第151回国会 厚生労働委員会 第4号(2001/2/28)抜粋

案件:  政府参考人出頭要求に関する件  戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)  平成十三年度における国民年金法による年金の額等の改定の特例に関する法律案(内閣提出第二三号)  厚生労働関係の基本施策に関する件

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阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子と申します。

 冒頭、まず、厚生労働大臣になられた坂口大臣に、所信の表明を受けまして、そのことについての御質問を申し上げます。

 既にさきの予算委員会でも一度、坂口大臣にはお伺いを実は申し上げましたが、現在、二十一世紀初頭にあって、社会保障政策の行方が見えないということが、我が国におきましては極めて不安定な社会を生み出しているかに私には見受けられます。

 そこの予算委員会での私の質問への坂口厚生労働大臣のお答えは、社会保障政策については、年金、医療、介護、福祉一体としての解決を考えていきたいというお答えでもございましたが、実は私自身は医療分野に身を置いておりましたが、私の見ますところ、やはり、少子高齢化社会に伴って、とりわけ日本の社会保障給付の中で、金田委員も御指摘になりました年金問題の見通しということが極めて不透明であるということが、より大きな根本的な問題であると思っております。

 そして、その点に関しましては、先ほど坂口厚生労働大臣も同様趣旨の御発言が金田委員の御質問に対してございましたが、いわば、年金問題をめぐりましても、ひいては先ほどのホームレス問題をめぐりましても、我が国が最低限弱い人たちを切り捨てない政治の仕組みを堅持するという、その基本姿勢がここのところ大変危うくなっているということが、やはり各委員に指摘されていることかと思います。一方では、年金で多額の額をお受け取りになる一方の方がおありですが、確かにホームレスもふえていると思います。

 そうした困難な状況にあって、坂口厚生労働大臣、再度、我が国の社会保障政策の基本的なあり方について、これは話せば長いことかもしれませんが、冒頭ですので一言二言ほどお願いいたします。

坂口国務大臣 社会保障の問題は、本当に語れば長い問題になりますから、簡単に申し上げさせていただきますが、私は、先日も予算委員会で御答弁を申し上げましたとおり、年金、医療、介護、まあ福祉も入れてもいいと思いますが、とりわけ年金、医療、介護というものを中心にして、これは総合的な考え方でいかないといけないというふうに思っております。

 とりわけその中で柱になりますのは、今御指摘になりましたとおり、私も年金であるというふうに思っております。年金がきちっとしてということが、やはり医療にも介護にも大きな影響を与えるだろう、制度そのものにも影響を与えるだろうというふうに思っております。そういう意味で、年金に対する考え方をきちっと早くまとめなければならないのではないかというふうに思います。

 年金の場合には、医療と違いまして、医療の場合には、むだなところはないかとかいろいろな部分がございますけれども、年金の場合には、むだなところというのはないわけでございまして、ただ公平かどうかということがあるだけでございます。また、第三号被保険者をどうするかというような問題はございますけれども、しかし、年金はそうした意味でむだなところというのはないというふうに思っております。ですから、年金は、最も統計的にも将来計算のしやすいものでございますし、そういうむだもないということであれば、合意を得やすい問題ではないかというふうに考えます。

 したがって、年金の中でとりわけ、時間がないでしょうから一言で申しますが、基礎年金の部分の充実、ここを固めるということが一番優先してやらなければならない問題である、こう考えておる次第でございます。

阿部委員 ただいまのお答え、基本的な御姿勢と思いますが、それをぜひとも早急に青写真としてもお示しくださることが、今の国民の不安への大きな解決策であると思います。

 あわせて、老齢基礎年金が六万七千幾らに満たない方たちへの措置、処遇、対策について一言お教えくださいませ。

坂口国務大臣 恐れ入ります、老齢基礎年金が六万七千円に……

阿部委員 ここの資料によりますと六万七千百七円となっておりますが、これは厚生省のお出しになった資料ですが、それに満たない方たちが現在おいでだと思いますので。

辻政府参考人 現在、基礎年金の仕組みでございますけれども、納付した期間に応じて額がふえる、そしてそれが六万七千円となるという仕組みになっております。

 したがいまして、納付期間の短い方、それから納付する場合に所得が低い方については免除という制度がございまして、免除を受けますと、給付が、三分の一でございますけれども出ます。

 そういうことから、通常、低い年金、皆様に納付いただくということを前提にしておりますので、低い年金は、所得が低く、免除期間が長い方でございます。それにつきましては、三分の一の給付ということで、年金額がその期間出ることになっております。

阿部委員 それは事情といいますか、こういうことになっておる事情でありまして、解決策ではございませんので、これは質問通告をいたしませんでしたので、次回で結構ですから、現在、老齢基礎年金が六万七千円に満たない方たち、実はやはり現実におられますし、こういう方たちが切り捨てられて社会が進むということは大変に問題と思いますから、次回、改めてお答えを御準備いただきますようお願いいたします。

 あわせて、高齢、少子の、少子化対策の方についても、先ほど来、児童の虐待問題等々でも御質問がございましたが、私は本日、とりわけ、我が国において子供を産むことの安全性、あるいは女性たちが産みたいと意識できるかどうかの社会体制の問題をお伺いいたしたいと思いますが、一点、最低限の安全性についてお伺いいたします。

 これも、申しわけございませんが、質問通告が間に合いませんで、実は厚生省からいただきましたお答えが昨日でございましたので、どうかお許しくださいませ。

 私が、十二月一日、質問主意書におきまして、いわゆる助産業務に、分娩を介助する業務に無資格の従事者がかかわっていたという事例の報告を受けまして、厚生労働省に主意書を出させていただきました。

 陣痛促進剤による被害を考える会という方たちからの私に寄せられた情報で、例えば、昭和六十三年、静岡県の富士市の産婦人科で新生児の分娩に立ち会った、一見、ナースキャップをして白衣を着た方が、実は無資格の産科助手であり、この方の養成は日母、いわゆる日本母性保護産婦人科医会が独自につくっております研修機関で研修された方であった。ここは、一応産科看護婦の研修ということをうたいながら、実はその入学に、例えば助産婦である資格とかは必ずしも要しない。その結果、無資格の方をここで研修して、各関連の医療機関に送り、その方たちが分娩介助をして、この六十三年の富士市の例では、赤ちゃんは非常に状態が悪く、出生後二時間で死亡した。

 同様なケースが実は三件ございまして、この日母の設けました産科看護婦の研修施設についての質問主意書を出しました。そして、いただきましたお答えが、実に驚くべきことに、平成二年度から十一年度の卒業資格を与えた方のうち、実は医療資格者ではなかった方たちが七百四名、この産科看護婦の研修を終えたということの証書をもらわれた、こういう実態がございます。

 このことに関しまして、厚生労働省のやはり強い指導、そうした研修実態を放置しておくということが大変に問題と思いますから、この指導につきまして一言御質問をいたします。

伊藤政府参考人 日本母性保護医協会の産科看護婦の件につきましては、質問主意書にお答えしたとおりでございますが、さらに今御指摘の点につきましては、母性保護医協会を呼びまして、具体的にさらにいろいろお聞きをいたしまして、そういう事実があれば厳正に指導していきたいと考えております。

阿部委員 やはり対策が非常に後手に回っておると思うのです。特に出産というのは、女性にとっても赤ちゃんにとっても危険きわまりない事態が、実は今多くの無資格な方にゆだねられているかもしれない事態というのは、少子化社会を嘆きながら、人間はみんな生まれなければ死ねないわけです、その生まれる、非常に大切なところに、厚生省が現実にきちんとした体制を指導していないということにもなってまいりますから、これもまた次回、指導の進捗状況についてお伺いいたしますので、よろしく御答弁のほどお願い申し上げます。

 引き続いて、介護保険の問題に移らせていただきます。先ほど小沢委員の方からかなり綿密な御質問がございましたので、私も、なるべく重複を避けてまいりたいと思います。

 介護保険は、その徴収の問題、これも低所得な皆さんに非常に御負担をかけておりますが、そればかりでなく、それにかかわる事務の複雑さ、いわゆるケアマネジャーという資格を持ちながら、例えば五十人の方のケアプランを策定することが非常に労働強化になっているという実態もございます。

 先ほど来の御答弁ですと、ほぼ順調な滑り出しとおっしゃられますが、実は、医療、介護現場にも、それから地方自治体にも非常な負担を現実にはかけておるということで、もっとアンテナを高くしていただきたいのがまず第一点でございます。

 その上で私からの御質問ですが、実は、先ほどの低所得者層の負担の問題以前に、低所得者層には要介護状態の発生率が高いというデータがございます。実は、これは以前、津島厚生大臣にも御紹介申し上げましたが、日本福祉大学の近藤先生の御推計で、いわゆる夫婦のお二人世帯で年間所得が百七十五万円以下の非課税世帯では、要介護状態の発生は一七・二%に上っております。低所得な方たちに要介護状態が多く発生しますことは、実は、六十五歳以上で平均一〇%の要介護状態の発生であることから見れば、所得が低いがゆえに、一七・二ですから一・七倍ですけれども、約二倍の要介護状態が発生しておるということで、かてて加えて、この方たちが現実に介護保険を御利用になるときに窓口負担がかかるということでもございます。

 では、さて、厚生労働省といたしまして、この介護保険にかかわる相手方、利用者の所得状況等々について綿密なデータをお持ちでしょうか、その点についてまずお伺いいたします。

堤政府参考人 先ほどの質疑の中でも出てまいりましたけれども、高齢者の所得状況ということになりますと、一番つかみやすいのは課税状況ということで、現在の保険料は、市町村民税の課税状況を見て設定しているわけです。課税をされている方は、課税所得が幾らあるかということは市町村で把握できますので、それをベースに、保険料の第四段階、第五段階は例えば二百五十万の課税所得の前後で区切るというふうにしておりますけれども、年金の非課税といったようなこともございまして、実は高齢者の相当部分が非課税でございます。

 そういうふうになりますと、非課税世帯の根っこの収入がどれぐらいあるかというのは、市町村も十分把握をしないというのが現在の税の実務でありまして、私どもとすれば、課税の情報に基づく介護保険料の五段階の状況というのは、市町村を通じて把握することはできますけれども、その根っこの、もとの収入ということになりますと、市町村も含めてなかなか実際にはつかみ切れない、正確な全体像はつかみ切れないというのが現状でございます。

阿部委員 今、非常に正直なお答えだったと思うのですが、根っこのつかめないところに政策を考えているゆえに、この介護保険問題はなかなかうまく運ばないのだと思います。

 例えば、先ほどの小沢委員の御指摘の状況についても、厚生省としては把握がない。そして、住民、市民の一番身近にいる市町村、自治体の長からは、やはり自分たちが現実の御高齢者から介護保険料を徴収しかねる苦しい思いが述べられているわけです。私自身は、実は、介護保険制度を保険としてやっていくべき方向を社会民主党としてもとりましたから、その延長上に思っておりますが、ただ、余りにも実態とかけ離れて、保険制度を施行し、実際のサービス利用料を取れば、早晩、第二の国民健康保険になってしまいます。

 今ぜひとも厚生労働省にお願いしたいのは、その実態について、市町村にもっとつぶさに現状を報告していただいて、厚生労働省としても、御高齢者の実像、実は厚生白書、御高齢者の像には述べられていない実像を把握していただけますようにお願い申し上げます。

 次いで、三点目に移らせていただきます。

 先ほど坂口厚生労働大臣のお話にもございましたが、日本の二十一世紀の医療については、ある程度の方向で解決の方向が、一つは高齢者医療制度の創設等々、医療保険制度の創設等々で述べられておりますが、私が非常に案じますのは、日本の医療制度は、とりわけ予防医学に視点の薄い、給付の薄い、システムの整わない社会だということでございます。

 これは、要介護状態になって、なっちゃってから介護とか、病気になっちゃってから医療ということをしいたのでは、とても高齢社会に追いついてまいりません。急速なスピードで進む高齢社会にあって、ぜひとも今、厚生労働省として強く予防保健の施策を打ち立てるべきだと私は思いますが、このことに関して、坂口大臣並びに関係の所轄の方に御意見を伺います。

坂口国務大臣 予防のことについてお触れをいただきました。予防医学を学びました人間にとりましてまことに貴重な御意見でございまして、むしろ私の方からお礼を申し上げなければならないのかもしれません。しかし、現在の健康保険は、御指摘のようにそういう体制にはなっておりません。疾病保険の体制になっているわけでございます。私も、かつてはそのことを何度か指摘してまいりました一人でございます。

 しかし、世の中はかなり変わってまいりましたし、慢性の疾病が非常に多い、こういう状況になってまいりますと、やはり予防ということがいかに大事かということが浸透してまいりました。そうした意味で、これからの医療制度を考えていきますときには、やはり予防の立場というものを抜きにしては語れない、そこはしっかりと踏まえて次の医療制度というものを考えていく。その色合いをどこまでそこに入れるかということはありますけれども、そのベクトルの方向性としてはそうではないかと私も思っております一人でございます。

堤政府参考人 介護保険制度と並ぶ車の両輪の一つとして、私どもは介護予防事業というものを言い続けておりました。

 今年度からは、介護予防・生活支援事業という名前で、市町村に対する包括的な補助金も設定をいたしまして、例えば、地域の実情に応じて市町村が実施をする生きがい対応型デイサービス、予防拠点になるようなところの事業の支援というふうなものをやっておりますし、市町村の在宅介護支援センターの運営費の中に、介護予防プランというものをつくる際の加算措置というものを新たに設けるといったような形で、介護予防にこれから重点を置いていきたい。そういたしますと要介護者の発生が少なくなって、介護保険財政の上でもいい材料になるという見地から、強力に進めていきたいと考えております。

阿部委員 先ほどの坂口厚生労働大臣の御答弁でございますから、ぜひともその旗色を強く、現坂口厚生労働大臣の折にお出しくださいませ。やはりこれは、二十一世紀の骨格上、我が国が安定運営されていくためにも欠かせない、そして、だれかが強くかじを切らなければ、少しずつ少しずつでは絶対に成っていかないことと思います。

 そして、あわせて、実は現在、ゴールドプラン21の中にもそのことの布陣になるような施策はあると思いますから、私として一点、それをさらに強化していただくべく、お願いがございます。

 ゴールドプラン21の施策の中で、平成十六年度までの見込み数に、先ほど堤さんの御答弁にございました、いわゆるデイサービス、デイケアの施設数を、二万六千カ所を目途に置いておられます。

 実はこの二万六千カ所と申しますのは、日本全国の小学校の数でもございます。私が質問の都度申しておりますように、小学校というのは、地域の中核であり、徒歩圏であり、そして子供たちの文化的、歴史的、情緒的、あらゆる教育の場でございます。二万六千カ所を目途にするというゴールドプラン21の中で、この二万六千カ所をぜひとも小学校の利用ということとリンクさせていただき、あわせて、そこに新たな住民参加の仕組みをおつくりいただきますように施策を御検討いただけまいかという提案でございます。御答弁は担当の方で結構です。

堤政府参考人 少子化が進みます中で、小学校等の空き教室も出てきているという状況でございますので、そういう資源を活用するということを従来から私どもも重要だと認識をしております。

 そこで、デイサービスセンターを改築する場合に、小学校の余裕教室を改装して整備をするという場合には、平成十年度の補正予算からでございますけれども、一件定額三千万という補助制度を設けておりまして、それに基づいて小学校の余裕教室の転用をして、デイサービスセンターを整備するという事業を進めております。

阿部委員 さらに強く政策誘導していただけますようにお願い申し上げます。

 あわせて、身近なという点で、いわゆる保健所の機能について一点お伺いいたします。

 私は、これもさきの予算委員会で、実は、先般問題になっております仙台の北陵クリニック問題について質問をいたしましたが、仙台北陵クリニック問題は、ことしの一月にいわゆる准看護士によるとされる子供やお年寄りの殺害、殺人ケースとして、今裁判にもなっておるケースでございます。

 実は、この北陵クリニックと申しますのは、科学技術庁の研究助成を受けまして、電気刺激による麻痺等々の回復、褥瘡予防のための高度先端医療の治療実験の場でもございました。このことは余り知られておりませんが、治療実験の場であった、それも国の助成を受けていた医療機関であるということは、やはりこの事件に関しまして国も少なからぬ問題意識を持たなければいけない事態と考えております。

 そのやさきでございますが、せんだって、厚生省の中に医療安全対策室設置という報が、これは、二〇〇一年の四月に設けられる、事故再発防止策を検討するための医療安全対策室設置ということが述べられておりましたが、かかる仙台北陵クリニック事件、起きましたのはさかのぼることですが、先ほど申しました高度先端治療実験の場でもございました。中には、四歳の男児で、いわゆる電気刺激の治療を受けた後に急変されたケースもございます。幸いに一命は取りとめておりますが、何が問題でそのようになったかもやみの中でございます。

 私が思いますに、こうしたケースは、やはり先端医療というのは、患者のインフォームド・コンセント、それから安全対策、例えば北陵クリニックでは急変時に蘇生処置もおぼつかなかったと新聞報道されております。そのような体制下で、幾ら先端医療と申しましても、患者の安全、人権が守られないのであれば何ら意味がないと思いますから、ぜひとも北陵クリニックケースを医療安全対策室のケーススタディーとしてお取り上げいただけますように、これは私からのお願いでございますので、御答弁いただければありがたいと思います。

伊藤政府参考人 最近の医療事故の多発に対応するため、厚生労働省におきましては、平成十三年度予算の中におきまして、医療安全対策室の設置をお願いしているところでございます。

 私どもは、この対策室を設置いたしまして、総合的な医療安全対策に取り組んでいきたいと考えているところでございますが、御指摘の北陵クリニックの問題につきましては、通常あり得る医療安全対策というよりは、私どもといたしましては、犯罪というような観点が非常に強いわけでございまして、もちろんそういう問題も視野に入れて対応しなきゃいけないと思いますが、通常時に、医師なり医療関係者がミスを犯しても重大な事故につながらない、そういう仕組みをいかに医療機関の中につくっていくか、そういうことを重点的にこの医療安全対策室では取り組んでいきたい。そして、国民の医療の安全に対する信頼回復に努めたいと考えているところでございます。

阿部委員 厚生労働省の認識がそこにとどまる限り、やはりエイズ問題の本質も理解しておられないと思います。エイズ事件も犯罪でございました。すべからく、医療現場、患者の人権が無視されるところの実態をもう少し真摯に考えていただきたい。私は、今、問題提起をいたしました。

 先端実験の、治療実験の、悪いとは申しません、だからこそ人権監視が必要であろう。そういうものは、これは事件、これは事件と除外していけば、最後に残るのはいわばどうでもいい指導だけになってまいりますから、あわせてこの点はまた他の委員会でも聞かせていただきます。

 最後に、いわゆる保健所の医療監視についてお伺いいたします。

 同じく、北陵クリニックは、療養型病床群をとりながら、医療監視は平成十二年の四月の一回のみで、あわせてそのときに薬剤師の不在ということが判明しながら、この事件が発覚するまで補充もないまま経過しました。劇薬と言われる筋弛緩剤を管理する薬剤師が不在であった。そして、そのことは、実は保健所が医療監視で明らかにでき、対策指導を強くいたしておりますれば、この事件は防げたやもしれません。

 そのことに関しまして、保健所の医療監視ということにつきまして、厚生省の所轄部署からのお答えをいただきたいと思います。

宮島政府参考人 診療所等への立入検査につきましては、現在、都道府県知事あるいは政令市の市長等が実施する、いわゆる自治事務の取り扱いになっておりますけれども、国といたしましても、地方自治法の助言という規定によりまして、毎年度、いわゆる立入検査の重点通知を行っております。

 その中で、立入検査を実施していないような都道府県につきましては、必要に応じ、その実施に努めるように指導しておるところでございます。

阿部委員 何度も申し上げましたが、事はやはり医療の監視機構が、特に住民に身近な保健所に課せられた役割であるということだと思います。

 私の時間が終わりましたので、あわせて追加の質問は別の機会にさせていただきますので、厚生労働省が国民の生命の安全を預かる省庁であるという緊張感を持って今回のお仕事をなさってくださいますように、私からお願い申し上げて、終わらせていただきます。

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