第162回国会 厚生労働委員会 第33号(平成17年7月8日(金曜日))抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件
 障害者自立支援法案(内閣提出第三五号)

議事録全文(衆議院のサイト)

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鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 冒頭、きょう藤田委員が取り上げました、厚生省が社会保障審議会に配付された資料について、塩田部長の答弁を確認したいと思います。

 部長の答弁によれば、この藤田さんのお配りの一枚目の表は、このことを用いて審議会の審議は直接に行わなかったので、今後訂正するなりして新たな審議にかかるということでよろしいのですか。

塩田政府参考人 どういう形で政府として答弁するかについて、議場外で整理をされていると聞いております。その流れを私は承知しておりませんので、それを聞いた上で御答弁したいと思います。

阿部委員 では、とめてください。今の私の質問権ですから。きちんと答えていただきたい。もしお答えがないのであれば、私、一時から年金会議ですし、お答えを待つわけにいきませんので、とめていただきたい。時間がむだです。

塩田政府参考人 審議会等の対応については、次回の審議会においてきちんと経緯を説明し、御理解を求めたいと思います。

阿部委員 塩田さんに私が確認したいのは、この資料は審議会に使わなかったから次回の審議会でよいというお考えですか、それとも、この資料は使ったのですか。その事実だけお願いいたします。この資料に基づいて審議会で御説明なさいましたか。

塩田政府参考人 審議会の資料として提出しておりますが、その点について、当局からその部分についての説明を行っておりませんし、委員の方からその部分についての御質問もなかったということでございます。

阿部委員 それでは、逆に、ここにはいろいろな問題があるのですが、順次いきたいと思います。

 せんだって私が塩田さんに、山口委員にお渡しになった資料が精神障害者本人の所得かどうかということをお尋ねして、御丁寧な文書の回答をいただきました。その回答によれば、これは御本人への聞き取り調査であったので、サービスニーズ調査ですね、御本人の所得について書かれたものであろうと。

 塩田さんに伺います。ここは何度も私が指摘していますが、ここに「世帯」とあります、「課税世帯割合」と。そうすると、この部分についても憶測にすぎないのですね。事実に基づいたものではない。御本人が自分の収入についてニーズ調査で記載されて、しかし、それをどこかで厚生省が類推、推計されるデータがあったのか。あるいは、同じ調査でどういうわけでここは「世帯」に変わるのでしょうか。

塩田政府参考人 精神障害者の医療に関するデータの把握というのは、プライバシーの問題もあって非常に制約があるということでございます。それから、他の育成医療、更生医療とは違って一律の定率負担の制度で発展してきたという経緯などがあって、データの把握自体が大変難しいということはまず御理解をいただきたいと思っております。

 それから、ニーズ調査も、初めての調査で非常に限界があって、調査票を私も見ましたけれども、御指摘のとおり聞き取り調査で、細かくどういう角度から記載するかもなかったということであります。資料のない中で、ぎりぎりのところで推計として出させていただいたということでございます。

阿部委員 だから、推定の根拠は何ですかと聞いているんです。それと、時間稼ぎの答弁をしないでください。世帯を推定させる何か根拠はあったんですか。今、塩田さんが言ったのは、本人の聞き取り調査でそれ以上データが出なかったと言ったんじゃないですか。そうしたら、どうしてこれが世帯になって変わるんですか。もうぐずぐずぐずぐずの答弁はやめていただきたい。うそならうそと言っていただきたい。

 私は、このために先回丸一回分と、きょうもこれをやりたいんじゃないんです。ただ、御本人の収入に着眼するか世帯の収入に着眼するかがこの法案の骨格部分にかかわっているわけです。ですから、私はこれがなぜ世帯という表現を使われたのかを聞いているわけです。この根拠。あなたに私はこの前も宿題したはずです。いまだに今の答弁では出せていません。そして、おまけに、私は、次回までに、この審議が採決に向かうまでに、どうやって世帯を推計したか、文書で結構です、必ず出していただいて、きちんと、本当にこの法案の大切な骨格を話したいと思います。

 もう一つ、私は、きょう、データにかかわるうそについて取り上げなければなりません。

 先ほど藤田委員の御質疑の中で、何度も恐縮ですが、この表は、実際にこの表に言及して使わなかったからということでありました。しかしながら、実は、社会保障審議会、十一月二十六日で、皆さんがお使いになった数値とデータに偽りがあります。事は、育成医療にかかわる方が何人おいでか、更生医療にかかわる方が何人おいでか。塩田さん、まず答弁してください。時間稼ぎだったらとめてください。

塩田政府参考人 レセプトに基づく数値ということで、月平均利用件数、平成十四年度でいえば更生医療が約八万件、育成医療が約一万件ということでございます。

阿部委員 私の質問に子供じゃないんだから正しく答えてください。

 今、育成医療を受給券を持って受けている方と更生医療を受給券を持って受けていられる方総体にかかわるんです。その方たちは一体何人おいでですか。データは持っているはずです。偽りの答弁をするんだったらとめてください。委員長、とめてください。そして、私は一時以降はいられませんので、この会は流してください。(発言する者あり)

鴨下委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

鴨下委員長 速記を起こしてください。

塩田政府参考人 平成十五年の福祉行政報告例による給付決定件数で申し上げますと、更生医療が約十七万件、育成医療が約七万件となっております。

阿部委員 万件じゃなくて、その場合は万人とおっしゃるべきですよ、塩田さん。何人それを利用しておられますかと聞いたんだから。

 混乱して、そして混乱だけなら許せます、しかし、うそのデータを審議会に出すということが私は許せないのです。そして、あなたの答弁では、実は、例えば藤田さんの示したこれは使わなかったからよいでしょう。では、あなた方が使ったデータの中にうそがあります。先ほど私が申し上げた十一月二十六日の審議会の資料五です。

 この中では、今、塩田さんがお答えになった――ごめんなさい、きょう急遽思いました、さっきから余りにずさんな答弁なので、私は資料を用意する時間がなかったのです。皆さんのお手元には違うものです。育成医療が六万八千四百八十人。これは手帳、育成医療証を持っている方。更生医療が十七万四千八十六人。さて、皆さんがお配りになった十一月二十六日の資料には、あるページには更生医療受給者数八十三万人。違いますよね。更生医療受給者数八十三万人。違いますよね。そして、塩田さん、ほかのページ、また変わっちゃうの。更生医療九十八万人、最近の人数の伸びをもとに推計。いいですか、最近の利用者の人数をもとに推計。あなたたちが十一月二十六日にお配りになった資料です。この資料をお使いになって、こんなにふえているからという御説明が北川企画官からありました。

 私が、きょう、今急に投げても塩田さんがチェックする時間がないのであれば、これは明らかに虚偽のデータを用いて、事実を歪曲して、いかにもそれを利用の人数がふえて、医療費も高騰してやっていられないという結論づけるためのお話と思いますが、塩田さん、御記憶にないですか。

塩田政府参考人 利用者の費用負担の分布がどうあるかということについてはレセプトからは推計できませんので、別のデータを使って推計をしているわけでありまして、そういう観点で、利用者負担の分布の根っこの数値、これは、ですから例えば更生医療でいえば、一人の方が一月から三月まで更生医療を使ったとすれば三件として数えられる、そういうデータに基づいて八十三万人という数字が出ております。

 それから、更生医療の八万件というのはレセプトの件数でありますので、それぞれのデータというか、何を作成するかによって用いているデータ、ないものではできませんので、それぞれ根っこのデータが違うときに違う説明をしているということでございます。

阿部委員 今の資料を配付させていただくことをお許しいただいた上で、塩田さん、件数と受給者数は違うんですね、その更生医療の対象者数。

 そして、あなた方は、私が今お配りしたのは十一月二十六日の資料ですよ、あるページでは更生医療受給者八十三万人。そして、下段に置いたのはその二ページ後の資料で、対象人数、最近の人数の伸びをもとに推計、七十万人、九十八万人、育成医療も十四万人。これで、一月の件数と書くならわかるんです。

 そして、これを使って、事もあろうに北川企画官の言葉、これがもう本当に、「対象人員が圧倒的な勢いで今増加しているということでございます。」十一月二十六日の配付資料の四ページ、五ページが今の下段です。それを用いて、四ページ、五ページは、前回お示ししたように、五ページは特に「対象人員が圧倒的な勢いで今増加しているということでございます。」という審議会での説明でした。

 うそのデータを出しても審議会で使わなければいいんだという当初の御答弁でした。うそのデータを出して審議会で使ったらどうなりますか、尾辻さん。

尾辻国務大臣 御審議いただくに当たっては、正しい数字を出さなきゃならないということは言うまでもないことでございます。

阿部委員 では、言うまでもないのであれば、これまで二十四回の審議会の中で、極めてデータが全部ずさんです、毎回変わる、あっ、間違っちゃった。しかし、人の命は一人一人です。いいですか、塩田さん、このことによって、かかわり、関係、影響を受ける一人一人が今不安だから、あれだけ来ているんです。

 大臣、この審議会のデータを全部洗い直してしかるべく、大体、二十四回目の審議会だって審議会の委員は非常に打ち切りに不満でした、介護保険との統合問題も含めて。しかし、今は、人数がむちゃくちゃに違っちゃうデータを平気で出して、それで誘導しているんです。こんな審議会のあり方がここの委員会に、私たちはそれを受けて国会で国民の意思を立法化しているわけです。きちんと原局と御相談の上、このデータの捏造と誤れる説明について、そして審議会の皆さんにどのようなおわびをなさるのか、そして正しい審議会をどう持つのか、この点についてお答えください。

尾辻国務大臣 今、捏造と言っておられますが、私が先生と部長との間のやりとりを聞いておりまして、捏造であるかどうかということについてはよくわかりません。部長は部長なりに根拠のある数字だというふうにお答え申し上げておりますから、部長からもう一回答えさせてよろしゅうございましょうか。

阿部委員 時間がむだなのです。私はさっき塩田部長に、更生医療の受給証を用いてお暮らしの方の数を伺いました。十七万四千八十六人です。そして、この資料の中では、これが先ほど何回も言って恐縮です、九十八万人となっております。万件ならまだしもです。そして、その下の育成医療十四万人も、先ほど六万八千四百八十人。そして、実に、あるページでは育成医療は五万人、それが上のデータです。

 めちゃくちゃ、ばらばら、うそ。あるときは自分たちが説明しやすいように過小なデータを用い、あるときは医療費の高騰が大変だからと過大なデータをごまかしながら用い、こんな形で審議会が行われたことはかつてないと思いますし、恥だと思いますし、重要なこの法案にあって大きな欠陥だと思います。

 塩田さん、今私がお配りしたデータ、これはあなた方が、私はきょうさっき持ってきてもらいました、余りにもさっきの藤田さんへの答弁がずさんだったから。あなたは使わなきゃいいと言いました。では、使ったデータでお話をさせていただきましょう。使ったデータでうそがあった場合はどう始末するんですか。お答えください。塩田さんが答えて、後、大臣にもしかるべく善処方法をお尋ねいたします。

 事実を確認するまでの時間が欲しいというのであれば、必ず採決前に、こういう審議会が持たれたこと、データに偽りがあったこと、それによって一人一人の障害者に影響が及ぶことについて、おのおのどうおわびなさるのか。審議会の委員だけではありません。対象者御当人の、当事者の問題であります。お願いします。

塩田政府参考人 公費負担医療の推計に当たっては、基本的にはレセプトをもとにした議論をすることが適当だと思いますが、所得分布の把握には、このデータしかないということで違うデータを使って資料を作成したということでございます。

阿部委員 塩田さん、頭を冷やしてちょうだい。所得分布の話を聞いているんじゃないんです。その対象人数が何人でしたかと聞いているんです。それが一人一人にかかわるんです。

 レセプト件数は、確かに一人で二枚、三枚上がることもあるでしょう。でも、この法案は何を審議しなきゃいけないかというと、そのことにかかわる一人一人の人権や生存や生活をこそ私たちは論議しているんです。五万人と六万八千人じゃ違う。十四万人ではもっと違う。

 大臣、このことに善処していただきたい。私は、ここでしかるべくお答えがない限り、とめさせていただきますので、委員長、よろしくお願いします。

尾辻国務大臣 今先生が言っておられるのは、きょうまず先生がお出しいただきました資料の一ページ目のこの数字がございますね、資料でお出しになっておられる一ページ、1と振ってある、この数字ですね。(阿部委員「違います、先ほどお配りした資料五という数字」と呼ぶ)いやいや、それで、後、今いただいた……(阿部委員「そう、それはニュー資料です」と呼ぶ)

 いや、私がまず申し上げたいのは、一ページ目の資料がありますね、それから、今いただいた資料の上段と下段の数字が違うということを指摘しておられるわけですね。(阿部委員「そうです」と呼ぶ)

阿部委員 それだけじゃなくて、その数値がまた、先ほど塩田さんが答弁された数値とも違うんです。三つばらばら、うそばっかり。それに基づいて審議会でお話をなさったんです、北川企画官の言葉、十一月二十六日に使った、こんなに人数がふえていますと。

 私たちはこんな審議はできない。ここでしかるべく、一時になりますので、とめていただきたい。(発言する者あり)

鴨下委員長 では、速記をとめてください。

    〔速記中止〕

鴨下委員長 速記を起こしてください。

 阿部君。

阿部委員 では、この問題の究明がされない限り採決は行わないというお約束をいただいて、委員長、よろしいですね。究明をされるとおっしゃったんですから、筆頭理事。

 そして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

鴨下委員長 次回は、来る十三日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。


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