予算委員会公聴会 第1号(平成20年2月22日(金曜日)) 抜粋


本日の公聴会で意見を聞いた案件:

 平成二十年度一般会計予算

 平成二十年度特別会計予算

 平成二十年度政府関係機関予算
 

議事録全文(衆議院のサイト)
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〔前略〕

遠藤(利)委員長代理 次に、阿部知子君。

阿部(知)委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
 私にいただきました時間が十分で、そして、少し欲張りなので、せっかくいいお話を伺いましたので四方におのおの一問ずつ伺いたいと思いますので、なるべく端的な御答弁というか御意見を賜れれば幸いです。
 まず、土居公述人にお伺いいたします。消費税問題であります。
 今いろいろな財政的な厳しさの中で、消費税は打ち出の小づちみたいに、年金にも医療にも介護にも、とにかく何でもかんでもというふうに使いたいという意見もあちこちで聞かれます。きょう、私は公述人のお話を聞きながら、例えば社会保障財源のうち、これは私の受け取り方かもしれませんが、年金等々への補てんということをお考えのようにも受けとめます。
 私は、逆に、消費税と申しますのは地域差も少ないですし、地域に不可欠な医療とか介護ということの財源として、今既にある消費税でももっと地方配分を高めていくべき税目ではないかと思うわけです。このあたりはどのようにお考えでしょうかというのをお願いします。

土居公述人 私は、消費税の社会保障財源化というアイデアは支持をしているわけでありまして、年金に限らず、医療、介護、当然そういう社会保障に必要な財源を工面するための財源として消費税を活用するということは重要だろうというふうに思っています。
 当然ながら、地域格差の問題はある程度、消費税で賄うことによって、かつまたその財源を確保したことによって地域の医療や介護もきちんとその給付が手当てできるという面から見ても、格差是正ということには貢献できるものだというふうに考えております。

阿部(知)委員 私どもの党では、むしろ年金等々は、きちんとした、所得の累進度を戻す形で、一九八九年段階でもいいと思うんですが、そういう所得再分配効果ということをきちんと年金にはもたらし、逆に消費税は、これは村山政権下でもやりましたけれども、五%のうち一%を地方にといたしましたけれども、もっとも、地方六団体の要求のとおりに、そもそもの配分のところで地方に手厚くしていくという考えですので、また先生にも随所で御支援をいただきたいと思います。
 二番目の加藤公述人に伺います。
 実は、私は二月の九日、十日と京都に参りましたとき、新幹線の駅の中でウェッジを読みまして、ああそうか、道路公団民営化というのはそういうことだったのかと、改めて、先生の御指摘、非常に鮮明に私にはすとんときました。
 結局、今道路をつくり続けることの必要性は、いろいろな地域差があり、必要なものは必要なんだろうけれども、それを決めていく仕組みが国民からは見えない。事業仕分けということを御指摘で、そこにキーワードはあるんだと思いますが、一方で、道路などというのはナショナルミニマムという観点もございますし、必ずしも地方だけで決められるものでもない、ここに一番難しさがあるんだと思います。
 今後道路を、私どもの党では総合交通会計といって、港湾も空港も新幹線も、あれもこれもそれもどれも全部やったら破産しちゃう、だけれども、おのおのが、地方の必要性と、それから国の、先ほど申しましたナショナルミニマムという観点から、どこでドッキングさせるか、その場の設定の問題かなと思うのですが、そのあたりで少し教えていただければと思います。

加藤公述人 今のナショナルミニマムという、これは大変重要な言葉であると同時に、とても怪しい言葉にもなるわけですね。
 ミニマムとは何なのか。人間というのはとても欲張りな存在ですから、例えば、本当に戦後間もないころであれば、ちょっと古い言い方をすれば、新しく世帯を構える、なべかま布団みたいな話だったのが、今や冷蔵庫も洗濯機も一家に一台、テレビ、携帯、全員が持つ、こういう時代です。これと同じことが、私は、国にも地方にも、行政サービスすべてについてあると思っております。
 したがって、私は、そういう観点から見れば、国が今決めてやるべき道路について言えば、高速であろうが地方の道路であろうが、もうないんではないか、ないと言っていいレベルに達していると思います。だからこそそれを、地方分権して、地方で判断するように財源と権限をそこに渡せば、それは道路を含めて、道路に行くか医療に行くか教育に行くか、それを地元の人が判断して網の目のようにやっていく、そういう時代に来ていると考えております。

阿部(知)委員 そのあたりは、これから我が国も、いわゆる低炭素社会として環境負荷が少ない国土設計や地域設計をしていくというあたりで、私どもの党も、即、今の段というのではないですが、先生がおっしゃったように、もうかなりの部分分権化できる、ただし、時代の要請に合うような低炭素社会のグランドデザインは必要だろうということで、ワンクッションちょっと置きたいという考えであります。
 続いて、島田先生には、私は、先生が昔から、人口の都市集中という問題が今の最大の問題なんだという御指摘をされていることは強く共感いたします。
 アメリカでも、いわゆるベビーブーマーをどうやって地方に帰すかというためのさまざまな税制優遇等々ありました。恐らく、私の見聞する限り、アメリカが、地方に人を帰そう、都市はスラムだしということを考えたときに、医療の問題が非常に大きくなった。特に、無保険者が大変に多うございます、農村は無保険者が多く、これが一たび病気になると、いわゆる破産宣告しなきゃいけないというような状況の中で、地域で暮らす、地方で暮らすとは、同時にそこの場で医療がやはり完結していないと、私は、このごろの論議で、患者さんを運ぶための救急車が通る道路が必要なんだというのは、どうしてもいただけない。だって、三分、五分の勝負の医療の中で、わざわざ高速道路を使って患者さんを一時間以内の搬送などというのは、本末転倒のような気がします。地域で生きる地域の医療、これは同時に社会資本ですから、そこで人材の雇用も生まれます。
 先生は今、本当に地方に帰ってもう一度つくり直す国ということを考えて、医療の問題はどのようにお考えであるか、お願いします。

島田公述人 阿部先生は医療の専門家でいらっしゃいますから釈迦に説法ですけれども、まさに今の医療制度全体は大混乱じゃないかと思うんですね。マクロ的に言えば、高齢化が進んでいますからもっともっと医療費がかかってしまう、しかし、国民の担税力から見たらだんだん小さくなってまいりますので、そのギャップをどうするか。恐らくこれまでの医療の考え方ではなくて、きめが細かくてフレキシブルで、よく調べた、みんなの納得のいくような医療というのを考えなきゃいけないわけですが、これは大問題ですね。
 しかし、きょうは時間がないのでぜひ一言にしたいと思いますが、おっしゃるように、地域で、例えば子供を産む問題、育てる問題、老人の問題、さまざまな問題が別の種類の問題としてあるわけですね。そこに必ずしも医療体制がマッチしていない。それをただふやせばというのは、これは国民としてはもう許容量がないわけですね、財力がありませんから。ですから、今持っているものをどういうふうにうまく使って、制度の無駄を排除して、きめの細かい医療が実現できるか、これは最大の政策の課題だと私は思いますので、また新しく予算委員会に呼んでいただきましたら大いにひとつやりたい。よろしくお願いします。

阿部(知)委員 本当にそうでございまして、ぜひ島田先生を呼んで、委員長にもお願いいたします、濃厚な集中審議をお願いしたいと思います。
 最後に、中山公述人、私は、きょう、保育の現場を取り上げていただいて本当にうれしく思いました。私は実は小児科医で、一体この国は何なんだと。一番大事な子供を育てる保育あるいは学童の分野にこれだけ予算をけちって、人が人を育てるといったって、本当にこれでは我が社会は真っ暗だと思うくらいのことを思っておりましたので、保育現場で働く人たちの低賃金そして非正規雇用の現実ということをこの予算委員会で御披瀝いただきまして、本当にありがとうございます。
 私は、ではどうすればいいかというときに、いわゆる産業別の最低賃金の考え方、ここにも官民格差がございまして、私は決して官がたくさんもらっているとは思っておりませんが、民間の保育所の人件費の方が圧倒的に低うございます。この間、国は最賃の見直しの中で地域別の話は少し出てまいりますが、私は、こういう分野こそ産業別に、そして本当に人が人を育てる分野の最低賃金ですから、産業別できちんと補てんしていくという制度が必要と思われますが、先生はいかにお考えでしょうか。

中山公述人 非常に心強い御発言をいただきまして感銘していますけれども、確かにおっしゃっておられるように、今そういった社会保障関係、きょうは、保育、学童保育を取り上げましたけれども、そこでは働き続けることが非常に困難になっていると思います。そういう意味では、個々の法人の努力ではもう難しいですし、今の自治体の現状を見ますと、各自治体の努力だけでもそれは難しいと思います。
 そういう意味では、今先生の御指摘にあったように、国の方が最低限のそういう賃金を職種別に定めてそれをきちっと保障していくように、そういう体制をつくっていくことが、どこの地方に生まれても子供を安心して育てられる、そういうしっかりとした基盤になると思いますので、ぜひそういう方向で御検討いただければ非常に助かるなと思っております。

阿部(知)委員 いずれも貴重な御意見をありがとうございました。またぜひ来ていただきたいと思います。
 ありがとうございます。


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