第156回国会 厚生労働委員会 第25号(2003/7/16) 抜粋 ○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
冒頭、坂口厚生労働大臣に、先ほど小沢委員がお示しくださった資料の一部を用いて、追加の質問をさせていただきたく存じます。これは通告外ですので、あえてお許しください。
きょう、小沢委員がわざわざ御提示でございますこの柔道整復師関係の療養費の支給問題でございますが、私も大臣も通常のいわゆる西洋医学の医者でございますので、余りこのような療養費のシートというのも見たことがない。私もないですし、大臣も余りないと思われますが、大臣にあっては、この表を見まして、患者さんというか施療を受けた方が窓口でお支払いされる分と、それから、一番下に書いてございます委任欄で委任して、結局はこの施術された方に入っていくお金との明細、御理解がつきますでしょうか。恐縮ですが、一問お願いします。
○坂口国務大臣 ちょっと今おっしゃったことが十分に理解されておりませんが、先ほど小沢委員が挙げられました例えば八十歳の女性の場合でありましたら、請求金額が三万四千五百円、そしてその一部負担金が三千二百円、ここのところの話でしょうか。(阿部委員「そうですね」と呼ぶ)
それで……。
○阿部委員 窓口でお支払いになる分がお幾らで、そして、実はこの施療を受けた方は、自分の施療にかかわって、全体幾らの出費が行われたかということを確認する手段がないんだと思うのです。この施療全体にかかわる費用は恐らく三万四千五百円で、これは施療者から療養費の担当部署に請求がある。窓口では多分三千二百円をお支払いと思いますが、この表はそのように理解してよいか。
あえて大臣に伺いましたのは、私は西洋医学ではレセプトの開示という問題を一生懸命やってきまして、やはりお一人お一人が自分にかかった医療費というものを点検していける仕組みが大事だと思うのですが、この療養費制度にあっては、施療を受けた方が御自身の施療費全体をチェックするような情報公開の仕組みがあるかないか、非常に不確かですので、ちょっとあえて質問を追加させていただきました。
○坂口国務大臣 これを拝見いたしますと、左側の一、二、三、四というのは、これはかかった日でしょうか、回数でしょうか、それぞれによって額が書いてある。一番右の端に一万一千六百円、一万一千六百円、九千二百八十円、五千二百二十円、これだけ書いてある。これがいわゆるかかった日数、回数なのかどうかということ、ちょっとよくわかりませんけれども、それ以上具体的なことはわからないということですね。
○阿部委員 こういう質問をさせていただくのは、実は、柔道整復師の療養費に関しましては、不正請求ということがずっと厚生労働省内でも検討の課題で、それで、先ほど小沢委員がおっしゃられたような三部位とか四部位とか多部位については、おのおの理由を書くというふうに指導がなされてきていると思うのです。
その一方で、私が一番思いますのは、患者さんにとって、幾らかかった治療なのかがわからない、開示を要求できない仕組みにいまだなっているように私の理解では思います。もし原局の方がおられたら教えていただきたいですが、その開示が進んでいないと、不正請求かどうか、先ほど大臣がおっしゃった、捻挫の数と政治献金は比例するかどうかということも、なかなか実は透明にならないと思うのです。
昔から言われておりますことは、疾病をあえて言えばつけ加えて、委任状をとっておりますので、後々多く請求なさるということが生じていたのではないかという疑義があって小沢委員がお尋ねだったと思うのです。私がこんなことをつけ加えなくていいのですが、私は、この柔道整復師政治連盟からの政治献金に関しまして、本来はまじめに診療している柔道整復師の方もいっぱいおられる中で、否定的な部分ばかり取り上げられて、逆に何をなすべきかが明らかじゃないとずっと思ってきたんです。
私は、一つには不正請求をなくす、それから、かかられた患者さんが自分の医療費というのは一体幾らだったんだろうということをきちんと知ることができるシステムをまずつくる、そうしたら、えっ、私はあれで三万四千五百円かかったのと思ったときに、やはりコントロールもきくと思うんです。
これからの時代は、やはり利用者、よく大臣がおっしゃいます、医療は提供するが、受益者中心に事が進んでいかないと正しい点には到達しないと。ぜひとも、この療養費の開示が進んでいるものかどうか、次期国会でも結構ですし、もう一回委員会があればお尋ね申し上げますので、そのあたりが不正請求の一つのネックになってくると思います。そして、そういうことをあわせて、また柔道整復師の中には、柔道整復師会と別途に接骨師会というのをつくられて、不正請求をみずから点検していこうという流れもございますので、それほどに問題になっている分野だという認識を大臣にも改めて持っていただきまして、事の正しい解決の方向に向かうように冒頭お願い申し上げます。
もともとの質問の予告の件に関して質疑を続けさせていただきます。
私はいつもこの季節、必ず千鳥ケ淵のことを取り上げさせていただいております。ことしは、後ろ側にありました納骨堂と前面の納骨堂の一体化の工事が終わりまして、そのことによって大変御遺族にも喜んでいただけましたし、大臣の御裁量でそこまで進んできたことを一つ大きくお礼申し上げながら、一方では、私はせんだって朝日新聞を読んでいて非常に胸を打たれたのですが、イラクで息子さんがサダム・フセイン軍に徴兵されて、米軍によって殺されて、そしてその遺骨をお母さんが捜し歩くというお話でした。最後の最後にたどり着いたのが歯で、この歯が息子のものであるかどうかということを、これまた歯の治療歴を求めて戦火の中を捜し歩いたというお話でした。
私があえてこういうことを申しますのは、一見平和な時代に生きる私たちは、御遺骨とか戦死とかいう問題に関してドラマの上のことのように考えているが、現実に我が国で起こった戦死、海外戦没者について礼を失した対応がなされていまいか、直していくべき点はないかということでございます。
本年三月にも私はお尋ねいたしましたが、実は、去年四百十柱、ことし千十三柱が千鳥ケ淵に納骨されましたが、これらは海外で収骨してきたものを集めて一緒に焼くという方式がいまだ継承されております。私は三月段階で大臣から、個別性の識別できるものはなるべく個別で、歯の一つですら、先ほどのイラクのお母さんにとっては我が息子なんだと思うんです、個人なんだと思うんです。それが千十三柱一緒に業火の中で焼かれる。あるいは、集めてきて現地で焼却して、焼骨が足りないからまた焼骨するんだという理由はあっても、なるべく個々に焼骨していただけまいか。本当に、骨片一つでも遺族にとっては一つだと思うのです。
その点について、今後の大臣のお考えというものと、それからもう一点、遺族から強く申し入れを受けております、私が窓口になっております案件で、再焼骨のところに立ち会わせてほしいと。現地で遺骨収集してもそこに立ち会えない、再焼骨といっても自分の肉親かどうかはわからない、でも、同じように戦争を戦い、亡くなっていって、だれも焼骨を見送る者がいないということが耐えられない、そのような声も多く寄せられています。
再焼骨に立ち会わせていただくわけにはいくまいか。それからもう一つは、個別性ということを徹底してもっともっと追求していただけまいか。この二点についてお願い申し上げます。
○坂口国務大臣 海外で太平洋戦争のときにお亡くなりになりました皆さん方、既に五十有余年の歳月を経ているわけでございます。ソ連におきますように、ハバロフスクでありますとかその他のところで亡くなられた皆さん方がお一人お一人の墓の中に埋葬されている、こういった場合には、そのお一人お一人、お名前がなかなか確定はできないといたしましても、それぞれの御遺骨というものを一人一人日本に持ち帰り、そしてそれをそれぞれおおさめするということ、これは可能でございますし、ぜひそれはそういうふうにしたいというふうに思っております。
問題は、南方の方で、例えば一つのごうを掘って、その中に多数の皆さん方が折り重なるようにしてお亡くなりになっている、その御遺骨を一体どうするかということだろうというふうに思います。あるいは、それは日本の兵士のみならず、その土地の皆さん方もあるいは御一緒であったかもしれない。しかし、戦争によってお亡くなりになったことだけは間違いがないわけでありまして、その御遺骨に対する尊厳と申しますか、やはり日本にお帰りをいただいて、日本で心を込めて、その皆さん方にそのお気持ちを察しながら御供養を申し上げるということが私は大事だというふうに思っておりますが、たくさんの方が一つの中でお亡くなりになっているようなケースの場合には、それを判別することはなかなか難しい。
御遺族のお気持ちとしては、一人一人それを選別できれば、そういうふうにお思いの皆さんもおみえでございましょう。しかし、そこはなかなか難しゅうございますので、これは御一緒に焼骨させていただかざるを得ないケースもあるというふうに私は思います。そのことを私は遺族の皆さん方にお願いを申し上げる以外にないのではないかというふうに思います。
こういう遺伝子の時代になってまいりましたから、一本一本の遺骨、それを遺伝子的に分析をしてということも、それは中には不可能でないケースもあるだろうというふうに思いますけれども、しかし、もうこれだけ風化が進んでおりまして、それすらも不可能になったケースもあるわけでございますから、そこはお許しをいただきたいというふうに私個人は思います。
しかし、先ほど申しましたように、お一人お一人完璧に遺骨をお迎えすることができる方は、それはそういうふうにぜひしたいというふうに思っております。
焼骨に対する立ち会いのお話でございますが、これも御遺族のお気持ちとしては、なるほどそういうお気持ちはあるだろうというふうに思います。私も兄をインパール作戦で亡くしまして、やはりあの御遺骨のところへ行きますとそういったことを思いますから、それはやはりそうだろうというふうに思いますが、それが可能かどうかということまで私もちょっと相談をしておりませんしいたしますので、そうしたことを御遺族の皆さん方にもお立ち会いをいただいて、そして処理をさせていただく、処理をするという言葉は適当ではございませんが、焼骨をさせていただくということが可能ならば、そのようにしたいというふうに思っております。
○阿部委員 大変に前向きな御答弁、ありがとうございます。
実は、私は、この件を取り上げて三年間、ずっと原局とやりとりをしてきて、都度、原局サイドからは焼骨には立ち会わせることができないというお答えでした。私は、そうやって遺族が求めるものと厚生行政の間にずれが生じれば、余分な不信感が高まり、悲しみがいやされないと思うので、そこは、どういう形式が可能かということの譲歩はもちろんございますから、なるべく御遺族のお気持ちに沿っていただけるよう大臣の御指導をお願いいたします。
そして、実は、南方方面で収集されたものでも、ことしは十体、十柱分だけは分けて、DNA鑑定用と思いますが、未納骨で残していただいております。これは、三月に私が質疑いたし、そしてその後DNA鑑定の件が開始されることになったという、双方の、科学の歩みと厚生行政の中でのこの御遺骨をめぐる前向きな取り組みと思いますから、重ねて御尽力を心からお願いするものでございます。
続いて、労災問題でお尋ねをいたします。
私は、せんだって、造船業における労災の状況について、実際に造船現場で働く方から少しお話を伺いましたが、そのうちで最も気になりましたのが、昨年度の労災七百四十五件中で、いわゆる転落事故が百八十三件と、約四分の一に上ることです。
造船業は今、先ほど小沢委員もお尋ねの鉄鋼業と同じように、構造的な不況を抱えて、大変に現場労働者も高齢化しており、全体の業務量も少ない人数でやらなくちゃいけないという幾重のしわ寄せを受けておりますが、転落事故と申しますと、高いところからの転落ですので、死亡にも結びつきやすいと思います。
それで、私が労働基準局にお伺いしたいのは、どのような体制でこの労災、転落事故の防止に取り組んでおられるか、御答弁をお願いします。
○松崎政府参考人 御指摘の労働災害におきます転落、墜落事故でございますけれども、これは造船業に限らず、全体としても非常に多いわけでございまして、特に高所作業が多い、また仮設物が多いといったことから、建設業でございますとか、また造船業において非常に比率が高くなっております。
こういったことで、私ども従来から全体対策におきましても、この墜落、転落の防止といったことを労働災害防止の重点に置いておりまして、いろいろな対策を講じておるところでございますけれども、具体的には、やはり高いところから落ちるというわけでございますので、きちんとした足場をつくるということ、また、その足場については手すりを設けるということ、そういうことがどうしてもできない場合には、必ず命綱をつけて作業するといったこと、こういったことはすべて労働安全衛生法なりに決められておるわけでございますけれども、なかなかそれが現場におきましては一〇〇%守られておらないといったことから、残念ながらこういった事故が起こっているというふうに認識しております。
そういったことで、建設業、造船業のように、元方、それから下請、孫請といったいろいろな会社が混在して入っているところにつきましては、そういう現場でございますので、まず、その現場全体を統括いたします元方の責任として、きちんとほかの孫請、下請の従業員の安全衛生につきましても元方の責任者の方に責任を負っていただいて、そうやって現場でトータルとしての安全衛生管理体制をつくるということが第一でございますけれども、それに加えて、やはり一人一人が自分の身は自分で守るといった意識を持っていただく。きのうまで安全だったからきょうも安全だと思うんじゃなくて、やはり原則に返っていただいて、きちんと作業手順なり命綱といったものをつけるといったことをきちっと守っていただくといったことをもう一度徹底するということによって、こういった災害の減少を図っていきたいというふうに考えております。
○阿部委員 今御答弁の中にあえてつけ加えさせていただければ、例えば高所作業中の安全監視員の配置という問題も、今、作業部署での人員が少なくなると、安全監視のために下に人を配置できなくなっております。先ほど私がお願いしましたのは、厳しい労働条件下で現場がどうなっておるかということをもう一度再点検していただきたい。そのためには、転落事故をきちんと検証していただくことも大事かと思います。
あと、ネットが張ってあるかどうかとか、はしごが固定されているかどうか。先ほど、安全さくや手すりの問題は言われたかと思いますが、はしごの固定、監視員、特に下で監視していただかないと、高いところからの転落、お互いにふっとした気の緩みで、危ないという声の一つ、やはり違うと思いますので、これは特に作業の折に部局として注意、検討していただきたい点かと思います。
引き続いて、MMRワクチンの予防接種被害についてお伺いいたします。
これまでに御提供いただきました資料で、MMR接種で発生した副作用の被害者は、死亡者を除いて一千七百五十四人、いわゆる任意接種で被害が起きて認定を受けた方を加えると二千七十五人となっておりますが、果たしてこの認定を受けた患者さんたちがその後どのように症状の経過を抱えておられるか。
例えば子供の場合ですと、幼いころに髄膜炎をやりますと、何年かたっててんかんが出たり、あるいは微妙な部分での発達のおくれが出たりいたしまして、実は、今厚生省がお示しのデータは、認定時に死亡か治療中かあるいは治癒か、認定時だけでございます。もう年月は五年、十年とたってございます。その間の長期フォローはいかがになっておるや、お教えください。
○高原政府参考人 委員御指摘の認定時の方につきましては、ほとんどが既に治癒されている、ないしは、現在、年金受給者が四人、死亡一時金の受給者が三人いらっしゃるわけでございますけれども、この人たちについても、数が少ないということもあって把握しておる。
それから、治癒したというふうな形になっている方が再び予防接種が原因と考えられる疾病に罹患した場合には、申請なさいますと再度医療費の支給が行われるわけでございまして、実体的なサーベイランス体制というふうなものはできているんだろうと思っております。
しかしながら、御指摘のような、これに必ずしもかかっていないというふうな問題意識というものにつきましては、厚生労働科学研究におきまして、感染症対策の中で予防接種関係の研究も対象としているところでございますので、そういうふうな研究の御希望の方がいらっしゃった場合には、この厚生労働科学研究の中で申請をしていただく、そういうことになろうかと思います。
○阿部委員 最後に大臣にお願いしたいのですが、今の高原局長の御答弁は、研究者の中でそういうことがやりたいといった場合に、厚生労働科研費を出しましょうと。私は、逆転していると思うんです。これは国が起こした予防接種禍です。そして、長期の予後ということは、私は国として責任があると思います。やはり国としてきちんとした予後調査に取り組むべく、その姿勢で例えば厚生労働科学研究を募集なさるとか、そういうのが私は筋だと思いますが、その点についてもう一度大臣のお考えを。
私は小児科医ですから本当に、昔髄膜炎をやったら、何年かしててんかんが出てくる子供たちを多く見ております。ですから、その分だけ不安も強うございますし、それは、患者さんの方から言ってきたら、あるいは主治医が言ってきたらという問題ではないだけの、これは国が認可したワクチンが偽造されて問題を生じた事件でございます。あるいは、期限切れワクチンで被害が生じた。責任問題は、私は、せめて健康の実態調査くらい国が率先して行うべきと思いますが、お考えをお願いします。
○坂口国務大臣 予防注射によって被害を受けられた皆さん方が成人されてどうなっているか。
私も、地元に一人おみえになりまして、今までからずっと、幼児のときからお会いをしてきたわけでございますが、先日、何十年ぶりかに、お父さん、お母さんとお会いをさせていただきました。立派に成長されたと申しますか、もう二十七、八でございますからかなり立派でございますが、非常に卓越した能力をお持ちで、いろいろのことに取り組んでおみえになるようでございますけれども、全人間的に言うならば、全人間的にすべてが正常というわけではない、部分的に非常に能力があるということのようでございます。
そうした方がかなりおみえになるのではないかと私も思いますが、今御指摘になりましたように、厚生労働省として、今どういう状況にあるかということを把握できるかどうか、ちょっと聞いてみないとわかりませんが、その当時、その障害のありました皆さん方の住所、氏名というものをしっかりと把握させていただいたといたしましても、それからかなり時間がたった後で、住所等もお変わりになっている場合もございましょうし、把握できるかどうか、あるいは、都道府県なり市町村にお願いをして、そこが把握できるかどうか、そんなこともあろうかと思います。
一遍やってみますと言うだけの自信はなかなかございませんけれども、そうしたことが可能かどうか、一遍ひとつ議論をしてみたいというふうに思います。
○阿部委員 ぜひとも前向きにお取り組みいただきますようにお願い申し上げて、終わらせていただきます。
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