第151回国会 厚生労働委員会 第24号(2001/6/22)抜粋

案件:  政府参考人出頭要求に関する件  水道法の一部を改正する法律案(内閣提出第八九号)(参議院送付)

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阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日の水道法の審議に入ります前に、いつも前ぶれがあって申しわけありませんが、在外被爆者の先般の六月十五日の控訴決定に伴いまして、一つお願いがございます。

 幾度かの私どものお願いが届きませんで、また、郭貴勲さん初め在外被爆者の方の願いも今回の御判断では直接には期待にこたえることができなかったわけですけれども、でも、この間の何回かの厚生労働委員会での審議の中で、坂口厚生大臣の本来のお気持ち、在外被爆者に対してもやはり被爆者援護法の法の精神を何とか普遍化したいお気持ちというのも拝聴いたしました。

 そこで、お願いについては二点でございます。

 被爆者手帳を持ちながら日本の国内にお住まいでないことゆえに実際の被爆者援護法の対象とならない方、約一千六百名と言われておりまして、主には、韓国、アメリカ、ブラジル等々にお住まいでございますが、こういう方の実態の調査につきましてはどのような方策で臨まれるかが一点でございます。

 それから、そうした方々に被爆者援護法の精神を本当の意味で生かしていくために、こういう被爆者で、なおかつ在外にお住まいで、なおかつ日本におられて時期が合って被爆者手帳をおとりになった方たちの声を、これからの厚生労働省の何らかの作業に反映させていくことをお願いしたいと思いまして、当事者の声を聞くということについて坂口厚生労働大臣のお考えをお伺いいたします。

坂口国務大臣 手帳をお持ちの皆さん方の数につきましては、これは発行した経緯がありますからそれは把握ができるのではないかというふうに思いますので、それは把握をしたいと思います。多分これは都道府県から発行されておりますから、お聞きをすればそれは集計できるのではないかというふうに思います。

 また、それだけではなくて、日本で被爆を受けられて、そして諸外国のどの国にどれだけおみえになるのかということにつきましても、これもある程度把握をしないといけない話でございますから、そのことにつきましてもできる限り努力をしなければならないというふうに思っている次第でございます。

 最後の、その皆さん方の御意見ということでございますが、その皆さん方は皆さん方としての御主張というものがあることも存じておりますし、そして今回の訴訟になっていることもそのとおりだろうというふうに思います。

 多くの皆さん方のお声もその中で我々は聞いていきたいというふうに思いますが、しかし、この一番中心には、やはり第三者の皆さん方に何人か中心になって御議論をいただく、そういう中で結論を出していただくようにしていきたいというふうに思っている次第でありまして、その間にいろいろの立場の皆さん方のお声をお聞きするということも当然入ってくるのではないかというふうに思っております。

阿部委員 皆さん御高齢でもいらっしゃいますし、その生活実態をつまびらかに把握していただくという作業は大変に重要になってまいると思いますので、あわせて、何度ものお願いになりますが、当事者の皆さんの御希望ということも深くお酌み取りいただいて、新たな立法をお考えの由にも伺いますので、御反映をいただければと思います。

 では、引き続いて、本来の質問に入らせていただきます。

 きょうのまた午前中、午後の審議を承りまして、私は、まず第一点、何人かの委員の方々から重ねての御質問ではございましたが、昨今水資源の、いわゆる水環境そのものの汚染ということが問題になっておりまして、特に、先ほど来御指摘の焼却炉の問題が、水資源に極めて近いところに幾つか設置されておる。その全部がこの件数かどうかはわかりませんが、先ほどの環境省廃棄物・リサイクル対策部長の御答弁では、二百三十五件ほど、そうしたさまざまな焼却炉を初めとする立地についてのトラブルといいますか、必ずしもうまくいっていない事態の報告があるというお話ではございました。

 そして、平成九年度の法改正におきまして、先ほど全文をちょっと御紹介いただきましたが、水源地の近くへの焼却炉の設置ということについて、ある程度心配りをするような方向性を持たせたような改正が行われたというふうに承りましたが、聞き違いだったらごめんなさい。その前後で、いわゆる平成九年度の法改正の前と後で、現実にトラブルというか問題になっている事態の件数の縮小とか改善とか、あるいはかえってふえておるとか、その辺についての御認識、実態はいかがでしょうか。

岡澤政府参考人 先ほどほかの委員に対して申し上げましたトラブルの数字と申しますのは、ちょっとデータが古くて平成八年度までの数字でございまして、法の改正が行われましたのは平成九年度で施行されましたのは平成十年度からでございますので、実は、法の施行以前とそれ以降とでその数字がどうなっているかということは、まだ数字として正確に把握しておりません。

 ただ、私どもの感じておりますところでは、平成十年以前には相当数の廃棄物処理施設あるいは処分場等の設置、新設の許可が行われたわけでございますけれども、新しい法律が施行されて以降、非常に厳しい条件がつけられるようになりましたので、施設の建設が非常に滞ってきているという状況がございます。私どもからすると施設の建設が滞るのは余りいいことではないんですが、一定の地域での抑止効果というものはあったのではないかというふうに考えております。

阿部委員 とりわけダイオキシン問題は、この五年ほど、極めて国民の感度も高くなっております問題です。

 そして、例えば、そうしたダイオキシンを初めとする有害物質が出るわけですが、ごみの広域処理の問題とも相まって、受け入れを受け入れの当地は拒否したいというおのおのの地域の事情もございますかと思います。

 ちょうど大阪の豊能のダイオキシン汚染問題が報道されましたことと、その地域と深く関連いたします兵庫県川西市でのやはり焼却炉反対問題が新聞紙上等々でも報じられておりますが、この一件に関しますところの環境行政としてのアセスメントと水行政としてのアセスメントは、どのようになさっておられますでしょうか。

岡澤政府参考人 能勢町の廃棄物焼却施設からのダイオキシンの飛灰が周辺を汚染しているということで、今、焼却施設の運転はとまって、それから施設の解体まで終わっているところでございます。

 これは、ダイオキシン特別措置法等によりますダイオキシン規制がまだかかる以前の施設でございましたので、その段階でダイオキシンに関する評価というものはしておらなかったわけですが、ダイオキシン汚染問題が明らかになった段階で、周辺の水環境、それから土壌環境を含めまして、これは主体は大阪府でございますけれども、環境省もそこに資金的な支援をいたしまして、それから撤去事業等につきましても補助金を出すなどいたしまして、大阪府と共同しながらその汚染状況の実態把握、それからその後処理の方策等について検討して、これから、今まだ撤去事業が途中になっておりますけれども、さらに徹底した解決を目指そうというふうに考えておるところでございます。

阿部委員 私が今指摘いたしたかった問題は、最近、先ほどの小沢委員の御質問にもございましたが、焼却炉というのが大体沢地、くぼんだところに設置されますゆえに、水源との関係あるいは河川汚染との関係が広く住民の間にも危機感を生んでおる。その中で、今、環境庁と大阪府というものはそこに何らかのかかわりをお持ちでしょうけれども、今度実際にそれが水道という形になって、水源、水道となってきたときは、厚生省の管轄下に置かれる。

 そういたしますと、もともと本来からより密な関連を持ちまして、環境庁の行政であるところの環境汚染と水の汚染の問題、そして水道水となったときの衛生問題が連動して論じられ、検証される必要があるのではないかということが、何名かの方から、これまでの委員からの御質疑でもございましたかと思います。

 そうしたことに関しまして、厚生労働省として、今後、これはこれから的課題でございますので、恐らく桝屋副大臣がお答えくださいますのでしょうが、厚生労働省としてのお考え、御認識をお願いいたします。

桝屋副大臣 最後に驚いておりますけれども。

 本日、ずっとこのテーマは議論されてまいりました。大臣も相当先ほどから前向きな御答弁をされておられますけれども、ちょっと個人的な見解にもなりますが、ことし我が国は、本当に、省庁再編という大変な大きな仕事をなしたわけであります。そうした中で、私どもの旧厚生省から環境庁へ業務を移管したところもあるわけでありまして、環境省が新たにスタートしたということは、私は大きな点だというふうに一点思っております。

 それから、水行政の一元化ということもよくきょうは言われてまいりましたけれども、どれほど組織を一元化しようとも、これは一本、それこそ先ほどの御指摘ではありませんが、内閣府のもとでという御指摘をいただいたわけで、政府を挙げてということに最終的にはなるわけでありまして、そういう意味では、しっかり連携をとっていくということは、ありきたりなようでございますが、極めて私は大事な視点だと思います。

 委員が御指摘をいただいた、先ほどの現場の具体的な案件にいたしましても、やはり環境行政とそして私ども水道行政、どれほど連携をできるか、もちろん間に自治体ということが入ってまいりますけれども、やはり本当に地域の皆様方の健康、暮らしを守るという観点でそこは連携に努めなければならぬというふうに思うわけでございます。

 委員の御指摘も十分踏まえながら、総合的な施策の推進が図られるように、私どもしっかり努力をしていきたいというふうに思っております。

阿部委員 いわゆるごみ、廃棄物に関します業務が環境庁に移行いたします折に、私の所属しております社会民主党は、水行政についても環境庁で一元的にお扱いいただいた方が、よりこれから生じてくる事態に適切な処理ができるのではないかという御提言もいたしていたことと思います。その件とあわせまして、いろいろな分野のかかわることですけれども、特に焼却炉の問題、水の安全の問題は大きいと思いますので、重ねての御検討をよろしくお願いいたします。

 あと、それから、先ほどちょっと言い忘れましたが、私が能勢の件で御質問いたしましたときに、平成八年度までが二百三十五件で、平成十年度の施行以降、廃棄物・リサイクル法の改正以降の件数は把握していないとおっしゃっておりましたが、これはお願いでございますので、また把握して御報告をお願い存じ上げます。

 水源の問題と同じように、川の汚染の問題も報告されておりまして、例えば、朝日新聞社が民間業者に委託して行った江戸川の水の分析等々で環境ホルモンが非常な濃度で出ておるとか、あるいは新潟大学で信濃川の水質悪化について検討いたしましたところが、やはりこれまでにないものが幾つも検出されるという事態もございますので、今の桝屋副大臣のお答えも、反復することになりますが、全体の水循環ということで、より今後、厚生労働省が主導的な役割をさらに重ねていただいて、水の安全ということをお守りいただきたいと思います。

 もうあとわずかですので、もう一点、水道料金についてお願いいたします。

 先ほどの小沢委員の詳しい御質問で幾つかの問題点が指摘されておりますが、水道料金はこの二十年間で約二倍にはね上がった。他の公共料金が、ガス、電気等々だんだん生活しやすいレベルに落ちてくる中、水道料金だけが非常な高騰を重ねておる。

 この件に関しまして、地方の各自治体間格差があるところが一・五倍以上のものはある程度政府として施策するというお話でもございましたが、根本的な対策としては何をお考えでございましょうか。どなたでも、関連部署でも。

桝屋副大臣 これもまことに難しいお尋ねをいただきました。

 水道料金につきましては、きょうもこの委員会で議論がされておりますが、基本的には、長期的な需要予測に基づきまして水道事業計画を策定した上で、独立採算の原則のもとに料金の設定がなされているということでありますから、やはり最初の需要予測、あるいは水道事業計画を策定する場合の策定の仕方、これが一番大事だと思うわけであります。ただ、委員御指摘のように、その後の社会情勢の変化に伴いまして、今我が国の水道事業者の料金を見ても相当の格差があるということは、これはもう否めない事実でございます。

 したがいまして、特効薬があるかと言われれば、一等最初の計画をきちっとするということが一番であろうというように思っておりますし、それぞれ水道事業計画をお立てになるときに、あるいは公共事業を行うときに、厚生労働省としても、その認可を行う作業の中で適切にその内容チェックをしなければならぬというように思っております。

 なお、今の現状については、やはりきょうこの委員会でもいろいろ議論になっておりますけれども、関係省庁とも連携をしながら、現場からも相当陳情、お声もいただいているわけでありますから、できることはしっかり努めていきたいというように思っております。

阿部委員 ありがとうございます。

 あと、料金の高騰に関しまして、民営化という事態が料金にはね返ることが、民間委託ですね、民営化というと語弊がございますが、その点についても多方面から不安の声が寄せられておりますし、事例としても幾つか私どものところにも、直ではないですが寄せられておりますので、重ねてこの民間委託問題については、厚生労働省としても深く御検討のほどよろしくお願いいたします。

 終わります。

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