第156回国会 厚生労働委員会 第16号(2003/5/21) 抜粋

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阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日はいただきました二十五分を活用させていただきまして、政治と厚生労働行政が、より透明性が高く、かつ信頼性のあるものになるように、基本的な御質疑をさせていただきたいと思います。

 まず一点目は、公益法人からの寄附にかかわる事項でございます。

 木村副大臣は、随所で各団体から寄附を受けておられるということが指摘されておりますが、まず、答弁のことについての確認です。さきの参議院の五月十三日厚生労働委員会、共産党の小池参議院議員への御質疑の中で、木村副大臣が小池参議院議員から聞かれて、公益法人そのものからの寄附に関して聞かれておりますが、質問を繰り返させていただきますが、このとおりの認識でよろしいかお答えください。公益法人も一つの社会的存在であります以上、その政治活動につきましては政治献金も含めて一切禁止されるものではないと一般的に解されていると承知しているところでございます、確かにこのとおりにお考えでしょうか。

木村副大臣 そのとおりでございます。

阿部委員 木村副大臣は、政治資金規正法第二十二条の三を御存じでしょうか。政治資金規正法第二十二条の三を御存じでしょうか。

木村副大臣 恐らく、助成をされているところの企業は、企業側が寄附をしてはいけないというような、そういう中身だと思いますが。

阿部委員 それであると同時に、もちろん木村副大臣の御認識が根本的に欠落しているものがあるとすると、実は、公益法人そのものからの寄附という形は基本的には、公益法人の性格上、民法上からも望ましくないという指摘が随所でなされております。例えば、公益法人と申しますものは、民法の規定でございますところの、民法四十三条、法人の目的とされるところ以外の、献金というのは以外のことであり、民法九十条、公序良俗違反ということになってくるということで、実は、現在、ほとんどの、というかすべてのと言っていいと思いますが、献金は公益法人そのものから来る献金ではなくて、別途に政治連盟なるものをつくって、そこから献金がなされております。

 私は、この公益法人そのものからの献金は一切禁止されておらないという認識がおありな限り、随所で実は問題が起きてくるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

木村副大臣 その点に関しましては、多分そのときもお答えさせていただいているんでございますけれども、公益法人の政治活動につきましては、もうこれは種々議論のあるということは承知をしているところでございますけれども、いずれにいたしましても、公益法人の業務の運営に当たりましては、設立目的に沿った適正な運営がなされるべきものと考えているということをそのときも恐らく一緒に答弁させていただいたと思うんでございますが。

阿部委員 そういう抽象的な答弁だから問題が起こるのです。

 では伺いますが、公益法人から政治団体への寄附はよろしゅうございますか。公益法人から政治団体への寄附です。

木村副大臣 一般的には禁止されてないんではないかと思われますが。

阿部委員 これは、平成十二年度に政治資金法の改正がございましてから、公益法人から、そういう法人というものから政治団体への寄附は禁止されております。

 私は、もしそこの御認識が副大臣として甘いのであれば、やはりもう一度この政治資金管理問題総体を見直していただきたいと思いますが、ちょっと今、副大臣、必要な書類に当たられても結構ですから、もう一度確たる御答弁をお願いします。

木村副大臣 どういう前提条件がついているのか、それは知りませんけれども、一切禁止されているということはないように私は記憶していたんですが、先生から私の記憶力に関しては厳しい御指摘を受けておりますので、一〇〇%確かかと言われれば、それはまだ一〇〇%確かかどうかわかりませんけれども、一切禁止されているということはないんじゃないんでしょうか。何か、どういう条文になっているんでしょうか、むしろ逆に教えていただきたいと思うんでございますが。

阿部委員 今私が申しましたのは、平成十二年度の政治資金法の改正で、例えば医師会を例にとらせていただいて恐縮ですが、医師会から医師政治連盟への寄附というものは禁止されております。そこで、どういうふうにある種の抜け穴ができたかといいますと、医師政治連盟への献金は、個人の医師が医師政治連盟に別途に献金する。医師会というもので集めたお金から医師政治連盟に、団体から連盟に寄附してはいけないという条項でございます。そのような論議があったことは御承知でしょうか。

木村副大臣 それは、特に一番関連の深い団体は禁止されているんでございますか、それとも、ほかの全く関係ない団体への寄附は有効になっているんでしょうか。その辺はどうなんでございますか。

阿部委員 普通、全く関係のない団体には、つくった業界団体から自分のところの政治連盟以外のところに寄附をすることはございませんから、ここでとりわけて挙げられていることは、業界団体をおつくりになって、その団体から政治連盟への、団体から政治連盟への寄附がよろしくないということでございます。

木村副大臣 それは明確に法律で決められたんですか。どういう条文になっているんですか。

阿部委員 今盛んに、私も今関連のところを探しておりますが、先ほど私の読みました二十二条の三のところは、例えば医師会の場合は、医師会は県から補助金をいただいておりますので、これは先ほど申しました二十二条の三違反になりますが、この件の認識はよろしゅうございますか。

 私が伺っているのは、公益法人からの政治資金の寄附、政治家への寄附は一切禁じられるものではないという御答弁でしたので、一つ、私が申し上げましたのは、それが補助金を受けている団体である場合は、二十二条三に規定されておりますが、それはよろしゅうございますか。

木村副大臣 補助金を受けている団体が、国の直接補助を受けている団体が、その団体がほかの議員、いろいろな議員に献金をすることは、それは禁止されているわけでございます、二十二条三で。ただ、全部、全くすべていけないのかというような条文では、それは、その二十二条の三はそうじゃないんじゃないでしょうか。例えば、補助金を受けていないところは、恐らくそれまで禁止していないんじゃないんですか、その条文では。

阿部委員 もちろん二十二条の三は禁止しておりません。

 私もちょっと探すのに時間がかかりますので、私が申し上げたある業界団体からその所属の政治連盟への献金の件については、もう一条探し出しますので、ちょっとお時間をちょうだいいたしますが、ここの参議院での副大臣の御答弁、公益法人からの政治活動につきまして、政治献金も含めまして一切禁止されるものではないと一般的に解されているということは誤りですね。公益法人が補助金を受けているという場合には、これは禁止されておりますよね。そこの御答弁をお願いします。

木村副大臣 先生が何回も繰り返していただいてありがたいんですが、私の答弁は、公益法人も一つの社会的存在である以上、その政治活動につきましては、政治献金も含め「一切禁止されるものではないと一般的に解されていると承知をしているところでございます。」と、こう答えているんです。一切禁止されるものではないと。先生の場合には、条件をつけられて、条件をつけられたものの中には、それは禁止されているものもあるかもしれませんけれども、一切、すべてだめだとは書いてないんじゃないか、そういうふうに解されているんではないんでしょうか。

阿部委員 では、わかりました。この「一切」のかかる場所については別途に伺いますので、次の質問に移らせていただこうかと思います。

 木村副大臣には、柔道整復師会の皆さんとはいつごろからおつき合いがございますでしょうか。

木村副大臣 これは、議員になる以前の、私は県会議員もしておりましたし、秘書もしておりましたものですから、秘書をしているときから含めますと、もう相当な年限がたつんだと、このように思っております。

阿部委員 相当な年限とはファジーですので、何年くらいかというところと、それから、その中に政治連盟というものがおありなのも御承知おきだと思いますが、ここでの、かなり以前からのおつき合いとお聞きいたしましたから、政治連盟への会費の納入の仕方と、柔道整復師会への会費の納入の仕方についてはどのように扱われているか、御存じですか。

木村副大臣 会費の納入の仕方については存じ上げません。

阿部委員 では、柔道整復師会というのは何らかの補助金をお受けになっていますか。

木村副大臣 存じ上げておりません。

阿部委員 これは献金をお受けになる副大臣御自身で確認していただきたいと思うのです。もしも、残念ながら私は真偽のほどは存じませんが、献金をお受けである場合は、当然、先ほど申しました二十二条の三にひっかかってまいるかと思います。

 副大臣は今、二つのことを御存じなく献金を受けておられます。一つは補助金を受けておられるかどうか。これはもう、調べれば、後ろ方からお話が来ているので明らかかもしれません。それから、その政治連盟の資金の集められ方、これも私は非常に重要だと思います。

 実は牛島訴訟という、一九九六年に最高裁の判決が出た、税理士さんの政治連盟加入にかかわる訴訟を、木村副大臣は御存じでしょうか。

木村副大臣 存じ上げておりません。

阿部委員 これもぜひ、副大臣になられた以上、というか、やはりこれだけの献金をお受けになる以上、受ける立場として、例えば、相手の下さるお金が何らかに法的に問題があれば、受け取った副大臣も問題になるわけです。木村副大臣の受けておられる献金は破格、番付に出るくらい、各種団体からいただかれています。そして、その一つ一つの団体が政治連盟をお持ちです。その政治連盟の資金の集め方が、もしも個人の意思に基づくものでないならば、一九九六年の最高裁判決に違反してまいります。

 これは簡単に申しますと、南九州税理士会に所属する牛島さんという税理士の方が、政治連盟への加入費も同時に徴収されることに対して、個人の思想信条の自由ということを表に立てて争いまして、業界団体、歯科医、医師会も一緒です、税理士会も一緒です、会、会、会と名がつくものと、そこのつくる政治連盟への加入は別途になさねばならぬという判決でございます。逐一、副大臣は本当に御自身の献金全部調べられて、そしてその相手方がどのような形で、その政治連盟への個々人の加入ということをきちんとやっていられるのか。献金を受けた限りにおいては責任がございます。例えば、松浪議員が何らかの形でやくざと呼ばれる方からいろいろな資金援助を受けた。それは、相手がどんな人か知らなかったとは言えないのが、これは政治家の常でございます。政治と金にかかわることは、献金をいただいたときに、相手の状況をよく知らねばならない。そして、特に私がここで力説いたしますのは、実はほとんどの政治連盟というものは会費を一括納入させるわけでございます。私の所属する医師会ですら同じでございます。医師政治連盟への会費の納入は、実は、表向き、違う書き方がしてあっても、原則的には同時徴収される。そして、そのことが富山県でも岡山県でも問題になりまして、医師の個人の意思によって政治連盟への加入をさせるという方向に転換されてきております。

 そして木村副大臣には同じことで、本当に私は同じ論議をずっとしているのだと思いまして、平成十二年二月十八日の予算委員会の議事録、これは実は亡くなられた石井紘基さん、政官業の癒着を一生懸命追及されてこられた石井紘基さんの質疑の中に、木村義雄先生のお名前が出てまいります。御記憶がおありでしょうか。

木村副大臣 石井紘基先生とは決算行政監視委員会におきまして、私は与党の筆頭理事、石井先生が野党の筆頭理事をさせていただいておりました。委員会の旅行にも一緒に行かせていただきました。お嬢様もそのときに御一緒でございました。石井紘基先生とは与野党の垣根を越えて大変仲よくさせていただいたような次第でございまして、石井先生があのときに、大変な事件に遭われたときに、私は直ちにあそこの、世田谷の国立病院に訪ねたのを記憶しているわけでございまして、石井先生を心から大変御尊敬申し上げているところでございます。

阿部委員 個人的にはそのようだと思います。そして、恐らくここで審議している議員の中にも、個人的にはあの先生は信頼しているという人間関係はあると思います。

 ただし、やはり政治家が一番正さなければならないお金の問題で、石井紘基先生のこの二月十八日の質疑の中で、事は参照価格制度、薬価の参照価格制度のことについて、木村議員のお働きに対して疑義が呈されております。これはそれまで、この審議会を含めまして、参照価格制度の導入をすべしという方向で宮下厚生大臣に答申が提出されておりました、さかのぼること一月までは。二月の四日になると、木村義雄副大臣がこの参照価格制度には反対だという御意見を述べられて、結果、反対というふうになっております。私は、よく読めば、ああ、こんなところにもあったんだと。

 先ほどの社会保険病院それから柔道整復師問題、さまざまに、木村副大臣は厚生労働行政で非常に重要な役割を占めておられる。それであるからこそ、さまざまなお金の動きについてはみずからその相手の資金のありよう、個々人が本当に自由意思で政治連盟に加入しているのか、あるいは補助金を受けている団体なのか否か、お受け取りになる前にチェックすべきであると思います。柔道整復師会が補助金を受けているか否かは、さっき申しましたように、私は知りません。でも、副大臣もおっしゃいました、知りませんと。その段階でお受けになったら、実は自分が二十二条の三項違反を犯したかどうかがわからないのです。そういう形で次々に献金を受けたら、いつか木村先生は知らずして法を犯す、必ずその落とし穴に私ははまり込むと思います。

 きょうの私の提案は、木村副大臣は随所で、いわゆる政治団体から政治献金を受けておられます。その一々に関して、政治連盟にどのような形でその業界団体の個々人が加入しておられるのか、強制ではないのか。これは、助成金を受けようと受けまいと、強制的な加入は思想信条の問題でよろしくないとされたのが平成十二年度の改正でございます。現に、そう言われても、医師会でも六割から八割、強制でございます。

 私は、厚生労働行政が非常にやはり政官業の癒着が強い場になりやすいということは、業界団体が持つ個々人の意思を無視した政治連盟なり、そうしたものと、一方で、厚生労働行政の大半が業界団体に丸投げされるという構造の二つにかかっていると思います。きょう、木村副大臣にお約束いただきたいのは、随所でいただかれた政治連盟からの、その政治連盟のあり方について御検討いただきまして、次回また御返答いただきたいですが、いかがでしょうか。

木村副大臣 私が日ごろから御尊敬を申し上げております阿部先生のさまざまなアドバイスを賜りまして、まことにありがとうございました。先生からいただいた言葉を大切にしてまいりたい、このように思っておるような次第でございます。

阿部委員 言葉を大切にする以上に、今のを出していただきたいので、検討して、よろしくお願いします。また次回、引き続いてお願いします。ありがとうございました。

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