第162回国会 厚生労働委員会 第11号 (平成17年3月30日(水曜日))抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 厚生労働関係の基本施策に関する件

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鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、長時間の委員会審議、大変皆さん御苦労さまです。特に尾辻大臣にあっては、本日は一般質疑とあって、ありとあらゆる角度からの厚生行政、期待が大きいところですので、各委員、真剣な質疑が行われている中で、大臣も大変お疲れであろうと思いますが、もうしばらくよろしくお願いいたします。

 私は、本日、質問通告をしてございますこと以外に、実は、先ほど水島委員がお尋ねくださいました小児のBCGの予防接種に関しまして、水島委員と健康局長田中さんの御答弁、あるいは大臣の御発言を聞きながら、やはりこれでは小児科の現状、子供の現状、そして、まかり間違うと、予防接種が、本当に個人個人の子供の状況を見きわめて接種しなきゃいけないという、これは社会防衛という考え方から個人防衛、個人を守るということに大きく転換した、日本の予防接種行政を後戻りさせるような発言を聞いたやに思いますので、幾つか私から重ねて質疑をさせていただきます。

 私が実は小児医になりましたのは、いつもお話しさせていただきますが、三十年前で、私が一番最初に勤めた病院は、川崎にございます稲田登戸病院という国家公務員共済の病院でございました。この病院は、実はその昔結核病棟から戦後一般病棟に転換したということで、いわゆる結核の患者さんを多く診てきた病院であり、昔のカルテなどを見ると、赤ちゃんの結核という非常に悲惨な状況についても、直接ではなく学び知ることはできました。でも、幸いに私個人はというかこの三十年やっている小児科医は、本当に幸運だと思いますが、小児の髄膜炎を国内で見るということは本当に少なくなり、私自身も国内で見たことは実はございません。

 私が小児の結核性髄膜炎の患者さんを拝見したのは、JICAの仕事で南アフリカに行かせていただいて、アパルトヘイトのすぐ近くにある病院で拝見したのと、あるいは、タイのエイズで療養中のお寺、そこの中で小さな子供が結核性髄膜炎であったなどの経験。そして、せんだってモンゴルに行きましたとき、モンゴルの小児病院に結核性の髄膜炎の患者さん、ちっちゃい子がいて、ああ、まだまだ世界では大変なんだなという思いと同時に、我が国が、今、結核は我が国でもふえてはおりますが、とにかくこの重症の乳児の結核性髄膜炎ということについては、ある程度戦後の行政が成功的には推移してきたろうということをうれしく思った次第です。

 しかし、しかしです。もし今回このような形での改正が行われますと、実は私がよかったと思っていることが、逆さに、これからは大丈夫だろうかと、本当に私は、さっき水島委員とのお話を伺いながら感じました。

 一点目は、先ほど、重症の免疫不全、体が十分にばい菌やウイルスと闘えないという障害を抱えた子供たち、これはごく赤ちゃんのうちはわかりませんが、赤ちゃんのうちに予防接種をすると、ちょっとしたウイルス、ちょっとしたばい菌、結核菌がやってきても重症になる。その辺を経験的に小児科医は知っておりますし、一万人から二万人に一人そういう子供が生まれるとあって、BCGは全員にやりたい、やらなくちゃいけない、重要だと思いますから、例えば今百万人子供が生まれたとしたら、その百万人に受けてほしい、ところが、一万人から二万人にお一人あれば、五十人から百人は早くに接種し過ぎると危険を伴う。

 先ほどの健康局長の御答弁だと、頻度が少ないからというふうにおっしゃいましたが、私たちはリスクを本当に勘案して、ここから始めたら安全なんじゃないのというところで、小児科学会の要望は、これまでのような三カ月から一年を一番いい期間とみなしてくれまいかという要望でありました。

 しかし、お答えは頻度が少ないということで、それは、しかし、答えになっていないのです。頻度が少なくても、起きたら困る、そして、その子の予備力がわからない月齢があるということです。

 この件に関して小児科学会とどんなやりとりをされたでしょうか。もう一度お願いします。

田中政府参考人 何回か小児科学会あるいは小児科の専門医とのやりとりはございます。

 ポイントは二つございまして、一つは、BCGの予防接種をすることがどのぐらいの効果、成果を期待できるかということでございます。

 今、確実な統計を持っておりませんけれども、一歳未満でも、まだ結核の患者さんが二十人ちょっとぐらい出ていると思います。そのうちの半分ぐらいは肺外結核あるいは重篤な粟粒結核等でございます。こういう不幸なお子さんがまだ生じているということで、それを予防するためになるべく早くBCGを打ちたいということでございまして、これに関しては、ほとんどの小児科医あるいは結核の専門医の合意が得られているところではないかというふうに思っているところでございます。これは原則でございます。

 それから次に、副作用の問題でございまして、副作用は、先ほど水島先生も引用されましたけれども、小児科学会の見解の中に、重篤な致死的な副反応、これは免疫不全等によるものでございますけれども、百万人に一ないし一・五六程度というような数字が上げられておりまして、ないわけではない。これは日本の場合どのぐらいあるのかということはよくわかりませんけれども、同じ小児科学会の見解の中に、重症複合免疫不全症あるいは慢性肉芽腫症、こういうようなものがあって、これがすべてスクリーニングすることはできませんので、こういう方々に対して何らかの副作用というのが発生する可能性はある。

 可能性はあるけれども、しかし、BCGの予防接種をすることによって得られる利益の方がやはり多いのではないかという総合的な判断のもとに、なるべく早く、つまり六カ月までにBCGを打つという判断がされたということでございます。

阿部委員 今の局長の御理解は私は少し誤解があると思います。

 最重症の免疫不全は百万人に一人ですが、そのほかに、免疫的に要するに弱みを持った子供がいるわけです。それが私が申しました一、二万人に一人。予防接種をやる場合には、最重症はもちろん予防接種で死に至るその怖さもあります。しかし、そのリスクを抱えた子供たちがある程度見分けられるようになってくる、その意味で、三カ月を超えた方がより安全性が高いだろうというのが小児科学会の見解です。そして、小児科学会は、従来国がおっしゃっているように三カ月から一年くらいで、やはりここをやってくれということです。

 しかし、今回のように六カ月までとされますと、赤ちゃんを育ててみるとわかります、六カ月というのは夢のようです。生まれた、ふにゃふにゃだ、ああ首が据わったかどうしたか、ああ熱を出したか、そんなことを思っているうちに、あっという間に六カ月過ぎてしまいます。

 そして、この六カ月過ぎたら途端に任意になって自己負担という枠では、実は、今非常に赤ちゃんにアトピーといって皮膚がざらざらがふえています。化学的な物質による汚染か、大気汚染か、食物の問題か、現実に二十年前の十五倍にふえています。四、五人に一人はそういう皮膚の状態かもしれません。そうすると、ここに接種できません。もうちょっと待ってあげたい。それが六カ月を過ぎることは間々、多々あります。

 そういう現状からすると、そして六カ月過ぎると自費になると、例えば八千円だとします、これは医療機関が勝手に決めるのです。でも、八千円、若い両親にやはり出してもらえない。非常に高いお金です。そのことを勘案して、予防接種というのは、その子供の健康状態のよいときに、条件のよいときに受けさせてあげたい。

 その意味で、小児科医が長い経験の中で、三カ月から一年の幅を時期としてとっていただければ、そして含みを持たせていただければ、そのために、さっき水島さんが聞いた、この期間の中の特に推奨期間というのを設けたらどうですかということでした。

 これは、実は四月一日から改正されて、あすからかかわってきます。というのは、私も小さなクリニックをやっていますが、この件がなかなか確定されないので、どんなふうにクリニックに通知が来るのかを絶えず待っておりました。しかし、まだはっきりした通知が来ない。そして、もし今度の四月一日からであれば、現在、五カ月目、四カ月目で、とにかくその方たちに全員早く通知して受けてもらわないと、お金がすごくかかるようになります。ここには、移行期の措置も私どもには伝えられていません。本当に子供を守り、どんな経済状態の子でも受けてもらわないと、結核の重症に、条件の悪いところに生まれた子供がかかるんです。

 私は、そのことが余りにも勘案されていない今回のBCGの接種をめぐる厚生労働省の方針の変更。きょうアナウンスされて、四月一日から本当に全部に伝わらないんです。六カ月までに駆け込みたいといったってできないんです。そこはどうお考えでしょう。移行措置はあるんでしょうか。

田中政府参考人 まず、この法律自体、去年、御審議いただきまして、可決成立したものでございまして、その後、さまざまなプロセスを経て施行に至ったことでございます。事前に、当然、都道府県に対する通知等も行っておりますので、周知という意味では、ある程度されているのではないかというふうに思っております。

 そして、六カ月を超えた場合の扱いでございますけれども、先ほども申し上げましたように、このBCGの予防接種はあくまで乳児期の赤ちゃんの結核の重症化を防ぐということが目的でございまして、例えば、六カ月を一日でも超えればそれは全然意味がないというわけではないんですが、六カ月を過ぎてしまいますと、所期の期待しました効果というのは大幅に少なくなってしまうということでございまして、ぜひ、そういう事情を御理解いただければというふうに思っております。

阿部委員 今のは医学的にもうそだと思いますが、要するに、乳児というのは一歳までをいうんですよ、乳児期の。そして、確かに二、三カ月の方が結核性髄膜炎は重いですよ。でも、十分に、後期の一歳前後でもありますし、私たちが求めていることは、やはり一歳というところまで、従来のそこの指導の幅を持っておいた方がより、とにかくお金を払えない人たちが絶対にそこにいて、その人たちはふだんから足が遠いんです。あるいは、条件が悪くて打てない子たちがいるんです。その現状をちゃんと見て、子供たちのための、弱い子供を守るための行政をしてこそ、厚生労働省の行政になるじゃないかということを言っております。

 大臣、重ねて、水島さんも聞かれました、私ももう本当にしつこいと思います。しかし、私は、六カ月が余りにも短い、その後は自己負担になる、自費になる、高い、払えない、そして、そういうおうちこそ問題を抱えたおうちで、その子たちが守られなくなる、非常に不安であります。もう一度、よりよく検討していただけまいか。御答弁をお願いします。

尾辻国務大臣 きょうの御審議を聞いておりまして私が感じましたことは、今先生のお話の中にも通知という言葉が出てきましたけれども、まさしく運用の部分のことが大分あるなと考えました。

 したがいまして、そのまさに通知、運用の部分について、検討すべきことがあれば検討をしてみようと考えております。

阿部委員 こういう厚生省が決めたことに基づいて教科書なども書かれて、例えば、六カ月までがきちんと定期で、後は任意というふうに図示されていくわけです。本当に、もう一度学問的にも検討し直してください。お願いします。

 私の予定した質問に移らせていただきます。

 皆さんのお手元にきょう配らせていただきましたのは、日経新聞の三月二十日付の記事でございます。ここに「脳死移植、法改正で四倍」というタイトルがございまして、これは、今、与党内で、脳死臓器移植について新たな法改正を行うということで検討がなされているように報道されておりますが、この新聞記事を読みます限り、そうした与党内の動きを踏まえて、移植学会がこのような試算を出した。もしも本人の同意ということがはっきりしない、わからない方たちも提供者にしたら、どれくらいふえるだろうかという試算をした記事であるというふうに書かれています。

 では、伺います。本当にこれは臓器移植ネットワークが組織として試算されたのでしょうか。

田中政府参考人 御指摘の件でございますけれども、社団法人日本臓器移植ネットワークの担当者に確認したところ、その担当者は、既存のデータに基づいて、一定の仮説のもとに、もし与党が今考えておられるような形で臓器移植法が改正された場合には、どのような結果になるかというようなことを計算したものであるというふうに聞いております。

阿部委員 質問には正しく答えてほしいんです。私は、組織としてやったことですかと聞いたんです。

 臓器移植ネットワークは、公平性と公正性を旨として、例えばどこかから依頼を受けて基礎データを出すためにこういうことをやったのですかと。イエスかノーかで答えてください。

田中政府参考人 ある臓器移植のコーディネーターが専門的な立場から情報を提供したというふうに聞いております。

阿部委員 いわば組織としてのことじゃないということですよね。臓器移植にお勤めの個人ですよね。

 そういたしますと、臓器移植法の第十三条、ここには秘密保持業務というのがございます。私は、この間改正が言われますので、一体この法律はどんな法律であったろうと改めて目を通すことが多いわけですが、ここには、いわゆる臓器のあっせん機関に携わる者「若しくはその役員若しくは職員又はこれらの者であった者は、正当な理由がなく、業として行う臓器のあっせんに関して業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。」という、ここに法律が決められております。

 私がこの質問をあらかじめ投げましたときに、例えばその御家族が同意をしていたかしていないかは、秘密じゃないという答弁でした。しかし、明らかに業務として知り得た内容ですよね。御家族同意の有無、そういうことを個人が勝手にメディアに報道、垂れ流してよいのかどうか。私は、そういうことがまかり通るようであれば、この保たれるべき組織の何度も言いますが公平性、そして業務上知り得たことについてぺらぺら言ってはいけない、当たり前のことだと思いますが、そうしたことがこうやって裁量行政によって、おもんぱかり行政によって、予測によって次々と破られていくということはゆゆしき事態だと考えます。

 大臣にこのことについて、厚生労働省が指導する機関です。そして、臓器移植ネットワークが組織としてやったのではなくて、その中の一人の方が、自分がデータ処理したものを、メディアの要請に基づいて、このような形で法改正にしたら何倍になるよと情報提供をした、こういうことは管理監督官庁としてあり得べきことなのかどうか、お考えを伺いたいと思います。

尾辻国務大臣 今回の件でございますけれども、社団法人日本臓器移植ネットワークが、法改正を推進する意図はなく、客観的なデータとして説明したものとは考えておりますけれども、臓器のあっせん機関としてさらに信頼を得ることができるように、今後とも適切に指導してまいります。

阿部委員 私は、家族の同意ということも含めて、いわゆる微妙な条項だと思います。そういうところが全部明らかになってしまって、勝手に処理されて勝手に使われて情報操作されるというような事態を本当に国民が望んでいるかというと、そうではないと思います。そういう点からも厳正な対処を求めたいと思います。

 そして、私は、もう一点、この記事の中でおやと思うことに目をつけました。ここには、いわゆる脳死状態を経て、脳死法的判定を経て、脳死からの臓器提供ではなくて、心停止、心臓がとまって臓器提供されるときに、鼠径部、またのところから入れるカテーテルについては実は心臓がとまってからでは遅いので、心臓がとまる前に、いわば生きておられるうちに入れるという処置がとられた例が四十二件あるということが述べられています。

 私は、現実に医療現場にいますので、もちろん移植で臓器の新鮮さを保つというためにかかる処置のこれまであることも、また必要性のあることも全否定するものではありません。しかし、ちょうど臓器移植法ができて直後の、できてというか審議のさなかの平成十年の五月二十日でしたが、このことで大阪地裁で裁判が起こりまして、心臓死される方に、それの前に先立ってカテーテルを入れることについて、本人のあらかじめの同意を、臓器提供されるという、これは生前のお元気なときに私は心臓がとまったら臓器を出すよと言っている方ですから、本人の生前にカテーテルの挿入についても同意を得べしという判決でした。しかし、厚生労働省は、その後通達によって、本人の同意はそこには要らない、家族でよろしいということの行政上の指導をしてこられました。

 私は、臓器移植というのは納得、それも御本人が提供してさしあげようという納得に基づく医療であってほしいと思います。また、そうでなければうまくいくはずがありません。だまし取られたり十分に説明を受けないで、あるいは御本人と家族の利害関係がよくわからない、人間社会は複雑です、そういうことも含めて、安易に拡大されることを一番懸念しております。

 そうした中にあって、なぜ家族の同意、家族がそれをオーケーとすればいいという方を本人への説明に先立って取り入れているのか。私は、厚生労働省がやるべきことは、腎提供をしてくださるという方に、腎提供とはかかる処置です、あなたが心臓がとまる前にここに管を入れることはあります、そういう情報をきっちり流して啓蒙していくべきだと思います。

 もう死んじゃうかどうかわからない、意識がない、何もわからない、だから家族に聞いてとりましょうというようなことは本末転倒、大きに問題と思いますが、これは田中健康局長に聞いてもいい答えは得られませんが、しかしとりあえず答弁してもらいましょう。

田中政府参考人 今の事例でございますけれども、それは心臓停止下の腎臓提供のルールのお話でございまして、これは臓器移植法に基づいて行われているということでございます。

 腎臓の移植術を医学的に適正に実施する上で、以下の措置は必要と認められている、つまりカテーテル挿入が必要、腎臓摘出に対して医療現場において一般的に行われている医療行為であり、またカテーテル挿入は身体に対する侵襲性は極めて軽微である、こういう認識に立っているものでございまして、もちろん、救命治療を尽くすことは当然の前提でございまして、結果として臨床的に脳死状態と診断された後であれば、これは臓器移植法の上でございますけれども、家族の承諾に基づきまして御指摘の術前処置を行うことは、予定している行為であるというふうに考えているところでございます。

阿部委員 厚生行政が何でも法律じゃなくて、政令とか、まかり間違うと通達、これは通知、通達の世界ですよ。私が言っているのは、それなら本当に提供したいという人にあらかじめこういう処置がありますよと言っておくべきでしょうと言っているだけで、どうして真正面から答えないんですか。法律事項じゃないですよ、そんなの、今あなたの答弁は。そうやってごまかしながら事をやろうと思うから、かえって疑りが深くなるんです。

 どういうことかというと、これは、腎臓を洗うための管ですと患者さんの家族にも言われるんですよ。そうすると、ああ、自分の愛する人の腎臓、体、助けてくれるための管かと思うじゃないですか。当然ですよ、一縷の望みです。しかし、これはそうじゃないんです、ごめんなさいね、あなたのためじゃなくて次のステップですよと。あるんです、あり得るんだから、しようがないです。

 だったら、そういうこともあるんだということを、あらかじめ本人が提供者になるというドナーカードに意思を示した方にもきっちりとわかる形で通知しておくことが、きちんとした、医療現場の混乱をなくすことにつながると言っているんです。こうやって、全部通知の行政で、やみからやみにやってきて、あげくに情報操作するなんて、本当に悲しいし、命にかかわるこういうやりとりはやめていただきたい。

 私は、きょうあと二つあるんですが、ちょっとできなくなってしまったので、最後に一つだけお願いがあります。これは、大臣にお願いします。

 皆さんに手元にお配りした中に、四枚目、見ていただきますと、この間の臓器移植でお亡くなりになった方のデータというか、人数だけがわかるデータがございます。この間、心臓で二例目がお亡くなりになった。三十二例目の症例です。そして、肺では既に六人の方がお亡くなりです。肝臓では四人の方。

 しかし、こういう情報は国民は知らされていません。例えば、きょう御参加の委員の皆さんで、ええ、臓器移植って、もうやったけれども亡くなった方が出たんだということを、果たしてどれくらいの方が御存じでしょうか。そして、移植を受けられた方がその後どのような生活を送られたか、ハッピーであったか、あるいはQOL、クオリティー・オブ・ライフはどうであったか。

 この心臓移植の二例目の死は、移植後四カ月で亡くなっておられます。移植をしなければ六カ月生きられないと言われた人が四カ月で死んでしまいました。こういうことだってあるんです、移植というのは。

 しかし、そのことも、私は、これからは国民は知って選ぶ時代、移植という医療を知って選ぶ時代。であれば、厚生労働省として、これまではドナー側の検証会議は一生懸命やってきました。中には、日弁連が人権侵害だと言っても、厚生労働省はゴーゴーとやってきたものもあります。しかし、検証会議をしないよりはましです。

 この移植で亡くなられた方の状態、これは臓器移植法の三条、国民の理解という、この臓器移植法は、国民が移植医療について理解を深めるために必要な措置を講ずるよう努めなければいけないということをうたっています。必要な措置とは、移植について知ること、光と影、メリット、デメリット、本当にそのことで、逆に言うと移植医療は定着するかもしれません。隠して、だまして、本人同意なくとろうというような方向よりは、きちんと移植医療を厚生労働省としても検証していただきたいが、大臣、いかがでしょう。

尾辻国務大臣 移植後の生存率等の移植成績につきましては、これは、お話しのとおり、きっちり国民の皆さんにお知らせする必要があると思いますけれども、今、社団法人日本臓器移植ネットワーク、先ほどお触れになりました、このネットワークにおいて集計して公表をしておるところと理解をいたしておりますけれども、今後とも、移植を考えておる患者さんを含め、国民の移植医療に関する理解が深まりますように、まさに三条にありますように、適切な情報提供に努めてまいります。

阿部委員 いいところずくめじゃないわけです。だからこそ、きちんと知って選んでいくという時代の要請に尾辻大臣にこたえていただけますようお願い申し上げて、質問を終わります。

鴨下委員長 次回は、来る四月一日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。


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