第151回国会 厚生労働委員会 第19号(2001/6/8)抜粋 案件: 政府参考人出頭要求に関する件 確定拠出年金法案(内閣提出、第百五十回国会閣法第二一号) 厚生年金保険制度及び農林漁業団体職員共済組合制度の統合を図るための農林漁業団体職員共済組合法等を廃止する等の法律案(内閣提出第八三号)
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
坂口厚生労働大臣初め省庁の皆さん、連日御苦労さまです。
とりわけ坂口厚生労働大臣には、私が一昨日お願いいたしました郭貴勲さんとの御面会も、昨日お忙しい時間の中お会いくださいまして、大変にありがとうございます。また、これも私がお願いいたしました、判決文の全文もぼちぼちお読みくださっているということで、極めて誠意ある対応に心からお礼申し上げます。
また、きょうは私の方からもう一点、三つ目のお願いがございまして恐縮ですが、実はこの在外被爆者問題は一面において外交問題でもあろうかと思います。
在外被爆者は、南北朝鮮、それからブラジル、アメリカ、世界各地におられます。我が国が唯一の被爆国であり、その被爆の対象者、被爆された方たちにどのように遇するかを世界じゅうが見ておりますと同時に、大きな外交問題でもあろうと思います。
今、非常に残念なことに、外務委員会、田中眞紀子外相と外務官僚の皆さんのそごによりまして中断状態であると伺っておりますが、政府としてのこの在外被爆者の問題に態度を決定される以前に、ぜひとも外交問題としてもこの問題についてきちんとした論議がなされることを私も希望しております。
そこで、坂口厚生労働大臣に、大変恐縮ですけれども、政府として、大臣も政府の一員と思いますけれども、外交問題としても、もちろん担当は坂口厚生労働大臣ではございません、しかしながら、大きな外交問題、今我が国は、外交的にさまざまな国とのあつれきを深めている問題、教科書問題もございます。そのことをかんがみた上で、外交問題としてもこのことを政府として検討されるように、お立場は違いますけれども御提言のほどお願いいたしたく、御答弁をお願いいたします。
○坂口国務大臣 外務大臣ともよく相談をさせていただきたいと思います。
○阿部委員 いつもありがとう存じます。
引き続いて、この年金の法案の審議に入る前に、いわゆる政治倫理問題で一点、この場で、質問通告ではございませんが、明らかにしたいことがございます。
昨日の朝日新聞をごらんになった方は、日本医師政治連盟という政治団体に、半ば強制的に医師に対して献金と申しますかが要求されまして、所によっては自動引き落としというシステムをとられたということが一面でも出ておりました。
KSD問題を初めとして、これから参議院選挙に臨むに当たって、この政治姿勢、政治倫理の問題はいま一つの大きな争点であろうかと思います。
実は、私も医師会のメンバーであったこともございますし、私のおりました千葉では、この医師政治連盟のお金が自動引き落としされるということに反対をいたしました医師たちが銀行口座を差しとめるということもいたしました。私は、これは個々人の政治的信条の自由として当然のことと思います。
ところが、もう一方、私の今選出区になっております神奈川で、神奈川ネットワーク運動という女性たちが一生懸命調べましたところ、例えば横浜市の医師会は、市の保健センター内にお部屋をお借りして、それは賃貸料を払っているのですが、やはり市の公共機関の中にお借りして、あわせてその中に医師政治連盟のお部屋を使わせているということが発覚しております。
これに端緒を得ました女性たちは、女性たちはしつこいですから、徹底的に神奈川県の状況を調べましたところが、幾つかの自治体で、市の保健センター内に医師会の事務所を入れ、そこに医師政治連盟の事務所を入れ、もう一つ、自民党の政治連盟の支部を置きというところがございました。
きょうは質問通告はございませんが、これは私の地元神奈川の女性たちからぜひともただしていただきたいという要請を受けておりますので、監督の厚生労働省にあって、特に医師会というのは社団法人で準公益的なものに従う公益法人でもございます。そして監督官庁としての厚生労働省がございますから、KSDにまさる政官業の癒着だと言われては困りますので、各地の医師政治連盟の実態、事務所がどこに置かれておるか、それが公的機関の中に間借りしておるようなことがないかどうか、全般にわたってお調べいただきたく、この件についても坂口大臣の御見解を伺います。
○坂口国務大臣 私も、医師会のメンバーの一人でございまして、医師連盟にも入れていただいておるわけでございます。
公益法人すべてにつきまして、現在、見直しと申しますか、全部やっているわけでございますので、そうした全体の見直しの中で、もしも公益法人としてふさわしくないような点がありましたら、それは改善を要求していきたい、そう思っております。
○阿部委員 一点、御参考までに、例えば歯科医師関係では、神奈川県の歯科医師会が神奈川県の歯科保健総合センター内にありますが、その中にまた神奈川県の歯科医師政治連盟の事務局がございまして、またその中に自由民主党神奈川県歯科医師支部がございます。この神奈川県歯科保健総合センターはやはり県の施設でございますから、公私混同ということになってまいろうかと思います。これは一例でございまして、各所に調べればあると存じますので、ぜひとも、国民の求める清い政治ということで、御指導のほどよろしくお願いいたします。
同じく社団法人にかかわる三つ目の質問をさせていただきます。これは、やはり同じように厚生労働省の監督下にございます臓器移植ネットワークの件でございます。
実は、臓器移植ネットワークに対しまして、昨今、いわゆる右翼団体の方々が盛んにいろいろなお手紙やら攻撃文を送られているというふうに私の方まで漏れ伝わってきておりますが、この件について監督省庁の厚生労働省はお聞き及びでございましょうか。担当の部局で結構です。
○篠崎政府参考人 本年三月の中旬でございましたが、社団法人日本臓器移植ネットワークに関する公開質問状が当省にも送付されてまいりました。
○阿部委員 これも聞き及びますところ、並びに各方面にその文書と同じものが配付されておりますので内容を見聞いたしますと、この臓器移植ネットワークの代表になっておられる小紫氏への個人攻撃が非常に強い文面でございます。個人攻撃という形がとられるには、それなりの経緯があるように思います。
実は、この臓器移植ネットワークは、小紫氏がもともと御自身の娘さんを腎臓病で亡くされたことをきっかけにつくっておられた移植関連の団体が、厚生省の指導のもとに、全国的な臓器移植の取り扱いについてセンター化された経緯がございますが、その中にあっても、実はつい昨年まで、小紫氏個人の寄附とか個人の所有する倉庫会社からの人員の配置等々、個人的結びつきが非常に強かったという事実もございます。例えば、小紫氏が会長をなさっておられました中央馬主社会福祉財団から年間三千万円程度の寄附金とか、このほか多々、小紫氏自身からの寄附もございます。
公益性を重んじる社団法人でございますから、かかる事態についても、今後厚生労働省として、特に臓器移植というのは今国民の関心も強く、個々人のいろいろな影が差してはうまくいかなくなるものも多かろうと思いますから、お考えのほど、御指導の内容につき御答弁願います。
○篠崎政府参考人 御指摘の点でございますけれども、厚生労働省といたしましては、平成九年十月に、社団法人腎臓移植ネットワークが社団法人日本臓器移植ネットワークに改組する際の定款変更の認可に当たりまして、今先生御指摘のように、その事業の高い公益性にかんがみまして、特定の個人や企業による寄附金に依存する財政構造を改善するよう指導をしてまいりました。
その結果、同ネットワークにおきましては、適宜改善を図ってきておりまして、収入総額に占める特定の個人による寄附金の割合は、平成九年度で〇・六%が、平成十一年度で〇・二%というようになっておるような状況でございます。
したがいまして、同ネットワークにおける特定の個人に依存する財政構造は改善されつつあるというふうには感じておりますけれども、さらに改善するよう指導してまいりたいと考えております。
○阿部委員 もう一点、篠崎さんが御存じでしたらお教えください。理事が六十名おられますが、理事会は一体年に何回開かれておりましたでしょうか。
もしおわかりでなければ、次回に延ばさせていただきます。現実に、六十名の理事で開くというのはかなり大変なことでございます。そして、運営を公正公明、オープンにしていくというためには、理事会の開催状況、そこでの論議の状況等々、次回御報告ください。
なぜこういうことをお伺いいたしますかというと、実は、北海道ブロックでいわゆる使い込み事件がございました。一千一百万円、コーディネーターが使い込んでしまった。きょうは時間の関係でこの件はあえて追及いたしませんが、運営状況、特に理事会の開催のされ方等々、次回よろしくお願いいたします。
引き続いて、本題の確定拠出型年金に入らせていただきます。
きょうで私はお時間をいただきましたのが三回目で、かなりこれまでに論議を、問題提起させていただきましたけれども、先ほどの小沢委員の御質問にございました公的年金の部分にかかわって、きょうは第一問目をやらせていただきます。
年金問題と申しますと、いわゆる御高齢な方たちの現状ということが強くクローズアップされますが、私はせんだっても、今、若い人たちがどのような働き方をして、どのような意識を持って、どのような賃金状況にあるかという、若い人たちの実態をつかまなければ、確定拠出型年金も、三十年、四十年後のお支払いのことも目指した長期のものであるという御答弁もいただきましたので、現実的にいいものか悪いものか判断できないと思いまして、きょうは若者像にスポットを当てていこうかと思います。
一点目。もし担当部局で御存じでしたら、この若い世代の所得状況、特に十五歳から三十四歳までで結構ですから、所得状況、失業状況、そして私がいただきましたお答えの中に、国民年金の未加入の方たちを分析いたしますと、どこかで私的な年金にお入りだという御答弁がございました。未納者と加入者を比べて経済力には差がないというふうなお話で、その一つの事例に、私的年金に入っておるよ、あるいは生命保険に入っているよという御答弁でしたが、若い層はいかがでございましょうか。賃金、失業状況、私的保険への加入状況の三つについてお答えください。
○渡辺(泰)政府参考人 私からは賃金の状況について御説明いたします。
平成十二年の賃金構造基本統計調査によりますと、平成十二年六月におきます十人以上常用労働者を雇用する事業所の若年者の賃金は、十五歳から二十四歳の労働者につきましては、平均で所定内賃金が十九万一千円。これを賃金額別に見た労働者構成割合にして見ますと、所定内賃金が二十万円未満は六五%、それから二十万円から三十万円未満が三四%、三十万円以上が一%となっております。
それから、二十五から三十四歳の労働者につきましては、所定内賃金の平均額が二十五万四千円となっておりまして、同じく賃金額別の労働者構成を見ますと、二十万円未満が二〇%、二十万円以上三十万円未満が六〇%、三十万円以上が二〇%というふうになっております。
○坂本政府参考人 私の方からは失業率の状況でございますけれども、総務省の労働力調査によりまして最新の完全失業率の状況を見ますと、十五歳から二十四歳までの層につきましては、平成十二年の年平均で九・二%となっております。ちなみに、五年前の平成七年を見ますと、この層は六・一%ということでございます。
また、二十五歳から三十四歳までの層でございますけれども、平成十二年には五・六%ということでございまして、五年前の平成七年には三・八%でございました。
○冨岡政府参考人 国民年金の未納者と生命保険の加入の関連についてお答え申し上げます。
国民年金の未納者で生命保険に加入している方の割合は五三・九%となっております。なお、国民年金の納付者の生命保険の加入割合は七三・六%でありまして、そういう状況でございます。
なお、少し詳しく見てみまして、それでは、この未納者の方で年齢階級別にどうかと見ますと、全体では今申し上げましたように五三・九%ですが、例えば、二十歳から二十四歳までの方は三八・五%、二十五歳から二十九歳までは五二・六%といったように、特に二十代前半の方は生命保険の加入率も低いという傾向がございます。
以上でございます。
○阿部委員 綿密な資料提供をありがとうございます。
今御指摘をいただきましたような資料内容を、私の方でまたお願いして、グラフにしたものをきょうお手元に配らせていただいております。参考資料として上げてございますので、見ていただきたく存じます。
まずもって、このグラフの見方でございますが、平成二年度と平成十二年度の二十歳から二十四歳の給与額の比較がございます。ちなみに、これは常用雇用、いわゆるフリーター等々は含んだものではございません。
見ていただくとわかりますように、平成二年から平成十二年、この間にバブルがございますから、基本賃金はやや右肩にシフト、平均で十八万。平成二年当時は十三万等々でございますが、平成二年時の方が、いわゆるピークの前後に若者の賃金が固定しておる。平成十二年はすそが開いておる。どういうことかというと、所得格差は明らかに平成十二年度の方が広がっておるという実態を示すグラフでございます。
若者たちの中にも、今所得間格差が明らかに広がっているという事実。これは、御高齢者の中にももちろん所得間格差が広がっておりますが、若い人たちに広がっているということを、もう少し緻密に国の政策に反映すべきことと私は考えます。それが年金問題でもございます。
そして、失業者数でございます。先ほどはパーセンテージでお示しですが、二〇〇一年の四月で、十五歳から二十四歳で七十六万人、二十五歳から三十四歳で九十八万人と、百七十万人近くがこの年齢層で失業状態にございます。失業率ももちろん高まっております。そしてまた、先ほどの御提示のように、特に二十から二十四歳は、私的な生命保険等々にも加入している人は三分の一強である。ということは、賃金も低い、そして何らかの個人的セーフティーネットも持たない、失業率も高まっておる。これが普通にいわゆる勤務として登録されている方の実態で、プラス、フリーターが百五十万おられます。
私は、きょう、いろいろ言いたいですが、時間との関係もありますので、ぜひ次年度の厚生労働省の白書に、ここには「働く女性の実情」というのが私の手元に来ておりますが、働く若者の実情二〇〇一でも結構です、ぜひともお示しください。これがなければ、二十年、三十年、四十年後の我が国のいわゆる年金制度をどうするか、今若者たちがどのように生きているか、暮らしているか、賃金をもらっているかが見えてまいりません。高齢者問題だけでなく、若者たちも貧富の格差が拡大し、不安定性を増していると私は思います。
そうした点で、これも坂口厚生労働大臣に、若者像について、関係省庁の知恵を集めてプロフィールをおつくりいただくことについて、御答弁をお願いいたします。
○坂口国務大臣 検討いたしまして、各省庁とよく連携をとりながらやっていきたいと思います。
○阿部委員 私は、これに関しまして御検討いただきまして、前向きに実現していただけるようお願いすると同時に、このように賃金格差が広がり、所得格差が広がっているからこそ、やはり税制のあり方、それは消費税のように間接税で逆累進性の高いものは向かないというふうに考えております。実像を見て税制の問題も検討いただきたく、私は福祉目的累進課税というのを考えておりますので、これもよろしく御検討のほどお願い申し上げます。
引き続いて、次の質問に行きます。
今の一言を付言いたしませば、若い人たちは、今、世代間格差ばかりをあおられております。あなたたちが高齢者の年金を保障するのだよ、そういう言い方で言われますと、自分の問題として見えてまいりません。アリとキリギリス。アリも勤勉に働き、将来に備える。キリギリスであっては困るのは若者たちですから、あわせてお願いいたします。
次に、企業年金の件についてお尋ねいたします。
昨日の参議院の厚生労働委員会で、いわゆる厚生年金基金の給付引き下げが百七十七基金に上るということを、共産党の井上議員の御質問に辻局長がお答えになったと思いますが、やはり企業年金そのものも揺らいでおる。いわゆる一階も揺らいでおる、国民年金も。二階も揺らいでおる。今三階の話をしておりますが、これではもう、地震、総崩れになってまいるような気がいたします。
特に中小企業における年金実態、いわゆる年金は退職金ともなっております中小企業の実態におきまして、労使間合意でこれからはこの拠出型をやっていくんだという御答弁が何度もございましたが、果たして、中小企業における労働組合の組織率、特にこの拠出型が二十五人以下のところが対象になると言われておりますから、二十五人以下、中小企業における労働組合の存在、組織率、あるいは、先ほどもどなたかの質問にございました、金田議員でしたか、地労委等々もこれからは活躍しなきゃいけないだろうとおっしゃっておりましたが、まず、労働実態、組織率等々お教えください。
○渡辺(泰)政府参考人 平成十二年の労働組合基礎調査によりますと、平成十二年六月末現在の民営企業の労働組合の組織率ですけれども、従業員五百人以上の企業は四八・〇%、それから、百から五百人未満では一五・六%、百人未満では一・四%となっております。それから、議員御指摘の二十九人以下では、推定組織率は〇・三%ということになっております。
○阿部委員 いわゆる労働者の諸権利を代弁すべきというか代表すべき労働組合の組織率も、二十九人、三十人以下だと〇・三%というふうに今の御答弁でございました。こういう数値、実態を前にして、労使間合意というのは極めて空語でございます。このことをまず、今回の法案を提出なさった辻局長、よくよく御認識いただきまして、今後の運営に当たっていただきたい。これは今さら言っても、ここの組織率を上げてからといっても、なかなか大変でしょう。しかしながら、このような実態の中で拠出型が導入されていくという認識をお持ちいただきたいと思います。
そして、あわせてその件で御答弁いただきたいのですが、私は、それであるがゆえに、個々の労働者がいろいろな、例えば自分の退職金と思っていたものがなくなってしまった等々、あるいはこれからの自分の年金として積み立てていた退職金はどうなってしまうのか、そういう疑問を感じましたときの相談窓口について、一昨日も伺いました。
辻局長は、まず社会保険事務所、それから地方厚生局、それからもう一つくらいおっしゃいましたが、私は、この三つのいずれもが、いわゆるこうした企業型年金についての知識も、金融市場についての知識もない方たちが現在は布陣されていると思います。例えば、社会保険事務所は公的年金の相談だ、地方厚生局は、これは各個々人にお答えするものではないということになっております。
では、辻局長のお考えの中で、本当に個々人の労働者の疑問に答えられる窓口、再度伺います。そして、そのことに答え得る人材の教育、保障、どのようにお考えか、お願いいたします。
○辻政府参考人 まず、苦情そのものについてのあり方でございますけれども、この制度はいわば私的年金、特に加入者が自己責任において運用するというものでございますので、他のさまざまな商品やサービスと同じでございます。そういうような観点から、国民生活センターのような一般のさまざまな商品やサービスへの苦情窓口とは別に、この制度に係る特別の苦情処理体制を設けるということは考えておりません。
ただ、やはり、そういうものが入ったときに処理をするという体制は当然のこととして必要でございます。それで、この間申しましたように、厚生労働省のこの制度に係るところに情報が入ってくれば、苦情が入ってくれば誠心誠意処理すると本当に申しましたけれども、この場合に、実は、実際問題としては、運営管理機関に指図を行って運用する、恐らくこの指図を行って運用するプロセスでさまざまなトラブルが起こることが考えられます。したがいまして、問題は、恐らく運営管理機関と加入者の関係であろうと思います。
これにつきましては、金融庁と厚生労働省が監督を共管いたしておりまして、私どもとしましては、そういう情報が入りましたときに、もちろん本省に情報提供、地方庁がその商品については詳しくなくても本省に情報提供していただくとともに、共同所管庁である金融庁やその出先機関である財務局等に伝えることなどを含めまして、どのようにより専門的な知識を持ったところが対応するかということにつきまして、金融庁と相談してまいりたいと考えております。
○阿部委員 もう三度目の御質問で三度目の御答弁で、ちっとも進歩がないのですが、向く向きが違うわけです。受託金融機関、あるいは企業がそこに預けている、そこの間のトラブルではなくて、一人の勤労者にこたえられる体制をつくらなければ、組合というセーフティーネットもない、金融についての知識もない個人が、このシステムをうまく自己責任でハンドルできるわけがない。何度も言いますが、自己責任が自己責任として成り立つ制度的保障をなすべきだと思っております。
この件も、三度も伺いまして三度とも進展がございませんで、これがいわゆる厚生労働省の行政の本質かと思うと大変悲しく思います。
どういうことか。ハンセン病でもしかり、在外被爆者でも同じ、本当に一人の人間の視点に立って、一人の国民の立場に立って、厚生労働行政がどんなにか人間に温かなものであるか、そのことが問われているときに、いつも企業とそこの間で、受託した金融機関の間のトラブル処理の問題しかお答えにならないところに、やはり今法案の根本的な欠陥があることを指摘して、私の質問を終わらせていただきます。
○鈴木委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
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○鈴木委員長 この際、本案に対し、谷畑孝君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党、保守党の五派共同提案による修正案が提出されております。
提出者より趣旨の説明を聴取いたします。小池百合子君。
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確定拠出年金法案に対する修正案
〔本号末尾に掲載〕
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○小池委員 ただいま議題となりました確定拠出年金法案に対する修正案につきまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、公明党、自由党及び保守党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
修正の要旨は、原案において「平成十三年三月一日」となっている施行期日を、「平成十三年十月一日」に改めるとともに、その他所要の規定の整理を行うものであります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○鈴木委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
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○鈴木委員長 これより本案及び修正案を一括して討論に入ります。
討論の申し出がありますので、順次これを許します。木島日出夫君。
○木島委員 日本共産党を代表して、確定拠出年金法案に反対の討論を行います。
本法案は、将来の年金収入を自己選択と自己責任で確保するものとして、新たに、企業の積み立て義務も運用責任もない確定拠出年金制度を導入しようとするものです。
本法案に反対する第一の理由は、確定拠出年金では、企業が掛金を出した瞬間に企業の責任はなくなり、積み立て義務も運用責任も負わないという問題です。
このような確定拠出年金の導入は、短期雇用や裁量労働の拡大、解雇規制の撤廃、有期雇用契約の拡大など、いわゆる労働移動の円滑化に対応した受け皿整備であり、企業の年金積み立て負担を回避するものであることは明白であります。企業が給付責任をとらないような年金制度の導入を認めることはできません。
この制度が必要で、導入を急げというような声は、労働者のどこからも聞こえてこないことを付言しておきます。
反対する第二の理由は、確定拠出年金では、運用の結果いかんでは将来の給付額が元本割れする危険があることです。その責任を労働者に押しつけるのでは、老後の生活設計に役立つものにならないということです。
多くの労働者は、資産運用の経験や技術がないばかりか、サービス残業など厳しい労働環境のもとで運用に費やす余裕などないのが現実です。運用益が多少出た場合でも、個人勘定の運用手数料は高額で、年金資産に食い込む危険性もあります。参考人質疑の中でも、外国ではハンドリングコストが二〇%を超え資産の目減りが問題になっている、労働者に責任を押しつけて金融機関が運用コストを回収するのは不公平などの厳しい指摘がされたところであります。
反対の第三の理由は、ポータビリティーの確保についても、必要とされる中小零細企業や自営業者の実態を見れば、企業型の掛金拠出などは困難で、導入の余地はごく限られているということです。
再就職先に企業型年金がない場合には、労働者は個人型制度に移行せざるを得ず、自己資金で掛金の積み立てをしなければならない事態に陥ります。ポータビリティーの確保を言うなら、全国一律の公的年金制度の充実、国民年金の空洞化の解消など、国が責任を持って十全な対策をとることこそ優先されるべきであることを強く強調したいと思います。
以上三点を指摘して、反対討論といたします。(拍手)
○鈴木委員長 阿部知子君。
○阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、確定拠出年金法案に反対の立場から討論を行いたいと思います。
まず、本法案は、何といっても、公的年金、とりわけ国民年金の揺らいでいる現状について全く認識を深くいたしていないということから始まります。まずなすべきことは公的年金の充実であり、確定拠出型年金制度は、公的年金を盤石なものにした上で、国民の信頼を回復させるべく取り組むべき課題であると思います。
先ほども私が申し述べましたように、国民年金については、未納者問題も二百六十五万人、免除者四百万人といたしますと、大体、国民年金の一号だけの加入者二千万人のうち完納者は一千万、半分にしかすぎません。未納と統計されなくてもです。フルに、これは二十四カ月のうちで一カ月でも納めれば納付となっておりますから、実態をとると、完納者は二千万人のうち半分、一千万。
そして、先ほども申し述べましたように、若者に失業がふえ、フリーターがふえ、何らセーフティーネットを持っていないという中でこれが論議されているということを、私たちは後世への責任としてきちんと自覚して、本法案への態度を決定すべきと思っております。
さらに、女性の年金制度に至っては、生涯賃金を反映して、女性の年金は、男性平均二十万といたしませば、十万もございません。このことも、この世を支える半分の女性が本当にそういう状態に置かれているということをまず処方せずして、次の三階建ての部分もないと私は思います。
二点目は、いわゆる企業年金の不確かさ、二階部分の不確かさでございます。
これは、先ほども申しました厚生年金基金の利下げの問題もございますように、今、企業年金も、果たしてしっかりした給付があるのかどうか明らかではない時代です。何度も、この討論でも指摘いたしましたように、企業年金基本法の成立をまず急ぐべきです。
三点目は、金融不安の現状でございます。
きょう、あすにもまた銀行法が上程されますでしょうけれども、金融機関全般の安定性をどのように我が国が国際競争下にたえ得るものをつくるか。特に透明性の問題、情報公開の問題、ハンドリングコストの問題もかかわってまいりますでしょう。そうしたことをきちんとしなければ、我が国の金融資産を外国のえじきにするような、いわゆる国益に反する法案であると思います。
私は、三つの点からこの法案には反対ですが、最後に、先ほど来自己責任のお化けのように言われます自己責任論についても、先ほどは怒りの余り辻局長に言い置きいたしましたが、やはり相談窓口についてきちんと御検討いただきたく、社会民主党・市民連合を代表しての反対の討論といたします。(拍手)