第162回国会 厚生労働委員会 第20号 (平成17年5月11日(水曜日))抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件
 障害者自立支援法案(内閣提出第三五号)
 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)

議事録全文(衆議院のサイト)

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宮澤委員長代理 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。本日は、いつもですとラストレディーでやらせていただいていますが、与野党の理事の皆さん、そして委員長の御好意で私の時間をちょっと上げていただきまして、本当にありがとうございます。

 先々週になりますか、介護保険の激しくも重い論議から引き続いてこの障害者自立支援法へと連休が明けて移ってまいっておるわけでありますが、まだまだ介護保険問題の興奮も冷めやらぬというか、課題の重さがまだ残っておるというか、その中でのこの障害者自立支援法の論議だと思います。

 また、議員各位にはお気づきでありましょうが、この国会の周辺では、障害のある当事者の皆さんがハンストをなさったり、あるいは反対の声を上げてずっと抗議活動をしておられる中での審議ですので、私どもの委員会の審議がああやってお集まりくださっている当事者の皆さんの声を本当に酌み取ってよりよい方向に実を結べばと、私も一人の国会議員として思うものです。

 冒頭、先々週の介護保険論議のときに幾つか問題点が上げられて、特に予防給付などの問題が取り上げられましたが、その中では一切触れられておりませんでした介護報酬のことに関しまして、きょう、皆さんのお手元に、五月三日に東京新聞に報道されました記事を御紹介申し上げています。

 これは、訪問介護報酬見直しで「定額払い制に転換へ」ということを厚生労働省が方針を固め、ある意味で「作業チームを設け具体策を詰める。」というふうに報道されております。きょうこれは予告はしてございませんのですが、やはり、この前の介護保険の審議でも、また今回の障害者自立支援法でも、政省令にゆだねられる部分が多いゆえに、一体国会は何を審議すべきなのか、骨とは何なのか、骨格とは何なのか、私はこの支払い方法も骨格にかかわると思いますので、もしこういうことを厚生省が御検討であるならば、審議中にお出しいただきたかったし、もしもまだこれは単に新聞記事だけであるならば、今後このようなお考えについてどうであるのかという点を、実務サイドといっても中村局長がいないので、これは大臣、お聞き及びであるかどうか、ちょっと御答弁をお願い申し上げます。

尾辻国務大臣 御指摘の件でありますけれども、現時点において方針を示したことはございません。私も全く承知をしていないことでございます。

 したがいまして、今後、社会保障審議会介護給付費分科会における議論などはあろうかと思いますが、そうした中で、もし決定されるのであれば、そうした審議会の中での御議論だろうというふうに思います。

 申し上げておりますように、今私どもが方針を示しておるものではございません。

阿部委員 大臣は正直な方でいらっしゃいますので、今のお言葉をそのまま受けとめたといたしまして、しかし、やはりこの支払い方法、特にこの記事が出て以降、先ほど山井委員ともお話し申し上げていましたが、実際にホームヘルプにかかわっておられるヘルパーさんたちからも、これはどういうことなのかなというお問い合わせも多く、なおかつ、この介護保険制度の根幹、骨格、医療でもそうですが、定率払いにするか、出来高払いにするか、マルメのような定額払いにするかはやはり大きく制度そのものにかかわってまいりますので、尾辻大臣にはお願いがございますが、こういう診療報酬改定の見直しという技術的な問題としてこれをとらえるのではなくて、介護保険制度そのものの骨格にかかわる事項ですから、もしこういうことの検討が必要であれば、私は検討すべき点も実はあると思いますから、むしろ国会の審議の中できっちりと厚生労働省サイドのいろいろなデータもお出しいただいて、どのような給付体系が最も望ましいのかを国会審議をしていただきたいと思いますが、その点について大臣のお考えをお願いいたします。

尾辻国務大臣 今お話しになりましたように、医療の世界でも、この出来高払いと包括払いというのは大変な議論のあるところでありまして、もしこれを導入したりするとすれば、一部、今、国立病院とかに包括払い制を導入はいたしておりますけれども、全体でこれをどうするかなどという議論を始めますと、これは大変な議論になるというふうに思います。

 したがいまして、それは介護報酬においてもしかりだと私も理解をいたしております。したがいまして、こういうことを議論いたすといたしますならば、これはきっちり国会にも御報告を申し上げて御議論を待ちたいというふうに存じます。

阿部委員 明確な御答弁をありがとうございます。

 引き続いて、本日の議題でございます障害者自立支援法ですが、実は、先ほど来、自民党、公明党の与党の各議員も極めて慎重にさまざまな危惧される点についてのお尋ねがあるやと思いますが、私は、本日は、私にいただきました初回の質問時間でございますために、特に大臣と、障害者施策、政策が社会保障政策の中に占める位置づけ、あるいは我が国がどういうふうに障害者政策を考えているかという骨格的論議を冒頭できればさせていただきたいと思います。

 と申しますのも、現在、約六百六十五万人といただきました資料の中にはなっておりますが、人口の五%に相当する障害をお持ちの方、他の国では、例えば二〇%、発達障害なども入れますのでもっと母集団が大きいとも言われますが、こういう方たちの社会での私どもの遇し方、あるいは考え方を論ずる場は今までまとまってはなかったと思いますので、この機会にそうしたことを根幹にかかわって論じておくことは、私は少子高齢社会の中で極めて重要であると考えております。

 実は、それに関連することとしていただきました厚生省側の資料として、「社会保障制度の現状と課題」というのが、政策統括官付社会保障担当参事官というお名前で平成十七年の二月の十四日に出されております。この中では、主に我が国の社会保障政策、とりわけ年金や医療、そして大ぐくりで福祉という言い方で三分割いたしまして、我が国の社会保障給付の体系がどのようになっておるかということが述べられております。

 簡単に申しませば、日本は、ややアメリカ型に近く、年金と医療の部分はアメリカと同等の給付費で、社会福祉、福祉の部分もほぼ同等。イギリス、ドイツ等の社会保険の発達した国では日本よりも福祉の分野の給付もさらに多く、もっと言えば、スウェーデン等北欧諸国では福祉の部分の給付もさらに充実しておるという図でございまして、大臣もどこかできっとお目通しであると思いますから、OECD諸国の中で我が国の占めるプロフィール、これを述べたものでございます。

 私はいつも思いますが、この間、ひたすらに障害のある方や介護を必要とする方の自己負担をお願いする形の法案が軒並みでございます。これは確かに、経済情勢等々をかんがみて、ある程度制度の持続可能性ということを考えるときにはいたし方ない側面はあることは理解しながらも、やはり、私どもの国としてどういう社会保障給付体制全体を持つのかということが見えませんと、なかなか相次ぐ負担増ばかりで安心や安全をメッセージできないように私は思います。

 きょう、私が大臣のお手元に配らせていただきました資料は、実は、人口問題研究所がおつくりの「政策分野別社会支出の対国民所得比の国際比較」という縦の棒グラフの大きな図がございます。これは、先ほど、厚生省からいただきました図よりもさらに詳しく社会保障給付費の内訳を示してございます。

 ごらんいただきましたら、一番下が老齢現金という範疇で、これはいわゆる年金でございます。その次の棒の上が、保健医療ですから、医療給付でございます。この二つは、先ほど私が申しましたように、アメリカよりやや充実しているかな、しかし、アメリカ型に近い。そして、あえて言えば、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンと並ぶ中で、北欧諸国やヨーロッパ諸国ほどにはいかないが、社会保障の中では年金と医療というのは比較をすればある程度の給付がある。

 しかし、その上に乗っかってございます家族現金というところは、これは児童手当などを想像していただければわかりますが、ここは、日本の場合〇・二八で、ヨーロッパ諸国ですと二・二四とか二・七五とか、よく言われますように、子供手当を初めとして家族給付というものは極めて手薄い。これは、政府の方でもこの間お取り組みと思います。

 さらに、その上には、高齢者・障害者現物(サービス)という棒が乗っかってございます。これがまた、日本は非常に低い。アメリカはさらに低うございますが、ヨーロッパ諸国の半分、それから、北欧諸国に比べたら七分の一くらいになりましょうか。すなわち、御高齢者や障害のある方に実際のサービスとして与えられているものも少ないわけです。

 ここには載せられておりませんが、私がここで一番きょう厚生省にお願いしたい、取り上げたいのは、実は、障害者にかかわる現金給付というものもOECD諸国とぜひお比べいただきたいのです。私が今自分で辛うじて調べたデータでは、スウェーデンの例あるいはフィンランドなどの例に比べると、障害者に対する現金給付が七分の一という数値で出されているデータを見ました。

 私が、きょう、まず厚生労働省、特にこれからの大事な厚生労働行政、社会保障政策をつかさどられる尾辻大臣には、こういう、マクロなというか全体像の中で、日本がどんなふうに障害者施策、政策をやっておるのかというところをまず大臣御自身にきっちり把握していただいて、実は、財政問題を言えば財務省の方の高いハードルがあると思いますし、しかし、障害者政策の根幹をこう考えるという部分は、給付に始まり、それから利用の実際に至るまでやはり一貫した考え方が必要と思うのであります。

 きょうの大臣へのお願いないし質問点は、果たして我が国の障害者にかかわる現金給付は他の先進OECD諸国に比べて那辺にありや、どのくらいのところにあるんだろう、高いのか、低いのか、まあまあなのか、そういうことをお考えいただいたことがあるか。あるいは、もしないとしたら、今後、私どもが考えていくために、大臣にもあるいは厚生労働省にもそういう視点に立って事を分析していただけまいかということの二点をお願いいたします。

尾辻国務大臣 二点とおっしゃいましたけれども、最後の方は理解をしたんですが、一点目についてもう一回、申しわけございませんが、言っていただけますでしょうか。

阿部委員 話が長くなったので、ごめんなさい。

 障害者にかかわる現金給付のトータル額が、社会保障給付費の中で占めるパーセンテージが他の国より高いか低いか普通かということでございますが、特にOECD諸国の中で。

尾辻国務大臣 正直に申し上げまして、その額について私も特に各国との比較をしながら見たことはございません。したがいまして、今お出しいただきました数字を見ながら、この程度なのかなというふうに見せていただいたところでございます。そして、今のお出しいただいた数字を見ますと、決して高くはないといいますよりも、かなり割合の低い国になっておるなということを改めて認識させていただいたところでございます。

 今後、私も日ごろ言っておりますけれども、谷間になっているところを埋めなきゃいけないというふうに考えておりまして、今回、精神障害者の皆さんが障害者の中での種別でいうと谷間になっておると思いましたので、まずそういうところを埋めたいなと思いながらこの法案を提出させていただいておりますけれども、その後さらに、障害者というくくりの中で考えるかどうかは別として、やはり難病の皆さんだとか、そうした皆さんの谷間をどうやってまたこうした法案との兼ね合いの中で埋めていくかというのも課題であろうというふうに認識をいたしておるところでございます。

阿部委員 私がお示ししましたグラフのうち、家族の現金給付の低さ、これは、実は昨日も内閣の方の少子化対策の会議がおありで、男性も女性も働きやすい環境をつくろう、あるいは、今後政府のお考えで、児童手当のさらなる充実とか、とにかく次世代を育成しないといかんともならぬと。これの中身というか、家族現金というのはそのことですので、今政府としても意識をお持ちだと思うのです。

 でも、障害者政策全般については、実はまだまだ機運がないというか、どのようなものとして把握して、充実させていくにはどのような割り振りをすればよいのかというところが、私は、この間いただきました資料にも一貫して見えません。

 もちろん、大臣がおっしゃるように、今欠けたる部分、今落ち込んだ部分を何とか他と横並びにしようということの重要性は理解しておりますが、さらに、障害者政策というのは、実はおまけの政策ではなくて、やはり私どもの社会にある頻度で発生する障害ということを社会がどのように遇していくかという根幹がないと、大変に障害者自身も生きづらくなってまいります。少子化対策と並ぶ我が国がOECD諸国の中でおくれている部分と私は思いますので、ぜひ大臣には熱心なお取り組みをお願いしたいと思います。

 あわせて、そういうことを申しませば、実は、この中にございますグラフの中でアメリカも同様に給付費というものは低くあるのですが、例えばアメリカの場合、障害をめぐる政策の基本骨格は、いわゆるADA法、障害を持つアメリカ人法と訳されておりますが、障害ということに対して、社会福祉というモデルから、むしろ障害を持つ人の人権、公民権、一人のやはり大切な社会の参加者だという公民権という考え方、あるいは医療モデルから社会モデルへという大転換を法体系の中で明確に位置づけた。

 そして、逆に、OECD諸国の中の北欧で最近とても有名になっておりますフィンランド、フィンランドが障害者施策は最も充実しておると言われますが、これは一九八七年に障害者サービスと援助法という法律をつくりまして、やはりどういうふうに障害者問題を位置づけ、給付を行っていくかをかなり明確にした上での取り組みがあると思います。

 そういうものと比べますと、実は、今回のお出しくださいました法改正は、昨年の十月にグランドデザインという形で提案でございますが、何がグランドデザインなのか、その中身というか中軸というか、考え方の中軸がなかなか見えてこないように私には受けとめられます。

 果たして、我が国の障害者政策、施策の中で、大臣が考える中心、どういう考えでこの政策、施策をやっていこうかというところはどのようにお考えでしょうか。抽象的に聞いて申しわけありませんが、もしも大臣のお考えの中で、ああ、そうか、障害者政策というのはこういうところが骨格かなというところがもしお考えにあれば、お教えいただきたいと思います。

    〔宮澤委員長代理退席、委員長着席〕

尾辻国務大臣 突然のお話でございますから、的確にお答えできるかどうかということの自信はございませんけれども、日ごろ思いますことを申し上げたいと存じます。

 私は、今回の法案の提出に当たりましても、まず頭の中にありましたのは、かつて障害者の団体の方とお話をいたしましたときに、その方は、自分たちはタックスイーターからタックスペイヤーになりたいんだ、これが願いだと言われました。そしてまた、その同じ方だと思いますけれども、アメリカでは障害を持った方々をチャレンジドというふうに表現するんだというお話も承りました。

 申し上げましたように、私が今回この法案を提出するときにまず頭の中にありましたことというか思っておりましたことはそうしたことでありまして、とにかく、区別されるのではなくて、差別されるのでももちろんなくて、一緒に社会生活を送っていける、そういう世の中にできればいいな、それがやはり私どもの目指すべきものだと思っております。それに向けて一歩でも二歩でも前進できる法案にしたい、それに向かって少しでも進んでいける、そういう法案にできればいいがなというのを大変強く思っておりましたということは、まず申し上げたいと存じます。

 そうした中で、そうしたことに対する考え方、アメリカ的な考え方、結局社会保障をどうするか、もっと言うと大きな政府にするのか小さな政府にするのかといったような議論があるでしょうし、また北欧的なやり方もあるでしょうし、今、日本をそういう中でどうするかということを考えなきゃならないし、また一方から、大変な財政赤字を抱えている、そうすると、いつも経済財政諮問会議と私がやり合わなきゃならない、ああいう議論もしなきゃいけない。社会保障というのは、やはり必要な額を積み上げていって、必要な分だけは確保しなきゃいけないと思う私どもの考え方と、どうしても財政重視で、そんなことを言っても財政が大変だという視点からの意見と、いろいろある中で、では、日本をどういう国で今後考えていくかという議論もしなきゃならないだろうと思っております。

 しかし、私は、あくまでもやはり必要な社会保障というのはきっちり守るべきだというふうに思っておりますし、冒頭申し上げたような社会にできていけば一番いいなと思うということを、申し上げましたように突然のお尋ねでありましたから、日ごろ思うことを率直に申し上げたところでございます。

阿部委員 今の大臣のお話で、タックスペイヤーになる、そのためには所得保障が必要だし就労保障も必要だしというお考えと承りました。そのような方向というのは障害のある皆さんも望んでおられますでしょうし、もちろんそうできる社会環境整備もこれからの私どもの課題と思います。

 もう一つ、実は、例えば働いて収入を得ることができなくても、やはりそれでも障害者にとっての自立、社会参加という問題は、私は当然あり得るというか、あると思うんです。では、そのときの障害者の自立とか社会参加の骨格、キーワードというのは何かというと、よく大臣がおっしゃる自立。では、自立をもう一回言いかえると、やはり自分で決定していける、自分の人生、自分に必要な生き方をいろいろな意味で選択し決定していける自己決定という部分が、もう一つ私は大きいと思うのです。

 もちろん、障害者年金が充実し、すべての人がある所得を得るというような所得保障も大事だけれども、しかし、それはお金だけではない、やはり自分が生きたいように生きるという方も障害者の皆さんにとってはとても譲れない一点なので、恐らく、今、外でいろいろな抗議行動があるのは、一つには所得の心配、お金をこんなに負担はできないよという素朴な気持ちと、もう一つは、例えばこれで自分たちが思うような生き方を選べるんだろうかという不安があると思うのです。

 私は、きょうここでもう一点大臣にお願いがありますが、実は、昨年の十月にグランドデザインが出て、本年二月にこの法案の成案を見まして、その間、私は大臣にも一度お伺いしましたが、障害者団体の声や要望はどのように受けとめておられますかということで、私に寄せられます多くの障害者団体は、まだまだ見えない不安と、そして、自分たちの声が自分たちのことなのに十分に反映されていないんじゃないかということを強くお思いであります。

 この十月から二月に至るまでの間、大臣と障害者団体の皆さんとの会合、お会いになる機会はあったのか。十月以前もあったと思いますが、特に十月から二月、成案を見ますまでの間、あるいは、こういう成案を見まして後に、また大臣はどのような形で障害者団体のお声を聞かれておるかということについて、お願いいたします。

尾辻国務大臣 これはいつか申し上げたかと思いますけれども、大臣になります前に、我が党の中で週一回、障害者団体の皆さんとの間の勉強会を開いておりまして、ほぼ毎週開かれておりましたので、大臣になります前はこの勉強会に私もずっと参加をいたしておりました。そういう御縁がございましたので、大臣になりましてからも、大臣室に来ていただきまして、そうした皆さん方の御意見は承ったこともございます。したがいまして、何回かそうした機会は持って、御意見は伺ってきたつもりでおります。

阿部委員 例えばでございますが、さきの介護保険の審議のときにも、ここにたくさん参考人の方に来ていただいて、皆さん、現場からの大変貴重な御意見をいただきましたけれども、実は、大臣には本当に忙しい国会の中でのお役ですから、参考人の御意見も、きっと担当官からは聞いておられましょうが、じかになかなかお聞きいただく機会もなく、今度またこの委員会でいろいろな参考人、それは障害の当事者の皆さんも含めてあると思いますけれども、そういう声も可能な限りやはり大臣にもじかに聞いていただきたいと私は思うのですね。

 それがないと、例えば介護保険のとき、ほとんどの参考人は、いかがなものか、ちょっとこの法案は、なかなかという声の方が強かったんですが、結局は成立し、そしてまた、今参議院に行っておりますが、本当のところは一体何が大事な論議であるのかというところがちょっと見えなくなりがちと思いますので、ぜひ、当事者性が何よりも第一である、自己決定が何よりも第一である障害者問題については、この委員会の参考人並びにいろいろな当事者団体の声を大臣が一つでも多く聞いていただくというお約束を、もちろん参考人のときに横に来てくださいとかまで言いたいけれども言いませんから、そこまで含めてぜひ大臣の姿勢をお示しいただきたいと思います。

尾辻国務大臣 お答え申し上げましたように、これまでも団体の代表の方とは何回も意見交換もさせていただいておりますので、いろいろな御意見は承ってきたと思っておりますけれども、今後とも、機会あるごとにそうした皆さんの御意見は十分聞かせていただきながら、今後の私どもの施策はまた進めさせていただきたいと存じております。

 ただ、言いわけするわけじゃありませんが、この後ずっと毎日、衆議院の厚生労働委員会がない日は参議院の厚生労働委員会なものですから、そうした時間的な制約があるということだけは御理解いただいて、その中で最善を尽くしますということは改めてお約束申し上げます。

阿部委員 ぜひそのようにお願いしたいと思います。

 私は、最後に一点、今回の障害者自立支援法という法体系の中に、実はこの法体系と似つかわしくないというか、混入させている、育成医療やあるいは精神障害者の医療の公費負担、この問題をここにぶち投げて、がさがさっとして一割負担に投げ込むということは余りにも乱暴であり、なおかつ、本当に、例えば心臓病をお持ちの親御さんの会や、精神障害をお持ちの方の御家族や、あるいは精神障害の患者さんを治療しておられる団体からも、いろいろな意見書が出てきておると思うのです。

 いただきましたグランドデザインの説明の中を読みましても、基本的には、医療保険にかかわる自己負担分を軽減する仕組みとして現在公費負担は機能しておるということがあって、そうでございます。これから、なぜ障害者自立支援法の中にぶち込まなければいけないのかという説明は実は一項目もございません。

 介護保険の場合も、医療保険の支払いと介護保険の支払いをがさがさっとして、何かその中に潜り込ませて論議するというのは、私は、おのおのの医療の持つ特性と患者さんたちの現状を考えると余りにも乱暴であるし、個々の医療の実態ということも御存じないんじゃないかと強く思うわけです。

 個別のことは次回以降にやらせていただきますが、自立支援医療なる、何か勝手な医療ができちゃったような名前ででき上がっております法律、この医療部分についてきちんとお話がされたのかどうか、大臣には次回改めて伺いますので、よろしく御準備のほどをお願い申し上げます。ありがとうございます。

〔後略〕


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