第162回国会 厚生労働委員会 第8号 (平成17年3月18日(金曜日))抜粋

案件:
 政府参考人出頭要求に関する件
 国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)
 介護保険法施行法の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)

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鴨下委員長 質疑を続行いたします。阿部知子君。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 大臣を初め各委員の皆様には、御尽力をいただきまして私の質問時間をこのような形で確保していただきましたこと、厚く御礼申し上げます。

 冒頭、私は、まず無年金の学生の障害者の問題で、大臣に二点ほど確認というか御質疑をいたしたいと思います。

 大臣も御承知のように、二〇〇一年の七月に九地裁におきまして、札幌、盛岡、新潟、東京、京都、大阪、岡山、広島、福岡に、いわゆる学生無年金問題で提訴、裁判が起こされまして、三年以上が経過いたしました。

 この間、判決が出ました東京や新潟、あるいはついせんだっての広島地裁でもそうでございますが、昭和六十年以降、いわゆる主婦は、三号被保険者は、御自身は実際の負担をしておられなくても、強制加入でございますから、障害が生じれば障害基礎年金、あるいは、二十前に障害になった方は、当然負担しておられないが、二十以降になれば障害基礎年金という形で給付されるにもかかわらず、そのときにはいわゆる任意の形で、加入するもしないもあなたの自由ですと任された形で、しかし、学生時代にそういう形で任意で加入していなかったことから生じた、障害を負い無年金になった方たちが、実際には、これは国の年金行政をめぐる、そのときに学生も含めて強制加入という形にしておれば当然発生しなかった無年金問題であるとして、そして、実際の負担を言えば、お払いでない二十前の方あるいは主婦の方にも給付されているじゃないかということで、法のもとの平等に反するという形の裁判を起こしておられます。

 私は、おとといでしたか、無年金障害者の議員連盟の会で、年金局長の渡辺さんがお越しになって、また、広島地裁の原告のお母様、お見受けするところ、七十歳を超えておられたでしょうか、そのお母様が来られて、長いお子さんの障害の介護とあわせて裁判を担われる御苦労を涙ながらにお話しになり、その向かい側におられた局長が、しかしながら控訴せざるを得ないと、控訴という言葉を口に出されて、一瞬その場がしいん、しらっとしたという非常につらい場面を経験いたしました。

 大臣にあっては、厚生労働省のトップ、指揮するお立場から、こういう形もやむないという形のコメントも出しておられますが、果たしてこういう無年金の障害者を抱えた御家族の実態というものはつまびらかに御存じであるや否や、冒頭、一点お願いいたします。

尾辻国務大臣 今回の訴訟の原告の方々を含めまして、年金を受給していない障害者の方々やその御家族の大変な御労苦については、十分認識をいたしております。

 しかしながら、今回の判決については、私どもの立場もございますので、控訴することやむなしという判断に至ったところでございます。

阿部委員 裁判と申しますのは、長い年月、本当に苦しい思いをもしかして双方抱えていくものでありますし、私は、その意味でも、年金行政というのは、いかに無年金を生まないかという点に本当に総意を挙げて取り組んでいかないと、また同じような事態が起きるのではないかという不安を特に昨今強くしております。

 と申しますのも、当委員会でも何度も指摘されましたが、社会保険庁の資料によりましても、また会計検査院のこの間の調査によりましても、いわゆる国民年金の一号の被保険者であられて、年金の保険料を二十四カ月以上、丸二年にわたって滞納しておられる方が四百四十万人以上、十九カ月から二十四カ月というのでとりますと五百三十万人となってまいります。

 この間の国会審議が果たしてこの年金の未納状況を改善させたかというと、かえって、逆に、何だ、みんな納めていないんだ、あるいは、年金は信頼できないやという思いすら特に若い世代の中にまいてしまったことの弊害は、私はこれは余りあるものと思っておりますが、今もし、この五百万人近い方々、一応は今は二十になれば強制加入ですから加入されますが、二年以上にわたって納めていなくて、あす交通事故に遭われたとします、そういたしますと、当然、無年金障害者になることと思いますが、無年金障害者予備軍がもしかして五百万人という驚愕すべき事態、このことについては国としてはどう考えておられますでしょうか。

尾辻国務大臣 平成十五年度末におきまして、過去二年間の保険料を全く納付していない人は約四百四十万人でありまして、同様の数字を平成十三年度末から比較いたしますと、約百二十万人増加をしております。

 こうした状況といいますのは、公平性の観点からもゆるがせにできない問題もあり、また、未納期間中に生じた障害などにより、障害年金や遺族年金が受給できなくなることも考えられますことから、最重要課題として未納対策に取り組んでいるところでございます。

 昨年十月からは、未納者本人に御自分の加入記録を認識していただくとともに納付意識を喚起するため、催告状にこれまでの国民年金や厚生年金の加入記録を付記し情報提供を行うなどの取り組みの強化を図ったところでございます。また、負担能力が十分にあると認められる人に対しましては強制徴収を実施していくなど、今後とも未納対策を徹底することによって無年金者の発生防止に全力を尽くしてまいります。

 なお、御指摘の四百四十万人の中には、障害基礎年金の受給要件である免除期間などを含む保険料納付済み期間が加入期間の三分の二以上を満たしている人もおりますから、これらの人すべてが無年金者になるというわけではございません。

阿部委員 確かに大臣の御指摘もございますが、ただ、しかし、だんだんそういう方、今大臣がおっしゃった必ずしもという方が少なくなり、私がやはり案じているのは、例えばNHKの受信料の未払いが七十万人、これは、でも、強制ではないわけで、強制的な加入を旨とするこの国民年金でどんどんどんどん未納者がふえて、そして、若い人ですから当然事故の危険性も高まってという中で、そして、さらに申しませば、昭和六十年段階の三号と言われる主婦たちの年金は、みずからが確かに納付したという形ではなくて、しかし、加入要件を満たしておればそれで障害年金も給付されているという現状でもあるわけですから、保険料が納められていないから給付がなされないという仕組み、このものは、やはり、今の空洞化の現状から見ると考え直していかなければならない。

 できればそれは、保険料方式というのは望ましいかもしれません。しかし、ここまでずこずこに穴があいてしまった現状で、私は、これもまた、行政の放置による無年金障害者を生んだということを後世同じような形で問われるのではないかと非常に案じておるわけです。

 なお、本日はそれを予告しませんでしたから、先ほど大臣がおっしゃったような、全体の加入期間のうちのある程度が納付されていればというような形で救われる方が何人くらいおられるのか、後ほどまた教えていただきたいと思います。

 引き続いて、私の持ち時間の中で、大きな二つのテーマでくくらせて質疑を行わせていただきます。

 一つは、養護老人ホームの問題でございます。

 これも、本日の質疑でも、またこの間の質疑でも何人かの方が御指摘をされましたので、私としてさらに確認という形になりますが、いわゆる特別養護老人ホームができましてから、一般の庶民の気持ちの中から養護老人ホームというのはどのようなところであるのかなということが少し薄れて、今は本当に、特別養護老人ホーム、特別とつく方が主流にはなっておりますが、もともと養護老人ホームは、経済的、家庭的、あるいは虚弱ゆえにおひとり暮らしがままならない方たちが措置によって入っていただくという施設でもあり、現在でも決してその必要性は減少したものでもないと私は思っております。

 この間、厚生労働省が出された研究会等々の報告を見ておりますと、養護老人ホームについて補助金をやめ、これまでのように、実施主体は市町村ですから、そこにお願いするということでありますが、全体の方向性をどういうふうに見ておくのかということにおいて、私は、国はきっちりと認識を確認していかなければいけないんだと思っております。

 きょう、皆さんのお手元に配らせていただきました資料の一枚目は、「養護老人ホームの現状」というところでございますが、ここには、年齢区分七十歳、八十歳代が全体の七割以上を占めておられること、また、収入は、下に示してございますように、ゼロから二十七万円の年収が全体の二二・九%であること、そして、いえば、八十万円以下の方で五〇%、六〇%行ってしまうような収入状況でもございます。

 さて、国の研究会の中での報告を見ますと、この特別養護老人ホームならぬ養護老人ホームの必要性について、多少書き方に二通りあって、これからも継続的に必要だという部分と、しかしながら、ここが高齢者の支えとして、そうしたおひとり暮らしで実は何らかの目配りや気配りが必要な方たちの住まいというか、お暮らしになるところとしての必要性は、だんだん減少しているというふうな書き方もございますが、この点について、担当部局の方のお考え、この間の整理のほどをお願いいたします。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 先生からお話ございました養護老人ホームでございますが、昭和三十八年に老人福祉法ができましたときに、生活保護の養老施設から引き継ぎまして養護老人ホームとなったもので、昭和三十八年当時四万七千人入所されている方がございました。ピークは昭和五十年の七万一千人でございまして、その後、昭和五十年から今日まで七万人を超えることはなく、六万人台で推移してきているということでございます。

 この間、昭和三十八年には六十五歳以上の方は五百八十四万人でございました。平成十五年では二千四百三十一万人ということで、六十五歳以上人口は四倍になったわけでございますが、養護老人ホームは、対象人口が四倍になりましても、ただいま申し上げましたように横ばいに推移してきている。ピークのときには六十五歳以上千人当たり八人が入所されているわけでございますが、今日、千人当たり三人弱、こういう状況でございます。

 そこで、養護老人ホームをどうしていくかということで、先生から御指摘がございました将来像研究会で、地方公共団体の関係者、養護老人ホームを経営されている方、そのほか学識者を入れまして検討したわけですが、先生おっしゃるとおり二つございます。

 一つは、特別養護老人ホームができて、昭和五十四年に特別養護老人ホームの入所者の数が養護老人ホームを上回って以来、特別養護老人ホームは毎年増加して、三十六万人まで来ておりますが、養護老人ホームはその後横ばいであるということで、かなり機能は限定されてきているのではないかという見方が一つございまして、要介護の部分とかそういった方々についてはかなり特別養護老人ホームの方に引き継がれているという見方が一つございます。

 もう一つは、しかしながら、行政関係者も、どうしてもお一人でお暮らしできない方、またさまざまな家族問題を抱えておられる方がありまして、措置施設の必要性は抜くことができないということで、将来像では、今後とも措置の必要があることから、措置施設として養護老人ホームを位置づけていく一方、入所者の方も、養護老人ホームでも心身の状態が要介護状態になり、また重度化しているという問題がございますので、そういった状況を踏まえ、要介護状態にどうやって対応していくかということについて将来像を示したところでございます。

阿部委員 今の局長の数値の御答弁の中に、私は、その数値の都度どんな政策が打たれたかということをきっちり検証しながらこの数値を見ないと、いわゆる数値のごまかしになるんじゃないかなと思うんです。

 と申しますのは、昭和三十八年、確かにこの制度が発足し、そして、実は五十四年には特別養護老人ホームができましたので、比較的ここに、両方にすみ分けると申しましょうか、御老人たちも両方に行くようになりました。

 そこで、五十年をピークとして、五十四年段階では減ってきておりますし、いただいた集計の中でも、五十年が七万一千人とピークだった。五十四年段階で、少し、それまでのふえていた千人当たり八人というピークが減ったのは特別養護老人ホームができたためですし、また、平成十二年の統計がございましたが、そこでまた〇・三を割ってくるように、いわゆる千人当たり三人を割るようになったのは介護保険の登場がございます。

 そして、今、実は、介護保険法施行の次に控える審議の見直しの中で、介護保険施設をどちらかというと要介護度の四や五の重い方にして、そして逆に、軽症の方は施設よりは在宅へという政策が打たれている。今、また変化期でございます。

 私は、そういう政策がとられたときに、当然、要介護の一、二ほどの方あるいは要支援の方は、これは在宅ができれば望ましいですが、その中にも、同じような状態で、目配り、気配り、本当に、一人よりはだれかが、ちょっと危ないよとか、ガスの火も気をつけて消してあげるとか、何らかあればという方は、絶対にこれからふえようとも減らないと思うのです。

 今の御説明だと、千人当たり八人が今千人当たり三人になっているとおっしゃいましたが、この次の私たちが控えている介護保険法の改正の中では、今、介護施設、特別養護老人ホームにお入りの中で、これをどちらかというと重度の方に振り向けていくという施策でございますから、当然、在宅へあるいは軽費の老人ホームへという方がふえてくる。私は、そのあたりも含めて将来像と言わないと、やはり見落としが生じると思います。

 特に、御高齢期の住まいの問題は、国の政治の中でも各省庁が、例えば、公団住宅の中に御高齢者の住まいをどうするかというようなことは国土交通省の管轄でもありましたでしょうし、それから、ずっとどう住まうかという問題で、単に在宅、在宅と言われますが、なかなかそれは、本当の意味で一人で暮らせる状態とそうでないという状態が、私は、ここのところ、非常に絵にかいたもち的に言われていて、その意味で、養護老人ホームの役割をしっかりと、これから国としても、やはり減っている段階がこれから続くのか、それとも、特別養護老人ホームの位置づけの変化によって、養護老人ホームにも当然必要性を抱えた方たちがふえてくるのではないかというところも兼ね合わせて物を見ていかないと、単眼的では事は決着しないように思います。

 あわせて、もう一つ、とても気になりますことは、実は、この養護老人ホームにお入りの方たち、政府からいただいた統計によりましても、身体の障害あるいは精神の障害がおありの方が、精神障害はいただきました資料で一四%となっておりましたが、これから考えますと、後期高齢者がふえてくる中で、やはり私は、私たちの社会がどういう像になるのかということはかなりの程度考えておかなきゃいけない。

 今、一方で、精神疾患も必ずしも減っていない、非常にストレスフルな時代ですし、となりますと、養護老人ホームの見直しというのは、私たちが踏み込む未曾有の高齢社会像の中で、いま少し綿密に疾病像も含めて点検されて、その必要性を重々怠ることのないような施策をしていただきたいと思いますが、この点について大臣のお考えを伺いたいと思います。

中村政府参考人 お答え申し上げます。

 養護老人ホームの入所者のお話で、どういう入所理由かという点について先生の方からお話がございましたが、入所理由で一番大きいのは家庭の事情でございまして、六五・四%、住宅事情が二二・六、経済的事情が二二・二、このような状況になっております。

 そこで、私ども、今先生から御指摘ございましたように、養護老人ホームの担ってきた大きな役割のうち、やはり生活支援ニーズの対応があると考えています。特に、人間関係がうまくいかないとか、基本的な生活習慣が確立していないなど問題を抱えているために、御家族との同居とか地域でのひとり暮らしが困難な高齢者の方は今も存在していると思いますので、引き続き、措置施設としての養護老人ホームの重要性は御指摘のとおりあるということで、私どもも、この養護老人ホームの措置施設としての機能は維持してまいりたいと考えております。

 他方、さまざまな高齢者の方の住まいの問題があるという御指摘もございました。この間、例えば、確かに国土交通省の施策でも、昭和六十年から今日の間、二十万戸ほど公営住宅も整備されておりますし、私どもの政策でも、ケアハウスなりそういったものもございますので、今度の介護保険法の見直しにおいても、介護保険でやっております特定施設もさらに拡大をしてまいりたいと思っております。

 そういうさまざまな政策をとる中で、養護老人ホームの措置施設としての位置づけ、また低所得の高齢者の方の住まいとしての機能ということについては、十分配慮して政策を進めてまいりたいと思います。

阿部委員 私がいただきました将来像の研究会の報告書の中に、低収入でお一人で暮らし、なかなかうまくいかないという方のニーズは減るというふうに書かれておったので、私はあえてこのように質疑させていただくのですが、今は御高齢者でも所得格差が開いておられて、なかなか、これは若者でもそうですが、私たちの社会というのは、今、家族の家庭単位の機能も非常に低下しておりますし、逆に言うと、最後の受け皿としてのいわゆる措置による養護ということはこれからもしっかりとやっていただきたいと思います。

 大臣、済みません、一言お願いします。

尾辻国務大臣 先ほど来お話しになっておられますように、将来像研究会の報告では、養護老人ホームの方向性として、措置施設としての性格を維持しつつ、介護サービスについては、外部の介護保険サービスの利用を認めるほか、契約施設であるケアハウスへ転換し、介護保険法上の特定施設となるという選択肢が示されてはおります。

 しかし、私どもは、これはだからといって養護老人ホームをなくすとかなくなるとかと言っているわけでは全くありませんで、局長もお答えいたしましたように、その重要性というのは認めておるわけでございます。

 そのことをあえて申し上げて、私どもが今後ともお年寄りのケアということに対して十分配慮してまいりますということを申し上げるところでございます。

阿部委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 では最後に、いわゆる薬物取り締まりに関すること、特に相談員の人件費が、これまで地方にもともと渡されていたものですが、この負担金形式から、補助金を削減していくというお話にあって、各委員の中から、現在第三期の薬物乱用期じゃないか、これで大丈夫ですかと、簡単に言えばそういう質疑があったと思います。

 私も、諸般のデータをいただきまして、税関、警察庁、あるいは厚生省の麻薬取締部、あるいは入管ですか、それも含めて、いただきましたが、この間の我が国の薬物汚染の拡大状況あるいは押収量の変化についての御答弁をまずお願いいたします。

阿曽沼政府参考人 お答えをいたします。

 最近、MDMAなどの錠剤麻薬の乱用が大変若年層を中心にふえておりまして、押収量に関して申し上げますと、平成十一年には約二万三千錠でございましたけれども、平成十四年には十九万錠、平成十五年には約三十九万錠という形で、御指摘のように大変急増をいたしております。

 それから、薬物事犯の検挙者でございますけれども、大体八割ぐらいが覚せい剤の事犯でございまして、依然として覚せい剤が我が国において最も乱用される薬物となっております。押収量につきましては、ここ数年四百キロ台で推移をしております。

 それから、大麻でございますけれども、これも青少年の間で乱用が拡大しておりまして、平成十五年の押収量が約九百キロ、過去十年間では二番目の押収量というふうになっております。

阿部委員 私がちょっと時間配分を間違って、詰まってまいりましたので、せっかく麻薬関連で見識の深い原局の方にいらしていただいているのですが、あえて踏み込みませんで、特にMDMAに関して、これは錠剤状になっておりまして、非常にファッショナブルでございます。今局長の方からも御答弁ありましたが、平成十五年で三十万、そして、私がせんだって税関からいただきましたものですと昨年で四十九万九千錠、破格の勢いで伸びてきております。私が特に案じますのは、これは注射跡も残しませんし、ぽんと簡単に飲めばいいということで、非常に今、小中高、生徒たちに広がっております。

 こうした施策で、国としては、内閣府のもとに五カ年計画というのを平成十年、十五年とやってこられましたが、十分なMDMA対策、この十五年の報告を見ても、まだこれから警鐘が必要とされるという程度でとどまっておりますが、特にこの間のこの数年、一、二年から非常に急速ですが、ここについての今後の対応を、御答弁お願いいたします。

山本政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のように、MDMA等錠剤型合成麻薬の乱用というものが非常に拡大しているということで、これが一番大きな課題であるというぐあいに考えております。今委員御指摘の新五カ年戦略、これは平成十五年七月に決めたものでございますが、この中で、ちょっと四点ほど特にやっております。

 一つは、現状を把握して成分中に規制薬物が含まれている場合は徹底的に取り締まる、それから新たな乱用薬物については情報提供、広報活動を徹底的にやる、それから鑑定方法の研究を進めて、鑑定機材も充実していくということ、それから未指定の物質、これについては麻薬への指定も含めて新たな乱用薬物の規制について検討していく、こういうことを掲げまして、特に若い人たちへの対策が一番重要ということで、有業、無業の青少年も含めまして、それから学校での乱用薬物教室の開催とか、こういったことを文科省、警察庁、厚労省等と連携をして徹底してやっていくということで、今取り組んでいるところでございます。

 しかしながら、まだ残念ながら非常に拡大しているというような状況でございます。

阿部委員 こうしたことは、水際作戦が重要と同時に、子供たちの日常の中でだれかがサポートしながらやっていくということが重要で、ぜひ大臣には、恐縮ですが文科省と御一緒にお取り組みいただきますようお願い申し上げて、ごめんなさい、御答弁の時間をなくしましたが、よろしくお願いいたします。

鴨下委員長 以上で両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。泉健太君。

泉(健)委員 民主党の泉健太です。民主党・無所属クラブを代表いたしまして、ただいま議題となりました政府提出、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部改正案に対して討論を行います。

 そもそも政府改正法案は、地方分権の理念に基づいた税源の移譲、国庫補助負担金の削減、交付税改革という本来の三位一体改革の名に値しないものです。

 地方分権を達成するのであれば、総理が閣僚懇で発言をしたように昨年八月に出された地方六団体の案を真摯に受けとめ、これをベースに十分な議論を行って補助金等の整理合理化等を図るべきであるにもかかわらず、政府が提出したものは、明らかに地方の意見を無視していると言わざるを得ません。

 地方六団体が、これらの事業は税源移譲さえしてもらえればみずからで計画をつくり取り組むという意思を示し、取りまとめた提案に対し、全く理解も誠意も示さない、厚生労働省による意趣返しとも言える行動ではないでしょうか。

 このような法律案を認めれば、本来目指すべき地方分権の方向性を狂わせてしまうことになります。この観点から、以下、政府法案に反対する理由を申し上げます。

 理由の一つ目は、国民健康保険制度に都道府県財政調整交付金を導入するに当たっても、都道府県の位置づけを全く説明しておらず、今後の国保制度のあり方や本改正案による影響についても示さず、言いかえるならば、今後の医療制度改革との関係調整も行わないままに補助金削減の総額目標を達成するためだけに制度を変更する、まさに帳じり合わせを行っているところです。これには多くの都道府県からも不満の声が上がっております。

 理由の二つ目は、負担金、補助金の交付金化として創設される地域介護・福祉空間整備等交付金、次世代育成支援対策交付金が、ともに使途が限定された交付金であり、依然として事業計画の採択に中央省庁の権限が完全に維持をされていることです。そして、質疑でも明らかになったように、その改革の見通しすらありません。地方の裁量がふえたと説明するのもはばかられる内容です。

 理由の三つ目は、基礎年金国庫負担の引き上げを行う手法の問題です。前々回の年金改革で約束をしたとおり、基礎年金の国庫負担を二分の一に引き上げることは必要ですが、本来の引き上げの財源は新たに国民負担を求めるものではなく、私たち民主党予算案のように現在のむだな予算を削減して行うべきものです。にもかかわらず、政府法案はその財源を安易な定率減税の縮小に求めており、現下の経済情勢判断を誤っているとしか言いようがありません。

 以上、申し上げましたとおり、政府法案の国庫補助金の整理合理化はいずれも認められないものばかりであることから、政府法案に強く反対いたします。

 一方、介護保険法施行法の一部を改正する法律案であります。

 政府は、五年前に介護保険制度が開始されるに当たって行われた、措置制度で特別養護老人ホームに入所した人たちの自己負担がふえないようにする対策を、五年間延長することを提案されています。

 私たちは、その趣旨には理解するものの、措置から契約への転換を図った介護保険の導入後五年を経てもなお措置制度時の入所者にのみ特別な措置を単純に延長することとしてよいのか、これを十分に検証できなかったことは残念と言わざるを得ません。

 先般の審議の際にも、政府に対し、経過措置を終了した場合、その対象となっている人々にどれぐらいの影響が及ぶのか、その影響は他の制度、例えば生活保護制度などによって影響が緩和されることはないのか、経過措置打ち切りによる影響と介護保険本体法の改正案にある自己負担の導入の影響は、いずれが入所者に対して与えるインパクトが大きいのか等々を問い合わせたにもかかわらず、一切の答弁を得ることができませんでした。

 国民の生活に与える影響をできるだけ小さくしようとする、そのことは理解をいたしますが、その際にも、なぜその措置を講じるかについては、実態調査を踏まえた説明が必要であり、政府には、今後同様の措置の延長を図る場合に、十分な説明を行うことを求め、賛成の討論といたします。(拍手)

鴨下委員長 次に、山口富男君。

山口(富)委員 日本共産党を代表して、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。

 本法案は、いわゆる三位一体改革の名のもとに、国民健康保険に都道府県負担を導入して国庫負担を引き下げ、各種の国庫負担金などを廃止するものです。

 反対の第一の理由は、国保給付費に対する定率国庫負担を四〇%から三四%に引き下げ、低所得者対策である保険基盤安定制度への国庫負担を廃止するなど、国保制度における国の責任を大きく後退させることです。しかも、都道府県負担の導入に伴う財政調整交付金の交付のあり方は、いまだに定まっておりません。

 今日の国保財政の悪化は、一連の国庫負担引き下げなどに起因しており、その結果、相次ぐ保険料の値上げ、保険料滞納世帯の増大、保険証取り上げなどが急増し、必要とする医療を受けられない事態まで引き起こしています。国保制度では、こうした事態の解決に力を注ぐべきです。

 反対の第二の理由は、一般財源化の対象となっている国庫負担金に、麻薬取締員を初めとして、国と地方公共団体との共同責任という観点から、地方財政法で規定する国が義務的に支出すべき経費が含まれており、この分野での国の責任の後退と形骸化が生まれることです。

 第三に、国民年金法の改正で、定率減税の縮減による増収という、事実上の庶民増税が財源に充てられていることです。基礎年金の財源の手当てで今必要なのは、庶民増税ではなく、道路特定財源の一般財源化や浪費をなくす改革です。

 以上、主な反対理由を述べ、討論といたします。

鴨下委員長 次に、阿部知子君。

阿部委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、ただいま議題となっております国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場で、また、介護保険法施行法の一部を改正する法律案に対し、賛成の立場から討論を行います。

 今国会の主要なテーマの一つである地方分権推進のための三位一体の改革のもとでの負担金の削減が、果たして真の地方分権に結びつくのか否か、大きな疑義が、医療、教育、農業にかかわる分野で生じております。

 とりわけ、本委員会で、参考人からの意見聴取も含めて審議された国民健康保険にかかわる約五千四百五十億円の税源移譲は、政府、厚生省並びに地方六団体との交渉の経緯から見ても、余りにも唐突であるばかりか、国民医療の最後のとりでである国民健康保険の意義とそれを堅持していくべき国の責任の放棄になりかねない状況を生んでいます。今後、財政調整する役割を担うとされる都道府県や実施主体の市町村の混乱はもちろんのこと、国民にとっても、だれでも、いつでも、どこでも必要な医療が受けられるための財政保障は、高齢社会のかけ声のもとにかき消されかねません。

 定率国庫負担の四〇%から三六%、さらに来年度は三四%への削減は、そのことの端的なあらわれであり、これではボールを投げられた都道府県も、より住民に身近で充実した医療提供体制をしっかりとした基盤の上に築くことがおぼつかなくなります。

 昭和三十六年以来の国民健康保険は、国民皆保険の重要な基盤でありますが、現在それが、高齢化、無職者の増加、給付の増大などで重大な危機にさらされているのですから、きっちりとした国民皆保険のための仕組みをいかに仕切り直すのかの論議と改革がまずあってしかるべきと考えます。

 税源移譲三兆円の帳じり合わせに使われた国保関連の補助金の廃止には反対し、むしろ、地方からの声の積み上げとあわせ、医療制度、医療保険制度の将来像の国会での十分な論議をこそ求めるものです。

 また、介護保険法開始前の介護施設入所者への経過措置のさらなる延長は、この方たちの所得状況も低く、また御高齢化し、介護度も四、五度と極めて重症化している現状を見れば、五年刻みではなく、むしろ、安心して高齢期を過ごしていただけるためにも、本来的にはその方の必要とされる期間とすべきであると考えます。

 本法案は、その意味で極めて不十分であるということを指摘した上で、当面の措置として賛成いたします。

鴨下委員長 以上で討論は終局いたしました。


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