ れば、行政処分としての医師の資格の停止を求めたいと思い ますが、いかがでしょうか。

岩尾政府参考人 容疑が事実であると すればまことに遺憾でございますので、現在、検察が捜査中 であると聞いておりますので、事実関係が明らかになるのを 待って対応したいと思っております。

 歯科医師免許の取り消しや歯科医業の停止などの歯科医師 法上の行政処分の対象となるか否かは、この事実関係が明ら かになった段階で、歯科医師法の規定に従い、処分事由に該 当するか否かを精査した上で医道審議会の意見を聞くことに なっているということです。

阿部委員 私がわざわざ今読み上げま したこと、並びに青戸病院の事例、あるいは埼玉医大の事例 、刑事処分が下っていないのです、まだ。しかし、医師とし て処分を受けました。

 私は、医道審議会という場の重要性、そして今回のような 贈収賄に対しての、例えば疑惑とされた段階でも医業停止が ふさわしいと思います。なぜそのように逃げて、判断を後送 りにして、国民の求める、この私たちの医療の、本当に、お 金のかかり方、そしてオープンな、透明なものにしてほしい 、そうした国民の声に対して、あなたの今おっしゃったのは 、処分はこの判決、判断がされてからという答弁でした。何 度も申しますが、青戸の医師だってまだ判決なんておりてい ないんです。でも、医業は停止されたんです。これが医道審 議会の判断なんです、一つの物事の。

 申しわけないけれども、私は大臣に伺いたいので、坂口大 臣お願いします。

坂口国務大臣 これは、歯科医師法で ございますけれども、その第七条の二項に、その前に四条が ありまして、「歯科医師が第四条各号のいずれかに該当し、 又は歯科医師としての品位を損するような行為のあつたとき は、厚生労働大臣は、その免許を取り消し、又は期間を定め て歯科医業の停止を命ずることができる。」こういうことに なっておりまして、いずれにしましても、これは医道審にか けて医道審で決定をしてもらわなければならないことでござ いますから、そういう経過はとらなければならないというこ とでございます。

阿部委員 何度も申しますが、医道審 のあり方自身も、これで本当に国民は、ええ、そんな、本当 にそういう人がメンバーになっていたのかと思っているやさ きでございます。そうした背景ということを踏まえて、きっ ちりした対処をしていただきたいと思います。

 あと多少のお時間があるので、申しわけありませんが、千 葉健保連合会長に伺いますが、下村副会長は、現在の中医協 の委員以外に何か厚生労働省の審議会の委員をお引き受けで いらっしゃいましょうか。

千葉参考人 現在、社会保障審議会の 臨時委員をやっております。

阿部委員 そうしましたら、先ほど、 千葉会長のいろいろな御答弁の中では、嫌疑が明らかにクロ とわかってからというふうなお話でしたが、やはり国民はそ れを求めておりません。会長たちのみずからの御判断で、辞 任なりなんなりを検討していただきたい。

 それから、笹森会長にも、これは御答弁がいただけないか もしれませんが、実は連合の加藤副会長は、金品は授受した が、わいろ性についての自覚がなかったというふうに報道さ れています。私はこのことの方が重要なのではないかと思い ます。もらったけれどもわいろじゃなかった。例えば、五十 万円もらった、何なんだと、もし、そういう自覚がない委員 が労働者代表として、他の二百十六名お送りだということで すので、これから検討なさいますときに、やはり、本当に何 が問題であるのか。

 実は私は、病院の院長をやっておりましたが、ミカン一個 もらわないというのを診療のモットーにした病院に勤めてお りました。その言葉に代表されるのは、やはり、いただいた ものにはそれだけの何かの見返りを考えなくてはいけないと いう場に自分がいるんだという自覚でございますので、もし 加藤元副会長にわいろ性の自覚がないというようなことであ れば、今回の二百十六人の方にいろいろ御指導いただくとき に、そのあたりもきちんとわきまえた御指導をお願いしたい と思います。

笹森参考人 先ほど申し上げたのは、 弁護士が接見をしたときの断片的な話の伝わり方ですので、 正確にはわかりません。ただ、本人としては、請託を受けた 記憶がない、したがって、わいろというふうには考えたこと がない、こういう言い方のようです。

 しかし、連合としては、逮捕された翌日の十五日、緊急の 三役会議を開き、中執で本人のすべての労働運動としての役 職を解任いたしました。そして、その日から翌朝にかけまし て、厚生労働省の方に各委員の辞任の手続をとらせていただ いています。

 加藤はこのほかに本審の方は環境審議会の委員も務めてお りましたが、これも辞任の手続を連合としてはとっておりま す。

阿部委員 業界団体にあっては、それ くらいの自己規律で臨んでいただきたいですし、厚生労働省 も、もっときちんと自覚をした上で国民の側に立つ行政をお 願い申し上げて、あと、委員長には、先ほど要求の参考人招 致をさらに進めていただきますようお願い申し上げて、質問 を終わります。

衛藤委員長 次回は、公報をもってお 知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

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