第162回国会 厚生労働委員会 第23号 (平成17年5月18日(水曜日))抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件
 障害者自立支援法案(内閣提出第三五号)
 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)
 

議事録全文(衆議院のサイト)

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北川委員長代理 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は自立支援法の審議でございますが、いつものように、冒頭、この法案以外のことを一問取り上げさせていただきます。

 いわゆる厚生労働省方針で、「医療費抑制へ健診強化」ということが、昨日でしたかの朝日新聞に出ておりました。

 私はこれを予告してございませんが、きょうここで取り上げさせていただくのは、実は、がん検診も含めた検診ということについて、さきの介護保険の論議のときに、老健局の中村局長が、検診をお受けにならない場合はペナルティーもという発言をされまして、私や水島委員が、その考え方は何だということで論議を重ねさせていただきました。そのときは中村局長、二度目には、自分の意が十分に伝えられなかったという形で一応謝罪なさいましたが、しかし、ここに出てきたものを見ると、極めてその考え方というんでしょうか、継承されているようで、きょう、私は大臣に確認をいたします。

 ここには、医療費抑制のために、各地域での健診をもっともっとやっていただくというために、地域に保険者協議会というものをつくりまして、住民の受診情報を関係者が共有できるようにする方針だというふうになっています。住民が健診を受けたかどうかの情報を関係者が共有するということでございます。

 大臣、そもそも健診の情報はだれに属するとお考えですか。

尾辻国務大臣 その具体的な御質問にお答えいたします前に申し上げるわけでございますが、かねて申し上げておりますように、私どもは、十八年度の通常国会にも次の医療提供体制、次のという表現をしてしまいましたけれども、医療提供体制の見直し、それからまた医療保険制度の見直し、そうしたものを御提案申し上げたいということを言っております。

 そうした中で、医療提供のことも議論を始めておりますから、今言われたようなこと、その具体的な内容じゃありませんで、いろいろ議論しておることはそうでございますが、まだそれをそういう形で固めたとかいうことでもございませんので、その中身のことについての御質問に、今私がお答えできないということは御理解いただきたいと存じます。

阿部委員 では、この場で最低限確認をしていただきたいのですが、私は、医療費を抑制するために健診をもっともっと進めていいと思います。

 ただし、その健診を受ける受けない、あるいは健診で得られた情報は個人情報でございます。これを、協議会というものをつくって、この協議会には、いろいろな健康保険組合とか、あるいはここにもございますが市町村とか、そういうものが一緒になって協議会をつくる、そこが健診情報を共有するというのは、個人情報の保護という観点からは逸脱しております。

 私どもはやはり、おのれの身体にかかわる情報はおのれのものだという考えを今、コモンセンス、共有しております。その中にあって、ここに厚生労働省方針と書かれておりますので、私はそのまま信じてお伝えすれば、受診情報を関係者が共有できるようにする、とても恐ろしいと思います。例えば、その人が受けたか受けないか、受けた内容が高血圧があるとか糖尿病の気があるとか、そういうものは専らその個人と主治医との関係、この信頼関係のみで活用されないととんでもないことが起こります。

 健診強化と書かれております。記事ですから十分に厚生労働省の意思を反映していないと受けとめました上で、大臣がこれからそういう健診体制を十のモデル地区でスタートさせるというふうにここには書いております。では、その場合に、個人情報保護はどのようにきちんと守られるのかということを念頭に置いて、必ず御指導いただきたいと思いますが、いかがですか。

尾辻国務大臣 個人情報の保護というのは、これは申し上げるまでもなく極めて大事なことでございます。

 特にまた、医療の世界においてというのは、これは特に個人情報を保護しなきゃいけない分野の一つでございます。そうしたことは、当然、私どもは守らなきゃならぬことでありますから、何か具体的に事業をいたしますとき、そのことは当然最大限の配慮をすべきことだということは、申し上げるまでもございません。

阿部委員 再度、しつこいようですが、例えば地域住民の方の情報がそこにある地域の企業の健康保険組合に共有されるということは、私はやはり怖いと思います。例えばこの人が糖尿病の気があるといったら、ダイレクトメールがばあっと行くかもしれません。そして、おまけにこの報道によれば、受診していない方には住民健診を受けるよう要請するほか、異常が見つかった人には保健師を派遣して指導するというふうにございますが、これも当事者が決めることでございます。

 健診とか予防医療政策は、やはり一歩間違えば極めて強権的な、ペナルティー発言にも結びつくものになってしまいます。重々御認識の上、御指導をお願いいたしたいと思います。

 それでは、本来の審議に移らせていただきますが、昨日、午前午後、参考人のお話を伺う機会を得ました。昨日、大臣は参議院の側の審議でございましたので、聞いてはいただけなかったと思いますが、この参考人の御意見の中で、もしかして塩田さんはお聞きかもしれない、極めて重要な、ここでの審議の前提にかかわるような御意見がありました。

 その一つは、午後の参考人でございますが、二十四回の審議会を通じて、厚生労働省側はずらずら一方的にデータは出してくるが、そのことについて当事者、この審議会の障害者部会に参加しておられる委員の方、障害をお持ちの方がいろいろ疑念を言ったり提案したりしても、一向に誠意のある回答がなかった、この審議会の障害者部会のあり方そのものが問題なんだという御意見がございました。

 塩田さんはどう受けとめたでしょうか。

塩田政府参考人 社会保障審議会の障害者部会は完全に公開でやっておりまして、議事録も完全に公開しておりますので、その評価はそれぞれの方にお任せいたしますが、私どもは、与えられた期間にそれなりの誠意を尽くしてお話を申し上げましたし、審議会に限らずいろいろな場でいろいろな意見交換をさせていただいたと思っております。

阿部委員 そういう態度ではとても、障害当事者のために、本当に意見や意思や希望や生き方を聞いて法律をつくることにはならないわけです。

 今私が御紹介申し上げたのは、聴覚障害の安藤さんという方の御意見で、セレモニーであって、障害者が、建前として部会で了承をとりましたと言っているという発言です。今の塩田さんの言い方も、言いかえればそのとおりです。やった、公開した、だからいいじゃないのと。そうじゃないじゃないですか。大臣、どう思われますか。

 私は、参考人にお呼びして、そんなことをおっしゃる、よっぽどだと思います。もし部会がちゃんと機能してくれれば、参考人に来る必要がなかったという御発言だってあったんです。

 大臣、お聞きじゃないから即答はできないかもしれません。でも、今、私と塩田さんのやりとりを聞いて、ホームページに載せた、公開した、だからいいのか。違います。意見があり、対立意見があり、提案があり、協議されて初めて部会の意味は出てきます。どう思われますか。

尾辻国務大臣 まず、きのうの御発言そのものも、私は、申し上げておりますように直接聞いておりませんし、またその審議会の模様というのもじかに見たことがございませんので、その雰囲気についてはよくわかりません。

 ただ、部長が申し上げましたのは、公開しておるものであるから、どういうふうに議論されたかというのは皆さんにもおわかりいただいているんじゃないだろうかというふうに言いました。そういうふうに言えばそういうところも、そういうところもといいますか、そういうふうに公開した議論をしてあるのであれば、きっちり御意見をそれぞれにお述べになりながら審議会が続けられてきたんだろうなと思いますし、きのうのそういう御発言があったのであれば、なぜそういう審議会を続けてきながらそういう発言になるのか、よく私にも理解できないところがございます。

 したがいまして、また、もしそういうお話であれば、私なりにも事情は、事情というか、その雰囲気は聞いてみたいとは思います。

阿部委員 議事録もすぐ上がってまいりますし、お目通しいただきたいと思います。

 私は、厚生労働行政の根幹にかかわっていると思います。二十四回も審議会をやって、そこに参加された方で、そして参考人として私も御意見を伺いながら、別に理不尽に御自身たちの利害だけを述べておられるわけではないのです。どのようにこの少子高齢社会で障害者施策をやっていったらいいのかという、おのおのの御提言がございました。

 実は、もうお一方、同じ発言でございました。この方も、論議がすべて介護保険にいつの間にか吸収されて、本来そこで論議されるべき前提が、例えば障害者施策と御高齢の介護保険の施策の違い、統合するには何が問題か、こういうことも十分論じられなかったという御発言でございます。

 あわせて言わせていただければ、二十四回目、この障害者部会の部会長である京極さんがこのように御指摘でございます。この部会を終わるに当たってですが、「残念ながら私どもの議論が」この障害者部会の議論がですよ、「介護保険部会に十分に反映されないで、障害者のこの審議会のメンバーにもうちょっと発言させてほしいと、介護保険部会に申し上げたんですが、幕を切られてしまったものですから残念なことでございます。」と。これが障害者部会の部会長の言葉です。

 何度も言いますが、公開した、情報を垂れ流した、それで事足れりというんじゃないんです。本当に真剣な論議をしなければ、障害者問題も高齢化問題も、私たちはこの橋を渡れるかどうかの瀬戸際に来ているんです。大臣、今の部会長の御発言、いかが聞かれますか。

尾辻国務大臣 今、私もいろんな審議会に出させていただいております。そしてまた、特に中医協をどうするかという議論も行われておりまして、これは私の諮問会議としてございますから、その場にも出ております。

 先日も、時間がないという話になりましたら、時間なんか気にせずにもう少しやろうということで、随分時間を延長して御議論もいただきました。それぞれの審議会で、そうして皆さん方が、時間がないと言っても、いや、時間延ばしてとかいう議論をしていただいておりますし、きのうもまた、社会保障どうするかという審議会もございましたけれども、この中でも、一遍答えは出すけれども、とてもこのままでおいておくわけにいかぬから、また引き続き議論しようということを御自身方でお決めいただいて、今後とも議論を、幕を打つんじゃなくて、続けるということをお決めいただいております。

 審議会というのは、やはりそういうふうにして御議論いただいておるということを承知いたしておりますから、そうした中でのただいまの御発言というのは、ちょっと私には、何でそんなことになるんだろうというふうにしか申し上げることがございません。

阿部委員 最高責任者の大臣がそれじゃ困るんです。何でそんなことになるかといって、現実になっているからそういう発言があるわけです。

 皆さん、私はどれを読んでも理不尽に発言されているとは思いません。本当にぎりぎりのところで、みんな御自分の意見を言いたい。だけれども、時間もない、場もない、打ち切られる。介護保険は先に走る。障害者問題は一向そことかみ合わない。一体、あの介護保険の出てきた法案は何だったのか。非常に劣悪な、データもない。本当にあれで審議に足るものだったのか。そして、三年以内に障害者問題と統合、私どもは考えております。私も、その方がよかろうと思います。しかし、その前提に話しておかなきゃいけない、言いたい、聞いてくれ、こういう案もあるというところが一切打ち切られた。

 大臣は、せめて二十四回目の最後の部会長の言葉と、そして参考人の、本当にいいお話でした、皆さん本当に、ここで、この当事者がここまでいろんな意味で実力をおつけになって、施策提言をしてくださるということを私はありがたいと思って拝聴いたしました。しかし、それを審議会が生かしていない。それを厚生労働省が所管している。何だこの構図はと思いました。次回までで結構です。大臣、二十四回目と参考人の意見を必ずお目通しいただけますか。お願いします。どうでしょう。

尾辻国務大臣 次回というのがいつかなということはございますが、とにかく最大限急いで読ませていただきます。

阿部委員 私は、事を批判のためだけにやっているのではないので、それを大臣がお読みになって、ああ、もっともだといったら、やり直していただきたい。この方たちのおっしゃることはもっともだと思ったら、人間、間違いを正すに勇気を持つ必要があると思います。

 先走って先走って、何にも見ないで、事実も見ないで、データもなくて。さっきの塩田さんの精神障害にかかわる答弁だってそうです。私は、きょうも聞きました。通院医療の人のプロフィール、どうなっていると言ったって、出ないんです。持っていないんです。よく持たないでこんな法案出したなと思いながら、それも私はきょうこれだけ怒っているもう一つの理由ですが。

 本当に格好だけつけて。だれかがおっしゃいました、実は三井さんなんですが。眼鏡のフレームがあって、レンズがないようなものだ、この審議は。フレームだけ格好つけてだて眼鏡したって、物は見えないんです。そして、いい解決法はやってこないんです。

 大臣、もしも、読んでいただいて、おお、これはそうじゃないかと思ったら、間違いを正すに勇気を持つという御発言をまずお願いします。

尾辻国務大臣 私は、今度の障害者自立支援法、一番大きな部分といいますか、骨格の部分といいますか、これは間違っていないと思っております。一歩でも二歩でも、障害者の皆さんの施策を進めていく上で前進させる、それは間違いなくそういう法律だと思っております。したがいまして、そのことについては自信を持って私もこの法案を通してくださいというお願いをしておるつもりでございます。

 ただ、この御審議の中で申し上げておりますように、個々のいろんなケースについてきめ細かくやっていきたいと思う、そしてそういうふうに思うと、そういうケースでいろんな場面が、いろんなことが出てくる。先生方の御意見もいただいておる。そこについては、先生方の御意見をいただきながら、それは国民の皆さんの御意見であるわけですから、そこは私どももきっちりそのお声にこたえていかなきゃいけない。変えるべきものがもしあるとすれば、政令、省令のところで、今私どもはこう思っていますということはお出しをいたしておりますけれども、そこは私どもも柔軟に対応すべきだということは思っておるわけでございまして、そのこともまた繰り返し申し上げておるつもりでございます。

阿部委員 私は、柔軟にというよりは、勇気を持って根本的に対応してほしいというお願いをしております。

 引き続いて、それではなぜこういうことを言うのか。何といっても、さっきの眼鏡の中身がないんですから、何も見ていないんです。何も見ていない中でいろいろ出してくるこの改正案の数々。私は、冒頭、まずいわゆる自立支援医療、これはずっとこの間取り上げて、何だかよくわけわからない医療の中に全部ぶち込んで、その結果、だれにとってもいい形が来ないだろうと思うので、このことについて、大臣に、先回私はやりとりさせていただきましたので、その続きをやらせていただきます。

 まず、精神疾患にかかわる通院、三十二条の問題は、先ほど来、水島委員を初めとして、皆さんお取り上げでございます。でも、私は、これとて実は今ふえている通院医療の方々のプロフィール分析があって初めて対策が出ると思います。大臣もそう思われますよね。

 だって、私は、これは塩田さんにも聞きました。なぜこうやって自立支援医療なんというへんてこりんなものをつくらなきゃいけないのか、何回話されたのか、どこで話されたのか。明確な御答弁はいただけず、私が自分で探したところによると、この前も御紹介しました、とにかく、いろんな意味で人口の一%ぐらいの方が給付を受ける時代になって、公費が不足して云々、必要な経費を皆で負担していただくと。これしかないんです。なぜ三十二条をやめて、自立支援医療の中で自己負担していただくことが妥当なのかということを説明する説明はここだけ。そして、そのことにかかわる論議は、実は二十四回の中、ほとんどございません。これで法律をつくろうか、信じられない。

 ですから、もともと、原点に立ち返っていただきたい。精神医療の抱える問題は多大です。今、私どもは、しかしそのことを避けて通れない以上、私は、精神福祉法のきちんとした改正として、あるいは取り組むべき課題として、真正面から、こんな横から滑り込ませないでやっていただきたい。でも、これを言っても、私の持ち時間が少ないために、ちょっときょうは私の専門分野に飛ばせていただきます。

 その前にもう一つ。ここには精神科の通院医療と更生医療と育成医療の三つがぶち込まれました。大臣に伺います。育成医療とは何でしょう。

尾辻国務大臣 お尋ねの意味がよくわかりませんが、育成医療というのは、今日まで、障害児の皆さんの医療についての制度でございます。

阿部委員 では、ちょっとそれはおきまして、更生医療とは何でしょう。

尾辻国務大臣 身体障害者の皆さんの医療制度というふうに申し上げます。

阿部委員 もう少し中身を言ってください。例えばどんなものがでもいいし、厚生省はもう少しまじめに中身を言ってございます。歴史でもいいですし。

 更生医療とは何だろう、もし、それを知らずして私たちがここで論じて自立支援医療に持っていこうというなら、それは余りにも、私は、さっきの、レンズのない眼鏡で枠をどう格好つけようかと言っているにすぎないと思います。その枠とは、金が足りない、さあふえた、どうしようという話です。

 本来、その医療がそこにできた経緯があります、歴史があります、役割があります。更生医療とは何でしょうか。

尾辻国務大臣 ここにも資料がございますから、今度はこれを読み出しますと長い話になりますし、どこの部分で申し上げるのがいいのかなというふうに思いますけれども、事業の概要ということで申し上げますと、身体障害者が更生のために必要とする医療の給付を指定医療機関に委託して行う、この事業だというのが一言で申し上げることになろうかと存じます。

阿部委員 厚生省が御利用になる公費負担医療と健康保険の説明では、「更生医療は、身体そのものの肉体的障害を除去し、または軽減させることで、機能の障害、さらには社会的不利を軽減せしめることを主たる目的とするリハビリテーション医療である。」というふうな御説明になっています。簡単に言えば、透析とか、大人の心臓手術とか、それがここに入っております。

 今、更生医療そのものの中でも、手帳をお持ちでなくても受けられるようにしてほしい。例えば、先天性であれ、後天性であれ、心臓の病気があったとき、手術をちゃんと受ければ障害を残さないで済む場合があります。これも、手帳がなくても更生医療に入れてくれという声が厚生省に届けられているはずです。にもかかわらず、今度の自立支援医療では全部手帳が中心です。このことだってきちんと論議していただきたい。この一項については、二十四回のどこにもありませんでした。

 そして、子供の医療に行かせていただきます。

 障害のある子への医療が育成医療だということでございましたが、大臣がお考えになるに、この育成医療を自立支援医療に入れると何が変わると思いますか。何も変わりませんか。お願いします。

塩田政府参考人 障害者施策として最終的にどういう制度を目指すかという観点から今度立案したつもりでありまして、最終的には包括的な障害者のライフサイクルすべてをカバーする法律を目指したいということで、今回は、三つの障害を統合して市町村が中心に一元的にやりたいという観点から立案したということで、医療についても、障害者に関する公費負担医療ということで、一つの法律の中で一つの制度としてまとめて提案をさせていただいたということでございます。

阿部委員 今のは、育成医療を自立支援医療に入れたら何が変わるかということについて、私はそういうのを形式論議というんだと思います。

 例えば、二年前、平成十五年に小児慢性特定疾患の財政基盤をきっちりさせるための論議がございました。塩田さん、これを、小児慢性特定疾患と、今度、育成医療を自立支援医療に入れ込んだとき、同じ小児医療でどんな違いができると思いますか。

塩田政府参考人 育成医療については、今度の法案では自立支援医療ということになっておりまして、他の公費負担医療制度と同じように、定率の負担と低所得者対策ということと、食費の標準的な額については御負担をいただくということになっております。

 一方、小児慢性疾患については、先般、議員立法で法定化されたと聞いておりますが、その部分について取り扱いは現時点では違っていると承知しております。

阿部委員 何が違っているのと聞いたんだから、もう少し誠意ある答弁があるでしょうよ。

 小児慢性特定疾患では、食費は公費負担なんです。もう一つ、親の所得に応じた応能負担なんです。この育成医療になった途端に、食事は自己負担、そして定率、応益負担になります、同じ子供の政策で。

 そして、私は先回言いました。今、国は少子化対策を国を挙げてやろうと言っています。なぜ親に負担をかけ、子供たちを本当にはぐくみ育てる、その社会の役割を後退させて、こんなことが許されるんでしょうか。

 私は、これを児童福祉法の体系からよくわけがわからない自立支援医療に持っていった途端、児童福祉法の根幹である育成という概念が抜けて、自立支援法という、本当に三年もつかどうかわからない、財政的にも。だって、もしこれが介護保険と統合されたとき、介護保険は医療にかかわるものではないですよね、自立支援医療はどこへ行くのですか。孤児になるのですか、宙に浮くのですか。だから、三年後、三年までの暫定措置なんて、そんなものにだれだって未来を見ることはできない。

 まして、大臣、児童福祉法の根幹は何でしょう。お願いします。

尾辻国務大臣 児童福祉の根幹は児童の健全な育成だと考えております。

阿部委員 その一項が自立支援医療では外されてしまいます。

 例えば、先ほど私は、更生医療で、手帳をお持ちでない人も、重い心臓疾患にならないために更生医療をお使いでもいいと思います。子供の場合は、重度の心臓の病があって、手帳をとっていなくても、この児童福祉法下の育成医療では育成医療が使えます。今度、自立支援医療になったら、障害の軽減ということのみで、予防的なものには法案の骨格は給付されることにはなっておりません。手帳中心、そして、もうなっちゃった後。

 大臣は、あれほど介護保険のときに予防、予防、予防とおっしゃったじゃないですか。子供にとっては大きな障害を避けて、そのことを軽減してあげる、予防してあげる、これが国の役割ですよ。

 大臣、もう一度、これは私、先回も投げましたから、なぜ育成医療を自立支援医療の中に入れてよしとするのか、少子化対策の今日、小児の医療が極めて難しいと言われる今日、なぜこんな時代に逆行することをやるのか、明確な答弁をお願いします。

尾辻国務大臣 障害児に係る医療につきましては、児童を健全に育成するという観点から重要な役割を担っているということはそのとおりでございます。

 このため、昨年六月に少子化社会対策会議で策定されました少子化社会対策大綱におきましても、特に支援を必要とする家庭の子育て支援として、障害児医療を少子化対策の取り組みの一環としても位置づけておるところでございます。また、大綱においては、障害児の健全な発達を支援する観点から適切な医療や医学的リハビリテーションの提供、デイサービスの充実等を図ることとしておりまして、医療を含む包括的な支援を進めることといたしておるところでございます。

 今後とも、障害児が必要な医療を受けられるように、私どもといたしましても、小児医療の重要性について引き続き全力を尽くしてまいりたいと存じます。

阿部委員 申しわけないけれども、そんなことを言ったって、事実は、二十八億の公費負担から二十二億に減るんですよ。減らす理由にならないでしょう。今大臣がおっしゃったことをそのままやるのであれば、給付はふやすことがあったとて、減らす理由にはならないじゃないですか。すべてこの法律はそうなんです。べらべらは言うけれども、中身は本当にない、負担だけがふえていく。障害者問題も子供の問題も、すべて後退させる。

 私は大臣に、これは一回宿題で投げさせていただいたけれども、もう一度しっかりと見てください。そして、この法律、私は医療という部分を省いていただきたい、真剣に考えていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

北川委員長代理 次回は、明十九日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。


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