第156回国会 決算行政監視委員会第四分科会 第2号(2003/5/20) 抜粋

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阿部分科員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、私の質問、法務委員会を初めといたしまして皆さんが御尽力中の、刑務所内での主に医療問題について御質疑をさせていただこうと思います。

 まず、行刑運営の実情に関する中間報告というのが出されておりますが、過去十年間に行刑施設内で死亡した千五百六十六件についての調査内容が公表されており、例えばですが、いわゆる暴行とか、何らかの外から加わった外力、外因によらない形での疾病による死亡、いわゆる病死と純粋に思われるものも五百四十件あるという報告が出ております。

 私も、この千五百六十六件、全件を見たわけではございませんが、カルテを散見しながら感じましたことは、やはり刑務所内での医療体制が一般市中のものよりはかなり劣っておるのではないか。例えば名古屋の刑務所で、皆さん大変に今、冤罪ではないか、あるいは、本当は何が起こったのかわからないとされる平成十三年十二月の事例でも、発見が早くて医療行為がきちんとしていれば、もしかしてこの方は救命されたかもしれないと私自身は思っておるわけです。

 ここで、大林官房長に伺いたいんですが、果たして、基本的な御認識として、こういう拘束下にある、特に刑務所等での医療実態については、現状認識、どのようにお考えでしょうか。

大林政府参考人 刑務所の問題、今御指摘の件につきましては、今、法務省内でいろいろな調査をやらせていただいております。

 矯正の医療の問題につきましては、基本的には原局である矯正局の責任ではございますが、私ども、いろいろ死亡帳調査班の調査などを見ておりますと、医療の関係はやはり万全ではなかった、いろいろと反省すべき点、改善すべき点があるのではないか、このように考えております。

阿部分科員 同じ御質問を矯正局長にもお願いしたいんですが、私どもの党の保坂展人が取り上げました新潟の事例などを見ておりましても、当然必要な輸血とか酸素投入をすれば救命できたかと思うような事案も、亡くなっている。あるいは、二十一歳の青年の死亡などは、ぜんそくの発作による死亡かもしれませんが、当然今の医療レベルですと市中病院では助けられるような症例も、亡くなっているやに思います。

 矯正局長は、現在、御自分がお預かりになっている矯正施設内での医療の現状、この間さまざまに指摘されましたが、これについての御認識はいかがでしょうか。

横田政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員が御指摘になりました事例につきましては、現在なお法務省において調査をしているところでございますので、個々の事例についての意見は差し控えさせていただきますけれども、一般的に言いまして、これまで矯正当局といたしましては、それぞれその置かれた条件、立場の中でベストを尽くしてきたというふうに認識をしております。

 しかしながら、これもまた御指摘のような、いわゆる名古屋刑務所における一連の事件等が大きな問題になりまして、そして、いろいろ調査も進む、あるいは国会での審議もされるという中で、やはりこの矯正医療につきましてはさまざまな問題があるという指摘がなされておりました。

 私どもは、このようないろいろな御指摘、御意見を真摯に、そして率直に受けとめまして、これまでの考え方というものにとらわれずに新しい矯正医療のあり方というものを考え、そして、そのためには具体的にどんなことをしたらいいかということを、これから、いろいろな方の御意見を伺うなどしながら、その改革に向かって具体的な検討を進めてまいるという所存でございます。

阿部分科員 ただいまの御答弁で、大林官房長も、また矯正局長も、医療の現状については必ずしも十分でないというお答えでありましたが、森山大臣にも同じことを伺いたいと思います。

 例えば、参議院で資料提供されました法務省矯正局からの「被収容者の死亡事例(二百三十八件)に係る異状の発見時刻等について」というこの厚い資料がございます。このうちに、所内で異状が発見されて病院に救急搬送されて亡くなるまでの経過が比較的、外部に搬送ケースというのが八十八例ございますけれども、もうはっきり言えば、発見されて運ばれて、すぐ死んじゃう。非常に短期間に症状が悪化するなり、救命できないような状態でしか発見されない。いわば発見が遅い状態だと私はこれを分析すると思うのです。

 全体として、先ほどほかのお二方に伺いました矯正施設内での医療ということについてはどうお考えでしょうか。

森山国務大臣 おっしゃるとおり、また今までの二人が申し上げましたように、矯正の関係の医療というのは、それぞれその場その場で一生懸命やったのだとは思いますけれども、よく考えてみますとまだまだ十分でないことがたくさんあるのではないかという感じがどうしてもぬぐい切れません。

 矯正施設における医療というのは、お医者様がいらして、それを助ける看護助手などがいて、一応整っているのではございますが、その肝心のお医者様が常時おいでいただくことがなかなかできないとか、そもそもお医者様を探すのが大変であるとかいうようなところにも深刻な問題がございまして、それらを含めて全部について基本的に見直すべきではないか。お医者様をどうやって来ていただくようにしたらいいか、また、その待遇をどうするべきかとか、その他さまざまな問題がたくさんございまして、これは勉強をすればするほど、非常に大変だなというふうに思いました。

 したがいまして、五月六日だったと思いますが、ほかの行刑に関する改革会議もございまして、やってはおりますが、特にこの医療問題についてはプロジェクトチームを私の指示によってスタートいたしまして、今鋭意、そもそもお医者様の来ていただけない理由は何か、来ていただけるにはどうしたらいいか、その他さまざま医療関係の問題を追及して、少しでも改善のためにできることを早速にでもやろうということで、今始めたところでございます。

阿部分科員 五月六日の日に矯正現場における医療の体制についてのプロジェクトチームの立ち上げがあったということで、私も資料をいただきまして、その問題点と認識されているところが、やはり根本がちょっと大きく欠落しているのではないかなと思いますので、幾つか指摘をさせていただこうと思います。

 このプロジェクトチームでの検討事項は、医師等の人材が確保されていないとか、医療機器等のインフラ整備が悪いとか、医務部と処遇部門の連携が問題があるとか、あるいは外の協力病院の確保が問題である等々は指摘されているのですけれども、私は、そもそもここの矯正施設内での医療というものが、実は矯正施設に被収容者が収容された段階で、いわゆる御本人が持っておられる健康保険について、例えば国保あるいは組合健保などについて、給付の停止状態に至るわけです。ある意味で無保険者になるわけです。以降の医療は、全体のその方を収容している中の、マルメと医学では言いますが、全体込み込みの費用の中で、国が全額費用支出はするが、なるべくコスト算段の上においても効率的に、逆に言えば、受診の機会は少ない方が当然ながら費用は安い。この構造的な問題を私はまずきちんと検証していただきたいと思うのです。

 きょうは、医政局並びに厚生省の方の医療局の保険課でしょうか、お二方に急に来ていただきましたが、まず社会保険関係で伺いますが、国民年金については、収容された段階で停止されるということではありませんよね。生命を支えるための国民皆保険制度というのは日本の極めてすぐれた制度であると思いますが、なぜ医療保険制度については停止状態になさるのか、そこのお考え、経緯についてお願いします。

真野政府参考人 国民健康保険なり健康保険の被保険者資格ということでございますが、国保につきましては、市町村の区域に住所を有するということが要件とされておりまして、刑務所内の受刑者でありましても、住所を有する市町村の国民健康保険の被保険者ということになっております。また、健康保険に関しましても、雇用されている事業所との雇用関係が続いておれば、被保険者であるという状況には変わりはございません。

 ただ、給付につきましては、刑務所内におきまして監獄法に基づく必要な医療が行われるということから、保険給付は行わないということになっているわけでございます。

阿部分科員 今の御答弁で、保険には加入はしているが給付はいただけない、逆に言うと、監獄法という別の法体系に基づいた形での医療が施行される、医療も含めて施行されると。

 私は、このあたりの問題を、本当にこういう形式がいいのか、あるいは、今これから、例えば刑務所も民営化なさろうかというお考えがある中で、一つのところにきちんと医師を確保するというのは、言うはやすく、現実には、収容施設にある数の医師なり看護婦を充実して確保するということはなかなか難しい。それでいて、被収容者には基本的人権に抵触しないきちんとした医療が提供されるべきと考えたときには、被収容者が収容の施設内にいても外にいても同じ資格で受診ができるような体制、すなわち、給付も含めて再検討ということも、私は当然課題に上ってくるかと思うのです。

 結論をきょう求めるものではございませんが、私は、この矯正施設内における医療プロジェクトというものが、こうやって、例えばらい予防法なり監獄法なり何とか法なりに基づいた体系で分断して医療を提供していく方式がいいのか、あるいは、みんな同じ土壌で、その中で医療が選べる、やはりいい医療をだれでも、それは被収容者でもそうです、選べるという状態に持っていくことが新しい人権思想の根幹になるのかという点に関して、これはぜひとも森山大臣に、これまでの御答弁を繰り返し読ませていただいて、恐らく大臣のお考えの中では、施設は施設内での医療の充実体系を図ろうというお考えにあるのは一部漏れうかがい知ることができます。

 私は、現実において、これから充実させていこうとするときに、先ほどおっしゃいました、なかなか医師の来手がない、そして、ふえていく収容者に対して果たして可能性が本当にあるのか。結局、表向きの能書きだけでは、医療というのは絶対に不可欠なものですから、提供できないと思うのです。

 その辺で、きょうの御答弁で明確にしていただきたいのは、このプロジェクトチームの中で、そもそも医療提供体制というそのものについても検討の課題にしていただくということをお考えいただきたいですが、いかがでしょうか。

森山国務大臣 御指摘の点も含めまして、せっかく医療プロジェクトチームをつくりましたものですから、いろいろな項目にわたって今までのやり方や考え方にとらわれずにしっかり検討してもらいたいと言ったところでございますので、おっしゃる問題についても検討の対象にしたいと考えております。

阿部分科員 私が今のような考えに至りましたのは、実は、平成二年でしょうか、行刑施設における医療体制充実計画案概要というのが出されておりまして、この概要、平成二年ですから、今から十三年、正確に言えば十二年ですか、たっておるわけですが、この概要で述べられたことが、残念ながら、ほとんどとは申しませんが、一、二割ほどしか到達していないわけです。

 例えば、この概要で計画されたことの一つに、精神疾患のおありの方を名古屋刑務所に集めて収容して、精神の専門の病床を五十六床つくり、お医者さまや看護婦さんを充実するという案でございましたが、実際には、私の資料が正しければ、その後、平成八年度に五床程度実際にその病床ができただけで、当初の計画は一割ということになるのかと思うのですが、この件の私の事実確認でよろしいかどうかの御答弁を原局からお願いいたします。

横田政府参考人 今委員がおっしゃった名古屋刑務所、精神病床が五床になったという点は、事実そのとおりでございます。

阿部分科員 そうしますと、先ほど申しましたが、計画を立てても十何年たっても一割しか実行できないことの間で、収容者は日々亡くなっていくわけです。

 名古屋の十二月の事案でも、この方は実は保護房に恐らく百二十日余り集計するとおられたのではないか。そして、この方の状態を見ますと、途中に拒食、お食事をとらなくなって鼻からチューブを入れるような状態。この患者さんというか、この方は男性ですから、女性の拒食症というのは比較的よく起こりますが、男性の拒食。そして、チューブを入れなくてはいけないような状態というのは、申しわけありませんが、明らかに精神疾患という範疇の方が最も考えられるわけです。

 ゆえに、精神疾患としての治療をなされば、この方は、例えば汚物まみれになって、暴れるから革手錠とかそれ以上のことを受けなくても済む。そして、情願も二度も出しておられるけれどもなかなか届かずに、結局は亡くなったというような悲惨な経過を踏まなくて済んだのではないかと思う気持ちが私は当初から非常に強いもので、何とか行刑施設内の医療を充実させようといったときに、やはり今までの発想だけでは絶対にカバーできないと本当に思うのです。

 きょうは医政局の篠崎局長にもおいでいただいているのですけれども、篠崎局長の御答弁の中で、この矯正医療問題対策プロジェクトチームに、法務省の方から御要望があれば自分たちも参加したいと。この医療の体制の充実ということについて、申しわけありませんが、法務省とそれから法務省関連の矯正施設のお医者様だけが論議していたのでは、なかなか標準的な医療との落差も埋められないし、医療としての充実ということの目が及ばないと私は思うのです。

 そこで、ぜひとも局長にも御尽力いただきたいし、もう一度確認ですが、要請があればという前提で、厚生労働省の医政局担当としても、この医療実態並びに充実の方向についての、ともにプロジェクトに加わるというお気持ちはおありかどうかの確認をお願いいたします。

篠崎政府参考人 前回御答弁申し上げましたのは、法務省の方のこの検討会で医療についてのまとめがあって、そして、具体的に法務省の方から御要望があれば積極的に御協力申し上げたい、こういうことを申し上げたわけでございます。

 ただいまの先生の御質問は、プロジェクトチームの中に参加するかどうかということでございますが、これも、御要望があれば参加したいと思っておりますけれども、今のところ御要望がございませんので、情報はいただくようにしたいと思っております。

阿部分科員 では、篠崎さんの今のところ要望がないというお話でしたから、これは大臣から要望していただかなきゃいけませんので。

 私は、何度も申しますが、平成二年度に立てた計画が計画倒れであるという実態も踏まえて、医療の充実ということを他の部局もあわせて考えていただきたい。助力あるいは助言を仰ぐなり、なるべくプロジェクトチームの中に入れていただくという、省庁を超えたお取り組みをお願いしたいのですが、いかがでしょうか。

森山国務大臣 平成二年の計画がほとんど実現していないという御指摘でございますけれども、私の考えますのには、その当時は今ほど過剰収容ではなかったのでございまして、そのときから急速に収容するべき受刑者がふえてまいりまして、計画にのっけたようなゆとりがとれなかったのではないかというのが私の推察でございますが、そのような事態であったものですから、現在でも過剰収容が非常に進んでおりまして、収容施設のゆとりをもう少しつくらなければいけないというのが一番の先決問題だと思います。

 しかし、その上で、先生のおっしゃるような医療の体制の整備というのは、厚生労働省にも知恵をおかりしながらやらなければいけないことだと思っております。

阿部分科員 私が今のような御質問を申し上げましたのは、行刑施設における病態別患者数という、平成十四年十月一日の集計をいただきましたが、診断名がつく患者数、総計三万五千三百五十三人おられるわけです。受刑者の中の比率、私は詳細にはとっておりませんが、決して少なからぬ数で、そして、死亡帳を繰り返し見ても、肝がんによる死亡とか、循環器の、心筋梗塞を思わせるような突然死とか。

 さまざまにやはり現在の医療レベルの到達したものをこの人たちもまた享受する権利があると私は思いますので、実は、先ほど森山大臣がおっしゃった数の上での充足だけでなく、質、それから先ほど言った、外の施設ももっと利用できるようになるための連携のためにも、一たん外に出れば厚生労働省管轄の医療施設にやはり行かれるわけですから、この連携を当初から密にしておかないと、法務省内で話し合って、それからまた厚生労働省に投げてとやっているうちに、もう患者さんにとっては、要するに被収容者にとっては一刻一刻医療のアクセスが遠いということですので、大臣の御指摘の過剰収容、それから看守の数が少ない、これはもう当然改善されるべきですが、それ以外にもぜひとも医療面での厚生労働省との連携を早急にお願いしたいです。

 繰り返し恐縮ですが、御答弁をお願いします。

森山国務大臣 医療問題は、もうあくまでも厚生労働省の専門の分野でもございますし、矯正施設の内部であるということで、法務省が一応受け持って今やってはおりますが、厚生労働省のお力をおかりしなければ解決しないということはよくわかっております。今後、ぜひお力をおかりして解決するべく努力したいと思っております。

阿部分科員 それでは、今の御答弁に基づいて、矯正局長に少し具体的な事例でお伺いいたします。

 私も名古屋の刑務所は実は視察させていただきまして、そして同時に、カルテも拝見いたしました。また、他の委員も御指摘ですが、診療録というところに、医師以外の、保健助手と言われる方が記入されていて、通常であれば、看護記録という、別途に、医師の記載のところと看護記録、通常の医療の場合であれば別途にあるわけですが、それが全く混然一体となって、いわば責任の所在も観察のぐあいもはっきりしないような記録方法があると思います。この点について、部局内での御認識、あるいは改善点ということはどうお考えでしょう。

横田政府参考人 お答えいたします。

 現在、行刑施設におきましては、医療刑務所におきましては診療録とは別個に休養患者の病状等を記録する看護日誌というものを作成しておりますが、しかし、そのほかの行刑施設におきましては、医師が診療録を一読するだけで前回診療後の患者の看護に関する経緯を確実かつ効率的に把握できる利点があることなどから、診療録に医師による診療の記録と、それから看護師等によるバイタルチェックや患者の愁訴等に関する看護の記録をあわせて記載し、患者の医療上の記録を一元的に管理しております。

 しかしながら、ただいま委員の御指摘のような面もあるわけでございまして、今後、記載方法の工夫をするなどいたしまして、それぞれの記載者が明確になるように努めるなど事務的な面で改善できる点はないかどうかということで、ただいま委員もお話しになりました矯正医療問題対策プロジェクトチーム等におきまして、事細かに、具体的にその対応を検討するつもりでおります。

阿部分科員 今の御答弁は、八王子とか大阪にございますような医療刑務所では通常の医療と同じような形態をとり、医師が書き、看護婦が書きということがあるのですが、その他の受刑施設ではほとんどそこの区別はなく、逆に言うと、私が見たところ医師の記載は極めて少ないというのが現状で、そしてその観察にかかわるいわゆる保健助手の方々の育成のされ方も、これも伺いましたところでは、八王子にございます准看護師の養成施設から出た方を主には刑務所が採用なさる、ある種のクローズドな体制もあるかに伺っております。

 それではなかなか医療は標準化されないと思いますが、今後の人材育成という面においても、通常の看護業務をやっている方たちが多く入れば入るほどそれは充実というか、普通の目で物を見るようになりますので違ってまいりますが、今、保健助手の育成のされ方について矯正局長は御認識がおありでしょうか。

横田政府参考人 いわゆる保健助手という制度なんですが、その多くは准看護師の資格を持っている者で、これは刑務官の中から選んで、八王子医療刑務所に併設されております准看護師の養成学校において二年間の勉強をして資格を取るというやり方をしております。

 ただ、それでは余りにも閉鎖的ではないかということでございますけれども、外部からといいますと、医師あるいは看護師あるいはその他の医療技術者等、これはもともと刑務官でない者を採用するわけですので、やはり今後の医療体制の充実という点で、一方では刑務官以外の者の医療の関与がより充実されるような、そういう方策というか方途というものを求めていきたいと思っております。

阿部分科員 今のその育成方法も、ぜひ、このプロジェクトチームで検討していただきたいです。とにかく、世の中の普通の看護にかかわる人たちが持っている目を持っていないと、どう見ても、患者さんというか病態の悪化の発見が遅うございます。それは人的に足りないという要素もあるでしょうが、やはりその人たちの実力というか、トレーニングのされ方にも問題があると私は思います。

 最後に一つお伺いいたしますが、通常私どもが医療をいたしますときは、これこれの処置をした場合、保険診療が加わってきますので、レセプトというものに落としてその診療を行っていくわけです。でも、矯正施設内は保険診療の枠外ですから、どんな薬が使われて、医療費総体がどのくらいであったかということが検証できない。それから、大体、医療過誤とかあるいはいろいろな問題があったとき、レセプト開示というのはカルテ開示よりも今容易になりましたから使える手段となっておりますが、医療にかかった薬品とかそういうものを、レセプトに準じて医療行為のことをきちんと記載していくという習慣をぜひ採用していただきたいです。

 私は、本論は、給付も含めて医療保険にもう一度戻すべきだと思いますが、暫定措置として、今まで使われている薬品とか医療行為について、一度対象化してみるという作業をぜひしていただきたいですが、矯正局長の御答弁を伺います。

横田政府参考人 委員がおっしゃいますように、矯正医療の透明性を高めるといいますか、それは大変重要であるというふうに考えております。

 そのために、具体的にどういう方法がとり得るか、これはいろいろ限られた職員の中の事務量ということがございますので、その目的を達するために一番いい方法が何かということは、これから本当に考えなければならないことだと思っております。

 これにつきましても、先ほど来申し上げております矯正医療問題対策プロジェクトチームを中心に、さまざまな意見を伺いながら、一番いい方法を考えていきたいと思っております。

宮路主査 もう時間です。

阿部分科員 はい、終わります。

 理念とかそうしたことでは保障されないものですので、現実的な体制の充実をお願いいたします。

 ありがとうございました。

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