第155回国会 財務金融委員会 第8号(2002/11/19) 抜粋 ○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。外ももう真っ暗になりましたし、皆さんも長時間の審議でお疲れと思いますが、最後の質問ですので、よろしくお願い申し上げます。
この二法案をめぐって計三回の審議が行われましたが、私にとりまして、いまだに、なぜ政府がきちんとした説明責任も伴わずペイオフ解禁の延期を実施されるかということが、今もって判明いたしません。このままでは、銀行はよくて金庫だという、ただお金をそこに閉じ込めておくだけのものになるのではないかという不安を抱きますが、きょうはもう、その件は何度も聞きましたので、政府提案については質疑いたしませんで、民主党の出されました修正案について質疑をまず冒頭させていただきます。
この修正案では、決済性預金、こうしたものをまずつくっても、つくる労力もむだであるし、つくることによって、そこにまたある資金の動きをとめてしまうということもあって、二重に問題が大きいという御指摘が海江田委員からもありましたし、私もその点はそう思います。
そこで、その点に関しては民主党の修正案を評価いたしたいのですが、このペイオフ解禁の一年延期というふうな法案になってございますが、提案の理由を読みますと、民主党金融再生ファイナルプランを直ちに実行することです、しかし、その間、一年間程度の時間を要するというのであれば、ペイオフを再延期するのもやむを得ない。この部分は、読みましても、申しわけありませんが、実際にどのようなことを語っておられるのか。
例えば、一年間でこのさまざまなペイオフに向けた段階が準備できるとされる客観的な証拠と申しますか、客観的な部分はどうお考えかということで、提案者から御意見を伺いたいと思います。
○五十嵐委員 お答えをいたします。
大事なことは、これは金融システムを早く健全化するということなんですね。何よりもスピードが大事だ。そのスピードを怠れば、貸しはがしがその間に起きてしまう。いわば執行猶予期間なんですね。執行猶予期間というのは、法律上もそうなんですが、判決で執行猶予が長いと、これは罪が深いんです。一年ぐらいの間に健全化をするということが大切だと思います。
私どもは、金融再生ファイナルプランで金融危機を認定して、私どもが提案をしてきた民主党案の金融再生法そして早期健全化法を復活させて、強制的な注入、厳格な査定を直ちに行って強制注入を行う。そして、十分な引き当てを積ませて健全性を早く取り戻す。健全性が早く取り戻されれば、これは貸しはがしがなくなるわけですね。その後も速やかに再民営化を行って、そして健全な、中小企業にもお金を貸せる銀行システムを取り戻すということが必要だ、何しろスピードが大切だということを申し上げております。
韓国の場合でも、一年半足らずの間にあのIMF管理から立ち直って、金融が立ち直りました。韓国で一年半以内でできることを日本で一年でできないことはない、こう思っている次第でございます。
○阿部委員 では、引き続いて、そのような趣旨は十分理解した上で、踏まえて、この論議がずっと続けられてきました中で、果たしてそのように全体が動いておるかというと、思いは私も五十嵐委員とそうは変わらないと思うんです。そして現実判断をしたときに、現実的整合性はどうか。
これは、審議が重なってまいりましたから、この時点で出る修正案といたしましては、例えば当初案であれば私も了解いたしますが、いろいろな審議をする中で、例えば竹中大臣のおっしゃることにも、与党内でも賛否両論があり、財政的な裏づけもまだまだであり、論議は失礼ながら迷走しておる。
その中で、現実的にこの修正案、どのような意味をお持ちか、この一点もお願いいたします。
○五十嵐委員 お答えいたします。
確かにおっしゃるとおり、悩ましいところでもありますし、今の政府のやり方をそのまま続ければ、私は二年でも怪しいと実は思っているわけですが、問題先送りが続いて、金融システム不安はそのまま継続され、そして貸しはがしもますますひどくなるんだろう。最悪の選択だと思っていまして、先ほど執行猶予期間と言いましたけれども、執行猶予を切らなかったら、逆にこれはずるずると、こうした悪化、問題の先送りが続いてしまうだろう、私はこう思っている次第でございます。
では、民主党が提案している金融再生ファイナルプランが直ちに実行できるのか、こういうお話だと思うんですが、それは政権交代しかございません。政権交代が実現されれば、これは私どもは一年以内にやってみせるということでございます。
○阿部委員 私どもとて、野党筆頭の民主党に一日も早い政権交代を実現していただきたいと思いますが、現実の政治の動きですから、お互いに頑張りたいと思います。
ここで、極めて現実に戻りまして、塩川財務大臣にお伺いいたします。
先般の総合デフレ対策というところで打ち出されました五兆円程度の補正予算ということについてのお伺いですが、総合デフレ対策にも、最も大切な部分はいわゆるセーフティーネットの充実、先ほど来審議されております中小企業のいろいろな支援策と同時に、もう一歩雇用の問題。失業率もずっと高どまりでございますし、それから、これから不良債権処理が行われた場合に、経済産業省試算ではさらに三十万から五十万、また坂口厚生労働大臣も、三十万からの失業が増大、実質、率にして〇・八%増大するのではないかと言われております。
塩川大臣にあられては、この補正予算の中で雇用対策というところ、私自身はそこにウエートを置くべき、特に今高校生の新卒が、この間有効な、実質に就労に結びつくような方が三人に一人、北海道では十人に一人という数値になっており、幾ら塩川大臣が若い者に夢を持て、夢を持てと言っても、職がなくては夢も持てないと思いますので、雇用対策というところを本当に充実していただきたいと存じますが、お考えと御決意のほどを伺いたいと思います。
○塩川国務大臣 ちょうど昨年の九月でございますが、第一次補正予算をいたしましたときは、重点を雇用対策に置きまして予算を編成いたしまして、あの当時で一兆数千億ぐらいの事業規模だったかと思っておりますが、いたしました。
それで、今回も、不良資産の整理が加速されるということになるならば、雇用対策、それから中小企業対策に十分な措置を講じなきゃならぬと認識しております。
したがって、近く十四年度補正予算を計上しなければならないのではないかという判断を持っておりますけれども、その際には、ただ税収の不足を補うというだけではなくして、雇用対策と中小企業対策を兼ねたセーフティーネットにも十分な配慮もいたしたいと思っております。
○阿部委員 本当の意味で、ぜひとも日本の次の世代を支える若い人たちの現状をお考えいただき、手厚い雇用政策をお考えいただければと思います。
次の質問ですが、先ほど塩川大臣は、御自身の経験から、銀行の、さまざまな都銀、地銀、信金、信組の方々が、一人当たり行員がどれくらいの労働生産性があるかというお話をされておりまして、おもしろいなと思って伺っておりましたが、私が本日問題にしたいのは、いわゆる国税職員、マル査の女ならぬマル査の男、女もいるでしょうが、その国税の職員の問題でございます。
まず実態についてですが、国税、ことし税収減でございますが、滞納状況について、法人税並びに消費税に関しまして、担当部局の御答弁をいただきます。
○立川政府参考人 ただいまお尋ねのありましたここ数年の滞納の状況についてお答えいたします。
滞納がバブル崩壊以降増加傾向にありましたため、国税庁といたしましては、平成十一年度以降、組織を挙げて、滞納発生の未然防止と滞納整理の促進に努めてきたところであります。
滞納整理中のものの額、いわゆる残高でございますが、これは平成十年度末の二兆八千百四十九億円をピークといたしまして、平成十一年度以降、三年連続で減少を続けております。平成十三年度末では二兆四千八百四十二億円となっております。
○阿部委員 ただいま御答弁をいただきましたように、確かに滞納額は年々少しずつ減少しておりますが、現在でも二兆四千八百四十二億円。平成四年度がおよそ二兆円ですので、せめてそのレベルまで下げることができれば、逆に税収としても五千億の増収になるというふうに考えます。
そして、そのためには、やはり現在滞納している方、あるいは法人税で不正な申告をしている方等々を調査するための税務職員の増員ということも私は当然必要となってくると思うのです。今は、課税サイドでいろいろ働く職員が、税収サイド、徴税というんでしょうか、実際に税収を催促に行くような方にまで手を広げて兼務しなければならない状態で業務が行われているということで、実際にチェックを受ける法人も、二十三年に一回しかチェックを受けないような状態が引き続いておるということです。
法人実調率四・三%まで下がっているということですので、ここは先ほどの一人の職員の労働生産性ということを考えました場合に、ぜひとも国税職員のしかるべく増員、今インターネット時代で、これから申告制になろうかというときに、税をめぐる業務は多様化しておりますので、財務担当大臣としてのお考えと御決意、それから御配慮のほどを、私は恐縮ですが大臣にいただきたいので、一言で結構です、よろしくお願いします。
○塩川国務大臣 いい提案をいただきましたので、これをぜひ省内に持ち帰って、阿部先生からこういう質問があったからどうするかということの相談をいたします。
○阿部委員 相談じゃなくても前向きに、これは大臣、どこから、やはり国民が公平性、公正性で税を納めて成り立っていい国ですから、よろしくお願いいたします。
最後に、竹中金融担当大臣にお願いいたします。
この間、不良債権処理か景気対策か、右か左かとやってきましたが、実はその真ん中に、あんこの部分に産業再生あるいは産業創造の部分があるということは、これまで何回かの質疑で大臣もおっしゃっておられました。
私は、この間の地域金融機関の合併、適正サイズという問題と同時に、金融と地域の雇用と産業再生が連動して回っていく仕組みということについて、大臣がどうお考えか、この一点だけお伺いして、終わりたいと思っております。
○竹中国務大臣 地域の中で、そうした金融と産業の活性化、それを実行する主体という一つの重要な役割は、私はやはり地域の金融機関であろうかというふうに思います。地域の金融機関はそうした役割をこれまでも果たしてきましたし、そこに特区とか新しい刺激が加わりまして、委員御指摘のような活性化が進んでいくということを期待しているわけでございます。
○阿部委員 小泉政権になりましてから、需給ギャップも三十兆と、極めて異様な数値でございますので、今おっしゃられた観点から、さらに地域の産業の活性化に向けて御尽力いただきたいと思います。
ありがとうございます。
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