第151回国会 財務金融委員会 第17号(2001/6/13)抜粋 案件: 政府参考人出頭要求に関する件 特定融資枠契約に関する法律の一部を改正する法律案(塩崎恭久君外四名提出、衆法第三〇号)
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
まず、きょうのコミットメント法案に関しましては基本的に賛成の立場をとりますので、いただきました質疑の時間は、先回の積み残しについての質問とさせていただきます。
きょう、本来の午前中の質問時間が午後に変更になりまして、柳澤金融大臣も御出席とのことですので、特に、柳澤金融大臣に中心的にお答えをお願い申し上げます。
先回の同じ財務金融委員会の折に、私は、いわゆる自動車の自賠責問題、これは、今までは国が自賠責の六割のお金を再保険として担保し、自賠責の保険会社が四割を運用するという形でございましたが、規制緩和の流れの中で、保険会社が全体を自主運用なさる、そういう事態に相なりました。その中で、私は、特にこれが交通事故等、命にかかわる行政ですので、完全に規制緩和していい部分と、むしろ、統括官庁になりました金融庁からの適切な指導についても必要ではないかと思う観点から御質問をいたします。
まず、皆様のお手元にお配りいたしました資料の一枚目に組織図のようなものがございますので御参照いただきたいのですが、この組織図には金融審議会の組織構成が書いてございます。「金融審議会の部会構成」となっております中に、一応、大きく分けて四部会ございます。
先回、柳澤金融大臣にもお伺いいたしましたが、金融審議会自身の大もとの部分は、約三十名を定員とする専門委員ないしは学識経験者で成るということで、私は今回、この金融審議会の中に自動車損害賠償責任保険制度部会というものが従来ございますけれども、より自賠責についての責任的役割を果たすことから、ここに、いわゆる被害者の御家族、あるいは自動車における自賠責問題について、被害者としての立場から見解を述べてきた方々を入れていただくべきではないかという質問を先回いたしました。
先回、時間との関係で、金融大臣に詳しい御説明をいたしませんで恐縮でしたが、続いて二枚の資料がございます。その二枚の資料には、これは国土交通省において設けられておりました自動車損害賠償責任保険審議会の委員名簿と、そしてもう一枚は金融審議会の自動車損害賠償責任保険部会の名簿がございます。
ごらんになっておわかりのように、金融審議会の方の自動車損害賠償部会は四名、それから国土交通省の方では、特別委員四名を含めまして、ごらんになるような方々が委員に入っておられて、この中で肩書を見ていただきますと、委員の一番手にある井手さんという方は全国交通事故遺族の会の会長。実は、お嬢様を交通事故で亡くされた耳鼻科のお医者様で、その後ずっと被害者救済、いわゆる子供を失った親の悲しみのフォローも含めてなさってきた方でございます。
そして、中ほどよりやや下にございます二木先生は、ここでは姫路獨協大学教授となっておられますが、神戸大学でしたかに御在籍の折に、自賠責の額の東西の格差ということを問題にされまして、既に国会でもこの件は問題提起され、東西格差の是正に向かわれましたように、この自賠責問題では当事者であり、かつ専門家であるというお立場でございます。
私は、先回の御質問で柳澤金融大臣に、ぜひともこうした方々を金融審議会内の自動車損害賠償責任の部会にもお入れいただくようにお尋ねを申し上げましたが、そのときのお返事では、定員等々あるのでというお答えをいただきました。
そこで、大変恐縮で、おまけに質問通告の部分ではないのでございますが、柳澤金融大臣に一、二、私ども現代社会に暮らすごく常識人としての御質問をいたします。
まず、金融大臣にあっては、一年間の自動車事故による死亡者数と、いわゆるけがをされた方の数についてどのように御認識でございましょうか。
〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕
○柳澤国務大臣 自動車事故による死亡それから障害の問題については、まさに先生がおっしゃったように、現代社会の大変大きな問題であるという認識を持っております。
自動車事故は、自動車が歩行者あるいはその他外部にいる人を傷つけるということと同時に、自動車が事故を起こして自分自身、その自動車運転者その他が亡くなってしまう。いろいろ、走る棺おけだとかそういったようなことが言われておったことも記憶しておりますが、昨今、非常に大きな官民挙げての努力の結果、一万人を割り込みまして、大体九千人くらいで推移しているというふうに記憶しています。
他方、死亡者は減っているのだけれども、障害者、障害という形で被災をする人はなかなか減らないという状況にあって、ちょっと数はあれですけれども、これは何十倍という感じだったかと思います。
○阿部委員 さすが柳澤大臣でございます。きちんと御理解でございます。
一応、負傷者数は百十五万と言われております。死亡者数こそ確かに一万を割り込みましたが、負傷者数、毎年百十五万という値は、これは我が国にとっても大きな損失でもございますし、当事者になられた方は、障害を抱えてその後も療養されるわけです。
そしてさらにもう一点、実は、警視庁関連の統計では九千人という数値が出てまいりますが、厚生省でとります統計、これは交通事故を直接原因として死亡なさいます方の数、警視庁では二十四時間で統計いたしますけれども、厚生省にあっては交通事故によって死亡なさった方という数値を挙げますと、四千人ふえてまいります。死亡者数も九千プラス四千、一万三千人が交通事故で亡くなり、百十五万人が交通事故による後遺症を抱えて生きておられる。戦後だけで換算いたしましても、五十二万人が死んでおられるということになってまいります。負傷者数は二千七百万とも言われております。
このような膨大な数の死傷者がおります自動車問題ですから、私はぜひとも、まずこの金融審議会の自賠責保険部門に、これは柳澤大臣の御英断で、そして専門性もお持ちのお二人ですから、二木先生並びに井手渉さん、非常によい活動もされてこられましたし、国土交通省関連の審議会ではいい御発言も多々賜りましたので、再度柳澤金融大臣に、この審議会の中の部会の、例えば専門委員としてでも、あるいはその時々の特別委員としてでもお加えいただくような向きにの御検討をお願いいたしたく、御答弁を賜りたいと思います。
○村田副大臣 六月五日の当委員会で、委員から、この問題については熱心に質問を続けますということでございまして、早速きょうまた熱心に質問をちょうだいしているわけでございます。
先ほど、審議会でございますけれども、制度にかかわる問題は金融審議会の中の自賠責の制度部会というのができまして、そこは四人がいるということですね。それから、国土庁とさっきおっしゃいましたが、こっちの方は法律施行型の審議会として残されておりまして、私どもも、国土庁と同じように所管をさせていただくということであります。
特に政府への再保険制度がなくなって、これは規制緩和の観点からでございますが、そのときに私も党の担当の一人としておりましたのでございますが、一番みんなが頭を悩ましたことは、先生今御心配のような、制度のあり方が変わることによって被害者救済というものがいささかも影響を受けることがあってはならないということでございまして、私どもも、繰り返し繰り返し被害者の代表の方にもおいでいただきまして、御意見を賜ったわけでございます。
そういう中で、重度後遺障害者の方々の療養問題についても、これは、規制緩和の中で、ああいうのはやめたらどうかという意見もあったわけでありますけれども、これは今後も維持するということも決したわけでございますし、それから、死亡の方と同じくらいの費用がかかるということでありますから、そこの点についても、補償も厚みを増すというような措置も講じさせてもらったわけであります。
それで、何よりも制度部会の方、この方には入っておりませんけれども、法律施行型の自賠審の方で引き続き、民間の損害保険の協会が預かります積み立てられた剰余金の使途、これを検討するときに、こうした審議会も活用して意見を反映させる、こういうような仕組みになっているようでございまして、あわせて、その点は、できるだけ被害者の方々の御意見が反映されるような仕組みになっているんだということを、御理解を賜りたいというふうに思います。
なお、先ほど、残された法律施行型の審議会の方は共管と申しましたけれども、これは金融庁の専管だそうでございますので、引き続きそういうルートを通じて反映させていくということができる、こういうことでございます。
○阿部委員 では、二点確認申し上げますが、今の、私の記憶では、二十分の九を残した国土交通省関連の自賠責審議会に相当するもの、予算において。これは国土交通省管轄ではなくて、これもまた金融庁管轄だということでございますか。
○乾政府参考人 自賠責審議会の方でございますね、法施行型の審議会の方。これは、従来はまさに自賠責審議会ということで、企画と法施行と両方やっていたわけでございますけれども、その当時から、これは金融庁の審議会でございまして、そういう意味で、金融庁の両方の機能を備えた審議会当時から、先ほどお名前をお挙げになりました井手さんとそれから二木先生も入っていていただきまして、私ども、両委員を初め、各委員の活発な御意見のもとに昨年六月の答申がまとめられたものというふうに承知しているわけでございます。
さらに、一月一日から、先ほど来答弁がございますように、企画型の金融審議会の自賠責制度部会とそれから法施行型の自賠責審議会というのに分かれたわけでございますけれども、その新しい法施行型の自賠責審議会、金融庁の審議会におきまして、引き続き井手委員と二木委員を委員に御就任いただいて、これからまた、先ほど来先生御指摘のような観点からの御意見、御議論も賜りたいと思っているということでございます。
○阿部委員 明確な整理と御答弁、ありがとうございます。では、引き続き金融庁の指導のもとに、特に被害者救済の問題、副大臣も御指摘のように、けがをされてその後ずっと後遺症に苦しむ方も同じように苦しい現状でございますから、そこの方たちの御意見も、先ほどの二木先生と井手さんはともに御遺族でございますから、現在闘病中の方々の御家族の御意見も反映されるような仕組みについて検討いただきたいと思います。
では、引き続いて、今度は自賠責による運用益の運用のことについてお尋ねを申し上げます。
これもお配りいたしました資料の中に、四枚目でございますが、これは、これまでのいわゆる六割を国が再保険しておりましたときの自賠責運用収益の使われ方の表でございます。
この当時、四割を自賠責の運用会社が運用しておりますときの年間の運用益が百三十億で、その中の三〇%をこのような形でいわゆる公益目的に、例えば被害者救済とか等々に活用するということが金融庁令で出ておりますが、その内訳について、これまでのものの実態でございます。そして、ちなみに、今回政府による再保険がなくなりますと、これまでの運用益の百三十億の約一・五倍、百五十億から二百億がこのトータルな収入に入り、それの三〇%がここに使われる金額になってまいると思います。
これを上から下までずっと見てまいりますと、今おっしゃいました直接の被害者救済にかかわる部分は、二段目の被害者救済対策と三段目の医療費支払い適正化及び後遺症の認定対策等々になってまいると思います。上段にございますものは、救急医療の充実あるいは救急医療の搬送にかかわる自動車の、いわゆる物に対してのこれは支出でございますが、二段目、三段目。
そして二段目は、ごらんになっていただければわかりますように、紛争処理センターに回っておりますので、これも遠回りには被害者救済ではございますが、直に被害者救済に回るものではございません。
そして一番下の段、これは、予算枠におきましても、例えば自動車等々には二億、計で二億ではなくて八億でございましょうか、それから被害者救済の紛争処理には約九億でございますが、最下段のところは、全部合わせましても二億といってないお金。
これはトータルで二十二億参りますが、やはりこの配分を見ましても、被害者救済の、直接に被害者にかかわる部分が非常に手薄であると言わざるを得ないと思います。例えば、公募による助成対象者のところ、交通事故医療研究助成の額は二千八百万でございます。二十二億のうち二千八百万というのは一%ちょっとというふうに理解いたします。
そして、今後さらに、先ほど申しました運用益全部が損保会社に入るようになってまいりましたときに、被害者救済に直接に役立てる向きをもう少しお強めいただきたいと考えております。そのために、例えば今後のこの自動車の、自賠責による運用収益の支出について、関連者からのお考えの大枠をまずお教えください。
○村田副大臣 先ほど申し上げましたように、自賠責保険の民間の運用益の各年度の具体的な使途につきましては、日本損害保険協会がその諮問機関であります運用益使途選定委員会、この議を経まして決定していただくということですが、これからは決定プロセスの透明性を高める、そういう観点から、今年度分より自賠責制度に関する審議会での議論を加えたい、こういうふうに考えております。
今委員御指摘のように、公募型の、公募枠の拡充を検討すべきではないかという御意見でございましたけれども、それについても、委員の御指摘も踏んまえまして、関係者と協議してできる限り前向きに対処できたらなと考えておるところでございます。
〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕
○阿部委員 しつこい質問の成果を得まして、大変うれしゅうございます。ぜひとも実際の被害者救済に、特にお若くして事故に遭われて一生障害を抱えて暮らされる方もたくさんおいでですので、前向きに、公募枠も広げて、NPO等々でそうした方々に援助の手を差し伸べている方にもまた、こういう公募枠に乗れるような枠の拡充をお願い申し上げます。
引き続いて、ついせんだって、これも厚生労働委員会で成立いたしましたいわゆる確定拠出年金についてのお伺いをいたします。
この間、金融庁は大変な人気でございまして、この自賠責問題でも、それから確定拠出年金におきましても、これから金融行政、特にそれを監督なさる金融庁の役割は大きく国民の期待するところと思いますが、そもそも、この確定拠出型年金の法案作成並びに審議過程におきまして、金融庁側といたしましてどのような認識と問題点、あるいは、このように運営されるべきである等々の、この法案の成立過程におきましての御討議、あるいは問題意識について、まずお伺いを申し上げます。
○乾政府参考人 この確定拠出年金に関しましては、先生御案内のように、米国に四〇一kという制度がございまして、これを、米国の場合には、会社とそれから従業員も出すことができるわけでございますけれども、そうして拠出したものが、積極的な運用ということを通じまして労働者の年金あるいは福祉の向上ということにつながっておりますし、またそうした運用先が、いわゆる直接金融の市場に大量の資金が流入するということをもちまして、米国の直接金融というものが活発化したということの動きを、従来からは政府といたしまして認識しているところでございます。
そうしたことから、我が国にもこうした確定拠出年金というタイプの企業年金を導入すべきじゃないかという議論が広くございまして、与党の検討会の中でも委員会を設けて議論が行われてまいりました。
確定拠出年金につきましては、従来の企業年金と違いまして、ポータビリティーとかいろいろなメリットもあるということでございまして、これの推進ということがぜひとも必要な政策課題ということでされてきたわけでございます。もちろん、年金制度でございますから、メーンは当時の厚生省が中心になって検討されてきたわけでございますけれども、実際にこの資金の運用に当たりますものは運営管理機関、それから、資金の機関というものは金融機関ということになるわけでございますから、金融庁といたしましても、そうした議論に参画をしてまいったわけでございます。
成立いたしました法案の中におきましても、金融庁は、この確定拠出年金の運営管理機関に対する検査及び監督に関しまして厚生労働省と共管とされているところでございまして、そうした立場から、今後、この金融機関の経営の健全性、あるいは加入者の保護という観点から、厚生労働省と緊密に連携して、制度の適切な運用に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○阿部委員 概略の御答弁、ありがとうございます。
物事には何でも、プラスの面と、逆に気をつけるべきマイナスの点がございますでしょうけれども、金融庁の御認識では、先ほど非常に明快な御答弁でしたが、直接金融の活発化、そういうふうに考えられることもある種当然理解できますし、直接金融の活発化というふうにアメリカでも現実に拠出型年金の成立というのはなったと思いますし、我が国においても願わしくはそうなってほしいものでございますが、はたまた、先ほどお伺いいたしましたように、導入してから逆に問題点が生じることも、物事ですからあろうかと思います。その点についての金融庁の御認識はいかがでございましょうか。
○乾政府参考人 厚生労働省と協力いたしまして、この法案を作成、提出し、成立をお願いしてまいったわけでございますけれども、先ほど申しましたような、金融機関の経営の健全性、あるいは加入者の保護という観点から、今後、適切な監督を行ってまいりたいと思っておりますけれども、現時点で、制度上、ちょっとおっしゃるような問題があるということは認識していないのでございますが。
○阿部委員 私が厚生労働委員会で問題にいたしました点は二点ございまして、いわゆる確定拠出型年金は手数料、ハンドリングコストが高くつく、これは運用の途中で組みかえたりしなければいけませんし、確実なものを受給権者にお渡しするために一番ベストな運用をするために、通常の公的年金よりも差しかえ、組みかえ等々もございまして、欧米等の例では、どうしてもハンドリングコストが高くつくというふうに報告を受けております。この点の御認識。
そして、私は、質問通告におきまして、イギリスでのステークホルダー年金において、ハンドリングチャージを積立金の一%以下に規制するような措置もとられておるということを例に挙げて、日本ではどのようにお考えかという点を一点、通告いたしましたのと、さらに、それに関連いたしましては、私、金融は全く素人ですからわかりませんですけれども、この手数料体系が、残高比例的な手数料よりも一口座当たりの固定手数料が高くつくというふうに分析されている方もおありでございます。
このあたりについて、金融庁としてのこれまでの御検討、諸外国の例と引き比べましての、一応やはり危険性についてもあるものと思わなければいけませんから、その辺の御認識についてお伺い申し上げます。
○乾政府参考人 先生御案内のように、実は、今御質問になりました事務費負担等年金支給に係る部分につきましては、これは、先ほど共管と申しましたけれども、金融庁はその部分は管轄しておりませんで、その部分は厚生労働省の所管事項でございますので、私どもからお答えをするのは差し控えさせていただきたいと思うわけでございますけれども、既に厚生労働委員会におきまして、厚生省の方は、そうした問題につきましては、外国の制度と比べまして、この運営管理機関等が融資のようなことを行わないとか、あるいは、運営管理機関について競争を促進することによって、適正な手数料、また加入者の方も納得するような手数料になるものと考えているという趣旨の答弁をされていると承知をしているところでございます。
○阿部委員 厚生労働省に伺いましたときには、ハンドリングコストも〇・六%くらいになるではあろうが、予測根拠については余りない、明確ではないという御答弁でもございました。そして、逆に厚生労働省の方は、金融庁ともよくよく相談をしながら、簡単に申しませばそのような御答弁でもありましたので、一度ある程度やってみたところでの中間総括的なものをやっていただきまして、手数料等について、どのような傾向を持つものか、傾向と対策ということで金融庁としても積極的な関与をお願いできれば幸いでございます。
引き続き、もう一点、私は問題があると思いますが、いわゆる加入者保護ということで、これまでの厚生労働省が持っております年金関連の、例えば公的年金で問題が生じた場合には、社会保険事務所等々、受給権の保護のために一人一人の個人が相談するような窓口もございますが、果たして、この金融商品としての四〇一kという形になりますと、実は企業が加入するといっても、受給は個々人、いわゆる退職金に相当するようなものが年金で払われるわけですが、やはり途中で金融、特に株価等々の変動もあり、いろいろな不安定要素が生じたときに、一人一人の受給権者はどのように相談窓口を設けられるのかということを伺いました。これも厚生労働省としては余り明確な御答弁ではなくて、私の方から要請して、金融という問題に知識をお持ちの方も加わって、これからの受給者への相談ということを充実させていただきたいというふうにお願い申し上げましたが、この件について御認識のほどをお教えください。
○乾政府参考人 実は、確定拠出年金に限りませんで、金融機関が販売をいたしました商品に関しまして、消費者の方との間でトラブルが起きたときにどうするかということは、これは金融行政の中での大きな課題として従来から取り組んできているところでございます。
一つには、昨年の通常国会で御成立いただきました金融商品販売法というものがございまして、この法律の中で、金融商品を販売する者は、消費者に対しまして十分にリスクというものを説明しなければならないという規定が置かれたわけでございますけれども、今回の確定拠出の法案の中には、これは直ちにそれが適用することとはされておりませんけれども、今後、この法律、成立しました法律に基づきまして政令を整備する中で、実質上、それと同等の趣旨の規定を盛り込むべく、現在検討しているところと承知をしております。
それから、もしもそういうトラブルが起きましたときの解決につきまして、裁判に行くということは、消費者の方々、なかなか大変でございますので、裁判外でどのような解決ができるかということで、よくADR、オルタナティブ・ディスピュート・リゾリューションと申しますけれども、裁判に代替をする紛争の処理ということの方式につきましても私ども勉強しておりまして、昨年いただきました金融審議会の答申に基づきまして、金融トラブル連絡調整協議会というのを昨年の九月に立ち上げまして、そうした場で、そうした問題に対する、各金融機関の団体等がどのように積極的に取り組んでいくべきかということの、検討と申しますか、もっと前進的な、具体的にどうするかということの議論を現在行っているところでございます。
そうしたことを通じまして、消費者の方々に御心配をかけるようなことがないように、できる限りこれからも進めてまいりたいというふうに思っております。
○阿部委員 では、さらなる御検討を引き続きお願いいたします。
せっかく柳澤大臣にお越しいただきましたので、最後の一分で一問だけ。
一―三月のGDPも年率換算で〇・八%マイナスとなっておりますし、今後の景気見通し、四月―六月、七月―九月、この前半の景気見通しの中で、さらに金融機関の運用状況についての柳澤金融大臣の見通しについて、よろしくお願いいたします。
○柳澤国務大臣 金融機関、今度の三月末の決算、今、私のところには、まだ取りまとめということでは主要十六行ベースでしか上がっておりませんので、そのベースでお話をいたしますと、金融機関の本来の活動による稼ぎ、業務純益と申しますけれども、これは大体ここ数年と同じ傾向をたどっておりまして、三兆円ちょっと、三・三兆とかという数字になっております。
これが、景気が悪くなったらどうなるかというお話かと思いますけれども、私どもといたしましては、率直に言って、利ざやというかそういうようなものも、それほど諸外国と比べていい成績でもない。ROEと申しましょうか、リターン・オン・エクイティー、そういう報酬の比率も、余り国際的にすぐれた成績を上げ得ていないというようなことがありまして、実はもうちょっとしっかりした金利収入を稼ぐこと、もちろん、かねて、そういう資産の運用による利益ではなくて、フィービジネス、手数料収入と申しますけれども、そういったようなことにも注力をしまして、全体としてもう少し収益力というのを高めてもらいたい、こういうように基本的に考えているわけでございます。
ところが、他方、なかなか今度は利息を支払う方の状況が、今先生が御指摘になられたような経済状況の中で、はかばかしい成績を上げ得ないところが多いということになると、これがなかなか我々の方の願望が容易に実現されるというような状況になくなるわけです。
そんなこともありまして、私ども、不良債権の処理もする、それについても、追加の損失、つまり引き当て担保で保全しているもの以上のコストが追加的にかかるということも、これは否定できないところでございまして、それらのコストを補うというようなことのためには、やはり客観的な経済状況というものも、それなりに、そうしたものを受け入れるだけの環境であってもらいたいと率直に言って思っているわけでございます。
そういうようなことから、私どもとしてはぜひ政府全体で、私もその責任の一端を担っているわけでございますけれども、余り今この状況で高い率の数字を申し上げるということもできかねますけれども、基本的にプラスの成長はしっかりと実現してもらう、そういう気構えでもって経済の運営に当たってほしいというふうに、率直に言って考えているということでございます。
○阿部委員 丁寧な御答弁、ありがとうございます。
論議の時間がございませんので、また次回引き続いて。どうもありがとうございました。