第162回国会 年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議 第2号(平成17年4月14日(木曜日))抜粋 案件:
年金制度をはじめとする社会保障制度改革について
議事録全文(衆議院のサイト)
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○与謝野会長 次に、社会民主党の阿部知子君にお願いいたします。
○阿部議員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。
冒頭、国民が最も求める二十一世紀の社会保障ということに関しまして、各党の各分野のエキスパートも含め、政党としての責任ある立場を論じ合うこの合同会議が本日ここに開かれましたことを、私は、政党としても、そして国民の観点からも、前向きに検討し、進めていくことを決意して、皆さんにお伝え申し上げたいと思います。
と申しますのも、例えばこれまでの年金論議、あるいは医療や介護の論議におきましても、主に厚生労働委員会という場で行われまして、財源問題をめぐって、あるいは税制との関係がどうであるかなどなど、結局、一番根幹のところはあいまいにされたままに、その場その場での国民への負担の増大のみが結果的に求められてきたように私は思います。例えば、ちょうど今、この同じ時間、厚生労働委員会には介護保険の問題がかかっておりますが、果たして、現在、御高齢な女性たちで三万円か四万円の年金しかない方にホテルコストを五万円、八万円と取っていくような形が現実に可能であるのかどうか。考えてみれば、国民から見ればすぐわかることが、しかし政策として、あるいは法案として通過してしまいます。
その意味からも、二十一世紀は、私ども日本というのは未曾有の、他の諸国にも例を見ない少子高齢化を走ります。しかし、幸せな国である、その中に生きる一人一人にどう暮らしていただきたいか、どうあってほしいかということを政党としてメッセージする、いわばグランドデザインを論じ合える骨太な場であってほしいと思います。
ちなみに、二〇〇一年度のOECD諸国の統計を見ますと、国民総生産に対する社会保障給付は、我が国はアメリカに次いで、すなわち下から二番目の低い給付でございます。この社会保障給付は、年金、医療、介護等々を、あるいはその他の福祉政策をひっくるめた給付費でございますが、この日本の現状が、先ほど来一部の先生方がおっしゃるような、決して十分な、私ども国民が暮らす、その安心をメッセージできていないということは、私は認識を共通にしていただきたいし、今回の論議のある意味での進め方が、単に国民の負担のあり方、特に年金の財源だけの論議に終わるのであれば、私は極めて不十分だと思います。
もちろん、国民が受けているいわば社会保障給付と同時に、国民負担率という問題も当然ながらございます。しかし、この負担率をとりましても、日本は財政赤字を抱えているという、そこが潜在的な国民負担になっておりますことから、もう四四・数%の国民負担率ともなっております。そこで安易にさらに国民に負担を求めていくというような案が出ましたら、実は、給付は少なく、負担は果てしなく国民に求められる像ができてまいります。この点を私は懸念いたしますので、ぜひとも骨太の論議の中の社会保障全般にわたる論議を一点お願いしたいと思います。
そして、とりわけこの合同会議が期待されますところの年金問題については、これは各議員から御指摘もありましたが、実は、昨年の国会であれだけの審議時間を要し、果ては強行採決までいたしまして百年安心と言われた年金は、あすから不安、今も不安、そして国民年金や厚生年金の空洞化は今も現在進行形でどんどん進んでおるという中で行われる論議だと私は思います。
振り返れば、国民年金問題、社会保障問題は、一九六一年、国民皆年金という形で発足し、それに次ぐ大きな制度設計の改革は一九八六年のことでございました。この中におられる経験深い議員の方にはその中をくぐり抜けてこられた方もおありと思います。このときの制度設計の最大の論議は、一九八〇年代、高齢社会が来ることは見えておりました。その高齢社会を前に、国民の基礎的年金部分をどのようにして充実させていくか、ある意味では画期的に、そこで第一段階の一元化が展望されました。基礎年金部分の一元化とはそのようなことを指すと思います。
そして、それから二十年を経て、私どもが二〇〇五年、この現段階できちんと直視しなければならない現実は何かというと、私は二つあると思います。
少子高齢化は当然、申しましたように、八〇年代からもう展望されておりました。加えて、現状で何が最も変化しているか。先ほど岡田民主党代表が御指摘なさいましたように、働き方が変わっておるということでございます。終身雇用という長年の日本の風習が、いわばある意味では崩れ、多様化し、そして逆に、転職も当たり前のことになりました。加えて申しませば、よく国民年金の加入者は自営業者という言葉で語られますが、自営業者が国民年金の四分の一であるのみならず、実は自営業者の中にも、SOHOのような小さなオフィスを自宅でつくり起業するという方もふえております。
私どもは、今、働き方が変わった時代、そしてこの時代をどのように多様な選択肢のある働き方、しかし、選択肢があってもそれに伴う社会保障、セーフティーネットがなければ、人はサーカスをやることはできません。働き方が変わった、その変わった働き方を前提に、国は、あるいは企業は、あるいは個人は、どのような責任を果たし、どのような給付を受けていくのかということをきっちり論じたいと思います。
二点目は、一九八六年の改革にもかかわらず、国民の基礎的年金部分であるはずの国民年金の現状が、先ほど来御指摘されたように、極めて空洞化が著しくなった。給付のみならず、保険料の納付を見ましても、未納率という形で言われますとちょっとごまかされますが、実際に満額納めている方は五〇%に満たない。逆に言えば、二千二百四十万人のうち一千万人は将来の無年金予備軍であります。
このことを私どもは真剣に受けとめ、そしてそれが、単に個々人が入らないということではなくて、入れない収入しかない、あるいはこの間の年金論議を見ていてとても信頼できない等々、あるいは、生活保護受給者が百万世帯を超え、その過半が高齢者世帯である、これでは、生活保護なのか国民年金なのか、何が違うのかよくわからない状態になってしまっているという二つの現状は、私ども、強く認識してしかるべきだと思います。
では、そういう認識に立ったときに、とりわけ、我が党も小なりといえど政党の一つですので、どのような制度設計を考えておるかということで、私どもの見解を述べさせていただきたいと思います。
私どもは、まず、働き方が変わった、多様な働き方を可能とする、働き方が選べるためにも、やはり年金は、国民年金と言われる部分も含めて一元化をすべきであると思っております。これができない限り、転職もままならないという状態が私は起こると思います。現状に起こっておると思います。制度設計がややこしい、そしてたんびに手続も面倒である。のみならず、長期に加入しないと給付が受けられないという年金体制は、もう私どものライフスタイルには合わないということでございます。
そして、この一元化という中で、いわゆる基礎的な年金、私どもは暮らし保障年金と申します。この間の年金論議では、所得保障、現役時代の五〇%の所得保障というような言い方をされましたが、私どもの考えは、むしろ、基本的な暮らしを保障する年金額は、だれにも公平にこの国で暮らしていただく限り給付を保障する、国が国民の一人一人に約束する仕組みでございます。そのための額を私どもは八万円と設定いたしました。これは、いわゆる生活保護受給世帯、東京都の区部を例にとりました場合に、算定の基本根拠になる額が八万八百二十円でございましたので、ここにそろえるという形で、基礎的暮らし保障年金が八万円、そしてそれにプラス所得比例の二階建て部分を考えております。
そして、であれば、当然、財源はどうなるのだというお話も指摘を受けると思います。
私どもはここにミックス税方式というものを提案しております。もちろん、大幅な歳出の見直しは一般会計、特別会計を通じて必要でございますし、二点目は、今、所得格差拡大時代でございます。年収二百万円以下の若者がふえ、一方で、一千万、二千万、三千万、どんどんどんどん金持ちもふえております。この格差拡大社会ということも、私どもが九割中流と言っていた社会の構造が大きく変わったわけですから、きちんと、応能負担の所得税の体系をもう一度私どもは検討し直す必要があると思っております。また、空前の利益を上げておると言われる諸企業についての法人税の見直しも当然必要と思われます。
そして、私どもが何よりも強調したいのですが、現在、消費税論議などのある中で、やはり企業というものはそこに働く一人一人を本当に大事にする、これは我が国が人を大事にする国であってほしいということと兼ね合わせた場合に、現在でも、基礎的な年金を保障するために企業は一部を負担しております。私どもは、今後、この企業が負担する部分は、企業に対する社会保障税という表現をあえて使わせていただきますが、企業がお使いになっている総賃金、人を雇いお払いになっている総賃金に掛けていただきたい。ただし、料率を過剰に上げることは企業の活力を失いますので、現状、労使で一四%の負担のうち七%でございますから、企業負担の社会保障税の七%というところは固定し、掛けていただいた分の半分は基礎的な暮らし保障年金の財源に入れていただきたいということでございます。
そして、二階の所得比例に関しましては、おのおの所得に応じて七%を掛けてまいります。これについては、自営業者も変わることではございません。ここでいわゆる勤労者と自営業者が不平等ではないかというような発想が起こるとすれば、それはすなわち、だれでもいつでも自分はSOHOのような事業主になるかもしれないというこの社会のあり方をきっちりと説明すれば、私はここの不平等感はとれていくものと思います。そして、そのために、公正公平な納税者番号制度を導入したいと思います。
あわせて、さきの国会で最も論ぜられるべきことで抜けてしまったことは、私どもが今手にしております百四十七兆円に及ぶ年金積立金の運用問題でございます。国会への報告義務もない独立行政法人で、これからさらに四百兆、五百兆と積み上がっていくようなお金をハンドルすることのリスク、この間さまざまな株の問題も挙げられております。私は、改めてこの会議で、年金積立金の運用のあり方、皆さんのお知恵を寄せて検討していただければと思います。
以上、よろしくお願い申し上げます。
○与謝野会長 これにて各党からの発言は終わりました。
―――――――――――――
〔中略〕
○阿部議員 私は、津島先生が本当にお取り上げで、聞いていただいて、ありがとうございます。それのお答えの前に、私が先に挙げていた質問事項でお願いいたしたいと思います。
丹羽元厚生大臣それから津島元厚生大臣、お二方おられますし、坂口元厚生大臣も、大物がぞろぞろおられますので、私は一点、私どもは、少なくともこの合同会議の中で、特にさきの年金改革で見送られたパートの年金加入問題、先ほど来申しますように、多様な働き方になり、そこが全然セーフティーネットがない状態というのは政治として看過しがたいし、このことを進める与党サイドのお取り組みについて、私はぜひお伺いを申し上げたいのが一点。
それから、先ほど伊吹議員の御発言の中かと思いますが、負担せずに給付するのはいかがなものかというような御発言があったかに思います。私どもは、もう一つ女性の年金問題で、いわば三号と呼ばれる主婦、この方たちは負担はしているのかしていないのか、これは難しゅうございます、みなし負担と言えるのかもしれないし。実は年金問題は、いつも申しますが、高齢社会、女性の問題であり、女性の年金制度が乱立して、わかりづらくて、場合によっては対立的に語られるということは、とても社会として悲しい姿でございます。
これまでは、保険料を納めずしても実は三号の方には給付されていたわけです。だから、私は、これまでの制度設計が負担せずして給付なしだというのはやはりちょっと違ったのではないか。それは社会形態を見越して、例えば、女性が子供を育てたり、社会のバッファーとして地域のいろいろなことをお取り計らいであったという厳然たる事実があったわけで、この年金論議にあって、そうやってところどころだけ取り上げるというのはちょっといかがなものかですので、女性の年金問題ということとあわせて、そのあたりも与党のお考えを伺いたい。
津島元厚生労働大臣はまた税制の御専門家でもありますし、私が八万円という額を出しましたのは、実は経済同友会が七万円という額をお出しでありますが、私はどう試算いたしましても、医療保険の保険料や介護保険の保険料を払ったらやはり八万円なくちゃ足りない。逆さに、暮らし保障のために、経済同友会もある程度試算されて七万と出しておられますから、しかし、ここには保険料を払っている像がないのでございます。そうしたら、これからは全く保険料を払わないで、医療や介護は全部現物で来るのであればよろしゅうございますが、そうでない像を求めるのであれば八万だろう。
そうなった場合に、私どもは消費税だけを財源といたしておりませんし、もちろんこの場で検討することはやぶさかでございませんが、特に与党側で、平成十八年度、所得税の見直しも俎上に上がっておりますし、何度も申しますが、格差拡大社会で、今の税体系で、小渕減税の体制でよいのかどうかということは、私はやはり見直して、そういうこととあわせて、しかし、八万円を国民と約束してもらわないと次が進まないのではないかという意味です。
ちなみに、私どもは消費税だけでやろうと思っておりません。もちろん、消費税になれば一〇%以上となってまいりますことは簡単に算出できますが、ここはそれのみに頼ったものでなくて、むしろ私どもは、消費税よりも、きちんと企業が負担する社会保障税、今は社会保険料と言っておりますが、ここをしっかりしていただきたい。パートの加入も絶対に促進していただきたいということで、あと、足りない部分はまた津島議員に教えていただきながら頑張りますので、よろしくお願いします。
○小宮山議員 今阿部議員がおっしゃったこと、女性の立場、そして若者の立場からちょっと申し上げたいと思います。
これだけ非正規雇用がふえてライフスタイルが変わっている中で、当面、厚生・共済年金の一元化というだけではとてももたないし、信頼回復はできないと考えます。
まず、女性は男性より平均寿命が七・九歳長くて、年金は女性にとってより重要な問題であるのに、本日は、公明党は差しかえでお一人女性がいらっしゃいますが、与党に女性議員がいらっしゃらないというのは一体どういうことなのか、非常に疑問を持ちます。
そして、若者の視点からですけれども、十五歳から三十四歳の若者無業者が二〇〇二年で二百十三万人にもなっている。これは内閣府の青少年の就労に関する研究会の中間報告ですが、この現実をどれぐらい認識していらっしゃるでしょうか。
その中で、希望しながら仕事を探していない、あるいは就業を希望していない、この人たちがこの五年間で十三万人もふえています。大学を出ても五人に一人は正規雇用されません。希望しても就職ができない。職が持てなければ結婚もできない、子供も持てない。将来に不安がある二十歳前半の若者の未納率が五〇%を超えている。これは、就業構造の変化に合った信頼できる制度ができていないので、ある意味では当然のことなのではないかと思います。
これまで二号になるはずだった若者がこうやって一号に流れ込んで無年金者がふえることになると思いますが、この点については与党はどういうふうにお考えになっているんでしょうか。
そして、女性の視点から、今阿部議員も言われましたけれども、女性と年金検討会でせっかく一年半も討議して報告が出されましたのに、昨年の改正では、モデル世帯、パートの扱い、第三号被保険者の問題、育児支援などすべて先送りされました。
ライフスタイルは御承知のように変わっているわけです。共働き世帯が専業主婦世帯を上回っています。一方、働いている女性の四割が非正規雇用で、男女の賃金格差は、ILOからの再三の指摘にもかかわらず、非正規を含めると、女性は男性の五割の賃金になっています。このことが働く女性の年金が低い原因になっているのだと思います。それなのに、相変わらず、モデル年金は、夫が平均的な賃金で四十年勤めた会社員、そして妻は専業主婦、そのままというのはおかしいではないですか。これについても提起があったのに見直されなかったのは一体どういうわけでしょうか。
そして、パートについても、厚生労働省は約四百万人のパートの厚生年金加入の基準変更案を示しましたが、外食産業などが反発して、これは与党の判断で五年後をめどに結論を得るとして先送りされております。
そして、第三号被保険者、これは専業主婦とパートも入っているわけですが、共働きの女性や単身等の女性の間で不公平感がずっとこれも問題になっています。この制度ができる前は、専業主婦も七割はみずから国民年金に入っていました。現在、女性のおよそ三人に一人がみずから保険料を納めていない。この状態は、公平な制度ということからも、年金財政の上からも改める必要があると思います。
四つの方法を検討会が出しまして、厚生労働省は夫が納めた保険料に対する専業主婦の貢献を評価する年金分割案を示しましたが、これも与党の反対で事実上先送りになったと聞いております。
現在、第三号被保険者の制度というのは、所得の低い共働き世帯から相対的に所得の高い片働き世帯への事実上の所得移転になってしまっている。こんなことでいいのでしょうか。この年金制度の改革を考える上で女性の年金の問題というのは欠かせないと思うのですが、どのように認識をされているか、ぜひ伺いたいと思います。
多くの女性団体からも、どんなライフスタイルを選んでも公平で安心できる年金制度という要望が出されておりまして、国会で審議をするのであれば、ぜひ女性の年金の問題、そして民主党が提案しているような年金制度の一元化、積立金の問題、最低加入の年数など議論をしてほしいという要望が出ております。
正規雇用の厚生・共済年金を合わせるだけではなくて、国民年金や厚生年金の空洞化に対応できる、若者や女性のライフスタイルの変化や就業状況の変化に対応できる公平で信頼される年金制度改革についてしっかり議論すべきで、そのためにはいろいろな調査やデータが必要なのだと思っています。二号被保険者の動向、一号被保険者の動向など、また幹事会で資料の要求もさせていただきますので、ぜひしっかりした資料、ない場合には調査も踏まえて、ここでいつまでも展望ばかりしていられませんので、今すぐ腰を据えて、データに基づいて無年金者がふえないような議論をしたいと思っています。
○与謝野会長 お願いがございますが、十二時半までしか時間がございません。発言の御希望者が何人もおられますので、それぞれ時間をぜひ余して発言を御終了いただければと思います。
〔会長退席、仙谷会長代理着席〕
○丹羽議員 与党に対しまして幾つか御質問がございましたので、私の方からお答えをさせていただきます。
まず、私、先ほどからお話を聞いていて感じましたことは、年金だけでなく社会保障というのは、現に今、社会保障の給付を受けていらっしゃるお年寄り方がいらっしゃる。特に年金などは、七割のお年寄りの方々が何らかの形で年金に依存をしながら生活していらっしゃる。
そういう中で、私どもは将来を考えて、いわゆる若年世代の負担の軽減とともに、そしてお年寄りの立場に立って、継続性ということも重視しなければならない。先ほどからお話を聞いておりますと、どうも皆さん方は、率直に申し上げて、いわゆる白地に絵をかくような発想で物事をおっしゃっているのじゃないか。
私はあえて申し上げました。我が国の社会保障というのは、率直に申し上げて、企業の方々の勤労者に対するいわゆる福祉政策からスタートした。その後を残念ながら国の方が追いかけていったような意味合いがあります。これは医療、年金、介護だけでなく児童手当についても同じことであります。
しかし、この財源の三分の二が、社会保障費の三分の二が企業の方々の負担によっている、いわゆる保険料によっているということも率直に考えながらこれからの改革というものを進めていかなければ、全く絵そらごとに終わってしまうのではないかということをあえて申し上げます。一番困るのは国民の皆さん方でありまして、やはり、これから現実的な案というものを議論をしていただきたい、このようにお願いを申し上げます。
そういう中に立って、私ども、先ほど年金法の改正について申し上げました。与党に案がないじゃないか、自民党に案がないじゃないかということを申されましたが、私の立場から言わせていただきますと、私だけでなく、一年も二年もかけて、毎日朝八時、八時半から一時間も二時間も議論をしてきた仲間に対して大変非礼な思いがいたしております。
と申しますのは、そういうような議論を重ねた上で先ほど申し上げましたようなことを、基礎年金のいわゆる国庫負担を三分の一から二分の一に引き上げる、それから積立金を思い切ってこの際切り崩す、そしてお年寄りの皆さん方にいろいろ、給付の伸び率というものを若干我慢していただく、これも若年者だというような、これまでと全く違う発想、観点から年金制度に取り組んできたということを、国民の皆さん方、野党の皆さん方にもぜひとも御理解いただきたいと思っておるような次第でございます。
それから、女性の問題についていろいろ小宮山先生からもお話がございました。この問題につきまして、特にパートの女性の問題でございます。
私どもは、率直に申し上げまして、さまざまな意見が与党の中にございます。しかし、基本的には、私個人の考えとして申し上げさせていただきますならば、この問題は前向きに導入する方向で検討していかなければならないと思いますが、現実問題として女性の中で意見が真っ二つに分かれておるのだ、ここをどうやって納得して収れんしていくかということが今後の課題ではないか、こう考えているような次第でございます。
〔仙谷会長代理退席、会長着席〕
○伊吹議員 質問者も多いと思いますので、お答えだけしたいと思います。
阿部議員から三号保険者のお話がありました。これは、御本人も払っているか払っていないか非常に微妙だということをおっしゃいましたが、例えばフランスでは、税制上、二分二乗という考えがあって、共働きの御夫婦の場合は奥さんと御主人の所得を合算して二で割ったものを一人一人の所得と考える、そして専業主婦の場合は御主人の所得を二で割ってお二人の所得と考える、こういう税の方式があるのですね。
これは政党の理念にもかかわることですが、主婦の価値を認めて、であるがゆえに御主人の所得を前提に専業主婦の奥さんの部分の保険料も払われているという確率計算のもとに年金が計算されているのだ、我々はそういう理解をしております。だから、この部分は、働いていない、納めていないのに専業主婦の人はもらっているという理解はいたしておりません。
それから、岡田代表に、私は、よい考えであっても、フィージブルで実現可能性があるかどうかということで例の納税者番号のことを伺ったのです。おっしゃったことはそのとおりですよ。国民の義務として納税しなければならないし、また、それを必ず把握しなければならないのですね。
しかし、先ほど津島議員や遠山議員がおっしゃったように、現実はなかなかそういうふうになっていない。今どうなっているかというと、国民年金は所得に関係なく定額で取っておるわけです。そして同時に、厚生年金は所得比例で取っていますが、その中から定額部分を基礎年金勘定に同額拠出することによって、基礎年金勘定というもので管理をしているわけですね。
ですから、年金の信頼性というのは二つあって、一つは財政的な裏づけがあるかどうか。もう一つは公平にすべての人が負担するということが担保されているかどうか。この二つによって信頼性というのはできるのですね。二階建ての部分を義務化して、そして納税者番号で把握するということになると、この公平さが非常に危うくなるなということを私は申し上げたということです。
以上です。
○五島議員 民主党の五島でございます。
朝から、丹羽先生、そして我が党の代表岡田さんからも話が出ておりますが、そもそもこの議論の中において、きょうの段階で各党の思いを述べ合って、それもいいわけですが、それを繰り返しても余り意味がないのかなというふうに思います。
そこで、自民党の皆さん方、公明党の冬柴さんがおっしゃった、議論の最も大きな点、すなわち、我が党は一元化ということを前提に岡田さんは述べたわけですが、皆さん方がおっしゃっている、基礎年金あるいは国民年金の部分、そこはもう終わっているんだ、二階建てのところの統合が当面の課題だとおっしゃるわけでございますが、当然、基礎年金、国民年金というのは年金制度の基盤である。したがって、そこが、おっしゃるように安定的に大丈夫なのか。今、未納者の問題を含めまして非常に大きな問題は、ここのところに発生してきています。
そして、一九六一年に国民年金が実は出ました。そのときは確かに農民や自営業者の年金でした。今日においては、この国民年金というのは、例えば、フリーターであったり、失業者であったり、パートの労働者であったり、あるいは小企業に勤めている労働者の年金ですらある。そういう状況までこの国民年金の性格が変わってきた。
そうしたことがあったから、先ほど、遠山議員でしたか、おっしゃったように、結果として、この国民年金制度を支えるために、サラリーマンが、あるいは企業の経営者がそこのところにプレゼントして、そこを基礎年金として切り分けて、それで支えているというのが現状であります。
そういうふうな処理をしながらも、この制度、雇用関係の変化や就労形態の変化によって依然として未納者はふえてくるし、ここのところの将来の先行きに対しては非常に不安がたまってきている。これをきちっとしていこうと思えば、方法は、論理的に考えて四つしかないじゃないですか。
一つは、自営業者や、国民年金に加入している人たちの保険料を今以上に大幅に引き上げるか。あるいは、サラリーマンの世帯がもっとプレゼントをするのか。あるいは、国民年金の掛ける年数をもっと大幅にふやして、そのことによって年金の財源を改善するのか。そうでなければ、税でもってそこを支えるしかない。
この四つの中で、もちろんそれはそれぞれ単品で選ぶのではなくて、組み合わせということは当然あるんでしょうが、それを一体どうするのか。こういうふうなあり方になっているから安全だよ、だから二階建てだよというお話であればまだ議論の余地があるかと思いますが、今、実は一番大事なところが不明確なままなんです。
そして、遠山さんがおっしゃるように、これまではサラリーマン世帯の、あるいはサラリーマンが働いている企業の事業主のプレゼントによって辛うじて、問題を持ちながらももってきている。これがもたなくなっている。これで大丈夫なんですか。この点についてやはり議論をきちっとすべきだというふうに思います。
○横路議員 民主党の横路孝弘です。
きょうは第一回ですから、年金の現状についての共通認識が少しでもできればいいなと思っておったのですが、なかなかそこまで進んでいないようでございます。
昨年の年金改正で国民の年金に対する不信が解消したかといいますと、いろいろな世論調査を見ますと、やはり依然として大変多くの人々が不信とか不安とか不公平感を非常に持っています。世代間の不公平感、あるいは正規社員とパートとの間、自営業者と勤労者の間、民間と公務員との間、あるいは働いている女性と専業主婦の皆さんとの間。
こういった状況が生まれているのは何かというと、年金がばらばらだからなんですね。ですから、一元化してこういう不公平感を解消しない限り、なかなか信頼を回復することはできないんじゃないかというように思っています。
そして、一つきょう強調したいのは、国民年金制度がもう既に破綻しているんじゃないかということで、この現状をしっかり直視しないといけないというように思います。悪くすると、将来日本の年金というのは公務員と大企業の労働者にとっての年金になってしまいまして、本当に、国民皆年金という一番基本に置くべきところが崩壊をしつつあるのではないかと私は思っております。
平成十五年に未納者が国民年金で四百四十四万五千人。二千二百万人のうちの四百四十四万ですから、非常に大きなウエートを持っています。会計検査院によりますと、保険料の平成十五年の収納額が一兆九千六百億、未納額が二兆二千九百億です。そして、この年に不納の欠損を決めた額が八千四百七十億。この三年間、毎年八千億以上のお金を不納欠損額としているわけです。こんな状況になっている。なぜなんだろうかということが問題です。
国民年金というのは、自営業の人を中心にスタートしましたから、定額制になっています。それから、年金の給付額が非常に低いわけです。自営業の人は定年なしに働けるというようなことなども当時議論されたわけでございますが。この二つがございますが、今、二千二百万人の国民年金の対象者のうち、その三割、七百二十万人が二十代の若者でございます。
雇用は、皆さん御承知のように、フリーターの人が四百万を超え、そしてまた、今パート労働は全体の四分の一、二六%ぐらいになっています。このパート労働の人たちの給料といいますか月収は、半分以上が十万以下なんですね。それから、フリーターの人たちは年収大体百万前後ということになっています。
そうしますと、今の定額制の一万三千五百八十円というのは、例えば十万円として、非常に大きなウエートを持っていますね。それから、フリーターの人は年収百万として計算をしますと、年間のお金というのは十六万円を超えるわけです。ですから、やはり経済的に払えないということで払わない人がふえている。
制度的に問題はどこにあるかというと、やはりこの定額制ということに問題があります。あと、給付をどうするかということは、生活保護そのほかの関連で考えていかなければいけない問題だというように思っていますから、これは徴収の体制を強化するというような問題で解決できる問題じゃなくて、制度そのものにやはり問題がある。
自営業者中心にしてスタートしたところが、自営業者の人たちは今二千二百万のうちの五百万ちょっとになってしまって、あとはパートとかフルタイム労働、そのほかの人々になっているわけでして、そこはやはり私ども、まず国民年金の今の現状というのを直視して、これをどうしたらいいかということを見ていかなければいけないと思います。
最後に一言、所得の捕捉の話が先ほどから出ています。自営業者の人の所得の捕捉です。
トーゴーサンとかクロヨンと言われたのは、一九七〇年代の数字に基づいた数字なんですね。最近、内閣府の政策統括官のところで研究が行われまして、一九九七年の所得の捕捉率は十対九対八、農業所得者も八。十対九だということですから、十対九になれば、これは納税者番号ということだって、そんなにその必要性というのはなくなるぐらいの所得捕捉率です。
日本の財務省はそんなにお金を取り損ねているわけはないわけでして、そこの認識はぜひ皆さん方に変えていただきたい、このように思います。
○佐々木議員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。
きょうは、両院合同会議の議論の実質的なスタートの日ですので、あらかじめ二つの点について確かめておきたいと思います。
まず第一点は、昨年五月六日に結ばれました自民、民主、公明の三党合意の現段階における位置づけであります。
この合意は三党の間では今どのような扱いになっているのか。この両院合同会議が発足したことによって、破棄され、死文化されたというふうにみなしておられるのか、それとも、現在でも生きていると見ているのか。自民党はどなたでも結構ですが、ぜひお答えをいただきたいし、きょうは、合意に署名されました民主党の岡田代表、公明党の冬柴幹事長お見えでございますので、その点をぜひお教え願いたい。
第二点は、この合意と同時につくられました国民年金法等の一部を改正する法律案に対する修正案の内容でございます。
この修正案について私ども日本共産党は反対しましたが、中身を見ますと、社会保障全般について、税、保険料等の負担と給付のあり方を含め一体的見直しを行いと書かれております。この場合の税というのは何を意味するのか、改めてお聞きしたいと思います。三党の間で内容上の一致点はあるのかどうか。
ちなみに、日本経団連が昨年九月二十一日に発表した「社会保障制度等の一体的改革に向けて」という文書では、社会保障制度や税財政も含めた一体的、総合的な改革と述べ、税制については、ことし一月十八日の「わが国の基本問題を考える」という総論的な文書で、所得税、法人税の引き上げの余地はない、消費税の拡充が最も有力な手段であるとされております。
三党が合意した一体的見直しを行う際の税というのはこの考え方と基本的に同じと受けとめていいのか、あるいは違うのか。
以上二点について、それぞれお答えをいただければありがたいと思います。
○中島議員 自民党の中島眞人でございます。
先ほど丹羽先生からお話がございましたから重複してしまう場面があろうかと思いますが、きょう、議員の皆さん方から、自民党案がないじゃないかという御指摘がございました。
自民党案というのは、率直に言って、長い間苦労に苦労を重ねて昨年提案していた法律が自民党案の骨子である、こういうふうに御理解をいただき、その後、さまざまな問題が出てきたことによって、それらについて考えていこうというのが先ほど出た三党合意であり、またきょうのような会につながっているものだというふうに私どもは理解をしておりますから、先ほど丹羽先生がお話しになりましたような、少なくとも、三分の一を二分の一にする、あるいはまた五〇%を保障する、同時に、年金のあり方の問題についても、昨年、法案の中に盛り込んだ案が与党の骨子であった、こういうふうに御理解を賜りたいと思います。
そこで、私はきょうは、昨年の年金国会から非常に国民が幻想的に、岡田党首が申しておりますようないわゆる基礎年金を税負担でいくということ、これは国民にとってみると、まさに、本当かいなと言われるようないい案なんですね。(発言する者あり)いい案というより、喜ぶ案なんです。
しかし、実際問題、そのことが及ぼす影響がどういうものであるかという中身を絞っていくと、大変な負担がその裏には隠されている。そして同時に、基礎年金を税方式に変えていった場合に、では、もらえなくなる層というのは幾らからもらえなくなるんだ、そういうふうな一つの具体的な案が示されておらなくて、基礎年金は言うなれば税の負担で賄いますよ、だから御心配なくというような案でありますので、具体的な、いわゆる収入に対しては一つの線引きがこうなされるんだという形をお示し願えて、国民の皆さん方にも、税方式の難しさ、甘いものではないという理解をしていただかなければいけないというふうに思っております。
同時に、昨年十一月に提出をされました、民主党の高齢期等において国民が安心して暮らすことのできる社会を実現するための公的年金制度の抜本的改革を推進する法律案というのがございますね。私は、これは一考する値のあるものだというふうに思うんです。しかし、この中には税負担という言葉は一言も入っておらないんですけれども、税負担というものが走り続けて、民主党が出している本来の法律案についての説明というものが余りにも理解をされていないのではなかろうか、こんなことを含めてお聞きをしておきたいと思います。
○柳澤議員 私、この問題について、今までそんなには専門的にかかわり合ってきたという立場のものではありません。ですけれども、私なりに一般の政治家の一人として意見がございますので、それをここで発言させていただきたい、こう思います。
まず、この合同会議がスタートするときに、我が党の中でこれにどう対処すべきかということの議論があったんです。そのときに、私、非常に感動を持って聞いたんですけれども、きょうも出席をしておると思うんですが、鈴木俊一先生が、この問題は、先ほど古川先生の御指摘になられたような、あるいはその他いろいろな機会に出ておるような、スウェーデンの超党派での、本当に国民の役に立つ年金の確立ということを本当に目的にできるんだろうか、それを実際目的にしているんですかという、非常に誠実な問題提起をしました。
きょうここに、いろいろないきさつがあってここまで来たわけですけれども、私は、その鈴木俊一先生の発言を聞きながら、今回の日本が直面しているこの危機というものがどのぐらい与野党の間で共有されているかということにかかわりがあるので、非常に大きな危機なんだけれども、しかし、この危機はついせんだって突発的に発生したというような危機ではないので、非常にこれは難しいのかなという気もいたしたわけです。しかし、こうなった以上、やはり超党派の会議らしい会議の成果を上げるべきだ、私はそのように思っています。
そういう意味で、立場をはっきりさせるために申し上げますが、私は、先ほど来、私の同僚、非常に親しく、また指導も受けている丹羽先生が、勤労者の福祉ということから日本の年金制度がスタートした、この現実というのを踏まえて、フィージブルな制度の改善でないとこれはだめなんだというような御発言があったんですが、私は全然違う考え方を持っています。それはむしろ、民主党さんの多くの方が言ったように、雇用の形態とかあるいは生活の形態というのが全く変わってきたことに対して誠実に年金制度も対応すべきだ、このように思っておりまして、改革である限り相当ドラスチックなことも避けられないというように実は思っています。
それで、そういう立場から、私は私なりにスウェーデンの制度をずっと勉強させていただいてきたんです。まず、社会保険方式か税方式かというところで、岡田議員は、徴収が非常に難しいというところからきている立論らしいんですけれども、税方式をとるということをされたんですけれども、私は、スウェーデンのみなしの掛金総額の通知方式、これは非常に、そういうわがままな滞納者、未納者というものを防ぐ手だてだと思います。
何かブザーが鳴っちゃったので、また後日に私の議論を展開したいと思いますけれども、いずれにしても、そんな簡単に、先ほど岡田代表は、納税者番号制に対して疑問を述べた伊吹議員の発言に対して、頭から否定しない方がいいというお話をされたんですが、私はその言葉をそのまま岡田代表にお返しして、岡田代表も余り簡単に保険方式をあきらめないで、今言ったようなスウェーデンの知恵を十分参酌した上で結論を出すべきだ、このように思います。
以上です。
○岡田議員 津島議員の方から御質問をいただいておりましたので、それを簡単にお答えしたいと思います。
税方式にしたときに、全体十六兆から二十兆ぐらい必要じゃないかというお話がありました。これは計算の仕方にもよりますが、仮にそういった考え方に立つとしても、そのうちの半分は、これは政府案でも税で賄うわけですから、私どもはトータルについて必ずしも年金消費税でやると言っているわけではありません。先ほど申し上げたように、残りの半分の部分の議論をしているわけでありまして、そうすると、十六兆から二十兆じゃなくて、八兆から十兆の議論であります。
私は、当面三%ということを、これは選挙のとき、参議院選挙のときから申し上げておりますが、その三%部分と、それに加えて、私たちは、すべての方に対して基礎年金、最低保障年金を支払うとしているわけではありません。所得の多い人には御遠慮願うという制度を提案しております。あるいは、我々の制度になれば、高齢者の生活保護の受給者はかなり減ると思います。そこの部分の財源というのも出てくるわけですね。政府案だと、その分、全部生活保護にかかってきますから、別途財源が必要になってきます。そういうこと全体を考え合わせると、私は、当面三%で十分賄えるというふうに考えております。
それから、先ほど、最後に柳澤先生から大変いい御議論をいただいて、少し議論に希望が持てるのかなと思っておりますが、先ほどの共産党さんのお話にありました三党合意の話は、私は、柳澤議員のお話にもありましたように、社会保障制度のような国民にとって重要な、そして年金のような非常に息の長い問題は、でき得れば、それは与党、野党ということじゃなくて、国民にとって何が望ましいかという視点でしっかり議論すべきだ、これが三党合意を結んだときの私の率直な気持ちで、その精神はこういった形で結実をしたというふうに思っております。
そして、最後にちょっと申し上げたいと思いますが、柳澤議員の議論にもかかわらず、きょう全体の議論を通して私が受けた感想は、昨年の改革で基本的なところはもう終わっているんだ、あるいは抜本改革はすばらしい改革であるという認識、そして残されたのは、基礎年金については二分の一に持っていくことと共済年金、厚生年金の統合の話が残された宿題だ、それを議論するんだ、簡単に要約すれば与党の方はそういうお話であったかと思っております。
それではやはり国民の期待にこたえたことにならないわけでありまして、私どもが先ほど来言っておりますように、あるいは柳澤議員も言われましたように、やはり現実が変わっている。多様な働き方、そして少子高齢化という現実、そういったことにきちっと対応できるような年金制度を本気になって議論しなきゃいけないということだと思います。
現実は、国民年金は壊れている、私はこう思いますし、厚生年金についても制度が働き方に対して中立的でない。そういう問題に対してきちんと政治が議論をして答えを出していく、その基本精神を持った上で、ぜひこの場でさらに議論を続けていただきたい、そのことをお願いしておきたいと思います。
○与謝野会長 時間が参りましたが、一人三分ぐらいのことで御発言をいただければと思います。
○武部議員 まず、三党合意のことですけれども、我々は常に政権交代可能な政治システムというものを選択したわけですね。政治は国民のものですから、国民本位に持続可能な年金や社会保障制度をどう構築していくかということを前提に三党合意が結ばれた、このように思います。したがいまして、これは非常に重い事実であり、その延長線でこの両院合同会議が設けられた、このように認識しております。
同時にまた、国民本位に持続的な社会保障制度をどう構築していくかというときに、負担と給付という問題、今岡田代表の話にありましたように、超少子高齢社会という前提、あるいはまた大変な財政赤字というものも抱えているというときに、これらを踏まえてこの両院合同会議で成案を求めていこう。しかし、その前提はやはり継続した議論ということは言うまでもないことだ、私はそのように認識しておりますし、それが我が党の基本的な考えです。
○枝野議員 この場所で建設的な議論を進めていくためには、まずお互いにきちっと相手の主張を認識し合っていただきたいと思います。
先ほど岡田代表から話がありましたとおり、我が党は基礎年金全額を消費税で賄うとは言っていないにもかかわらず、津島先生は当然そのことを今までの経緯で御存じであるはずなのに、全額消費税だと何%になるだなんて揚げ足取りをやっている。あるいは、丹羽先生も当然我が党の今までの法案の流れを勉強されていると思いますが、我が党は過去債務についての処理もちゃんと全部セットでして打ち出しておりまして、白地に物を書いたりしていません。少なくとも我が党の案をちゃんと勉強して物を言っていただくか、その上で揚げ足取りをやめていただくことが建設的な議論をする上での最低限の前提だというふうに思っております。
その上で、先ほど来、負担と給付について、確かに負担と給付のつじつま合わせを最後にしなきゃならないのは間違いありません。しかし、まず現行の与党案、政府案はつじつま合わせ自体を放棄していませんか。
結局、年金というのは、集める額を高くすれば、つまり負担を大きくすれば給付も大きくできる、給付を少なくすれば負担を小さくできる。これは当たり前、皆さんも納得される話だと思います。それなのに、負担の上限と給付の下限を決めるということ自体は論理的にあり得ないんです。つまり、負担はここで頭どめですということだったら、それ以上必要だとしても負担はふやすことができないんです。給付はこれより下げないということだとすると、逆にここより給付を下げなきゃならないような状況になったら、ここで維持しようと思ったらその分負担がふえる必要があるわけです。ですから、負担の上限と給付の下限を両方決めるということはあり得ないわけです。片方だけ決めるんだったらあり得ます。両方決めるということは論理的にあり得ない。ちょっと頭のいい人だったらすぐわかるはずです。きちっと考えてください。
しかも、昨年の案は例の出生率の数字が出たことによってもう既につじつまが合わなくなる。つまり、あらゆる前提数値が政府の想定どおりであれば確かに上限と下限は確定できるでしょう。しかし、それは今まで五年ごとにやってきたことが全部外れてきたのと全く同じ理屈です。そして現実に、結果、外れているじゃないですか。やることというのは、上限を決めるのか下限を決めるのか、どちらかしかあり得ないということです。
その上で、まず枠組みとして公平であるのか、公正であるのか、それがどうなるのかということで、先ほど来ずっと議論に出てきておりますが、ぜひ次回には、柳澤先生は少し御理解をいただいていてそういった方向のお話がありましたが、一番のポイントは、国民年金の空洞化をどうするんだ、特に国民年金層に入れられている自営業者じゃない人たちをどうするつもりなのか、この人たちを切り捨てるのかどうするのか、このことについて明確に与党としての見解を出していただきたい。
もう一つは、今のような雇用の流動化している中で企業負担をどんどん上げていくという中では、先ほど来中立ではないという言い方をしましたが、どんどん厚生年金の対象の外に、企業ごと、あるいは働き方、パートなどということで、厚生年金も空洞化していきます。このことをどうやってとめるつもりなのか、それともそれで構わないというつもりなのか。それで構わないということだったら、計算以上に厚生年金の年金負担者層が減っていきますから、計算が成り立たなくなるはずです。これについて、次回には明確な回答を与党としてお答えいただきたいと思います。
以上です。
○阿部議員 済みません、一分ほどお時間をちょうだいいたします。
少子高齢社会の年金問題ですから、私はあと一点、日本の社会保障制度における家庭、子供に対する給付が非常に低いという現状もあわせてぜひ御論議いただきたいし、それから、先ほど伊吹議員からいただきましたお答えは、主婦が基礎年金の定額部分をどう負担しておるかということに対しては、私はちょっと違うかなと思いますので、ここも含めてこれから私どもが女性、子育て社会の姿ということを論議できる場であってほしいとお願い申し上げて、私の発言を終わります。
○与謝野会長 それでは、時間も参りましたので、本日の自由討議は、この程度で終了することにいたします。
次回は、来る二十二日金曜日合同会議を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
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