第156回国会 法務委員会 第30号(2003/07/08) 抜粋

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阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 冒頭、先ほどの木島委員の御質疑でも指摘されるように、この法案にまつわってたくさんの献金、疑惑だけでなくて実際に献金が行われて、金で買われた法案ではないかという指摘すらある中で、本日、実は、私のお部屋を介して何人かの障害団体の方々が傍聴を申し入れました。しかるに、前回の採択の折に騒いだ、あるいはこの審議を黙って聞いていることができなかったというゆえをもって、何名かの方の傍聴はかないませんでした。一方は、法案を推進しようとする側は、金を打てば、大臣、副大臣、もしかして動く。一方で、反対の意見を持つ者は、もちろんこの審議の席で不要に混乱を来すはいいこととは思いませんが、やむにやまれぬ、お金が出せない、だから声を出しているかもしれないわけです。

 そういう中で論じられているこの法案に、私はまず、本来であれば木村副大臣に実はお答えいただく資格がないと思っておりますが、しかしながら、この委員会が法務委員会であり、御出席が木村副大臣でありますので、幾つかの質疑をさせていただきます。

 まず一点、木村副大臣は、副大臣になられてから、大臣並びに副大臣、政務官規範というものを一番最初に読まれたのはいつでしょうか。

木村副大臣 もちろん、定かな日にちは記憶してございませんけれども、なって、官邸に副大臣が集まるんですね。その場でもってその資料が配付されたわけでございます。ですから、そのときに拝見をさせていただきました。

阿部委員 副大臣は政治資金規正法にのっとって正しく処理をしておるという御答弁が多いわけですが、委員会でいろいろな質疑が出て、副大臣は近々、この法案の審議中に、この大臣、副大臣の服務規定を読み返されましたでしょうか。

木村副大臣 全部記憶はしておりませんけれども、何回か見たことは事実でございます。

阿部委員 そうであれば記憶がよみがえると思いますので、お尋ねいたしますが、この国務大臣、副大臣、政務官の規範の中の六番目、1の(6)でございますが、これは、1は「国務大臣、副大臣及び大臣政務官の服務等」と書いてございます中の六番目、「関係業者との接触等」という一項がございます。この場合、この法案に関しては、関係業者とは日精協も含めて関連の業界団体をいうのだと思いますが、「関係業者との接触に当たっては、供応接待を受けること、職務に関連して贈り物や便宜供与を受けること等であって国民の疑惑を招くような行為をしてはならない。」という一項がございますが、御存じでしょうか。

木村副大臣 存じ上げております。

阿部委員 そうしましたら、先ほど木島委員がお取り上げの件に再度戻らせていただきますが、副大臣は十一月五日の日、日精協の大会で本法案の早期成立を期しての御発言をなさいました。一つ、これは職務でしょうか。

木村副大臣 御指摘の集会は、主催者側から私の個人事務所、議員会館の方に出席依頼がなされたものでございまして、これは衆議院議員の立場で政務として出席をさせていただきました。普通、こういう場合には、大体大臣に出席要請の状が来るんです。大臣が国会答弁とかで行けない場合に私に回ってくるという場面が多々あるわけでございますけれども、今回はそういう場面と違うわけでございまして、今申し上げましたように、私の方の個人事務所の方に出席依頼がなされたわけでございますので、政務として出席し、ごあいさつをさせていただきました。

阿部委員 二つ問題があると思います。

 まず、今、これは参議院でも、たしか木村副大臣、御答弁だったと思いますが、自分は副大臣として行ったんじゃなくて、一人の政治家として行ったんだと。しかし、このことでは既に参議院で反論がございまして、副大臣として紹介され、御発言がありました。ここで言う大臣、副大臣服務規定とは、もちろん一人の政治家でありますが、同時に、お役職をいただいた場合にそのことは自分とは切って切り離せない、だからこそさまざまな行動において注意をするようにという趣旨であると思います。

 そして、副大臣として御紹介されて、激励のお言葉を述べられましたが、御記憶ございますか。

木村副大臣 そのとき、私も衆議院議員木村義雄としてお話しさせていただいているんじゃないかと思います。

阿部委員 そこはテープがとってあるわけではございませんので、私どもの入手した情報ではそうなってございますが、あえてこの場でこれ以上詰めさせていただきません。

 そして二点目、副大臣は、この件に関してはだれから依頼を受けたか大変よく覚えておられます。しかしながら、その翌日、副大臣の事務所が受け取られたお金に関しては、先ほど来木島委員が御質疑でございましたが、だれが受けたか、まずお答えください。だれが、秘書の名前まで。

木村副大臣 先ほど申しましたように、そういう御質問はきょう初めてなんですよ、本当に。ですから、そして、何回も申しますが、政治資金規正報告書には、何時に受け取って、どこでとか、だれが受け取ったかというのは書いてございませんものですから、その範囲内でちゃんとこれは規正報告書に載せていただいて、報告をさせていただいたところでございます。

阿部委員 委員長にお願いがございます。

 これはもう先ほどの木島委員の質疑と堂々めぐりです。私どもは、だれがお受け取りになったか、このことを伺いますのは、政治家と秘書は切っても切り離せない、このことはもうずっとこの間明らかになっていることです。そして、副大臣であれば、当然どのようなお金をいただかれたかをある受け取った秘書に聞かなければ、例えば日精協の政治連盟から受け取ったものであるか日精協から受け取ったものであるかも判明しないわけです。

 それで、副大臣は繰り返し日精協政治連盟から受け取ったとおっしゃっておられます。では、そのことを誰何、問いただした秘書の名前、そしてお金を受け取った秘書の名前をお聞きしているので、それが政治倫理規正法に書いてあるか書いてないかではなくて、事実でお答えをいただけるよう委員長からお願いします、御指導。

山本委員長 木村副大臣、もう一度正確に御答弁ください。

木村副大臣 先ほどから何回も、木島委員の御質問にもお答えをさせていただいているわけでございますけれども、私が記憶できる範囲でお答えをさせていただいたところは、残念ながら私自身がその場に居合わせなかったものでございますので、私自身は受け取っておりません。ですから、その場の状況を克明に御報告申し上げることができないわけでございます。

 そして、この一連の御質問等がありましたので、その収支報告書にどういうような形で載せているのか、どういうような時点を指しているのかと言っておりましたら、それは政治連盟からこの日付で献金をいただきましたという報告を受けたわけでございます。

阿部委員 委員長、今お聞きになって、私の質問への答弁になっていません。どなたがお受け取りになったか、私は、副大臣であれば当然確認すべきだと思います。

 お金の授受をめぐって今疑義が生じているわけです。だれがお受け取りになったか、このだれがということと、副大臣が、政治連盟から受け取ったということをだれに聞いたかと、私は単純な二つしか聞いていません。この御答弁がいただけなければ、私は質問を続けることができません。よろしく御采配ください。

山本委員長 木村副大臣、もう一度御答弁ください。

木村副大臣 今申し上げましたように、私はまず、現場にいなかったわけでございます。そして、これはきょう初めてそのような御質問をいただいたわけでございますし、何度も申しますけれども、政治資金規正報告書に、だれが受け取って、いつ、場所はどこだと、日にちはありますけれども、そういうことはないわけでございます。そして、この一連の国会の審議の中で、この献金はどこから受け取ったかとかいう、そういういろいろな御質問がございましたので、そこは政治連盟から受け取った、そういうような御答弁をさせていただいたわけでございます。

阿部委員 何度も恐縮ですが、どこから受け取ったかをだれに聞いたかと聞いているんです。そんなことは質問通告していないから答えられないんじゃなくて、当然、これだけ論議になれば、副大臣は身の潔白をきちんとなさるために誰何なさったと思うんです、お尋ねになったと思うのです。だれに尋ねましたか。

 その答弁がいただけないなら、もちろん本日の採決も、これは全部審議の前提が狂ってまいります。本当に誠実に私もお尋ね申し上げています。

 だれにお聞きになりましたか。あるいは、お金はだれが受け取られましたか。政治家と秘書をめぐる疑惑がこれだけある中で、副大臣ともあろう者がその一点をはっきりさせない、答えられないとあれば、既にその任にないと思いますが、私は、委員長にお願いいたします。きちんと理事会で裁いていただいて、副大臣からの答弁をいただきたいと思います。

木村副大臣 ですから、まず、何回もお話しさせていただいておりますけれども、私はその現場におりませんものでしたから、その正確な状況を十分に把握していないわけでございます。

 そして、きょう初めてこれは御質問をいただいたわけでございまして、特定の名前を挙げろと言われたって、それは急に言われても、昨年の話でございますので、それ以上十分に、それは断定たることは言えません。

 それから、今回のこの質問に関しまして、だれにそれを聞いたかというのは、一連の、事務所の中でとか、やりとりをしていますから、そういう中で、これはこういう形で献金を受けたという話があったので、すぐに、それがだれかと言われても、秘書の中の一人であろうということは十分わかるわけであります。それをまた何で特定の名前まで、そこのだれとだれと話したということまで聞かれても、直ちにそれが正確な答弁になるとはとても思われないわけでございます。

阿部委員 今のはとても答弁にはなっていませんし、御答弁がいただけるまでこの場所で座らせていただきますから。

山本委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

山本委員長 速記を起こしてください。

 木村副大臣。

木村副大臣 今確認いたしましたところ、今部屋にいる秘書はよく覚えていない、こういうことでございました。

阿部委員 お金をお受け取りになったのは確かなんですよね、秘書が。確かですか。お答え、うなずきじゃなくて、秘書がお受け取りになったのは確かだけれども、だれがもらったか覚えていない。

木村副大臣 いずれにいたしましても、今秘書がいる、今部屋にいる秘書に、電話で出た秘書に問い合わせましたところ、そのときの事情をよく覚えていないと。地元にもう戻っている秘書もありますから、その辺も含めて、全部に聞いているわけじゃもちろんございませんけれども、今いる秘書に聞きましたところ、そのときのいきさつをよく覚えていない、こういうことでございます。ただ、突然のことでございますので、秘書の方も戸惑った声をしておりました。

阿部委員 突然ではなくて、参議院でも同じような質疑がありましたし、そのとき木村副大臣は、お部屋で秘書を、それなりの責任のある秘書を集めて、あるいはお尋ねにならなかったんですか。まだそこまでも確認されていないのですか。

木村副大臣 先ほどから何遍も答弁させていただいているわけでございますけれども、当時、何時に、どこで、だれが受け取ったかという御質問はきょう初めてでございまして、その辺は私も問いただしておりません。

 ただ、先ほどから何回も申しておりますけれども、政治連盟から受け取った、これこれの金額をこれこれの日にちに受け取ったという報告はございましたので、それはもう誠実にこの委員会において答弁をさせていただいたところでございます。

阿部委員 法案が審議中でもあり、副大臣というお役職にもあり、そのときにもしも秘書が受け取ったものであっても、不適切か否かという判断だってしなきゃいけないお立場に副大臣はあるわけです。

 そこで、私は副大臣の服務規定を読みましたが、職務に関連しての贈り物になるやもしれませんよね、職務に関連しての贈り物。前日、日精協の大会で御発言、翌日お金をいただく、職務に関連しての贈り物になるのではないか。大臣としてその感覚は全くないのですか、それから秘書団もそのような認識に立っていないのですか。お願いします。

木村副大臣 政治献金は政治家の活動として法律上認められているものでございます。日精協からの政治献金につきましても、他の政治献金と同様に、通常の政治献金として受け取るとともに、政治資金規正法に基づき適正に処理をしているところでございます。

 私は、副大臣といたしまして公共の利益のために職務を遂行しており、今先生が御指摘のように、大臣、副大臣、政務官規約にのっとりまして職務を遂行させていただいているところでございまして、決して一部の利益のために影響力を行使したことなど断じてなく、今後ともあり得ないわけでございます。

阿部委員 副大臣、本当に真正面に答えてくださいな。今私の聞いたことに全く一言も答えていないで、余分なことばかり壊れたテープレコーダーのようにおっしゃいます。私は、これは職務に関連して贈り物になるやもしれないとお思いにもならなかったのか、あるいは秘書団にその認識はなかったのか、これをお尋ね申しました。

 委員長、私は、さっきから繰り返し、私の質問と副大臣の答弁が全くすれ違う、きちんと答弁していただけない、そして、私の持ち時間が過ぎ、採択に移るということは到底納得できないのです。

 そして、現在これが贈収賄で告発、告訴が進められているという、これは別問題としても、私は、副大臣、服務規定にのっとってその認識があるかを問うたのですから、最後に明確な答弁をお願いします。

木村副大臣 先ほどから何回も御答弁させていただいているのでございます。政治献金は政治家の活動として法律上は認められているものであります。日精協……(阿部委員「聞いていないのです。きちっと委員長、仕切ってください」と呼ぶ)ここから聞いてください、ここから。もう一遍言いますよ。日精協からの政治献金につきましても、他の政治献金と同様に通常の政治献金として受け取るとともに、政治資金規正法に基づいて適正に処理をいたしているところでございます。

阿部委員 職務に関連しての贈り物か否かをお尋ねしています。

木村副大臣 通常の政治献金として処理をしているところでございます。

阿部委員 きちんと答弁していただきたいと思います。

 職務に関連しての贈り物かと聞いています。

木村副大臣 ですから、通常の政治献金として処理をいたしているところでございますと答弁をさせていただいたところでございます。

阿部委員 服務規定ということも守られず、そして、先ほど申しましたように、金で買われた、献金で成り立つ法案かもしれない。九月になれば、この報告書が出た中で、またさまざまな議員への献金も明らかになるやもしれません。私としては、本日の採択が極めて不適切である、まだまだ事実も明らかにされていないということを申し添えて、終わらせていただきます。

【中略】

阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表し、政府提出の心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案に対して、反対の立場から討論を行います。

 本法案は、我が国の精神医療政策の誤謬を余すところなく露呈する、そして、今後もその誤りをさらに推し進める著しい悪法であると思います。

 百年以上の昔、精神医療の先駆者呉秀三の指摘にあるごとく、我が国の精神障害者は、徹底した差別と隔離政策を強いられてきました。そして、病を得た以上に我が国に生まれた不幸を強く呉秀三は指摘しておりましたが、障害者が人として生きるための精神医療を求め、また苦闘も続けてまいりました。

 しかしながら、精神障害者への無理解からくる差別と入院中心の隔離政策は今日に至るまで連綿と続いており、それに加えて、医療経営上の必要から入院はさらに長期化し、地域への復帰は遅々として進んでおりません。

 その中にあって、精神の障害ゆえに重大な過失を犯してしまった人々への濃厚な治療をうたった本法案は、本質的には、治療の名による隔離、保安処分と何ら変わるところがありません。

 また、この法案を強力に推し進めた日本精神科病院協会は、民間の精神病院として、我が国の入院患者の九割を受け入れています。他の精神医療にかかわる諸団体がこぞって反対する中、強力な資金力、献金攻めでこの法案が生まれようとしていることは、精神障害者の圧殺の上に政治が成り立つという本当に恥ずべき我が国の現状です。

 今なすべきは、まず、七万二千人と言われる社会的入院の解消と、精神障害ゆえに犯罪を犯すかもしれないという偏見のまなざしを向けられた障害者に対しての社会的な差別の解消であると思います。

 本法案は、その趣旨に真っ向から対立するものであり、衆参両院での強行あるいはだまし討ち採決をも含めて、立法府のあり方をも侮辱するものです。

 私ども社会民主党は、本法案に反対し、精神医療の充実と障害者の人権の確立のためにさらに全力を尽くすことを申し述べて、反対討論といたします。(拍手)

山本委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

山本委員長 これより採決に入ります。

 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

山本委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

山本委員長 次回は、明九日水曜日午前九時三十分理事会、午前九時四十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

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