予算委員会 第5号(平成20年2月8日(金曜日)) 抜粋 案件:
会計検査院当局者出頭要求に関する件
政府参考人出頭要求に関する件
平成二十年度一般会計予算
平成二十年度特別会計予算
平成二十年度政府関係機関予算
〔前略〕
○逢沢委員長 これにて志位君の質疑は終了いたしました。
次に、阿部知子君。
○阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
私は、本日は、冒頭、一問目、環境問題について福田総理にお伺いをしたいと思います。
七月の洞爺湖サミットにおいては、三つの大きな課題があるというふうに言われております。一つは、今私が申し述べました環境の問題。そして、これはある意味では世界の貧困問題と密接不可分である、貧困なところが、食料においても、あるいは居住、水の問題においても最も被害を受けるだろうという問題。そして三つ目は、金融危機の問題。この三つを我が国が世界の中にどのようなメッセージを送って解決していくべきかということで、福田総理のお考え、あるいはリーダーシップが問われるところかと思います。
きょう、総理のお手元そして皆様に、一枚目、これは日本とドイツの太陽光発電の比較でございます。恐縮ですが、総理には、カラーではないので、もしよろしかったらこれを。皆さんは、ごめんなさい、カラーじゃないです。済みません。
ここには、我が国は実は太陽光発電においては世界に冠たる日本でありましたが、お示しいたしましたように、グリーンと赤でわかりやすく書かせていただきましたが、二〇〇四年を境にしてドイツの方が太陽光発電、年度年度の発電量も日本を追い抜き、もちろん累積量も三千五百メガワットという形で、我が国が十数年営々と取り組んできたこの太陽光発電の首位の座を追われたというか、抜かれたわけです。
せんだって大田大臣が、GDPが十八位というお話で、皆さんショックであったということでありますが、私は、逆に、これからのエネルギー政策という意味で、実は、食料とかエネルギーは国家の、あえて言えば国民の基本でありますので、この太陽光発電がドイツと逆転したということ、果たして総理はどのように、これは印象でも結構であります、さっき十八位には驚いたというふうにおっしゃいましたが、太陽光発電、この実態についてはいかがでしょうか。
○福田内閣総理大臣 太陽光発電の普及は、我が国としては、コスト低下のための技術開発、設備導入の支援などを行うことによってその導入促進を図ってまいりました。その結果、我が国の太陽光発電の累積導入量、これは最近十年間で約三十倍に達しました。ところが、二〇〇五年にはドイツにその数字が抜かれてしまったのでございます。この表にあるとおりでございます。
ただ、太陽光発電の生産シェアという観点から見ますと、我が国企業は世界の約四割を占めております。ところが、ドイツは二割なんですね。ということでございまして、ドイツを大きく今のところ引き離している、今のところ。日本の技術が世界の太陽光発電の普及に大きく貢献しているというのは、これは紛れもない事実だというふうに思います。
今後、我が国のこうしたすぐれた技術が我が国におけるさらなる太陽光発電の普及につながるように努力していく必要があると思います。このため、これまで以上に高効率で低コストな太陽光発電の技術開発や設備導入支援などを行いまして、ドイツ、米国など各国の導入策も参考にしながら、太陽光発電の普及を加速するための対策を抜本的に行ってまいりたいと思います。
○阿部(知)委員 私が今、太陽光発電のことを特に例に出しましたのは、再生可能エネルギー、自然エネルギーの中でも、我が国はもちろん風力分野においてもバイオマスという分野においても高い技術力は誇っておりますが、特に今、総理が御答弁いただきましたように、太陽光発電においては、世界のトップ五社のうちの三社が我が国の会社でございます。どこと言っては個人でいけませんでしょうから。そうしたすぐれた技術力を持ちながら、私は、あえて言えば、政治の政策的なある種の怠慢と言うと失礼ですが、ある意味で、きちんとこれを本当に有意義に取り入れられないことが、我が国のトップの座を奪わしめたのではないかと思うわけです。
例えば、ドイツでは、ある固定価格で十年間、太陽光発電の発電を買い取るという制度を二〇〇四年にしきました。それは、設置する側にも安定が十年続くということで、非常にいい誘導策になる。我が国も、思い起こせば、平成六年あたりからでしょうか、各家庭に太陽光のソーラーパネルをつけて、それに補助を出すという形で、国民に広く理解していただく形で太陽光発電は進んできた。それがまた底力にもなっていたと思います。
甘利大臣、洞爺湖サミットを控えて、政治は、我が国のすぐれた技術力、そして世界に対するメッセージ、日本はやはりまず京都議定書をしっかり実行しなきゃいけないし、そして、自然エネルギーというのは、実は地球温暖化対策の中で、たい焼きの中のあんこ、心髄部分にもなるような、非常に私は意味のあるエネルギーの政策だと思いますが、そういうものを伸ばしていくためにどういう政策パッケージをお持ちであるか、御答弁をお願いします。
○甘利国務大臣 御指摘のように、ドイツに抜かれました。抜かれるだけの理由があります、お話ちょっとありましたけれども。
要するに、電力会社が高く買い取る仕組みですね。どのくらい高いかというと、キロワットアワー当たり七十五円です。発電事業者から七十五円で引き取ってくれるんです。恐らくペイラインは四十五円ですから、二十年ずっと保証されていますから、もうかりますから、雨後のタケノコのごとくどんどんIPPという卸電力事業者がいっぱい生まれたんです。では、電気事業者、電力会社は困るかというと、全く困らないんです。そっくりそのまま消費者に乗っけて、電気料金に乗っけて引き取らせていますから。
そうすると、どういうことが起きているかというと、日本の太陽光発電によるコスト増というのは、平均的な一家庭当たり三十円乗っかっているんです。ドイツは今五百円乗っかっています。これが際限なく上がっていきます。そろそろ消費者から悲鳴が上がっています、全部乗っけてツケ回しで来ていますから。そういう事情です。
さはさりながら、御指摘のように、日本は太陽光、設備、生産は世界一ですから、この現実を見て最大の努力をしなければいけない。
そこで、公共や産業用側の導入は低いんですね。家庭用は途中まで支援をしていました、ペイラインに乗ったというのでやめましたけれども。今、家庭用からは二十二円から二十六円で引き取っていますけれども、事業者用は十円ぐらいですから、伸びません。これを、抜本的支援策は拡大しようと思っています。
それから、RPS法で、一定割合、電力会社が新エネを導入するという義務がかかりますけれども、この新フェーズに入るときには、太陽光を他の新エネの二倍にカウントするから伸ばせということをやっていこうと思います。総理からの抜本的な技術開発もそのとおりです。
それから、先般の記者会見で私も表明しましたけれども、日本に大規模な太陽光発電所をつくりたいと思っております。この要請をしていこうと思っています。世界最大規模。今まで世界最大は、太陽光では恐らく三万から四万キロぐらいだと思いますが、それをはるかに上回るものをつくっていきたいというふうに思っていまして、技術開発とそういう具体的な要請、それから公共、産業用の支援策と含めて、太陽光発電が浸透していくようなロードマップをつくっていきたいと思っております。
○阿部(知)委員 いろいろパッケージをお述べいただきましたが、本当にやはり今、日本が世界に向けたメッセージになりますので、しっかり取り組んでいただきたいということと、もう一つ、なぜ自然エネルギーなのか、なぜ太陽光発電なのかというと、これは非常に分権型のエネルギーでございます。
例えば、さっき大臣おっしゃった、何百カ所も買い取りができたんだ、これは、主に、配電をつかさどるある会社が、そこには個人がNPOのような団体をつくって加わるということで、地域のエネルギーを地域で回していこうと。この委員会の場でも、過疎の問題、限界集落の問題、いろいろ言われますけれども、やはり本当にその地域でエネルギーを賄える、もともと日本というのはそういう国だったと思います。非常に地方分権が進み、エネルギーとかいろいろな生産の問題が、地域で顔が見えて、そして、生産者、つくる人がまた同時に消費者になっていくというような意味では、分権化ということとこの自然エネルギーというのは密接不可分です。
ドイツが我が国に先んじたところのもう一つの理由は、その分権型社会が進んでいたということでありましょうから、今大臣は世界一の太陽光発電の基地をつくるんだとおっしゃいましたが、そういうセンターと同時に、地方で、送電されて配電、各家庭に電気が行き渡るようなシステムの本当の制度改革をしていただきたいと思います。
きょうは時間の関係でこれだけ言わせていただいて、もう一つ鴨下環境大臣に私は大きなエールを送りたいので、ぜひ前向きな答弁をお願いしたいのですが、この地球温暖化問題では、やはり三つのポイントがあると思います。
排出権取引。二酸化炭素を排出して、その炭素に価格をつけるということ。
それから、今申しました自然エネルギーということ。今は過度に石油に頼ったエネルギーの社会に私どもは暮らしています。原発も、実は、後負荷、後の負荷が大変でございます。廃棄物、その出てきたものをどうするか。ある人によっては、トイレのないマンションだと原発のことを言います。そういう意味でいえば、私どもは、今ある原発施設はこれ以上ふやさず、その間に自然エネルギーによる発電をふやしていきたい、これが二番目です。
三つ目は、やはり環境税という税のあり方であります。せんだってのバリの会議でも、アメリカとカナダと日本が、ポスターを岡田さんが見せましたけれども、温暖化にいろいろな邪魔をしている的な言い方をされましたが、この三国は環境税というものをつくってはいない。しかし環境省は、これまで何らかの形で環境税と言って、炭素に課税し、そして、しかしそれは単なる増税じゃない、課税をしてそれを減税にも向けられる、例えばそういうことに一生懸命努力したところは減税するとか。いわば環境税は税制中立なものであるし、もっと大胆に切り込める、我が日本の社会に絶対に、本当に定着する税だと思います。
そこで、鴨下大臣の決意のほどを伺います。
○鴨下国務大臣 阿部先生の友情に大変感謝を申し上げる次第でございます。
今それぞれお話がありましたように、エネルギーそのものは、やはりおっしゃるように、地産地消のような概念というのはこれから入れるべきだろうと思います。そして、再生可能エネルギーといいますか、そういうような意味でも、バイオマス、それから風力、さらに太陽光、こういったものを入れていく上でも、ある意味で環境にもっと資源をつぎ込んでいかなければいけない、こういうようなことが一つ。
それから、今先生がおっしゃったように、もう一つは、例えば、炭酸ガスを排出する、これにもコストがかかるんだ、こういうような概念がいわば社会の中に共有されないといけないわけで、そういう意味でいうと、炭素に価格をつける、いわゆるカーボンプライシングと言われていますが、こういうようなことも、私たちは目的として環境税というものをずっと言い続けているわけでございます。
そういう意味で、いよいよこれから京都議定書の第一約束期間にも入ります、また、ことしはG8のサミットがあります、こういう中で日本がしっかりと環境というようなものを打ち出していく上でも、環境税について国民の方々に理解を求めるためにしっかりと頑張らせていただきます。ありがとうございます。
○阿部(知)委員 本当に頑張っていただきたい。
というのは、環境税というのは、国民は今、アンケートをとっても六割が導入はいいとお考えである。しかし、それはどういうふうに私たちの社会に還元されるか。例えば、森林の整備であるとか、先ほど言った自然エネルギーの活性化であるとか、あるいは、ドイツなどは社会保障にもその財源を使って、特に日本で、先ほど志位委員が御指摘になりました、非正規雇用で、みんな若い人が社会保険料の負担をされないで、自分で、もう本当にぎりぎりになっている、企業も社会保険料負担が重いというところを、それを補てんしながら、若い人には安心を、地球にはやはり本当に美しい星であることを保障できるような税制であると思います。
本当は額賀さんにも、それはいいと言っていただきたいですが、済みません、時間の関係で次の議題に移らせていただきます。
次に、舛添厚生労働大臣にお願いいたします。
きょうも長妻委員が御指摘になりました年金の問題。どうも、これまでは、あと二年したら五千万件、とにかく社会保険庁の形態が民間といいますか違う公法人になるときまでは、きちんと皆さんにお一人残らずお返しするんだと言っていらしたけれども、それは一つ一つ確実にやっていくんだからということで、二年という期限は、実は先がちょっと見えないんだというふうな御答弁と私は承りました。
そうならそうで、実は、私がこの前のこの委員会で問題にさせていただきました後期高齢者の医療制度の保険料や国民健康保険の保険料を、今、政府は二〇〇八年四月の改正で、年金から天引きになさろうとしています。年金は確実に受給者に保障されない、浮いたまま、でも、天引きだけはいたしますよというのは、いかに何でも、大臣、これはちょっと国民的な感情から見てもいかがなものかと。
舛添大臣、一体どれくらいの方がことしの四月から、年金から国民健康保険の保険料あるいは後期高齢者医療制度の保険料を天引きされるのか、その人数は御存じでありますか。
○水田政府参考人 まず、後期高齢者の医療制度でございますけれども、約一千万でしたかでございます。あと、六十五歳以上から七十四歳までの国保の加入者の方でございます。
○阿部(知)委員 下向いてもごもご言われても、テレビを見ている国民にもわからないし、私は本当は大臣に知ってほしいんですね。一体この天引きがどのくらいの人に影響するのか。二千万人です。
今、五千万件の年金の持ち主がわからないものが宙に浮いて、みんな自分の年金が確定できない、もらえない人だっているんですよ。そこでなぜ、保険料の天引きだけ先にさっさと決めて、有無を言わせずやるんですか。おかしい、幾ら何でも。
総理、二千万人ですよ、今度天引きの対象は。例えば障害者自立支援法でもそうです。きちんと所得保障をして、その中から天引きするというならまだあり得ます。でも、年金も確定されない、戻ってこない。消えたか、浮いたか、どこへ行っちゃったかわからない年金問題を抱えて、二年たっても、その先も正直言ってわからないかもしれない。
そういうときに、なぜ年金の額から保険料の天引き、自動的に二千万人、こういう過酷なというか、過酷以上に理が立たないですよ、国民に対して。余りにも申しわけない。国民をばかにしている。入る方は確定しない、取る方、持っていく方、あなたの負担ですよという方だけ先に進める。これは改めるべきではないですか。 これは、ごめんなさい、舛添さんじゃなくて福田総理に。国民が一番期待する、もちろん大臣にも期待しています、でも、最大の、私たち国民のリーダーシップをとるべき福田総理です。きょう私が申し上げて初めてこの数値とかを御存じになったのかもしれません。ちょっと考え直していただきたいが、いかがでしょうか。お時間は差し上げます。
○逢沢委員長 それでは、最初に舛添厚生労働大臣、簡潔にお願いします。その後、総理から答弁いただきます。
○舛添国務大臣 まず、後期医療制度、これはいろいろな観点からこれを入れました。既に御説明いたしました。
そして、やはり、保険料を払わないといけない人の立場から見ると、天引きをするというのは非常に便利がいい、それは市町村の事務効率も上がるということです。ただし、これは年額十八万円以上の年金額を受給している方を対象としますし、介護保険料との保険料額が年金額の二分の一を超える場合には年金からの徴収対象としない、それから、非常に低所得の方に対しては軽減措置を設けているし、それから、本当にお困りの方には窓口相談を含めてきめ細やかな相談が行われるというような体制はとっておりますので、どうか御理解を賜りたいと思います。
○阿部(知)委員 大臣は賢いから、わかっていて言っているんだと思いますよ。私が言っているのはそんなことじゃないんです。年金が自分に幾ら来るか確定しない、だけれども、取る方だけはお先に失礼、これでは余りに国民に失礼だと私は言っているんですよ。
十八万以下、すなわちそれは、この前高橋さんがやりましたよ、一万五千円の方からも七千円までは年金天引きで持っていくという制度ですよ。それだってとても威張れた制度じゃない。だけれども、対象は後期高齢者だけじゃないんです。六十五歳以上の、年金受給の二千万人にかかわる天引き問題なんです。
天引きが、本当にその方が、自分が便利と思っていたら、銀行預金から引き落とすことだって今だってやっているんです。これを、年金という国が責任を持たなきゃいけない制度から、その責任を果たさずに、先に天引くことの問題を私は指摘したいんです。
総理、いかがですか。これは、ごめんなさい、総理にお願いします。
○福田内閣総理大臣 今、年金でもって全く不信を買ってしまっているという状況の中でこういう新しい仕組みを導入するということについて、違和感がある、納得いかないというそのお考え、お気持ちもわからないではないです。
この四月から、後期高齢者医療制度それから国民健康保険について、年金から保険料を徴収する仕組みを導入した、こういうことなんですけれども、これは被保険者の方々の立場から考えても、保険料納付の利便性を考えたということ、そしてもう一つは、市町村における保険料納付の利便を図る、こういうふうなことがありまして、その方が、それぞれの利便性ということを考えても一歩前進、そういう気持ちで導入したということもあるんです。
これは、高齢者の方々の負担増を図るとかそういったような趣旨ではないんだということ、これははっきり申し上げておかなければいけないのでございまして、むしろ保険料については、低所得の方に対し軽減措置を講じるといったような、過大な負担とならないような配慮を行う、こういうふうにしておるんです。
そして、今厚労大臣からもお話ししましたように、年金から保険料を天引きするということでございますから、高齢者の方々に丁寧に御説明する、そしてまた、きめ細やかな相談にも応ずるということを各市町村に徹底してまいりたい、こう思っております。
○阿部(知)委員 年金から天引きしたら安くしてくれるんだったら利便というんですよね。でも、さっきから何度も言うように、年金額は、みんな、国民のどなたに聞いてもそうです、この五千万件の宙に浮いた年金問題は、きょう午前中でしたか、長妻さんもやられたように、その及ぶ範囲は膨大なものです。今、国がしっかり年金問題で国民に信頼を取り返さないと、私は、年金制度が瓦解すると。だって、二〇〇〇年以降も保険料を納めていても記録にない人が出てきているんですから、だれが信じますか。そこまで追い込まれているんです。
総理、認識はもっとシビアに持っていただきたい。そこから天引きする、さっき言った、銀行に自分が預けているお金から天引きじゃないんです、これはあくまで年金から天引きなんです。だから、私は、順序が違うでしょうと。
それから、総理にはお願いがあります。お地元に帰られたら、六十五歳の方に聞いてみてください。年金で今これだけ問題が起きているときに、天引き、あなたはその方が便利ですかねと。やはりどなたも承服いたしません。まず知りません。六十五歳以上の方は、これから、今は介護保険料が天引きされていますよね、それにプラス、医療保険の保険料があわせて天引きされるということは知りません。それは、後期高齢者の場合なんかはもっと、どんな額になるかも、市役所に問い合わせたって、広域連合に問い合わせたって、みんなわからないと言われるんです。生活設計が立ちません。天引きされたら、残りしか手元に来ません。四月からの生活の設計が立ちません、そういう段階にあります。
総理には、きょう私は、そうしたことをきっちりと、本当に国民に聞いていただきたい。それでないと、年金制度が本当に壊れてしまいますから、よろしくお願いしたいと思います。
舛添大臣にもう一つ伺います。
私は、政治の根幹は、やはり国民との約束、あるいは国民の納得にある。これは、日ごろ大臣がおっしゃるところであります。今、医療費の問題は、特に我が国が、後期だけでなく、高齢社会に立ち至っているということで、みんなが何とか削減しなきゃいけない、何とか縮こめなきゃいけないというふうに、上からふたをしよう、キャップをしようとしています。
私は、本当に無駄を省くには、逆に、医療に幾ら、この処置には幾ら、このお薬には幾ら、締めて、この説明には強いて言えば幾らということを、本当に国民が理解し、納得し、それがリーズナブルか、いや、高過ぎるかということを判断するところまで、いわば国民、我が国の国民は賢いんです、どう言っても我が国の国民は賢いと思います、その賢い国民にわかっていただいて医療費の無駄を省くという政策が一番なんだと思います。上から小手先で、あそこ削って、ここ削って、後期高齢者に至っては医療保障すらなくしちゃう。こんなことをやるよりは、きちんといわゆる明細書、医療の窓口で、幾らかかっているかという明細書を、実は全員に発行したっていいんだと思います。
きょう、お手元に、これは原寸大ですから、わざと拡大いたしませんでしたが、これは国立病院の壁に張られているちいちゃなちいちゃなアナウンスメントで、国立病院では今、その日にかかった医療の明細を、レセプトという保険請求に書かれたものと同等の内容でお示しするものを希望者には無料でお出ししますよという掲示であります。二年前に川崎厚生労働大臣が御答弁くださって、これは無料で国立大学がやり出しました。今は希望者がこれを言っていかなければなりません。
でも、舛添大臣、大臣のリーダーシップで、ここは、本来は、実は全員の患者さんに、これは領収書のかわりです、細かな領収書です、内容がよくわかる領収書です、フィブリノゲンが使われていたらフィブリノゲンと書いてある領収書ですというふうな詳細な領収書を今の領収書にかえて全員に発行するような方向を、特に国立病院でやっていただきたい。大臣のリーダーシップでできるんだと思います。いかがでしょうか。
○舛添国務大臣 二月五日の国会での答弁でお答えしましたように、最終的なゴールは、それを目指すべきだというふうに私は考えています。
実は、医療制度全体を見直さないといけないと思って取り組んでおりますけれども、阿部さんは小児科のお医者さんである。それで私は、例えば産科の救急医療体制をやるために聞き取りをやっていると、非常に訴訟リスクに対するおそれがある、したがって産科が医療にならない、したがって訴訟リスクをゼロにするような政策をとる。ノーフォールトにしろ何にしろ、やったら、今度は国民の側から、大臣は医者の味方ばかりするのかと。我々は医者に対して不信感を持っている、検査は何をやられたかわからない、薬の中身だってわからない、こういうことがあります。
だから、医療メディエーターというのを入れて調停者の役割をやろうとすると、大臣は医者を逃がすのか、医者と患者との対話をやめさせるのか、こういうこともある。こういうことの一つの解決策として、このレセプト並みの明細書というものを発行するというのは、極めて大事であります。
そして、これは、例えば、昔は、今でもお医者さんというのは偉いんです。阿部さんの前で私は、患者だったら文句が言えないですよ。だから、薬を山ほどもらったけれども、中身が全くわからないでもらっていた。今はちゃんと副作用がどうだと書いてある。これだけでも安心する。医者に言えますか、先生、これを書いてくれ。同じことなんですよ。ですから、きちんとやはりそういうことについて明細を示す。そして、これは基本的に無料であるべきであると思います。
そして、今、レセプトのオンライン化が進むにつれてそれはやっていくという方針を既に述べてありますし、そして、義務化ということも、まだ中小の病院なんかはあります、しかし、例えば国立病院においては、一括の評価方式であるDPCについても、中身をきちんと示すということは私はあっていいと。それで、それに対して患者が、何だこれは、先生、変な検査をしたんじゃないかと言ったら、ちゃんと対話をして、それで両者の信頼関係を築かないと、両者の不信感がある、そしてこういう問題がある、この悪循環を断ち切るべきだと思いますので、私は、そういう方向をゴールとして目指したいと思います。
○阿部(知)委員 実は、いわゆる患者さんがレセプトという保険請求の中身がわかるような明細書を入手できるようになったのは十年前。しかし、その十年前には、健康保険組合や国保組合にわざわざ行かないと、それは手に入りませんでした。だって、普通にスーパーで買い物をしたって、その場で、レジでレシートがじゃじゃじゃじゃっと出るじゃない。それと同じように、その日にかかった医療機関で、自分の検査は幾ら、お薬は幾らというふうなものが出て、その方がいいよねということを求めて、十年間やってまいりました。
今、舛添大臣がお答えくださったように、舛添大臣はこのことにも尽力をしていただいた。そして、国立病院では、それは明細書という名の領収書なんだから、ただで皆さんのお手元に、だって、領収書を出すのにわざわざお金を取るところはほかではないから、無料で手に渡るようにしましょうというところまでやってきました。あと一歩なんだと思います。
私が今お願いしたのは、それを、要求した人だけにしないで、大体、だって、わからないです、こんなちっちゃいものが壁に張ってあっても、お年を召していれば、申しわけないけれども、字も細かいし、それは何だと。領収書とは別に、診療内容のわかる明細書を無料で発行すると書いてあるけれども、それは何だということになります。でも、どんなお薬がどのくらいの価格であるか、やはり、本当にこれからはそれを知っていただかねば我が国の医療の無駄は省けないということから、大臣には、希望者だけじゃなくて、基本的に、モデルとして、大学病院、国立病院ではこれを全員に出すということをやってみるだけのリーダーシップをとっていただきたい。
それともう一つ。ごめんなさい。
同時に、心配してくださるように、今、医師と、まあ、私も小児科医師ですが、患者さんとの間の不信感というのは、もう極限にまで達している部分が私もあると思います。医師の方は忙しく、日々の処置に追われ、今、医療現場は、非常に少ない人数で、朝昼晩、夜中まで働いています。患者さんたちは、その中で多発するミスあるいは説明不足によっていら立ち、最終的には訴訟が起こる。この悲しい対立を変えていかなきゃいけない。だから、医師側が保身的になるというか、身を守らなきゃいけないという気持ちになるのも、私自身もよくわかります。
でも、そのために、大臣は、例えばメディカルクラークさんとかを置いて、間にそういう説明をきちんとできるような人を、この薬は何ですか、これはどうしてですかと聞かれたときに、医療スタッフにそういう人を備えていただいてサポートするというふうなお気持ちもおありなんだと思います。
恐縮ですが、その二点、踏み込んで御答弁をお願いします。
○舛添国務大臣 後者の方から申し上げますと、メディカルクラークは、これは既に予算化しております。そして、メディエーターのようなものを入れてきちんと対話を、これはお医者さんが逃げるということじゃなくて、対話を促進する、説明することをやりたいと思います。
そして、例えば領収書の発行とともにレセプト的な明細書の発行について言うと、だれに出してだれに出さないというようなシステムの開発をするより、ぱっとみんなに出す方がはるかに簡単です。お店の買い物となぜ医療が違うかといったら、我々は患者の立場からお医者さんに要求できません、欲しくても。したがって、少なくとも国立病院においては試行的にこれをやってみる。ほとんど義務的にやってみる。そして、それで弊害がある、お医者さんがこれじゃやっていけない、そういうことがあれば見直せばいいので、私は試行的にやることを指導していきたいと思います。
○阿部(知)委員 非常に前向きな答弁をありがとうございます。
最後に一枚だけ。救急医療のことを一言だけやらせていただきたいと思います。
実は、私は、約三十年前、自分の母親を、救急車のたらい回し、都内七カ所を回りまして、母は心筋梗塞で死亡いたしました。ちょうどその前後に、今ここにございますような医療の一次、二次、三次という仕組みができて、母のようにいろいろな病院をたらい回しされて、ある病院に行けばあなたは重過ぎる、ある病院に行くとあなたは軽過ぎると言って、結局死ぬまで治療されないような体制に何とかこたえねばならないという制度設計が一、二、三次ででき上がったものと思っておりました。
ところが、三十年たった今日、この前も示しましたように、この一、二年、救急車のたらい回しで、三次病院で、最後の拠点の三番目の、二十四時間診療で、いつでもだれでも絶対にお受けするという三次救急で断られる患者さんが後を絶ちません。
総理、このことについて、もちろん総理は、これはいいと思っているわけもないと思いますが、まず総理の御所見、そして総理なりに今何を一番しなきゃいけないと思っているか、その二点、お願いします。
○福田内閣総理大臣 救急時に搬送先が見つからないというような救急医療をめぐる昨今の状況、これは私も深刻に受けとめております。国民が安心できる体制をしっかりと構築すべきであると思います。
そのために、それぞれの地域の実情に応じた救急医療体制の確保をまず図るということでありまして、救急医療を支える医
師の確保、そして医師の確保についてより実効性のある対策を行うことで、救急患者を確実に受け入れる体制の整備にまずは努めてまいりたいと思っております。
○阿部(知)委員 医師の確保と一言で言われましたが、これが本当に大変であります。
今、総務省の方でこうした搬送たらい回しの実態を調査をかけておられますが、これは舛添大臣にお願いです。その中には、その病院の医師たちの労働実態、例えば、ほかの患者さんの処理に追われていたとか、手術をかけるための麻酔医がいないとか、そういう項目が詳細には私は見られていない。むしろ、総務省は一生懸命調査しておられると思います。医者側の、厚生労働省側の医療の内容にかかわる分野の調査が極めて不十分であり、そこからは対策が浮かんでまいりません。
また次回、この件を私は質疑したいと思いますが、ぜひ、今の総務省の調査だけでなく、厚労省が医療現場を調査していただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わります。
ありがとうございます。
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