第155回国会 財務金融委員会 第6号(2002/11/13) 抜粋 ○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
きょうは、塩川財務大臣並びに柳澤金融担当大臣を初め各委員の皆様も……(発言する者あり)ごめんなさい、癖になっておりました。竹中新金融担当大臣初め皆様と、そして各委員、何名かはおなじみでございますが、長時間の審議、御苦労さまです。余りにも今までの柳澤さんの印象が強くて、またよく御指導いただきましたので、ついつい言葉が出てしまいました。
そこで、本日は特に、柳澤金融大臣にかわった竹中金融大臣に多く御質問をさせていただきます。
まず、午前中でしたか、五十嵐委員の御質問の中にもございましたが、金融再生機構等々、これからいろいろ論議されるところだから、きょう、皆さんはしっかりと意見をお言いなさいというお話でございました、与党側は。そして野党側は、まだ形にもならない幻のような、どこへ向かうともわからないものではなかなか審議ができないという論議もございましたが、私は、まずもって、昨日出されました景気の判断について、竹中大臣にお伺いいたします。
昨年の十一月に景気判断、景況判断、下方修正をなさいまして、引き続いて、本年三月でしたか、立ち直り、上方修正をなさった後、一年ぶりの下方修正ということになってございます。
下方修正に至った幾つかのポイントは、例えば、アメリカの景気状況とか、あるいは我が国もアメリカに深く関与するところの輸出の問題、あるいは雇用、生産等々も伸びが見られないということでの判断でございますが、竹中大臣にあっては、逆に基本的には底を打って戻っていく、戻っていく途中のつっかえであると思っていらっしゃるのか。もしくは、さらにある意味では長期的な、これは何人かの委員からも御質問がありましたが、現在、世界的なデフレ状況が続いている中で、なかなか我が国にとっても新たな産業調整、どの分野で新たな産業育成がされていくのかということもまだ歴然とはしていない中で、かなり長期的な見通しを持って、現在、景気ということを、低迷を考えていかなければいけないのか。その点について、一点目、お願いいたします。
○竹中国務大臣 阿部委員に早く名前を覚えていただけるように、しっかりと答弁をさせていただきたいと思います。
御指摘のとおり、昨日、月例経済報告で、景気は、引き続き持ち直しの方向に向かってはいるんだけれども、そのテンポが緩やかになっているという判断をさせていただきました。これはまあ若干の下方修正というふうに私自身も申し上げております。
ただ、これはぜひとも御理解いただきたいんですが、持ち直しに向けた動きは続いておりますが、これまで牽引してきた輸出、生産の伸びが緩やかになっている。そういう意味で、方向は変わっていないんだけれども、それが緩やかになっているという判断であります。
それをほぼ裏づけるように、きょう、朝、七―九のGDP統計が出されました。これは数値そのものは結構高くて、〇・七%、年率に直しますと三%になりますので、日本の潜在成長力を考えると、伸びそのものは決して低いわけではないというふうに思います。ただ、外需がマイナス〇・一%の貢献になって、内需がプラスの〇・八でありますけれども、そのうちの半分が在庫になっております。そういう意味では、いわゆる消費、投資を合わせたところの本源的な内需は〇・四ぐらいということで、拡大は続いているんですけれども、少し前期に比べると緩やかにというような状況だと思います。
阿部委員のお尋ねの趣旨は、これはこの先どうなるのだ、どういうふうに見ていくのかという非常に本質的な問題であろうかと思います。
基本的なシナリオは、この持ち直しに向けた動きがまだ続くというふうに見ておりますけれども、やはり、アメリカ経済の動向でありますとか世界的な資産市場の調整、さらに、ヨーロッパやアジアも少し鈍化の兆しが見られるということで、従来以上に非常にきめ細かく注意を持って見ていかなければいけない局面になったというふうに認識をしております。
我々としては、もちろん、このまましぼんでいくのではなくて、これが持続的にもう少し基本的に持ち直しが続くように期待をしているわけでございますので、さきの総合対応策の早期実現等々を含めて、しっかりと見ながら運営をしていきたいと思っているところでございます。
○阿部委員 ここにお集まりのどなたもが早い時期に経済的な立ち直りを期待する、国民はましてなおのことと思いますが、そうは申しましても、ポジティブに考えたくても、その芽が本当の意味でなかなか見つかってこない。もちろん、竹中大臣のおっしゃる今の金融の問題、特に不良債権問題等々を片づけていくことがその一歩であるという道も確かにその一つであろうと思いますが、やはり私たちの目の前に現実に横たわる経済のありさまはなかなか一筋縄ではいかないように思います。
その大きな理由は、昨日も、またこれまでの委員会でも竹中大臣も御指摘でありますが、やはり大きな意味で産業のありようが変わってきている。特に、大量生産、大量消費方式で人件費も安く、供給側がある程度過剰の感を呈する、それに対して需要の側が十分に、伸び悩んでおる、伸びていないという状況もございます。そうなりますと、今の産業構造調整は、やや長期的な波を見た方がよろしいのではないか。
先ほど、竹中大臣は、現在の状況をバブル期の調整にあるのではないかというふうに原口委員の御質問に答えておられましたが、やはりこの間の事態を見まして、それは、先ほど申しますような、アメリカあるいはドイツ、ヨーロッパ、それからアジアにおけるいろいろな問題ということもあった場合に、よほどしっかりと、そして粘り腰で、長期にわたる展望を持たなければならないのではないかと私自身は考えております。
そして、竹中大臣がまだ金融担当大臣でなかったころと思いますが、いわゆるIT産業の問題ですね、これは今、アメリカも我が国も、ITバブルが崩壊したという形でよく評されますところの問題ですが、かなりの部分、ITに期待していた部分は森内閣当時もあったと思うのです。このことについて、現段階でのお考えを伺いたいと思います。
○竹中国務大臣 非常に長期的な観点からの産業調整のプロセスにあるという認識が必要だという御指摘は、全くそのとおりであろうかと思います。
私、午前中に、原口委員の質問に答えてバブル期の調整というふうに申し上げたのは、これは銀行信用の拡大、それがバブルのときに非常に拡大して、それのまだ調整が続いているという趣旨で申し上げたつもりであります。この長期的な調整を進めていく中では、当然のことながら、新しい技術の最先端の分野としてのITとかバイオなどの問題、さらには、それとは別の次元では、やはり地域的な競争力地図の変化というようなことも視野に入れていかなければいけないと思います。
直接お尋ねの、IT産業がどうなっていくかということでありますが、ITに関しては、いわばオール・オア・ナッシングといいますか、ちょっといいときには、物すごくいいぞ、これはバラ色の未来をもたらすぞというような論調がともすれば主体になり、少し悪くなると、バブル崩壊でもう全然だめだというような認識がともすれば広がりつつあるわけですが、これは間違いなく、IT革命というのは、いわばデジタルな技術を駆使して、専ら今は通信にそれを活用しておりますが、通信だけではなくてデジタルな技術を使ってさまざまな分野が開かれていくというのは、非常に大きな、ちょっとオーバーですが、やはり歴史的な流れになっていくということは間違いないと思います。
短期的に見ても、実は、ITバブルが崩壊した崩壊したといいながら、やはりITの部門というのは着実に広がっているわけでありまして、日本のインターネット人口も、二年前には一九%であったものが、これはちょっと古い数字ですけれども、今は四二%を超えている。その意味では、着実にこれは根づいてきているというふうな評価をむしろ私たちはすべきであろうかと思います。
であるからこそ、こうした点も含めて、予算配分においても重点分野として、科学技術の開発も含めて重視しているわけでありますので、こうした点については、やはり決してオール・オア・ナッシングの見方に陥ることなく、着実に推進していく、これを一つ一つやはり個人一人一人が物にしていくというような観点から、引き続き取り組んでいく必要があると思っております。
○阿部委員 ただいまのIT関連の質問はもう一問後につけ加えさせていただきまして、今の後半に関与することでもありますが、技術革新ということをお述べになりました。それもだれしも同意するところでありますが、以前よりこの委員会で特に塩川財務大臣に何回か御答弁いただきまして、現在ないしは今後、我が国のリーディングインダストリーとなるようなものをどこにどう想定していくのか。
この問題は、実はきょうは竹中大臣の方に振りたいと思いますが、エレクトロニクス、機械、自動車といった産業がこれまでイメージされておりますが、竹中大臣にあっては、実際に今おっしゃったようなIT関連のこと、技術革新と言われる部分をさらに進めて、どういう分野育成をなさりたいか、そこがまた我が国を大きく引っ張っていけるものなのかどうか、この点についてのお考えをお願いします。
○竹中国務大臣 リーディングインダストリー論というのは、詰めれば詰めるほど難しい問題であろうかと思います。ITしかり、バイオしかり、ナノテクノロジーの分野しかり。さらには、少し視点を変えれば、都市開発関連しかり、文化、環境しかり。いろいろなことが言えると思うんですが、私のイメージとしては、むしろ、それがリーディングインダストリーという、今までの自動車産業、電気機械産業というようなくくりではない形で、例えばデジタルな技術をさまざまな分野で、これはサービス業も含めてさまざまな分野で活用するという形で非常に多様な分野が広がっていくというのが、今後の一つの産業のイメージなのではないかと思います。
であるがゆえに、例えば、何とか産業を育てようとか、一つの役所の中に何とか課、何とか産業課のようなものをつくってできるようなものではなくて、これからの行政というのも、非常に多様な芽が、社会の中でふっと出てくるような芽が大事に育つような形で規制を十分に改革し、さまざまにそのイノベーターを後押しできるような、そういうシステムをやはりつくっていくことが必要になっているのではないか。
技術の分野については、バイオ、ナノ、いろいろなことを挙げることができますが、むしろリーディングインダストリーというような概念ではない形で、いろいろな形での産業の発展が期待できるのではないかと思っております。
○阿部委員 もちろん私とて、ある産業が、例えば鉄鋼業のようにある時代を切り開く、これからがそういうスタイルだとはもちろん思っておりませんが、しかしながらまた、今、竹中大臣の御答弁にございましたが、例えばバイオとかITとかを活用する場合に、ある産業分野の育成も同時に必要となろうし、もう一点私が伺いたいのは、やはりエリア、地域的な連合の問題であります。
そこで、次の質問に移らせていただきます。
このたびの二〇〇二年度の通商白書、これは経産省がお出しであるとは思いますが、通産省のものであっても、気持ち、お考えはかなりの部分を共通されると思いますから伺いますが、二〇〇二年度版通商白書で、二十一世紀の前半には、欧州、米国に加えて、いわゆる東アジア、東アジア地域での先進経済圏が成立していくものと考えられ、東アジアの発展と日本の産業構造、地域経済構造の変化は連動しているということで、逆に日本にとって、東アジアは大きなビッグチャンス、ある意味でビジネスチャンスでもあり、平和のチャンスでもあるということだと思いますが、こういう指摘がございます。
先ほどの大臣の御答弁とあわせて、このエリアでの経済的な連動、枠組みについてのお考えを伺いたいと思います。
○竹中国務大臣 東アジア、東南アジアまで含めての地域でありますけれども、この地域は、専門家がさまざまに分析していますように、世界の中でも最も、いわゆるインテグレーション、統合の進んだ地域であるというふうに思います。
例えば、日本を代表する電気機械メーカー等々は、この中に、部品組み立て、販売等々を含めて、それはもう実に多くの企業ネットワークを持っていて、しかもそれが、例えばマレーシアでつくったものが日本で組み立てられるとか、そういう単純なものではなくて、台湾でつくったものが一度マレーシアに行って、またシンガポールに行って、それで日本に来るとかいう、そういう意味での非常にダイナミックな統合関係が実現しているというふうに思っています。
かつ、この地域は、多くの発展途上国が非常に問題を抱えてきた七〇年代、八〇年代に飛躍的に発展力を示した地域であって、かつ、この地域は、ある意味で東西冷戦構造の代理戦争的なことをずっとやらされていた。朝鮮半島しかり、ベトナムしかり。そういうところが九〇年代以降、いわゆる東西の壁がなくなったことによって、非常に大きな平和の配当を受けた地域にもなっている。さまざまな要因を重ね合わせて、これはやはり非常に大きな可能性を持っている。そうした意味での白書の指摘というのは大変に適切であると思っております。
日本は、シンガポールと経済連携協定を結んで、こうした形での統合をさらに強めようとしている。日本に対する期待も大きいということも踏まえて、しっかりと対処していかなければいけないと思っております。
○阿部委員 そのことと関連して、特に金融面でお伺いをしたいと思いますが、大臣は、ASEANプラス3で、3の方に東アジアを入れられましたが、特に東アジアをとりますと、実は、このエリアには共通の通貨圏もございませんし、また、アジア全体でいえば、アメリカの輸出に大きく依存しているという意味で、ある種不安定要因も強いところであると思います。かつてのバーツの下落もその一環でございましょうし。そういうエリアにあっての日本の金融の果たすべき役割ということを私は伺いたいと思うんです。
なぜこういう質問をしますかという折に、今、不良債権処理問題を初めとして、ある意味で後ろ向きに語らざるを得ない部分、かつてのバブル期の不良債権、あるいは今の構造調整のところから新たに生じてくる不良債権問題もございますが、私は、今もし金融改革に積極的に打って出るのであれば、国民にとってはもっといい、本当にいい未来があるということをだれかが積極的に発信しないと、何のために痛いのか、苦しい痛み、これもやはり希望という名があってこそ意味が出てまいります。
そこをきちんと論議した上で、むしろ私個人の考えですけれども、不良債権処理問題は積極的に打って出るべきだと私個人は思っております。ただし、その前提にどんな未来像が国民に与えられるかというところをもっと論議していただきたいと思っておりますので、そういう視点から、アジア、特に東アジアにおける金融面での我が国の役割をどのようにメッセージするか、これをお願いいたします。
○竹中国務大臣 大変大きな難しい問題であると思いますが、やはり当然のことながら、政策を遂行するに当たってそういうビジョンを持っていなければいけないと思います。
私は、日本の金融というのは、東アジアとの関連で、特にやはり二点、三点、重要なつながりが出てきていると思っています。
一つは、日本という国は非常に重要な資本輸出国であるという点です。日本の多額の貯蓄がアジア等々で投資をされる。これは、世界で見ますと、だれかが投資をするためにはだれかが貯蓄をしていなければいけないという恒等式が成り立ちますから、発展の源泉である投資を支える日本の貯蓄の源泉というのは大変重要であります。だからこそ、日本のODAにも日本の海外直接投資にも大変期待をしています。
先般、内閣府で行った分析でありますけれども、例えば、日本のODAだけでベトナムの経済成長の二%とかGDPを押し上げるような効果があるというような結果もございました。だから、貯蓄を活用する。これは、貯蓄を貸し手に、利用者に回すことが金融でありますから、金融の役割は大きいということだと思います。
もう一つ、アジア通貨危機のときに議論された問題であり、これは私の担当ではなくて塩川大臣の御担当ということになるかと思いますが、そういういざという場合の地域のファイナンスをやはりきめ細かく、もちろんIMFがそういう役割を担うわけですが、IMFのイニシアチブについては、これは賛否両論、さまざまな議論が当時ありました。やはり、地域のことを熟知している、地域の中でそういったいざというときの融資、資金融通のファイナルリゾートがあるべきではないか。そうした考え方が実は当時からあるわけで、アジア版の通貨基金というような話もそこから出てくるわけですが、そういう意味からも、やはり日本の金融というのは大きな役割を果たさなければいけないと思います。
やはりその前提となるのは、何といっても、圧倒的な経済ウエートを占める日本がアジアの中で安定的に経済発展している、経済成長し続けているということであって、日本が本来二%から二・五%成長の実力を持っているはずなのに、不良債権問題等さまざまな足かせの中で、現実には〇%、〇・五%というような成長になっていること自体が、やはりアジアに対する責任、貢献を十分になしていないということになるんだと思います。そうした観点から、やはり日本のアジアにおける責任というものを自覚しながら経済政策を進めていかなければいけないと思います。
○阿部委員 前宮澤財務大臣当時、先ほどおっしゃられました、宮澤大臣がまだ大蔵大臣であられたころだったか首相であられたころだったか、そのアジア通貨基金の問題もございまして、ただ、その後、我が国においては、どちらかというと、もう本当に国内の金融状況、雇用状況、経済状況が非常に大変な折で、どうしてもそこに重点を置かざるを得ない中で過ごしてきておりますが、やはり先ほど申しました、例えば五年後、十年後、二十五年後のどこにある程度の未来像を置くのかということをあわせてぜひ論議していただきたい。
そういう観点に立ったならば、きょう午前中も、そして前々回もそうですが、幻が、字体が変わるだけで実物になりましたところの金融再生プログラムについて、この字体の変わった方で伺いますので、よろしく御答弁をお願いいたします。
私は、そうした観点からいたしますと、いわゆる公的資金の注入というものを、預金法の百二条で総理大臣が金融危機と認定されて、銀行が申請して、そこで十五兆の枠というものを使う、それで果たして本当に処理し得るのかどうかということが実は最大の疑問であります。
そういう観点からこれを読みますと、幾つかの気になる文章がございますので、文章に沿って少し御説明を受けたいと思いますが、文章がわからなくなりまして、文章何ページと言った方が親切なのですが、ちょっと見えませんので、お許しください。
「迅速に公的資金を投入することを可能にする新たな制度の創設の必要性などについて検討し、必要な場合は法的措置を講ずる。」という一文がございます。この部分は何を意味しておるのか。それから、「検討し、」というのはどこで検討するのか。恐らく、私が思いますに、預金保険法百二条以外のスキームで公的資金を注入する、これはかなり予防的注入あるいは強制注入という意味ととりますが、ここの一文について、どこで検討され、どういう内容を意味しておるのか、その点についてお願いいたします。
〔委員長退席、七条委員長代理着席〕
○竹中国務大臣 御指摘のはプログラムの四ページのところであると思いますけれども、これは、先ほども申し上げましたように、今の法律の枠組みでは、預金保険法百二条に基づいて危機宣言をして、公的資金を注入する。公的資金注入が必要かどうかはともかくとして、必要である場合はこの枠組みだけがあるということになります。
かねてから、多くの専門家、関係者の間から、この枠組みは枠組みとして必要な場合はしっかりと運用をしていくわけですけれども、それだけで十分なんだろうかという御指摘が多々あったというふうに認識をしています。したがいまして、それが必要かどうかも含めて、ぜひやはりこれから前向きに検討したいというふうに思っているわけでございます。
では、これをだれがどのように検討するのかということでありますが、やはりこれは幅広く専門家、関係者の意見を聞いてしっかりと検討しなければいけないと思います。どういう枠組みで、審議会とか委員会とか、それでいつまでにやるかということに関しては、月末の工程表までに議論を詰めて明らかにしたいと思っております。
○阿部委員 あと幾つか質問がございまして、質問予告もしてございますのですが、時間の関係で二問ほど飛ばさせていただきまして、公的資金注入に際して、もしそういうことが行われた場合の責任論について、もう一点、このプログラムに即してお伺いいたします。
きょう、参考人で来ていただきました加藤審議官にはちょっと失礼いたしますが、お許しください。次回、またやらせていただきますので。
一九九九年の公的資金注入の折に、経済戦略会議の最終報告におきまして、いわゆるその当時の公的資金注入に対して、責任論については、これは竹中大臣も加わっている会議ですが、事態の緊急性にかんがみ公的資金投入問題とは切り離して責任論については考えるべきであると。また、公的資金を受け入れた金融機関は、早急に自主的経営改善計画を策定して、三年後に顕著な改善がなければ、そのときに経営責任を明確にする必要があるというふうにかつてお述べでいらっしゃいます。
現時局下で、場合によっては公的資金投入もあり得るかもしれない場合の経営責任についても同じような御見解か、あるいはこの当時よりは格段に進歩されたか、その点についてお願いします。
○竹中国務大臣 阿部委員が今お読みになったところの、その前文もぜひ読んでいただきたかったのでございますけれども、「公的資金を受け入れざるを得ない銀行の経営者責任が問われるべきことは当然である。」経営者責任ははっきりと問われなければいけないと思うということが、この経済戦略会議のときの基本的な考え方であったと思います。
しかし、経営責任が問われるまで公的資金を注入しないということであるならば、これはもう当時、非常にせっぱ詰まった、まさに危機の状況でありましたから、それはそれで、経営責任はちゃんと問え、しかし、とりあえず公的資金の注入はやれ、そういうことを言っているわけでありまして、経営責任は問うべきであるということをしっかりとこの経済戦略会議でも述べていたというふうに思います。
その意味では、今回、経営者責任の明確化を強く厳しく求めるというふうに再生プログラムには記入しているわけで、基本的な考え方は同じであるというふうに思っています。
〔七条委員長代理退席、委員長着席〕
○阿部委員 事態の緊急性にかんがみ三年猶予するぞと言われたら、これはちっとも速やかに責任ということではないわけで、また、これまで三回の公的資金注入があったわけですから。そして、現在をその当時と、どのように深刻な事態と受けとめるかによっても、また方針のスピードも変わってまいると存じます。
先ほど、前段を読んでいただきたかったとおっしゃいました。私は読みました。でも、その後につく文章が、事態の緊急性にかんがみ資金は入れる、経営責任は三年と言われると、やはりこれは余りにも世の中の緊急とか責任とかいうところに、何か問題を起こして三年後まで猶予してくれるのなら責任ではないわけですから、その点について、重ねてきちんとした対処を私として申し出たいと思います。
長いお時間お待ちいただきました。塩川財務大臣にお伺いいたします。
塩川大臣には、以前から、私が道路特定財源の一般財源化について、この委員会でも三回ほど質問をさせていただきましたが、とりあえず、来年度の予算においては、昨日、国土交通省の扇大臣もおっしゃっておられましたが、一般財源化という形ではなくて道路関連に薄めて、広げて御利用になるというふうな御見解でしたが、このことは塩川大臣も合意をされているのでしょうか。
○塩川国務大臣 私は、財務大臣就任以来ずっと一貫して言っておりますことは、道路特定財源を、徐々に、道路を中心としたもっと幅広い一般財源として使えるようにいたしたい。そういう希望を申し上げてまいりましたし、また、十四年度予算におきましても、金額にしてそれほど多くはございませんけれども、三千数百億円でございましたけれども、重量税の一部を削減いたしまして一般財源として使っておる。十五年度におきましても、これをさらに拡大していきたいと思っております。
○阿部委員 申しわけございません、もう一問塩川大臣にお願いいたします。
私は、その大臣のおっしゃっていることとここでの確約について、やはり今回の方針について、今年度は、ごめんなさい、ちょっと聞き漏らしましたが、見送りで、来年度から本来のお考えを展開されるという意味なのかというのが一問。
もう一つ、本四架橋の債務返済に活用する方向も既に合意がとれておるというふうに書かれておりますが、これについても、これをも含めた一般財源化なのでしょうか。二点お願いいたします。
○塩川国務大臣 一つは、本四架橋の問題につきましては、これは新聞社に聞いていただいたらわかると思いますが、私から申したものではございませんので。私はそういう発言はいたしませんし、また政府も、まだそこまで結論を出したものでもございません。
それから、一般財源の問題と特定財源の問題、非常に名前にこだわっておられるように思うんですけれども、道路特定財源というのは要するに総称していうことでございまして、税金でいいますと、個々に、揮発油税であり、自動車重量税であり、そういう名称がついたものでございまして、それを総称いたしまして、いわゆる道路特定財源と言っております。この財源は、道路の整備、建設に重点を置いて使うということになっておるので道路特定財源ということを言っておりますけれども、私は、今、もう国の財政状況が非常に緊迫してきておりますので、貴重な財源を有効に使わせてもらいたい。
でございますから、道路とそれに関連して面整備の面、あるいはまた道路と附属してくるところの公共的施設、あるいはまた道路のために必要な、道路からの原因となってくる環境対策等、いろいろな面に幅広く使えるように、この財源を有効に使いたいというので、私は一般財源のように使うということを言っておるのでございまして、その点の御理解をお願いいたしたいと思います。
○阿部委員 のようにという部分に暫定税率のことがかかわってくるので、塩川大臣はそのような御答弁だと思うのです。
私は、従来から申しておりますように、これから少子高齢化社会を控えまして、現在の道路、もちろん道路も社会的公共資本ですから、きちんと必要なものは整備されるべきと思いますが、全般を見渡したときに、この財源をどこにより積極的に使っていけるのかということで、のようにではなくて一般財源化するという、本来のお気持ちのように政策を進めていただきたいと思います。
その点についてはいかがでしょうか。しつこくて済みませんが、お願いします。
○塩川国務大臣 御希望は私たちもよくわかりますが、できるだけ状況等を判断して進めていきたいと思うわけであります。
○阿部委員 前向きな御答弁をありがとうございます。
そして最後に、この法案に関係したことで、一問御質問をいたします。いわゆるペイオフの延期問題でございます。
実は、このペイオフ延期問題は、先ほど私が柳澤金融担当大臣と申しましたように、私の中に深く刷り込まれておりますのは、このペイオフ問題で四回、五回と質問をいたしまして、そして私は、現下の金融不安定状況から見て、ペイオフそのものは、やはり金融規律ですからきちんとやるべきと思いますが、時期を見るべきだというふうに、そのときは私の立場は申し述べました。
そして、そういうことへの柳澤大臣の御答弁ですが、ちょっと思い起こすために、これは、この委員会のさきの国会の最終日というか、最後の委員会だったと思いますが、繰り返させていただきます。
これは柳澤大臣のお言葉ですが、要は、私は、ペイオフというのは構造改革のための施策で、これは非常にある意味で大きくきくと思っているわけです、これはもう本当に、金融機関にとっては最大の緊張、今までに比べれば最大の緊張をしなければならない、自分が預貯金者の信頼を得られないということになったら、点々点々と続いて、したがって、私は、かなり強烈な構造改革を強いる道具というか動機になっているんだろうと思いますという御答弁なんですね。
道具で、動機で、重要で、そして延期するというのはなぜでありましょうか。お願いします。
○竹中国務大臣 これは、柳澤大臣として非常に強い思い入れを持ってこれまでの政策を推進してこられたというふうに、私も強く感じ入っております。柳澤大臣のその点での御指摘は、やはりこれは金融機関に、先ほどから私が申し上げている、一つのガバナンスといいますか、経営の主体性を持ってしっかりとガバナンスを発揮してもらうということが必要だということなのだと思います。そのための一つの手段として、ペイオフというのは大変重要であるという御趣旨の発言であったかと思います。
ガバナンスの強化というのは、その意味で、思いは同じでございます。ただ、何度も申し上げましたけれども、このガバナンス、資産査定、自己資本、一体として強化をする中で、不安を避け混乱を避けるために、今回、私の判断として、ペイオフを二年間延期させていただいたということでございます。
○阿部委員 実はそれでは、先ほど来何人かの委員も御指摘のように、答えになっておらぬのだと思いますね。今一番必要なことはガバナンスだとおっしゃいまして、そしてその場合に、責任ということですね、自己規律とか、そういう観点から柳澤大臣、確たる御答弁だったと思います。
そこを変えていかれるのであれば、これもまた説明責任ですから、きちんと説明をされて、あいまいにしないで方針を、しかしながら、よくよく検討したところ、かくかく部分に問題が残り、これあり、今の時局下で不良債権処理をまず優先して、しかるべき後にペイオフの解禁をやるんだというふうにわかりやすくメッセージしていただかないと、それこそ、ふにゃふにゃふにゃといって言い逃れてというのでは、一番悪い前例になると私は思いますので。
私は、柳澤大臣も深く尊敬しております。そして、何度もこの件でやりました分だけ思い入れが強うございますので、竹中新大臣にあっても信念を持ってきちんと答弁をしていただけますようにお願い申し上げて、終わらせていただきます。
第155回国会 国会活動コーナーに戻る 阿部知子のホームページに戻る