第156回国会 予算委員会 第9号(2003/02/12) 抜粋 ○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
私は、本日、四点に大きく区分けいたしましてお伺いをいたしたいと思いますが、まず冒頭、一昨年の四月に法案の成立を見ました情報公開法についてお願いをいたします。
情報公開法は、今の小泉内閣にあっても、国民から見てわかりやすい行政のあり方、そして国民と密着した行政処理ということを掲げまして実施されておりますが、しかし、私が去年の暮れ、質問主意書で総務省にお伺いいたしましたところ、この法律に定められております情報公開請求をいたしまして三十日以内に、請求された側は一応返事を出すなり、三十日で処理し切れないものは延期処置をとるなりということをしなければいけないという法のもとの取り決めでございますが、これに違反、ないしは三十日たって延期処置をとりさらに三十日、六十日ということを限度に行っている、その内容にも違反したものが総計百二十七件、各省庁を横断してございました。
確かに、胴元となっております総務省にはございませんでしたが、だがしかし、総務省が全体を管轄なさる省とされまして、各省庁がこのように開示の延期の通知をサボタージュしたり、あるいは開示期限内にきちんとした開示を行わなかったり、あるいは不服申し立てが行われましたときに、それをしかるべく情報公開の審査会にかけなければいけませんが、それのサボタージュ件数も数百件あるというような現状で、果たしてこの情報公開法の精神はいかに各省庁に行き渡っておるかということについて、片山総務大臣の御見解を伺います。
○片山国務大臣 今、委員言われましたように、情報公開法で行う情報開示等の決定は早くなきゃいけませんね。スピードが命でございます。まだなれていない点もややございますが、私どもの方でちょっと調べてみますと、三十日以内に処理する、処理できなければ延長手続をとるんですが、手続をとらずに三十日を超えて処理しているのが四十九件、延長手続をとりましたけれども、それこそ三十プラス三十で六十日ですね、延長手続をとりながら、それをさらに超えているのが七十八件ございまして、私は、所管大臣として大変遺憾だ、こういうように思っておりまして、注意をいたしております。
○阿部委員 本当に遺憾、いかぬことだと思うのです。そして、そのいかぬ状態が最も多いのが、実は外務省と防衛庁でございます。
外務省、これは情報公開ということに関しましては、いろいろな不祥事が続発いたしましたが、外務省は、手続せず勝手に開示をおくらせたもの八件、三十日の延長期限を守らなかったもの五十四件で、計百二十七件中の六十二件は、いずれも外務省の情報公開法の精神にのっとっていない部分でございますが、片山大臣にあっては、こうした事態にかんがみて、外務省の方にそれなりの御指導といいますか、そういうことはなさいましたんでしょうか。
○片山国務大臣 個別には連絡しておりますし、それから、一般的に、私どもの方の行政管理局長から年末に通知をいたしまして、ぜひ法の精神、法の趣旨を守ってほしい、こういうふうにお願いいたしております。
○阿部委員 では、法の趣旨を守ってほしいと言われた外務省側の最高責任者である川口外務大臣は、この事態についてどのように省庁内に趣旨徹底なさいましたでしょうか。
○川口国務大臣 私は、情報開示というのは民主主義の基礎であり、また行政機関が透明性を確保しながら行政をやっていくという意味で、非常に重要なことだと思っております。私が環境大臣でありましたときにはそういうことを徹底しまして、私の記憶では、たしかそのとき、環境省の開示の姿勢というのは、ワーストワンではなくてベストワンであったか、あるいはワンかツーであったというふうに思います。それで外務省に参りまして、私は基本的に同じ姿勢で情報開示については当たっております。
ただ、これで、ぜひ御理解をいただきたいのは、外務省の場合に、資料の内容が外交にかかわることが多いということでして、他国等の信頼関係を損なうおそれあるいは交渉上、不利益をこうむるおそれというものがある文書がございまして、そういうことについては開示できないということがございます。
それから期日のおくれあるいは手続をとらなかった、これは非常に問題であるわけですけれども、いろいろな仕事が大変にある中で、限られた人数の人間がこれに対応している観点で、必ずしも意がそのような形であらわれなかったところもあると思います。
いずれにしても、そういった外務省の扱っている文書の性格についての御理解をぜひ賜りたいと思っていますし、その上で、引き続き、私としては情報開示を極力するように既に言ってありますし、引き続き今後も言いたいと思っています。
○阿部委員 ただいまちょうど御答弁をいただきました事例に相当するようなものといたしまして、七二年の日米会談の資料というものを、米国側の情報公開請求に基づいて米国側から資料請求いたしますと、米国のものは出てきますのに、同じ会談の日本側のものと米国側のもので、日本側のものは今大臣がおっしゃったような外交上の理由ということで出てまいりません。何度も申しますが、同じ会議をアメリカ側は既に公開しております。その日本側が出ないということは、おっしゃったような外交上の理由ということを逸脱していると思います。
また、在外公館でいろいろな問題が起きまして、会計処理を情報公開せよと請求いたしましたら二年間、三十日で迅速をモットーとするという総務大臣のお答えですが、二年間、開示までの時間を通告されたものがございます。
もしも川口大臣が環境相当時、情報公開を徹底させたという実績がおありであれば、私は、今たまたま大臣がお答えになった二件、関連して気になるものを申し上げましたが、もう一度部局内を徹底してお調べくださいまして、きちんと情報公開がなされるようになお検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○川口国務大臣 冒頭申しましたように、情報開示というのは非常に重要なことだというのは私は思っております。
外務省の制約はございますけれども、極力開示をするように事務方には言っていきたいと思っています。
○阿部委員 続いて、防衛庁にお願いいたします。
防衛庁も同じでございまして、実は、手続をせず延長しておるものが十四件、三十日の延長期限を守らずが二十件で、計三十四件ございます。このことについて、防衛庁長官としてどのような部局内御指導を行っておられますか。お願いいたします。
○石破国務大臣 実態は、今委員が御指摘のとおりであります。これは、理由はいろいろございますが、しかし、情報公開法に定められた期間内、あるいは手続をきちんととって行ったということには相なっておりません。言いわけ無用だと思っております。
情報公開法の趣旨をきちんと徹底するように総務省からの御指摘をいただきまして、私どもといたしましても官房長からその旨徹底したところであります。私といたしましても、情報公開法の趣旨をよく踏まえまして、今後このようなことがないように、情報公開法の趣旨を貫徹すべく努力をする所存でございます。
○阿部委員 この場で御答弁いただくことが空約束では困りますので、もしも今後そうした、ある意味での法の精神に反するような事態が生じた場合に、その行政の担当責任者をきちんと処分なさるということの確約も両大臣にお願いいたします。
最初に、川口大臣からお願いします。
○川口国務大臣 情報公開を極力させるように事務方には言っていきます。
○石破国務大臣 先ほど申し上げましたように、このようなことが起こらないように周知徹底をいたしてまいります。そのような事態が起こらないよう、全力を尽くす所存であります。
○阿部委員 やはりその省庁の責任者が、単に空約束で全力を尽くしますとかおっしゃるのではなくて、きちんとした行政上の仕事を職員に周知徹底し、なおかつ、実行されなかった場合は処分をもって臨むというくらいの覚悟がないと、なかなか、立ちおくれた国の情報公開はそれから以降進むことがございません。
ちなみに、防衛庁に至っては、一般PR誌に既に公開されているものを、情報公開請求で来たら、それは公開できない資料ですというふうな処置の仕方まで、極めて漫画のような処置までしているわけです。
精神を変える、考え方を変える、そのためにもきちんとした処分で臨むということを、私は再度石破防衛庁長官に御答弁いただきたいですが、いかがでしょうか。
○石破国務大臣 処分ということになりますと、これは、意識的にサボタージュをしたとか、あるいは、あってはならないことですが、故意に行ったとか、そういうことは極めて許すまじきことであって、処分の対象であります。
今委員から御指摘もございました、その前に総務省からの御指摘もいただき、官房長の方からも徹底をいたしております。御指摘のようなことは当然あるまじきことでありますので、それは、そのようなことが二度と起こらない、起こった場合には処分するかどうか確約をせよということでございますが、確約云々の前に、そういうことが絶対に起こらないように徹底する、その趣旨が肝要であろうかと思っております。
○阿部委員 本来、時間がございますれば具体的な事例で詰めたいと思いますが、少なくとも私が今防衛庁長官と川口外務大臣にお伝えした事例については、早急に対処をいただきますようにお願い申し上げます。
片山総務大臣は、お時間がございますので、ありがとう存じました。
引き続いて、イラク問題について、特に川口外務大臣に御質問をいたします。
先ほど自由党の委員からも御質問がございましたが、今、このイラク問題は、特に国際社会においては、何とかしてイラクに対する武力攻撃を避けようと、そのために査察をさらに徹底させるべく、さまざまな努力が行われているやさきかと思います。
また、日本の国民の世論等々も、いろいろなアンケートがございますが、お目通しいただければわかるかと思いますが、国民の七割ないし八割が、例えばNHKの調査によりますと、アメリカの軍事行動への姿勢を支持する者二三%、支持しない者六八%。また、TBSの集計によりますと、国連決議のないままのアメリカの単独イラク攻撃を支持する一一%、支持しない八七%、国連決議があったとしたらイラク攻撃を支持するのか、支持する三六%、支持しない六〇%と、国連決議があったとしても支持しないという国民世論も多うございます。
そこで、外務大臣にお伺いいたします。
先ほどの自由党の委員の御質問では、外務大臣としていわゆるこのイラク問題について国民へのアナウンスメント、どういう姿勢で臨むかが不徹底なこともいろいろな国民の関心をいまいち先鋭化しない事由ではないかというふうな御指摘がございましたが、私は、それ以上に、国民は、実は直観において、武力攻撃を何とか避けるようになってほしいという願いを持っているんだと思います。これは、空襲された日本の国民の多くが、例えば空襲の翌日は、木の枝に腕から先がぶら下がっている、あるいは死屍累々たるしかばねがそこに転がっている、大量無差別爆撃の結果を我が国は経験しておりますから、その国民性から見ても、どのような形であれ、空爆は行われるべきでないとする直観を持っているのだと思います。
ちょうど本日の朝刊の朝日並びに毎日新聞の一面トップは、ロシアとフランス、ドイツの三カ国が、イラクの大量破壊兵器問題に関して共同宣言を出しております。その宣言の内容は、安保理決議一四四一に基づいてさらに国連査察を継続強化し、イラクに対しての軍事攻撃を何とか食いとめていこうとするものであると思います。
川口大臣にまず一点お伺いいたしますが、この三カ国の共同宣言についてどのようにお考えでしょうか。
○川口国務大臣 共同宣言でも言っているわけでございますけれども、ロシア、ドイツ、フランスは、イラクの武装解除こそが大事であると。国際社会の共通目標を示し、武装解除が可能な限り早期に解決されなければならないということを強調するということで始まっておりまして、まさにこの問題の本質は、イラクがいかに国連の決議を守り、そして、一四四一でイラクに期待されている大量破壊兵器の廃棄の証拠をみずから見せていくかということにかかっているということだと思います。
平和的に解決をしたいということはみんなが思っていることであって、そのかぎはイラクが持っている、そういうことだと考えます。
○阿部委員 では、もう一度、角度を変えて伺いますが、川口外務大臣は、一人の政治家として、日本の外交を預かる重要なポストにつかれた……(発言する者あり)政治家ではない、国民の信任を得ていない、そういう面もございますが、外務大臣として、この三カ国の共同宣言をどのように評価なさいますか。
○川口国務大臣 まず、私は総理によって任命をされた閣僚でございます。そういう意味で、責任を果たすべく最大の、最善の努力をしている、そういうことであるということをまず申し上げたいと思います。
それから、この三カ国の提言についての私の評価をお聞きでいらっしゃいますので、それについて申し上げます。
それは、先ほど申しましたように、この問題の本質は、イラクの武装解除をどうやって国際社会としてイラクにやらせるかということであって、イラクが、能動的にという言葉を使っていますけれども、武装解除、大量破壊兵器の廃棄、これを自分でやっていかなければいけない、それをイラクが守らなければならない、イラクにすべてはかかっているということであると思います。イラクはまだそういった形で前向きの態度、武装解除をするということについて証拠をみずから出していくということを見せていない、イラクは行動で示すべきであるというのが私の感想でございます。
○阿部委員 きちんと私の質問に答えていただきたいと思います。この三カ国による共同宣言を外務大臣として前向きに評価するか否か、イエスかノーでお答えください。今のは、恐縮ですが、答えにはなっておりません。
それから、もう一点。確かに川口外務大臣は小泉総理によって任命された外務大臣でありますが、であると同時に、国民の声、国民の思いというものも深く酌んで外交政策を行う重要なポジションにあります。そこで私は、冒頭、わざわざ時間を割いて国民の声の集計の一端を申し述べました。そのことを踏まえた上で、この三カ国の共同宣言を前向きに評価するか。むしろアメリカのブッシュ大統領は、これは困惑、不満、あるいはあえて言えば反対の意思もお持ちだというふうにコメントをきのうもされておられました。川口外務大臣は、この三カ国の共同宣言を前向きに評価なさいますか。イエスかノーかでお願いします。
○川口国務大臣 これだけ大きな、そして国際社会がいかに解決をしようと考えるか、そのことについてみんなが知恵を出して、それでもなおかつ解決が今目の前に見えてこないという問題に対して、イエスかノーかで答えを申し上げるということはできないと思います。それだけに難しい問題であるというふうに思います。
これについての私の意見というのは、先ほど申しましたように、武装解除をするということが大事である、この認識が共有されているというふうに思います。同時に、イラクが査察の期間を少し延ばすことによって本当に武装解除のために能動的に行動するかどうかということについて、そういった見通しはまだ見えていないというふうに私は思います。そういう意味では、独仏の提案がそういったことをどう評価しているかということについてはいま一つ明らかでないというふうに思います。
○阿部委員 諸条件が混乱しておるからみずから態度を決めずによいのであれば、我が国に独自の外交は必要ありません。
私が伺ったのは、もし川口外務大臣が、ドイツ、フランス、ロシア、中国、各国態度を表明しておりますが、このことへの態度表明を求められたら何とお答えになりますか。そして、もう一つお願いいたします。今大臣がおっしゃったような、イラクが大量破壊兵器の廃棄に向けてそれなりの努力をすることが肝要であるというふうなお考えであれば、そのために具体的に日本は何をしておられますか。その二点、お願いします。
○川口国務大臣 二点の御質問ですけれども、独仏ロ、これの宣言の評価については、もう何度も繰り返しになりますので申しませんけれども、これが成立するためには、イラクが前向きに能動的に、中身において、サブスタンスにおいて武装解除をする、みずからするということを見せることが大事で、それが見えていない、そういうところがよくわからない状況で、これが必ずしも成り立つかどうかはよくわからないということは先ほど申し上げたとおりです。
それから、我が国としてどのような働きかけをしたかということですけれども、これは、もし必要でしたら、区々、細かく申し上げますけれども、この働きかけは十分に、というか必要なことは鋭意やっております。大きく分けて、一つ一つだれに何をしたということを言うと時間がかかり過ぎると思いますので、大まかに申し上げますと、一つは、イラク自体に対する働きかけ、そしてもう一つは、周辺国に対する働きかけ、それから三つ目は、安保理の理事国を初めとする主要国に対する働きかけ、そういった三つに分かれるかと思いますけれども、必要ならば細かいことは申し上げます。
○阿部委員 日本がどのような外交努力をこのイラク問題にしておるかに関して、私は、ことしの予算委員会あるいは去年暮れからの補正予算の審議において、川口大臣から、本当に自分たちがどんな思いを持ってこの問題に積極的に努力しているかという姿を一度も見せていただいたことがないように思います。
今お答えの中で、それでは一つだけ、私の時間を気にしていてくださるのであれば、一つお願いします。イラク自体については、どのような働きかけをなさいましたか。
○川口国務大臣 昨年の秋から特に我が国としてどのような働きかけをやったかということは、いろいろ委員会の場で再三再四申し上げたつもりでおりますけれども、改めてここでまとめて繰り返させていただきますと、まず、イラク自体に対してという御質問ですので、これは、昨年の十一月に安保理の決議一四四一が採択をされましたけれども、その直後に、新藤外務大臣政務官から在京のイラク大使館の臨時代理大使に、これはカーシム・シャーキルさんという人ですが、申し入れを行いましたし、先月の一月の二十九日に、私からもさらに臨時代理大使に対して申し入れをいたしました。それから、現地におきまして、二月の一日に、日本の臨時代理大使からイラクに対しても申し入れを行いました。それから、少し前になりますが、昨年の秋、九月ですけれども、国連の総会のときに、私からイラクの外務大臣に対してその旨を強く、これも申し入れたわけでございます。
イラクに対してという意味では、そういうことです。
○阿部委員 外交は、生き物と同じで、動いているものでございます。ただいまの川口外務大臣の御答弁では、在京のイラク大使に二回働きかけ、なお二月の一日にイラクの臨時大使を通じてイラク側と交渉を行った。
この世界的な危機に立ち入らんとするときにあって、なぜ、外務大臣みずからが、あるいは、これまで特使を何人かお送りでありますが、このような新たなドイツとフランス、また中国、ロシアの共同宣言を受けて、日本として、本当に平和裏にこのイラクを武装解除させようと思えば、今こそ、特使を派遣なさるなり御自身がみずから時間を割かれるなり、最大限の努力をすべき時期と思いますが、いかがですか。
○川口国務大臣 イラクで直接働きかけたということは、先ほど申しましたように、在イラクの我が方の臨時代理大使からイラクの外務省に対して働きかけているということは、申し上げたとおりです。それから、私が外務大臣に直接に働きかけたということも、言ったとおりです。
それで、我が国がイラクに対して、今、直接に特使を派遣するということが適切かどうかという点について、これについては検討しなかったわけではありませんけれども、結論的には、適切ではないだろう、そういう判断に達したわけでございます。
それはなぜかといいますと、これは各国、同じような懸念を持っていますけれども、イラクは、今、そういったことを自分の目的のために利用をする可能性があるということについての懸念が各国にございまして、そういった配慮もございまして、それは見送った、そういうことでございます。
○阿部委員 自分の目的のために利用するか否かは、外交は駆け引きでございますから、我が国が平和への思いを込めてイラクに一歩一歩迫っていけばいいわけであります。最初からそのように決めつけて、イラクが悪なる意図を持って利用するかもしれないからと身をひるませていたら、このことは決して平和解決いたしません。
ちなみに、バグダッドには、フランス、ドイツ等々は現在も大使館を置いておられます。日本は、湾岸戦争時以来、今は臨時大使という形ですが、既に半ば引き揚げた形での外交しか行っておりません。
私どもの国、本当にこの世界平和ということについて何らプレゼンスがない。そのことについて、いつも川口外務大臣のお答えは、アメリカの側の一方的な見方。物事はやはり双方を見て、そして情報はみずから聴取して外交の事に当たらなければ、これからさまざまな外交問題が発生した場合に、みずからの道を誤ることになると思います。
なぜ、イラクについてそのような腰砕け外交なのか、もう一度御答弁をお願いいたします。
○茂木副大臣 何点か御指摘いただいた点につきまして、私の方からもお答えを申し上げたいと思うんですが、例えば、日本が直接に情報をとっていない、そういうことはございません。(阿部委員「申しわけありません。私は川口大臣にお願いいたしました」と呼ぶ)
○藤井委員長 委員長が指名しています。
○茂木副大臣 エルバラダイ事務局長、それからブリクス委員長とも直接、先週、先々週お会いしまして、査察の状況、そして今後の見通しにつきましても話を日本として聞いております。
そして、両氏ともに、イラクの現在の協力は不十分であると。プロセス面、手続面においては協力は進んでいるけれども、一方、実態面において、例えばVXガス、マスタードガス、炭疽菌、こういうものがあるんだったらば、きちんと残っているものを差し出してください、もしこれがないんだったらば、どう廃棄したのか、その証拠を出してほしい、そういう能動的な協力がイラクの側が必要なんだ、こういうことは、ブリクス委員長、そしてIAEAのエルバラダイ事務局長も直接述べております。
それから、フランス、ドイツ、そして英国を回らせていただきました。イラク担当の政務次官であったり、また副大臣等々とお会いをいたしまして、日本としては、この問題というのは、アメリカ対イラクの問題ではない、国際社会対大量破壊兵器を有するイラクの問題なんだと。そしてまた、この国連決議の一四四一、そして現在続いている査察については、イラクの側に能動的に証明をする責任があると。そして、現在までの査察においてイラクの協力は不十分である、したがって、国際社会全体が一致してさらなる圧力をかけ、イラク側から能動的な協力を引き出す、このことが極めて重要である、このことを明確に各国に申し上げまして、各国ともに、全く同じ意見である、そのためにさらに努力していこう、こういうことになっております。
ちなみに、昨年の十一月におきましても、総理の特使として、私も含め、高村議員、そしてまた中山議員が、イラクの周辺国、イラクに対していろいろな意味で、日本もそうでありますけれども影響力のある国、私の場合はヨルダン、シリア、トルコでありました、そして高村先生の場合はエジプトとサウジアラビア、さらに中山先生がイラン、そういう国を回りまして、先ほど申し上げましたような立場をそれぞれの国に説明し、それぞれの国からも、イラクに対して働きかけてほしい、まさに今ボールはイラクの側にあるんだ、どの国もイラクが今は問題なんだ、そういう話をしております。
そして、この大量破壊兵器の話。先ほど大臣の方からもありましたけれども、これをイラクがみずから使う、これは中東地域の平和と安全、これはまさに我が国の問題でもある。そして、それが第三国に渡る問題、さらに三番目にそれがテロに渡る問題、そして四番目に、イラクに対する国際社会の一致した厳しい対応、これがなければ、次に大量破壊兵器を開発しよう、こういう意図を持っている国に対してもそれを助長することになる、こういう意味から大きな問題だ、こういうことについて国際社会でのコンセンサスをつくる、そういう努力は日本としてやってきております。
○阿部委員 限られた時間ですし、私の質問に正しく答えていただきたい。私が伺ったのは、現在、ドイツ、フランス、そして中国、ロシアの支持を得て新たな共同宣言がなされて、そのことを受けてイラクでも、上空の飛行で偵察機の受け入れ等々を認める等、事態に変化が生じております。
おっしゃるように、査察をきちんとやらせて本当に大量兵器を廃棄させていく。そして、その結果としては、当然経済制裁を解いて、今イラクの中で一番困窮している子供たちや病人の状況が改善するということがその先にございますが、まず経済制裁を解くためにも大量破壊兵器の問題を解決しなきゃいけない。そのために日本が今何ができるか。私は、もっと目に見える形で、みずから情報収集に出向き、イラク側と交渉し、事態を進めるべきではないかという私の質問をいたしました。
今いただいたお答えは、去年から現在に至るまでの、そして、近々はブリクス氏とエルバラダイ氏からの情報を得たというお話であって、この時点にあってイラク側と直接のコンタクトはしておられません。
例えば、私は去年の十二月、国民会議議長のハンマーディ氏、この方は外務大臣の経験もおありで、イラクの国民会議議長でございますから、それなりの地位にある方ですが、その方ともお目にかかって、査察の問題、経済制裁の問題、そして武力攻撃を避けるために何をなすべきかということを話し合ってまいりました。そのことはさらに、実際の政策上、国の国政上の責任をお持ちの外務省がもっと積極的に行うことによって日本の平和外交のプレゼンスができるのではないかと私は質問いたしました。
そのことへのお答えは、エルバラダイ氏に会った、あるいはブリクス氏から聞いた、そのことを求めているのではないのです。イラクの当事者にどのような形で会うおつもりがあるのか、あるいは、つもりがないのは、今、先ほど川口外務大臣、ちらっとおっしゃいました。諸般をかんがみて、特使も考えたがそうしない方がいいだろうと。しない方がいいだろうと考えたならば、その答えを川口外務大臣にお願いいたします。
○川口国務大臣 私が先ほど申し上げた答弁をきちんと聞いておいていただきたかったと思いますけれども、再度繰り返させていただきますと、イラクへの直接の働きかけをやったということを言っているわけです。
日にちを四回申しました。秋の、私の国連総会におけるイラクの外務大臣との会談から始まりまして、十一月に新藤政務官から、そして一月の二十九日、これは非常に直近の日にちだと思いますけれども、私が東京で在京のイラクの臨時代理大使に直接話をした。そして、さらに最近の時点では、二月一日にバグダッドで日本の臨時代理大使がイラク側に話をした。働きかけを十分にやっている。
そして、特使を出さない理由ということについても、先ほど申しましたように、今、国際社会の共通の理解として、この時点でイラクに特使を出すということについて、イラク側がそれを逆に利用する懸念がある、可能性があるということで、それをやらないということを判断した。この判断について、委員の判断と政府の判断と違うのは、それは判断が違うということでございまして、そういうことも考えた上で判断をした、そういうことでございます。
○阿部委員 イラク側が利用するから特使を出さない、そのような最終結果であれば、逆に、査察を何としてでもうまく運ぼうとする意思がないということですか。その一言をお願いいたします。査察は継続されるべきですか、否ですか。
○川口国務大臣 御質問の趣旨がきちんと理解できているかどうかはわかりませんけれども、イラクへの査察については、イラクの協力、これは能動的な協力、すなわち、廃棄をした大量破壊兵器についてその証拠を、ここにありますといって見せていく、そういうことがなければ査察はうまくいかないということです。これについて国際社会が働きかけている。先ほど茂木副大臣が言いましたけれども、その認識はエルバラダイあるいはブリクス両方においてある。手続について、例えばU2を、飛んでもいいということについては、これは単に手続の話であって、それはもうはるか前にイラクはそれをやっていなければいけなかった。それをやっていない。
サブスタンスのところについて、これを能動的に見せていくということをやっていない限り、査察がうまくいくという見通しが非常に暗いということを国際社会が懸念しているわけであって、したがって、そういった点でイラクが前向きに対応するように、今国際社会が全力を挙げて働きかけている。査察を続けることの前に、もちろん続けることは大事なんですけれども、イラクがそういう対応をしなければ査察を続ける意味がないということを国際社会は懸念しているわけです。
○阿部委員 査察を続けることが大事であるから、ドイツとフランスそしてロシアは共同宣言を出したわけです。その査察を続けることが大事であるから出した共同宣言に、どのような評価をなさいますかというのが私の冒頭の質問でした。
今、極めて最終局面と言われるような重要な局面に来ております。その動いている政治状況ということをきちんと外務大臣として把握して、単なる物事の言いわけや言い逃れや言葉のあやにとらわれることのない、本当の意味の外交を展開すべきなのがあなたの役割だと思います。
私は、この件については、ここでまた再度の質問の機会を折があれば得たいと思いますので、本日提案いたしました健康保険法の本人三割自己負担、窓口負担凍結法案に関連して、坂口厚生労働大臣にお願いいたします。
私は、主には二点お願いしたいと思いますが、去年の健康保険法の一部改正に伴って三つの改正、私どもは改悪として反対いたしましたが、行われました。第一に診療報酬の引き下げ、第二に、十月からは御高齢者の定率一割負担、そして控えるのが、ことしの四月からのサラリーマン本人三割窓口負担であります。
まず、本当は幾つも伺いたいですが、喫緊なことといたしまして、この御高齢者の定率一割負担に伴って、先回、二月七日、志位共産党委員長も御質疑でございましたが、在宅酸素療法といって、御自宅で酸素を使うことによって呼吸を楽にして、心臓や脳への負担を軽減なさっている御高齢者たちが、窓口負担ゆえに在宅酸素療法を打ち切らざるを得ない事態が、患者さんの約一%から三%に生じております。在宅酸素療法の患者さんは全国で十二万、一%から三%にしても、千二百人から四千人ほどの患者さんが、既に、在宅酸素療法を窓口負担ゆえに中断するという事態が生じております。
このことについて坂口厚生労働大臣は、まず、せんだっての御答弁では、現状を調査します、あるいは、何とか対処、対策を考えますというふうにお答えでありましたが、その後、具体的に進展なさいましたでしょうか。
○坂口国務大臣 高齢者一割負担に絡みまして、いわゆる在宅酸素療法についてのお尋ねでございましたが、この問題につきましては、確かに今までと異なりまして、一割負担になりましたために、まあ一万円前後と思われますけれども、御負担になっているわけでございます。低所得の場合には八千円という上限がございますから、そのぐらいになっている。
それから、御家庭で酸素吸入をお受けになっている皆さん方の中にも、経済的に十分それにたえ得る人も私はおみえになるというふうに思いますけれども、しかし、そうではない、八千円でもなかなか厳しいという方が大体どれぐらいあるのか。今、十二万人何がし、それは全体の数としては大体十二万四、五千人だろうというふうに思っておりますけれども、その中で、その八千円でも厳しいという方が大体どれぐらいおみえになるのかということにつきましては、少し調べないとわからないというふうに思っております。
それだけではなくて、この障害者の問題をどうするかというのは、いろいろな問題が実はございます。例えば、肝臓移植をなすった方につきまして障害者として認めるかどうかというような問題もありましたり、いわゆる肺の障害のあります皆さん方をどうするかという問題もありましたり、そのときそのときにつくったのにはそれなりの理由があったんだろうと思いますけれども、今比較をしてみますと、これがなぜ入っていてこれがなぜ入っていないのかと、非常にわかりにくくなっていることも事実でございます。
これらの問題を総論的に私ども、一遍整理をいたしまして、そしてどうするかということの決着をつけたいというふうに思っておりますし、その中には、今御指摘をいただきました肺疾患の問題も含めさせていただきたいと思っているところでございます。
○阿部委員 よろしく検討をお願いいたします。
最後に、一問お願いいたします。
本日提案いたしました患者本人三割負担の凍結は、実は、四月の診療報酬改定において当初予定していたよりも医療費に抑制がかかりまして、厚生省の試案よりも全体に医療費の額が上がらずに済んでいる。逆に言えば、患者さん本人、窓口、働く者の三割負担はせずとも、例えばこの二年間試算しても、私どもの試算では、政府管掌保険は維持することができる、その間に、お約束である抜本改正を行っていくということが正しい政策ではないかということで、きょう四野党で提案させていただきましたが、そもそも試算をやり直すお気持ちはおありかどうか。かなりの受診抑制ないしは総体の医療費抑制が既に診療報酬改定と一割定率負担によってかかっておりますから、事態は変わっておる。変わっておる現状にかんがみて、試算のやり直し、そして必要とあらば三割を凍結するということについて、厚生大臣のお考えを伺います。
○坂口国務大臣 現在、四月から九月までの値がわかっておりまして、十月はまだ完全にわかり切っておりません。こうした状況の中で、私たちも十分に試算をいたしております。一方におきます収入の方を見ましても、いわゆる政管健保の方はかなり人数も減りましたり、あるいはまた収入が減ったりいたしておりますので、この減少もあります。
そうしたことから、やはり三割負担をお願い申し上げなければやっていけないことは明白でございまして、皆さん方の方で試算をしていただきましたものと、我々の試算いたしましたものと、その基準がどういうふうな基準でやっているかということは、これは当然比較をさせていただきまして、皆さん方にも御理解を得たい、こういうふうに思っているところでございます。
○阿部委員 そういうことの審議のために、ぜひともこの予算委員会でも取り上げていただきまして、きちんとした、国民に最大負担を強いないような形に結論づけられることをお願い申し上げて、質問を終わります。
○藤井委員長 これにて阿部君の質疑は終了いたしました。
次回は、明十三日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
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