第151回国会 厚生労働委員会 第17号(2001/6/5)抜粋 案件: 政府参考人出頭要求に関する件 確定拠出年金法案(内閣提出、第百五十回国会閣法第二一号)
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子と申します。
本日の参考人四方には、大変長時間御苦労さまでございます。私の質問で最後でございますので、いましばしおつき合いをよろしくお願いいたします。
きょう一日の議論を拝聴いたしまして、実は私、この同じ時刻に財務金融委員会での審議も重なっておりますのですけれども、先ほど高山参考人のお話にもございましたが、この確定拠出型年金をめぐって、本来であれば金融財務の部門でも、緊急経済対策の大きな柱ともなるやもしれないこの法案が、もっとしっかり論議されてしかるべきであると本当に心から思うものです。
実は、RCC、整理回収機構を三年延期する法案が自民党の皆さんを中心とした議員立法で出てございますけれども、私は、この法案こそ実は、私どもで参考人としてお願いしました渡部教授のお話にもございましたように、少なくとも三年待てという結論を持っております。基本的には論議されるべきことがきちんと尽くされずに、そして、勤労者の年金受給権ということもあいまいなままに本法案が成立するということは、本当にこれから日本が二十一世紀、安心と安全ということをもとにして生きていける国か否かと問われたときに、非常に不安でございます。
ですから、きょうの論議を初めとして、緊急な、法案を通すというふうなことでなく、骨太な年金論議がぜひとも私は始められてしかるべきと思いますし、本日御出席の各委員にもそういうお呼びかけをしたいとまず一点思います。
引き続きまして、質問に入らせていただきます。
まず、もう皆さんいろいろお聞きになってくださいましたので、私が確認的に論をちょっと進めさせていただきますが、一点目は、公的年金にかかわります現状認識でございます。
この点、経団連の御発言の方以外は、高山先生初め公文先生、渡部先生、公的年金の部分が非常に問題があり、その問題を是正する方策はおのおの違いがございましたが、認識は共通にしてございましたと思いますが、福岡参考人にお伺いいたします。経団連の皆さんのお話の中で、日本における公的年金の仕組みについて、現状認識はどのようになっておるのかということをまずお話をお聞かせください。
○福岡参考人 お答えします。
経団連とおっしゃっていただきましたが、経団連と来年の五月に統合することにはなっておりますが、ただいまは日経連でございますので、そういうことでよろしくお願いいたします。(阿部委員「ごめんなさい、謝ります」と呼ぶ)
私ども、公的年金の特に一階の部分に関して、今非常に危機感を持っております。したがいまして、私ども、私も年金審議会の委員の一人でございますが、一貫して特に空洞化問題については、今の各先生、各参考人からお話があったとおり大変な危機感を持っておりまして、早くこれは私どもとしては、先ほどちょっと申し上げましたように、これはもはや――もちろん年金に対する不信感から始まっている世界もあるわけで、その不信感のもとは何といっても人口構成の、先ほど申しました小さな三角形と大きな台形が大きなシャッポになってきて、若い人じゃ支え切れない、おれたちの時代になったらもらえないんじゃないか、こういった不信感が始まってきているわけで、これはしかし物理現象でありますから、だれも避けて通れない。
さっきの高山先生のお話にありましたように、お金が天から降ってくるわけじゃございませんから、広く浅く全員で、みんなで負担するような目的間接税でやるべしということを私どもは強く主張しておりまして、かつ、二階の部分についても賦課方式はやめて、むしろ積立方式に明確にすべきだということを申し上げているところでございます。
○阿部委員 ありがとうございました。
では、公的年金部分についての改革が必要であるという前提に立った上で、今の福岡参考人並びに高山、公文参考人は、一応、税方式について、特に間接税、消費税等々の御意見があり、公文参考人は一般財源からの税補てんというお話でございましたが、渡部教授におかれましては、公的年金部分、基礎年金部分についての改革の御私案はどのようにお持ちでいらっしゃいましょうか。
○渡部参考人 国民年金の問題は、国民年金制度の問題と財源の問題に分けて考えております。
国民年金そのものは、やはり貧困防止用制度として徹底すべきであると考えております。ですから、今の日本のように全国民から同一の保険料を取って同一の給付を与える、こういう制度は世界に例を見ないわけですね。やはり貧困防止用に徹底して、これは一般財源で財源を賄い、そして給付は、ミーンズテストといいますか資力調査で裕福な人にはカットする、そういうふうに持っていくべきだと思います。
そして、福祉目的税のことでございますが、私は、目的税というのは、消費税もそうでございますが、非常に逆進的要因が強くて貧しい人に厳しい税金である、だからこれは一般税で賄うべきだと考えております。
○阿部委員 ありがとうございます。
引き続きまして、現在の給付建ての制度に対する評価についての違いをお伺いいたします。
高山教授の御意見にもございましたが、ここの文面を拝借いたしますれば、退職給付は給付建て制度に偏り過ぎているという御認識をお持ちで、この点に関しては福岡参考人も同じなのかどうか、ちょっと私聞き漏らしましたが。公文参考人並びに渡部参考人にあっては、むしろこの給付、確定給付という呼び方をしていることも含めてですが、給付制度というものが日本の勤労者の退職後、老後を賄うにあってまだまだ不十分だというふうに私は承りました。
その点について、福岡参考人並びに、高山参考人は給付制度に偏り過ぎているという御指摘でしたので、具体的に現状認識にかかわる数値でのお示しを福岡、高山両参考人にはお願いいたします。
例えば、日本の勤労者の老後において何%は給付的なものの割合で賄われており、はたまた何%は。あるいはまた、勤労者の中で給付的なものをお持ちでない方もおられると思うんです。給付に偏り過ぎているということは、現状が非常にそこに寄りかかっている、ないしは多数がそこで恩恵を受けているということでございますから、お二方にはその点についてお伺いいたします。
○福岡参考人 お答えします。
退職金の水準といいますか、退職金制度自体、これは世界的に見ますと、日本みたいな高額の退職金制度というのはむしろ奇異な制度であるというふうにはっきり申し上げていいと思うんですね。今、具体的に数字で云々とおっしゃって、これはなかなかちょっと私も答えられませんが、今の確定給付型年金というのは退職金制度から移行した制度であるというのが大宗を占めているわけでありまして、もちろんそれだけではないとは思いますが、大宗を占めているという意味では、確定給付型の水準自体もかなりのレベルになっているというふうに考えてよろしいんじゃないかと思っております。
○高山参考人 お答えします。
手元に具体的な資料を持ち合わせておりませんので、正確な数字を申し上げることができませんけれども、大ざっぱな私の理解を申し上げたいと思います。
退職給付制度は、日本の場合、基本的に退職一時金です。退職一時金制度は、日本企業における普及度合いは全体の九〇%です。日本企業の中で退職給付規程のない企業というのは一〇%しかないんですね。日本は企業年金の普及割合五〇%とかそういう数字を世界的に公表しているようですけれども、実は、退職給付ということであれば九割がその制度を持っているわけですね。厚生年金基金や税制適格年金等はその内枠なんですね。退職一時金の中の内枠で、その一部を賄うために、主として税制面の恩典を受けるために活用されているだけなんです。年金という名前がついておりますけれども、実態は退職一時金です。
この退職一時金、退職給付規程の大半は、実はすべて給付建てなんですね、日本の場合。それは、主として税制上の理由だと私は思います。要するに、掛金建てにすると税制面の恩典が受けられない。
例外的にあるのは、私が知っている限り、財形貯蓄年金あるいは中小企業退職金共済あるいは特退共と呼ばれているもの、これも掛金建てというふうにみなすことができるかもしれません。極めてマイナーな制度です。要するに、積立金に占める割合というものは、多分一〇%以下でしょう。退職給付全体の中で特退共だとか財形年金の占める割合、私は正確な数字をここに持ち合わせておりませんけれども、一〇%以下だと思います。
要するに、税制面の恩典がついていない。要するに、税制上は給付建てを優遇して掛金建てを冷遇しているというのが今までの制度です。それは、掛金建ては貯蓄だから。マル優廃止等ありまして、貯蓄は税制上優遇しないというのは税制当局の基本的な考え方なんです。ただし、特別の年金の場合は税制上ある程度の優遇措置を講ずるという形になっていたわけですね。そういうような事実を踏まえまして、各企業はすべて給付建てでこの制度を設計しているということです。
今回の新しい法案は、その評価は分かれますけれども、掛金建ての制度に税制上の優遇措置を講じましょう、従来の給付建ての制度とも余りにもアンバランスであった税制上の措置を、バランスを少し回復させるようにしましょうというのが趣旨だというふうに私自身は考えているということです。
以上です。
○阿部委員 確かに、年金と申しましても退職金イコールであるという御指摘をお二方からいただきまして、そのことが私はとても重要だと思います。
そして、福岡参考人が、自覚というか、現状を認識かどうかこれも存じませんが、必ずしも現在の我が国の勤労者は十分な退職金というものを、特に中小の方ほど取っていらっしゃらない。その退職金にも等しい企業型年金、職域年金がいわゆる拠出型になる。ある種のリスク、運用リスク、ギャンブル化するということについて、社会がセーフティーネットを失うということを私は非常に強く懸念いたします。
そして、最後に一点、お教えくださいませ。高山参考人並びに渡部参考人にでございます。
高山参考人の文章の中に、確定拠出は専業主婦層への恩典も考え得るという御指摘がございました。ここについて、一言コメントを。
それから、渡部参考人にでございますが、先ほど、女性の離婚問題等々で、今の専業主婦。日本の中では、年金制度、実はいろいろに言われますが、現実には夫に付随する形ですべての厚生年金部分を失う形になってございます。この点について、年金改革の大きな柱と思いますので、御見識をお願いいたします。
○渡部参考人 年金と女性は、日本で非常におくれている問題の一つでございますが、他の先進諸国では大いに議論されており、また具体的立法もございます。
公的年金だけじゃなくて、公的年金を補完する企業年金におきましても、やはり専業主婦、今御質問のとおり、片一方の配偶者が営々と三十年、四十年働いてもらう年金、それにはやはり内助の功として他の配偶者の支援があるわけですから、やはり十年とか十五年とか二十年、いろいろそれは決めようはございますが、それだけ寄与した元配偶者には、五割とか、何らかの受給権をきちんと法律で明記すべきである。
企業年金は確かに労使で話し合うべき点も多いかと思いますが、しかし、それでは力関係でおかしくなる。福祉国家の、国家の機能として、国家の責任として、大枠をがっちり骨組みをつくるのが企業年金基本法であり、世界各国は、先進国はやっておることです。ですから、その中に、ばしっと離婚配偶者の問題を明記すべきだと思います。
ただ、再婚した場合とかそういうところが難しゅうございまして、大体私は、再婚した場合はまた向こうでもらう可能性もあるわけですから、御遠慮いただくとか、せめて十年以上貢献した配偶者には一定の受給権を付与すべきだと考えております。
○高山参考人 女性は男性に比べて離職の機会が多うございます。現在の給付建ての企業年金制度、退職給付制度のもとでは、実は不利益をこうむっている最大の被害者です。新しい掛金建ての制度が導入されてメリットを受けるのは、私はこういう転職の多い女性だと思っています。先ほど、何か、三年待つべきだというようなお話があったんですが、むしろこれを待ち焦がれている女性が少なくないというふうに私自身は理解しております。
それから、今回の法案は、専業主婦になった途端に拠出することが認められない形になっておりますが、これは非常に残念なことだと思います。あるいは、夫婦連生年金というものを退職給付というか企業年金の中に認めるという方向もあるかと思いますので、ぜひ、この点、真剣に検討なさっていただきたいというふうに思っております。
以上です。
○阿部委員 ありがとうございます。
現状のままでは女性にもメリットのない年金と思いますので、さらに論議を重ねられることをお願いして、終わらせていただきます。長時間、済みませんでした。
【中略】○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子と申します。
私の本日の審議に入らせていただきます前に、法案審議の前に、まず、坂口厚生労働大臣にお願いがございます。
実は、ハンセン病の熊本地裁判決に際しましても、前々回でしたか、厚生労働委員会の場で多数の委員から控訴せずの御判断をという要望が次々相次ぎまして、また坂口厚生労働大臣も深くお考えいただきまして、ハンセン病にあっては控訴せずという方針が固まり、旧ハンセン病の方たちも大変喜んでおられたし、国の政治も大きく一歩前進したものと高く評価しております。
そして、あわせてでございますが、既に、坂口厚生労働大臣も御承知おきのように、六月一日、大阪地裁で、いわゆる在外に居住する被爆者についての被爆援護法の適用について、居住地を問わず被爆という事実をもって被爆援護法の適用をなすべきであるという地裁判決がおりました。
四月には、同じ大阪で水俣病の認定の判決がおり、しかしながら、残念ながら、これは環境省によって控訴をされております。そして、先ほどの五月十一日、ハンセン病の熊本地裁判決は、坂口厚生労働大臣の御英断で、これが全体に内閣を引っ張って、控訴せずの判断に至ったものと思います。
さて、今回の被爆者援護法における在外に居住する被爆者についての大阪地裁判決、本当にこれは控訴せずという方針を強く望むものでございますが、残念なことに、きょうの委員会では、まず私がこの件を言い出しただけで、実は前回、三月十六日、我が党の中川智子議員が厚生労働大臣並びに桝屋副大臣にかなりこの件で粘りまして、御答弁をお願いした経緯もございます。
その時点と現在では、また大きく進歩したものがございます。この大阪地裁判決という事実、このことにのっとって、いわば投げられたボールをどのように厚生の行政担当者が返していくかという時期に差しかかっておると思います。
まず、この地裁判決につきまして、坂口厚生労働大臣のお考えをお教えくださいませ。
○坂口国務大臣 大阪地裁の被爆者に対する法律につきましての判決が出ました。それで、結論から先に申しますと、まだ省内、そして他の省庁との検討というものをまだいたしておりませんので、ここでその結論を申し上げることはできません。
この裁判は、原告の方は韓国の方でございますが、被告の側になっておりますのは大阪府知事そして法務大臣でございます。ただ、厚生労働省といたしましては、やはり法律がこの厚生労働省にかかわります法律でございますだけに、看過できないものがございます。まだ皆さんに相談をするところまで至っておりませんで、一度早く相談をしなければならないというふうに思っております。
そうはいいますものの、昨夜も、この前の、平成六年の十二月にできました被爆者援護法をもう一度持ち帰りまして、そして夜少し読み直してみたところでございます。その審議の内容等をずっと読ませていただきましたら、その中で、共産党の岩佐委員が御質問になっておりまして、そして、外国に居住する方にも同じように扱うべきだという御趣旨の御発言をなすっているわけでございます。それに対しまして、谷さんという政府委員が、この法律は外国に居住する人は含めていないということをそこで答弁をいたしております。共産党さんの方から修正案が出されまして、そしてそれが否決をされているというような経緯もございました。あるいは参議院であったかもしれませんが、そういう経緯がありました。
そういう経緯がございまして、それを見ますと、この法律の中には明らかに書いてはありませんけれども、その議論の中におきましては、外国に居住する人は対象としないということはそこに答えておりまして、いわゆる立法府としての意思というものはそこである程度明らかにはしているというふうに思ったわけでございます。
ただし、法律そのものが正しいかどうか、そして全体で考えた場合にどうかということをこれから議論をしなければならないわけでございまして、いましばらく、少しお時間をちょうだいしたいというふうに思っております。
○阿部委員 まだ結論が出ていないということで、私の方から幾つかの指摘をさせていただこうと思います。
坂口厚生労働大臣もこの被爆者援護法の前文をまずお読みくださいました由で、やはり一九九四年に法律ができました前文を読んでみますと「国の責任において、原子爆弾の投下の結果として生じた放射能に起因する健康被害が他の」云々という一文がございまして、あわせて、国として原子爆弾によるこの健康被害あるいはその個人救済、特に高齢化の進行にかんがみて、全般的な措置をとるというふうに明記されているものでございます。
ここで、私はこの前のハンセン病のときも申し述べましたが、政治の基本が何であるかということにおいて、やはり非常に大きな岐路に日本の政治が立っておる、このことをまさに坂口厚生労働大臣は認識されて、前回のハンセン病判決控訴せずの判断に立たれたと思いますが、被爆者援護法にうたわれている骨格は、一つには国の責任の明示であり、もう一つは人道、人の道、人がなすべき道とは何かということでございます。
そしてあわせて、被爆という属性は個人に属します。ある方が被爆したか否かという事実は、その個人に属しております。その方がどこに歩いて移動されようと、国境をまたごうがまたぐまいが、また国籍が何であれ、この法律は、その個人に被爆という属性を規定したものであると思います。
そのことをあらわすものの中に、いわゆる法文の第二条に、被爆者健康手帳の申請において居住地がない場合は、その申請の現住地、現在いる場所で申請をできる。居住地がないということは、居住しておられない場合でもこの申請が可能性であるというふうに逆にこれは解釈ができるものと思います。
また、いわゆる戦病者の遺族のいろいろな救援、救護法におきましては、海外に在住しても給付が受けられます。このことは、遺族である事実というのは、海を渡ろうが渡るまいが一貫して続いているということでございます。
先ほど坂口厚生労働大臣のお答えにございました、共産党の岩佐議員への当時の答弁がそこでとどまっておるということでございますが、あわせてこの条文をよくお読みいただきまして、また、戦後補償のさまざまな遺族の救援、救護法では海を渡ってもなお現実に適用されておるということもお考えくださいまして、ぜひとも前向きな御進言をお願い申し上げます。
と申しますのも、先ほど坂口厚生労働大臣がおっしゃいましたように、これは直接には外務省と大阪府が被告になっておるものでございます。本当にありていに言えば、坂口厚生労働大臣が直にかかわっていないものには不安がございます。先ほどの環境省の水俣病判決の控訴もそうでございます。政治の道を大きく人道という方向に向けていただけますように重ねてお願いいたしまして、私の本来の質問に入らせていただきます。
きょうの午前中、参考人の皆様方から、いわゆる確定型拠出年金についての御意見を拝聴いたしました。その中で私が一番強く印象に思いましたのは、そしてこれまでのこの場での論議もあわせて考えますことには、やはり公的年金部分、特に国民年金部分の危うさということをどなたも案じられ、また、問題と思っておられるということでございました。
そして、朝の参考人の公文氏のお話の中にもございましたが、公的年金の空洞化ということでございます。このことについて厚生省内の関係の部局はどのように認識しておられるのか、まず一点目お伺いいたします。
○冨岡政府参考人 国民年金全体の加入者は七千万人を超える規模でございますが、空洞化と言われます中には、未納者が多いのではないかとか、または免除者が多いのではないかとか、実際にそういう方がふえることによって将来無年金になる人がおられる、そういったことで言われているのではないかと思っております。
調査によりますと、まず未加入者の方につきましては、最近の調査で九十九万人ということで、従前よりもかなり減っております。これは、若い方に対しまして、二十に到達すると市町村が住民基本台帳で年金手帳をお送りし、納付書をお送りし入ってもらう、こういう対策をとったからでございます。
一方、未納者は前の調査よりも大分ふえまして、二百六十五万人と九十二万人ほど増加しております。これは、先ほどのようなことで加入してもらった方が必ずしも納付に結びつかなかったといった点があるわけでございますが、年齢別に見ますと、やはり若い方が未納が多い。それから、大都市の方が比較的未納が多い。逆に、年金が目前に迫ってきております年代になりますと、例えば五十代の方は極めて未納者が目に見えて少なくなる、こういったような状況にございます。
ただし、こういった状況でございますが、七千万人という全体の規模から見ますと、今申し上げました未加入者、未納者の方の割合は五%程度ということでございまして、七千万人全体で支える国民年金全体の将来的な安定といった点から見ますと、言われているような不安はないものと承知しております。
以上でございます。
○阿部委員 けさの参考人のお話をぜひ聞いていただきたかったと思いますが、その認識が大きくずれますところに、こうした政策的な方向性も見誤る、極めて不確かな確定拠出年金の提案があるのだと思います。空洞化の内実、それを空洞化と認識しておらないということ自身が、非常にもう行政の根本の怠慢でございます。
先ほど未納者二百六十五万人とおっしゃいました。若い人には多いけれども年齢を経るごとに少なくなるというふうなお話でございましたが、やはり客観的なデータを持ちまして分析していただきたいのと、実際に、若い方の未納ということももちろんございますが、これは、お払いになれない、今の国民年金でもお払いになれない方々も大勢おいででございます。私が午前中承りました数値によりますと、この二百六十五万人のうちの六四%はむしろ経済的な負担から未納であるというふうに分析されております。分析するデータが違えば結果が違ってまいります。
そして、けさおいでになった四人の方々は、おのおのいろいろなエリアから年金についての御発言でございましたが、どの方もひとしく、これからの日本の公的年金、特に国民年金の未来を案じておられました。これは国民がもっと案じていることでもございますが、そこにおいて今のような御答弁しかない担当省庁というのは、私はこれは国民の将来や命を預けるには極めて問題が多かろうと思います。
また、きょうはデータ表示はお時間等々で私も要求いたしませんので、次回、何%が、特に若い人の未納率が減っておると申しますが、これは若い人の数が減っておりますから、その中での比率の減少であるのか。特に今若い方は将来自分が年金が受け取れる保証がほとんどないというふうにお考えで、私の身の周りでは非常に未納はふえておると思います。数値によって減っていても比率においてふえておれば、これはまたお話が違いますので、その件はまた追って、明日にでも私が引き続き空洞化の問題を質問いたしますので、資料提示の上、お願い申し上げます。
そして、けさの四方の御指摘の中で、特に国民年金、これは五%が未納率で、七千万人分の五%だから低いと見るか、むしろ国民年金に対しての国民的信頼が薄れていっている。特に世代間の格差という問題で、若い人たちが負担に耐えられないというふうに思っている。事実はどうかはまた違うと思いますが、そうした背景をかんがみたときに、けさの四方の御提案の中では、まず国民年金において、二分の一で、税できちんとした施策をするというところが第一であるというのが四方とも共通の御見解でございました。確定拠出にしろ、確定給付の方がまだ安心と思いますが、一階の部分、下の部分がしっかりしなければ、すべてが、これからの国民の将来、本当にギャンブル化いたします。
私は、この時間の裏側で財務金融の方での審議をしておることを先ほども申し述べましたが、非常に邪推すれば、これは金融部門への大きな、いわゆる今までの退職者がもらっているような退職金を株式を初めとする直接金融へ持っていくための施策である、そのための緊急経済対策ではないかと思われるような部分すらございます。それほどに無理がございます。何が無理かというと、一階部分の不確かさということについて長期的なきっちりした方針がないということでございます。
そして、午前中の参考人の御発言の中では、お二方が消費税をもってこの部分を二分の一まで引き上げるべし、あとお二方が一般財政の中での税のやりくりで行うべしという御発言でございました。今の認識がそのようなものでは考えているかどうかもわかりませんが、この基礎年金の部分、国民年金部分の充実に関しまして、例えば国民年金という、目的をある程度明確化した上での累進課税による補てんということについてはいかがお考えでしょうか。これは担当の方でも、厚生労働大臣でも、桝屋副大臣でも。
○桝屋副大臣 今の委員の議論をずっと聞いておりまして、どの分野でお答えをすればいいのかちょっと悩むところであります。
まだ午前中の参考人の議事録に目を通しておりません。違うことを言うかもしれませんが、委員の今の御指摘は、やはり基礎年金、一階、二階部分が大事だ、これをきちっとしなきゃならぬということから、空洞化という議論もされました、五%、多い少ないの議論もありましたけれども、やはり少しでもそこを広げる、そこを充実する、確かなものにするという観点でのお尋ねではないかと。そういう意味で、所得に応じた累進的な負担、それでもって年金制度を支えるということはどうかというお尋ねかというように思うんですが。
まず一つは、今の年金そのものが、もちろん基礎年金は全国民で公平に負担をするという観点になっておりまして、二号、三号は、御案内のとおり、保険料は報酬に比例をした応能負担になっておる。それから、一号被保険者については、これはなかなか所得の把握が難しいということで定額の負担になっているということでございます。
さらに、税というお話をされました。まさにきょうの午前中の、今御指摘があったように、公費負担を三分の一から二分の一に引き上げる、大臣も今それを一生懸命お考えになっているわけでありますが、その財源をどうするかという観点で申し上げますれば、これは今の段階で言うことはなかなか難しいわけでありまして、安定した財源確保を図るというそれと一体的に公費負担を上げるということを今議論しているわけでありまして、社会保障改革大綱等、今ワーキングチームでも作業が始まりましたけれども、その中で今鋭意検討しているという点を御理解いただきたいと思います。
○阿部委員 長い質問をして申しわけございませんでした。物には順番があるということを指摘したかったのが一点です。
やはり、二〇〇四年に向けての基本的な論議のところがなされないまま、そしてもう一つ、金融市場が極めて不安定なまま、現在この確定拠出型を導入することというのは極めてリスクが高過ぎる、高いではなくて高過ぎるということをまず指摘したかったこと。
それから、どこに税源を求めるかということももっと大胆に踏み込んで国民に提示しない限り、やはり合意は得られない。これからの高齢化社会、みんなが納得して支えなければ支えられない。小泉さんは痛みを分け合うとおっしゃいますが、これも大きな痛みの一つでございます。ただし、やはりある程度透明性とそして安心感があるものでないと、極めて国の施策が社会を不安定にさせていきます。昨今の出来事を見ますと非常に不安な社会を反映したことが多うございますから、恐れずひるまず、財源論にも立ち入っていただきたいと思います。私どももまた提案させていただきます。
もう一つの不安定要因、女性と年金ということについてお伺い申し上げます。
きょう皆様のお手元に、先ほど理事の了承を得まして配らせていただいている資料には、男性と女性の受け取られる年金の大きな差が明示されてございます。これは平成十一年度に老齢年金の支給を受けられた方の平均月額のグラフでございますが、女性と男性では一目瞭然、極めて差がございます。いろいろな原因、背景はございますでしょうが、まず、この事実についてどういう認識をお持ちで、どのように改善していかれるふうにお考えか、これも担当部局にお伺いいたします。
○辻政府参考人 現実問題といたしまして、男子に比べまして女子の年金が平均的にも分布的にも相当低いという客観的事実は御指摘のとおりでございます。この理由は、大きく申しまして、一つは男子に比べて女子の報酬が低いということ、それから年金の前提となる加入期間につきましても、女子の方が男子よりも加入期間が短いということ、この二つによってこの年金の差が生じております。
ただ、これについて年金制度としてどう評価するかでございますけれども、年金制度は、いわば一階の基礎年金、二階の報酬比例年金、こうなっているわけでございますが、説明が長くなって恐縮でございますが、一階の基礎年金につきましては定額になっておりますことから、所得の低い方についてはむしろ援助を受け、所得の高い方は所得の低い方へ保険料を援助するという再分配構造が基礎年金の部分には含まれております。ただ、報酬比例は再分配構造はなく、報酬に比例して額が決まる。したがいまして、ちょっと適切な表現ではございませんけれども、年金額が低いということは、基礎年金のウエート、割合が高いということで、女性に関しましてはそのような、結果として再分配構造がきいているということから、年金制度としてはそのような、賃金の低さをカバーしているということはそれなりの配慮が行われていると考えております。
そのような状況を将来に向けてどう考えるかでございますが、年金制度そのものの本質は、現役時代にどれだけの所得水準でどれだけの生活をしていたか、それが高齢によって所得を失ったときに大幅に落ちないように、それを防ぐというのは、私どもは年金の機能、本質だと考えておりますので、どうしても年金のときのいわば報酬水準というものに連動したものにならざるを得ないということから、どうしても現役時代のいわば賃金に年金が規定される。それを年金制度だけで克服するということは、相当限界があるのではないかと考えております。
ただ、では現役時代の、女性の年金の適用問題についてはどうするかということを含めまして、女性と年金をめぐる問題につきましては、さまざまな問題が指摘されております。そのようなことから、パートの適用とかそういったことも含めて、三号被保険者問題が指摘されておりますので、その点につきましては、現在、女性のライフサイクルの変化等に対応した年金のあり方に関する検討会、これを私ども、専門家に集まっていただいて議論いただいておりまして、そのようなところでこの問題も含めて御議論いただければと考えております。
○阿部委員 事実としてこれだけの年金格差がある国というのは、先進諸国の中では日本は際立っておると思います。
そして、今の御説明で、基礎年金部分についてはある程度低い負担で、むしろ給付がいい状態にもなっているというふうな御発言でしたが、実はこの年金額ではとても暮らせる年金ではございません。暮らせる年金でないということをしっかり自覚した上で今の御発言があったならばまだ余地がございますが、実は、ここから介護保険料も取られますし、これから医療においても自己負担を取るというお話でございますから、もう一度大きく女性と年金問題、特に高齢社会は女性が多うございますから、お考え直しいただきたい。
そして、特に今おっしゃいました二つの要因分析、賃金格差と加入期間ということに関しましては、実は育児期間中の女性を積極的に加入期間として算定し直すような仕組みを国が取り入れるべきであると思います。ドイツでは、例えば一番末子、末の子が九歳になるまでの育児期間を年金を払っているものとみなすようなシステムもございます。これは少子化問題とも関係いたしますし、もちろん子育ては女性だけがするものではございませんが、現実に女性に負担がいき、加入年月を低くしている。また三号被保険者の問題もございます。
今のは提案ですから、お返事を用意いただければと思いますが、ここで一つ最後に、女性の年金においての二分二乗、午前中問題になりましたが、離婚されたら厚生年金がもうないという現実もございます。夫の報酬比例部分も含めた年金の二分二乗方式について、これは個人単位の年金に向けた検討でございますが、この件に関しても、現段階の到達点をお教えください。
○坂口国務大臣 先ほどお配りをいただきましたこのペーパーを拝見して、やはり私は感じましたことは、日本の年金制度が個人単位になってないということを物語っているというふうに一つは思いました。
そして今、二分二乗方式のお話が出ましたが、二分二乗方式をどうするか、私、結論はまだ正直なところ出ておりませんけれども、やはり女性の年金というものをもう一度考え直さなければならないことだけは間違いがないわけで、次の年金改正のときにはぜひここを入れなければならないだろうというふうに思っております。
そして、これから社会で大きく活躍をしていただきます女性に対して、お報いのできる年金にしていかなければならないというふうに思いますし、御提案がございました育児の期間中の保険料等の問題は大きな今後の検討課題であると私も思っております一人でございまして、ぜひ検討させていただきたいと思っております。
○阿部委員 前向きな御答弁、ありがとうございました。以上で終わります。
○鈴木委員長 次回は、明六日水曜日午前九時四十五分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。