●2014年

子宮頸がんワクチン、接種者全員の調査をせよ!!
2014年4月9日・16日 厚生労働委員会

ワクチンは病気の予防を目的として健康な体に接種するのですから、正しい情報を伝えること、副反応には誠実に対応しフィードバックしていくことが最も重要です。
サーバリックス(子宮頸がんワクチンの名前)の有害事象集計をもとにある研究者が分類した結果、筋肉痛などの有害事象が群を抜いて多いことが分かりました。実は承認審査のための国内臨床試験はわずか800人のデータしかありません。当時「子宮頸がんワクチン解禁」の大合唱に応えるべく認可を急がせた厚生労働省が臨床試験を打ち切り、海外の臨床試験の成績をもって承認申請を行うよう指導したのです。アジュバント(添加剤)の成分が未知のものであることなどから製造後も引き続き安全性情報の提供を徹底すべきことが審査報告書に明記されています。
 阿部とも子は、すでに接種した300万人の子ども達の集団に対し、一人一人の状態把握の大規模調査をかけるべきと質しました。すでに一部の自治体ではアンケート調査が行われていますが、国の予算で、接種したすべての子どもを対象に「疫学調査」を実施するのです。大臣答弁は、すでに2、300の事例を集めて分析をしているのでその結果を見てからにしたいという内容でしたが、いっとき氷山の一角のように上がってくる現象だけを見るのでなく、全体を長期にフォローしていくことが重要なのです。300万人の中には、副反応が見逃され原因不明の不調を訴えている例があるはずです。
 先般日本小児科学会で11歳と13歳の女の子がHPVワクチン接種後にいわゆる線維筋痛症と診断されたという報告がありました。患者会にも同様の相談が寄せられているとのことです。また、線維筋痛症学会でも、1か月間関節リウマチなどの病気のフォローをしていた患者さん96人の中にワクチン接種者が6人あり、接種後に症状の悪化が見られたということです。副反応の実態解明に向けてこうした情報を積極的に収集すべきだと大臣に質しましたが、副反応検討部会の議論に委ねたいとの答弁があっただけで、積極的な関与の意向は示されませんでした。
 しかし、つい先日も副反応検討部会の複数のメンバーが製薬企業から寄付を受けながら申告せず規定違反に問われたばかり。まずは部会メンバーの入れ替えが先です!

難病の子ども達の食費負担導入反対!
2014年4月16日 厚生労働委員会

未熟児や結核児、難病の子ども達に対して、入院時の食事療養費は健全な育成を図るという観点からこれまで公費支給されていましたが、今回の「難病法」改正案には子ども達についても食費の半額負担が盛り込まれました。現政権は4年前、子ども手当をバラマキと批判し、子ども医療と学校給食の無償化を参院選の公約に掲げました。阿部とも子が厚生労働委員会でそのことを指摘し大臣の見解を質すと、大臣は自立支援医療との整合性から負担は致し方ないと答弁。
しかし病児を抱えた家庭を、仮に30歳代子供2人、平均年収500〜600万円とすると、1か月の食費4万円のところが、子どもが入院すると付き添いで5万8千円にはね上がること、また長期にわたるほど負担が増えることを説明し、子どもの健全育成の観点からもう一度検討しなおすよう重ねて主張しました。

●2013年

ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンは接種凍結を
2013年6月5日 厚労委員会

HPVワクチン(子宮頸がん予防ワクチン)による重篤な副反応が報告されています。しかも膠原病やギラン・バレー症候群など自己免疫系の疾患は発症までに時間がかかることが多く、ワクチンとの関連に気がつかないなど問題は深刻です。国はワクチンの副反応であることを否定していますが、定期接種を凍結し、被害者を掘り起こして副反応の状況を確認すべきと田村大臣の認識を質しました。また、「子宮頸がん予防ワクチン」という俗称は日本だけが使っています。でもこのワクチンはヒトパピローマウイルスの感染を予防するだけで、子宮がんを予防できるというエビデンスはありません。諸外国と同じく「ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVワクチン)」という名称を正確に周知すべきと阿部とも子の指摘に対し、田村大臣は子宮頸がん予防に一定の効果はあるという認識を崩さず、接種凍結は言及しませんでしたが、ワクチンの内容や効果について今一度きちんと情報提供が必要だと述べました。
 さらに子宮頸がんの健診状況を質しましたが、2004年、20.8%、2007年21.3%、2010年、24.3%と相変わらず諸外国に比べて格段に低いとされる状況は改善していません。女性の立場に立ったベッドや看護師さんによる検診など、改善点はたくさんあります。
ワクチンの効果や有効期間が極めて限定的であることや、検診による早期発見によって子宮頸がんは予防できることをしっかりと周知し、文科省と連携して教育現場での予防教育に取り組んでほしいものです。

全面中止を!「子宮頸がん予防ワクチン」-国を挙げて接種事業を展開-
【主張】カエルニュース46号 2013年7月1日発行

子宮頸がんの主な発症原因は性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染とされています。HPV自体はとてもありふれたウィルスで、誰もが感染する可能性がありますが、9割は自然に排出され、持続感染しても前がん状態で自然に治ることがほとんどです。まれに発症したとしても定期的な健診で早期発見すれば十分治療可能です。
しかし近年、発症・死亡とも若年層に広がってきたとして、「ワクチンで予防できる唯一のがん」という一大キャンペーンを背景に2010年から国の予算を投じて「子宮頸がん予防ワクチン」接種が推進されました。今年の4月にはヒブや小児肺炎球菌ワクチンとともに定期接種に「昇格」。その異例の速さに、市場の拡大をねらう海外ワクチンメーカーと一部医療関係者の存在が取りざたされています。

ワクチンで子宮頸がんは予防できない
重要なことは、このワクチンはHPV感染症を予防するだけで、子宮頸がんそのものを予防するわけではないということです。日本人に多いウイルスの型には対応しておらず、予防効果は5割から6割にすぎません。厚生労働省自らがこのワクチンが「最終的に子宮頸がんを減らしたというエビデンス(科学的根拠)はない」と認めているのです。こんなものを「子宮頸がん予防ワクチン」という名称で広めるのはおこがましいのではないでしょうか。
阿部とも子は6月5日の厚生労働委員会でこの問題を取り上げ、「ヒトパピローマウイルスワクチン」と正確に表記し、子宮頸がんの予防には検診による早期発見がより有効であるとして、接種凍結すべきと質しました。

多発する副反応にようやく「勧奨中止」?
現在、約328万人が接種したうち、副反応は1,968人。このうち重篤な事例は878人にも上っています。今年3月には、ワクチン接種で子どもに「体中に強い痛みやしびれが始まった」「トンカチで頭を殴られるような痛み」「九九が言えない」などの深刻な副反応が出たと訴える保護者たちがワクチン被害者連絡会を結成、厚生労働省に対して接種の中止や副作用の追跡調査などを要請しました。
これを受けて、5月16日の第1回副反応検討部会では、副反応についての十分な医学的データが集まっておらず、因果関係が認められないとして接種は継続とされましたが、6月14日の第2回同部会で「接種勧奨」の中止が決まりました。これは、実施主体である市町村が接種の通知や呼びかけを行わないということです。一歩前進のように見えますが、定期接種そのものは継続されますから、行政責任を追及されないための苦肉の策にすぎません。

全面中止して追跡調査と被害救済の徹底を
受ける側の判断の材料となる副反応情報の収集や提供のしくみ、個別の相談・救済窓口の設置などについて根本的な見直しがなされないままでは、むしろ当事者や医療機関などの現場が混乱するばかりです。この際、「お勧め(勧奨)」できないワクチンならば潔く中止するのが筋ではないでしょうか。その上で副反応情報を徹底的に掘り起こし、被害救済に万全を尽くすべきです。

●2012年

放射能の除染と健康調査の徹底を!!━ 二つの勉強会から━
 【主張】カエルニュース42号 2012年1月1日発行

 7月27日、衆議院厚生労働委員会で参考人として意見を述べた東大アイソトープ総合センター長の児玉龍彦教授は、政府の放射線対策を厳しく批判し、最後にこう締めくくりました。
「7万人が自宅を離れてさまよっている時に、国会はいったい何をやっているのですか!」“16分間の怒りの演説”は連日インターネットの動画サイトで沸騰、児玉教授は一躍時の人に。
 実は厚生労働委員会の参考人に児玉教授を推薦したのは阿部とも子でした。きっかけは児玉教授からの一通のメール。
 「私は5月から南相馬市の除染作業を支援していますが、政府が同心円状に設定した避難区域が線量の実態に合っておらず、20q圏内の線量の低い学校から、30q圏外の線量の高い学校へ1日100万円もかけてバスで子どもたちを運んでいます。全く意味がありません。」
 阿部とも子は早速児玉教授を国会に招き、超党派の勉強会を開催。「放射能は低い濃度でも膨大に発生すると粒子が拡散し、特定の場所や食品に濃縮が起きて内部被ばくが問題になる」として、一刻も早く徹底的な除染と最新の機器による食品の検査体制を整備すべきとの提言がありました。翌週、阿部とも子は児玉教授の行う保育園の除染作業を見学すべく南相馬市へ。
 折から文科省が発表した市内学校などの線量調査で、30q圏外にある保育園から高い線量が確認され、正確な汚染マップの作成と除染に向けて、空間線量だけでなくミニホットスポットの測定が重要であることなど、委員会で繰り返し取り上げました。福島原発のセシウム137放出量は原爆168個分という事実を公表させたのも阿部とも子がしつこく追及した結果です。
 引き続きいて11月11日には、松本市長の菅谷昭さんをお招きして勉強会を開催しました。菅谷さんは、信州大学医学部で外科医として活躍していた当時、チェルノブイリ原発事故の影響で甲状腺がんになった子どもを助けたいという思いに突き動かされ、職を辞してベラルーシの医療チームに参加。貧弱な医療体制の中で数多くの子ども達を救い、その手技は「奇跡のメス」と賞賛されるほどでした。
 医師として5年半にわたって原発事故の真実に向き合った経験から、福島の子ども達の内部被曝による免疫力の低下、胎児の発育不良による早産や未熟児の増加の可能性について警告されました。また、大気・土壌・食品などの汚染調査と除染の徹底、健康追跡調査についても長期的に対策が講じられるべきとし、次代を担う子ども達の健康を守るためには、子ども達の集団移住も視野に入なければならないと結ばれました。
 最近福島県の子ども1,150人に実施した甲状腺の内部被ばく調査では、45%の子どもに被ばくが確認されたことが明らかになりました。子どもたちの未来を守るための法整備が待ったなしです。

コメの全量買い取りと検査を急げ
2012年2月1日 予算委員会

 食べ物の放射能汚染が深刻化する中、国の対策は終始後手後手に回っています。昨年発覚した稲わら汚染牛は、流通先を突き止めることができたのはわずか3割だけで後はどこでどうなったかわからないというありさま。コメも知事による「安全宣言」後に基準値越えのコメがあちこちで発覚、福島産米は倉庫に山積みという事態に。阿部とも子はこの問題を取り上げ、まず国が全部を買い取った上で全量検査をし、安全なものだけ流通させる仕組みを作らない限り生産者も消費者も守れないと質しました。
 4月からは新規制値が適用され、安全性を担保する測定はますます重要となりますが、そのためにはたくさんの食材を高速で正確に測れる検査機器の導入が大前提です。阿部とも子が指摘した自治体任せの現状に対し、厚労大臣は農水・消費者庁等と連携を取り、検査体制の充実を図りたいと答弁しました。 

国保保険料の逆進性を改善すべき
2012年2月23日 予算委員会

 政府による税と社会保障一体改革は、野田総理の言う「中間層」が社会保険料負担で押しつぶされそうな実態に対してあまりに無策です。
 たとえば、国民健康保険(市町村国保)では子どもの人数だけ均等割負担(あたま数の負担)が大きくなるという問題が放置されたまま。阿部とも子は「少子化が問題だと誰もが言うのに、子どもが多いほど保険料負担が増える根本構造に政治は何もしていない」と一貫して問題提起をしています。
「国保の均等割をなくすために必要な公費は600億円。国保に追加投入する2、200億円よりはるかに安く上がり、かつ次世代支援になるはずだ」と迫った阿部とも子に野田総理は「確かに国保の世帯割と均等割は逆進的な側面が否めない」と認め、阿部とも子も加えて議論を進めたいと答弁しました。この問題はこれからも徹底追及します。

子ども施策を最優先に
2012年3月21日 厚労委員会

子ども手当は2年間迷走を続けたあげく、その目的や費用負担のあり方、所得制限の必要性などの本質的な論議が国民からは見えないまま、児童手当に戻ってしまいました。さらに6月からの住民税の年少扶養控除の廃止によって実質的な収入が減るのは、何と年収400万以上の世帯からと、残ったのは所得制限の復活と増税だけでした。「子どもの育ちを社会全体で応援する」という理念は、どこへ行ってしまったのでしょうか。
 この子育ての負担にあえぐ世代から徴収した地方住民税増収分が、国民健康保険の財政支援やエコカー減税など、子育て施策と全く関係のない分野に使われることがわかり、納得できないと追求しました。また、公立保育園の運営費の一般財源化に始まり、本来の子ども施策が見えにくい形でどんどん地方に丸投げされていることに対して、国として子ども施策が後退していないかどうか、責任ある検証が必要だと指摘、厚労大臣はきちんと指示することを約束しました。

増えている子どもの自殺に福祉的なフォローを
2012年3月5日 予算委員会第4分科会

子どもの自殺が増えています。2010年の統計では300人に上る子ども達が自ら命を絶っています。しかも年齢別にみると10歳から14歳までの死因の3位が自殺。平野大臣も危機感を持って自殺予防に取り組んでいるとはいうものの、現在のような教育委員会主導の検証では限界も。阿部とも子は川西市などが設置している子どもオンブズパーソンの仕組みを活用してはどうかと提案しました。
また、子どもの置かれた状況や環境をアセスメントして必要な支援に繋げるソーシャルワーク機能が必要とされているのであり、学校にも専門的な資格を持った人材の配置を検討すべきと質しました。

学校給食の「影膳調査」を継続すべき。
2012年3月5日 予算委員会第4分科会

以前文科省が行っていた給食の放射能調査、「影膳調査」は、必要性が乏しいとされ2008年に中断されています。しかし子ども達が実際に食べたものを丸ごと調査することが大切で、長期にモニターを続けているからこそ身体への影響も把握できるのです。阿部とも子の指摘に平野復興大臣は、来年度から一部の都道府県を対象に厚労省が調査を引き継ぐことを明らかにしましたが、その方法は一つ一つの食品をピックアップして測定するマーケットバスケット方式か影膳方式か決まっていないと。是非とも影膳方式にして全国で実施すべきと主張しました。

小規模保育の充実に向けてきちんとヒアリングを
2012年4月17日 厚労委員会

 1989年以来データのある中で、現在の日本は相対的貧困率が最も高くなりました。OECD諸国の中でも上位で、しかも母子家庭の貧困率は34%、3人に1人と目を覆うばかりです。
消費税増税によって2016年度には消費税収が国税収入に占める割合が約4割にも達するとされていますが、消費税はある意味可処分所得を減らすものです。そうではなく所得を増やし、一人一人が税金を納める力をつけることが必要だと主張しました。 さて、小さな子どものいる世帯の主婦が働けるようにするためには保育の場を増やす必要がありますが、とりわけ保育ママのような小規模の家庭的保育を拡充する必要があるのではないかと質しました。小宮山大臣は、グループ型の小規模保育などを増やす方向に舵を切っており家庭的保育の普及を図っていくと答弁。
阿部知子は、何がネックになって普及が遅れているのか、安全対策を十分にするには何が必要かなど、まず現場の声を聴き丁寧に調査してほしいと重ねて要請しました。

被災地の子ども達の就学援助費用は国が負担すべき
2012年5月30日 社会保障と税の一体改革特別委

 子育て世代の半数以上が生活が苦しいと言っています。まして被災地はもっと大変です。
被災3県で就学援助を受けている世帯は震災前4万6千人でしたが、現在は4万4千人増えて倍になっています。市町村財政がパンクして制度が機能していないのではないかと質した阿部とも子に、高井副大臣は被災児童生徒就学支援等臨時特例交付金という形で約147億を補正で、2012年度から3年間は264億円を全額国庫負担で措置していることを明らかにしました。

被災地のスクールソーシャルワーカーの配置は進んだか
2012年5月30日 社会保障と税の一体改革特別委

 親を亡くしたり、避難による家族の別居や、失業・離婚など家庭崩壊の中で福祉的なケアの必要な子どもが増えているにも関わらず、学校へのスクールソーシャルワーカーの配置が進んでいないことを質しました。2011年度39名、2012年度54名の増員を見込んでいるとの答弁でしたが、学校の数は岩手、小中562校、宮城660校、福島238校です。子どもたちの困難な状況を見るとき、これでは全く足りません。阿部とも子はこれからもこの問題に取り組んでいきます。

「消えた子ども」を作らないための根っこの取り組みを
2012年5月30日 社会保障と税の一体改革特別委

 学校の名簿に名前がありながら1年以上登校していない子ども達について文科省から報告してもらったところ、前年の326人から大幅に増えて1、191人にもなっていました。
 子どもが生まれれば出生届を出し、お母さんには母子手帳が行きます。健診を受け、予防接種を受け、保育園に入り、小学校入学と、行政との接点はたくさんあります。今必要なのは、一人の子どもに着目して、生まれたときからその子の生育に関わる保健・医療・福祉・教育などの個々のデータを「子ども台帳」で一元的に管理する作業です。 阿部とも子は以前にも「子ども台帳」の整備の必要性を取り上げましたが、根っこのところで一人の子どもの育ちを捉えることが出来るような取り組みをお願いしたいと、再び小宮山大臣に訴えました。これに対し大臣は、個人情報とか市町村の事務量の問題とか課題を指摘しつつも前向きに検討すると約束しました。

「子ども・被災者支援法」成立!
2012年6月20日 復興特委員会

 阿部知子がみんなの党の川田龍平議員とともに起草した「放射線による健康被害から子どもと妊婦を守る法律案」は、超党派の議員立法として一本化され、衆参両院で可決、6月20日に成立しました。阿部・川田案と森まさこ(自民)案の統合案では、子どもと妊婦を主な支援対象としたのに対し、民主案では被災者全般を対象に。最終法案では、「子ども等への特別な配慮」を条文に明記したうえで、それぞれの長所が生かされたものとなっています。
 低線量被曝が健康に与える影響は未解明であるという認識に立ち、被災者が避難するしないにかかわらず公的な支援を保障する内容で、医療費についても、放射線が原因でないことが明らかなもの以外はすべて軽減ないしは無料とし、その挙証責任を国に課していることは画期的なことです。
しかし、支援対象地域は「一定の基準より高い放射線量」地域とされ、具体的な記載はありません。ちなみにチェルノブイリ事故での強制避難のエリアは年間被ばく線量5ミリシーベルト以上でした。でも日本での避難指示は20ミリシーベルト以上。何と4倍です。被ばくの不安と闘う福島のお母さんたちは1ミリシーベルト以上の地区を支援の対象とするよう求めています。
その上で阿部知子は、環境中に放射性物質が拡散している中でセシウムの空間線量だけを測っても無意味として、湖水、河川、海、森林など、線種ごとのきめ細かな測定体制が不可欠であることを指摘しました。具体的な内容はこれからです。今後の立法や政省令を責任を持って監視していく枠組みを作ります。

●2011年

「消えた子」早急に実態調査を!
2011年2月2日 予算委員会

「消えた高齢者」がひとしきり話題になりましたが、「消えた子」というのをご存知ですか。住民登録をしたところには住んでおらず、行政が安否を把握できない子ども達のことです。
昨年大阪でおきた桜子ちゃん楓君の置き去り致死事件でも、住民票は移されていませんでした。新聞社が全国主要74都市を調査したところよると、安否や所在の確認できない乳幼児が約355人とのこと、全国に広げると1,700人にもなるのではないかと言われています。
阿部ともこはこの「消えた子」の問題について取り上げ、早急に調査すべきと追及しました。菅総理は「指摘を受けて初めて(問題に)気付いた。ぜひ前向きに検討したい」と、実態調査や解消策を検討する考えを明らかにしました。
また、1人の子どもが生まれて成人するまでの間、健診を受けたり、病気になったり、どんな保育や教育を受けたのかなどの情報は、自治体の中でバラバラに管理されています。阿部ともこは、これを一元管理する「子ども台帳」を市町村に整備し、子ども1人ひとりをパーソナルサポートする仕組みが必要だと提案しました。

子どものワクチン死多発、「疑わしきは救済」を
2011年3月9日 厚生労働委員会

 今年度(22年度)の補正予算でヒブワクチン、小児肺炎球菌ワクチン、子宮頸がんワクチンの3種の接種事業に多額の助成金が付き、ほとんどの市町村がこぞって実施していますが、これら子どもへのワクチン接種による死亡事件が相次いでいます。接種後に副反応が起きた場合、医療機関からダイレクトに厚労省に報告が上がるシステムになっていますが、6例のうち3例は新聞やテレビで騒ぎになってから「ひょっとしてうちの子も」と後から気づいたケースでした。
定期接種の場合には国の補償制度がありますが因果関係の判定が厳しく、救済に至るのは約半分です。ましてこの3ワクチンは任意接種ですから補償水準はさらに低くなってしまいます。
阿部とも子は、@保護者からも直接報告を受け付け、迅速な対応を図ること。A「疑わしきは救済」の原則で取り組むこと。B新しいワクチンとの同時接種は乱暴であり、個別に様子を見ながら症例数を積み重ねるべきとの3つの点を指摘しました。大塚副大臣からは慎重に検討するとの答弁がありました。

「子ども手当」を政争の具にしないで!!
【主張】カエルニュース40号(2011年3月20日発行)より

 子育て家庭の生活に直結する「子ども手当」が、野党や地方自治体から批難の矢面に立たされています。新政権の目玉政策がなぜ窮地に立たされているのでしょうか。

Q そもそも「子ども手当」の中身は? A 「子ども手当」は今年度から実施されています。0歳から中学修了前までの子ども1人につき月額1万3千円を支給。所得制限はありません。昨年度までの「児童手当」(0歳から小学校修了まで。3歳未満は子ども1人月額1万円、3歳以上の場合は第1子・第2子は月額5千円、第3子以降は月額1万円。所得制限あり)に比べ、規模が大きくなりました。
 また「児童手当」の趣旨は「家庭における生活の安定」「児童の健全な育成及び資質の向上」でしたが、「子ども手当」は「次代の社会を担う子ども一人ひとりの育ちを社会全体で応援する」とし、すべての子どもを対象にした普遍的な制度を目指しています。

Q 子育て家庭や地方自治体は何を怒っているのですか?
A 2009年政権交代時の民主党マニフェストは月額2万6千円、全額国庫負担でした。しかし「子ども手当」は財源の手当がつかないまま、国・地方自治体・事業主が負担する「児童手当」を土台として残し、上積み分を国が負担する形で出発しています。
 本格実施はいつなのか、金額はいくらなのか、必ず支給されるのか、子育て家庭の不安は募ります。また、地方自治体は、「子ども手当」は全国一律で国が責任をもって行うべき、地方自治体の負担分は地域にあった子育てサービスの充実に使いたいと主張しています。財源や地方負担のあり方など、制度の根幹にかかわる議論を、民主党が先送りにした結果、地方自治体や国民の混乱、不信を招いているのです。

Q 2011年度の子ども手当法案は?その後は?
A 2011年度は3歳未満のみの子ども1人につき月額2万円に引き上げられます。児童養護施設に入っている子どもについて新たに支給をするほか、自治体が「子ども手当」から保育料や学校給食費などを差し引くことをできるようにする内容です。
 月額7000円分の引き上げは、年少扶養控除(対象0歳〜15歳)の廃止に伴う増税との差し引きで負担増とならないために行われます。政府はこの財源として成年扶養控除(対象23歳〜69歳)を廃止しようとしていますが、社民党は「子ども手当」のメリットがまったくない世帯を増税して帳尻合わせをすることに反対です。
 一方、政府は2013年度から子ども手当と子育てサービスの財源を一体化する新しい子育て支援策の開始を目指しています。現在、検討が行われていますが、幼保一体化を含む新しい支援策の行方は判然としません。

Q 法案が成立しないとどうなるの?
A もしも、法案が成立しなければ児童手当にもどるため支給額は減り、年少扶養控除による新たな増税は家計へのしかかってきます。影響は極めて深刻です。
 三党連立政権が従来の少子化対策から子どもと子育て家庭を強く支援する政策へ転換したことは正当に評価されるべきです。「子ども手当」を政争の具としてはなりません。阿部とも子は、「子ども手当」を持続可能な制度へ組み立て直し、併せて保育所など子育てサービスをバランス良く行えるように、現在、獅子奮迅の勢いで与野党に働きかけています。

児童養護施設の子ども達への子ども手当は?
2011年3月29日 厚労委員会

施設で暮らす子どもたちには子ども手当が別居の親に支給されてきましたが、子どものために使われているとは言えない実態が指摘されています。さらに親のいない施設の子ども達は手当すら対象外で「安心子ども基金」から子ども手当と同じ額が施設長に支給されているのです。しかも財源の性格上その年のうちに使い切らねばならないため、必要のない学用品などを買うことになり、本当に必要な将来のための貯金が出来ないのです。
子ども手当は一人一人の子どもの育ちを社会がサポートするためのおカネです。まして親のいない子どもはなおさらです。きちんと子ども手当制度に組み込んで、自立のための使い勝手のいいものにすべきです。

子どもの脳死臓器移植 初の提供事例が!
2011年6月1日 厚生労働委員会

 昨年7月に改正臓器移植法が全面施行されて以来、15歳未満の少年からの1例目の臓器提供が4月12日にありました。原疾患は交通外傷との発表のみ。事故の詳細や少年への救命治療、臓器提供に至った経緯などの重要な情報は未だに明らかにされていません。しかし、あるメディアは警察に取材した情報をもとに「少年は事故死ではなく、自殺だった?!」という報道を行っています。また、4月6日付けの地元紙は、13歳の少年がホームに進入してきた電車に向かって飛び込み、自殺を図ったことを伝えています。始業式の当日であり、学校でのいじめや教師との関係性など、自殺の原因や背景について綿密な検証が必要だったにも関わらず、院内に設置された虐待防止委員会での限られた調査だけで虐待の兆候はないとされ、脳死判定に至りました。
阿部とも子は、いじめによる自殺だったとすれば、広義の虐待に当たるとしてドナーとすることの是非を質しました。また、普段から子どもの権利擁護に当たる子どもオンブズパーソンのような第三者機関を設置して、調査や検証を行う必要性を指摘しました。

理念を失った子ども手当の行末は?
2011年8月23日 厚生労働委員会

 財源の手当てができないまま時限立法で繋いできた子ども手当制度は、9月で期限切れとなるため、民主が自民・公明に働きかけ、水面下で合意形成が行われました。その結果出てきた特措法は実質的に子ども手当を廃止し、旧来の児童手当を復活・拡充するという内容で、来年6月から所得制限の導入が前提となるなど、すべての子どもの育ちを社会全体で支援するという本来の理念はどこへやら、全く異質なものに変容してしまいました。

 さらに来年度からは住民税の年少扶養控除も廃止の予定で、旧来の児童手当と比べて実質的に収入の減る世帯は、所得制限世帯以下の中間所得層にも広がり、特に年収500万円前後の世帯の負担が大きくなります。
 子育て世帯直撃の実態に阿部とも子は年少扶養控除の廃止凍結を求めましたが、細川大臣からは明確な答弁は得られませんでした。また、1,183人もの「消えた子ども」の存在が報道されていることについて、市町村が住民票で把握するには限界があり、住民票とは別に「子ども台帳」の作成を検討すべきではないかと質し、小宮山副大臣は子どもの把握の方法を検討したいと答弁しました。
 来年以降の検討課題満載の特措法は衆参各1日ずつのスピード審議の結果、8月26日に成立しました。

●2010年

待機児童解消は今こそ政治主導で
2010年1月21日 予算委員会

出口の見えない不況の中、働きたくても保育園がないから働けない!という状況がますます深刻化しています。昨年4月の待機児童は全国に2万5千人!でも実はこの待機児童の中には、やむを得ず他の認可外保育所に入所したり、特定の園を希望して辞退したり、まだ求職中だったりといったケースはカウントされていません。国は2002年に待機児童の定義を変え、こういった潜在的なニーズを切り捨ててしまったからです。
阿部とも子は藤沢市の例をあげ、実際には「潜在的」待機児数は3倍以上にもなると指摘、困難な人ほど入れない保育所の実態に対して待機者の所得階層を含めた調査を行い、隠された保育ニーズを把握すべきだと追及しました。家庭の状況にかかわらず必要な子どもに必要な保育の保障が求められているのであり、5年後、10年後を見据えて数値目標を定め、政治主導でやることが大事だと重ねて質しました。

高校生にも就学援助を
2010年2月9日 予算委員会

高校実質無料化は4月から実施の予定ですが、卒業式を来月に控えて、授業料が払えずに卒業が危ぶまれている高校生がいます。この時期にどのような対策を講ずるべきか、予算委員会で取り上げました。
学校では制服や教科書、あるいは修学旅行費や部活動のユニフォームなど、授業料の他にさまざまなお金がかかります。所得の低い家庭ほど負担が大きく、小中学生の場合は、就学援助制度という支援の仕組みがありますが、これを高校生にも拡大してはどうかと質しました。文科大臣は就学援助制度ではなく、奨学金制度を拡充してすべての子供たちが高校に行けるような環境を作りたいと答弁。しかし、借りたものは返さなければなりません。返済のいらないシステムにするなど、子ども達の立場から使い勝手を改善すべきです。

こども手当、半分は保育所整備などの現物給付へ
2010年2月23日 衆議院本会議

子ども手当法案が成立、未来である子どもの育ちを社会全体で支えるという理念の実現へ一歩を踏み出しました。今年度は1万3千円ですが、来年度から満額支給となれば2万6千円、予算規模も5兆4千億円です。阿部とも子は民主党の打ち出した2万6千円の根拠をまず質しましたが、長妻大臣から明確な答弁はありませんでした。これではばらまきと揶揄されても仕方ありません。経済的に苦しい子育て世帯にとって現金給付はありがたいですが、半分は貧困と格差の広がる中、保育や教育、医療といった子育ての基盤のところにお金を回して充実させるべきです。また、児童養護施設の子ども達や里親家庭で育つ子ども達への給付の仕組みやそもそもの財源負担のあり方などについて質疑で取り上げましたが、具体的な中身については本格支給の来年度に向けた検討課題とされてしまいました。
子どもは社会の宝、親世代の人間らしい働き方の実現とともに、子育て支援はしっかりと社会的な合意を得て実施していく必要があります。

子ども手当を2万6千円とした根拠は?
2010年2月24日 厚労委員会

子ども手当の額は民主党2006年のマニフェストでは1万6千円でした。それが2万6千円になったのは、被服費、食費のほかに教育費等を含めた額と考えられます。しかし教育費は公立・私立等で実際には大きく異なります。格差による子どもの貧困が問題だからこそ、食費・被服費など、基礎的な家庭での支出にかかる部分には現金で手当てをし、保育や教育など社会資源に係る部分には、きちんと現物給付を充実させるべきです。
阿部とも子はこの点を質しましたが、長妻大臣は「控除から手当へ」の一点張りで、所得控除を外した場合に手取りが減る所得層への配慮ともとれるような答弁でした。限られた財源の中、どういう形で個々の子どもの育ちを支援するのか、支給額については社会的な合意が不可欠です。

子ども虐待対応にもっと社会福祉のスキルを
2010年2月26日 予算委員会

年間100人を越える子ども達が親などの虐待や心中で亡くなっています。去る1月にも東京江戸川区で7歳の男の子が、しつけと称する暴力で亡くなった事件が大きく報道されました。歯医者さんからの通報で虐待が発覚した後、学校と区の担当者が対応したけれども、相互に連携できず最悪の結果を招いてしまった典型例です。
背景には児童相談所、区の窓口、学校に、本来こういった子どもに寄り添うべきソーシャルワークスキルを身につけた人材の配置が驚くほど少ないという実態があります。児童相談所の職員は「任用」で児童福祉司と名乗ることができますが、資格の内容を見ると社会福祉士の有資格者は33.7%どまり。これでは専門性は十分とは言えませんし、学校の先生は子どもの家庭状況まではなかなか踏み込めません。だからこそ、関係する機関の調整や連絡にあたって必要な援助を提案し、子どもをマンツーマンで支援するソーシャルワーカーの配置が必要なのです。
阿部とも子は、国からの補助削減を理由に都道府県がスクールソーシャルワーカーの活用事業から撤退していることを取り上げ、制度が定着するまで手厚い補助をと質しました。文部科学大臣からは制度の啓蒙とあわせ、充実させていきたいとの答弁がありました。

高校無償化で朝鮮高校を視察
2010年3月3日 視察

鳩山政権が、高校無償化の対象から朝鮮学校を外すという方針を打ち出したことを受け、社民党の又市議員、吉泉議員とともに、東京北区の朝鮮高校を視察しました。
授業を見せて頂いただけでなく、校長、理事長のほか、生徒さんとも意見交換が出来ました。3月1日の予算委員会で取り上げ、鳩山総理から「朝鮮学校の生徒さんと会う」という答弁を引き出しましたが、まだ実現していません。

子ども手当は必要なところにバランスよく
2010年3月10日 厚労委員会

引き続き、子ども手当の使い道について取り上げました。真に子どもの育ちに必要なお金は何かと考えた時、諸外国に比べて高額の2万6千円を一律現金で支給するのは明らかにバランスを欠いています。長妻大臣はこの中に基礎的な教育費も含まれると言いますが、「基礎的な教育費 = 学校の費用」であり、困窮世帯へは就学援助の仕組みで手当てされてきたように、貧困対策の充実に向けるべきではないかと質しました。
また、養護施設の子ども達については、子ども自身を手当の受給者とすることで、施設を出た後、社会生活がスムーズに開始できるよう貯畜制度や未成年後見人制度を含め、検討すべきと提案しました。

国保の「人頭税」は即刻廃止を。
2010年4月2日 厚労委員会

保険料を払えずに無保険となっている世帯が増えています。しかし、市町村国保の加入世帯の多くは、所得に対する保険料が高すぎ、払いたくても払えないのです。特に問題なのは、子どもの数に比例して保険料負担が上がることです。働き手は一人でも、赤ちゃんがおぎゃあと生まれるたび保険料は上がっていきます。所得がない子どもから保険料を取るのと同じことではないかと追及する阿部とも子に、長妻大臣は是正するには600億円が必要で、それは財源上不可能だと答弁。
子どもの頭数が増えるほど保険料が上がってますます困窮するという仕組みは、今真っ先に取り組まなければならない少子化対策に逆行しています。子ども手当は満額支給で5.4兆円もの財源が必要。真に有効なお金の使い方とはなんでしょうか。阿部とも子はこれからもこの問題を追及していきます。

女性保護施設の子ども達の学ぶ権利を保障すべき
2010年5月14日 厚労委員会

女性保護施設とは、夫などのDVから緊急避難的に保護を求める施設で、売春防止法に基づく女性達の避難場所という位置づけです。保護される女性の7.8割は子ども連れですが、最終的に母子生活支援施設(母子寮)やアパートなどに移るまでの間、その子ども達は学校にも行けず、精神的ケアや学業の保障などもないままです。たとえば昨年度の同伴児童84人中、学齢児は21人でそのうち通学しているのは3人だけでした。
阿部とも子は子どもが蒙っている不利益に対し、子どもの権利条約に即したフォローが求められているとして、まず実態調査をすべきであり、求められる機能に即応した施設運営が必要だと質しました。長妻大臣は国内法の整備を視野に、母子がスムーズに生活再建していけるよう現存の施設移行も含めた対策を講ずると答弁しました。
また、地域の空き店舗を利用してご飯やおかずを持ち寄り、子どもでもお年寄りでも誰でも食事ができるという取り組みが新聞に取り上げられています(朝日2010.5.10)が、父子家庭、母子家庭への支援としてフードアクセスはとても重要だと指摘。大臣からは、地域にどういうニーズがあり、どうすれば支援の輪が広がるような環境を作れるのか政府としても取り組みたいと答弁を得ました。

児童虐待対策は待ったなし!
2010年8月3日 予算委員会

子ども達が虐待で亡くなる悲惨な事件が連日報道されています。江戸川区の小学校一年の海渡くんの事件、大阪で桜子ちゃんと楓君の姉弟が白骨で発見された事件など、昨年も何人もの子ども達の命が次々と奪われていきました。児童虐待の相談件数は年間10万件を突破、虐待で死んでいく子どもは100人以上と、待ったなしの実態です。
大阪の事件は住民登録をしておらず、子ども達の存在はエアポケット状態でした。本来受けられる保育や児童扶養手当などの支援も断ち切られていたのです。しかし児童虐待防止法は、市町村にも虐待予防と防止についての責務を課しています。それは身近な行政が支援の必要な人にサポートする仕組みを作るべきだということです。
阿部とも子は原口総務大臣に、離婚届を出しに来た母親に対して「母子家庭になったらこんなサービスがありますよ」と声をかけるなど、申請主義でない丁寧な取り組みを強めて頂きたいと質し、大臣からは、「行政として丁寧に対応できるように、市町村にも技術的助言をしていきたい」との答弁がありました。

●2005年

臓器移植法改正案の行方
【主張】カエルニュース20号(2005年7月1日発行)より

7年前、現在の臓器移植法が成立する以前から「脳死」は人の死か否かをめぐって、当時の法学、医学、宗教界、また患者家族などさまざま立場から、熱い議論が戦わされてきました。その結果、臓器を提供するときに限って脳死を人の死とするという、ぎりぎりの折衷案を採用した現在の臓器移植法が議員立法で成立したのです。脳死と診断されたら、短時間のうちに確実に心臓死に至るという考え方に基づく臓器移植医療は、当時から全面的な社会的合意を得るには至らず、現在までの移植例がわずか36例に過ぎないことが、問題点を端的に物語っています。
 しかし、これでは少なすぎるとして昨年来新たな臓器移植法の改正案が浮上し、議員立法による2案の提出が取りざたされています。一方は脳死を一律に人の死と定義、家族同意だけで臓器提供を認めるというもので年齢制限もはずすとしています。もう一方は脳死の定義は現行法と同じですが、本人が意思表示できる年齢を現行の15歳から12歳に引き下げるというもので、どちらも移植臓器の数の確保と小児からの移植を解禁するものです。
 阿部とも子は、有志議員による勉強会を継続して主催して来ましたが、市民グループや宗教界、国会議員有志に呼びかけ、臓器移植先進国とされる米国からカリフォルニア大ロサンゼルス校教授シューモン博士を招いて、5月17日議員会館で講演会を行いました。氏は小児神経内科医として脳死推進の論文を数多く発表し、国際的にも脳死についての第一人者とされていましたが、4歳で脳死と診断された男児がその後20年行き続けた事実に驚愕しました。彼の脳はガチガチに石灰化していたにもかかわらず、身体は温かく成長を続け、有機的統合性が保たれている様子は脳が生命の中枢ではないことを示すものでした。その後脳死者が長期に生存する事例の数々を掘り起こす中で、従来の脳死の概念に疑問をもつに至ったのです。「われわれは脳死は死ではないとわかるようになってきた」「アメリカには脳死に関するインフォームド・コンセントはない。みな、脳死について知らないまま臓器提供は良いことだとするキャンペーンによって提供している」と述べ、日本の改正論議に警鐘を鳴らしました。
 「脳死」患者からの臓器移植は、他人を死んだこと(脳死)にして初めて成立する医療です。それぞれのいのちが最後の瞬間まで尊重され、生を全うするために医療はあるのではないでしょうか。