第169回国会 厚生労働委員会 第17号(平成20年5月28日(水曜日)) 抜粋

案件:

 政府参考人出頭要求に関する件

 児童福祉法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六〇号)

 児童扶養手当法の一部を改正する法律案(西村智奈美君外二名提出、第百六十八回国会衆法第一四号)

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〔前略〕

茂木委員長 次に、阿部知子さん。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 本日は、五人の参考人の方、内容と思いの大変に深いいろいろな御意見を賜りまして、ありがとうございます。
 とりわけ私は、森田さんがおっしゃった、日本の、こうした児童福祉法の改正に当たって少子化対策なんだろうか、それとも、子供の権利やあるいは母と子、父と子、家族、家庭の権利なんじゃないか、本当はそう思うという視点を御指摘いただきまして、大変に心強くも思いました。きょうの参考人の皆さんは、皆さんそう思って格闘してこられた方々だと思います。
 そこで、順次伺わせていただきます。まず大日向参考人にお願いいたします
。  今回、いろいろな見直し施策の中で、乳幼児の家庭訪問あるいは養育の支援訪問等々のプランが出されておりますが、私はもともと小児科医で思いますのは、やはり今日本で、産むこと、出産するということをもう少し自分たちの側に取り返していかないと、非常に、社会が産む力を失っている。その端的な表現が、出産の場がない。これは日本の政治の施策の過ちでもありますが、産むというところからも見直していかないといけないのではないか。
 そうなりますと、生まれて四カ月から、初めてのこんにちは赤ちゃんという訪問事業はとてもいいと思うのですが、もう一歩進めて、実は今、産科医の間でも、あるいは助産師さん等々などでも、既に妊娠の段階からケアし、問題点を早目に、やはり親になることの不安や経済状況も含めていろいろな問題が今ありますので、もう一歩先行して、出産に至る場のフォローからもっともっと施策がないものかと思いますが、そこはいかがでしょうか。

大日向参考人 御質問ありがとうございます。
 先生のおっしゃるとおりかと思います。産科医が足りなくなったり、分娩前の健診の充実等は非常に大事だと思います。生まれる前にいかに手当てを厚くするかということが、健康な赤ちゃんが生まれ、発達保障につながっていくということは、私は十分よく承知しております。
 ただ、今回の法案は、重点戦略で、働き方の見直し、そして地域の子育て支援の充実というところの二点に絞って具体的な制度設計が託されたということは御理解いただきたいと思います。
 しかしながら、それでもなお部会では先生と同じような意見が出されまして、「基本的考え方」の中に、分娩前の手当て、あるいは産科医の充実等ということが含まれておりますので、お答えさせていただきます。
 ありがとうございます。

阿部(知)委員 私は、人間の一生というのは一貫したものだと思うのです。そして生まれ出るところも、どんな状況で妊娠されたか、子供を授かるかというところからして本当に大きいので、ぜひこれは、そこから重点というよりはもう少し一貫した流れを、ぜひまた大日向先生初めとして、つくっていただけたらなと思います。よろしくお願いいたします。
 次に、赤石参考人にお伺いいたします。
 赤石さんはずっと、こうやって母子家庭が手をつなぐことを自分たちでつくり出そうと思って、いわば格闘してこられた。その意味で、みんなが信頼もし、仲間をつくることの大切さを一緒に学んでこられた方かと思います。
 二十数年前の御自身の経験をお聞きするだに、例えば、九万五千円のお給与に児童扶養手当が加わっても十三万、十四万。さっきの数値を聞きますと、例えばお家賃が五万、食費は四万から五万、着るものも着なきゃいけない。果たして、社会保険料負担というものが年金を初めとして医療保険等々できるんだろうか。正直言うと、今なんか国民年金一万四千四百十円、ああ大変だなと。
 実は、母子家庭のお母さんたちの多くは非正規で、行き着く先が国民年金しかなくて、ずっと苦労して育てて、自分の老いを含めた老後も不安定というか、低賃金、低収入になるという本当に深刻な事態を日本は迎えていると思うのです。もちろん、今のことにもう手いっぱいというのはよくわかります。子供を育てていれば、そのときでもう手いっぱいです。
 でも、私は今、もっとその先を案じてしまう。高齢社会になって、特に女性のおひとり暮らしが多いわけです。そういう視点から、シングルマザーたちのよりよい社会的条件の整備ということでもし御意見があれば、一点伺いたいと思います。

赤石参考人 四、五年前に、母子家庭の年金加入状況調査をしたことがございます。
 それで、すごく加入状況が悪くて、国民年金の免除をしている方もすごく多かったんです、今ちょっとそのデータを持っていないんですが。それから、国民年金に入っていらっしゃらない方も五%ぐらいたしかいらしたと思います。その方がそのまま働いたら、どのくらいの年金をもらえるのかというシミュレーションもしました。そうしますと、本当に年間で二十万とか三十万の年金しかもらえないというような方もたくさんいらしたんですね。
 そうなりますと、今会員で高齢になっている人たちもいますけれども、老後の心配というのは物すごく大きいと思います。子供の収入に頼る人もいますが、そうなれば、子供は一生お母さんを養っていかなきゃいけないというようなことで、本当に家も出られないというような子もいます。
 それから、母子世帯等調査で社会保険の加入状況も調査していますけれども、やはり年金に加入していないという方が一七・五%いらっしゃいますし、もっと気になるのは、健康保険も加入していないという方が六・五%もいらしたということで、本当にこういったものを払うこともできません。
 ちなみに、私は、九・五万円の収入のときにはもちろん国民年金は免除されておりまして、それが響いて、私がもらえる年金は多分八・八万円であるかと、またちょっと目減りするんじゃないかなと思っていますけれども、その程度しかもらえないということです。

    〔委員長退席、田村(憲)委員長代理着席〕

阿部(知)委員 私は、今赤石さんがおっしゃったとおりのデータで、とても深刻だと思うんですね。せめて、子供たちが育つことに対しての児童扶養手当はそれとして確保していかないと、母のその後も成り立たなくなる。別に、子供に扶養手当としてもらったものを使うとか使わないとかではなくて、母の生活分もないし、社会保険料負担もしていけないのではないかと思いますので、今回民主党の西村さんたちがお出しになった、児童扶養手当はやはり削減すべきでないという法律、削減をしないということを明言すべきだと思いますし、さらに、いろいろな母子手当はもっと加算することはあっても、本当にこの国が貧困化を防ごうと思えば、やらねばならない施策は多々あるように思いますので、ちょっと与党席少ないですけれども、しっかりと与党の皆さんとも意見を一にしていきたいなと思います。
 次いで、庄司参考人にお願いいたします。
 庄司さんとは、実は、私は小児の神経科医で、庄司さんは精神関係のことをやっておられたので、以前からよく存じ上げてはおるのですけれども、長い間こういうお仕事に邁進されて、本当に心から敬服したいと思います。
 きょう私が庄司さんにお伺いしたいのは、実は、私が鎌倉にございます病院に勤めていたときに、鎌倉には鎌倉保育園といいまして、昔、小児科医の佐竹さんという方が日本で初めての児童養護施設を開設されたところで、児童虐待という問題が起きました。本来は小児科の医師として、私財をなげうって、本当にその地域で頑張ってこられて、なおかつ、そこでは家庭的保育ということを標榜して、いろいろな年齢の子供たちを保母さんが泊まり込んでケアをしておりました。私も何回か行ったことがありますし、そこで世に言う虐待という事象になったということは大変衝撃的でありました。
 私は、そのとき二つのことを思いました。
 一つは、子供たちがSOSを出せる場所はどこなのか。例えば、ちょっと力の強い子が弱い子を虐待する、そういう虐待の連鎖も起こっています。あるいは、いろいろなことでストレスを抱えた保育者の皆さんが、保育者の人はまじめですから、やはり自分がよりよくあらねばならないと思う余りすごく追い込まれていき、結果的には、虐待経験のある子供たちはなかなか心を開いてくれないところで、逆にその保育者から虐待になる。
 私が思ったのは、二つのSOS、子供にとってのSOSの発信の場と、保育者にとってもSOSを出せる、自分は頑張ってもそんなにパーフェクトじゃないことが、生身を、生ものを扱うときはあるんだと思うのです。
 庄司さんは、乳児院で勤められ、その後里親もやられて、本当によく努力してこられたけれども、やはり、いろいろなところで子供とうまくいかないとか、SOSを出したいときも実はあって当然だし、そのときの仕組みというのはどうあればいいだろうということを一番的確にお話しできる方かなと思ったので、ちょっとその御意見を賜りたいと思います。

庄司参考人 ありがとうございました。
 子供とかかわっていれば、施設でも、あるいは里親のもとでも関係が非常に厳しい状態になるということはあります。
 そういった意味で、一番の相談機関は、本来は児童相談所があるのですけれども、児童相談所は、一つは措置機関であって相談しにくい部分があるということと、それから、非常に多忙であってなかなか応じてくれない。そういった意味では、SOSを受ける場として、神奈川県では子ども人権審査委員会など、あるいは東京都でもあるかと思いますし、多分今度の法改正で、都道府県だけではなく、都道府県の児童福祉審議会も相談を受けられる体制になるのではないかというふうに思います。
 いずれにしろ、これは重層的に、まず施設の中で子供が信頼して話せる場、あるいはいろいろ意見を表明できる場、そして、それを担保するためには第三者評価を定期的に行っていくということも必要ですし、それから、施設内で解決がつかない場合ということもありますので、施設の子供には権利ノートを渡して、そこに、相談があったらそのままはがきとして出せるものが添付されることが多いんですね。そういったことですとか、それから、相談の受け皿として、自治体もそうですけれども、何らかの子供の権利擁護機関みたいなことが必要ではないかというふうに思います。
 それから一点、まだ施設の子供の方が、権利ノートとか第三者評価とか苦情解決のシステムができているのですけれども、里親のもとにいる子供に対しては里子向けの権利ノートというのも、ごく一部の自治体でつくっているだけで、里親制度はいいと言うけれども、それはいい里親のところに行った場合であって、ひどい里親のところへ行ったら最悪だというふうに元里子から聞いたことがあるのですけれども、里子の権利擁護というのも非常に大きな問題です。
 ただ、微妙な問題がありますので拙速にはできませんけれども、子供がSOSを出せる、それから受けとめる場ですね。それが同じように保育者も、本当は施設の中のスーパーバイザーということもありますし、あるいは施設関係者が、その施設とは独立して施設関係者の集えて話し合える場、そういったことが必要ではないかというふうに思います。

    〔田村(憲)委員長代理退席、委員長着席〕

阿部(知)委員 ありがとうございます。
 私も、実はそこのあたりが一番重要かなと。子供たちには今、権利ノートとかありますし、あるいはチャイルドライン、電話で自分のことを言って、求めてというのもあるけれども、どっちかというと保育者の方にはまだ全然それがないというか、そこも大きな問題なんじゃないかなと思います。
 そこで、森田参考人にお伺いいたします。
 きょうのお話でも、もともと、日本と例えば韓国や米国、スウェーデンを比べた場合に、子供の権利という視点から見てそれを担保するもの、私は、それは同時にまた、そこで働く保育関係者、養護関係者にとってもオンブズマン組織等と同じ流れになると思うのですが、そのあたりを日本はどうしていくべきか。一番重要なポイントだと思いますので、ちょっと御意見を賜りたいと思います。

森田参考人 子供の権利侵害が起きないようにするというのは当たり前のことで、私ども大人たちというのはそれに向けて努力しなければいけないというふうに思っておりますが、これは世界じゅうでどうしても起きてしまうということ、だからこそ、世界じゅうで子供のオンブズパーソンというものが整備されてきているんだと思うんですね。
 日本でも、先ほど御紹介させていただきましたように、国の方の報告書の中でも五つの自治体でオンブズパーソンを持っているという紹介がありますけれども、もっと多様な形のものを含めて考えていきますと、実は、私がかかわっておりますNPOの方で、世田谷の活動なんかもそうなんですが、自治体が集まったシンポジウムを毎年一回やっております。
 そこで、最終日に、子供に関するオンブズパーソンとか、そういった権利擁護の活動をしている人たちが集まって会議をするのですが、昨年はそれに四十自治体がかかわっておりますので、そういう意味では、やはり基礎自治体を中心として、そうした子供の権利侵害が起きたとき、あるいは起きないように予防していくためのオンブズパーソンというものが、子供の側に立ってどうしても必要だという認識は広まっていると思います。
 さて、翻って、日本の国にとってどうかといいますと、これはまだできていないわけです。例えば韓国なんかを見てみましても、子供の権利の侵害、これは政策評価、財政的な評価、町づくりの評価、さまざまな場面から今行われているわけですが、こういったものを、私も昨年会ってまいりましたけれども、その評価委員の中に子供自身も入って、その評価組織を国家としてつくっていくという、大変そういう意味では、日本と比べますと一歩も二歩も進んだ、子供参加型の子供の権利実現のためのオンブズパーソン制度、あるいは子供の権利を実現しているかどうかの評価システムというものを導入し始めています。
 そういった意味で、日本の中でも、自治体のみならず、国の方でこういった仕組みをきちんと御検討いただけるということが必要なのではないかと思っております。

阿部(知)委員 では、最後に福川参考人に伺います。
 子供を育てるとは、例えば三人預かれば年中無休ですし、気持ちも体も休まることがない、また、それを職業的に位置づけて、やはりきちんとやっていくことの必要性もきょうは改めて御指摘いただきまして、大変貴重な御意見だったと思います。
 もう一つは補助者ということも、例えば自分の子供でも、一人で三人見ていれば、もう髪は逆立ち、何をとるにも事故はないかとか大変なわけで、本当に補助者というのも必要なものだと思うのですが、現状で、家庭で子供さんを預かられるときに補助者として来てくださる方というのでしょうか、その方たちはどんな状況で働いておられるのか、あるいはどういう方たちなのか、そこを少しお示しいただいて、これから何を改善すればいいのかを最後にお願いいたします。

福川参考人 御質問ありがとうございます。
 補助者というのはなかなか認められてこなかったんですけれども、三鷹だったかと思いますが、事故が起きまして、やはり補助者が必要だろう、そういう必要性に迫られて、公的な形での補助者を雇い上げる費用を補助するということがどうも始まったようでございます。
 そうやって自治体の方で少し面倒を見ようということの前から、実は保育者たちは、例えば自分の家族にいろいろなことを頼む。例えば定年退職した御主人がいらっしゃれば、彼がいろいろ、散歩のときには一緒についていってくれるとか、危険防止をしてくれるとか、さまざまな形で、また、成人した子供とか高校生ぐらいになった子供とか、そういうある程度大きくなった子供たちがいれば、その子供たちが学校から帰ってくると子供たちの相手をしてくれるとか、そういう家族の中で、親族の中での補助者。
 それから、保育者自身が、お友達であるとか近所の人であるとか、そうやってほとんど個人的に補助者を探すんですね。そして、午前中だけとか、食事の世話であるとか、お散歩の時間であるとかさまざまな、そういう日常的な保育をある程度助けてくれる人を自前で雇う、そういう実情がございました。調査をしたときにも、そういう形で自前で雇っているという方々が結構いらっしゃいました。
 ですから、それは個人的に探さなければなりませんから、いなければとても困るわけですね。そういう意味でも、もう少し人材の点でも、補助者をどのように確保するかということを自治体の側でも援助していただけるといいなというふうに思います。
 やはり補助者がいることで、危険防止や密室化の防止であるとか、保育そのものが本当に豊かになるという点で、たとえ一人保育体制であっても補助者は必要であるというふうに思います。全時間いる必要はないかもしれませんが、ぜひ、組み合わせやその他の点で、そういう制度も進めていただきたいというふうに思っております。

阿部(知)委員 貴重な御意見を皆さんありがとうございます。政策に生かせるよう取り組みたいと思います。
 終わります。

ーーーーーーーー 中略 ーーーーーーーー

吉野委員長代理 次に、阿部知子さん。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 本日は、午前中が参考人にお話を伺い、そして午後また審議ということで、皆さん、長時間大変に御苦労さまです。
 私は、きょう午前中の参考人のお話の中で、特に日本の少子化対策と呼ばれるものは、本来、子供の権利という子供の側から光を当て直す大きな発想の転換が必要であろうというお話もこれあり、その子供の権利の中でも、なかんずく最も肝要となってまいります教育体制ということに関して、冒頭、大臣にお願いをしたいと思います。
 まず、大臣のお手元にもございますが、先ほど高橋委員の御質疑の中でも、こうした児童養護、保護にかかわる人手の手薄さは御指摘あったところですが、ここには、緊急一時保護といって、虐待が起きた、あるいはある場合は、家庭内暴力などの本人が暴力を振るっている場合の子供の保護ということも含めて、一時保護所というものの状況を表にしてございます。
 先ほど高橋委員が、最後にお使いにはなられませんでしたが、お示しの資料は、平成十九年までデータがございまして、日本全国で百十七カ所。私の資料は十八年度までですので百十三カ所でございますが、定員が二千四百七十七人に対して、日々大体千三百二十人の子供たちが在所しておられます。
 この一番下を見ていただきたいんですけれども、平均在所日数というのがございまして、二十五・九日。ちなみに、平成十三年には十八・五日であったものが平成十八年には二十五・九日。平成十九年で統計をとりますれば、恐らくこれはさらに、三十日近くなってきているかもしれません。
 緊急一時保護所というのは、そこからその次の児童養護施設に行ったり、あるいは御家庭にもう一度帰るという、そのほんのつかの間を見るものですが、ごらんになってもわかるように、そこに在所する日数がどんどんふえてきております。
 ちなみに、私の神奈川県、中央児童相談所では、これが四十五日になっております。この四十五日間は、実はシステム的には、ここで保護された子供たちは教育へのアクセスができません。そこで、今のこうした、そこにいても子供は日々育ち学ぶものですから、現状、どんどん延びていく在所日数に対して、これは舛添大臣にお伺いいたしますが、現状についてどういうふうに御認識であるか。
 ちなみに、神奈川県の場合は、次の児童養護施設等々がないということで送るに送れないというところもありますが、私はやはり、ここにいる間もきちんと教育的な配慮がされたらいいなということも含めて、在所日数が長くなっていることについて御感想をお聞かせください。

    〔吉野委員長代理退席、委員長着席〕

舛添国務大臣 今委員が、神奈川は四十五日だということをおっしゃいました。やはり、三十日とか四十日ということで、その間学習の機会を奪われるというのは何としてもよろしくないと思います。特に、文部科学省初め関係省庁ときちんと協議をして、どういう形でこれは対応できるのか、具体的には文科省がいろいろな手を打つと思いますが、こういう問題についても協力して対処していきたいと思います。

阿部(知)委員 大変ありがたい御答弁ですが、少し戻らせていただいて、これは児童局長に伺います。
 二ページ目をあけていただきますと、二ページ目は、ここの入所児童の年齢別です。ゼロから五歳、六から十一、十二から十四、十五歳以上と分けてございますが、要は、学齢期にある子供たちが三分の二以上だということであります。緊急一時保護でも、学齢期にあり、なおかつそこは教育へのアクセスがまだ十分できないということであります。
 三ページ目をごらんいただきますと、それに対して、一応、厚生労働省といたしましても、暫定的にと申しますか、OBで教職の資格をお持ちの方を非常勤で措置というか手当てしてございます。例えば、私の行きました神奈川の場合ですと、約十五人の子供に対して非常勤の方一名が週三十時間のお仕事をしていただく。これは、扱っている子供たちの人数とそこに臨時で配属された先生の仕事量と考えますと、大変にアンバランスでございます。
 こうした実態についてはどうお考えでしょうか。

大谷政府参考人 一時保護所の入所期間は、今御指摘のとおりに長期化する傾向にあることなどから、一時保護を行った学齢期の子供の学習は非常に重要な課題と考えております。
 現在、一時保護所におきまして、生活指導の一環として学習指導を行っているわけでありますが、今お話がありましたように、教員免許を有する一時保護所の職員が学習指導に当たる場合、また、平成十六年度から実施しております国庫補助事業であります一時保護機能強化事業を活用して教員OBが指導に当たる、こういった形で、地域の実情に応じた対応を行っているわけであります。
 さらには、こうした教員OB等を活用した取り組みを強化するために、昨年度から、補助単位を各都道府県等ということから各児童相談所に改めまして補助の充実を図るとか、また、教員OB等の人材確保に苦慮している地域もあったということで、そういったことから、文部科学省より、各教育委員会に対して人材に係る情報提供等の協力を行うよう依頼していただく、こんな対応を行っているところでありますが、御指摘のとおり非常に重要なテーマでありますので、さらに取り組みを進めていきたいと思います。

阿部(知)委員 私は、大臣も母子家庭でお育ちになったということでよくおわかりと思いますが、子供たち自身をエンパワーしていく第一のものは教育であります。そこが、もともと一時保護される子供たちは、虐待経験があったり、それまでの学業もおぼつかない中で、また一時保護所でほとんど学習の権利を奪われている。非常に大きな損失だと思うんです。
 きょうは、実は、文部科学省の方にお願いして、副大臣に御答弁いただけまいか、とりわけ池坊さんは虐待問題で大変にいろいろなお取り組みをしておられますので、そうお願いいたしましたところ、委員会であるというお話でした。でも、委員会は午前中で終わっております。私は、審議官が来られてありがたいですけれども、聞けば、四時から外出であると。私は、彼女が一生懸命取り組んでいるから、ここの場は、本当は政治家の言葉で、ここは大きく子供たちの施策を前進させていただきたいと思います。
 これはお伝えください。どこでどういうふうにそういうふうに入れ違ったのか。きのう、質問取りを投げましたときに、私は、副大臣対応でしていただけないかとお願いいたしました。それで、結果的に審議官。でも、委員会は午前中でした。本当に国会は審議の場ですから、本当の意味で文科省も前向きにお取り組みいただきたい。
 そこで、審議官にお願いします。

布村政府参考人 お答えいたします。
 一時保護中の児童生徒につきましては、当該児童が在籍しております学校あるいはその設置しております教育委員会におきまして、施設との連携を密にして、施設内における学習指導を支援していくことが大切であると考えております。
 このような観点から、文部科学省といたしましても、これまでも、生徒指導を担当する者を集めた会議などにおきまして、児童生徒が一時保護されたときは、児童相談所などと日々十分な連絡をとり必要な支援を行うこと、また、児童相談所における教員OB等の配置を支援するため、情報提供等の協力を行うことを要請してきたところでございます。
 今後とも、一時保護期間中の児童生徒への学習支援の充実が図られるよう、学校、教育委員会において適切な対応を促してまいりたいと考えております。

茂木委員長 布村審議官、先ほどの阿部委員の御指摘、大変重要でありますから、しっかりお伝えください。

阿部(知)委員 ありがとうございます。
 百十七カ所の緊急一時保護所中、さっき言った、非常勤の方が十五人の子供を週三十時間で見るという体制を含めてですが、四十八カ所しか手当てされておりません。
 再度大臣に、恐縮ですが、ぜひ、文科省と本当にここは折衝していただいて、協力して子供たちのよりよき発達のために御尽力くださいますようお願いを申し上げます。

舛添国務大臣 早速この件については渡海文部大臣ときちんと協議をして、指示を出したいと思います。

阿部(知)委員 前向きな御答弁、ありがとうございます。
 次に、母子家庭の社会保険の加入状況について、なかんずく医療保険の加入状況をお取り上げさせていただきたいと思います。
 全国母子世帯等調査結果報告書、平成十八年十一月一日現在でございますが、いわゆる母子家庭で、社会保険、とりわけ医療保険に加入していない世帯が六・五%あるということです。お母さんが加入していなければ、当然子供も医療保険を持たないような状態になってしまいます。
 ちょっと時間がないので大臣に直にお伺いしたいんですけれども、こうした事態というのは、年金の加入も、母子世帯の場合、一七%近くお母さんが加入しておられない、将来そのお母さんも無年金になる、深刻な事態ですが、医療の場合は待ったなしなんですね。
 医療保険に加入していない無保険、あるいは、加入していても、今、お母さんたちのアンケートを見ますと、保険料負担が大変に高いから払えなくて無保険になりかねないと。資格証明書を発行されているんじゃないかと私は不安でならないわけです。今、全国で資格証明書が大体三十四万発行されていますが、その中に母子世帯の方はいないんだろうか。
 ここは、大臣、お願いがあります。
 例えば、障害者の方の場合ですと、こうした資格証明書は発行されないような仕組みができております。母子世帯についてもそうした配慮、私はもともと資格証明書などは反対です、でも現実に発行されているやもしれない不安を持つわけです。まず実態を調査していただきたい。そして、とりわけ子供さんのいる世帯では絶対に取り上げがないようにしていただきたいですが、どうでしょうか。

舛添国務大臣 母子家庭の医療保険の加入状況を調べてみますと、いわゆる被用者保険に加入している方々は四九%、国民健保に加入している方は四四・六%。加入していないという方が六・五%ありますけれども、この中には生活保護も含まれているので正確なところはわかりません。
 資格証明書とか短期の保険証、これは滞納があった場合にお出ししますけれども、ある意味で、そういうのをお出しするというのは、相談窓口にぜひ来ていただきたい、そして、そこでそれぞれの細かいケアを、手当てを、どういうことができるか相談していただきたいというように思っております。
 そういう意味で、全体的にどういう状況であるか、これは調査できる限りやってみたいと思いますけれども、なかなか、滞納している方が母子家庭かどうか、そこまで細かくトレースできるかどうかという問題もございます。しかし、問題意識としては、私はやはり社会保障というのは最後のセーフティーネットでないといけないと思いますから、母子家庭の皆さん方に対するセーフティーネットに欠けるところがあればこれは充実すべきだ、そういうふうに考えております。

阿部(知)委員 厚労省にお伺いしたところ、実態は把握しておられないということで、私は懸念するものです。
 そして、先ほど申しました障害者の場合は、制度的に自立支援医療の対象となるので、これは保険証の短期あるいは資格証明書の発行はされない、ブロックがかかる仕組みがございます。それくらいにやらないと、気がついたときには親子ともども無保険で、医療にアクセスできない状況が生まれかねないと危惧します。もちろん、相談に行けばいい、それはそうです。しかし、前もって安全弁を入れておかないと、私は、さっき言った虐待の事案でもそうですが、先に安全弁があれば悲しい事態はブロックできるように思います。
 最後に、今回の法案以外のことで、療養型病床群についてお伺いいたします。
 これも、私は月曜日に神奈川県に行ってまいりましたが、神奈川県は、国の削減計画の中では、一応、現在一万二千八百十三ある療養型病床を七千五百四十四に削減せよということでありました。ところが、神奈川県で独自にいろいろな、厚生労働省のお出しになった指針にのっとって計算をしてみたところ、やはりどうあっても一万三百五十五床だというところに落ちつきました。
 これは、医療区分が何であるとか、厚労省のおっしゃったとおりに数値を入れて、しかし、これからの高齢化率、あるいは、最後につけました資料をごらんになっていただけばわかるように、神奈川は実は決して療養型病床の対千人当たりの比が大きいところではないのでありますが、そういうところで地方の実態に合わせて試算した数値が、先ほど申しました厚労省のお示しになる七千五百四十四よりは約三千床多い値になるわけです。
 私は、この数値を見たとき、大臣にぜひ伺いたいのです。これは、地方で医療計画をして、地方それぞれに取り組んでやって上がってきた結果であります。今、全国で集計を集めておられるそうですが、そうした地方がおのおのに努力された実態というのは重く見ていただけるんでしょうね。いかがでしょう。

舛添国務大臣 何度も申し上げていますように、介護それから医療、これはまさに現場が一番大切であります。そういう地方の声をきちんと尊重し、そのことを踏まえた上での柔軟な計画の見直し、さらに今後の展開ということを考えていきたいと思っております。

阿部(知)委員 ぜひそのようにお願いしたいです。
 そして、大臣にお見せした「神奈川県の療養病床の削減計画」の右の下の方にちょこっと書いてありますが、回復期リハビリテーションというのがここは一千百四十五床で、正直言って、人口規模当たり決して多くはございません。
 私は、いつもこうした論議のときに、リハの施設、急性期、回復期、維持期、地域リハ、これがきちんとマッピングされて、どこに行けば何が受けられるのかがわかるような体制にないと、この療養型病床だけを減らせ、減らせとやっても行き場がない、あるいは、本当に早期のリハをかければ、軽く、予後がいい方も多いわけで、この間の療養型病床削減の方針というのは、大臣が今御答弁いただいたように、現状に合わせて見直すということを厚労省としてもぜひお取り組み願いたいと思います。
 そして、最後に申し述べさせていただきますが、本日の法案に対して実は附帯決議というものがつけられます。先ほど長妻委員の御質問にもありましたが、私は、これはただの紙切れではなくて、とても重要だと思っておりますが、本日私に寄せられました附帯決議は、私の手元に来たときには一文言なりとも訂正もできなければ追加もできないものでありました。
 私は、国会の審議というものは、これは与党の皆さんに特にお願いを申し上げたいですが、ここで論議したよいことを盛り込んで、さらにムーブアヘッド、前に進むものだと思います。時間の、いろいろなせっぱ詰まったこともおありだったでしょう。しかし、そうしたやり方というのは、国会が軽視されるもとになります。私は、できた附帯決議をみんなで守っていくようにやっていただきたいということを最後に一言申し添えて、終わらせていただきます。


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