第169回国会 厚生労働委員会 第10号(平成20年4月23日(水曜日)) 抜粋

案件:

 政府参考人出頭要求に関する件

 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律及び検疫法の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)

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〔前略〕

茂木委員長 次に、阿部知子さん。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 私にいただきました時間三十分の中で、冒頭、実は予定外のことですが、後期高齢者医療制度で大臣が清水委員にお答えになりましたことについて、私は、ちょっとそのまま議事録に残ると誤解が生まれるんじゃないかなと思う点があるので、再質疑をさせていただきます。
 今回の後期高齢者医療制度、支持者から看板も断られるという清水先生のせつないお話でしたけれども、国民にとってやはり一番大きな点は、七十五歳という年齢で、ある日突然、例えばお誕生日のその時間から切り離されていくような感覚を受けているということが一番大きい。家族がばらばら、御夫婦がばらばら、世帯がばらばらという、そこの受け取った側の感覚というのは、ぜひこれは厚生労働省の皆さんにも実感として受けとめていただきたいと私は思うんです。  そういう庶民の直截な直観以上にまた問題なのは、この制度設計が、保険料がこれからも上がり続けざるを得ないという構造をとっています。そうなると、これは、大臣は今、保険料が下がったところも上がったところもあるよというふうにおっしゃいますが、私はそれはデータで示していただきたいとお願いしていますが、経時的に見ても、これから先、私や大臣が後期高齢者になるときにはもっと保険料は高くならざるを得ない構造になっております。
 この問題も、払えない方が出てくるから大変に問題なんですが、私は、やはり一番はかかれる医療の問題なんだと思います。
 そこで、先ほど大臣は、これまでと変わることはないし、むしろよくなるくらいなんだ、アクセス制限もないし、例えば、これまでは往診などはしていただけなかったけれども、これからはこの制度のもとでお医者さんも来るようになるんですよというくだりです。
 私は、その前段に大臣が、かかりつけ医というのは、実は医師にとっては六百点、換算しますと六千円でお受けする制度で、その実際の金額の中でやれるのはレントゲンを撮ったり採血をしたり、ある本当に限られたものだと思います。実は、往診をしたりは別料金でございますし、そしてそれは従来の厚生労働省の行政の中でも、往診についてはそれなりの点数がついておりました。
 何だか、この制度のかかりつけ医と連動してそうなるんだよというふうに受け取られかねない文脈でありましたので、これはやはり大臣に、そこは国民が本当はだれだって、夜中だって来てほしいし、願いだと私は思います。しかし、仕組み上はやはり、往診ということとかかりつけ医は別でございますから、そこの誤解が生じないように、もう一度その点の大臣の御答弁をお願いします。

舛添国務大臣 私が申し上げたのは、診療報酬を改定いたしました、今度の新しい医療制度に伴って改定し、かかりつけ医が、かくかくしかじかのことができますよと。
 それは、お医者さんは診療報酬がこれで幾ら点数がつきますねとわかるんですけれども、そういう説明ばかりを厚生労働省はやりがちなものですから、私は、国民の側から見たら、それはどういうメリットがあるんですよということを申し上げたので、もちろん、それは、本当によくやってくださっている先生方は往診するということはあるわけですから、それは今委員がおっしゃったように、誤解のないように申し上げておきたいと思います。
 ただ、保険料の多寡について言っても、これは今調べていますけれども、平均的な数字を、これは平均値ですから、どこにもそれは個別に存在しません。それを申し上げた。
 ただ、阿部委員と私は同級生ですけれども、我々は、あなたと私は同時に、同じ年に後期高齢者になりますので、団塊の世代で我々がどかっとお年寄りになっていったときは、それはやはりお金がかかりますよ。ですから、そういう意味で、いかにしてこの国民皆保険を守っていくか、そういう大きな、我々の老後も考えてのことでございますので、そこもぜひ御理解いただければと思います。

阿部(知)委員 まさに私ども団塊世代のお話で、そして大臣、そのようにおっしゃるのなら、私たちは逆に七十五まで、あるいは何歳かまでずっと保険料も納めてきたわけですよ。急にある日、ゼロが七十五歳になるわけじゃないんですね。
 そうすると、その間ずっと保険料を納めてきた、さあ七十五になった、これからはあなたの保険料と給付、受けられる医療の見合いを考えなさいと。何で、そんなこと言われる覚えはないという怒りなんですね。これまで納めてこなかったならまだしもであります。納め続けて、それは年をとれば自分の体は病気をするだろうと思い、そして社会連帯だからと思って納め続けてきて、七十五になったらはしごを外されて、ここからはあなたたちの医療費を抑制してくれと。
 私は、無駄な医療があれば国民全体で抑制していくべきだと思います。この制度の一番の問題点は、やはり長年の保険料、年金ではありませんよ、医療だって保険料を掛けてきたわけです、払ってきたわけです。その先にある年齢になる、生きて暮らして苦労して、そして七十五になるんです。そこへの配慮がないということも私は大きな問題だと思います。
 そして今私がお尋ねしたいのは、そのかかりつけ医なるものも、今、医師会の中で富山、秋田、茨城あるいは市町村では青森、宮崎、神戸などの医師の団体の方から、この制度はどう見ても、この先もっともっと、逆に言えば包括払い、マルメですからどんどん単価も下がるし、それでは自分たちが安心して医療を提供し続けることができないという思いにもなっています。
 大臣、ここで明言してほしいんですが、これはアクセス制限でもないし、この先全体に強制することは絶対ない、この先ですよ、この先。いかがですか。

舛添国務大臣 アクセス制限もなければ、いろいろな強制もありません。
 私が申し上げたいのは、いかにして今の医療水準を保っていくか、そして国民皆保険をきちんと守っていくか、そして私が高齢になったときもきちんと、いい日本社会であっていくためにやっているわけですから、ぜひ、医師会の皆さん方もよく御理解いただいて、御協力を賜ればなと思います。
阿部(知)委員 大臣、そうはおっしゃっても、例えば病院の半径四キロに診療所があると、その病院の医師はかかりつけ医になれないんですよね。私はそのように説明を受けていますが、患者さんにしてみれば、あの病院の、あのお医者様を私のかかりつけ医にしたいわと思っても、半径四キロを見渡して診療所がないという要件が書かれていましたが、これは撤回されたんでしょうか。これだってフリーアクセスなんですね。だって自分の、この先生がいいわという先生にかかりたいわけです。これが一つ。
 では一つずつお願いします。まず、これは撤回ですか、四キロメートル以内に診療所があるところの病院の医師はかかりつけ医にはなれない。

舛添国務大臣 基本的に、制度設計をしたときに、いわゆるホームドクター、かかりつけ医、その身近な先生をまず選ぶ、そして自分の体をチェックしてもらって、いや、これは大きな総合病院に行かないとだめですよ、そういうルートを想定しています。したがって、今のところはそういう原則でやっておりますけれども、これは介護保険制度と同じで、入れてみて、さまざまな不備があったり、これは実態に即していないということがあれば柔軟に変えていくという姿勢は持っております。

阿部(知)委員 入れたことがアクセス制限なんですね。だって、自分のかかりたいお医者さんにかかれないんですもの。それをやってみてといったら、アクセス制限しちゃったんですよ。そこが大臣の認識の違うところなんだと思うんです。
 そして、例えば、ここで開業されている先生が糖尿病の患者さんを一カ月六千円でケアしようと思う。たまたま来られたときには何も症状らしいものがなくて、でもレントゲンは撮り、採血はした。大体、六千円だとそのくらいでとんとんと言うと変ですが、収支が合う。ところが、その晩、誤嚥をされました。御高齢者に一番多いんです。変なところに入っちゃう。何か苦しい。きょう午前中にお医者様に行って大丈夫と言われたけれども、もしかしてあの先生はだめだったのかな、では隣のB先生に行きたいわといったとき、このB先生はかかりつけ医じゃないんですよね。
 大臣、わかりますか。このB先生に今度は勝手に行くことができないんですよ。よっぽど、例えばA先生から紹介状をいただくとか、A先生がもう一度診るのは可能ですが、もう一回検査したらお金は足りなくなってしまいます、病院にとって。
 かかりつけ医があるということはよい面と、しかし、こんなときはB先生に行ってみたい、そして病院に行ってみたいと患者さんが思って選ぶことがフリーアクセスなんですね。この点はどうですか。

舛添国務大臣 それもケース・バイ・ケースで、私は、今申し上げたように、基本的にはかかりつけ医を一つの拠点としますけれども、だからといってさまざまなアクセスが制限されることはない、そういう方針でやります。
 それで、先ほどの病院と診療所の関係ですけれども、病院と診療所の連携を今一生懸命やろうとしていますし、そうしなければ医師の数が幾らあっても足りないわけです。そして、一般的に言えば、やはり近くのホームドクターに見せて、例えばそこの病院の眼科の先生が常にかかりつけということは余りないと思います。  ただ、これから変えようとしているのは、標榜科目で総合科というのを設けて、例えばそういうことをきちっと設置すれば、その総合科の先生がかかりつけ医になる、たとえ病院にいても。そういうことも可能だと思いますから、先ほど申し上げたように、柔軟に国民のニーズに合わせて変えていく。しかし、大きな制度設計はやらないといけないですから、そういう意味で申し上げております。

阿部(知)委員 柔軟に国民が選べないからアクセス制限なんです、大臣、今度つくったものは。そこが一番大きな問題なんです。
 だって、かかりつけ医のA先生で六千円、では、B先生からは今度は保険診療で同時に、開業医の先生同士です、同じ病名です、同時に請求できるでしょうか。本当に私は混乱すると思います。そういうリアルなことをお考えになっていなくて、そして、アクセス制限というのは何も縄でここに縛りつけることじゃなくて、患者さんたちが自由に、きょうはこちらの先生、あしたはこっちかもしれないんです。
 でも、それでも私は、日本の患者さんたちは上手にかかっておられると思います。ちょっときょうは何か体のことが心配だから大きな病院に行っておこうとか、きょうだったら、ふだんだから、風邪も軽いしこちらに行っておこうとか、それはあくまで患者さん側が選ぶ、それをフリーというんです。
 でも、今の厚生労働省の方針だと、なるべく近くのかかりつけ医に行くのが望ましいから、そういうことで点数設定をして、さっきのA医院とB医院が生じたとき、本当にどうするんですか。同じ病名です。例えば糖尿病で肺炎かもしれません。片一方はかかりつけ医、片一方は普通の診療、混乱すると思われませんか。私たち医師がそういうことを心配するんですよ。
 そして、今まで本当に日本の医療を、確かに大臣が御心配くださるように、今医師不足ですよ、そして日本の医療教育の中で、学生の時代から、総合的な体を見るという教育はすごく薄かったです、専門分化しているんですもの。この問題は、まず医師の養成課程、教育から手をつけるべきですよ。
 そして、かかりつけ医は、ゼロ歳の赤ちゃんからだってあった方がいいと思います。でも、七十五になって急にかかりつけ医、それも、さっき言いました四キロメートル以内に診療所があるところの病院の医師はだめ。結局、結果はアクセス制限なんですよ。どうですか、大臣。

舛添国務大臣 全くかかりつけ医を持たないという選択肢も残されているわけですから、そういう意味では、それを選択すればできないことはない。
 それから、今の制度だって、全く同じ病名で複数の医者にかかることを勧めてはおりません。そういう体制になっていますから、それは御理解いただければと思います。

阿部(知)委員 そんなことを勧めていると言っているんではないんです。でも、症状は変わるんです、人間は生もの、生き物。そのときに、今は普通に、均等にかかれる条件があるということです。今度からは、かかりつけ医を持った途端にもう一方の選択肢がなくなるということなんです、患者さんにとっては。そこの現実の感覚を理解しないと、最初の、七十五歳になったらある日突然と同じような国民の側からの反感が当然生まれ得ることだと私は思います。
 しかし、これを長くやると、もう委員長がそろそろだという顔をしていますので、この辺で終わらせていただいて、私は、今度の感染症法のことについても、国民の自発性とある強制的な制約措置のせめぎ合いという側面があると思いますので、あながち違う問題ではないと思って、次に移らせていただきます。
 きょう皆さんお取り上げいただきました、鳥インフルエンザが人に感染し、人が人に感染するようなタイプのものは、恐らく、これまでの経験則ではアジア、北東アジアもありますし、東南アジアもありますし、アジアからのウイルスの侵入が多いであろうということが予測されるということはどなたも御指摘で、また、国際協調の大切さも御指摘されました。
 一つ具体的に、今インドネシアでは鳥から人、そして人から人感染の症例が大変に多いわけですが、なかなかインドネシア自身の国内体制でこの対策が、はたから見ればうまく進んでいないのかなと思われる側面もあって、私は、ぜひ大臣に、日本の厚労省、農水省がともに、インドネシアの厚労省や農水省の皆さんと政治レベルで話をして協力し合っていく。私は、パンデミックになってからの話をする以前に手をつけておかなければならない基本的な事項があると思うんです。
 先ほど大臣は、中国と韓国と日本で保健相同士の会合を持った、とても重要なことです。同じように、例えば、今インドネシアはヒト・ヒト感染のウイルスをWHOには出したくない、なぜなら、そこから情報を得られたって、自分たちの国で使えるだろうか、低開発諸国は当然そう思うと私は思うんです、お金の問題や医療体制の問題。でも、そこは、実はアジアの蔓延を抑えるという意味では日本の働き、役割、働きかけが大事だと思います。
 大臣の念頭にはこのインドネシア問題、日本とインドネシアは非常に親密な国ですし、何とかあの国でも、鳥インフルエンザから人へ、そして、もうそれが常在化しているんですね、アジアにおける人にうつった鳥のインフルエンザはある程度定着傾向にあるんですよ。大変なことだと思うんです。特に今、インドネシアを一例挙げましたけれども、もう少し積極的に、厚生労働省、農水省と先方の行政府と、どういう状況なのか、何を日本が手助けできるのか、WHOとは必ずしもそううまくいっていない中で、大臣のお考えを伺いたいです。

舛添国務大臣 先般、京都の国際会議に私、出まして、そこで一分野で感染症の問題をやりました。そのとき私はかなり厳しくインドネシアを批判したのは、インドネシア株というか、それを外に出さないんですね。つまり、これは知的所有権じゃないけれども、これは自分のところのもので発展途上国の武器だ、これを出しちゃって、それでワクチンを先進国がつくって自分らには回ってこない、その気持ちは非常によくわかるんです。しかし、これはやはり国際協力で出してくださいということは訴えておきました。
 そういう中で、例えばSARSのときなんかはベトナムに対して非常に日本が貢献をしましたので、日中韓はありますけれども、ぜひ、ベトナム、インドネシア、こういうところの国際協力体制を構築したいと思いますので、外交ルートも通じて、保健省、厚生労働省、こういう専門家の間で協力体制を築いてまいりたいと思います。

阿部(知)委員 私は、その中にぜひ農水省も入れていただきたい。実際の庶民が生活している中で起きていて、それは、鶏を飼ってそれを食べて、あるいは仕事として養鶏をしたりしているわけですから、お願いしたいと思います。
 さて、きょうの一日の審議の中でも盛んにプレパンデミックワクチンという言葉が使われていますが、果たして、プレパンデミックワクチンということを国民が聞くと、パンデミックというのは大流行ですよね、プレだから前、ああ、それに効くワクチンなんだな、いわゆる大流行に効くワクチンなんだなと素朴には思うわけですよね。
 でも、これは学者の意見でもそうですが、効果はやってみなければわからないわけです。これはいたし方ない。そうすると、国民が受けとめている、ああ、大流行に効くんだなという感覚と、実際はまだまだいろいろな山を越えていかなければいけないという事実との間を厚生労働省はしっかり埋めていただきたいと私は思うんですね。なぜなら、メディア報道は、本当に申しわけないけれども、危機あおりみたいな印象の新聞記事も多いです。
 そうなると、私は、こういう危機管理の第一は、さっき大臣がおっしゃったけれども、国民の一人一人の正しい知識なんですよ。スイスがしっかりしているとすればその点なんだと思うんですね。自分たちの自覚と知識を持って臨めば、危機も本当のどさくさにならずに、やはり整然と対処できると思うんです。
 もともと、今プレパンデミックワクチンと呼んでいるものは、プロトタイプワクチンとか、鳥インフルエンザワクチンの人にうつったプロトタイプとか、違う呼び方だったんですね。この呼称、プレパンデミックをもしこのまま使い続けると、世界でも使っていないわけではないんです、でも、日本でこれから大量のワクチンを打つというようなことが言われているときに、正しく国民に伝わるかと懸念いたしますが、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 呼称の問題を含めて、これはきちんと国民に伝えないといけないと思います。
 既に出版物なんかもたくさん出ています。テレビなんかでシミュレーション番組もやって、相当多数の国民の皆さんが見ておられますけれども、パンデミックワクチンとプレパンデミックワクチン、これの違いというのは、やはり委員がおっしゃるようにきちんと説明して、その二つのダブルトラックで実は危機管理の準備をするんだと。
 そして、委員おっしゃるように、必ずしも、例えばインドネシア株でつくったプレパンデミックワクチンが次に来るパンデミックワクチンに効くかどうか、それはわかりません、ある程度の効果はあると思いますけれども。そういう限定を加えた上で、過剰な期待、過剰な危機意識、こういうものもまた避けないといけないと思いますので、正しい知識の普及に努めてまいります。

阿部(知)委員 ぜひお願いしたいと思います。
 そしてきょう、かなり郡委員が一生懸命、いい視点で取り上げていただきましたが、六千人への「プレパンデミックワクチン」の使用について、実は、四月の十六日の新型インフルエンザ専門家会議で方針として決定され、今後はまだ、どういう研究の計画にするかなど、あるいは倫理委員会審査をどうするかはこれからのことであるということが審議の中でも明らかになりました。
 私は、この新型インフルエンザ専門家会議というものが、実はある意味で、専門家会議なので医師に偏っている、医師側情報に偏っているということを懸念するわけです。
 感染症はいつも人権問題とのせめぎ合いでした。ハンセンもそうでした。私は、この専門家会議の中に、この段階になったらやはり感染症と人権保障という視点の方を入れて専門家会議もやっていただきたいと思うんです。今ある中にはメディアの方とかは入っておられますが、例えばハンセン病の検証でも弁護士の方を入れたりしてやったわけですから、ここは大臣の采配一つですから、これから一番のせめぎ合いは人権だと私は思います。これは治験の問題もそうだし、隔離の問題も、封じ込めの問題もそうですから、ぜひ、そうした専門家をこの新型インフルエンザ専門家会議の中に入れていただきたいですが、どうでしょうか。

    〔委員長退席、宮澤委員長代理着席〕

舛添国務大臣 先ほど郡委員との質疑応答でも、私も同じようなことを考えておりましたので、ぜひ、そういう形でこのメンバーの拡充を図りたいと思います。

阿部(知)委員 そして、おまけに、この六千人のワクチン計画のこれから研究計画ができるということですが、当然ながら副反応が起こるわけです。医師主導型の治験でやった結果も、阪大微研株では、発赤とかも含めれば九四%くらいが出た。そういう軽い副反応でなくても、大臣のお手元の二ページ目を見ていただきたいですけれども、これは、従来のインフルエンザのワクチンで、平成十六、十七、十八年と、医薬品救済機構の中で実際に救済を受けた方の副作用の実例であります。
 例えば、大臣もよく御存じでしょうが、急性散在性脳脊髄炎などは、これを理由にして日本脳炎のワクチンは今中断しているわけです。数を見ていただくと、平成十六年二名、平成十七年四名、平成十八年六名と、これは打つ母集団がふえたということもあるでしょうが、ある確率でやはり起こり得るんだと思います、神経を好むウイルスであれば。
 そうしたことを考えると、今度行われます臨床試験において患者さんに被害が出た場合は、当然、医薬品救済機構にのるわけでありますが、でも、本当はワクチンは予防接種かなと思うが、実は予防接種の救済制度という方で救済されるわけです。救済一つとっても中身が違うんですね。
 これがまだ試験段階で、臨床試験で、あくまでも安全性についても、あるいは抗体の上がりについてもこれからなんだということをしっかりとお伝えした上で、そして、特にお願いしたいのは、これは郡さんもおっしゃいました、ある職種の人、例えば税関職員とか医師とか、つかまえやすい団体と言うと変ですが、水際になるそこの母集団だけをつかまえるんじゃなくて、広くやはり国民にこれはボランタリーですから求め、そしてコントロールスタディーができるように、例えばインフルエンザの抗体価の上がりを見ていくわけですが、これだけで見ても、例えば従来のインフルエンザの抗体の上がりはどうであるのかとか、必ず試験にはコントロールスタディーが必要なんです。
 そういうしっかりした制度設計、インフォームド・コンセント、危険も含めてしっかり伝える、そして、ちゃんとこの対比をとるという形で今後やっていただきたいが、これは健康局長でしょうか、お願いします。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

西山政府参考人 お答え申し上げます。
 六千名の調査研究、今年度からやらせていただきたいということで、先ほど来答弁していますけれども、今言われたとおり、安全性、交差免疫性、免疫持続性、ブースト効果、これがまだわかっていないんです。したがいまして、委員がおっしゃいましたようなことで、ランダムスタディーを含めながらその研究計画を策定していきたいというふうに思っております。

阿部(知)委員 こういう研究計画の中にも、医師側だけの専門家ではなくて、被験者になる方の、患者さんの人権問題についても見識をお持ちの方をぜひ入れていただきたい。これは、大臣が先ほどの専門家会議でもおっしゃってくださいましたので。
 あわせて、もっとさらに問題、これも郡さんがお取り上げいただきましたが、子供については今度は臨床試験じゃなくて、医師主導の治療実験で行うという発表まであるわけですが、大臣、安全性もまだわからない、抗体が上がるかどうかを見るんだよ、その段階で、子供ですからお母さんに多くは同意をとるわけですよね。私が懸念するのは、もしそこで先ほど述べましたような重篤な被害が起きた場合に、お母さんは、自分の判断でまだ十分安全でもないものに子供をさらしたと、絶対に自分を責めてしまう。
 おまけに、この場合の補償は、医師主導型の治験は公の補償じゃないんですね。これは医師たちが入っている自賠責のような保険、例えて言って恐縮ですが、医師たちが個別に入っている保険なんです。当然、給付額も減ります、補償額は減ります。しかし被害は起こるかもしれません。
 大臣、子供について、私はもうちょっと後でもいい、ある程度安全性と抗体を大人で見てからだって遅くないんじゃないでしょうか。それは、受ける親側の懸念も含めてですが、どうお考えでしょう。

舛添国務大臣 今委員おっしゃいましたように、六千人、これは医療関係者などでまず臨床研究をやります。それのデータをきちんと見た上でやるということが、私は、若干時間はおくれても適切じゃないかというふうに考えていますし、今おっしゃったように、親の同意を得るといっても、今のような世論の状況だと我先にという形になって、結局、例えば脳脊髄の病を得たりするときになると、自分を一生責めるということになりますから、そこは慎重に対応してまいりたいと思います。

阿部(知)委員 厚生労働省の、本当に国民に正しい情報を伝える御努力をさらにお願いいたします。
 ありがとうございます。


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