第162回国会 厚生労働委員会 第13号 (平成17年4月6日(水曜日))抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件
 介護保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)

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宮澤委員長代理 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 桜の大変美しい季節になってまいりまして、本当に日本の美しさが殊さら身にしむこのごろですが、もう一つ、日本にはとてもいい言葉があると思います。今日本は少子高齢社会ですが、人生二度わらしと申しまして、御高齢期と赤ちゃんのときは、本当に二回、わらしのように皆に温かく守られて、赤ちゃんもお漏らしをいたしますし、御高齢期になると排せつはだれかに介助されなければなりませんし、そして、できれば私どももこの春の桜の下、眠るように亡くなりたいという思いは、実は日本の文化の中に深く根づいた、とても大事な老いのみとり方だと私は思っております。

 きょうも一日、本当に皆さんがいろいろな質問をされて、そして二度の中断を経て、この遅い時間までですからすごくお疲れと思いますが、しかし、私はいつも思いますのは、御高齢期のことを話すときには必ずその反対側にいる子供たちのことも見えるような形で、一貫した人の人生として、政策も考えていただきたいと思っております。

 その意味で、せんだっての一般質問の折に、水島委員がお尋ねくださいましたBCGの予防接種のことに関して、尾辻大臣の御高配で、六カ月までじゃ余りにも短いし、もうちょっと幅を見ていただけまいかという水島委員の御指摘、そして私の追加のお願いに対して御配慮をいただきましたこと、大変ありがたく思っております。現場におります小児科医たちは、やはり本当にその子のために一番いい時期に予防接種を、費用負担なくしてあげたいと思っておりますので、このことには厚く御礼申し上げます。

 ただ、残念なことに、実際のクリニックや病院にはなかなかそのような内容が伝達されておりませんので、担当の皆様にはもう一度御尽力をいただき、子供たちが接種漏れのないようにお取り計らいいただきたいと思います。

 そして、あわせて、本日はもう一つ、四月一日から始まりました小児慢性特定疾患の制度変更について、これもぜひ、現場の小児科医の声を代弁して、お願いさせていただきたいことがございます。

 小児慢性特定疾患と申しますのは、ちょうど私が小児科医になりました一九七四年に、子供のがんとかあるいは甲状腺のいろいろな疾患、クレチン病とか、あるいはきょう取り上げさせていただきます川崎病など、非常に子供の成長に阻害要因が大きく、経済負担も多いものに対して、国が、厚生労働省が通知して、その疾患に関する費用を親にかわって負担するという制度で、本当に小児科医にとっては、私どもが心置きなく子供を治療するのに、お母さん、お父さんに負担をかけなくて済むという意味で、うれしい制度でした。

 しかし、時代がいろいろ、決して経済的にも楽ではない、あるいは、この小児慢性特定疾患を何らかの法体系の中に位置づけて、より制度的に安定させようということで、この四月一日から児童福祉法の中に位置づけられることになりまして、これ自身は非常によいことと思いますが、そのかわりと申しますか、親御さんにはある一定金額の御負担をいただくということになりました。

 それはそれで審議を尽くしたことで、よろしゅうございますのですが、しかし、現場で今、何が混乱しておりますかというと、特に川崎病という病気を例にとらせていただきますが、実は川崎病は、川崎富作さんという日本人のお医者様が、子供が高熱を出して、何日かそのままでほっておくと、心臓に、大人でいうと心筋梗塞のような瘤状のこぶができて、それが心臓の突然死を起こしたりするということで、非常に案じられ、心配され、親御さんたちも、その川崎病という言葉を聞くと心が凍ってしまうような病気としてございました。しかし、これに対してガンマグロブリンという注射製剤を入れますと、この動脈瘤の形成が抑えられて、その後の、本当に子供が元気に生きていける素地をつくれるというので、私どもも喜びましたし、親御さんも喜びました。

 ところが、今回、この児童福祉法に取り入れられて、よく法的にきっちりと慢性疾患で位置が確立されたはずなのに、例えばですが、きょう熱のある患者さんが来られて、今すぐにガンマグロブリンを使いたい、親御さんはおろおろしているときに、一刻も、一日も早く使いたいと、この処置をしております。

 一方、今度の制度では、親御さんが、うちの子は川崎病と言われたという申請書類を、御自身の住民票や所得を証明する書類と一緒にお出しになった申請時点からしか、この小児慢性特定疾患の枠が使えないということになりまして、実は、親御さんは病院で子供さんについている、おたおたしている、心配でならない、その時期に申請しておかないと、最初にかかる数万円の費用が自己負担にかぶっていくという結果になりました。

 このことについて、せんだって担当の皆さんにも、医師がそれと診断した日にさかのぼって小児慢性特定疾患に対する給付事業の中に取り入れていただきたい、診断日からそのような対処をしていただきたいということをお願いしましたが、現在の、これはあるとき気がつけばそう変わってしまったのですが、申請日からということで、全部の都道府県でそういう措置がとられるようになりました。

 実は、最初の数日がすごくお金がかかって、大事、しかし、そのときは親は行けない。現在、日本で五千人くらいの子供が罹患いたしますが、最初をちゃんと治療すると、もちろん高齢期の心疾患にも結びつきませんし、非常に有意義な治療です。こうした実態があることを、私ども小児科医は、この四月一日になって途端に、今もし川崎病疑いの患者さんが来たらどうしよう、最初にガンマグロブリンをどんと使いたいけれども、使ったら親御さんに負担がかかるじゃないかということで、現場では今、非常に案じております。

 児童福祉法に組み入れられたことはよいことですが、しかし、その運用の中で、ぜひとも診断日にさかのぼって、この小児慢性特定疾患の適用がなされるように御検討をいただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

尾辻国務大臣 小児慢性特定疾患治療研究事業についてのお話でございます。この運用のことでございますが、改めて申し上げます。

 まず、申請書受理日から、申請書を受理した日から本来の対象とすることを原則としておりますけれども、従来の制度においても、申請をする意思があるにもかかわらず、診断が未確定であることにより申請ができなかった場合等、特別の事情により申請書受理までに相当の日時を要した場合については、申請書受理前であっても事業の対象として差し支えないこととして運用をしてまいりました。これは、運用上こうしてきたということでございます。

 この取り扱いにつきましては、今、新制度に移ったわけでありますが、新制度に移行後においても同様の取り扱いをすることとしております。したがいまして、運用上、従来と何にも変えていないということを、ここで改めて申し上げるところでございます。どうぞそのように御理解をください。

 ただ、こうした取り扱いについては、先ほどのお話もありましたけれども、十分周知徹底していないところがあるといけませんので、改めて自治体に対して周知するようにしてまいりたいと存じます。

阿部委員 ぜひともそのようにお願い申し上げます。大臣の御配慮に、心より御礼申し上げます。

 引き続いて、御高齢期の問題に入らせていただきます。

 私は、せんだってと、そして本日の審議を聞きながら、特に厚生労働省側の御答弁を伺いながら、この審議全体に三つの要素が大きく欠けておると思います。

 一つには、私が、人生二度わらしという言葉で言わせていただきましたが、老いを社会がどのように受容していくかという問題。

 一つには、先ほど泉委員がお取り上げになりました本人の選択ということを、例えば成人後見制度がなければ、ある程度の痴呆があったり、認知症といいますが、そういう状態では、本当に本人の選択をきちんと保持することができない。

 そして、そういう認知症がなくても、これは中村老健局長、御存じかどうかわかりませんが、ほとんどの御高齢者が、自分のプランはケアマネジャーさんに聞いてみないとわからない、自分で決められると思っている方は実はすごく少ない。そして、自分のプランが納得できなくても、不服申請をする手続も知らないし、そのやり方を知らないばかりか、そういう制度自身を知りません。

 ここが、本人の選択権が大きく侵されていますが、プラス今度の新予防給付、きっと御答弁の皆さんは、何でそんなにみんな反対するんだろうと思われるかもしれませんが、私も含めて反対しております多くの者は、この新予防給付で果たして本人の選択権がどこに担保されるかということが見えないからであります。

 そして第三点は、基本的データの欠如。もうこれは何度も言わせていただきますが、この点についてはきょうの審議でもさようでございました。

 そして、まず一点目に戻らせていただきますが、老いの受容の問題といたしまして、きょう私が皆さんにお配りした資料の二枚目をごらんいただきたいと思います。恐縮ですが、これは日本医事新報という雑誌、よく私ども医者が読む雑誌でございますが、そこに、中村老健局長が二〇〇四年の六月に横浜市で行われた講演の、御自身が書かれたものではありませんから、記者が聞いてまとめたものでございます。

 この記事は、私は見たときぎょっとしたので、すごくよく覚えているのですが、何にぎょっとしたか。これは、がん検診等々を厚生労働省としても推進したい、それはよろしゅうございます。でも、その検診をお受けにならなかった場合は、言葉はきついがペナルティーも考えておるという言い方でございます。いわゆる検診事業も予防医学も、そこまで行ってしまったら実は本当に恐ろしいものになってまいります。

 私は、この間のずっとの審議が、どこか中村局長の御答弁が老いを受容していないなと。だって、しようがない、これはどこかで受け入れないと、老いも死も受け入れないと、私たちは逆に本当の意味で生きることができない。それと同じように、もしも検診事業で、乳がんの検診事業やりました、受けていないあなたにはペナルティーで、例えば、もし介護保険の給付の対象になっても給付がありませんというような意味なのか。ここにまとめられた一文というのは、私は非常に考え方として問題が多いと思います。

 まず、何度も言いますが、これは老健局長御自身が書かれたものでないので、この記事の真意がどこにおありで、このような考えで厚生労働行政、なかんずく御老人の、本当に少しずつ落ちていく、いろいろな悲しみと苦しみと、そして不自由を抱えて、でも生きていく方たちの行政を担う立場におるのであれば、私は任にあらずと思いますので、明確な御答弁をお願いいたします。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 私の答弁なり、あるいはそういったことについて、委員から厳しい御指摘があったものと受けとめておりますが、まず、この講演につきましては、日本医事新報で報道されております見出しとか前書きの方のいろいろな解説は、日本医事新報の方で書かれたものだと思います。講演要旨につきましては、どういうふうに要約されているかどうかについては、私が話したことをもとに書かれておりますので、こういうふうに受けとめられても仕方がないかと思いますので、その点については、これが私のお話ししたことと受けとめられても私は結構だと思います。

 今、老いの受容のお話とか、高齢者観、どう見るかというお話と引きつけて、がんの検診のことを引用されましたけれども、せっかく御指摘いただきましたので、私も発言の機会を与えていただきたいので、少し丁寧に御説明させていただきます。

 下から二行目ですが、フロアから、予防給付の制度化の可能性を問われて、私としては、乳がんの検診問題など担当させていただいて、非常に、がんの検診率を上げるということが最大の課題ではないかと思っております。そういうことについては、私もいろいろ検討会などでも識者の御意見を伺いました。

 その識者の方の御指摘では、これまで二十年近く、老人保健事業あるいはがん検診事業ということで、今の市町村が勧奨する形で、いろいろかねや太鼓でがん検診をお勧めするという形でやってこられましたけれども、御案内のとおり乳がんの受診率は、市町村が対象としている人たちを一〇〇%として一二・四%くらいしか受診率が上がっていない。しかもそれは、その地域に住んでいる女性のがん検診の対象者を一〇〇%市町村が把握しているわけではない。そういう状況で、識者から言わせると、乳がんの受診率の統計すら実は確固としたものが日本にはない。

 そういうお寒い状態であるということを踏まえ、また、エビデンスからいえば、乳がんの検診によって死亡率が下がる、こういうことについてエビデンスがあるとすると、受診率は対象者の六割から七割ないと国際的に乳がんの死亡率が下がるというエビデンスがないという状況のもとで、がんの受診率を高め、がん検診によって乳がんの日本の女性の死亡率を下げるとすると、今の方式ではない何らかの新しい施策が必要であり、その施策においては、これも議論になったわけですが、インセンティブなり、場合によってはディスインセンティブを考えなければならない。

 こういう議論がございましたので、それを紹介しつつ、ここに書いてございますように、言葉はきついかもしれないけれども、多少のペナルティーなども、受診率がそれで上がるということであれば、私は考えざるを得ないのではないか。そういう文脈の中でお話をさせていただきたいということであります。

 そういう方策については、乳がんをとっていえば、乳がんの受診率を上げていくこと、それで死亡率を減らすこと、それをまじめに取り組むためには今の方式では限界があり、そこは我々自身として自分の問題でございますので考えていかなければならないし、皆保険でございますので、保険者の方々についても、被保険者の乳がん適齢期の女性についてちゃんと検診していただいているかどうか、そういうことを保険者の業務として把握した方がいいんじゃないか。これは私の私見でございますが、そういうことを思っておりますので申し上げたということでございます。

阿部委員 その私見は二つの意味で大きな問題があると思います。

 これまで厚生労働行政の中でやってこられたがん検診の制度やあるいは費用負担が女性たちにとってどうであったのか、特に主婦層にとって。それからもう一方で、検診業務でやることと、例えば、病院の中に女性外来のようなものができて、より受けやすい形で、要は自分の健康というものをどのような形で管理していくかというときに、検診で網をかけて、それもペナルティーまで科して取り込んでやるのか、やはり、いろいろな情報を出し、女性たちが受けやすい状況をつくってやっていくのか、これは、全く同じに見えて違うことなのです。そこをあなたがわかっていないから、繰り返しどの場面でも同じような対応が出てきます。

 よくなればいいんだろう。確かにそうです。がんで亡くなるのは、本当に私たち医者にとっても、わかっていればと思います、早期発見できるのにと。どんなにか悔しい思いをいたします。

 でも、特に女性の場合、乳がん、子宮がん、非常に人に言いづらい、受診しづらい。隠れた部分のいろいろな羞恥心もございます。その方たちを、そこをはぎ取って、検診に丸ごと込めて、ペナルティーを科すなどという乱暴な、本当に人権無視の考え方です。

 そして、逆に言えば、これまで、例えば大腸がん検診でもそうですが、なぜ保健所の検診の方が人が制度に信頼性を置けないか、このことも老健局長だったら御存じだと思います。自分たちの検診の中身や、情報提供の仕方や、マンモグラフィーの活用やいろいろなことを、本当に何が問題だったのか、きちんとチェックするとともに、今先進県では県立病院の中に女性外来ということを設けて、女性たちのいろいろな、本当に受診しやすい雰囲気をつくって、更年期の問題、がんかもしれない不正出血があったとき、自分で自己検診してしこりを見つけたときの受診の窓口を広げる努力をしています。

 そういうトータルの施策がなくて、何でも予防に網をかけて、ちょうどそれがさっきの新予防給付の考え方です。私は、あなたがやる限り、またこの新予防給付も患者さんたちには自分の選択権はない、もしくは新予防給付を受けなくて要介護度が悪くなったらペナルティーだ、そのようなものに容易に結びつくように思います。

 大臣、私はこのことで伺いたい。本当にこれからの時代、先ほど午前中、高木さんの質問にもございました、この社会が、半々の男性と女性のこの女性を、男性ももちろん大事です、でも、女性たちをどのように大切にしていけるか。実は、高齢社会とはおばあちゃんの世界です、比率でいえば。御高齢者の中の多くは女性たちです。その女性たちの健康管理にあって、このような仕組みでペナルティーを科していくことも考えた厚生労働行政をやられるのかどうか、大臣に御答弁いただきたいと思います。

尾辻国務大臣 私どもがよく話をいたしますときに、やはり女性の乳がんの問題というのはいつも大きな話題になります。そして、何とかしてこれによる亡くなる方の数を少なくしたい、絶えずそのことを思うわけでございます。老健局長もそのことが頭の中にあって、このペナルティーという表現がどうかということになるんだと思いますけれども、ついつい、ペナルティーと言ったのかどうかはわかりませんが、それらしき表現をしたのかなと思いながら、今のお話を伺っておりました。

 ただ、どうぞ、とにかく乳がんで亡くなる女性の方の数を少なくしたい、我々がいつもそのことを思っておる、その思いを述べたものだというふうに御理解をいただければというふうに思うところでございます。

 そしてまた、今みたいなペナルティーを与えてでも検診をさせようという、それがそっくり今度は、お年寄りが望まなくても筋トレをやらそうというようなことにつながるのではないかというふうな御懸念でのお話だろうと思いますけれども、私どもは決してそんなことは思っておりません、先ほども申し上げましたけれども。そういうふうに言うと、また、自身の判断がそこに入っているのかどうかというふうな別な角度からの御議論も出てくるかもしれませんけれども、御本人の意思がないものはケアプランとしてつくれないことになっておりますので、そこのところはどうぞ、そういう考え方だ、私どもはそういうふうに考えておるということを御理解いただきたいと存じます。

阿部委員 女性の中でこの表現をそのまま受け入れられる人は、私はいないと思います。先ほど来言うように、女性たちがどうしたら受診しやすい場所なり工夫をするかです。それを、北風政策でむちのようにペナルティーと。老健局長はあえて否定されませんでした。私にもきちんと繰り返しおっしゃいました。

 私は、本当にこんな形で厚生労働行政をしてほしくない。これは、予防医学の大切さを、一歩間違えば本当に全部ほごにしてしまう。そこには、逆に言うと、インセンティブを高めるための受け皿づくりの工夫がこそあってしかるべきです。来ないから無理に連れてくる、来なきゃ罰だ、本当に冗談ではないと。

 私は、もう一つ、実は老健局長には文句がございます。本当にごまかしばかり。ごまかしかむちかでは、この困難多い少子高齢社会を切り抜けられない。

 何よりも大事なのは自己決定です。自分たちが十分知って、そのことを自分の心のうちからやらないと、世の中は何だって効果は上がらないんです。その意味で、私がせんだってここで老健局長とやりとりして、早速資料をお返しいただきましたので、この件について、ここにもまたうそ百万陀羅ありますので、お尋ねさせていただきます。

 ここには、三枚目、要介護状態の変化に関する調査というのをいただきました、老健局長に私がお尋ねしたことにおいて。

 先回、私は、全国データでは要支援の悪化は三〇%、要介護の一の悪化は二〇%、そして、日本医師会の総合政策研究所のものについては非常に悪化率が高いが、これは非常にローカルなものであり、なぜこれで「かわらばん」をつくるのかと聞きました。そうしましたら、いただいたお答えは、実はこの日本医師会の総合研究所のものは二年間の変化を追った調査であると。そして、その下には、国民生活基礎調査、東京都のデータはおのおの一年間であり、その次の次、別添えの二のページを見ていただきますと医師会と全国データが出ておりますが、もう一つ繰っていただきますと、地域別データで東京都と横浜市のものが出ております。これが、東京都が例えば要支援で悪化度が三四・一、横浜は四九・〇と少し高うございます。

 局長からいただいたお返事は、二年間のデータをとったものは悪化度が高い、一年間は悪化度が低いということでありました。これは、午前中の質疑の中でも大臣の口からも出ました。ああ、また大臣にうそを言ったなと私は思いました。

 なぜうそか。私は、厚生労働省が私に下さらなかったデータで、もう一枚、きょうは皆さんに五枚目を見ていただきたいと思って出しました。

 実は、私の地元の藤沢市のデータでございます。藤沢市における要介護認定の状況変化、これは平成十三年の十月から十五年の十月、中村さんの好きな二年データです。ここには、要支援の悪化度は二六・六%でございます。

 局長、伺います。これは一年、二年で私にお示しくださったものですか。そして、大臣にそう言いましたか。私の時間がもうなくなりましたので、手短に、端的に。私はそのようなまとめとしていただきました。ここにはその傾向が見られるというのは、二年間とれば悪化、一年だったらそうでもないということでした。一言で答弁をお願いします。

中村政府参考人 前回の委員会で、委員から二つのデータが示されて、随分違うではないかという御指摘があり、私が二つの調査は違う調査であるので単純な比較はできないということを申し上げましたところ、経年的な変化を見る必要がある、経年変化を出すようにというお話がありましたので、一の資料を出したということでございます。

 二の資料については、随分悪化度が違うではないかという阿部委員の前回の御指摘がございましたので、私はあの場で阿部委員から厳しく御指摘がありましてうまくお答えできなかったのですが、考えてみますと、日本医師会総合政策研究機構の調査は二年間のデータをとっていたもので、もしかすると、阿部委員が疑問に思われた悪化率の違いというのは一年分と二年分では違いがあるのではないかということもあり、そのことを大臣には御説明したところでございます。

阿部委員 そういう思いつきばかりを言わないでほしいんです、すぐ違うデータが出てくるんだから。私どもが求めているのは、きちんと検証に足る、論議に足るデータの上でこの論議をしたいということです。地域差があり、私は、横浜とか都市の部分の問題は都市であると思っています。残余の質問は次回にしますが、いいかげんなデータを二度と再び厚生労働大臣に言わないでください。

 終わらせていただきます。

鴨下委員長 次回は、来る八日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。


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