第151回国会 予算委員会 第15号(2001/3/2)抜粋 案件: 理事の補欠選任 政府参考人出頭要求に関する件 平成十三年度一般会計予算 平成十三年度特別会計予算 平成十三年度政府関係機関予算 主査からの報告聴取
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子と申します。
こうした場で森首相とこの距離で質問をさせていただけるのは、もしかしたら私にとってきょうが最初で最後かもしれませんので、森首相に心からの御答弁をまずお願い申し上げます。
私は、昨年の七月に初めてこの国会の場を踏みました、経験いたしました。しかしながら、私が経験いたしました国会は、久世金融再生大臣の辞任に始まり、先日の村上前参議院の自民党会長の逮捕という非常に異常な事態の中の七カ月でもございました。とりわけ、この村上氏の逮捕に関しましては、森首相の誕生にかかわる、あるいはまた自民党の長きにわたる顔として、そしてまた憲法調査会の会長として、現在の自公保路線の中軸におられた方かと思います。
その方の逮捕に当たって、森首相にお伺いいたします。
先ほど、自由党の鈴木淑夫委員の御質問の中に、同じ戸塚のカントリー倶楽部でゴルフをなさっていたとき、お母様の急変を聞かれて車を飛ばして帰られたと伺いました。
森首相は、もしもあの日、えひめ丸の事件を聞かれたとき、あの中に御自身のお子さんが、あるいはお孫さんがおられたとして、同じようにゴルフを続けられましたでしょうか。これは人間の、人間としての価値にかかわる部分でございますので、御答弁はみずからのお言葉でまずお願いいたします。
〔委員長退席、北村(直)委員長代理着席〕
○森内閣総理大臣 事故の連絡が参ります。その事故が、できるだけ大きな事故でなくてほしいなというのはだれもが考えること、そして、それがどういう状況になっているかというふうに考えるのも当然のこと。その連絡が、まだ詳細が細かに私どもにはわかっていない、そういう連絡でございましたから、仮に、今あなたがそういう仮定の御質問をなさるというのは、余りいい仮定ではありませんが、そこにもし私の身内がいたとしても、私は同じ指示をしたと思います。
○阿部委員 森首相は、御自身、長く教育問題にかかわってこられたと言いました。今のような感覚の持ち主が、他人の痛みを一切理解し受けとめることのない方が教育問題を語るからこそ、今の若者たちはこの社会に、日本に限りない閉塞感を覚えるのだと思います。
今、国会の前には若者たちが座り込んでおります。また、有明海の水門をあけろということで、漁民の方々も見えておられます。いずれも、この国がいかに人の命ということを軽んじ、その陰で政治の自己利害に右往左往しているかということを嘆く、本当に真っ当な、未来を託すべき若者の姿であろうかと思います。そして、このことは、実は森首相が考えておられる教育の中身でもありますから、御自身は、まず教育国会云々の前に、人間の原点に立ち返られて、子供たちに見せるべき後ろ姿をしっかりと御自身お考えくださいませ。
引き続いて、私に与えられた時間は大変短うございます。そして、事が予定どおりに運べば、この予算委員会が終わり、動議が出され、あるいは本会議後、森首相の不信任案等々と進んでいくのかもしれませんが、私にとりまして、そうはさせられない事情がございます。
それは、私は本予算委員会二回目の質問でございますが、さきの質問におきまして、河野外務大臣並びに福田官房長官に、外交機密費そして官房機密費についてお伺いいたしましたことの質問に対する明確な、誠意ある答えをいただけてないからでございます。
実は、外交機密費、官房機密費の問題は、一九八三年、我が社民党の前身社会党の稲葉代議士が問題にしたところから始まります。当時の官房長官は、その席にお座りの宮澤財務大臣でございました。約二十年間問題になりながら、本質的な解決がなされずに、また今回、予算措置に伴って進んでいこうとするこの外交機密費、官房機密費については、絶対にこの場でとめねばならぬと思っておりますので、日本の根腐れ政治を絶つためにも、心からの御答弁をお願いいたします。
まず、河野外務大臣にお伺いいたします。
せんだっての予算委員会で私が質問いたしましたことへの回答をいただきました。松尾氏が警察庁から事情聴取を受けておられることを、いつお知りになりましたか。もう一度お願いいたします。
〔北村(直)委員長代理退席、委員長着席〕
○河野国務大臣 昨年の十二月の二十二日でございます。
○阿部委員 十二月二十二日にお知りになってから一月四日に調査委員会を立ち上げられるまで、河野外務大臣御自身は何をどのようになさいましたか。
○河野国務大臣 当時のことを思い出してみますと、ちょうど外務省としては予算編成の作業もございましたし、さまざまな年の締めくくりの問題などもございました。
ただ、今議員が御関心の松尾元室長の問題につきましては、二十二日にこうしたことがあるという報告を聞きまして以来、さらにどういうものであるのかよく調査をしてほしいという指示を出したことを記憶しております。
○阿部委員 松尾室長には、昨年の暮れ、海外への転勤が内示されていたと伺いますが、河野外務大臣、御存じでいらっしゃいましたか。
○河野国務大臣 そんな事実は全くございません。
○阿部委員 年が明けましてから、この内示が取り消されたという報道がございましたので、確認をさせていただきました。
では、十二月二十二日、河野外務大臣がこの松尾前室長の事件と申しますか、取り調べを受けたという事態をお聞きになりましてから、その間、一月四日まで、ただ周辺からの事情聴取のみでございましたでしょうか。
○河野国務大臣 今申し上げましたように、二十二日に報告を受けましたので、本人からよくさらに事情を聞けという指示をしたわけでございます。その後、外務省の人間は松尾元室長から事情を聞いていたというふうに承知しています。
○阿部委員 では、河野外務大臣は直接に松尾氏本人には事情は聴取されなかったということでよろしゅうございますか。
○河野国務大臣 私が直接松尾元室長から話を聞いたことはございません。
○阿部委員 では、河野外務大臣が、この松尾室長が横領したとされる公金が外交の随行員の差額補てんの代金であったというふうに認識されたのはいつですか。
○河野国務大臣 私は、一月四日に正式に調査委員会を発足させるように指示をいたしまして、その数日後から外国に出張をいたしておりまして、十八日に帰ってきたかと思います。帰国直後に調査委員会のメンバーから調査の結果について聞いておりますので、そのときに聞いたと思います。
○阿部委員 その聞かれた内容を確認いたしますが、外遊の宿泊費差額分という報告を一月十八日に受けたということでよろしゅうございますか。
○河野国務大臣 調査委員会が私に報告をいたしました報告を一月二十五日に報告書として発表いたしております。その内容は、恐らく十九日、帰国直後だったと思いますから十九日と思いますが、そのときに私に報告をされた内容と同じものだと思います。
○阿部委員 この横領分が外交機密費ではなく官房機密費であるということを河野大臣がお知りになったのはいつですか。
○河野国務大臣 今申し上げたとおりでございます。
○阿部委員 一月十九日にお知りになったというふうに承りましたが、一月二十五日の報告書の中には、この横領されたる公金の出自でございますね、どこから来たものであるかというのは、実は明確な報告書にはなっておりません。この点も、外務省がおつくりになる報告書として極めて不徹底でございますが、あわせて伺います。
この中で、外務省職員の外遊の宿泊差額代も官房機密費から出されていたということはいつお知りになりましたか。
○河野国務大臣 ちょっと正確でないかもしれません。ちょっとお待ちいただきたいと思います。確認をいたします。
○阿部委員 事が起こりましてから、ことし一月の初め、冒頭でございます。そして、特に私が今この場で問題にいたしたいのは……
○野呂田委員長 ちょっと質問者に注意しますが、向こうが調べていますから、質問されても聞いておりませんよ。
○河野国務大臣 今申し上げましたように、たしか十九日に報告を受けたときに、今お尋ねの、内閣官房から松尾元室長が受け取ってきたというふうに報告を受けたと思っております。
○阿部委員 失礼いたしました。
では、一月十九日にそのことをお知りになってから現在まで、大体一カ月半ございます。先ほどの冒頭の佐藤観樹委員の御質問の中で、他の省庁の随行員については実は官房機密費からは支払われていないということが確認されました。
申しわけありませんが、資料をお手元にお配りください。
平成の五年以降の外遊の随行員について、各省庁、多方面の省庁が随行されておりますが、せんだっての二月十九日の中井委員の御質問の中で、少なくともこの中で、旧通産省、今の経済産業省の職員に関しましては官房機密費からの補てんを受けていないということがこの委員会で答弁されております。それから、旧大蔵省、現在の財務省の職員についても官房機密費からの宿泊費補てんはなされていないと二月十九日に答弁されております。
では、外務省職員の外遊随行時にだけ官房機密費が差額補てんに使われたということを河野外務大臣は認識しておられますでしょうか。
○福田国務大臣 私の方から、以前からここで申し上げていること、それを繰り返して申し上げます。
これは、今回の犯罪容疑の対象となった宿泊費に関しましては、内閣官房職員の規定分の宿泊費、それから内閣官房職員と外務省職員及び他省庁職員の宿泊費差額、これを松尾元室長に渡したということでございまして、他の省庁にも渡したということになっているのです。それで、今それが実際に渡ったかどうかということについて捜査をしているというように御理解いただきたいと思います。
○阿部委員 では、ここで内閣の構成メンバー内の大きな不一致点が判明したわけでございますね。
今、私は本当は河野外務大臣に伺いましたが、官房機密費から宿泊の補てんを受けていたのは外務省職員並びに官房職員以外にもありというふうに福田官房長官は認識しておられたということですね。確認してよろしゅうございますか。
そして、他の省庁、今の経済産業省並びに財務省のおのおのの責任者は、みずからの省庁の随行者については一切かかる官房機密費からの補てんは受けておりません、そして行かれたメンバーの個人名までわかっておりますと、二月の十九日の中井委員の御質問にございました。
では、二月の十九日に既にそのような差が判明いたしましたのに、見解の相違でございますね。福田さん並びに河野さんは、他の省庁の分も出していたよと。しかしながら他の省庁は、いや、おれたちはもらっていないよと言われた。このことが判明したのは既に二月の十九日でございます。その後、約一カ月弱ございますが、何をしておられましたでしょうか。
少なくとも、他の省庁については、この宿泊が何人分であり幾らであるということは、既に先ほど申しました平沼国務大臣、並びに財務省関連は提出されております。提出されていないのは官房職員と外務関係の職員分でございます。特に、補てん分が幾らであったかが出ておりません。
まず一点、他の省庁の責任者との認識の違いが二月十九日あったということを福田さんはお認めになりますか、河野大臣はお認めになりますか。このことを伺います。
○福田国務大臣 今私申し上げましたけれども、松尾室長の報告、こういう人が行きますということは松尾室長から聞くわけですね。それに対して、報償費の方から支出をしたということでありまして、それが果たして各省庁の随員にまで渡ったかどうかということが、これはどうも、いろいろ話を聞いておりましたら、そうでないというようなこともあるやに最近になって聞いておるわけであります。
これは、各省の公式随員一人一人について、実際に宿泊費差額が手渡されていたかどうかという調査を、これはもう現時点では正確に把握するのは非常に困難なんですよ。ということは、もうそういう人が、当時の人が退職をしているという方もいますし、どこに行っているかわからぬというような人もいますし、また記憶も不確かだ、こんなこともあるんですよ。だから、一人一人に当たって非常に困難を伴っているだろうということ。ですから、これは捜査の方にお任せをしたいということになっているんですから、それを待つしかないんですよ。我慢して待ってください。
○阿部委員 大変残念なことに、ここに平沼国務大臣の御答弁がございます。福田官房長官は出せない、河野外務大臣も警察任せにするしかないとおっしゃる、その差額費の問題でございます。
平沼国務大臣は中井委員の御質問に答えまして、総理の外国出張に通産省から職員が随行いたしましたのは四十六回のうち四十回です、そして、公式随行員の延べ人数は二百四人、そのうち云々、すべからく明確にされております。そしておまけに、差額は一切受け取っておりませんと明言されております。
これは同じ内閣内におられながら、片や国務大臣は受け取っていません、福田さんの方は、いや、渡したかもしれないんだけれどもな、あとはよくわからないから警察調べてちょうだいということでは、やはり官房長官としての責任。
そしてもちろん、これは先回私が予算委員会での質問に河野外務大臣にお伺いいたしました、延べ何泊分、何人分でございますか、このお返事もいただいておりません。また、一回の差額補てんが幾らであったかについても、今日に至るまで、この予算委員会が終わろうとする時点にまでお返事をいただいておりません。他の省庁で明らかにできたことが、なぜ外務省並びに官房長官では明らかにできないのでしょうか。
○福田国務大臣 何か一方的にがんがん言われましたけれども、私ども、聞かれたらお答えしますよ、お答えできるところは。私どもはやはり誠心誠意お答えする、そういうつもりでやっておりますので、冒頭そうでないような言い方をされましたけれども、そういうことは言われないでいただきたいと思っております。
それで、もし具体的にお知りになりたいということがあれば、ちょっとこちらでも用意はいたしました。それ、御説明申し上げましょうか、時間がなくなっちゃうかもしれぬけれども。
○阿部委員 もちろんこれは質問通告してございましたので、何人分、何泊分、差額幾らですかと。申しわけありませんが、その数値だけお願いします。何人分、あるいは延べ何泊分、差額が幾ら、数値だけで結構です。御心配いただきますように、時間がございません。外務省と福田官房長官、お願いいたします。
○福田国務大臣 内閣官房の分につきましてお尋ねがありましたので、これは調べてあります。
これは二千八百万円の分ですね、これは正規の分でございます。この分につきましては、松尾元室長在任中の期間のうちの平成七年度以降における内閣官房職員の宿泊料規定額ということになっておりますけれども、この官房職員数は延べ四百五十八人でございます。
○阿部委員 一泊の差額についてももう一つお答えくださいませ。
それから、同じ御質問を外務大臣にお願いいたします。差額一泊。
○福田国務大臣 これは、怒られるかもしれぬけれども、直接お答えすることは、捜査との関連もあり難しい面があることをまず御理解はいただきたいと思います。
ただ、宿泊費差額の具体的なイメージ、これはお示しすることができる、こう思っております。それをお示ししましょうか。――それではさせてください。(阿部委員「ちょっと待ってください」と呼ぶ)いやいや、させてください。
総理外交団の宿泊先は、首脳外交に便がよく、また一国の代表者としての格を勘案するため、しばしば高額になる、こういうことでございます。
それからもう一つ……
○野呂田委員長 阿部君、残念ながら質問時間が終わりました。
○阿部委員 額で教えてください。額が答えられないとおっしゃるなら、それで結構です。
○野呂田委員長 では、額を言ってください。
○福田国務大臣 金額は、この二千八百万円に該当する分ですか。――これは五年間なんですけれども、松尾室長の犯罪に関係するというものは、これは七年間なんです。この七年間の分の中で五年分をということは、先ほど申しましたように、捜査上のことがございますのでお答えできない、こういうふうに申し上げます。
○阿部委員 委員長、ちょっと。
○野呂田委員長 あなたは河野大臣にお聞きですから、河野大臣が答弁します。
○河野国務大臣 お尋ねでございますから、外務省分について申し上げられるところを申し上げたいと思います。
外務省の宿泊費規定額は九千三百万円でございます。この九千三百万円という数字には、松尾元室長在任中の四十六回の総理外国訪問のうち、最初の十一回の訪問の際の宿泊費規定額は算入されていないこと、それから人数でございますが、申し上げました九千三百万円に当たります総理外国訪問の外務省同行者につきましては、延べで千六百三十三人でございます。
○野呂田委員長 阿部君、質疑時間が終わっています。
○阿部委員 終わっているのは重々承知ですが、申しわけございません、本当に申しわけございません、これは私が質問通告したことであって、差額については……
○野呂田委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。
これをもちまして締めくくり質疑は終了いたしました。
以上をもちまして平成十三年度予算三案に対する質疑はすべて終局いたしました。