第162回国会 厚生労働委員会 第36号(平成17年7月27日(水曜日))抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件
 労働安全衛生法等の一部を改正する法律案(内閣提出第六〇号)

議事録全文(衆議院のサイト)

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鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 見渡せば、先ほど来、既に山口委員の御質疑のころから定足数は足りておらず、しかし一方で、無理やり、ないしは解散という風も吹く中で皆さんそれぞれの御用があるという状況も踏まえた上で、しかし、小泉首相の郵政民営化問題にしろ、それを人質にとった解散問題にしろ、国民が最も求める、今本当に不安を払拭してほしいというこのアスベスト問題ということを忘れての国会のありようであれば、やはり私たちは議員として本来的な仕事を果たしていないのではないかという思いを抱きながら、先ほど来、この部屋の中で皆さんの御質疑を承っておりました。

 冒頭、定足数は足りていませんでしょうが、私はあえてきょうここでそれは言いませんで、尾辻大臣にお願いをしたいと思います。

 先回、尾辻大臣が郵政民営化の審議にお出ましでありましたので、西副大臣が誠心誠意対応をしてくださいました。その中で、またいろいろな問題が明らかになり、早急にその中で段取りされるべきことも、先ほど大臣がお触れになりました、在庫の販売はもう即刻禁止すべきだと。これは一歩前進であったと思っております。と同時に、今山口委員の御質疑にありました、このアスベスト問題は、過去であり、現在であり、未来であると。おのおのに課題を抱えていると思います。

 冒頭、恐縮ですが、大臣にまずこの今の山口委員の言い方、過去、現在、未来、大臣にとってはどんな問題が今認識されておられるか、冒頭お願いいたします。

尾辻国務大臣 まず、過去について言いますと、先日先生からも御指摘いただいたといいますか、お触れいただきましたような事柄、どの程度アスベストに対する危険というものを行政として承知していたか、そしてその認識に基づいてきっちり行政としての対応をしてきたか、そういったようなことが過去の問題としてはまず問われておるんだろうというふうに思っております。

 現在のことで言いますと、これだけの深刻な話になっておりますから、差し当たってスピード感を持ってどういうふうに対応できるのか、これがまず問われておるんだろうというふうに思っております。

 それから、将来について言いますと、特に今私が思いますことは、実は昨日もがんセンターの総長ともそのことでもお話をしていて、がんセンターにも大至急このことに取り組んでほしいと言い、がんセンターもとにかくこの研究をまず全力を挙げてやってみますということでございましたけれども、この石綿を原因とするようながんの治療をどうするか、とにかく一日も早く治療の方法を確立してほしいという問題が、将来に向けては特に大きな問題としてあるというふうに私は思っております。

阿部委員 現在の大臣の御認識の中に恐らくおありとは思いますが、あえて私から指摘させていただければ、現在というのは、現在でもここにあるアスベストという、これはなかなか難儀な物質で、自然界からは、どうやって処理し無害化するかということがまだまだ大きな問題であるこのアスベストを拡散させない、拡大させないという問題が大きいと思いますし、将来ということにおいては、今大臣のおっしゃった治療の問題、あるいは、これまでの被害を受けられてこれからも残念ながら発生するであろう、これは二十年、三十年潜伏期ですから、そうした方々の補償の問題。

 そしてもう一つ、これからは、恐らくこれからでなくて八〇年代半ばからだったのでしょうが、環境問題という形に問題が拡大しておる。それは、当初はアスベストにかかわる労働者あるいはさまざまな建設業、造船業というところでの問題が、現在そこにアスベストが使われて、私どもの身の周りにあるがゆえにそのことが環境問題にも転嫁していくという、やはり節目というか、大きな視野を持ち、転換点を見直す気持ちで過去を見なければ、過去をただ単なる誤りとか責任とか、これも大事ですけれども、その限りで小さく小さくまとめていったら、私は本当に将来の大事な行政ができないと思っております。

 その意味で、冒頭申し上げました、大臣に確認ですが、きょう私がお手元にお配りしました、平成十六年十月に製造等が禁止された石綿含有製材の在庫品、これは十七年の三月末です。私は先回の委員会で、これらは駆け込みで売られてしまうではないかということを実は西副大臣に御質疑申し上げて、西副大臣の方からは、即刻全面禁止ということはいかないが検討はしておるということでした。

 それで、昨日のメディア報道、後ろに朝日新聞がつけてございますが、それによれば、即刻全面販売を禁止するという御決断というふうに最初に伺いましたが、確認をさせていただきます。

 これらすべての品目、それでよろしゅうございましょうか。主に、今回問題になったのは、化粧スレートと恐らく繊維強化セメント板のことだったのかもしれません、新聞報道のものは。この窯業系サイディングというのも建物のわきに使われるものだと承っております。これは、今までの規制だと補修ならばいいよという形で、しかし在庫が一掃されてしまうほど使われてしまいました。台風が来た、自然災害だという中で使われたわけですが、しかし、それが使われればその後また何十年と問題をそこに残しますので、今確認していただきたいのは、これらすべて、現段階でそのような処置をお願いしたと、大臣の御英断だと考えてよろしゅうございますか。

尾辻国務大臣 製造を禁止しておりますものが在庫がある、だからその在庫は流通してもいい、それは絶対にまずい、そういうことをしちゃいかぬと思いましたので、即刻そのことを禁止したわけでございます。

 この資料でお示しいただいておりますものは、すなわち、今製造を禁止されておるものでございますから、これは当然、流通はもう禁止をしたということでございます。

阿部委員 そのように厳密にお願いしたいと思います。

 それから、きょう質問通告以外のことで、実は、水島委員並びに福島委員と青木局長並びに大臣の御質疑を承りながら、私が一点確認をしておきたいと思いましたのは、いわゆるアスベストの作業環境における基準値の問題でございます。

 これは、一九七六年当時、厚生省が一番最初の基準をお出しになって、八六年に大気汚染防止法で工場の周辺の大気についての基準が出されました。

 このとき、実は同時に、アメリカにおいては、一リットル中二千本という濃度を一リットル中二百本に低下させました。八六年という年は、住民に被害が出たり、御家族に被害が出たりということが七六年よりもさらに明らかになった年であり、ILOも含めて国際機関も、このアスベストという問題に非常に熱心な取り組みをしたときであります。

 大臣の先ほどの御答弁は、その時々に審議会等にかけてきたので、厚生労働行政としては見直すべきところはあるかもしれないが、逆に言うと、その審議会等々に沿ったものであるというふうな御答弁やにも承りました。

 私は、その当時、審議会でどんな審議があったか、これもまた資料を請求させていただこうと思いますが、やはり重大なのは、実は七六年から八六年までの日本の行政の指導がどのくらい実施されたかということと連動して、八六年段階で我が国が他の諸外国よりも実際にアスベスト被害の発生を多くしていたのかどうかということとあわせ検証しないと、そしてそれを検証できるのは厚生労働省の労災認定のその数でもあります、あるいはやり方でもあります。そこまで立ち至って、踏み込んで総括をしていただかないと、審議会の審議でそうであったからということでは、実は労働者の生命も健康も守られてまいりません。

 大臣には、まず厚生労働省の長でありますから、みずからの行政がどのように労災認定や住民被害の状況を自分たちがデータを集め得ていたのか、そういう点に立ってお考えをいただきたいのです。審議会がこうであったから、これで自分たちの行政は誤りがないというふうなお考えに立つのであれば、実は厚生労働行政はとても矮小化されてしまうと私は思います。

 実際にそういう被災した労働者の労災を認定しながら、同時に、いろいろなそこに寄せられた情報から、果たして濃度管理は十分であったのか、あるいは周辺住民にどうであったのか、そういう主体的な総括をぜひしていただきたいのです。単に数値の基準の落ち度がなかったかだけではありません。私は、数値基準も問題が実はあったと思います。八六年に改正されるべきであったと思います。でも、それのみをここでやりとりしたいとは思っていません。むしろ厚生労働行政として全体でどうであったか、そのことの方がもっと重要で、それは今後につながっていくからです。

 大臣は、先ほど水島委員の御質疑で、現在見直し中であるということもおっしゃいましたので、そのような観点を持って、みずからの行政のあり方として見直していただけるかどうかの御答弁をお願いします。

尾辻国務大臣 決してお言葉を返そうとは思いませんけれども、やはり科学的知見といいますか、専門的なことになりますとどうしても専門家の御意見をお聞きせざるを得ない、そういうことをして私どもの判断をするという面があることだけは改めて御理解もいただきたいと思います。

 したがいまして、アスベストの量がどうだというようなことは専門家にお聞きしないと、何本だとかいうような話になりますと、これは専門家の御意見をお聞きせざるを得ない、そういう御意見をお聞きしながらやってきたということは御理解いただきたいと思います。そうした中でも当然私どもの判断はあるわけでございますから、最終的に私どもが判断したということは、それはまた間違いのないところでございます。

 それと、特に今労災認定のお話がございましたけれども、アスベストの特性で、二十年、三十年たってからの話になりますから、この時点の労災認定というと、二十年、三十年前のことがどうだったかということを見るわけになりますし、そうした見方で労災認定を見て今後のことはまた検証したいということは、先ほど来申し上げておるところでございます。

阿部委員 専門家の見識が大事であることは否定するものではありませんが、現実に私たちはアスベスト被害というのは今までに経験せず、そのとき実際に厚生労働省を窓口として、労災としてそこに現実を見ているわけです。となると、厚生労働省がやはりそのことをどれだけキャッチしていたか。それで私は前回、七六年の通達における家族と住民の問題を上げさせていただきました。

 しかし、残念なことに、例えば二〇〇三年の三月二十四日、共産党の井上美代さんがお出しになった質問主意書の中で、彼女はこのときに家族被曝の問題を取り上げておられます。二〇〇三年三月二十四日、ごめんなさい、お手元には配ってございませんが、それに対する厚生労働省の御答弁の中には、石綿暴露作業従事者の家族についても救済措置が求められるのではないかとする井上美代さんの御質問に対してでございます、「石綿により汚染した作業衣等は二次発じんの原因となることから、このような作業衣等はそれ以外の衣服等から隔離して保管し、かつ、作業衣等に付着した石綿の粉じんが発散しないよう洗濯により除去するとともに、事業場からの持ち出しを行わないよう指導している」というのです。

 しかし、指導していても持ち出されたから家族が被災いたしました。私は、通達行政というものが、これを出したからいいだろうとか、それだったら逆に作文でもできるわけです。実際にどの程度それが守られているか、それから、一リッター中二千本という基準も、どの程度実施され守られているかというところまで見て、そして、同時にそのとき周辺住民の問題も浮かんでくるはずなのです。そういう行政ではなかったのではないかということを言いたいのです。七六年からこの答弁書の出る二〇〇三年まで、作業所は持ち帰らないと指導してあると。しかし、持ち帰ったから、たくさんの家族被曝が出たわけです。

 私は、厚生労働行政、なかんずく生命、安全をつかさどるこの分野において、通達は出せばよい、後は野となれ山となれ、失礼な言い方ですが、それでは命は守られない。大臣にはその目で、これは厚生省がお出しになった答弁書です。私は、その危機感のなさを非常に危ぶみ、今後の行政の危うさとして指摘させていただきました。大臣、いかがですか。

青木政府参考人 危機感を持てということは、確かにおっしゃるとおりだと思います。そういう気持ちできちんと仕事をしていかなければいけないと思います。

 しかし、ちょっと申し上げますと、委員が今御指摘になりましたたくさんの点でございますが、例えば基準濃度の問題につきましても、既に大臣からも御答弁申し上げましたように、八六年とおっしゃっているWHO基準については、これはいわば大気の基準でありまして、一般の人たちが普通の生活をするときに、二十四時間生活をする場合の基準ということであります。この新聞記事も、そういうことでWHO基準の二百倍、こういうふうに出ておりますけれども、私どもがやっている基準というのは作業環境基準ということで、防具を、必要な保護具をしまして、そして八時間、そういったところでの作業の基準であります。

 また、昭和五十一年当時のお話も出てまいりましたけれども、これも前に御答弁したかと思いますが、今、労災認定で出てきております方々は、昭和四十七年のILO、WHOなどでがん原性について世界的に表明をされました以前に暴露された方々が九割でございます。

 ということでありますので、確かに、今後の問題として、労災認定というのは私は重要なファクターだ、おっしゃるとおりだと思いますけれども、それが出てくるのは恐らく後だというふうに思っております。ですから、その後は、四十七年以降、表明されてから、五十年に始まりまして、いろいろな規制をいたしましたので、そういうことで管理ができるというふうに思っております。

 それから……(阿部委員「ちょっと待ってください、では、そこで一回切ってください」と呼ぶ)

阿部委員 それはわかっているんです、大気基準と作業基準が違うことくらい。

 そして、先ほど大臣も、私は逆に、大臣が水島さんの質問を間違えたと思うんですよ。大気基準が変わったとき、アメリカでは作業基準も変わったんです。日本とアメリカでそれまで同じ基準でした。そこで変えたということは、その間、アメリカで疫学調査が実際に進んだんです。労働組合と医師たち、あるいは行政が一緒になって、マウントサイナイ病院の鈴木教授が中心になって、いかに被害が大きいかを調べたんです。日本がそこをすこっと抜けてしまって、作業基準を八六年にも変えなかったんです。そのことがまた二十年、三十年後、これからの労災に出てきます。

 その作業基準を見直す際にもとになるのは、労災がどのくらい出ているか、周辺住民の被害がどうであるかという目を持って事実を見ることなんです。七六年にその芽はあったのです。だからもったいなかったでしょうと言っているんです、疫学調査が一切やられてこなかったこと、事今日に至るまで。それが我が国の大きな禍根になっています。そういう指摘として、青木さんの今の答弁はちょっと趣旨を取り違えていると思いますので。十分あなたのおっしゃることは理解しているつもりです。でも、やはりやるべきことは、これは疫学、どんなふうに広がりを持って、だれがどのようにこのアスベストの被害に遭うかということを全体として調査すべきであったんだと思います。

 そこで、大臣、時間がないので恐縮ですが、過去を未来に生かす方策として、クボタ周辺、今一番住民被害も多いです、労災の亡くなられた方も多い。そこにおいて住民健康診断も含めた疫学調査ということを、もうこれは二十年も三十年もおくれています、でも、私は、遅きに失したといえどもやることが、次の対策に必ず、環境、公害問題にも連動してまいりますので、意味があると思います。

 実は、この点に関しては、西副大臣をリーダーとする厚生省対策チームが立ち上がり、住民健診をやるというようなことも検討しておると出ておりますので、西副大臣の御答弁でも結構です、あるいは尾辻大臣自身のお考えでも結構です、ぜひやっていただきたい。そして、それは住民がどこまで、どの程度この被害に遭っているかという一つの、悲しいけれどもモデルケースになると思います。そういうものを一切、住民被害はずっとずっとずっと言われていた、家族被曝もずっとずっとずっと言われていた、でもやられてこなかったんです。疫学といえば、いや、環境省か、きのうの質問取りでもそうでした、あっちだ、こっちだ、そっちだと。しかし、やってこなかったことがこの病識、病態に対しての認識を非常に誤らせた、対策をおくらせたと私は思っております。もう一度お願いします。副大臣ないし大臣、お願いします。

尾辻国務大臣 石綿による健康被害の中で、最も石綿との関連性が強く、健康被害が増加しておるのが中皮腫でありますことから、私どもとしては、今般、緊急に研究班を立ち上げまして、人口動態調査等を活用いたしまして、中皮腫によって亡くなられた方々の症例について、職業や石綿暴露と中皮腫との関係、治療方法及び治療成績などについて早急に調査研究を行います。十七年度の厚生労働科学特別研究として中皮腫の専門家による研究を行うこととはしておりましたけれども、もう予定を待っておれませんから、たちどころにやることに、これもきょう決めたところでございます。

阿部委員 今大臣の御答弁のは、人口動態統計調査で明らかになった八百七十八人の中皮腫の方の実態、実際、病歴調査でございます。私が今お願いしたのは、クボタ、尼崎です。住民被害が一番今多いと報道されている、労災で亡くなった方も多いというところの住民調査であります。今やっていただくことはとてもいいと思います、でも、私が伺いたかったのはクボタ周辺の住民調査でございます。

 と同時に、大臣、ぜひ住民が大臣にお目にかかりたいと。実は、この問題がここまで顕在化しましたのはことし四月ごろでありましたか、住民の皆さんがお集まりになって、どうしても自分たちのこの体の状態はおかしい、やはり何としてでもこの自分たちが受けた健康被害を明らかにしたいというところから始まっております。個々のばらばらの動きはそれまでもございました。ぜひとも大臣には、この住民の声、あるいは御家族の声を聞いていただきたい。もう問題はそこまで広がってしまいました。

 恐縮ですが、副大臣、住民調査についての、健康調査についての御答弁と、大臣には、要望が上がっているクボタの周辺の住民の皆さんと一度お会いいただくこと、御答弁をお願いいたします。

尾辻国務大臣 二点、私の方からお答え申し上げたいと存じます。

 まず、周辺住民の皆さんの健康調査でございますけれども、これはどういう形でやれるか、今私どもも何とかやりたいと実は思っておりまして、研究もいたしておるところでございます。これも専門の方々の御意見も承っておるんですが、実は専門の方々の御意見もいろいろな御意見がございまして、率直に申し上げますが、余り意味がないんじゃないかという御意見も結構強くあったりもいたしまして、先ほどの御質問の中でも触れられましたことにも関係するんですが、むしろエックス線を受けることのリスクの方が大きいんじゃないかとおっしゃるような専門家も実はおられまして、今私ども、そういう議論をいたしておるところでございますので、そうした御意見も十分踏まえながら答えを出したいというふうに思っておりますということを、まず一問目の御質問にお答え申し上げます。

 二問目は、私はいつでもお会いしたいというふうに思っております。

阿部委員 ありがとうございます。

 前者については、先ほど来私が御紹介させていただきましたアメリカにおける大規模な疫学調査、それは労働組合も参加し、地域住民も参加した上で、協力のもとで実施された過去がございますので、そのあたりもよろしく御検討いただきたい。

 そしてもう一つ、中皮症というのがこれからむしろどんどん出てまいります。そのために、レジスター、登録制度をやっていただきたい。先ほどの人口動態統計は過去のものでございます。これから発生することも含めた登録制度をして、この広がり、だれが、どのように、どこでこれを発症させていくかということについて、これは未来に向けた政策にもなると思いますが、レジスター制度について御答弁をお願いします。

小田政府参考人 委員御指摘のように、アスベストの健康障害を研究していく上では、中皮腫の患者さんの調査というのがどうしても必要なものでございます。現在、私どもでは労災認定の患者さんのデータを把握しております。それから、先ほど来申し上げていると思いますが、調査研究の研究班の方で人口動態のデータを使った症例の集約というものを行うこととしております。

 さらに、御指摘の中皮腫の登録制度につきましては、これは実効性あるいは実施の可能性等について検討する必要があるというふうに考えておりますが、まずは、先ほど申し上げました追跡調査を確実に実施しまして、詳しい死亡原因、死亡者の職種あるいは職歴、健康被害の広がりについて調査してまいりたいというふうに思っております。

阿部委員 これは今後半世紀に及ぶ、恐らく我が国が過去の負債を引きずって半世紀取り組まなきゃいけない課題になりますので、レジスター制度についても即刻、こっちが終わってからこっちなどと言わずにやっていただきたい。

 そして、最後に、学校における子供たちの暴露という問題で、この夏、文部科学省が、八七年段階で学校のアスベストの吹きつけ等々の実態を調べ、報告を出しましたが不十分であったということで、再調査に至ります。実は、国立病院等の病院においても、八六年でしょうか、調査をなさいまして、文部科学省と同じ手法を用いておられたので、当時、アスベストでありながらアスベストとして認識されておらなかったものの使用についてはチェックがされておりません。

 病院というのは命を預かる、そして、そこにいる患者さんは動くこともできない方が多うございます。国立病院のみならず民間病院も含めて公共の施設と思いますので、そうしたところにおけるアスベストの現実、実際はどうなっておるかということについても調査していただきたいですが、時間が過ぎて本当に恐縮ですが、この御答弁だけいただいて終わりにしたいと思います。

岩尾政府参考人 現時点における医療施設の状況について調査が必要かどうかを含め、検討させていただきます。

阿部委員 学校でも必要とされたことで、これは今の答弁なら、次回もう一度やらせていただきます。

 ありがとうございます。

鴨下委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。


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