第156回国会 イラク人道復興支援並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会 第4号(2003/06/27) 抜粋

議事録全文(衆議院のサイト)
ビデオ(衆議院のサイト)

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 この場所で質問をさせていただく機会を得ますと、ちょうど二月の中旬でしたか、そこにおられます川口外務大臣に、当時まだアメリカはイラク攻撃を行っておりませんで、国際社会は、核査察も含めた大量破壊兵器の査察が成功裏におさまり、何とか戦闘が開戦されないようにという祈るような気持ちで刻一刻と事態を見守っていた当時のことを思い出しますが、非常に残念なことに、結果的にはイラクへの攻撃が行われて、そして現段階でこの法案の審議、私は、前提といたしまして、果たしてこの戦争は根拠があったのだろうか、正当性はあったのだろうかということを、まずもって、ぜひとも川口大臣と論議したいと思います。

 と申しますのは、川口大臣、先ほどおっしゃいました、さまざまな国連決議に基づいて、なおかつ、いろいろな各国の動向も見きわめて、我が国として主体的に判断して、このイラクの大量破壊兵器問題、そして戦闘という行為でなくてはそれが処理できないというふうに主体的に判断したんだということを中塚委員の御答弁に繰り返し述べておられました。

 そこで、お伺いいたしますが、川口大臣は、現在、例えばアメリカにおいては、この大量破壊兵器の存在ということでCIAが提出しております報告書が、既に昨年の暮れ、現在、あるいはアメリカが開戦の根拠といたしましたような大量破壊兵器の存在というものを必ずしも肯定するものではなかったゆえに、アメリカ議会では調査委員会を設けて、そして調査委員会の結果によっては公聴会も開かれようとしている状況を御存じでしょうか。一点目です。

川口国務大臣 今、米国及び英国で、根拠あるいは大量破壊兵器の有無についての見方、情報に関する議論が議会で行われているということは承知をいたしております。民主主義の国家アメリカ、透明性をたっとぶ国アメリカとして、イギリスもそうですけれども、そういうことは当然に行われているということだと思います。

阿部委員 今大臣がお述べいただきましたイギリスでは、外務大臣、川口外務大臣と同じようなお立場にある外務大臣が、当時イギリスがブレア首相のもとに報告書として用いた文章に、一部、十年前のアメリカの大学院の学生の論文を引用して、核兵器の存在について虚偽の記載も含めてしてしまった、そのことについて自己批判的な総括をされているということも御存じでしょうか。イギリスです。

川口国務大臣 イギリスについて、ジャック・ストロー外務大臣が言ったということは承知をしております。

 それの内容は、それを引用したときに出典を明らかにしなかったということであるということで理解をいたしております。

阿部委員 出典を明らかにせず、その文章自身が十年前のものであれば、当然、事態の把握、違ってくると思います。

 アメリカはCIAの報告書をめぐって、イギリスでも同じように政府が用いた報告書をめぐって、そしてもう一つ、スペインでも同じように、スペインの諜報機関に当たりますところのCNIの報道が、既に二月の五日段階で、大量破壊兵器については必ずしもミサイル開発につながるようなもの等々に至らないというような報告も上げていた。

 そうなりますと、このイラク攻撃に積極的に賛成したアメリカ、イギリス、スペインが、おのおのの国の中で、民主的であるがゆえに論議が起きていると考えられると思います、先ほど川口大臣、わざわざ民主的とお使いくださいましたから。であれば、民主国家日本は、大臣は主体的に判断してこの戦争を支持したとおっしゃいますが、果たしてこの大量破壊兵器の存在、国連の査察団の報告等々、今改めて検証し直す必要性についてのお考えをお教えください。

川口国務大臣 イラクにおいて大量破壊兵器が実際に使われたということは事実としてあるわけです。それから、それ以来、イラクの政府が国連の査察団に対して妨害をしたり、あるいはきちんと対応をしなかったりということをやってきまして、そして最後は、査察団の活動を認めなかったという事実があるわけです。

 そして、そういったイラクが疑惑を持たれているということに対して、一四四一で、国際社会は一致して、これを明らかにするように求め、それをするための最後の機会を与え、そしていろいろな圧力もかけたわけですけれども、それにもかかわらず、イラクは、積極的に無条件で応ずるということをしなかった。最後の段階になって初めて、圧力のもとで小出しにしたということであるわけです。

 大量破壊兵器がイラクに存在をしない、あるいは破壊をしたとしたら、その証拠を国際社会に提出をして、国際社会の疑念、疑惑、これを晴らすのはイラクがやらなければいけなかったことでありまして、イラクがたび重なる国連の決議に違反をしたということから、国際社会として、一四四一、六八七、六七八という一連の関連の決議のもとで、武力行使のやむなきに至った。そして日本は、英米がそれを行った、そのときに、日本としては平和的に解決ができなかったのは非常に残念でありますけれども、それを支持したということであります。

 したがって、武力行使についての、国連の決議のもとに行われた武力行使ということですから、国際法的な正当性を持っているというふうに考えております。

 それで、大量破壊兵器につきましては、今イラクにおいて、千人を超える人を投入し、捜索をし、分析をしということをやっているわけです。我が国として、そういった捜索活動の動向を注視していきたいというふうに考えております。

阿部委員 恐縮ですが、時間の関係で、今の御答弁の前半の部分はテープレコーダーの繰り返しですから、申しわけありませんが、この開戦に至った後のことを私は伺いましたので、大変恐縮ですが、要領を得てお答えいただきたいと思います。

 千人の方からの情報聴取中であるということと、私が伺いましたのは、この国会として、民主主義のこの国会として、やはり我が国が賛成し支援した戦争の正当性について、いま一度きちんとした、公聴会を開くなり自己点検をするなりする仕組みをお考えではないかということでありました。しかしながら、今いただいた御答弁は、千人の方の調査団の結果を聞くと。あるいは、大臣はかつては、アメリカのブッシュ大統領の意見を聞き、これを主体的に判断して同調したと。

 しかし、常に問われるのは、おのれであります、我が国の判断であります。そのためには、我が国ができるだけ情報を集めて、主体的に判断できるための方策が必要でございますが、ここでお伺いをいたしたいのは茂木副大臣でございます。最終的に――おいででございますか。(茂木副大臣「います」と呼ぶ)済みません。

 イラクに行かれまして、この査察問題で、副大臣は国連の査察広報官の方などにはお会いになられましたでしょうか。もしお会いになったとしたら、日時、そのとき得られた情報、もちろん開戦前ですが、お教えください。

茂木副大臣 私、三月の一日にイラクの方に出発しておりまして、現地でタリク・アジズ副首相と、当時のイラクのこの大量破壊兵器の問題につきまして、即時、無条件、無制限での協力、これを強く申し入れたわけでありますが、当日、日本を出ます前に、ニューヨークにおりましたUNMOVICのブリクス委員長と電話でお話をしております。

 そこの中で、ブリクス委員長が申しておりましたことをかいつまんで申し上げますと、イラクがあのときたしか、アルサムード2のミサイルを廃棄する、こういうことを言ったわけでありまして、この原則合意は有意義だ、ただ、イラクには依然VXガス、化学兵器、炭疽菌等の多くの疑惑が残っていて、ほかの問題の重要性がこのアルサムード2の受け入れによって減殺されることはない、こういうふうに言っておりました。

 それから、私が、以前のUNSCOMでは百のまだ未解決の項目があったんだけれども、UNMOVICでは三十になっているけれども、どういうことだと聞きましたら、いや、百を三十にまとめたので、以前の百がそのまま残っているという事実自体は、くくり方を変えただけだ、こういう話をしておりました。それが当時の状況であります。

 なお、今大臣の方からございましたけれども、国会におきましてどういった形で検証するかにつきまして、外務省として、国会の運営に立ち入ってどうすべきだと言う立場にはない、こんなふうには考えております。

阿部委員 外務省として立場にないなら、主体的に判断してこの戦争を支持したということも……(茂木副大臣「議会の運営について」と呼ぶ)立場にないと思います。国会の運営については、そのことが国会として検証されなければ、やはり、川口大臣がおっしゃいました、民主主義的でないんですね。

 私は、ぜひとも副大臣には現地で、国連のこのUNMOVICの調査団の広報官である方たちにも会っていただきたかったです。

 と申しますのは、私自身、去年の十二月イラクに参りまして、現実に査察に入っている方々の意見も聞きながら、そして、UNSCOMの時代からUNMOVICにかわっての変化の点も十二分に伺ってきました。そういうことが、ただ百から三十になっただけだと短絡的に述べられたのでは、あの査察団が本当に苦労の中、現実に何とか平和裏に解決しようと思っていたその心が伝わってこないと思います。

 そして、今もし日本が、私は、国内的な論議と、もう一方、やはり国際社会において、この核査察ということ、先ほど千人規模で今調査団が入っているという川口大臣のお言葉でしたが、それがいわゆる大量破壊兵器の国際的な査察というふうにみなし得るものなのかどうか。その判断を、申しわけございません、川口大臣でお願いいたします、おわかりであれば。

茂木副大臣 前段の部分で、イラクでどうして会ってこなかったかという話でありますが、責任者がニューヨークにいましたのでニューヨークと話したと。それから、現地にいましたのは、植木報道官がおりましたので、直接、現地では植木報道官とも会っております。随分査察で苦労されている、そういう話をしておりました。

川口国務大臣 国際的なという意味がどういう意味かよくわかりませんけれども、今、米英豪等が大量破壊兵器については捜索活動をしているというのは先ほど申し上げたとおりでございます。

 ブッシュ大統領は、これはある、見つかるまで時間をかけて捜すということを言っているわけで、日本の一・二倍ある国土ですから、隠すのは簡単でも、それを捜すということは非常に難しいということはおわかりいただけると思います。我が国としては、その動向を見守っていきたいと思っています。

阿部委員 私は、これだけ疲弊した国土に、今さら大量破壊兵器の査察というような、現実に生きていくための、人々が生きていくために前向きになるかどうかわからないことを、しかしながら、あえて非常にフェアな形でやらなくちゃいけないと思うのです。

 理由は、今川口大臣は米英豪だとおっしゃいましたが、国連の核査察の、かつてのUNSCOMが、逆に言えば、米国の干渉が過多であるということで一たんは中止され、UNMOVICという形で、より国籍を離れて核査察に入るという人々によって担われたという経緯があるわけです。事実を見ていくときに、どこの国にもなるべく不党不偏であれというのが国連の原則であると思います。今の川口大臣の立場では、米英豪がやっておると。では、あなたは、その情報でしか動けないじゃないですか。

 やはり、もしあなたがおっしゃったように、大量破壊兵器こそ一番の問題である、これを無前提、無条件、即刻、あなたは何回も何回も何回もそうおっしゃいました。その言葉の責任をとるのであれば、そのことが本当に、今、アメリカが言ったことが本当かどうかわからないから、米国議会でもめているわけです。イギリスが言ったことも捏造かもしれないから、イギリスの議会でもめているわけです。スペインも同じです。その国際社会にあって、日本はもう一度、核兵器の廃絶も含めて、大量破壊兵器まかりならぬという立場を鮮明にするなら、それだけの国際的な呼びかけ、流れをつくっても私は当然だと思います。

 今、外務大臣は、では果たして大量破壊兵器の存在についての情報をどこから得られるのですか、教えてください。

川口国務大臣 英米豪が今捜索活動をしているということを申しましたけれども、国連との関係では、これは、一四八三においてこのことについては触れられておりまして、これは主文のパラ十一ですけれども、イラクがその武装解除の義務を果たさなければならないことを再確認し、イギリスとアメリカに対し、この点に関するみずからの活動を安保理に報告するよう慫慂し、あとちょっと飛ばしますけれども、幾つかの決議、一四四一、六八七云々と書いてありますが、に規定される国連監視検証査察委員会、UNMOVICですが、及びIAEAの権限を再検討する安保理の意思を強調するということになっておりまして、今アメリカ、イギリスがやっていることについては安保理に報告をするように慫慂されているということであります。それがかかわり合いということでございます。

阿部委員 もちろん、今イラクはアメリカとイギリスの占領下にあるわけですから、その意味でその決議との関連が出てくるわけです。しかしながら、大臣が当初問題にされた大量破壊兵器問題は、何度も申しますが、一方からの偏った情報では確定されない。私は、今後、すべからく情報こそ命です。その情報をどうやって入手するか、真偽のほどをどこで確かめるか、それがなければ、ススキのようなお化けにおびえて武力の衝突が始まることだってあるんです、これからの国際社会。それゆえに、もっと、あなたが主体的とおっしゃったなら主体的な、自分の情報収集能力を高めなければ、日本の主体的外交など成り立ち得ないのです。

 もう一点。私は、昨日並びに一昨日、我が党の今川並びに金子議員がお尋ねいたしました劣化ウラン弾使用についても、川口大臣の見識をお尋ねしたいと思います。

 今川委員の質問に対して、劣化ウラン弾の使用については、アメリカはいずれの場所においても公言、公表をしておらないという御答弁が一昨日ございましたが、それでよろしいでしょうか。

川口国務大臣 米軍は劣化ウラン弾を使ったということは確認をしていないと承知をしております。

阿部委員 三月二十六日だったと思いますが、ブルックス准将がいわゆる記者会見を行いましたときに、劣化ウラン弾の使用を公言なさいました。ただし、ブルックス氏は、そのとき、劣化ウラン弾は害のないものであるからということもおっしゃった上で、記者会見で公表しておられます。

 このことは、大臣がぜひとも主体的に確認していただきたい。大臣であれば確認できる立場にいるわけです。アメリカに聞くなりブルックス氏に聞くなり、ブルックス准将は当時の軍事的な指揮者でありますし、この劣化ウラン弾が使用されたか否か、どれくらい使用されたかは、やはりきちんと我が国も情報として得ておく必要があります。なぜなら、今後もし、自衛隊員含めて、NGOの方も救援活動に入るとしたら、その劣化ウラン弾問題は避けては通れないわけです。

 まず一点、きちんとアメリカに情報を確認していただけるかどうか。お願いします。

川口国務大臣 三月二十六日とおっしゃったその同じ日かどうかというのは、私、ちょっと今資料が手元にありませんのではっきりいたしませんけれども、ブルックス准将が記者会見で、米軍は、持っている兵器のうち、非常に少量だけれども劣化ウラン弾を持っているということを言い、ただし安全性については確信をしている、ちょっと言葉の使い方は正確ではないかもしれませんが、ということを言っていますけれども、アメリカ軍が劣化ウラン弾を実際に使用したかどうかということについては確認をしていない、使用したとは言っていないと私は記憶をいたしております。

 それから、劣化ウラン弾の影響ですけれども、これについては、国際機関で今まで調査が行われているわけです。UNEPそれからWHOで行われていると記憶をしていますけれども、例えばWHOで、これはコソボで行った調査報告ですけれども、人体及び環境に対する影響はほとんどないという内容でありましたけれども、確定的な結論が出されているというふうには承知をいたしておりません。日本といたしまして、今後のその調査の動向については注視をしていきたいと考えております。

 それから、アメリカに聞くようにということでお話がございましたけれども、米国との間ではいろいろなことについて情報の交換はしておりますけれども、この件については、今後の動向を注視していきたいと考えます。

阿部委員 ごめんなさい、最後の部分がよく聞こえなかったというか、意味不明だったのですが。

 大臣は、三月二十六日のブルックス准将の記者会見の英文紙をごらんになったことがありますか。なかったら、申しわけないが、来週まで、宿題にしますから、ちょっと読んできてください。

 それから、もう一つ続けて。恐縮です。

 コソボで使われた劣化ウラン弾の量と、さきの湾岸戦争並びに今回のイラクで使われたと推測されている劣化ウラン弾の量は、大変に量が違っております。そしてこれも、やはり私が先ほど申しました情報こそ命で、実は、一番知っておるのはアメリカなのです。だからこそ大臣に聞いていただきたい。もしも何ら害のないものであれば、どれくらい使ったか世界に明らかにすることができるし、明らかにできないものであれば、これは、これこそ大量破壊兵器に次ぐ人類への非常な害をもたらす可能性が指摘されておるわけですから、そして、その害は五年、十年とたたなければわからないものもあるわけです。

 その意味で、使用量は、世界に向けて明確にされるべきですし、本当に何らやましくなければどんどん公表していただいて結構で、それを大臣にお願いしているわけです。大変に日米同盟、信頼関係あるわけですから。

川口国務大臣 余り私は、子供のときから宿題をいただくのは好きではありませんので、急遽探し出しましたら、おっしゃった三月二十六日、これが先ほど私が申し上げたことをブルックス陸軍准将が言った日でして、中央軍、そもそも米軍の保有する劣化ウラン弾はほんのわずかであり、また、その安全性を確信していると述べたということでございます。それから、実際に使ったということは、このときには言っていないと承知をしています。

 それから、劣化ウラン弾は、これについてはいろいろなお考えがおありだと思いますけれども、CCW条約というのがございまして、これは特定通常兵器使用禁止制限条約というものですけれども、その規制の対象にはなっておりません。そして、その使用は禁じられていないわけでございます。これの影響については、先ほど申しましたように、UNEPあるいはWHOで調査をしているということで、今の時点でわかっていることは、人体及び環境への影響はほとんどないということですけれども、これが最終的な、確定的な結論であるというわけではありませんので、政府としては、国際機関による調査の動向は引き続き注視をしていきたいということでございます。

 それで、先ほどおっしゃったアメリカに情報提供を求めないのかということについては、この件については今後の調査の動向を引き続き注視をしていきたいというふうに考えております。

阿部委員 それは、これから自衛隊をその地に派遣しようとする国の外務大臣のお言葉ではありません。世の中が、全部が危ないとわかってから、それからじゃ遅いから、どれだけ使われたかわからない嫌疑がかかっているんです、このことだって。サダム・フセインの大量破壊兵器だって、嫌疑がかかっていて、明らかにされないで攻撃がしかけられました。それと同じです。疑わしいと言われたときにそこに、疑わしいと言われたときに人を送るということは、本当に自衛隊員が我が子だったらと考えてみてください。そんな無責任な、木で鼻をくくったような答弁は、私は成り立たないと思う。

 それから、我が身をかけて、全く無償でNGOをしている人だっているわけです。ガイガーカウンターを持っていけば、放射線に敏感に反応する。あるいは、劣化ウランは重金属です。重金属汚染は年月の長さが全然違うわけです。今安全性が言われても、何十年とたったとき、あるいは何百年とたったとき及ぼす影響がわからないからこそ、私どもが非常に敏感でなくてはいけないんだと思います。

 私は、ここで審議されることの結果、そこに送られる人たちが、ある人たちは非戦闘地域か戦闘地域かわからない危険の中、ある人たちは劣化ウラン弾がまだそこに残存しているかもしれない危険の中送られるかと思うと、本当に怒りで心が震えます。そしてそのことは、命を預かる大臣がきちんと本当に自分の役割をかけてやっていただかなければ、それ以外に解決の道がないのです。ただ単に評論していたり、危険がわかってからどうこうしましょうということでは遅い。そして、各世界からその指摘はなされているわけです。

 アメリカとの政治的絡みの中で、アメリカは認めようとしない、そのアメリカに唯々諾々とついていく、その結果、日本の若者の命が危険にさらされる。もうそんなことはたくさんですから、大臣にあってはきちんと、宿題が嫌いであれば、このことを本当に、どんな情報が、じゃ、危険とする側の情報は何なのか。今あなたは安全とする側の情報しか言わなかったのです。物事には、危険とする情報と安全とする情報の両方があって勘案というのが成り立つのです。一方の情報だけを取り入れたら、うのみというのです、追随というのです。そして、その結果何が起こるかは、私たちではなくて、送られる人たちに起こることです。

 この件については、よくお考えいただいて、次回また折があれば質問させていただきます。

 私は、引き続いて、五月の一日、アメリカのブッシュ大統領がイラク戦争の終結宣言を行われて以降、我が国のイラクに対する支援、今般審議していますこの法律以前に我が国がどんな支援をしているかについてお尋ねをいたします。

安藤政府参考人 お答え申し上げます。

 五月一日の主要戦闘終結宣言以前という段階では、約三千六百万ドルの人道復興支援を実施決定したわけでございますけれども、その後でございますが、五月の八日に、在イラクの日本大使館を再開いたしました。また、五月の十日から十六日まで、茂木副大臣率いる政府調査団がバグダッドに参りまして、支援策の準備を進めたわけでございます。その結果を踏まえまして、五月二十一日、総額約五千万ドルの具体的な支援策を発表し、これを順次実施に移してきております。

 その内容を少し具体的に申し上げますと、例えば、バグダッドにおきましてイラクの復興計画を支援するため、UNDPに対して約六百万ドルの拠出を行いました。また、ユニセフを通じまして、イラクの初等教育再生計画ということで、約百万ドルを拠出いたしました。

 先週には、政府調査団をバグダッド、バスラ等に派遣したところでございまして、今後もイラク支援を進めていきたいというふうに考えております。

阿部委員 私は、今御答弁いただきましたが、果たして本当にこの今のイラク支援法が必要かどうかということで、ちょっと事務サイドの方にも御答弁いただきました。

 今御答弁いただかなかった中に、実は、UNHCRを通じて、三月三十一日に、千六百人分の難民用テントをヨルダンのアンマンまで運んだという支援がございます。このヨルダン、アンマンへのテントの支援でございますが、支援されたテントが現在どうなっているか、川口大臣、御存じでしょうか。これは大臣にお願いします。

安藤政府参考人 事実関係でございますので、私からお答え申し上げます。

 先ほど委員からの御質問は、イラクに対してということでございましたので、イラク向けをお答え申し上げましたけれども、ただいまの点はヨルダンでございます。

 これは、UNHCR、国連難民高等弁務官事務所に対しまして、十人用テントを百六十張り譲渡いたしましたが、そのうち、十張りがヨルダン領内のイラク国境付近の難民キャンプにて使われまして、十張りが同キャンプそばの倉庫に保管されております。それで、あと百四十張りがアンマン近郊の倉庫に保管されているというのが事実関係でございます。

阿部委員 百六十張りのテントを政府の専用機で運び、三月三十一日、緊急だというのに運んで、本日、六月の二十六日、百六十張りのうち二十張り、もっと言えば、現実には十張りしか使われていないんですね。百六十張り持っていって、十張りが本当にテントとして機能して、あと十張りはそのキャンプの近くに保管されて、百四十はアンマンにあると。この支援、一体幾らかかったか。これ、川口大臣、御存じですか。

 実は、こういう質問をしますのは、かつてのアフガニスタン空爆の折に、パキスタンにテントを運びました。このときは、自衛隊機を、先ほど問題になっておりますC130というんでしょうか、それを用いて、三百十五張り持っていきました。それがどうなったか。私は、実はその後、パキスタンに行き、倉庫の中にちんと眠っているのを見てきました。本当に日本の援助というのは何をやっているんだろう。そして、そのために実は、パキスタンに送ったテントには、自衛隊員が百数十名でしたか、ともに随行していき、四十丁のけん銃を持っていました。今度のヨルダン、アンマンにも、この百六十張りのテントを守るために、五十六人の自衛隊がけん銃十四丁を携えて行きました。

 果たして、今、私ども民間人であったって、アンマンまでなんて、安心で、安全で、普通に行けます。なぜ、自衛隊員をつけて、わざわざけん銃つけて、PKOという名のもとで、一億円です、実は。大臣にこれをよく覚えておいていただきたい。一億円です。

 テントを現地で買えば、大臣もアンマンに行ったことがおありでしょう。いろいろなものがあふれています。市場はもう人がいっぱい。何でも買えます。なぜ、一億円かけて、自衛隊つけて、けん銃つけて、そして、倉庫に保管されるようなテントを何回も何回も支援するのか。

 私は、そんなむだ遣いするくらいなら、今、イラクで子供たちは、医薬品がない、本当に死の床に瀕している、そして、この審議の合間にもどんどんどんどん死んでいく。何か、自衛隊さえ派遣されればよい。テントを守る自衛隊。なぜ、自衛隊が守っていくのか。その後、このPKO法に引き続いてイラク支援法で自衛隊を派遣したいから。いつも、自衛隊派遣の先鞭をつけるために多くのお金が使われ、むだなテントが、高いテントが日本で買われて、現地の経済活性にも結びつかず、同じことが繰り返されている。だから大臣に、知っていますかと私は確認したかったんです。お願いします。

川口国務大臣 結果的に、武力行使が非常に短期間で終わり、テントを使うようなことがなくて、我々としては、よかったと思っております。

 今の時点で、そういった事態を見て、必要がないではないか、むだ遣いではないかとおっしゃることは簡単だと思いますけれども、あの当時、もしそういうことになったら、どれだけの難民があふれて、どれだけ難民の人たちが困ることになるだろうかと、国連も、そして周りの各国も、みんな心配をしていた。UNHCRもそういうことでございます。

 したがって、UNHCRの要請を受けて、日本としては、近くでテントが入手できないということで送ったわけですけれども、イラン、トルコ、ヨルダン、その近隣の国の外務大臣あるいはそれに近い人と私は当時話をしましたけれども、みんな、百万人あるいはそれを超える難民があふれるであろうということを言っていまして、我々としては、たった百六十張りのテント、それで本当の一部しかそれは需要を満足させないということを非常にむしろ危惧をしていたわけです。

 今そういうことをおっしゃるのは簡単だと思いますけれども、そういう事態では決してなかったということを覚えていただきたいと思います。

阿部委員 大臣は大変賢いからそういう言い逃れもあろうかと思って、私も事実をもう少し申し上げます。

 実は、このアンマンへのテントの要請は、ジュネーブの本部で、ジュネーブの本部職員の二人の間で、日本人です、ヨルダンに送ってほしい、ヨルダンに送ろうと決めて、日本の政府に投げられました。現地から上がったものではないのです。私どもの党の調査団が、せんだって行き、このことも確認してまいりました。初めに自衛隊ありきだろうと私が言ったのは、そのことです。そして、今のように、本当にへ理屈です、そういうのは。実際は、どういう経過でこのテントが送られたのか。

 では、川口大臣、このように自衛隊員をつけて、自衛隊員が銃を持ってアンマン空港におりることは、ヨルダン政府に許可を得ることなのですか。

石破国務大臣 それは、受け入れ国の同意は必要でございます。

 ちなみに、UNHCRからは二千張りを持ってきてくれ、こういう要請があったというふうに私は聞いております。

 また、自衛官が武器を持ちましたのは、それは、みずからを守るために持っていっているわけでありまして、テントを守るために持っていっているわけではございません。

阿部委員 それもまた異な御答弁だ。なぜならば、ヨルダンの空港までで、そこから帰っているんです。日本から飛んでヨルダンの空港に行く途中、だれに襲われますか。

 そして、この前、石破さん、アフガニスタンの空爆最中にパキスタンに送るときは、何で自衛隊がくっついていくのと聞いたら、まだ治安が悪いから、途中で何か、飛行機が撃ち落とされたりするかもしれないからということでした。しかし、現在、何度も言いますが、アンマンまでは安心して行くことができます。だれから守るための武器ですか。

石破国務大臣 ごめんなさい、言い間違えました。二千人分のという要請があったのでございます。それは、自衛官が政府専用機に積んで参りました。

 アンマンならだれでも行けるというお話でございますけれども、やはりみずからを守る武器というのは、通常、携行して参ります。だれから襲われるのというふうに先生おっしゃいますけれども、それは私ども、みずからを守るために武器を持っていく、そういう判断をいたしました。

 それは、先生が防衛庁長官でいらっしゃれば、丸腰で行けという御判断をなさったかもしれませんけれども、私はそういう必要性を認めて、武器の携行ということになっておるわけでございます。

阿部委員 もう時間がないので指摘のみにとどめますが、何度も言いますが、この自衛官は飛行機の中にしかいなかったのです。逆に、だれからも襲われない。ハイジャックでもあれば別ですが。だったら、テントを普通の民間の人に運んでいただけばいいわけです。なぜ、ただただ飛行機に乗るだけで、自衛官を乗せて、一億かけて、銃を持って、おりもしないのです。おりてからの輸送は向こうのUNHCRが行うという文書があるのです。

 本当に漫画のようなことを繰り返し、国民の税金と命をないがしろにして、そして、石破長官の今のようなとぼけた答弁は全くいただけませんので、引き続いてまた時間をいただきたいと思います。

 ありがとうございました。

高村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

第156・157回国会 国会活動コーナーに戻る   阿部知子のホームページに戻る