第156回国会 予算委員会 第5号(2003/01/27) 抜粋 ○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
本日、一月の二十七日は、日付で申しますれば、アメリカでも同じくことしの冒頭の国会が始まる、時差がございますので明日になりますが、その中で、ブッシュ大統領が所信表明演説をなさる。必ずやイラク攻撃のことも触れられるであろうという、実は世界にとりましても極めて緊迫した事態の中で、我が国での補正予算の審議が持たれていることと思います。
たまたま、昨日のNHK報道がございましたが、アメリカのイラク攻撃をめぐってヘッジファンドが暗躍し、その中に日本の高齢者の年金の運用資金まで含まれておると。今、世界は、経済面でも雇用面でもいろいろな動きを、平和という、この非常に大事な一点にかけて動いておる。日本でのここでの論議も、先ほど吉井委員が御質疑でございましたが、トンネルを抜けられないどころか、一たん中東の平和が崩れれば、もう土砂崩れ状態に、日本の経済、金融、もろともになっていくことと思います。
私は、そうした観点から本来は質疑をいたしたいのですけれども、限られた時間が二十分でございまして、私の目前で命のかかった問題がございますので、きょうは、最後まで御苦労さまですが、坂口厚生労働大臣お一人を質疑の相手と定めさせていただきまして、よろしくお願い申し上げます。
実は、一月の十四日の日から本日ただいま、この雨の中の、本当に冷たい雨の中、厚生省と障害者の当事者並びに支援団体のにらみ合い状態がずうっと継続しております。明日になりますれば、もう二週間という長い座り込みあるいは実力行動でございます。国会議員、特にこの予算委員会に御参集の皆様も、厚生省前に出向いてごらんになれば、車いすの方あるいは本当に御不自由な方たちが寒空に一体何をなさっているんだろう、厚生省側ではさくにチェーンをかけまして、中に入れないという状態が続いておりまして、何事かとどなた様も思われるかと思います。
実は、ことしの四月から、障害のある方たちのホームヘルプ事業並びにいろいろな御自身が受けるサービスについての相談事業が、これまでの方式を急激に、昨年暮れから何ら当事者団体あるいは支援団体への説明もなく、厚生労働省が変更したところから始まっております。
実は、坂口大臣のお隣の財務大臣の塩川大臣にも関係はございますが、きょうは、先ほど申しましたように、坂口大臣お一人がターゲットですので、坂口大臣にお伺いいたします。
明日、この支援費の担当課長会議というものが開かれる予定ですが、障害のおありになる皆さんは、これすらも実力で阻止しようか。一月の十六日は千人以上の方々がお集まりでございましたけれども。
坂口大臣にまず冒頭一つ、私の息子は三十歳である、そして、私がもし死んでも、この息子がこの国で、二十四時間介護の障害者のお母さんの言葉ですが、きちんと生きていけることを保障していただけますか、これをまず大臣に聞いてくれ、こう言われましたので、一問目はこれでお願いします。
○坂口国務大臣 この障害者の支援費の問題につきましては、平成十二年に法律ができておりまして、そして平成十五年度から導入されるものでございますから、大枠につきましては既に決定をされているものでございます。したがいまして、この予算も決まりまして、その予算の配分をどうするかという問題になってきているわけでございまして、その予算の配分の問題のあり方について意見の相違があったというふうに私は思っております。
それからもう一つ、いろいろの都道府県あるいは市町村で皆さんの相談に乗っている、そして相談の窓口になっていただいてまいりましたが、この相談事業というものを一般財源化したということについて、これをどうするかという問題が御提起されているというふうに今聞いているわけでございます。
今までのところ、非常に熱心にこの障害者の問題にお取り組みになりました都道府県と、そして必ずしもそうでなかったところと両極端でございまして、約四五%のところはほとんど、ほとんどと言っては失礼でございますけれども、余り熱心にお取り組みをいただいてこなかった。ただし、一方、東京でありますとか大阪でありますとか、そうしたところにつきましては熱心にお取り組みをいただいてきたということで、非常に大きな差がございました。
今度、この支援費制度によりまして、全国津々浦々どこにおきましても、同じようにこの障害者の問題に取り組みができるような体制にしたいというふうに考えているわけでございます。東京におみえになりました方が地方に転勤になりましたときに、それで、その地域では何もできないということではいけませんので、東京でありましてもその他のところでありましても、同じようにしていかなければならないというふうに思っております。そういう全国的なことを考えますと、一つの基準をもって予算の配分をしなければならないというのが実情でございます。
そのときに生じてまいりますのが、一つの基準でもって予算を配分いたしますと、今まで東京ですとかあるいは大阪のように、熱心におやりになっていたところが予算が不足する可能性があるではないかという御指摘でございまして、この辺につきましては、ひとつ経過措置をとらせていただきます。ことし、そして来年といったようなところでは、今までお受けになっていた皆さん方が今までどおりお受けをいただけるような体制にいたしましょう、そしてこの間に、これから先、障害者の皆さん方の中で、どういう支援体制にしていけばそれが全体に可能になるのかということの調査もやらせていただきましょうという御提案を申し上げているところでございまして、大体合意をいただいたというふうにお聞きをいたしておりますし、きょうお昼からには、その調印と申しますか、お互いの意見の最終結論を出すというところに至っているというふうに聞いているところでございます。
○阿部委員 今、坂口大臣に御答弁いただきましたケアプランに相当する支援計画を立てる自治体側の問題については、確かに大臣の御答弁にありましたように、本日午後、まあ、この間各自治体から、国のやり方が余りにも唐突であり、自治体の現状あるいは今後の見通しについて何ら確約がないということで、東京都あるいは神奈川県、千葉県、あるいは各市町村からも厚生省に抗議の声が寄せられており、そのことに処せられたという大臣のお言葉でしたが、実は、こうした国の政治と地方の政治ということを考えます際に、今回とられたような一方的な処置はもちろん誤っておりますが、そればかりでなく、障害者問題においては法律的な問題もあるように私は思います。
高齢者問題は、実は、私どもだれでも年をとりますので、ゴールドプラン、新ゴールドプランなど、プランが策定されるようにきちんと義務として市町村におろされております。しかしながら、私はたまたま、こんなに厚い社会福祉六法というのをひっくり返し、とっくり返し見ましたところが、障害者基本法の中では、障害者基本計画にかかわっては、市町村は努力、行わなくてはならないではなくて、行うべく努力するにとどまっております。
これは、国の考え方の中で、法律はそれを指し示すものですから、障害者問題について、明らかに自治体の義務を明示するような方向に根本的に検討し直さないと、先ほど厚生労働大臣のおっしゃったような熱心な自治体と、取り組んでいなくてそれでよしとして、もしこれで一般交付税化されてお金が来てもほかに使わないことができる自治体の差が出てまいります。
私は、補助金行政というのは、多岐にわたる問題はあろうかと思いますが、しかしながら、国が基本的な政策、基本的人権、生存権にかかわる問題でこれだけは到達したいと思ういわば誘導政策でございます。その誘導政策の落ちつく先が法律上でも現実でも全く展望されていないときに、今回厚生労働省のとられた方針は、私はやはり今の現状を見誤っていると思いますが、法律的な点、現状の点、いま一度御答弁をお願いいたします。
○坂口国務大臣 先ほど申しましたように、サービス、とりわけヘルプサービスにつきましては、これは補助金でお渡しをするわけでありますから、今度は各市町村に補助金としてヘルプサービスのお金は行くわけであります。
したがいまして、その皆さん方にいわゆるヘルプサービスをやっていただこうというふうになりますと、それは当然のことながら、皆さん方に御相談をしていただくということは必須のこととして起こってくるわけでありますから、その部分につきましては、どうぞひとつ、一般財源化をいたしますけれども、その中でひとつおやりをくださいよと言っていることでございまして、したがって、私は、ヘルプサービスまで一般財源化というのであれば大変大きな問題だというふうに思いますけれども、この一番中心のところは補助金というふうにいたしておりますので、ここは御努力をそれぞれの市町村でおやりをいただけるのではないかというふうに思います。
また、こうした問題は、自治事務にもなっておりますしいたしますから、各市町村におきまして、熱心にお取り組みをいただけるものというふうに思っております。
もちろん、だからといって、国が手を引くというわけでは決してございませんで、国は率先してやらなければなりませんけれども、各自治体におきましても、これはどうしても各自治体でおやりをいただかなければ、お一人お一人の状況なんというのは国ではわからないわけでございますので、自治体にひとつお願いをして、お取り組みをいただかざるを得ないことだというふうに思っております。
○阿部委員 私の質問予告の仕方も問題がございましたので、今の大臣の御答弁、必ずしも私がお尋ね申し上げたところにお答えではございませんが、恐縮ですが、時間が限られておりますので、多少角度を変えて伺わせていただきます。
これまでの国の基本的な事業計画の中で、障害のおありの方が在宅でも暮らせるようにということを、ずっと厚生労働省として熱心にやっておられました。しかしながら、この間、支援費への移行ということに際して、実際、どれくらいの障害者が、どれくらいの時間をホームヘルプされているか、どれくらいのニードがあり、どのようにこれから拡大されるべきかということについて、厚生労働省側として、これまでほとんどと言っていいほどデータをお持ちではございません。ここに一番当事者側と厚生省側の意見のそご、今障害をお持ちの方は、例えば各都道府県をならして全部やれるようにした結果、自分の二十四時間ヘルプが、一日四時間になってしまったら、あと二十時間、息もせず、食事もせず、うんこもしっこもせず生きていかなきゃならないかという不安を持っておいでです。
そこで、何度も恐縮です、時間が限られておりますので、大臣に、この場でぜひお約束していただきたいことがございます。当事者サイドと、彼らはいつもそうですが、大臣に期待し、会い、お話を詰めて、伺い、実情を知ってもらって、よりよい国日本の中で生きたいと願っております。大臣からメモ書きが伝えられたということですが、当事者団体は全く納得せず、先ほども申しました、この雨の中、厚生省前で対峙しております。本当に命にかかわることも生じかねないと思います。坂口大臣には、ぜひとも当事者を交えた会議をお持ちいただくように現場を指導していただきたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。
○坂口国務大臣 障害者の皆さん方、とりわけ重度の障害者の皆さん方に、二十四時間ならば二十四時間の対応ができるようにしなければならないというふうに思っておりまして、それが継続されるように今言っているところでございますが、今回のこの問題は予算の配分の問題でございまして、いわゆる政治的な判断の問題ではなかったわけでございますので、事務方に、ここはきちっと皆さん方とお話し合いをして決着をつけないといけないということを言ってきたわけでございます。
しかし、先ほど御指摘いただきましたとおり、それでは平素から障害者の皆さん方の団体との間でよく話をしてきたかと言われますと、ここは残念ながら十分になされてこなかった。これは私も率直に認めておりまして、ここはちゃんとしなきゃいけないということも言っているところでございます。
間もなく一段落するというふうに思いますし、落ちついた状況の中でまた皆さん方とお会いさせていただくことはあるというふうに思っております。
○阿部委員 やはり生きていくことの保障をきちんと国が提示されない限り、穏やかな話し合いがなかなか持たれず、不要な対立が積み重なると思いますので、大臣の今の御答弁が現実に生かされますように。
そして、実はいま一つ、東京の北区に今度社会保険庁が新設する予定であった病院が突如、これも突如でございます、方針変換により四月からは開設されない、二百名以上の就労が既に決まっていた、採用が決まっていた問題が一挙に流されるという状態になりました。
これをとりましても、今私どもが論議しているのは、本来保証された雇用をやめて、戦争と一緒です、破壊をして、その後どうしようかというようなやり方で、日本の中で、生命にかかわる、医療提供体制にかかわる病院の問題が、今本当に、住民にも説明なく、当事者にも説明なく、厚生省の方針転換がございました。
この問題についても、坂口厚生労働大臣は、では、私の気持ちを思いはかってくださったのかと思いますが、小児の病院に転用してはいかがであろうかという御発言をしたというふうに新聞では伺っておりますが、今大切なことは、実は、この病院には老人保健施設も併設されており、東京都の計画の中にも地域の医療計画の中にも入っていたものが、国の社会保険庁のさまざまな問題で突如中止されるという事態になっており、本当にどのような形で住民の医療、生命、安心、安全、サービスしていくのかという問題になるかと思いますが、この件についても大臣に御所見を、前向きに、本当に命が支えられるような方向に御答弁をお願いいたします。
○坂口国務大臣 東京北社会保険病院の問題につきましては、中止をしたというふうに申し上げるよりも、その経営者を変更するということでございまして、できるだけ早くこの後をお引き受けいただきますところを決定させていただきまして、御迷惑をかけないようにしたいと思っております。
また、そうすることの中で、今まで雇用が約束されておりました皆さんもできる限り雇用していただけるようにしたいというふうに思っております。
○藤井委員長 阿部君、時間が来ております。
○阿部委員 はい。
医療は地域を支える産業でもありますので、今の低迷した経済の中で、角度を変えてよろしく御検討くださいますように。
ありがとうございました。
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