第169回国会 厚生労働委員会 第14号(平成20年5月16日(金曜日)) 抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
高度専門医療に関する研究等を行う独立行政法人に関する法律案(内閣提出第五三号)
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〔前略〕
○田村(憲)委員長代理 次に、阿部知子さん。
○阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。
本日は、四人の参考人の皆さんに、私はいろいろな思いを抱きながら、お話を聞かせていただきました。
まず、大村参考人にお伺い申し上げます。
実は、私は、大村先生が書かれた「医療立国論」という御本を、ちょっと席を外しておられますが、民主党の山田先生からこんな本があるよと紹介を受けまして、よくよく見たら、あっ、私の先輩だったと思いました。私は今、実は小児科医を長くやりまして、国会に来て八年目ですが、国会に来て、日本の政治には医療における国家戦略がないと政治の中に来てしみじみ思うんですが、少子高齢社会を迎えて、これから日本は、逆に医療を武器に、国内経済の立て直しも国際的にも打って出るべきだ、私はそう思って国会にやってきたんですけれども、逆に、毎回の審議は本当につまらなくなることばかり、削減、縮減、この独法化も手順が違っておると私は思うのです。
まず一点目は、先生に、日本の医療の国家戦略ということをどうお考えか、大変大きな問いでちょっと申しわけないのですけれども、でも、私は、そこが定まらないと、この国はずっと財務省の財政抑制政策のもとに厚生労働省がひれ伏し、私たち政治家はほとんど意味のない改革を改革という名でやるんじゃないかと。 きょうは思いのたけを言わせてもらいますので、よろしくお願いします。
○大村参考人 阿部先生、大変ポイントをついた御質問をありがとうございます。
大変大きな内容の質問でございますけれども、医療だけではなくて、福祉とか、こういった子供とか女性の社会進出とか、総合的な政策というのが非常に今望まれる時期に来ているだろうと思います。
この医療の役割という中で、特に日本は少子高齢化で労働力が減ってきているというのは議論が盛んになされますけれども、ヨーロッパなんかでは、高齢者がいかに働くか、それをいかに支援するかということを政治家が腐心しておられるということで、私も既に、あるいはここの垣添参考人も同じ年でございますけれども、六十六で高齢者の部類に入っておりますけれども、まだまだあと十年や十五年は頑張って働けるという自信を、老害にはならないようにしますけれども、持っておりますし、日本では働きたいという高齢者はいっぱいおります。こういう人たちの健康を守って、そして医療がそこで面倒を見て、そして元気になったらまた働くんだ、そうすれば、労働力が足りなくなるという問題はもうすぐに解決してしまう。
もう一点、医療が支えなきゃいけないのは、やはり女性の問題。これは福祉もそうですが、日本で未就労の看護師が五十五万人おります。それから、私どもの大学にもたくさんの女性の医師がおられますけれども、結婚して子供ができたりすると、本当に働くのは不可能なような社会環境がございます。
そして、保育園一つをとっても、特に都市部ではなかなか自分の希望のところに入れない。結局、それでもう断念して非常勤になったりする、あるいは、場合によっては一〇〇%家庭に入ってしまう。貴重なお金をかけてこれだけ立派な養成をした医師や看護師たちが社会の役に立っていないという非常に経済的な損失がある。
これも、医療、福祉を支える形で国が大きな政策をとってくれば、非常に労働生産性も上がりますし、国が豊かになって、高齢者が自分で保険料を払う、あるいは税金を払うということで、自分で自分を支えるような世の中が出てくるではないか。何も、若い人が高齢者を支えなきゃいかぬ、そういう話ではないのではないかと私は思っております。
現にその例として、ヨーロッパ、EUの国々は非常に社会福祉に力を入れております。昔はこれは、経済学者の間では、市場原理主義で、こういったことをやれば国はだめになるということが当たり前のように語られていた。今はそうではありません。特に北欧の国々は、医療とか福祉に大いにお金を注いで、これを経済成長の原動力にしている。
先ほど私は、ISOの委員をしていると申し上げましたけれども、ここに、北欧の小さな人口一千万以下、五百万程度の国々が、たくさんの医療関係の大企業を背景にしてやってきている。そこに女性がたくさん来ます。子供がいても堂々とそういうところに出てきて発言をするチャンスがある。そして、そういったことを国が支援している。これが日本のこれからの少子高齢化社会の将来ではないかというふうに思いますので、特に、医療を負債と考えないで、医療とか福祉とか、そして女性の社会進出を支援するということに力を注いでいただきたい。
ちょっと一言、言い忘れましたのでつけ加えますが、スイスのいわゆる世界経済フォーラムというのがございますけれども、ここはダボス会議の主催者ですが、ここで、いわゆる女性の男女格差、社会進出度を百二十八カ国の中でランキングをつけておりますが、日本は百二十八カ国のうち九十一位である。そして中国は七十位台、そしてベトナムが四十二位と。これもやはり医療、福祉を国の負債とする考え方のツケが回ってきているので、ここにお金を注ぐ、財源を投入すれば、国が豊かになるチャンスは幾らでもあるということをもう一度政治家の先生方にぜひ考えていただきたいというふうに思います。(拍手)
〔田村(憲)委員長代理退席、委員長着席〕
○阿部(知)委員 質問して拍手すると委員長に注意されそうなので、ちょっとやめました。
そして、この独法化問題も、私は、先生が救急蘇生をやっておられたので思うのですが、患者さんに輸血が必要なときに、要するに今、医療現場はマンパワーが足りないわけですよ。垣添先生のがんセンターだって麻酔科医がやめちゃう、とんでもない時代ですね。
そこに独法化という手段は私は手順が違うと。医療は手順を間違えば患者を殺しますよね。独法化する前にやることがあるんじゃないか。私も、国立の病院や文科省のもとの大学に勤めましたから、不自由度はいっぱい経験していますが、それでもなおかつ、今独法化すべきかどうかと聞かれたら、手順が違うと思うんです。
恐縮ですが、繰り返しになりますが、独法化ということをどういう段階で、何を優先して行うべきか。あるいは、私自身は、国家戦略から見ればもっともっと後でもいいと思いますが、そのあたりは先生はどうお考えでしょうか。
○大村参考人 ありがとうございます。臨床の小児科の現場にあった先生の言葉だから、非常に私は重みを持ってお聞きいたしました。
まさにおっしゃるように、先ほどの意見陳述の中で申し上げましたけれども、今この日本の医療が極めて危機的状況、崩壊している。そこの中をどういう問題点を明確にして、そしてどういう解決をするという目標を決める。それをやるにはどうしたらいいかという議論の手順でやっていただければ、独法化も一〇〇%私は反対いたしませんけれども、今の議論は、そういったところを抜きにして独法化をやる。
ですから、先生がまさにおっしゃった、救急蘇生をやっているときに、輸血かどうかとやっているときに、周りの体制はどうしようかなんというような話で、私が申し上げましたように、家が火事になって一大事のときにまさにリフォームの相談をしているような印象を受けるわけです。
ですから、独法化、まずこれが先にあるということではなくて、今の医療をどうしたらいいかということをまずきちんと青写真を出して、そして独法化の議論をしていただきたいというふうに思います。
○阿部(知)委員 次に、和地参考人にお伺いいたします。
私は、和地参考人のテルモという会社の注射針を使って子供に点滴をしておりましたので、ああ、この会社のこの会長がこうした品格ある企業のリーダーであるということをとてもうれしく思いました。
実は、私が医療は国家戦略だと申しますのは、例えばですが、キューバなどは、非同盟諸国百六十八カ国に医師を派遣して、いわゆる医療外交をしておるわけです。日本もこれから、人間の安全保障とか、やはり国際医療貢献とかいった場合に、テルモを含めたいろいろなところが開発している治療用の医療機器というのは私は大変望まれていると。
ちなみに、キューバはほとんどの医療機器を日本から輸入しております。私はそのことはとてもうれしいと思いますし、そして、例えばタイに行けば、低開発諸国を支援しておりますが、その支援の中で一番問題になるのは、欧米の高い機器を買うと本当に医療を普及できないんだ、やはり日本に望まれるものが多いという話をアジア諸国からも聞きます。
先ほど、薬品の開発と医療機器の開発は違うんだとおっしゃいましたが、確かにそのとおりで、しかし、多くの中小企業が支えてくださるこの医療機器の開発分野に国は必ずしもきちんとしたインセンティブを与えていないというか、サポート体制をつくっておられませんし、まして、この独法化の中で、ある程度企業規模の大きいところはよろしゅうございましょうが、そこに自分たちがある程度寄附をして、その見返りで成果をすぐ上げなきゃいけないというのは、これはちょっと厳しいところも正直言ってあると私は思うんです。
私は、国家戦略とは、まず、そうした開発も含めて、イノベーションも支えることをもっと国が戦略に位置づけた上で、そして、人体を初めとする、医療機器というのはもろ人間にかぶってきますから、そうした分野にもっときちんとしたマンパワーを補充しながら行っていくということが大事ではないかと思うのです。
だから、和地参考人が独法化に期待してくださる部分も本当にわからないわけではないです、現状不自由がいっぱいですから。でも、恐らく、多くの開発を担う中小企業の皆さんにも十分な国の国家支援がないんじゃないかと私は思いますし、そのままでいけば、非常にドネーションも貧しいものになる。要するに、寄附したらすぐ見返りを求めるような中で、私は人間を対象とする開発をやってほしくない。やはりもっとロングタームで、きちんと腰が据わって、本当にやり抜いていけるようなものをつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○和地参考人 基本的には先生のお考え、全く同感であります。
正直言いまして、医療機器に光が当たってきているのはこの数年でございまして、それまでは本当に道具扱いですし、舞台裏にいました。でも、やっと、先ほどもお話ししましたように、内視鏡やらカテーテルができて、医療というのはこれだけ患者さんに優しくて、最後は医療経済的にも非常にプラスになるということが認識されたのはごく最近でございます。
ただ、例えば、医療機器というのは改善、改良なんですけれども、改善、改良を行うのは、いまだにドクターが承認を得てからしか使えないのですね。非常にばかな話でして、開発の途中でドクターの意見やら患者さんの意見やら聞きながらやっていかなきゃいけないのですが、そういう足かせが物すごくあるというのが実態でございます。
先生がおっしゃるように、私は、日本人の特性を踏まえると、医療機器というのは世界の国家戦略として非常に有効だと思います。これは悪口を言うわけじゃないですけれども、私どもも海外に十五の工場がありますから、アングロサクソンの人たちの特性と我々の特性とはかなり違います。発想はアングロサクソンというのは非常に優秀ですけれども、きちっと物をつくる、品質を確保するというのは、これは悪口を言っているわけじゃなくて、特性として非常に苦手です。それに対して、やはり農耕民族のせいか、我々日本人の品質に対する感度あるいは文化、それは相当に高いものだと思います。この特性を生かしていかないと、これからの日本の国家戦略というのは本当に私はもったいないなというふうに思っておりますので、基本的には先生がおっしゃるとおりだと思います。
私が今危機感を持っていますのは、国産品のない医療機器というのがあるのですね、さっきのペースメーカーやら弁とかそういうたぐい。この種は、今の時点においてはやはり国家戦略としてオール・ジャパンで開発していかないと、いつか後悔するときがあるのではないかというふうに私は思います。
ただ、私がいわゆる独法化に賛成の意見を申し上げたのは、やはりもっともっと自由度を増し、もっともっと人的交流があって、もっともっといろいろな異業種との交流の中で発想が出てくるという時代ではないかなと。そういう意味で、独法化先にありきと言っているのじゃなくて、やはりそのくらいに考え方を変えていかないと、この日本の医療あるいは医療機器の将来に対してもったいないな、私はそういう観点で申し上げています。
○阿部(知)委員 和地参考人の御趣旨はよくわかったつもりでございます。工学系の知恵もかりなきゃいけないし、この日本のいろいろな人材を活用できないのは本当にもったいないと思います。
私は医療現場におりましたから、一方では、患者さんに対して、人体を用いたいろいろな機器の開発というものの必要性も十分承知しております。一方で、逆に患者さんにとっては、自分が治るということと、治療を受けている、そのサポートをする人材が非常に重要で、それが、岸田さんを初めとするナースだったり、あるいは垣添先生のような医師たちでもあるわけです。
しかし、私は、実は二十数年前、岸田さんと一緒に働いていて、きょうは懐かしく思いましたが、よくぞあの重労働の中で続けていただいたなと本当に思いました。母子入院ではないので、子供たちだけを預かって、夜中に泣く子、状態の急変する子、それを抱えながらも、看護婦さんたちは聖母マリアかと思うような働きをしてくださいました。
でも、きょう見ても、まだこんな体制で夜勤をしておるのかと。この国は一体、本当に医療を支える人材にこれだけ目を配らず、心を配らず、そして、その害は結局患者さんに行く、医療事故等々の多発にもなると思うのです。逆に、看護師さんたちというのは、例えばそれが治療実験的なことであっても、その分、不安が強い患者さんたちに対して、御家族に対して、きちんとその訴えを受けとめてやっていただくためのキーパーソンになると思います。
私は、もしも今度の独法化を機に看護師さんがもっとふえるのなら、医師がもっと自由に採用できるなら、これは一つの光かと思いますが、そのあたりは岸田さんにも、総人件費の例えば枠がはめられたり、非公務員型といえども、やはり運営費交付金も人件費も厳しく絞り込まれるのではないかという懸念を私も抱いております。現場におられて、再度になりますが、その点をどうお考えか、本当に貴重なお仕事をしてくださっているので、きょうはちょっと最後に伺いたいと思います。
○岸田参考人 意見陳述でも少し触れたのですけれども、十八年度と十九年度で約七十名の看護師が退職をしています。平均年齢は二十代後半ということで、今の現状でも、中堅層あるいは指導者的な看護師が去っているところです。全部が全部、厳しい中で退職を決めたわけではないにしても、今後やはり独法化になる中で、こういった熟練看護師の離職というところが本当に起こるのではないかというのが一つ大きな不安としてあります。
あと、成育医療という国民医療、政策医療としての役割がある反面、独法化になってそれが役割として果たせていけるのか。病院の方針としても、安心して子供を産み育てる医療と、我が国だけでなくて世界的なレベルで医療を目指して実践していくという目標を掲げておりますし、また、どこの地域に住んでいても、小児医療、同じレベルの医療を受けられるようなモデル医療も実施して、リーダーシップをとってこれからやっていく、そういう課題を持っていることを考えますと、非常に不安があります。独法化になったことによって縮小されたり診療科がなくなったり病床が縮小されたりというような、そういう懸念が非常に強くありますので、そういう点では、やはりそこのところを、マンパワーはもちろんですけれども、本当に保障がされているのかというところを十分に審議していただきたいというふうに思います。
以上です。
○阿部(知)委員 よい研究も開発も、しっかりした臨床の上にあるという御指摘だったと思います。
垣添参考人には、いろいろな胸のうちがおありだと思いまして、あえて質問をちょっと控えさせていただきましたが、これからも貴重な政策提言を、特にがん、国民病ですので、お続けいただきますことをお願い申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございます。
-------------------------< 中略 >------------------------------
○茂木委員長 次に、阿部知子さん。
○阿部(知)委員 社会民主党の阿部知子です。
本日は、午前中に参考人の皆さんにお話を伺い、また、午後に審議のお時間をいただきました。
しかしながら、私は、審議が進めば進むほど、現実の医療の崩壊状況、今高橋さんも御指摘でありますが、がんセンター関係のがんの基幹的な施設すら病床数を減らしておるという現状、あるいは、神経疾患等々では医師が国府台からおやめになっている等々、もう一つ言わせていただければ、国府台は昔から小児の精神疾患で有名なところでしたが、平成十八年の四月から産科と小児科はもう休止をしております。何だか、ここで論じていることと現実がこんなに乖離していて、これこそ机上の空論と言うんじゃないかなと思います。
ナショナルセンターを研究中心に、そこに国立の研究センターとわざわざ研究を入れたとしても、足元、土台が崩れてしまえば、研究も何も、私は本当にこれで日本は大丈夫かなと思うものであります。
きょうは、特に長寿医療と申しますか、今大変問題になっております後期高齢者医療制度を含めて、今日本で喫緊に政策化しなければいけない御高齢者医療についてお伺いを申し上げたいと思います。
まず一点目は、五月の二日でしたか、東京新聞で報道されましたが、脳卒中や認知症で御入院中の一般病床から九十日以上を経た患者さんを、いわゆる包括払い、後期高齢者であるからといって後期高齢者特定入院基本料を算定する、従来の入院費より、出来高払いで行っておりましたものを約三分の二に減らすということをやり始めた病院がある。その理由を患者さんに説明するときは、私が今申しました後期高齢者、最近は何でも後期高齢者なんですが、後期高齢者特定入院基本料だということで御説明がされているようです。
これは担当部局で構いませんが、なぜ七十五歳以上になると、三カ月たつと包括払いになるのか、年齢による差別ではないですか。一点目、どうでしょう。
○水田政府参考人 お答えいたします。
議員御指摘の後期高齢者特定入院基本料についてでございますが、これは、平成十年に老人長期入院医療管理料といたしまして老人診療報酬に創設されたものでございまして、今般の改定で新しく創設されたものではないということをまず申し上げたいと思います。
その上で、御指摘の点数項目が設けられた理由についてでございますけれども、これは、高齢者の場合、急性期を対象とする一般病床におられても、一たん入院されますと、若人と比べまして、生活機能の低下等が起こりやすく、入院が長期化する傾向が強いということから、一つには、提供されるケアに応じた療養病棟並みの評価とする、第二に、このことも通じまして、高齢者の長期療養のための環境の整った療養病床等での療養を促進することを理由としておりまして、こうした考え方のもと、現在に至っているものでございます。
○阿部(知)委員 今のを建前というので、差別じゃないかということには一言も答えていないわけですよ。老人保健制度下で平成十年からやっていたからいいんだと。
私ども野党は、このたび、この廃止法案を準備しておりますが、それは、例えば、老人保健制度下でやっていたからいいかどうかじゃなくて、本当に七十五歳という年齢をもって包括払いに持っていくことが現状で御高齢者の生存や医療を奪っているんじゃないかということも含めて、土台からきちんと話し合おうということですから、今の水田さんのは答えにはなっていないと思いますね。
そして、現状で、長期化するとか生活能力が落ちると。だから出していいんですか。だから一般病棟からは出た方がいいと。一体どこに行くんですか。お願いします。
○茂木委員長 水田保険局長、答えになっていないということですから、しっかり答えてください。
○水田政府参考人 こういった後期高齢者特定入院基本料というのは、まさにそういった長期療養に該当する、相当するような状態にある方をケアするのに必要なサービスを提供するのに必要な診療報酬であるということから設けられているものでありまして、差別をするということではございません。
それから、今御質問になりました、こういう人たちはどこに行くのかということでありますけれども、一つには、まず、そもそも論でありますけれども、一般病棟は急性期の入院医療を提供するための病棟でありまして、九十日を超える長期の入院患者に対しましては、そのための療養病棟と同程度の入院料を算定することとしているわけであります。
しかしながら、難病患者でありますとか重度の障害者等の特殊な疾患によりまして長期の入院医療を必要とする患者に対しましては、上記の取り扱いの対象から除外をいたしまして、九十日を超えても一般病棟入院基本料を算定することができる、このようにしてございます。
それから、それでは、こういう除外例に当たらない方はどうするのかということをさらにお尋ねかと思いますけれども、そういう方につきましては、よりふさわしい、回復期リハビリテーション病棟、あるいは長期の療養環境の整った療養病床等の施設類型が既に存在しておりますし、今回の改定におきまして、例えば、脳卒中の患者さんにつきましては地域連携クリティカルパスの対象疾患にしたところでございますし、また、入院時から退院後の生活を見越した退院支援を行えるように計画を策定し退院調整を行った場合の評価というものを新たに創設したところでございます。
○阿部(知)委員 るるお話しになられましたけれども、それで平成十年からやってきたことがどうであったかということを見直さないと、今回の後期高齢者医療政策、三文安と言われるところの、そして現状でニーズを満たしているかというところが全く浮かんでこないわけです。そこで私は伺ったんです。
まず、お手元の資料の一枚目を見ていただきたいと思います。
これは、厚生労働省のある優秀な官僚の方がつくられて、私はよくできていると思うんですが、七十四歳以下と七十五歳以上で、今後、この政策のままでいった場合に、一体我が国はどんな患者さんがどんなふうに発生していかれるだろうかという予測図であります。右側に七十五歳以上でございますが、二〇〇五年段階で二十万弱の脳血管障害の患者さんは、二〇二五年、中ほどに行けば、二倍、四十万から五十万になる。これは、ちなみに、今の政策以上のものをもっと組み立てていかねばという前提つきですが。
大臣もごらんになってわかるように、まず、一番政策のターゲットはこの脳血管障害。見ていただけば、もう私たちの世代はまさにここに当てはまります。ここをどうやって、例えば、治療介入からアフターケアからその方の本当の診療の場、治療の場までをどうプログラムしていくかというところが問われている。だからこそ、この十年を見直すべきだと私は冒頭申し上げました。
そして、二枚目、おめくりください。
ここには、では、これまで国が提供してきたさまざまなスキームはどんなものがあるか。先ほどの水田さんのお話で、一般病床から、九十日たったら、重い人はそこでちょっと除外はしてあげましょう、しかし、重いか軽いかの判断も全く示されずに、ある方は回復期リハに行ってください、またある方は障害者病床に行ってください、あるいは療養病床に行ってください、あるいは運よく在宅ができる方はしてくださいと。このほかにも特養や老健がありますが、それも足りていないのは大臣は御存じだと思います。
しかし、今、このいずれもが目詰まり状態なんです。行くに行けないんです。例えば、回復期リハに行こうと思っても、回復期リハの評価が、その受け入れた患者さんをどれだけ在宅に帰せたかということで、非常に厳しい算定制限があります。障害者病床は、余りに高齢者が来るので、これを来るなと押し返しています。療養病床は、ここを削るというお話になっています。行き場がない人が現状で生まれているのではないか。
大臣は、その御認識はおありですか。お願いします。
○舛添国務大臣 これは、数だけ見ればそういうことはあると思います。
ただ、少しこの実態をよく調査してみたいというのは、大まかに言うと、例えば、そのうちでいわゆる社会的入院的なものがどうなのか。
それで、阿部委員がおっしゃったように、急性期でぴっしり治して回復期のリハをやる。急性期をだらだらだらだら何日間もやるというのには私は余り賛成じゃありません。それは、早くもとに戻して回復期をやればいい。
ただ、では、例えば回復期リハから追い出されるというけれども、御自宅でやれる方がこの中にどれだけいるのか、ちょっとこれは実態もよく調べてみたいと思います。
○阿部(知)委員 まさに大臣がおっしゃったとおりなんだと思うんです。
私は、この十年の実態を出してほしいんですね。その実態に基づいて次の制度設計をしなければ、今、世上、ちまたですよ、病院からもう出される、行き場がない、重い患者さんが大変に悲鳴を上げているということです。
大臣、次の三枚目をごらんください。
これは、今おっしゃったとおりの、今後のみとりの場はどうなっちゃうんだろうか。このままでまいりますと、自宅は少々はふえてまいりましょうが、これは核家族化しておりますから、二〇三〇年度でもそうはふえることはかないません、看病も介護も必要なんですから。
その次の介護施設も、今の倍あったとして、これは、ちなみに何のグラフかというと、二〇三〇年、年間亡くなられる方の数が百六十万として、どこで亡くなられるか、まさにみとりの問題です。大臣、医療機関が現状の九十万から減らないとしても、四十七万人が今のままでは行き場がないんですよ。
私は、だから、今本当に政策化する必要がある。そして、その政策のターゲットはリハビリだと一つには思います。やはり改善できる人は改善してさしあげる、それは非常に重要です。
しかし、先ほどの山井委員との質疑の中でびっくりしたんですけれども、本当に長寿医療センターは七十五歳以上の方のデータ統計をおとりにならないんでしょうか。包括医療になっていたらもうデータをとらないのかどうか、まず一点教えていただきたい。
もう一点、大臣には、政策医療というのは疾患体系別で十九ですね、しかし、リハビリはどこに位置するのか。国の政策医療の中にリハビリをもっときちんと私は位置づけていただきたい。
時間の関係でもう一つ。そうしたことを担っている厚生年金病院、各所にありますよ。私は、それを安易に民営化したり、今この段階でですよ、政策医療が何かも何も見えない中で、五里霧中の中で、せっかくの財産をほうり出すべきではないと思います。
大臣には二つ。リハビリ医療の政策化、厚生年金病院。
また、長寿医療センターについては、七十五以上の高齢の集計は、データはどのように処理されるのか。お願いします。
○外口政府参考人 まず最初に、リハビリテーションの政策的な位置づけでございますけれども、平成十八年の医療法改正において、都道府県が医療計画において医療連携体制を構築すべき四つの疾病の一つとして脳卒中をまず位置づけております。
昨年七月に厚生労働省が示した医療計画策定のガイドラインにおいて、脳卒中について、急性期の治療から回復期のリハビリテーションを経て生活の場に復帰するまで、切れ目のない医療を提供することが必要として、リハビリテーションを担う医療機関の役割や重要性について明記をしております。こういった形でリハビリテーション、特に脳血管疾患にかかわるリハビリテーションを位置づけているところでございます。
長寿医療センターの七十五歳前後に特化した研究について……(阿部(知)委員「前後じゃなくて、後です」と呼ぶ)済みません。特定の研究についてまだ詳細承知しておりませんので、よく調べてまた報告させていただきます。
○舛添国務大臣 リハビリの重要性ということは政策医療的にもきちんと位置づけたいと思っています。
それから、厚生年金病院、そのほかの社会保険病院についても、地域の医療が損なわれることのないようにそれは合理化する、これはもうきちんと押さえたいと思います。
それからもう一点、先ほどのみとりの場なんですけれども、我々はどうしても、自宅かないしは病院か、こういうことになってしまいますけれども、例えば、外国だとナーシングホームのようなところでみとりの場がある、ホスピスというのもあります。だからこそ、終末期医療についてきちんと議論をすべきなんです。
ところが、不幸なことに、終末と言ったら、私をうば捨てにするのかとか、それから、遺言と言っただけでそれは感情を害されるかもしれません。ですけれども、私は、この問題についてはやはり広く国民的な議論をやるべき時期に来ている、そのことだけは申し上げておきたいと思います。
○阿部(知)委員 リハビリもきちんと政策医療ネットワークに位置づけて、チャートしてみてほしいんですね。そうすると、大臣、どこに何が欠けてはいけないか、出てまいりますので。
質問を終わります。
○茂木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時三分散会
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