第155回国会 本会議 第12号(2002/11/21) 抜粋

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議長(綿貫民輔君) 阿部知子君。

    〔阿部知子君登壇〕

衆議院本会議で預金保険法改正案の反対討論をする阿部知子

阿部知子君 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 私は、社会民主党・市民連合を代表して、預金保険法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案に反対し、金融機関等の組織再編成の促進に関する特別措置法案に賛成する立場から討論を行います。(拍手)

 ペイオフ解禁については、これまで一貫して、政府は、この四月にまず定期性預金、そして来年には普通預金も解禁するとの方針をずっと言い立てておりました。ところが、十月になると、これが一転して、二年延期というお話になり、百八十度の転換かと思われます。

 現下の金融情勢は、皆様もよく御承知のごとく、金融機関の仲介機能が全く働いておらない、いわゆる機能不全と言える状態になっていると思います。積み重なる不良債権、銀行株の大幅な下落、自己資本比率の低下懸念など、信用と信頼がいわば命という金融機関にとっては、本当に危機的状況と言えると思います

 そもそも、根幹となる銀行の収益力自体が極めて低いという日本の銀行の現状です。ペイオフ解禁はしたくてもできないというのが現状であり、このことをきちんと認めた上で、いわば二年の延長は当然の措置と言えると思います。

 しかし、これまで、まずペイオフ解禁ありきだということで事を進めてきた政府・与党、とりわけ金融機関に対する監視、監督のなれ合いなどについて一切反省することのなかった、そして、突然に政策転換するその姿勢は、国民を愚弄するものであり、政治的責任放棄に等しいと思います。

 しかも、ペイオフ解禁を前提にいわゆる決済性預金を設けるということですが、このことは、銀行の仕事上の負荷を増すばかりでなく、そこに、流動性に問題が生じるようないわば一つの口座ができてしまうということで、本来の趣旨を損ない、そもそも、二年の延期の時点で、かようなこそくな手段を用いずともよい話であります。

 本法案の審議の直前に、政府は、総合デフレ対策なるものを打ち出しました。その中心となっているのが金融再生プログラムですが、平成十六年度には主要行の不良債権比率を現状の半分程度に低下させることを明言しております。簡単に言うと、不良債権処理を加速させるということですが、そうであればそうであるとて、これまでの方針をきちんと転換したのであるということを明言して行うべきであります。なし崩し的、ごまかし的、言い逃れ的な手法は、一切許されるものではありません。

 小泉首相が昨年六月に打ち出した骨太方針も、また、ことし二月のデフレ対策も、日本経済のデフレ克服に向かうどころか、一層デフレを加速して、決定的に低迷を持ち込みました。小泉政権以降、皆さんもこれも御承知のように、株価は下落の一途、発足時の約六割に目減りしております。金融政策だけをとっても、むしろ、経済の潤滑油たる銀行の機能を徹底的にダメージしたという点で、小泉政権の責任は重いと思います。

 今、求められているのは、問題の先送りやなし崩し的なやり方を改めて、これまでの経済政策の誤りを素直に認め、そして、政治責任を明らかにした上で、並びに銀行にもきちんと責任をとってもらった上で、機能不全を起こしている金融について施策を打つべきです。

 また、金融機関等の合併を促進する特別措置法案に関しては、賛成の態度を明らかにしたいと思います。

 地銀、信金、信組などの地域金融機関は、いわゆる地域の金融を本当に担い、これまでも実直にやってこられたことと思います。しかし、もしも、今後、何らかの資本過少などが生じて、お互いがお互いの判断で合併という事態を選択するということも、あり得る一つの選択肢と思います。

 これまでのように、ペイオフを振り回して、ペイオフ解禁を手段として信金、信組つぶしにひたすらに走ってきた政府の金融行政の姿勢を根本的に改めた上で本法案の活用を図るという前提に立ち、私どもの賛成の討論とさせていただきます。(拍手)

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