第159回国会 国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラク人道復興支援活動等に関する特別委員会 第13号(平成16年5月27日(木曜日)) 抜粋 案件: 政府参考人出頭要求に関する件
国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動並びにイラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動等に関する件
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
私が本委員会に出させていただくのは、実は昨年の七月末に、高村委員長と御一緒してイラクに、中谷元防衛庁長官初め中川野党理事とも行かせていただいた折から数えて十カ月ぶりになるわけですが、その間にも、あのときお会いした国連の特別代表のデメロさんが爆殺され、あるいは、先ほど首藤委員のお尋ねの奥大使や井ノ上書記官がまた銃殺され、本当に暗たんたる思いがする中で、果たして本当に私どもの国がイラクに何ができるのだろうか。一つでもよきこと、私にとってよきこととは、やはり皆さんもそうかと思いますが、イラクの中で人々が生きていくための支援をどうやったら日本が顔の見える外交としてできるのかという思いの中で聞かせていただきたいと思います。
川口大臣も覚えておられるやもしれませんが、実は、私は本委員会できょう質問に立つために奥大使の「イラク便り」を読み返しながら、去年の五月はパリで、G8で、そのとき川口大臣も奥大使にお会いになっている。
奥大使が一番望んでいたものも支援ということで、本当に何ができるんだろうとイラク国じゅう駆けずり回っていた彼が思っていたことも、恐らく、イラクの子供たちの写真をたくさん彼は撮っておられますから、やはり未来を担う子供たちのことであったのではないかと私は思うわけです。
きょうお尋ねいたしたいのは、実は、イラクにおける妊産婦死亡率、要するに、子供が生まれるためにはお母さんが産むという行為が必要ですが、それが、いわゆる十万人当たりで統計いたしまして三百十人というふうに、非常に高くなってきております。一九八九年、湾岸戦争が始まる以前の妊産婦死亡率は百十七人ということで、この十五年余りで三倍に上がる。湾岸戦争があり、経済制裁があり、今度の戦争がありということで、生まれ出る突端からもう子供たちは多くの困難に、生まれ出ることもできないという形になっております。
国連人口基金のオベイド事務局長が、この間、日本で記者会見されて、イラクでの妊産婦死亡率を下げるために、ぜひとも、イラクでの健康管理システム、これは国連主導ですが、そのための二千万ドルが必要であり、日本円で二十二億六千万円ですが、このうち、日本政府に対し、三分の一の拠出をお願いできまいかと、極めて具体的な提案がございます。
まず一点、国連人口基金からこうした要望を受けておられますでしょうか。
○兒玉政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のとおり、イラクにおける妊産婦死亡率につきましては、湾岸戦争、それから経済制裁の影響によりまして、二〇〇二年に十万人当たり三百十人になっておりますし、これは八九年の水準の約三倍、これは先生御指摘のとおりでございまして、昨年のアメリカ、イギリスなどによります対イラク武力行使後は、さらに状況が悪化していると承知しております。
そこで、こうした状況を受けまして、我が国としましては、イラク全土の基礎保健センターなどを対象とした母子保健サービスや産科サービスの整備強化に向けて、このUNFPAに対して、イラク復興信託基金を通じて七百万ドルの支援を行うこととしております。
私ども、念頭に置いておりますサービスの内容としては、一例としては、分娩、母子保健関連機材の供与や助産師、看護師の訓練、あるいは家族計画に関する研修といったことを念頭に置いております。
○阿部委員 川口大臣に確認ですが、このオベイド事務局長のお申し入れ、私は今、受けておられますかと聞いたのですが、残念ながら、受けている、いないが余りはっきりしない御答弁で、受けていると仮定して、それにこたえていただけますか。私は、極めて、日本が本当にできる支援で大切な部分と思いますので、御答弁をお願いします。申しわけありませんが、繰り返しになるので、川口大臣にお願いします。
○川口国務大臣 妊産婦の死亡率を下げるということは非常に重要なことだというふうに考えております。
我が国のイラクにおける支援というのも、一つの柱はそういった医療面での支援、これは、第三国との協力も含めていろいろなことをやっております。
それで、もう一つ、特に妊産婦死亡率を下げるということに特化をしたという意味でいいますと、イラク全土の基礎保健センター、ここを中心に、母子保健サービスを強化する、産科サービスを整備強化するということを考えていまして、我が国として、イラク復興信託基金を通じて国連人口基金に対して七百万ドルの支援を行うことといたしております。
○阿部委員 およそ三分の一とみなさせていただいて、支援をするという御答弁だったと受けとめます。
同じように、日本は、八〇年代からイラクに十三の病院をODAのスキームにのっとってつくりまして、この間、約一年前にもこれらの十三病院のエンパワーメントを計画しておられるというふうに伺いました。
このたび、ムサンナ州からも四人の病院長が来ておられまして、南部方面で四つの病院にとりあえず機材の供与をしましょうということは伺っておりますが、この全体、十三の病院、これは、日本でいえば中核病院的な、四百ベッド内外の地域医療の中核でございます。この病院全体に対するプログラムの進捗状況、あるいはこれからの、私はスピードアップしていただきたいですが、今、随所でいろいろな戦闘状態も起こり、やはり病院の機能、命を支える機能というのは非常に重要になっていると思うのですが、その進め方について、大臣のお考えを伺いたい。
事務方であれば、私の言ったことを繰り返さないで答えてください。
○斉藤委員長 簡潔にお答えください。
○兒玉政府参考人 お答えいたします。
先生御案内の南部の四つの総合病院に対する支援につきましては、既に三月二十六日に決定をして、今まさに入札図書の作成といったようなことで準備を進めておりますので、何とかできるだけ速やかに具体的実施の手はずを整えたいということでございます。
そして、残った九つの病院につきましても、イラク保健省などの関係者と協議を行って、先方のニーズを十分勘案して、今後順次、鋭意、前に進むように取り組みを行っていきたいというふうに考えております。
○阿部委員 イラクの、特に中東地域、親日感情はこれまでもよかったわけです。それは、日本がそういう形で行ってきた支援が非常に相手方にも感謝されていた。今、先ほど来問題にしておりますように、状況は非常に悪い状況になる中で、例えば、自衛隊を派遣して、そこの中で、いわば一日の中、二時間しか活動できないような状態というよりは、随所で日本が命のために頑張っているんだという支援をぜひしていただきたいと私は思っております。
三問目、これは大臣にお願いいたします。
実は、私は、おととしの十二月と去年の七月、二度イラクに行かせていただきまして、バグダッド大学の医学部や、あるいは当時サダム教育病院と呼ばれていたところで小児科のお医者さんなどにも会わせていただきまして、うち一名は、日本への留学、来たいというお気持ちでありましたので、市民団体を通じて、現在、日本に入国できる形で研修を受けております。
やはりこの十年、経済制裁下で、イラクでの医師たちあるいは医療関係者たちのいろいろな実践レベルは低迷、停滞しておる中で、日本として、エジプトと一緒になったような医療スタッフの教育スキームは持っておられますが、今後、日本の国内で学びたい、そういう方も多いと思います。言語の壁はあろうとも、私は、そういう人的交流が長い目で見た平和構築の基盤と思います。
先ほど、東京大学にも少し人が来られて交流の向きもあるというふうなお話を冒頭おっしゃっておられましたが、こういうメディカルスタッフの我が国国内における受け入れ、あるいは受け入れた病院に対しての支援等々のお考えについてお伺いいたします。
○川口国務大臣 この支援というのは、我が国は今までいろいろな国でやってきているわけでして、当面、基本的には、お答えは、今後積極的に取り組んでいきますということですけれども、一定の費用で、エジプトでやった方が言葉その他の点でプラスだという点もありますし、また、日本に連れてきてということもあると思います。いろいろなその時期時期でのニーズを考えながら、これはイラクの保健省の方々とも御相談をしながら最適な組み合わせでやっていきたいと思います。
○阿部委員 平和的生存権、だれもが平和のうちに生きるということを保障するような援助をぜひともお願いしたいと思います。
終わらせていただきます。
○斉藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
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