第156回国会 厚生労働委員会 第2号(2003/02/26) 抜粋 ○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
冒頭、今後の審議運営について、委員長にもお願いがございますが、四野党共同提案という形で、サラリーマン本人医療費窓口三割負担凍結法案を、四野党、出してございます。
実は、私は本日午前中に財務金融委員会で質疑をいたしましたが、テーマは、今回、配偶者特別控除という仕組みをなくして、働く中間層に負担増を強いるという増税が平成十六年度からなされますこととあわせて、平成十五年度はこのサラリーマンの窓口三割負担、そして保険料も値上げ、十六年度は配偶者特別控除廃止と、やはり働く中堅層に負担の多い増税案が相次いで起こっております。そうしたことが、社会のいわば活力の、本当に中堅層の活力をそぐということで案じておりまして、四野党共同提案いたしましたので、いろいろな審議、この委員会に恐らくおろされることと思いますが、予算とも関連いたしますことゆえ、十分審議される方向で委員長にも御検討をいただきたい旨、まず申し上げます。
引き続いて審議に移らせていただきます。
ただいま小沢委員から御質疑のありました社会保険北病院(仮称)について、私も若干の追加質疑をさせていただこうと思います。
今、大臣と小沢委員のやりとりを聞きました中で、譲れないものは譲れないという御答弁ではありましたが、では譲れる部分は何だろうと私はちょっと考えてみました。そして、昨年の十二月二十五日、このことに関しまして出されてございます、厚生労働省からの、いわゆる医療制度改革推進本部において設置されている社会保険庁関連のさまざまな業務の見直しのところでうたわれておりますことをずっと見ておりますと、一番最後のところに、「社会保険病院の整理合理化計画の策定」というところのまた最後の最後に、「整理合理化計画の検討、策定に当たっては、第三者の参加を求めるとともに、」という一項がございます。
大臣も、もともとの文面をごらんいただければ、そこはそうだなと思っていただけると思うのですが、私はやはり、この間、一番欠けておりますのは、特に地域の住民、この医療を受ける、医療提供を受ける立場になる地域住民の声をどのような形で今後この先取り上げて、取り入れて検討に組み込んでいくかという視点が非常に重要であろうと思います。
今経過を申されましたが、この病院は、もともと国立王子病院が立川の方に統合合併されますときに、地域住民とのお約束もあった地域で、二百八十床ですか、今度できる病院を心待ちにしていた住民もおられますから、その地域住民のこれまでの、それは住民代表は区議会とかにもなってまいると思いますが、そうしたところとの社会保険庁としての合議のあり方、あるいは住民の声をどう取り入れるかというとても大くくりな質問にさせていただいても結構ですから、これは坂口厚生労働大臣に基本姿勢としてお伺い申し上げたいと思います。お願いいたします。
○坂口国務大臣 そこは、御指摘をいただきましたとおり、地元の皆さん方の御意見というものを十分に尊重させていただきたいというふうに思っております。
皆さん方のお声としましては、それはそこの区長さんや、あるいはまた区議会といったようなところの皆さん方の御意見もございましょうし、各種団体の皆さん方の御意見といったこともあろうかと思います。そうした御意見を十分拝聴して、そして決定したいと思います。
○阿部委員 二問目でございます。
実は、この予定されております社会保険北病院の院長は、たまたまでございますが、私の先輩に当たりまして、この間、私にいろいろな苦しい思い、と申しますのも、新規採用の方をお約束したり、自分が夢を語って若いお医者さんたちを、ここで地域医療で頑張っていこうと話して、ずっといわば自分の最後の仕事と思ってやってきた。そのことが、先ほど小沢委員がおっしゃいましたように、暮れの暮れまで、ぎりぎりまでは何度も自分も心配で社会保険庁に尋ねたんだけれども、それが、大丈夫だと言われながら、突然に中止という方向で、自分としても、若い人に何と謝っていいか、立場もないと。非常に、私も坂口大臣も医者ですから、自分だけじゃなくて、若い人を雇ってやろうというときには、その責任と夢と思いと、さまざまなものをかけてやったわけでございます。
そうした点で、ここの病院が将来どういう形になっていくかといった場合に、先ほど坂口大臣は、小児医療のとこれをおっしゃってくださって、これはいつも言いますが、私はうれしいのですが、実は、要求されておりますもの、住民側からももともと総合病院というイメージででき上がったところでございますし、今後やはりこのことの経緯にかかわった特にこの院長の実務的な声をきちんと聞いていただいて、別にそれでそのとおりどうこうしろと言っているのではございません。やはり、どんな病院をつくろうかという、それは十分に仲間とともに審議を重ねてきたことでございますから、この点についても十分お聞き取りいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○坂口国務大臣 それはそのとおりというふうに思っております。
ただ、小児中心というふうに申しましたけれども、ただ小児科だけやってやっていけるというわけでは決してございませんで、総合的なものもやはり必要なんだろうというふうに思います。
しかし、何らかの特徴のある病院にしていくということが大事ではないかというふうに考えているわけでございますが、それは地元の皆さん方の御意見もございましょう。その地域の他の医療機関との関係もございましょう。あるいはまた、ここをこういうふうにやっていきたいというふうに思っておみえになりました皆さん方の御意向というものもございましょう。そうしたものもよくお聞きをして、最終的に決定をしたいと考えております。
○阿部委員 ここではそれ以上詰められないのですが、私は、個人的に思いますには、せんだっても問題になっておりましたC型肝炎のキャリアの問題も含めて、今、国の医療政策上も、C型肝炎がきちんとした国の医療の中で保障される体系というのがなかなかございませんで、特に、今、C型肝炎のセンター病院は、長崎でしたか、あちらの方にはございますが、東京都並びにこの近辺、まだ不十分なようにも見受けます。たまたま私はそうした思いを持っておりましたので、今後の検討の中で、本当に今必要な病院の増というのをさらに詰めていただければと思います。
ちなみに、この病院の院長予定者は肝臓が専門でございまして、C型肝炎問題は非常に心を痛めておったことでもありますので、あえて申し添えさせていただきます。
それから三点目、経費にかかわる点でございます。
きのう、私が社会保険庁に問い合わせましたところ、一日ただ病院をおりで囲って、私は病院をおりで囲うというのは今まで見たことがないのですが、こうやって囲っておくだけで二千万と伺いました。ただ囲っておいて――一月ですね、失礼。一日二千万じゃ卒倒しちゃう。でも、一月二千万でも六カ月囲えば一億二千万かと。
これは大臣もよくおわかりと思いますが、私たち医療を提供する者は、実は医療は、病院というのは、医療だけでとどまらない経済波及効果というのを持っておりまして、地域に関連のお店ができる、介護関連の産業が興る、そして若い人の雇用も含めて雇用も拡大する。私は、今の日本のさまざまな経済的な足腰の弱さを見ておりますと、逆に、医療というのをきちんと提供していく中で、地域活性、産業活性、経済の向上ということが望める分野と思っております。
にもかかわらず、一月二千万円ぽんぽんと捨てていくというのでは余りにも心も痛むということでございまして、大臣として、やはりこれはめどを早急にお立ていただいて、地域活性化に役立つように、ここの地域、王子パルプ等々もございました地域であり、今、産業全部へこんでおるわけです。この病院が来るということで、みんなそれに向けて動いたところもあるわけでございますので、一応、確約などはできませんが、時刻的なめど、一月二千万ということを頭にお入れくださいまして、もったいないと思ってのめどをお教えくださいますか。もう火急にお願いしたいです。
○坂口国務大臣 二千万なのか一千万なのか、そこは私はちょっとよく存じませんけれども、後を早くしなければならないことだけは間違いのない事実でございまして、今、早急にこの対策を立てようというのでやっているところでございます。関係者の皆さん方の御意見も十分に聞きながら、一日も早くその後が決まるようにしたいというふうに思っております。
○阿部委員 恐らく、当局から聞きましたので、二千万試算は変わりないと思いますが、とにかく、むだにお金を捨てていかないで、むしろ投資して、地域活性に生かしていただきたいとお願い申し上げます。
あとは、医療と人権ということで幾つか大臣に御答弁をお願い申し上げたいと思います。
きょうも日経新聞に出ておりましたが、いわゆる医療事故の報告に関しまして、これは大臣も非常に見識を持って臨んでいただきまして、義務化の方向にという御答弁も既にいただいております。だがしかし、新聞報道されますその検討会の内容は、義務化するとかえって出づらくなるとか、非常に本末転倒な論議がなされております。
義務化に伴って、それを刑罰とかに、あるいは訴訟とかに持っていくかどうかということではなくて、今厚生省のやっていらっしゃることは、とにかくきちんとしたデータを集めるということしか実像は浮かばないというお考えであろうかと思います。そして、任意に任せたのでは、実は報告をする業務というのは大変な業務でございまして、やはり積極的になかなかなし得ない、マンパワーの上においても。
だがしかし、恐らく日本の医療の中で一番国民的な関心事は、医療の質でございます。病院に行ったら死んじゃったというのが余りにも、申しわけないけれども、多いわけです。
ここで再度、恐縮ですが大臣に、義務化の方向で強く検討を望むという御決意を一言お願い申し上げます。
○坂口国務大臣 医療ミスというのはあってはならないことでございますけれども、しかし、残念ながら、各地域で起こっていることもまた事実でございます。これをもう繰り返さないようにどうしたらできるかということだろうと思います。
いわゆるヒヤリ・ハット例というようなものも確かに大事でございまして、そうしたものを集めるということも必要でございますけれども、しかし、人身にかかわるような事故が起こったような場合には、これは捨てておけないわけでございますしいたしますから、事故に対しまして、その実態が集約され、そして厚生労働省としてもその内容がわかるようにしなければならないというふうに思っております。
そういう意味では、どこに線を引くかは別にいたしまして、義務化すべきところはやはりないと、それはやっていけないのではないかというふうに私は考えている次第でございます。
○阿部委員 強くその見識を持って臨んでいただきたいと思います。
もう一点、いわゆるカルテ開示でございますが、これは三年間の検討をしてきて、もう三年目、三年終わろうとしております。やはりこれも検討会にかけられておりますが、検討会の担当の厚生省の方をお呼びすると、まだまだ玉虫色のところにとどまっておるように漏れ聞きます。
これもきちんと、そもそもカルテというのは自分の歴史だと私は思っております。診療録と書くと、医師の方のメモ書きだという言い方すらできますが、実は体の情報は全部私のもの、本人のものでもあるわけで、当然ながらその御遺族も、御不幸な場合は遺族となりますが、含めてカルテ開示、カルテを見ることができる権利を持っておるものでございますから、あわせて、このカルテ開示の法制化についても一言お願いいたします。済みません、高原さん、大臣でお願いします。私の予定時間が過ぎました。ごめんなさい。
○坂口国務大臣 カルテ開示の問題も、これもなかなか大事な問題で、検討を続けているところでございます。
カルテのことにつきましては、本人の請求の場合に限るのか、あるいはまた他の人に対してもそうなのかといったようなことによってこれは全く違うわけでございますから、本人の要求があったときにどうするかということにひとつ限定をして、そして結論を出さなければならないだろうというふうに私は思っております。
これも、できる限り前向きに取り組んでいきたいと思っております。
○阿部委員 きっと高原局長も同じ御答弁だったと思います。そして、恐らく高原局長の方がもう一歩出ておられて、御遺族への開示についても厚生省令で積極的に取り組んでいただいていますから、ぜひぜひぜひその方向に、これは、例えば医師会の皆さんは、カルテの書き方も統一しないから開示できないというふうな言い方をなさる向きもありますが、先ほど申しましたように、メモ書きではなくて個人の情報ですから、努めてその方向にお願い申し上げます。
あと二点、できればいきたいと思います。
臓器移植に関してでございますが、実は、一例目の高知の事例につきまして、日本弁護士連合会、日弁連というところからまたまた、人権侵害の事案に当たるという勧告がおりました。
これは二例目でございますが、既にこの事案が厚生省の検討会にかけられて、問題なし、ノーチェックで進みましたのに、弁護士サイドから、人権侵害の疑いが強い、特に無呼吸テスト、無呼吸テストというのは、息が苦しい人につけている呼吸器を外す、死に至らしめるテストですが、これが行われましたことについて、非常に人権侵害であったという報告がなされております。
そもそも、これじゃ検討会は用をなしていないのではないか。厚生省がもっと本当に人の命を守るということに、私は、ぎりぎりのところで患者さんはいると思うのです。
二件相次いだ人権侵害勧告について、これは局長答弁でしょうか、できれば大臣答弁がいいですが、お願いします。
○高原政府参考人 御指摘の勧告書は、一例目の脳死下臓器提供施設に対しまして、臨床的脳死診断の段階で無呼吸テストが行われていること、法的脳死判定において脳波測定の前に無呼吸テストが行われていることについて、患者の人権を侵害したということで、今後は、施行規則、ガイドラインを遵守して、臨床的脳死診断、法的脳死判定を行うよう勧告しているものでございます。
この一例目につきましては、当時はまだ検証会議ができていないということでございまして、平成十一年の公衆衛生審議会臓器移植専門委員会におきまして検証を行っております。
同委員会におきましては、臨床的脳死診断時におきまして、無呼吸テストが安全に行えると判断がなされた上で、酸素飽和度をモニタリングしながら行われており、結果的にも、検査時の血圧、心拍等の所見から、テストは安全に行われている、しかしながら、法的脳死判定における判定項目の順序が施行規則に合致しておらず適切ではない、今後このようなことがないよう、脳死判定の手順をわかりやすくした手順書を作成し、関係機関への周知徹底を図ることが必要という指摘が当時なされておるところでございます。
これを受けまして、同委員会による四例目までの検証結果を踏まえまして、脳死判定基準の確認方法等を明確にするため、脳死判定マニュアルを取りまとめまして、厚生労働省としてその周知に努めてきておりまして、その後には、そういった前後するような案件はないと承知しております。
また、同委員会における議論の結果を受けまして、臓器提供手続が適切に行われたかどうか第三者の立場から検証を行うため、平成十二年三月に新たに検証会議を設置し、五例目以降の事例検証を行っているところでございます。
いずれにいたしましても、御指摘の勧告書につきましては、検証会議に御報告申し上げまして、今後とも適切に検証作業が進められるよう努力してまいりたいと考えております。
○阿部委員 私は、検証会議が幾ら検証しても、人権侵害だとよそから指摘されるような検証会議では役に立っておらぬということを一言申し添えまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。
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