第162回国会 厚生労働委員会 第32号(平成17年7月6日(水曜日))抜粋 案件:
政府参考人出頭要求に関する件
障害者自立支援法案(内閣提出第三五号)
○鴨下委員長 次に、阿部知子君。
○阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
本日の審議もまた、障害者の声は聞かない、実態は見ない、机上の空論で、果たして、今の山口委員がお示しになった、実際に六万円少しでどうやって暮らしているかと皆さん少し想像してみてください。そこにまた利用料をいただこうとする法案であることをまず冒頭指摘したいと思います。
そして、きょうは各委員、この黄色いパンフレットの要望書のことを取り上げられましたので、私の質問もこれの八番目に関係したことでやらせていただきますが、もう一つ、きのう、一万一千人の障害者団体の方が、レッドカード、「このまま通すな障害者自立支援法案」というのを持ってこられましたので、これを尾辻さんと塩田さんにまず冒頭差し上げます。
と同時に、もう一つ御理解いただきたいことがあります。
こうやってカードを持ってきたり、この集会に来ようにも来られない人たちがいます。例えば、一カ月のガイドヘルパーの時間が二十四時間で、前回八時間使っちゃって、もう一回使って、もうあと使ったら、どこにも行かず一カ月あと暮らさなきゃいけなくなっちゃう、行きたいけれども来られない、そういう、今回の一万一千人は氷山の一角だと思います。この背後にどれだけ、ここに来られなくて、しかし、この審議をかたずをのんで見守っている人たちがいるか、そういうことを想像していただけていない答弁ばかり続いていると私は思います。
そして、それが実はデータも何も本当に何もない、手探りでやみの中この法案を審議している、この法律のたちの悪さ、そして、ひたすらよくわからない負担だけ求めて、押しつけて、強引に数で通していこうとする態度、もう本当に、やっていて落胆しちゃうなんてものじゃない、絶望的な気持ちになってきますが、私たち以上にその当事者の皆さんがつらい立場に置かれているということを思えば、もう一度勇気を奮い起こして質問をしたいと思います。
きょう私は、特に自立支援医療と呼ばれる医療、よくわからない医療ですが、このことについてお伺いいたします。冒頭、大臣にお願いいたします。
大臣は、公費負担医療という仕組みがあるのを御存じだと思いますが、大臣が御存じの公費負担医療を上げてみてください。尾辻大臣、お願いします。
○尾辻国務大臣 今、公費負担医療というふうにおっしゃいますと、今回の法律で申し上げておるような公費負担医療がまず頭にあるわけでございますが、今私の頭の中に出てくるのは、そうしたものだということをまず申し上げます。
○阿部委員 本当に予告もしていなくて恐縮ですが、でも、私がこの質問を投げかけますには、公費負担医療と言われるものには、それぞれの歴史と、そして給付の違いもございます。その制度がそれとして成り立ってきた歴史、そして、なぜそれだけの例えば公費が入るのか、保険を優先するのか、公費を優先するのか、いろいろなそれぞれの取り組みがあるわけです。
例えば、恐らく大臣がよく御存じなのは、被爆者に対する医療あるいは戦病者に対する補償的医療、あるいは結核感染症などのいわゆる社会防衛的な、予防的な側面からの公費の投入、あるいは未熟児の養育医療、そしてもう一つ、慢性特定疾患など慢性にある病気を持ったお子さんのための医療など、今話題になっている精神、育成、更生以外にもさまざまな公費の負担の医療がそれぞれの歴史と目的を持って存在しております。
まず冒頭、大臣にこのことを一つ認識していただいた上で、では、今私どもがこの自立支援医療の中にぶち込もうとしているその一、精神障害者通院公費と言われるところの三十二条とは、一体どんな目的でどんな役割をしてきたのか、この点を大臣の御理解でお願いいたします。
○尾辻国務大臣 今お話しになりました精神通院公費負担医療制度でございますが、これは、在宅精神障害者の方の医療の確保を容易にするために、昭和四十年に創設をされた制度でございまして、これまで、精神障害の適正な医療を普及するという重要な役割を担ってきたものと考えております。
○阿部委員 では、続いて塩田さんにお伺いいたします。
精神障害の通院、三十二条でさまざまに政策、施策されてきた精神障害、精神疾患に対しての、予防も含めた、あるいは、よくなったり悪くなったりの山あり谷ありを越えていくような疾患であるところの精神疾患について、今度の自立支援医療は、その目的も趣旨も範囲も変わることがないですか。
○塩田政府参考人 精神通院医療公費負担制度ですけれども、昭和四十年の創設以来、精神障害の適切な医療の普及を推進するという役割を担ってきております。その趣旨は、今回の見直しにおいても変わりはないと考えております。
○阿部委員 もう一度、対象疾患も変わることはないですか。今まで三十二条をお使いの方が自立支援医療を使えますか。対象。疾患名で上げることはいささか問題がありますが、この間言われておりますことは、厚生省がお出しになるいろいろな自立支援医療のモデルと申しますか、そういうものの中で、果たして本当に今三十二条をお使いの方が引き続いてこの自立支援医療を使えるのだろうか、どうだろうか、問題が、疑念が提起されております。いかがですか。
○塩田政府参考人 対象範囲については変わりはないと理解をしております。
ただ、費用負担について、今回、障害に係る公費負担医療を一つの制度にしたということで、一律五%から一〇%という制度に変わったということでありますし、精神障害の方については、医療の見直しのみならず、市町村に精神障害者の地域福祉もやっていただく、この両方を盛り込んだ法案であると理解しております。
○阿部委員 あえて言われなかったのかもしれませんが、疾患名が同じであっても、ある程度の所得がおありであればこの自立支援医療の対象にはならないのですよね。それもそう理解していいですか。
○塩田政府参考人 御指摘のとおりです。
○阿部委員 では、やはり正しく言っていただきたいんですね。
精神障害の通院、三十二条というのは、いろいろな状態で治療が断絶されたときに抱えるさまざまな問題、当人もそうですし、社会が抱えるいろいろな問題も含めて総合的につくられた法律だと思います。ある意味では社会防衛的な側面もあったと思いますが、逆に、三十二条をもって医療を受けやすくすることによって、早いうちから、早期の予防や早期に症状が悪化することを防いでいたわけです。しかし、それも今回のこの法案では御自身の所得によって変わってきますよね。もう一度、塩田さん、お願いします。
○塩田政府参考人 現行の制度は所得にかかわらず一律五%負担という制度ですけれども、今度の法案では所得に応じて負担が変わるということで、低所得者対策で負担減になる方もいらっしゃいますが、一方で、たしか年間三十万円だったと思いますが、所得税額一定額以上の方は対象にならない、そういう制度の変化があるということでございます。
○阿部委員 であるならば、果たしてどのくらいの方が現実の三十二条が自立支援医療になったら適用されなくなるかということの見通しも必要になってまいりますよ。その点について塩田さんはどんなデータをお持ちですか。現状、三十二条をお使いの方の果たしてどれくらいの方が、今度は普通にサラリーマン御本人の三割の負担をなさっていくかについて、どのような資料をお持ちですか。
○塩田政府参考人 平成十五年度の受診者数で分布状況を調べたことがありますけれども、その分布によれば、生活保護の受給者が二五%程度、市町村民税非課税世帯の方が六三%程度、それから所得税非課税と課税の方が一一・八%でありますので、今度の法案で対象外になる方、細かい数値まで把握しておりませんが、それほど多くないと理解しております。
○阿部委員 それほどは答弁になりません、さっきの丸とバツと三角の世界じゃないんだから。ここはきっちり審議をする場所です。果たして厚生労働省の試算でどれくらいの方が、現在、三十二条をお使いの七十数万人、そこから自立支援医療に行く方は何人ですか。予測を教えてください。
答弁に手間取るときは時計をとめてください。時計をとめてください。こんな初歩的なことに答えられないで、この審議は続けられない。
○鴨下委員長 それでは、速記をとめてください。
〔速記中止〕
○鴨下委員長 速記を起こしてください。
塩田部長。
○塩田政府参考人 新しい制度で対象外になる方は約一割と理解しております。
○阿部委員 私は、今塩田さんが答弁したその数値のいいかげんさ、これから私がこの場で申し述べますから、もしその数値がいいかげんだということがわかったら、ぜひ、この審議をとめて、きちんとしたデータの検証ができるまで次の審議を凍結していただきたいので、行わせていただきます。
六月の二十二日に第一回自立支援医療制度運営調査検討会に配られた資料も、今塩田さんがおっしゃったように、課税世帯はこの精神通院ではわずか一、二割だろうと。逆に、非課税だから、残る八割、九割は、今度の減免をきかせたり、いろいろ処置をした中での自立支援医療に入るだろうというデータが有識者会議に示されました。皆さんが専門家に示したデータです。
しかし、もしそのデータにうそがあれば、うその上には論議は成り立たない。私は今もってこれを使っているのかと唖然といたしましたが、ああ、やはり使っているのだということを先ほど、この資料と、山口委員がお出しになりました厚生省からもらった調査結果を示した中に発見してしまいました。
いつも人の資料ばかり流用して恐縮ですが、山口委員がお示しくださった二ページ目、ここには入所と居宅・通所系の精神障害者の方の生活保護対象者、低所得者、一般というのが述べられております。ここでもまた、入所者と通所者が全く変わりがない。生活保護対象者と低所得者と一般、そして、おまけに、片一方は、さっき私が、きょう皆さんのお手元に配らせていただいた資料の中に示しました図では、たしか世帯収入で一、二割が課税世帯。ここは塩田さん、本人ですか。さっき山口委員とのやりとりを聞いて、ちょっと私はわからなかったけれども、どうなっているんでしょう。この山口委員に出した資料は、本人ですか、世帯ですか。
○塩田政府参考人 本人の所得でございます。
○阿部委員 そんなわけないでしょう。だって、片っ方では、あなたたちが私たちにくれた説明書、ずっと同じのをばかり使っていた、そして今もきっとお手元にあると思います、世帯割合で課税が一、二割。こっちは、本人で課税が一、二割、本当ですか、あるいは極めて少ない。本当にその答弁でいいですか。
大体、こんないいかげんな資料をつくってきて、答弁もあいまいだし、どんな審議をせよというのですか。もう一度、今の、うその答弁がないかどうか。山口委員にお示しになったのは本人の所得で、低所得、生活保護、一般、一般は極めて少ない、課税世帯は低所得ばかり、生活保護三割、本人ですか。
そして、よく厚生労働省が使われる課税世帯割合を更生医療と育成医療と精神医療で並べた図、私のきょうの配付資料の二枚目、ここには「課税世帯割合」となっています。世帯と本人は違うことくらいわかりますよね、ずっと審議してきているんだから。確かに今の答弁でいいですか。そして、同じ統計をもとにしているんですよ、あなた方は。これは、平成十五年の財団法人日本精神科病院協会のサービス等調査の結果を持ってきているんですね。
塩田さん、いいですか。こっち、山口さんに上げた方は本人ですか。そして、私がきょう二枚目に示した資料、皆さんがよくくれる資料、この法案の初めから終わりまで使っている、ずっと同じ資料、これは世帯ですか。答弁してください。もし答えられないなら、ここで切ってください。
○塩田政府参考人 山口議員に提出した方は本人であり、これまで何度も御説明している精神、更生、育成を比較したものは世帯ということでございます。
○阿部委員 やはり今のはうその答弁になると思いますよ、塩田さん。よくこれは調べて、だったら、調べる時間を下さいとか言いなさいよ。
○塩田政府参考人 頭を整理して、もう一度きちんと答弁させていただきます。
○阿部委員 それだけいいかげんに、ずさんにこの審議が行われているということなんです。すべてを象徴したような出来事です。だって、塩田さんが一番知っていなくちゃ困るじゃないの。あなたと尾辻さんが知っていなくちゃ困るんですよ。そして、それをしゃあしゃあと人に資料として渡し、有識者に渡し、そしてもっと言えば、まださらにうそがあるんですよ。三重うそ。
その次が、私がきょうの資料の一枚目に示した、これは、先回、参考人として来ていただいた埼玉の精神科の診療所の連合体の資料です。
ここには、三十二条をお使いの方は、今、例えば三十二条全体で分けると、社保の方が三九・七、国保が四九・〇、生保は一一・三。すなわち、もし、今、現状でどんな方が三十二条をお使いかということを考えたら、とても、課税世帯が一、二割、あるいは本人課税がごくわずかなんてことは出てこないでしょう。だって、社保で本人ないし家族ですよ。どうしてこういう大うそが資料の上でも成り立つのか。これはたまたま通院のものでした。そして、精神科病院協会は、どちらかというと長い入院か、あるいはそこから退院されて、その後の社会生活を営むためのものでした。
やはり、データをつまみ食いして恣意的に、そして知らないだろうと議員をだまして行うような審議はやめていただきたい。大臣、この件について明確な答弁をいただきたい。私たち議員に示されたデータの根拠もない、また大きなそごがある。それでは、本人の所得と世帯の所得と、はたまたどれくらいの人が三十二条から自立支援医療で脱落していくのか、これが見えない。このことを厚労省として明らかにするまで、この審議はできない。いかがですか。
○塩田政府参考人 厚生労働省が出しております公費負担医療制度の概要の資料で、精神通院公費制度の利用者の課税世帯、一割、二割の統計の仕方でございますが、これは、私どもとして活用可能なデータであります平成十四年度の患者調査、それから先ほど御指摘があった精神障害者社会復帰サービスニーズ調査をもとに推計したということでございます。
推計の方法としては、患者調査におきます約七万人の精神保健福祉法適用の推計患者のうち、老人保健、生活保護、それ以外の一般医療の割合をベースにいたしまして、七割が一般医療対象であるということがこれでわかっておりますので、それをベースにいたしまして、ニーズ調査における調査対象となった約八千人の方の課税、非課税の状況などを組み合わせて、推計を行ったということでございます。
○阿部委員 八千人、承りました。しかし、ここの埼玉の精神科のクリニックの母集団、これは三十二条対象だけでももっと多いですよ。そして、母集団が違えば結果がまるで違ってきているんですよ。だから、この審議は続けられないと言っているんです。
八千人、そしてそれも、さっき言った外来患者さんの集計、調査とこの精神科病院協会の調査をかけ合わせた。しかし、それは母集団として偏りがあるじゃないのと私が今指摘したわけです。偏りに基づいて制度設計をしたら、大きな間違いを犯すんです。三十二条が果たしている役割、そして、現状ではますます重要になってまいります。このことを、本当に精神医療のよりよい発展を求める立場から、どうしても私はこれは許せない。
今の八千人とこの埼玉の八千人全体、かくも違うんですよ。中に健保の方、三九・七%ですよ。この方たち、世帯所得、非課税ですか。本人の所得、非課税ですか。
尾辻さん、これだけ違ってどういう審議をするというおつもりで、これを……(発言する者あり)埼玉だけだと言うならば、全国とってみればいいんです。埼玉はたまたま自分たちで出したんです、この審議が余りにもうそだから、実態を把握していないから。うその数々は次の育成医療でも更生医療でもあるのですけれども、きょうはもう時間の関係でこれしかできそうもないが、しかし、私はこれ以上審議が続けられないと言っているんです。
こういう、データに明らかに差がある、実態に差がある。今は、先ほど言いましたよね、入院ではなく通所の精神科の患者さんたち、この方たちがどうやって治療を続けていただけるかというのが三十二条でした。それと自立支援医療と違ってくるじゃないですか。大臣、どうですか。
○尾辻国務大臣 今お示しいただいたものは、特に先生からお示しいただいたものは初めて見ますので、今、比較しながら先ほどの資料とも見ておるわけでございますが、ただ、これは、一方は全国の傾向、一方は埼玉の調査であるということがまず一点違うだろうというふうに思います。
それからまた、こちらは、生活保護、低所得、一般というふうな分け方をしております。生活保護のところは当然、こちらも生活保護、こちらも生活保護ですから、これはまた同じものであります。同じ分類、そこはきっちりしておるはずでございますが、一方の低所得、一般という分け方、これはまた、社保、国保の中を、それぞれまたそういう方が別々に存在していると思いますから、分けて見なきゃいかぬのだろうというふうに思いますので、この数字をただ見て、多分こっちはこうだろうというような見方でも判断できないのじゃないでしょうか。もう少し精査する必要があるというふうに思って、見ております。
○阿部委員 判断ができないのであれば、この審議はとめるべきです。これだけ事実が違うんですから。そして、こんなあいまいな、極めて少ないとか低所得とか、中身をちゃんと言ってくださいな。こんな子供だましの数値で、私たちが審議できないですよ、国民の暮らしに責任があるんですから。そして、埼玉だけで足りなきゃ、早急にどこか、一つでも二つでも三つでも五つでも十でもいい、とってください。それでこそ初めて国民の不安を取り除ける審議になるじゃないですか。大臣、どうですか。
○尾辻国務大臣 私が申し上げたのは、左から右にすっと、ここの部分はこうだというふうに判断はできない、移しかえることはできないということを申し上げたものでございます。
したがいまして、二つのデータがあるわけでありますけれども、これは基本的に別々なことを言っておるわけでありますから、それぞれの分け方、また精査しなければならないということで申し上げたわけでございます。
ただ、先ほどの山口先生お示しの資料の二ページのところで私どもはずっと御説明を申し上げてきたわけでございますから、この数字で御議論いただければと存ずるところであります。
○阿部委員 大臣、それはちょっと大臣らしくない。だって、こんなにこの数値が違いますよと私が言っているんですよ。片一方も、参考人が持ってこられたデータですし、信憑性もあるし、実際に全国の精神科のクリニックをやっている先生たちがみんな、実際は違うという声なんですよ。たまたま数値が一番使いやすかったから、参考人で来ていただいたから、ここに出しただけなんです。大臣が今言っているのは、自分たちの、よくわからない、世帯か本人かもわからない、ファジーであいまいでいいかげんなデータで論議せよと言っているんじゃないですか。そんなこと、できないでしょう。
このデータの大きな乖離をどう説明するのか。必要なら資料を続けてとる、それが解決ですよ。それが真っ当な政策立案の責任者ですよ。大臣、いかがですか。
○尾辻国務大臣 私が申し上げておるのは、先生お示しのものは、生保と社保と国保に分けてございます。また、先ほど山口先生がお示しになった方は、生活保護と低所得と一般という分け方になっております。この分け方が違いますのでということを私は申し上げておるわけでございまして、社保の方がどういう方なのか、国保の方がどういう方なのか、先生がお示しになったものをまたそれぞれ分析して、低所得、一般というふうに分けなければならないわけでございまして、何も、この先生の数字、お示しになった社保と国保の割合から、山口先生の二ページの数字が間違っておるということにはならないと考えますということを申し上げておるところでございます。
○阿部委員 大臣、よく聞いてくださいね。これは外来通院患者さんのプロフィールで、三十二条は外来通院患者さんのための仕組みなんですね。さっきの精神科病院協会の方は、入院の患者さんが今度外来に移っていかれるときに基礎調査的にもかけたものであるというのが一点と、それから、所得状況の把握が極めてあいまいな表現なんですよ。低所得というのは何なのか。今ここでやろうとしているのは、課税状況とかを見て、どこまでを、本人がこの自立支援医療から外れるのかどうかをやろうということを決めるのに、それが見えなきゃ決められないじゃないですか。
少なくとも、この外来通院で示したデータは、自分が厚生年金の本人であれば、それなりの課税収入は得ておられる場合が多いでしょう。イコールとは言いません。これだけ簡単に比較しても差が出てしまっていますよということを私は指摘させていただいているんです。そして、専門家会議に厚生省の部分的、一方的、操作的データが流されて次の政策が決まるとしたら、私たちは何をやっているのかわからなくなっちゃう。それは、大臣、おわかりですよね。
極めて限定的な数値を恣意的に用いて、三十二条と自立支援医療には変わりがないと言っているけれども、対象も排除される人も出るでしょう。出るんだったら出るで、どうやってその方たちに医療を継続してもらえるか考えなければ、今、うつも自殺もふえているんですよ。そして、精神疾患全体、どうやって私たちが、国会が、立法がきちんと政策していくのか、出てきませんよ。
自立支援医療というよくわからない医療、そしてうそのデータ、屋上屋を重ねて幾ら会議したって、専門家を呼んだって、もともとのデータを出すのは厚生省じゃないの。塩田さん、何でこんな欺瞞的なデータが出ましたか。あるいは、意図して欺瞞じゃないとしたら、これしか利用できるものがない段階で専門家会議にかけて、次のいいかげんなものをつくろうとしますか。自立支援医療の対象がどこであるか、これじゃ検討できないじゃないの。どうですか。
○塩田政府参考人 厚生労働省としては、利用可能なデータに基づいて、客観的、公平に資料を作成しているつもりでございます。
○阿部委員 そんなの答弁になりませんよ。利用可能なデータがごく一部で恣意的で実像をあらわしていないということを、私はきょう、自分の全部の時間をかけて証明させてもらったんですよ。こんなこと、もしあなたたちが参考人の意見陳述のときにいれば、賢いあなたたちなら気がつくはずですよ、ああ、こういうデータもあると。
そして、塩田さん、もう一つ言わせてもらえば、あなたたちが専門家会議に配ったデータの中には、この精神科病院協会と診療所のおのおのの患者さんのプロフィールの差がちゃんと右と左に出ているんですよ。だったら、通院患者さんのための三十二条を正しく分析したらいいじゃないですか。そのためのデータをとる手間暇を惜しんだら、いい法律はできないですよ。
大臣、もう一度お願いします。
私は、せめて五カ所でもいいです、現状の通院の患者さんたちのプロフィール、果たして三十二条と自立支援医療は本当に同じところをカバーできるのか、どれくらいの人が抜けていくのかということについて、患者さんの、許される限りの分析でいいです。なぜ所得が出せないかというと、個人情報だからですよ。そのくらいはわかっています。だからこそ、こういう埼玉のクリニックの先生たちは、その人の保険で分けたわけですよ。でも、少なくとも、厚生保険をお持ちの方、組合健保にお入りの方、やはり課税されているんじゃないですか。タックスペイヤーでしょう、尾辻さんの言う。
外来の患者さんのための三十二条、もう一度実態調査をしてから審議に臨んでいただきたいが、いかがですか。
○尾辻国務大臣 今、先生御自身も言われましたけれども、今のそうしたことというのは極めて微妙な個人情報だというふうに思います。したがいまして、そういう数字が出てこないというのは、先生御自身もお認めになって、したがって生保、社保、国保、こういう分け方になったんだというふうに考えるとおっしゃったわけでございまして、それは私も多分そうなんだろうなと思ってお聞きをいたしました。
すなわち、極めて微妙な個人情報、それを集めろとおっしゃっても、それはなかなか難しいところがあるというのは御理解いただきたいと存じます。
○阿部委員 そんなことは一言も言っていないのです。公的に支払われるレセプトで結構です。これはレセプトに基づいた分析ですから。それをやっていただかない限り、実像のない審議はできません。
委員長、理事会で諮っていただきたい。お願いいたします。
○鴨下委員長 後刻理事会でお諮りをいたします。
○阿部委員 大臣、こういう大事な法律です。本当に実態を見ていただきたい。そのことを最後に申し添えて、理事の皆さんの見識ある対応を望んで、終わりにいたします。
○鴨下委員長 次回は、来る八日金曜日午前十時十分理事会、午前十時二十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
第162回国会 国会活動コーナーに戻る 阿部知子のホームページに戻る