第169回国会 本会議 第9号(平成20年3月13日(木曜日)) 抜粋

案件:

 日本銀行総裁及び同副総裁任命につき同意を求めるの件

 宇宙開発委員会委員任命につき同意を求めるの件

 社会保険審査会委員長及び同委員任命につき同意を求めるの件

 公害健康被害補償不服審査会委員任命につき同意を求めるの件

 日程第一 道路整備費の財源等の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)

議事録全文(衆議院のサイト)
ビデオ(衆議院のサイト)


〔前略〕

議長(河野洋平君) 阿部知子君。
    〔阿部知子君登壇〕

阿部知子君 社会民主党の阿部知子です。
 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となりました同意人事案件につきまして、意見表明を行います。(拍手)
 世界経済が不安定になり、日本経済の先行きも不透明な状況の中で、金融政策を担うリーダーである日本銀行総裁の任が今ほど強く求められているときはないと考えます。
 こうした中で、政府は武藤敏郎氏を総裁候補として提案されたのですが、武藤氏は、財務省の中心的担い手を長年務めてきており、財政と金融の分離、独立という立場から、到底容認できません。
 そもそも、武藤氏は財務省の責任者として、社会保障費の自然増を三千億円削減し、その後の五年間の毎年二千二百億円削減の先鞭をつけました。この削減策によって医療崩壊が進み、介護や福祉施策は大幅に後退を余儀なくされました。そもそも、日本銀行の最大の目的は物価の安定です。物価の安定は国民生活の安定に裏打ちされねばならず、社会保障の充実抜きに、国民生活の安定や、とりわけ重要な内需の拡大は実施し得ません。
 また、日銀が行ってきたゼロ金利政策、量的緩和策によって預貯金者がこうむった逸失金額は、何と三百兆円を超えています。加えて、広がる地方の格差にも全く思いが及ばない方であり、日銀総裁にはふさわしくないと断言せざるを得ません。
 副総裁候補である伊藤隆敏氏は、一昨年九月から経済財政諮問会議の委員を務めておられます。同会議は、偽装請負や日雇い派遣を生み出す労働政策を初め、農業自由化などを推進してきました。非正規就労の急激な増加は、国民年金や国民健康保険を空洞化させ、社会保険制度そのものを危機に陥れるという今日の最悪の事態を生み出したのです。加えて、さきの質疑でも、社会保障費削減についての認識も国民の実感とは遠くかけ離れており、適任とは言えません。
 伊藤氏は、インフレターゲティング論を今日も主張されています。極端な政策によってデフレを脱却させるというのは副作用も含めて考える必要があり、この点からも伊藤氏は副総裁にはふさわしくないと言わざるを得ません。
 最後に、日銀総裁、副総裁にこうした経緯のある両氏を、しかも任期まで残りわずかというこの時期に提案すること自体、政府の見識を疑わざるを得ません。本院におきましても、参議院同様、きっぱりと両氏の任命には同意できないことを明らかにすべきであることを訴え、討論を終わります。(拍手)

議長(河野洋平君) これにて討論は終局いたしました。


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