第162回国会 厚生労働委員会 第26号 (平成17年6月8日(水曜日))抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件
 参考人出頭要求に関する件
 障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)
 社会保険労務士法の一部を改正する法律案(内閣提出第六一号)(参議院送付)
 社会保障に関する日本国政府とフランス共和国政府との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案(内閣提出第六三号)(参議院送付)
 社会保障に関する日本国とベルギー王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案(内閣提出第六四号)(参議院送付)
 独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構法案(内閣提出第六二号)(参議院送付)

議事録全文(衆議院のサイト)

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北川委員長代理 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、まず冒頭、先ほどの中根委員と森岡政務官のお話を伺いながら、あるいは山口委員と尾辻大臣の応答を伺いながら、私は、一点、尾辻大臣に確認をさせていただきたいと思います。

 中根委員の御質問の中にもございましたが、日本が中国に対してさまざまに行っている戦後の事業の中で、特に重大であり、なおかつ進捗しておらないのが、中国での遺骨収集問題であると思います。私は、大臣が、とりわけ遺骨収集ということは御自身も率先してやってこられて、そして、さきの千鳥ケ淵のことしの三百体の納骨の折にも、雨の中みずからお出ましでありましたし、その心意気の深さにおいて、他のどの方にも劣ることはないと思っております。しかしながら、私は、やはり本当に多くの御遺骨、お一人でも多く帰っていただくための、私どもが政治として最後にやらなきゃいけないしんばり棒、最後の最後は中国ではないかと実は思っております。

 遺骨収集ということは、相手国の理解がないと、そして、これからの時代を、過去をきちんと確認し合って未来に生きていくための本当の友情がないと、とてもかないません。中国に関しては、遺骨収集のイの字もなかなか言い出せない状況にあります。そういう中であるからこそ、先ほど森岡政務官のお答えは、体制が違う、考えが違う、それで終わっていればいいのであれば、私は政治は要らないんだと思います。

 私どもが戦後を生きて、そして亡くなられた方々の、本当に命の上に私たちが生きていると思えばこそ、その御遺骨お一つでも多くお連れ帰したい、その思いは、特に中国とのどんな外交関係を築き、そしてきちんと帰っていただくか。私は、よく英霊という言葉が使われますが、まずその前に、肉体を持って人がいたんだ、その体をちゃんとお迎えして、この土地に、ふるさとに帰してあげたい、これが第一の願いであります。

 その意味では、大臣のお立場、政務官をかばわなきゃいけない大臣というお立場も理解いたしますが、私は、さっきのような森岡政務官のお答えでは、とても中国との交渉の前面には立てられない、あんなことを言っちゃったら、成るものも成らないと思います。その意味で、先ほど来何人かの委員が、そのお仕事をやっていただくに際して適任ではないのではないかということを申されたんだと思います。何も、個々人の、個人の思いをそこだけで云々したのではなくて、厚生行政としての大きな障壁になるということだと思います。

 大臣は、今後どんな御指導をなさっていかれるのか、その中身について一言お願い申し上げます。

尾辻国務大臣 まず、中国の遺骨収集についてお話しになりましたので、私からもまた申し上げておきたいと存じます。

 中国における遺骨収集、私どもも随分遺骨収集をやらせてほしいということを言ってきました。しかし、中国側が、一言で言うと国民感情ありで、決して認めてくれていないということがずっと続いております。

 したがいまして、私もまずこれを何とかしたいと思いまして、本当に、まだ私が私自身を青年と呼べるころでありますから随分昔でありますが、青年同士で話し合って、少しでも理解してもらってということをずっと努力した時代もございます。しかし、いろいろやってみましたけれども、結局今日までそれは実現していない。今、私があえてこういう話を申し上げるのは、大変難しい話だということをまず申し上げたいと思います。

 そして、引き続き努力をしなきゃいけない、そういう努力の中で、では厚生労働省としてどういう仕事をするかということでございますけれども、森岡政務官も、小泉内閣の一員として指示に従ってやるということを繰り返し言っておるところでありますから、私は、その言葉どおりにしっかりやってもらいたいと。もしまた、こういう仕事に直接ということになるのかどうかわかりませんけれども、そういう場面においても、しっかりとした私どもの思いというのがきっちり伝わるような仕事をしてほしいというふうに考えておるところでございます。

阿部委員 厚生労働行政の大切な部分を担うお役でございます、政務官というのは。その方の発言が外国にどう受け取られ、本当に薄氷を踏む思いで尾辻大臣もずっと努力してこられた、だけれども打開しない、だけれどもあきらめないと。このとても微妙な、しかしあきらめたらそのときに全部が終わっていくような問題であると私は思います。その辺の重みをやはり政治家たるものは重々認識して、発言についても私は慎重たるべきと思いますので、その点についてはきっちりとした御指導をいただきたいと思います。

 引き続いて、きょうはまず、本題に入ります前に、日本脳炎の予防接種問題を取り上げさせていただきたいと思います。

 ちょうど夏場を控えまして、日本全国で日本脳炎の予防接種、そろそろ取りかかろうかなと、例えば各小児科のクリニックあるいは内科の先生方もやって、準備していたやさきに、五月三十日の日でございました、突然厚生労働省の方から、この日本脳炎の予防接種については中止勧告、やめた方がいいという勧告が出されました。これを受け取りました親御さんたちあるいは現場の医師たちは、一体なぜ、何が起こっていてどうしてこうなったんだろうということが伝えられないままに、方針だけがぼんと出されました。

 このことについて、私は実は、予防接種については、「国は、」十分に国民に、「国民が正しい理解の下に予防接種を受けるよう、」、正しい理解のもとに、「予防接種に関する知識の普及を図るものとする。」という予防接種法第十九条にももとっていると思います。正しい知識のもとに、十分に知識の普及を得て、そして選ぶわけでございますが、この日本脳炎の取り扱いについては青天のへきれきに近い中止勧告でございました。

 一体どうしてこういうことが起こるのか、まず、日本脳炎の予防接種について、危険性があるならあると、その前にあらかじめ言われておればまだ違います。方針だけぼんと投げられて、そして、果たしてそれで国民が本当に選べるのか。そのことを表明した記事が、「受ける 受けない どっちが安心」という記事が、これは朝日新聞でございますが、六月の七日に出ています。しかし、受ける、受けない、どっちが安心を決めるにも、そのもとになる情報が国民にはありません。

 この事態に対して、一体、この厚生労働行政の中で予防接種行政を取り扱う部局にお伺いしたいと思いますが、まず、日本脳炎のワクチンにさまざまな副反応、副作用があり、そして中には、今回直接のきっかけになったのは、中学三年の女の子が、昨年に予防接種を受けたその直後にある種の脳炎になりまして、それが重篤で後遺症を残しておるという事例が発覚して以降でございますが、こうした副作用情報をどういうふうに厚生省は入手され、それを国民にどうフィードバック、あるいは予防接種にかかわる医師たちにどう伝えてきたかについて、実務サイドからお願いいたします。

田中政府参考人 御説明申し上げます。

 今回の日本脳炎ワクチンの積極的勧奨の差し控えでございますけれども、これは、現行の日本脳炎ワクチンの接種と、それから極めて重症のADEMというものとの因果関係が認定されたという事実を踏まえまして、より慎重を期して総合的に判断したものでございます。

 先生御指摘のとおり、医薬品・医療機器等安全性情報、あるいは予防接種の副反応情報、こういうものにつきましては、都道府県等自治体、日本医師会、報道機関等を通じまして公表し、情報提供に努めているところでございますけれども、今後とも、十分説明して、またそういう措置をとった状況についてはよく知識の普及啓発ということで努力していきたいと思っております。

 また、予防接種による副反応についての状況でございますけれども、これは予防接種後副反応報告制度というのがございまして、予防接種により起こった事象につきまして、因果関係の有無にかかわらず幅広く情報を収集して、そして評価し、その安全性の確保に努める、そして、その情報については年に二回公表するというようなシステムをとっているところでございます。

    〔北川委員長代理退席、委員長着席〕

阿部委員 そういう抽象的なことを聞いているんじゃなくて、ばらばらの情報が垂れ流されて、本当は何が問題で、この予防接種の危険性とメリットが何かということを厚生労働省は一貫して伝えていないんですよ。

 例えば、この「安全性情報」という雑誌に、二〇〇五年のこれは五月です、さきに問題になった例であるかどうかはわかりませんが、二例、ここには日本脳炎による予防接種の副反応の報告があります。これ以前には、この「安全性情報」には載せられていたんですか、どうでしょう。

田中政府参考人 御説明申し上げます。

 たまたま同じ時期に医薬品・医療機器等安全性情報というのが出されまして、そして、使用上の注意の改定等につきまして、厚生労働省がその情報を公表したということでございます。

 日本脳炎ワクチンに関する使用上の注意に関してでございますけれども、過去、昭和四十九年と平成七年と平成十七年、今回ですね、三回ほど日本脳炎ワクチンに関する使用上の注意の改定等の情報提供というのがされているところでございます。

阿部委員 どうしてちゃんとわかるように言ってくれないんですか。

 実は、これは、医薬品メーカー、日本脳炎ワクチンをつくっているメーカーが、こんな副反応報告があるよと厚生労働省に出していたんですよ。しかし、それは、厚生労働省としては、きちんとした形で公表せずにずっと放置してきたんですよ、対応も決めず。だからこそ現場は混乱しているんですね。

 ある程度副反応のことが伝えられ、そしてどんな危険性があるか。例えば平成十五年度は既に五例の、急性散在性脳炎というのですが、日本脳炎を接種して急性散在性脳炎として健康被害に認定された患者さんが五例あるんですよ。五例のうち三例は十五歳、第三期の日本脳炎の予防接種の患者さんだった。今回も、平成十七年度のこの例も中学生ですよね。そして、どうもこの三期目、中学生くらいになると、いろいろ副反応も強く起こるようだ。もちろん子供、小さい子にも起こっているんですよ。そして、裏では、裏ではと言っては失礼ですが、厚生省の部局内では検討会も開いて、第三期については要らないかもしれないという検討会まで開いているんですよ。

 これは、全部情報を隠した上で、一部のところで検討会を開いて勝手に方針をやっている。そうなると、現場からの声も十分上がらない、副反応についても周知徹底されない、そして方針だけがどんとやってきて混乱する、こういうのが繰り返されているのが予防接種行政だと思うんです。

 ワクチン、特に日本脳炎ワクチンはネズミの脳を使ってつくりますから、やはりいろいろな、今、BSEを初めとして脳組織の問題というのがあるわけですよ。そういう異物の脳を使ってつくるワクチンの持つ問題性というのも一方であるわけです。ワクチン行政が一〇〇%パーフェクトであれとは言いませんが、少なくとも薬品メーカーから寄せられた情報を国民にフィードバックするその仕組み、そして厚生労働省として何を検討しておるかをきっちりと伝えていく仕組み、この二つがなければ、今後どんな変更が行われても、いつもいつも受け手は正しい情報に基づいて選ぶことができないわけです。

 大臣にお伺いいたします。これは年間四百万人が受ける予防接種で、今現場は大混乱です。一体何があったの、どうしたの、どうして。そして、医師の方も不安になります。打っていいんだろうか、それともやはり。

 実は、日本脳炎というのは一九九四年に定期接種という方式に変わりましたが、そのころから患者発生は毎年一けたなんです。四人とか二人とか。それに比べて副反応が五人とか毎年起きるわけです。一体、メリット、デメリット、てんびんにかけたらどっちがいいのか。こういうことも、私は今回直に部屋に呼んでデータを出してもらって、でもまだ全部出ていません、つまびらかに。少しは知るところとなりました。予防接種行政のあり方が余分に混乱だけを生むことは私は望みませんが、しかし、今回は本当に象徴的です。薬のメーカーがこんなに予防接種の副反応を上げているのに、どうして厚生労働省が対応されませんかということがきっかけになっております。

 もう一度、厚生労働省の中で、ワクチンの、特に予防接種行政のあり方を一度は見直していただきたいと思いますが、すごく大きな質問で恐縮です。ほかにも同じようなワクチンの問題があるので、きょうはとりあえず、他の質問もありますので、一問、この特に日本脳炎について、並びに関連の予防接種行政について、改めてちょっと点検をしてみるということについて御所見を賜りたいと思います。

尾辻国務大臣 この件について私が受けておりました報告は、現行の日本脳炎ワクチン接種と極めて重症の副反応との因果関係が今度認定されたということでございまして、認定がされたので直ちにというふうに理解をして私は聞いておりましたけれども、慎重を期して総合的に、積極的勧奨の差し控え、ワクチンの差し控えを判断した、こういうふうに聞いておりました。

 今先生のお話を伺いながら、改めてそこに至ることをもう一回よく聞いてみなきゃいかぬなと思いながら聞いておったわけでございますが、今回のことに限らず、ワクチンをどうするかという大きな課題についてのお話でもございますし、また、この新聞を改めて読みましても、それぞれの場所で混乱も起こっておるようでございますから、そうしたことにならないように、今後どうするかということは改めてよく検討をしてみて、そしてまた、皆さんにとって必要な情報というのは絶えず私どももお知らせをするという努力は当然のこととしてしなきゃいかぬというふうに考えます。

阿部委員 重ねて申し上げますが、定期接種になりました一九九四年から二〇〇三年までをとりましても、日本脳炎の全国の患者さん発生数は四十人から五十人の間。これは厚生省のデータベースで見たところです。それに比べて、ADEM、急性散在性脳炎、それは軽いものから重いものも含めて確定したものが十三例、疑わしいものが五例、すなわち十八例。五十人くらいの患者さんしか発生しない、片っ方は二十人近くの副作用が起きるとなると、果たして本当にこれが継続されてよいのかどうか。

 そして、特に日本脳炎というものの抗体価、みんなが、国民のどれくらいが抗体価を持っているかという基礎調査も一九八一年になされ、続いて二〇〇〇年になされ、予防接種をしてもしなくても、ある年齢以上で非常に高率になっております。八〇%。不顕性感染といいますが、かかって抗体をお持ちの方も多いわけです。

 もちろん国際化時代で、東南アジアの国々で日本脳炎が発生することもあります。だから国際的な目で見ることも必要ですが、私は、日本脳炎を続けるか続けないべきか、あるいはワクチンをどうするか、改良をどうするかということも含めて、根本から見直していただきたい。それと同時に、きちんと国民に情報が伝わって、選べる形にしていただきたいと、この件についてはお願い申し上げておきます。

 引き続いて、きょうの議題になっております件について、特に障害者雇用問題についてお伺いをいたします。

 私はきょうは重度障害者の介助等の補助金についてのお伺いをしたいと思っておりますが、障害者の皆さんがこの間大変に国会にも何度もお出ましくださいまして、そのいわゆる活動ということをめぐっては、私は、この二十年、目を見張るものがあると思います。さまざまな意思を御自身できちんとまとめられて提案をされておられる姿には本当に頭が下がる思いがいたしますが、しかし一方、雇用ということについてはまだまだなかなか進捗が遅いということは、もう各委員から御指摘のことでございます。

 とりわけ、きょう取り上げます重度障害者介助等助成金と申しますのは、障害者雇用率未達成の企業から納付金をいただきまして、それを重度の障害者を雇っておられる企業に助成金として出す仕組みになっておりますが、最長で十年という期限の定まったものでございます。

 大臣にはまず私の資料の二枚目を見ていただきたいですが、この納付金の納付状況を一覧にしたものが、平成六年から平成十五年までずっと資料をいただきました。平成六年で二百六十一億、平成十五年で二百四十一億。制度が始まりましてから法定雇用率の未達成というところで納付金をいただき、平成十一年度からはいわゆる知的障害者の法定雇用率問題も加味されましたので未達成企業が少しふえたということもありますが、ずっと二百億以上なんですね。

 本来、この制度をつくったときに、達成していなければ納付金をいただく、これはある種罰則ですね。こちらで雇っていただいたら助成金を出す、これは報奨ですね。あめとむちと言っては失礼ですが、強いインセンティブを働かせて始まった制度であるにもかかわらず、今もって納付金がある意味では減らないということは、達成されない障害者雇用の現状があると思うわけです。

 一点目はこの件についてどうお考えかということと、二点目は、本来これは厚生労働行政がきっちり指導すれば減っていくものであります。この財源がなくなってもなお、重度の、例えばお目が見えない、あるいは四肢障害である方が、働き続けたい、ヒューマンサポートを得て働き続けたいと思っておられる方はたくさんおられるわけです。そうすると、そういう方たちの働きたい思い、尾辻さんのおっしゃるタックスペイヤーになりたい思い、そういうものを国はどうやって支えていかれようとなさいますか。二点お願い申し上げます。

尾辻国務大臣 まず、今お述べになっておられます障害者雇用納付金制度につきましては、これはお話しいただきましたように、雇用率未達成企業からの納付金の徴収、雇用率達成企業への調整金の支給を通じて障害者雇用に伴う経済的負担の調整などを図ることで、障害者雇用の促進に役割を果たしてもらおうということで始まった制度でございますし、また、今日役割は果たしておる、こういうふうには思っております。

 しかし、お話しのように、現状においては実雇用率が横ばい傾向にあるものですから、雇用率未達成企業も少なくないことから、議員御指摘のとおりに、納付金徴収が二百億円を超える水準で推移している状況となっておる。これは御指摘のとおりでございまして、そのとおりの事実でございますということをまずお答え申し上げたいと存じます。

 そして、二点目の御質問でございますけれども、やや抽象的にお答えすることになりますけれども、こうした二百億円というお金がゼロになることが望ましいことでございまして、私どももそうなるべく努力を続けたいと思いますし、ただ、このお金があるからやるという話ではございませんので、引き続きまた必要なことは当然のこととして私どもは続けていきますということを改めて申し上げたいと存じます。

阿部委員 ぜひそうしていただきたいと思うんです。本当は、毎年毎年二百何十億が企業から入ってくるということは、やはりいいことではないわけです。これはゼロに限りなく近づいてほしい。

 しかしながら、今大臣にお示しした二ページ目を見ていただきますと、下に各年度末における剰余金累計、要するに累積で四百四十億もこれは残ってきておるわけです。企業からいただいて、こっちで助成して使うんだけれども、はっきり言って使い方がまだ不十分というか、そこまで障害者雇用が進んでいないので使い切れてもいない。納付金も減らない、使う方も十分にその趣旨を生かして使い切れていないという現状があって、問題は二重三重に累積していると私は思うんです。

 しかしながら、大臣がおっしゃったように、たとえこういうお金がなくなっても、この精神は生かして、きっちりと障害のある方にヒューマンサポートを提供してお仕事をしていただくんだという政治の強い意思はやはり大臣に持ち続けていただきたい。これは財務省と交渉してでもとってこなきゃいけないことになりますので、そこは今前向きな御答弁でしたので、ありがたいと思います。

 それからもう一点伺いたいのは、これは最長十年ということになっておるんですね。

 しかしながら、大臣もお気づきのように、例えばお目のお悪い方が職場に入って仕事をやる、仕事の中で重要な役割を担う、あるいは脊椎損傷で車いすでお仕事に行く、そこでそれなりの役割を担う。だけれども、十年たったら目がぱちっとあいて見えるわけでもなく、足がすたすたと歩けるわけでもないわけであります。この最長十年という期限が来た場合に、これもまた厚生労働省としては、そこで終わらせない、やはり働き続けていただくためにありとあらゆる手だてをとる、策を考える。この点についての明確な御答弁も。

 今非常に、実は十年目に近くなる方もおられて、どうなっちゃうんだろうと。例えば、私の書類を読んでいただく。全部の書類が点字で来るわけではありませんから、書かれたものを読んでいただいて、御自身が仕事をなさるということもあるわけです。これは、期限を限ったのは、恐らく納付金が十年たったらなくなるだろうとあったんだと思いますが、しかし、その制度の持続性はきちんと保証しますという御答弁をもう一つお願いいたします。

尾辻国務大臣 最長十年、その十年ということは各助成金の中でもまさにまた最長になっておるわけでございますけれども、しかし、それはそれといたしまして、今お話しのような実情がございます。

 そうしたものを踏まえまして、助成金制度の考え方に立って、どのような対応が考えられるか、前向きに検討してまいります。

阿部委員 絶対に切らないでいただきたいと思います。

 残余の法案については、社会保険労務士法案も皆さん十分に御質疑いただきましたし、あと、残るベルギーとフランスについては、これは一つだけ社会保険の事務についてのお願いですが、実は今、例えばアメリカとの同じような締結がされてもなお、社会保険庁の実務サイドには聞きに行っても、十月に施行されなければ説明はできませんという答えしか返ってまいりません。

 各国と結ぶのは容易ですが、そのことを社会保険庁の事務の中にどのように周知徹底させるか、これはぜひとも厚生労働省として、今はまだ社会保険庁は厚生労働行政の中でございますから、徹底させていただきたいということをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。

鴨下委員長 以上で各案に対する質疑は終局いたしました。


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