はじめに

 約330万人が接種したとされる「子宮頸がん予防ワクチン」。「中学入学お祝いワクチン」と銘打ち、2010年から希望する中学生に接種してきた東京都杉並区で、重篤な副反応に苦しんでいる女子中学生(14)の存在が大きく報道されて以来、次々と全国の思春期の少女たちに、「体中に強い痛みやしびれが始まった」「トンカチで頭を殴られるような痛み」「九九が言えない」などの深刻な副反応が起きていることがわかり、保護者たちによって全国被害者連絡会が結成されました。

 厚労省は当初、因果関係を調査するだけの十分な医学的データが集まっていないとして様子見を決め込んでいましたが、2013年6月、「接種勧奨」の中止に追い込まれました。一歩前進ではありますが、定期接種そのものは継続されますから、行政責任を追及されないための苦肉の策にすぎません。

 子宮頸がんの主な発症原因は性交渉によるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染とされています。HPV自体はとてもありふれたウイルスで、誰もが感染する可能性がありますが、9割は自然に排出され、持続感染しても前がん状態で自然に治ることがほとんどです。まれに発症したとしても定期的な健診で早期発見すれば十分治療可能です。

 しかし近年、発症・死亡とも若年層に広がってきたとして、「ワクチンで予防できる唯一のがん」という一大キャンペーンを背景に2010年から国の予算を投じて「子宮頸がん予防ワクチン」接種が推進されました。昨年4月にはヒブや小児肺炎球菌ワクチンとともに定期接種に「昇格」。その異例の速さに、市場の拡大をねらう海外ワクチンメーカーと一部医療関係者の存在が取りざたされ、利益相反が大きな問題となっています。

ワクチンで子宮頸がんは予防できない

 このワクチンはHPV感染症を予防するだけで、子宮頸がんそのものを予防するわけではありません。しかも日本人に多いウイルスの型には対応しておらず、予防効果は5割から6割にすぎません。厚生労働省自らがこのワクチンが「最終的に子宮頸がんを減らしたというエビデンス(科学的根拠)はない」と認めているのです。まず、「ヒトパピローマウイルスワクチン」と正確に表記した上で、子宮頸がんの予防には検診による早期発見がより有効であることを改めてアナウンスすべきです。

全面中止して追跡調査と被害救済の徹底を

 受ける側の判断の材料となる副反応情報の収集や提供のしくみ、個別の相談・救済窓口の設置などについて根本的な見直しがなされないままでは、むしろ当事者や医療機関などの現場が混乱するばかり。「お勧め(勧奨)」できないワクチンならば潔く中止し、国が主導して約330万人の接種者の追跡調査をすべきです。阿部とも子は、一日も早い病態の解明と補償・救済に向けて全力で取り組みます。


2014年2月6日「子宮頸がんワクチン」院内集会にて

⇒「子宮頸がん予防ワクチン」問題経過

※1:第183回衆議院厚生労働委員会 第17号 平成25年06月05日 阿部知子質問
※2:第186回衆議院厚生労働委員会 第12号 平成26年04月16日 阿部知子質問
※3:資料:子宮頸がんワクチン後に線維筋痛症様の慢性疼痛を認めた2例



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